JP2014100809A - 黒色めっき皮膜を有する車両用加飾部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】黒色外観色調で傷のつきにくい車両用加飾部品及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】車両用加飾部品を、樹脂基材4と、樹脂基材4上に積層された下地めっき層2と、下地めっき層2に積層された黒色めっき層1と、を有し、黒色めっき層1が最外層に形成されるように構成する。また、車両用加飾部品の製造方法を、樹脂基材4表面に下地めっき層2を積層する工程と、下地めっき層2にコバルトクロム系合金からなる黒色めっき層1を積層する工程と、黒色めっき層1の表面に酸浸漬処理を施して黒色皮膜層1aを形成する工程と、黒色皮膜層1aの不動態化を行う工程と、を有するように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】車両用加飾部品を、樹脂基材4と、樹脂基材4上に積層された下地めっき層2と、下地めっき層2に積層された黒色めっき層1と、を有し、黒色めっき層1が最外層に形成されるように構成する。また、車両用加飾部品の製造方法を、樹脂基材4表面に下地めっき層2を積層する工程と、下地めっき層2にコバルトクロム系合金からなる黒色めっき層1を積層する工程と、黒色めっき層1の表面に酸浸漬処理を施して黒色皮膜層1aを形成する工程と、黒色皮膜層1aの不動態化を行う工程と、を有するように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂基材の表面に、黒色めっき皮膜を有する車両用加飾部品及びその製造方法に関する。
自動車や家電製品等の分野では、意匠性などの観点から黒色の外観を有する基板のニーズが高まっている。従来では、黒色を有する車両用加飾部品を製造するために、亜鉛或いは亜鉛合金製等の金属基材や熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の樹脂基材に3価クロム等を主成分とする金属めっきを施して黒色めっき層を形成する方法が提案されている。しかし、3価クロム等を主成分とする黒色めっき層基板の表面は金属光沢のある銀白色のスモーク調の色調となることから、深みのある漆黒調の黒色を表現するためには、金属めっき層表面にさらに黒色の樹脂塗膜を塗装する必要がある。つまり、従来の黒色を有する車両用加飾部品は、図2に示すように、樹脂基材或いは金属基材13上にクロム等の金属を含む黒色の金属めっき層12を積層し、その上層にさらに樹脂塗膜11が塗装された構造となっている。
特許文献1には、樹脂基材に金属めっき層としてのクロムめっき層を積層し、その表面に黒色透明感を付与するためのスモーククリア層をスプレー塗装した車両ラジエータグリルが記載されている。また、特許文献2には、亜鉛合金めっき基材に亜鉛−ニッケル−クロムで構成される黒色めっき層を積層し、その表面をクロム酸塩で被覆(クロメート処理)するとともに、さらにその上層に樹脂被膜層を被覆した黒色めっき基板が記載されている。
しかし、金属めっき層12の表面を樹脂塗膜11により塗装したこれら黒色めっき部品を車両用加飾部品に適用した場合、車両走行時の飛び石等により、樹脂塗膜11が部分的に剥がれてしまうといった問題があった。これは、金属めっき層12が無機物であるのに対し樹脂塗膜11が有機物であることから両者の間の密着性が低いこと、飛び石等の衝撃による応力に対し無機物と有機物とではその歪み収縮量に差があること、等が原因となっていると考えられる。また、金属めっき層12の表面に樹脂塗膜11を施すことにより金属めっき層12の金属光沢が被覆されてしまい、車両用加飾部品表面の十分な光輝性が得られないといった問題もあった。さらに、樹脂塗膜11の塗装工程において、塗装条件や塗装膜厚により塗料が平滑になりきれずにいわゆるゆず肌が生じたり、塗料が樹脂塗膜11の端で溜まりとなって製品に不必要な厚み部分が生じたりする場合があり、車両用加飾部品としての外観色調が低下するといった問題もあった。そして、これらいずれもが、車両用加飾部品の意匠性の低下の大きな要因となっていた。
本発明は、これら従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、黒色外観色調で傷のつきにくい車両用加飾部品及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、車両用加飾部品は、樹脂基材と、前記樹脂基材上に積層された下地めっき層と、前記下地めっき層に積層された黒色めっき層と、を有し、前記黒色めっき層が最外層に形成される。
この構成によれば、無機物である黒色めっき層の表面に有機物である樹脂塗膜が存在しないため、無機物と有機物との密着性不良に基づく樹脂塗膜の剥がれといった問題が生じることがない。また、樹脂塗膜特有のゆず肌、溜まりが発生することがなく、車両用加飾部品の外観色調が良好となる。さらに、黒色めっき層が最外層に形成されていることから、黒色めっき層特有の黒色の色調、金属めっき層特有の光輝性を直接表出させることができ、意匠性に優れた車両用加飾部品を提供することができる。
好ましくは、前記黒色めっき層のL値が45以下である。
好ましくは、前記黒色めっき層は、コバルトクロム系合金からなる。
好ましくは、前記黒色めっき層の表層部分には、酸化コバルト層が形成されている。
好ましくは、前記黒色めっき層は、コバルトクロム系合金からなる。
好ましくは、前記黒色めっき層の表層部分には、酸化コバルト層が形成されている。
上記課題を解決するために、車両用加飾部品の製造方法は、樹脂基材表面に下地めっき層を積層する工程と、前記下地めっき層にコバルトクロム系合金からなる黒色めっき層を積層する工程と、前記黒色めっき層の表面に酸浸漬処理を施して黒色皮膜層を形成する工程と、前記黒色皮膜層の不動態化を行う工程と、を有する。
本発明の車両用加飾部品によれば、黒色外観色調で傷がつきにくい。また、本発明の車両用加飾部品の製造方法によれば黒色外観色調で傷がつきにくい車両用加飾部品を得ることができる。
本発明の一実施形態を車両用加飾部品であるラジエータグリルに具体化して説明する。
図1に示すように、ラジエータグリルは、樹脂基材4と、前記樹脂基材4に導電性を施すために積層された無電解ニッケルめっき層3と、無電解ニッケルめっき層3上に積層された下地めっき層2と、前記下地めっき層2上に積層された黒色めっき層1とを有する黒色めっき基板として構成されている。
図1に示すように、ラジエータグリルは、樹脂基材4と、前記樹脂基材4に導電性を施すために積層された無電解ニッケルめっき層3と、無電解ニッケルめっき層3上に積層された下地めっき層2と、前記下地めっき層2上に積層された黒色めっき層1とを有する黒色めっき基板として構成されている。
樹脂基材4を構成する材料は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を適宜選択して使用することができる。具体的には、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、PC/ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、強度、耐久性等の観点から、ABS樹脂、或いはPC/ABS樹脂が好ましい。
まず、樹脂基材4に導電性を付与するために前処理を行う。ABS樹脂基材をクロム酸に浸漬して基材表面をエッチング処理して、エッチング処理後の表面にPdーSnの金属錯体付与により活性化を行う。その後、無電解ニッケルめっき処理を行って、ABS樹脂基材表面にごく薄いニッケル皮膜からなる無電解ニッケルめっき層3を形成する。無電解ニッケルめっき液中のニッケルイオン供給源としては、例えば硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル等のニッケル塩が挙げられる。その他、キレート剤、還元剤、金属安定剤等を適宜用いることができる。このような、無電解ニッケルめっき処理により均一な膜厚が得られるとともに緻密な膜を形成することができ、これにより、ABS樹脂基材に導電性が付与される。
次に、無電解ニッケルめっき層3によって導電性が確保されたABS樹脂基材に下地めっき層2を積層する。下地めっき層2は、Cu、Zn、Cr、Mo、Fe、Pb、Sn、Ni等の金属或いは金属合金を適宜選択して電解めっき処理により形成することができる。本実施形態では、銅めっき、及び半光沢ニッケルめっき、光沢ニッケルめっき、マイクロポーラスーニッケルめっきの3種のニッケルめっきを順に電解めっき処理することにより下地めっき層2を構成している。
続いて、下地めっき層2の表面に黒色めっき層1を積層する電解めっき処理を行う。黒色めっき層1に用いられる金属は、その後の酸化処理による黒色化により黒色めっき基板のL値が低くなることを考慮して適宜選択することができる。この場合、L値を好適な値にするためには、金属酸化物の有するバンドギャップ(Eg)及び屈折率(n)の値を考慮して選択する。本実施形態では、バンドギャップ(Eg)が1.55eV以下で且つ屈折率(n)が1.97以上である金属酸化物を目標値とし、このような条件を充足する金属を選択している。この観点から本実施形態では、コバルトリッチなコバルトクロム系合金を採用している。これは、酸化コバルト含量が増すに連れて黒色性が強くなるため、コバルトクロム皮膜形成後の酸化処理により酸化コバルトが生成して漆黒調の黒色めっき層(酸化コバルト層)1を形成することができることによる。したがって、コバルトクロム系合金の皮膜組成は、コバルトがコバルトクロム全体に対して金属量(重量)として50〜98%であることが好ましい。
コバルトクロム系合金による電解めっき処理に使用するクロム化合物は、3価クロム化合物を適宜選択して使用することができる。その具体例としては、硫酸クロム(Cr2(SO4)3)、クロムミョウバン(KCr(SO4)2)、硝酸クロム(Cr(NO3)3)、塩化クロム(CrCl3)、酢酸クロム(Cr(CH3COO)3)等が挙げられる。また、コバルト化合物も適宜選択して使用することができる。その具体例としては、硝酸コバルト(Co(NO3)2)、硫酸コバルト(Co(SO4))、塩化コバルト(CoCl2)等が挙げられる。電解処理液中に含まれるクロム化合物及びコバルト化合物の液組成は、要求される黒色化の度合いに応じて、ここに例示した化合物中から適宜選択して組み合わせればよいが、本実施形態では、硫酸クロムと硫酸コバルトの混合溶液を用いて電解めっき処理を行っている。これら化合物は、金属量として0.1〜50g/L程度、特に1〜40g/L程度の液組成とすることが好ましい。また、電解処理液中には、通常の電解めっき処理方法と同様に、導電性塩、pH緩衝剤、表面調整剤等を添加することができる。
電解めっき処理は、従来周知の湿式電解めっき法に準じて行うことができる。本実施形態のコバルトクロム系合金からなる黒色めっき層1の形成には、めっき浴のpHが3〜3.8の範囲内であることが好ましく、浴温が40〜60℃の範囲内であることが好ましく、浴電圧が6〜10Vの範囲内であることが好ましい。また、電解めっき時の電流密度は、陰極電流密度が6〜20A/dm2、陽極電流密度が3〜10A/dm2の範囲内であることが好ましく、エアー撹拌により電解処理液を撹拌しながら電解めっき処理を行うことができる。
以上述べた一連の処理により、樹脂基材4、該樹脂基材4に導電性を付与する無電解ニッケルめっき層3、下地めっき層2、コバルトクロム系合金からなる黒色めっき層1が積層された黒色めっき基板を得ることができる。ここで得られた黒色めっき基板のコバルトクロム系合金からなる黒色めっき層1は、膜厚が100〜2000nm、Co/Crの合金比率が1〜12の範囲内となっている。また、黒色めっき層1は、アモルファス状のコバルトクロム系合金皮膜として形成されている。
次に、黒色めっき層1が積層された黒色めっき基板に酸浸漬処理を行う。ここでは、黒色めっき層1が積層された黒色めっき基板を酸溶液中に浸漬し、コバルトを酸化することにより表層に黒色皮膜層としての酸化コバルト層1aを析出させることで黒色めっき基板に漆黒調の黒味を付与するものである。
酸浸漬処理酸溶液に溶解させる酸については特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸、或いは各種有機酸等から適宜選択することができる。これら各種酸溶液はpH1.5〜3.0の範囲内であることが好ましい。pHが3を超えるような場合、酸化コバルト層1aの析出が十分でない。また、酸溶液温度は、40〜60℃の範囲内が好ましい。40℃未満であると、酸化コバルト層1aに色むらが発生して好ましくなく、60℃を超える温度であると、樹脂基材4の熱変形が生じる点から好ましくない。さらに、酸溶液中での処理時間は、2〜20分であることが好ましい。2分未満であると、酸化反応が十分に進行せず、表層の酸化コバルト層1aの厚みが十分に形成されずに表面明度であるL値において満足できる値が得られない。
図1の部分拡大図に示すように、コバルトクロム系合金からなる黒色めっき層1が積層された黒色めっき基板に酸浸漬処理を行うことにより、黒色めっき層1の表層部分に黒色皮膜層としての酸化コバルト層1aの形成が進み、内部ではコバルトクロム系合金層1bが残存しつつ表層部分が酸化コバルト層1aで被覆された漆黒調の黒色めっき基板を得ることができる。ここで得られた黒色めっき基板の酸化コバルト層1aは、その膜厚が50〜1000nmでアモルファス状結晶として形成されている。
最後に、黒色めっき基板を無水クロム酸溶液に浸漬することにより、黒色めっき層1の表面に不動態化皮膜を生成する不動態化処理を行う。黒色めっき層1の不動態化処理は、従来周知の方法で行うことができる。本実施形態では、25重量%の無水クロム酸溶液を使用して不動態化を行っている。
以上の実施形態によれば、以下の作用が得られる。
本実施形態の黒色めっき基板は、樹脂塗膜で被覆することなく最外層に黒色めっき層1を表出させた状態であっても、黒色めっき層1で深みのある黒色を表現することが可能であり、そのL値を45以下の漆黒調とすることができる。具体的には、黒色めっき層1の酸浸漬処理により酸化コバルト層1aの形成が進行するため、酸化コバルト層1aが黒色めっき層1の黒色の度合いを深めるように作用する。また、金属酸化物の有するバンドギャップ(Eg)及び屈折率(n)の値を考慮してコバルトクロム系合金で黒色めっき層1を形成したことから、黒色めっき層1がより黒色の深い漆黒調の黒色皮膜層を有するように作用する。
本実施形態の黒色めっき基板は、樹脂塗膜で被覆することなく最外層に黒色めっき層1を表出させた状態であっても、黒色めっき層1で深みのある黒色を表現することが可能であり、そのL値を45以下の漆黒調とすることができる。具体的には、黒色めっき層1の酸浸漬処理により酸化コバルト層1aの形成が進行するため、酸化コバルト層1aが黒色めっき層1の黒色の度合いを深めるように作用する。また、金属酸化物の有するバンドギャップ(Eg)及び屈折率(n)の値を考慮してコバルトクロム系合金で黒色めっき層1を形成したことから、黒色めっき層1がより黒色の深い漆黒調の黒色皮膜層を有するように作用する。
本実施形態の黒色めっき基板によれば、次のような効果が得られる。
(1)黒色めっき基板の表面に樹脂塗膜が形成されないことから、黒色めっき基板の表面に傷がついたり、ゆず肌となったり、溜まりが生じたりすることがなく、意匠性の高い外観を実現することができる。
(1)黒色めっき基板の表面に樹脂塗膜が形成されないことから、黒色めっき基板の表面に傷がついたり、ゆず肌となったり、溜まりが生じたりすることがなく、意匠性の高い外観を実現することができる。
(2)黒色めっき層1の表層部分の酸化コバルト層1aにより黒色めっき層1の色調をより漆黒調とすることができる。深みのある黒色を実現できて、車両用加飾部品の意匠性を向上させることができ、消費者の多様なニーズにも答えることができる。
(3)黒色めっき層1で漆黒調を表現できることから、黒色めっき層1表面にさらに黒色の樹脂塗膜を塗装する必要がない。これにより、樹脂塗膜の剥がれ、樹脂塗膜表面のゆず肌、溜まりといった現象が生じることがなく、車両用加飾部品の意匠性を向上させることができる。
(4)樹脂塗膜を塗装しなくても漆黒調の黒色めっき皮膜を形成することができることから、車両用加飾部品の製造工程を少なくすることができる。
(5)黒色めっき層1の酸浸漬処理により黒色の深い酸化コバルト層1aの形成が進行するため、酸浸漬処理の処理条件を変更することにより、所望の黒色の深みを発現させることができる。
(5)黒色めっき層1の酸浸漬処理により黒色の深い酸化コバルト層1aの形成が進行するため、酸浸漬処理の処理条件を変更することにより、所望の黒色の深みを発現させることができる。
本実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 本実施形態では、黒色めっき層1をコバルトクロム系合金で形成したが、バンドギャップ(Eg)が1.55eV以下で且つ屈折率(n)が1.97以上であるとの条件を満たす金属酸化物を形成する金属であれば、適宜他の金属或いは金属合金に変更することが可能である。このような性状を有する金属であれば、黒色の深い漆黒調の黒色めっき層1を形成することができる。
・ 本実施形態では、黒色めっき層1をコバルトクロム系合金で形成したが、バンドギャップ(Eg)が1.55eV以下で且つ屈折率(n)が1.97以上であるとの条件を満たす金属酸化物を形成する金属であれば、適宜他の金属或いは金属合金に変更することが可能である。このような性状を有する金属であれば、黒色の深い漆黒調の黒色めっき層1を形成することができる。
・ 本実施形態では、樹脂基材4としてABS樹脂基材を用いたが、他の合成樹脂からなる樹脂基材を用いてもよい。
・ 本実施形態では、めっき処理の前処理として、無電解ニッケルめっき層3を積層することにより樹脂基材に導電性を付与したが、他の方法で導電性を付与するようにしてもよい。
・ 本実施形態では、めっき処理の前処理として、無電解ニッケルめっき層3を積層することにより樹脂基材に導電性を付与したが、他の方法で導電性を付与するようにしてもよい。
・ 本実施形態では、下地めっき層2として、銅めっき層、半光沢ニッケルめっき層、光沢ニッケルめっき層、マイクロポーラスーニッケルめっき層を積層したが、これらの金属めっき層に限定されない。Cu、Zn、Cr、Mo、Fe、Pb、Sn、Ni等の金属或いは金属合金を適宜選択して下地めっき層を形成してもよい。また、積層順序も本実施形態の積層順序に限定されない。
・ 本実施形態では、下地めっき層2を4層構造としたが、このような積層数に限定されない。金属めっき層1層で構成してもよく、2層、3層、或いは5層以上で形成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態を更に具体的に説明する。
[試験1:本発明の黒色めっき基板と従来例の黒色めっき基板の黒色度、耐衝撃性、平滑性の比較]
[実施例A]
漆黒調の黒色めっき基板を製造するために、まずABS樹脂製の樹脂基材を準備し、樹脂基材の導電性を確保するべく、樹脂基材表面の前処理を行なった。前処理では、ABS樹脂基材をクロム酸に浸漬してエッチング処理し、エッチング処理後の表面にPdーSnの金属錯体を付与して活性化後、無電解Niめっき処理を行なうことにより、ABS樹脂基材表面にNi塗膜を形成して導電体とした。
[試験1:本発明の黒色めっき基板と従来例の黒色めっき基板の黒色度、耐衝撃性、平滑性の比較]
[実施例A]
漆黒調の黒色めっき基板を製造するために、まずABS樹脂製の樹脂基材を準備し、樹脂基材の導電性を確保するべく、樹脂基材表面の前処理を行なった。前処理では、ABS樹脂基材をクロム酸に浸漬してエッチング処理し、エッチング処理後の表面にPdーSnの金属錯体を付与して活性化後、無電解Niめっき処理を行なうことにより、ABS樹脂基材表面にNi塗膜を形成して導電体とした。
続いて、前処理により導電性が付与されたABS樹脂に下地めっき処理を行った。下地めっき処理は、導電性ABS樹脂基板を各種金属めっき浴中に浸すことにより、銅めっき層、半光沢ニッケルめっき層、光沢ニッケルめっき層、マイクロポーラスーニッケルめっき層の順で積層されるように処理を行なった。
次に、下地めっき処理したABS樹脂基板をコバルトクロムめっき浴中で電解めっき処理をするコバルトクロムめっき処理を行なった。使用した電解質溶液は、Cr3+の金属量濃度が30g/L、Co2+の金属量濃度が3g/Lの硫酸塩溶液であり、他に電導性塩、pH緩衝剤、表面調整剤等を含有するものである。コバルトクロムめっき浴は、浴温50℃、pH3.5、陰極電流密度10A/dm2、陽極電流密度5A/dm2、成膜速度0.1μm/分の条件下で15分間の電解めっき処理を行なってコバルトクロム系合金層からなる黒色めっき層を形成した。
続いて、表面に黒色めっき層が積層されたABS樹脂基板を取り出し、その表面を酸浸漬処理することにより酸化コバルト層を形成した。酸浸漬処理は、pH1.5の有機酸を満たした処理槽中にABS樹脂基板を浸漬し、処理温度50℃で10分間保持することにより行った。この酸浸漬処理により黒色めっき層であるコバルトクロム系合金層の表層部分の酸化が進んで酸化コバルト層が形成され、表層部分の黒味が増して漆黒調の色調となった。最後に無水クロム酸溶液に浸漬して不動態化を行った。25重量%の無水クロム酸溶液中での浸漬処理を、pH3.0、液温40℃、電流密度0.5A/dm2の条件下で5分間行うことで不動態化した。得られた黒色めっき層の組成比率は、金属量としてCo90%、Cr5%であり、その他炭素、酸素、硫黄等で構成されている。
[比較例A]
ABS樹脂製の樹脂基材に対して、前処理、下地めっき処理は実施例Aと同様の操作で行った。下地めっき処理後、従来の黒色3価クロムめっき処理を行なって黒色3価クロム層を積層した。
ABS樹脂製の樹脂基材に対して、前処理、下地めっき処理は実施例Aと同様の操作で行った。下地めっき処理後、従来の黒色3価クロムめっき処理を行なって黒色3価クロム層を積層した。
[比較例B]
ABS樹脂製の樹脂基材に対して、前処理、下地めっき処理、及び黒色3価クロムめっき処理は比較例Aと同様の操作で行った。黒色3価クロムめっき層の表面をスモーククリア塗装で被覆して樹脂皮膜を形成した。
ABS樹脂製の樹脂基材に対して、前処理、下地めっき処理、及び黒色3価クロムめっき処理は比較例Aと同様の操作で行った。黒色3価クロムめっき層の表面をスモーククリア塗装で被覆して樹脂皮膜を形成した。
得られた実施例及び比較例の黒色めっき基板を以下の試験方法に従って評価した。その評価結果を表1に示す。
<黒色度(表面明度)>
分光型色差計を用いてL値を測定した。
<黒色度(表面明度)>
分光型色差計を用いてL値を測定した。
<耐衝撃性>
黒色めっき基板に35cmの距離から玄武岩6号を0.4MPaで投げて表面の剥がれの有無を目視により評価した。
黒色めっき基板に35cmの距離から玄武岩6号を0.4MPaで投げて表面の剥がれの有無を目視により評価した。
○:剥がれなし、×:剥がれあり。
<平滑性>
表面のゆず肌状の凹凸の有無を目視により評価した。
<平滑性>
表面のゆず肌状の凹凸の有無を目視により評価した。
○:凹凸なし、×:凹凸あり。
[試験2:酸浸漬処理における処理液pH、酸浸漬処理時間を変えたときの黒色めっき基板の比較]
次に、試験1で示した本発明の黒色めっき基板について、酸浸漬処理の処理時間、処理液pHを適宜変えることにより得られる黒色めっき基板の性能を評価した。酸浸漬処理時間、処理液pH以外は試験1と同様の操作により行った。処理液pH、酸浸漬処理時間については、pH2.5の有機酸中で2、5、10分保持したもの、pH1.5の有機酸中で5、8、10分保持したものについてそれぞれ評価した。対照として、酸浸漬処理を行わないもの、つまり酸浸漬処理時間0分のものについても同様に評価した。
次に、試験1で示した本発明の黒色めっき基板について、酸浸漬処理の処理時間、処理液pHを適宜変えることにより得られる黒色めっき基板の性能を評価した。酸浸漬処理時間、処理液pH以外は試験1と同様の操作により行った。処理液pH、酸浸漬処理時間については、pH2.5の有機酸中で2、5、10分保持したもの、pH1.5の有機酸中で5、8、10分保持したものについてそれぞれ評価した。対照として、酸浸漬処理を行わないもの、つまり酸浸漬処理時間0分のものについても同様に評価した。
酸浸漬処理後に得られた漆黒調の黒色めっき基板についてその性能を以下の評価方法に従って評価した。その評価結果を表2に示す。なお、実施例1で示した黒色度(表面明度)、耐衝撃性については実施例1と同様の方法で行った。
<化物膜厚>
黒色めっき基板の表層からの酸化コバルト層の深さ(nm)をSEM画像解析により測定した。
黒色めっき基板の表層からの酸化コバルト層の深さ(nm)をSEM画像解析により測定した。
<耐食性>
CASS試験(JIS H 8502)により評価した。
具体的には、CASS試験槽に試料を設置し、酢酸でpH3.0に調整したNaCl/CuCl2試験液を投入して、試験槽温度50℃、湿度65%の条件下で50時間経過後、試料を取り出し、変色、しみ、腐食、表面劣化、剥離等の表面状態の変化を目視で評価した。
CASS試験(JIS H 8502)により評価した。
具体的には、CASS試験槽に試料を設置し、酢酸でpH3.0に調整したNaCl/CuCl2試験液を投入して、試験槽温度50℃、湿度65%の条件下で50時間経過後、試料を取り出し、変色、しみ、腐食、表面劣化、剥離等の表面状態の変化を目視で評価した。
○:表面状態変化なし、×:表面状態変化あり。
<付着性>
碁盤目テープ試験(JIS K 5400)により評価した。
<付着性>
碁盤目テープ試験(JIS K 5400)により評価した。
具体的には、試料表面にカッターナイフで切り傷をつけて碁盤目を作り、碁盤目にセロハン粘着テープを強く圧着させた後、一気に引き剥がし、碁盤目の状態を目視で評価した。
○:剥がれなし、×:剥がれあり。
<光輝性>
60°グロス値により評価した。
<光輝性>
60°グロス値により評価した。
また、酸浸漬時間の比較では、酸浸漬時間が長いほどコバルトクロム系合金層の酸化が進み、酸化コバルト層の膜厚が厚くなることがわかる。同じ酸浸漬時間では、pHが低いほど酸化コバルト層の膜厚が厚くなる。
耐食性についてはpH1.5、酸浸漬時間8分以上で良好な結果が得られた。耐衝撃性、付着性についてはコバルトクロム系合金層の形成がその性能に寄与していることが窺えた。
1…黒色めっき層、1a…酸化コバルト層、2…下地めっき層、4…樹脂基材。
Claims (5)
- 樹脂基材と、
前記樹脂基材上に積層された下地めっき層と、
前記下地めっき層に積層された黒色めっき層と、を有し、
前記黒色めっき層が最外層に形成された車両用加飾部品。 - 前記黒色めっき層のL値が45以下である請求項1に記載の車両用加飾部品。
- 前記黒色めっき層は、コバルトクロム系合金からなる請求項1または2に記載の車両用加飾部品。
- 前記黒色めっき層の表層部分には、酸化コバルト層が形成されている請求項3に記載の車両用加飾部品。
- 樹脂基材表面に下地めっき層を積層する工程と、
前記下地めっき層にコバルトクロム系合金からなる黒色めっき層を積層する工程と、
前記黒色めっき層の表面に酸浸漬処理を施して黒色皮膜層を形成する工程と、前記黒色皮膜層の不動態化を行う工程と、を有する車両用加飾部品の製造方法。
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