JP2014097435A - 吸収性物品 - Google Patents

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幸司 鍵尾
Yuki Orito
有希 織戸
Yuuki Hasebe
勇樹 長谷部
Motoko Nishida
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Abstract

【課題】尿等の拡散性に優れ、横漏れが起こりにくい吸収性物品を提供する。
【解決手段】液透過性のトップシート2と液不透過性のバックシート3とこれらの間に設けられた吸収性積層体4とを有する吸収性物品1であって、吸収性積層体4は、前後方向yと幅方向xとを有し、トップシート2側から上側吸収層5と下側吸収層7とを有し、下側吸収層7は前後方向yに延びる開口8を有し、上側吸収層5は、前側縁6に略V字形状の切欠きが形成されており、略V字形状の斜辺部は前後方向yの前方側に膨らんだ曲線状に形成され、上側吸収層5が開口8の後側端を覆っている。
【選択図】図2

Description

本発明は、尿パッド(失禁パッドを含む)、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関するものである。
従来、吸収性物品において尿等の拡散性を高めるために、吸収性コアに開口が形成された吸収性物品が知られている。例えば特許文献1には、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性積層体を有し、吸収性積層体が吸収性コアとして上側吸収層と下側吸収層を有し、上側吸収層に開口(スリット)が形成された吸収性物品が開示されている。
特開2010−131206号公報
特許文献1に開示される吸収性物品は、上側吸収層に形成された開口で尿等の拡散性が高められ、この開口で拡散した尿等が上側吸収層や下側吸収層で吸収される。しかし、着用者から尿等が一度に大量に排出された場合、例えば開口の後側端に一度に大量の尿等が移行すると、開口の後側端で尿等が溢れて横漏れするおそれがある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、尿等の拡散性に優れ、横漏れしにくい吸収性物品を提供することにある。
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれらの間に設けられた吸収性積層体とを有する吸収性物品であって、吸収性積層体は、前後方向と幅方向とを有し、トップシート側から上側吸収層と下側吸収層とを有し、下側吸収層は前後方向に延びる開口を有し、上側吸収層が開口の後側端を覆っているところに特徴を有する。本発明の吸収性物品は、下側吸収層の開口で尿等が前後方向に拡散し、開口の後方側に拡散した尿等は、開口の後側端が上側吸収層で覆われて形成されるポケットに収容される。ポケットに収容された尿等は、上側吸収層と下側吸収層とによって吸収されるため、尿等が速やかに吸収されるようになる。さらに、開口の後側端に一度に大量の尿等が移行しても、ポケットで尿等が前方に戻されるため、尿等が開口から溢れにくくなり、下側吸収層や上側吸収層で尿等が確実に吸収されるようになる。そのため、尿等の横漏れが起こりにくくなる。
上側吸収層は、吸収性物品の着用者が着座した際、着用者の臀部が載るように設けられることが好ましい。従って、上側吸収層は、着座時に着用者の臀部が載るようにしつつ、開口を覆わない部分をより広く確保して開口での尿等の拡散性を向上させる点から、上側吸収層には前側縁に切欠きが形成されていることが好ましい。さらに、切欠きは、幅方向の中心線に対し略対称に形成されていることが好ましい。
切欠きの形状としては、略V字形状が挙げられる。切欠きが略V字形状であれば、上側吸収層の面積をより広くとりやすくなる。従って、着座時に着用者の臀部を上側吸収層に載せやすくなるとともに、上側吸収層の吸収容量を高めやすくなる。さらに、切欠きが略V字形状である場合、略V字形状の斜辺部は、前後方向の前方側に膨らんだ曲線状であることが好ましい。この場合、下側吸収層で受けた尿等が後方側に移行した際、上側吸収層の前側縁に沿って尿等が幅方向の内方側に誘導されやすくなり、尿等の横漏れが起こりにくくなる。また、上側吸収層の前側縁に形成された切欠きの略V字形状の斜辺部の曲線形状が着用者の臀部の左右の膨らみと適合して、着座時に、上側吸収層に着用者の臀部を載せやすくなる。
下側吸収層は、開口が幅方向の中心線に対し略対称に2つ設けられていることが好ましい。このように開口が設けられていれば、吸収性積層体の前後方向への圧縮強度が増し、吸収性積層体を所定形状に保持しやすくなる。
吸収性積層体は、前後方向の中間部が幅狭に形成され、開口が中間部の最も幅狭な部分で前後方向に延びるように下側吸収層に形成されていることが好ましい。開口がこのように形成されれば、着用者から***されて吸収性積層体の前側部で受けた尿等が、着用者の股間を越えて吸収性積層体の後側部まで拡散しやすくなる。
上側吸収層は、吸収性積層体の中間部の最も幅狭な部分よりも後方に設けられていることが好ましい。上側吸収層がこのように設けられれば、吸収性積層体は着用者の股間で厚みが薄くなり、吸収性物品の着用者の股間での着用感が向上する。
本発明の吸収性物品は、前後方向への拡散性に優れることから、吸収性物品の股部(着用者の股間が当てられる部分)での幅を狭く形成することができる。具体的には、吸収性物品は、吸収性積層体の中間部の最も幅狭な部分の幅が吸収性積層体の幅の35%以上50%以下に形成することができる。このように吸収性物品を形成すれば、着用者の股間(両大腿部の間)で吸収性物品が嵩張りにくくなるとともに、着用者の股間での収まりも良好となる。また、着用者は、大腿部を違和感なく動かしやすくなる。
下側吸収層とバックシートの間には、開口と重なって不織布製の拡散層が設けられていてもよい。開口と重なって拡散層が設けられることにより、開口に移行した尿等が拡散層を通って尿等が開口で拡散しやすくなる。
拡散層は、開口の後側端より後方に延在していることが好ましい。この場合、開口に収容された尿等は、拡散層を通って開口より後方の部分まで速やかに拡散しやすくなる。吸収性物品は一般に、前後方向の後側部分が広い面積となるように形成される場合が多く、拡散層が開口の後側端より後方に延在していれば、尿等が吸収性物品のより広い部分である後側部分まで速やかに移行しやすくなる。また吸収性積層体は、開口の後側端より後方では上側吸収層が下側吸収層に積層しているため、当該部分で尿等の吸収容量が大きくなる。従って、尿等が吸収性積層体によって速やかに吸収されやすくなる。
拡散層は開口と重なる受入部と開口と重ならない移送部を有し、受入部が移送部よりも厚く形成されていることが好ましい。このように拡散層が形成されていれば、トップシートを通過した尿等は、開口にある拡散層の受入部に速やかに収容されやすくなる。
吸収性物品に拡散層が設けられ、吸収性物品が股部で幅狭に形成される場合、吸収性積層体や拡散層は次のように構成されてもよい。すなわち、吸収性積層体の前後方向の中間部が幅狭に形成され、中間部の最も幅狭な部分で前後方向に延びるように開口が下側吸収層に、前記幅方向に並行して複数形成され、中間部の最も幅狭な部分で、開口の最外方にある外縁が下側吸収層の外縁から5mm以上20mm以内の領域にあり、拡散層の最外方にある外縁が開口の最外方にある外縁から3mm以内の領域にあり、拡散層が開口の後側端より10mm以上後方まで延在していてもよい。このように開口を形成すれば、下側吸収層の前後方向への圧縮強度を確保しつつ、中間部が着用者の股間で両大腿部により幅方向の外方から力を受けると、開口が歪んで、中間部の幅や形状が着用者の股間に適合しやすくなる。また、このように拡散層が配されれば、中間部の最も幅狭な部分で尿等が下側吸収層の外縁まで拡散しにくくなり、尿等の幅方向への横漏れが防止されるようになる。そして、開口に収容された尿等は、より多くの量が開口の後側端を越えて後方に拡散できるようになる。
本発明の吸収性物品は、開口の後側端が上側吸収層で覆われてポケットが形成されているため、このポケットで尿等が速やかに吸収されやすくなる。また、開口の後側端に一度に大量の尿等が移行しても、ポケットで尿等が前方に戻されて、尿等が開口から溢れることなく下側吸収層や上側吸収層で確実に吸収されやすくなる。そのため、尿等の横漏れが起こりにくくなる。
吸収性積層体をトップシート側から見た平面図を表す。 本発明の吸収性物品の一実施態様として、吸収性物品(尿パッド)をトップシート側から見た平面図を表す。 図2に示した吸収性物品のIII−III断面図を表す。 図2に示した吸収性物品のIV−IV断面図を表す。 本発明の吸収性物品の他の実施態様として、吸収性物品(尿パッド)をトップシート側から見た平面図を表す。 図5に示した吸収性物品のVI−VI断面図を表す。 図5に示した吸収性物品のVII−VII断面図を表す。 図5に示した吸収性物品の吸収性積層体の前後方向の中間部の拡大図を表す。
本発明の吸収性物品は、トップシートとバックシートとこれらの間に設けられた吸収性積層体とを有する。本発明の吸収性物品の態様としては、尿パッド(失禁パッドを含む)、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等が示される。
吸収性物品の形状は特に限定されない。吸収性物品が、例えば尿パッド、生理用ナプキンである場合、吸収性物品の形状としては、略長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等が示される。
吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、左右に一対の止着部材が備えられ、当該止着部材により着用時にパンツ型に形成するオープン型使い捨ておむつであってもよく、ウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつであってもよい。
トップシートは、吸収性物品の着用の際に着用者側に位置するシートであり、液透過性であればその材料は特に限定されない。バックシートは、吸収性物品の着用の際に着用者とは反対側、すなわち外側に位置するシートであり、液不透過性であればその材料は特に限定されない。なお、本発明において、液不透過性とは撥水性の意味も含まれる。
トップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシートとして、織布、編布、孔が形成されたプラスチックフィルムを用いてもよい。
バックシートとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。
トップシートやバックシートとして不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法、エアレイド法やそれらの製法の組み合わせ等により製造されるものが好ましい。また、スパンボンド法とメルトブロー法を組み合わせたSMS法により製造された不織布を用いてもよい。
吸収性積層体は、トップシートとバックシートとの間に設けられ、尿等の***物を吸収する。吸収性積層体は、トップシート側から上側吸収層と下側吸収層とを有する。好ましくは、上側吸収層は下側吸収層に隣接して設けられる。
吸収性積層体は、前後方向と幅方向とを有する。前後方向とは、吸収性物品を着用者が着用した際、着用者の股間の前後方向に延びる方向を意味する。前後方向において、着用者の腹側に当てられる位置を前側と称し、着用者の背側に当てられる位置を後側と称する。幅方向とは、吸収性積層体と同一面上にあり、前後方向と直交する方向を意味する。また、本発明において、上側とは吸収性物品を着用した際の着用者側を意味し、下側とは吸収性物品を着用した際の着用者とは反対側、すなわち外側を意味する。上側から下側に延びる方向を、上下方向と称する。
吸収用積層体を構成する上側吸収層と下側吸収層は、尿等の***物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。上側吸収層や下側吸収層としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは吸収性材料を紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布シート等のシート部材で覆ったものを用いることができる。上側吸収層や下側吸収層に含まれる吸収性材料としては、例えば、粉砕したパルプ繊維、セルロース繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等の体液との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。吸収性材料は、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
吸収性積層体の形状(平面形状)は特に限定されない。上側吸収層と下側吸収層の形状(平面形状)も特に限定されない。吸収性積層体の形状は、用途に応じて適宜決定すればよく、例えば、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等が挙げられる。
吸収性積層体は、下側吸収層が前後方向に延びる開口を有し、上側吸収層が下側吸収層の開口の後側端を覆って構成されている。ここで、吸収性積層体の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、吸収性積層体をトップシート側から見た平面図を表す。なお、本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が上下方向zを表す。また、図1では、図の上側が吸収性物品の後側に相当し、図の下側が吸収性物品の前側に相当する。
吸収性積層体4は、上側吸収層5と下側吸収層7を有し、下側吸収層7は、前後方向yに延びる開口8を有する。下側吸収層7は、前後方向yに延びる開口8を有するため、開口8で尿等が前後方向yに拡散するようになる。
開口8は、前後方向yに延びる限りその形状は特に限定されないが、尿等の前後方向yへの拡散を促進する点から、幅方向xより前後方向yに長い形状であることが好ましい。図1では、開口8の形状は、前後方向yに長い角の丸い長方形となっている。開口8の形状は、例えば、長方形、楕円形、多角形等であってもよい。開口8はまた、前後方向yの端が幅方向xの外方に湾曲する形状であってもよい。開口8がこのような形状であれば、開口8の前側端または後側端で、尿等が前後方向yとともに幅方向xにも拡散しやすくなる。
開口8は、吸収性物品を着用した際、着用者の排尿部付近が面するように、下側吸収層7に配されることが好ましい。このように開口8が設けられれば、着用者から***された尿等を開口8で受けて、開口8で受けた尿等が前後方向yに拡散するようになる。さらに開口8は、後述するように、上側吸収層5が重ならない部分が、着用者の排尿部付近が面するように配されることが好ましい。
開口8は、例えば、吸収性積層体4の前後方向yに対する相対的位置として前側端を0%とし後側端を100%としたとき、開口8の前側端が15%〜40%の範囲(より好ましくは25%〜35%の範囲)に位置し、開口8の後側端が60%〜90%の範囲(より好ましくは62%〜75%の範囲)に位置することが好ましい。このように開口8が形成されていれば、吸収性物品を着用した際、開口8が着用者の排尿部付近が面しやすくなる。開口8の後側端が吸収性積層体4の前側端から60%以上の位置にあれば、尿等が開口8を前後方向yに拡散して、尿等が吸収性積層体4の後側部まで容易に達するようになる。従って、着用者から***され、吸収性積層体4の前側部で受けた尿等が、着用者の股間を越えて吸収性積層体4の後側部まで拡散しやすくなる。さらに、開口8の前側端が吸収性積層体4の前側端から15%以上の位置にあり、開口8の後側端が吸収性積層体4の前側端から90%以下の位置にあれば、尿等が開口8の前側端または後側端まで拡散しても、尿等が吸収性積層体4で好適に吸収されて、尿等の前後方向yへの漏れが起こりにくくなる。
図1では、開口8は2つ設けられているが、開口8の数はこれに限定されない。下側吸収層7に形成される開口8の数は、1つでもよく、3つ以上でもよい。しかし、開口8は、図1に示すように、幅方向xに並行して2つ設けられることが好ましい。このように下側吸収層7に開口8が形成されれば、2つの開口8の間には吸収性材料が設けられることとなり、吸収性積層体4の前後方向yへの圧縮強度が増す。従って、吸収性積層体4は、所定形状を保持しやすくなる。また、開口8の数を2つとすることで、開口1つ当たりの幅を広く形成しやすくなり、開口8での前後方向yの拡散性が高められる。吸収性積層体4を所定形状に保持しやすくする点から、開口8は、幅方向xの中心線に対し略対称に2つ設けられていることがより好ましい。
開口8を幅方向xに並行して2つ設ける場合、吸収性積層体4の前後方向yへの圧縮強度を十分確保する点から、2つの開口8の離間距離は10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましく、20mm以上がさらに好ましい。また、各開口8の幅(幅方向の長さ)は、15mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、40mm以下が好ましく、35mm以下がより好ましい。
上側吸収層5は、下側吸収層7の開口8の後側端を覆うように設けられている。吸収性積層体4はこのように構成される結果、開口8の後側端には尿等を収容可能なポケット9が形成されることとなる。上側吸収層5は前側縁6が開口8を横切るように設けられ、上側吸収層5の前側縁6がポケット9の入口を形成する。吸収性積層体4はこのように構成されることにより、開口8が上側吸収層5で覆われない部分(すなわち開口8の前側)では、尿等が開口8で前後方向yに拡散するようになる。下側吸収層7の開口8で前後方向yに拡散した尿等は、開口8が上側吸収層5で覆われる部分すなわちポケット9に収容され、ポケット9に収容された尿等は上側吸収層5と下側吸収層7とによって吸収されることとなる。
また吸収性積層体4は、開口8の後側端が上側吸収層5で覆われるため、開口8の後側端に一度に大量の尿等が移行しても、ポケット9で尿等が前後方向yの前方に戻されて、尿等が開口8から溢れることなく下側吸収層7や上側吸収層5で確実に吸収されるようになる。例えば、開口8の後側端が上側吸収層5で覆われない場合、開口8の後側端に一度に大量の尿等が移行すると、開口8の後側端で尿等が溢れて、尿等が下側吸収層7で吸収されきれずに横漏れが起こるおそれがある。
上側吸収層5は、吸収性物品の着用者が着座した際、着用者の臀部が載るように設けられることが好ましい。例えば、着用者の臀部が開口8付近に載せられ、吸収性積層体4の臀部が載せられた部分に上側吸収層5が配されていなければ、開口8で尿等が拡散すると、着用者の臀部は下側吸収層7の開口8付近を強く圧迫して、尿等がトップシートに逆戻りしたりして、着用感が悪化するおそれがある。しかし、着座時に上側吸収層5に着用者の臀部が載るように吸収性積層体4に上側吸収層5が配されていれば、下側吸収層7の開口8で尿等が拡散しても、着用者は、吸収性物品を強く圧迫する臀部付近で尿等の逆戻りによる不快感を覚えにくくなり、着用感が向上する。
上側吸収層5は、着座時に着用者の臀部が載るように位置しやすくするために、吸収性積層体4の前側端を0%とし後側端を100%としたとき、上側吸収層5の前側縁6の最前部が吸収性積層体4の前側端から58%以下の範囲(より好ましくは55%以下の範囲)に位置することが好ましい。一方、上側吸収層5は開口8を覆いすぎない方が開口8での尿等の拡散性が高まる点から、上側吸収層5の前側縁6の最前部は、吸収性積層体4の前側端から42%以上の範囲(より好ましくは45%以上の範囲)に位置することが好ましい。また、上側吸収層5の前側縁6の最前部が、吸収性積層体4の前側端から42%〜58%の範囲に位置すれば、開口8の後側端を上側吸収層5が覆って、開口8の後側端にポケット9が形成されやすくなる。
上側吸収層5は、着座時に着用者の臀部が載るようにしつつ、開口8を覆わない部分をより広く確保する点から、前側縁6に切欠きが形成されていることが好ましい。上側吸収層5の前側縁6に切欠きが形成されていれば、前側縁6には前後方向yの後方側に凹んだ部分が形成される。従って、前側縁6の切欠きが形成されない部分や切欠きが浅く形成された部分では、上側吸収層5に着用者の臀部の左右の膨らみが当たって、着座時に上側吸収層5に着用者の臀部を載せやすくなる。一方、前側縁6の切欠きが深く形成された部分では、開口8のより多くの部分が上側吸収層5に覆われなくなり、開口8での尿等の拡散性が向上する。
上側吸収層5の前側縁6に形成される切欠きは、幅方向xの中心線に対し略対称に形成されていることが好ましい。切欠きがこのように形成されていれば、前側縁6の切欠きの最深部が吸収性積層体4の幅方向xの中心線付近に位置しやすくなる。従って、前側縁6の切欠きの最深部が着用者の臀部の左右の膨らみの間に位置しやすくなり、着座時に、着用者の臀部の左右の膨らんだ部分を上側吸収層5に載せやすくなる。
上側吸収層5の前側縁6の切欠きが幅方向xの中心線に対し略対称に形成される場合、下側吸収層7の開口8は、幅方向xの中心線に対し略対称に2つ設けられることが好ましい。この場合、上側吸収層5の前側縁6の切欠きの最深部には、下側吸収層7の吸収性材料が重なって設けられることとなる。従って、開口8の後側端でポケット9から尿等が溢れても、溢れた尿等が上側吸収層5の前側縁6に沿って幅方向xの内方側に誘導されて下側吸収層7の吸収性材料が存在する部分に移動し、当該部分で尿等が吸収されやすくなる。従って、尿等の横漏れが起こりにくくなる。
前側縁6に形成される切欠きの形状は特に限定されない。切欠きの形状としては、略V字形状、略U字形状、台形の底辺が欠けた形状等が挙げられるが、略V字形状であることが好ましい。切欠きの形状が略V字形状であれば、切欠きの深さが一定の場合に、上側吸収層5の面積をより広くとりやすくなる。従って、着座時に着用者の臀部を上側吸収層5に載せやすくなるとともに、上側吸収層5の吸収容量が高められるようになる。
略V字形状の切欠きとしては、切欠きが厳密にV字形状である必要はない。例えば、V字形状の斜辺部が直線から構成されている必要はなく、曲線から構成されてもよい。なお、略V字形状の切欠きとしては、上側吸収層5の面積をより広くとる点から、略V字形状の斜辺部が前後方向yの前方側(V字形状の内方側)に膨らんだ曲線状であることが好ましい。この場合、略V字形状は、略V字形状の谷部に近くなるほど斜辺部の傾斜(長手方向yに対する斜辺部の角度)が急になる。このように前側縁6に略V字形状の切欠きが形成されていれば、下側吸収層7で受けた尿等が前後方向yの後方側に移行した際、上側吸収層5の前側縁6に沿って尿等が幅方向xの内方側に誘導されやすくなり、尿等の横漏れが起こりにくくなる。また、前側縁6に形成された切欠きの略V字形状の斜辺部の曲線形状が着用者の臀部の左右の膨らみと適合して、着座時に上側吸収層5に着用者の臀部を載せやすくなる。
図1では、上記説明したように、上側吸収層5の前側縁6に切欠きが形成されている。すなわち、上側吸収層5の前側縁6には略V字形状の切欠きが形成され、略V字形状の斜辺部は前後方向yの前方側に膨らんだ曲線から構成されている。また、略V字形状の切欠きは、幅方向xの中心線に対し略対称に形成されている。
次に、上記に説明した吸収性積層体4を有する吸収性物品の構成例について、図2〜図4を参照して説明する。なお、本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。図2は、吸収性物品として尿パッドをトップシート側から見た平面図を表す。図3は、図2の吸収性物品のIII−III断面図を表す。図4は、図2の吸収性物品のIV−IV断面図を表す。図2では、図の上側が吸収性物品の後側に相当し、図の下側が吸収性物品の前側に相当する。
吸収性物品1(1A)は、液透過性のトップシート2と液不透過性のバックシート3とこれらの間に設けられた吸収性積層体4とを有する。トップシート2は、着用者の肌に面するように配置され、尿等の***物を透過する。トップシート2を透過した***物は、吸収性積層体4により収容される。バックシート3は、***物が外部へ漏れるのを防いでいる。
吸収性積層体4は、前後方向yと幅方向xとを有し、トップシート2側から上側吸収層5と下側吸収層7とを有する。下側吸収層7は、前後方向yに延びる開口8を有し、上側吸収層5が開口8の後側端を覆っている(図2,図4)。開口8は着用者の排尿部付近に面するように下側吸収層7に形成されている。吸収性積層体4が収容した尿等は、開口8で前後方向yに拡散しながら下側吸収層7で吸収されるとともに、開口8の後側端に達した尿等はポケット9に収容されて上側吸収層5と下側吸収層7とにより吸収される。
吸収性物品1Aには、吸収性積層体4の幅方向xの両側に、吸収性積層体4の前後方向yに延在する立ち上がりフラップ10が設けられてもよい。図2,3では、トップシート2の幅方向xの両側に、前後方向yに延在するサイドシート11が接合し、サイドシート11の幅方向xの内方端に設けられた起立用弾性部材12の収縮力によりサイドシート11の内方端が着用者の肌に向かって立ち上がり、これにより立ち上がりフラップ10が形成されている。立ち上がりフラップ10により、尿等の幅方向xの横漏れが防止される。サイドシート11は、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等により構成される。なお、立ち上がりフラップ10は前後方向yの端部の内面がトップシート2上に接合されてもよく、これにより尿等の前後方向yの外方への漏れが防止される。
図5〜図7には、本発明の吸収性物品の別の実施態様を示す。図5は、吸収性物品として尿パッドをトップシート側から見た平面図を表す。図6は、図5の吸収性物品のVI−VI断面図を表す。図7は、図5の吸収性物品のVII−VII断面図を表す。下記の説明において、図1〜図4の実施態様と重複する部分の説明は省略する。
図5〜図7に示した吸収性物品1(1B)は、図1に示した吸収性積層体4を有している。吸収性物品1Bは、吸収性積層体4とバックシート3との間に拡散層13が設けられている以外は、図2〜図4に示した吸収性物品1Aと同じである。
吸収性物品1Bは、吸収性積層体4とバックシート3との間に、開口8と重なって不織布製の拡散層13が設けられている。拡散層13は少なくとも開口8と重なって設けられればよく、このように拡散層13が設けられることにより、開口8に移行した尿等が拡散層13を通って尿等が開口8で拡散しやすくなる。
拡散層13を構成する不織布の材料は特に限定されず、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布;前記例示したような疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化された不織布等を用いることができる。
拡散層13の不織布を構成する繊維には、複合繊維を用いてもよい。複合繊維としては、断面が芯鞘型に成分配置された芯鞘複合繊維、断面が並列型に成分配置された並列複合繊維、断面が放射型に成分配置された放射複合繊維等が挙げられる。複合繊維を構成する成分は、互いに異なる融点を有することが好ましく、すなわち高融点成分と低融点成分を有することが好ましい。このような複合繊維を用いれば、後述するエアスルー法により不織布を容易に製造できるようになる。このような複合繊維は、低融点成分により繊維どうしが融着され、高融点成分により繊維に剛性が付与されて、不織布を構成する繊維間に空隙が良好に形成されやすくなる。従って、複合繊維から形成される不織布は尿等の拡散性に優れたものとなる。複合繊維としては芯鞘複合繊維を用いることが特に好ましく、芯鞘複合繊維は、芯に高融点成分が配置され、鞘に低融点成分が配置されることが好ましい。芯鞘複合繊維は、芯と鞘とが同芯であっても偏芯であってもよい。
複合繊維の材料としては熱可塑性高分子を用いればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリイソブチレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等のポリエステル等を用いることができる。中空繊維の材料としては、これら例示した各材料を組み合わせて用いればよい。これらの中でも、PETとポリエチレンとの組み合わせ、ポリプロピレンとポリエチレンとの組み合わせ、PETとポリプロピレンとの組み合わせが好ましい。芯鞘複合繊維の場合は、芯にPETを用い鞘にポリエチレンを用いる組み合わせ、芯にPETを用い鞘にポリプロピレンを用いる組み合わせ、芯にポリプロピレンを用い鞘にポリエチレンを用いる組み合わせが好ましい。これらの中でも、PETとポリエチレンとの組み合わせ、またはPETとポリプロピレンの組み合わせが特に好ましい。
拡散層13を構成する不織布の種類は特に限定されないが、ケミカルボンド法、エアレイド法、エアスルー法、スパンレース法により得られる不織布が好ましい。このような不織布を用いれば、不織布を嵩高くすることが容易になる。また、不織布を構成する繊維間隙を比較的大きくすることができ、尿等の拡散性を高めやすくなる。拡散層13を構成する不織布としては、特にエアスルー法により得られる不織布(エアスルー不織布)を用いることが好ましい。
拡散層13を構成する不織布の目付は、50g/m2以上が好ましく、60g/m2以上がより好ましい。拡散層を構成する不織布の目付が50g/m2以上であれば、拡散層13が比較的嵩高く形成されて、拡散層13での尿等の拡散性が高められる。一方、拡散層13を構成する不織布の目付が大きすぎると、吸収性物品の厚みが厚くなって装着感が低下するおそれがある。従って、拡散層13を構成する不織布の目付は、200g/m2以下が好ましく、180g/m2以下がより好ましい。
拡散層13の不織布を構成する繊維は、4dtex以上の繊度を有することが好ましい。なお、不織布を構成する繊維が4dtex以上の繊度を有するとは、不織布が、実質的に4dtex以上の繊度を有する繊維のみから構成されることを意味する。前記繊度は、5dtex以上がより好ましい。拡散層13の不織布を構成する繊維の繊度の上限は特に限定されないが、繊度の一般的な上限として、20dtex以下が好ましく、10dtex以下がより好ましい。繊度が4dtex以上の不織布は、吸収性物品に使用される不織布の中では比較的繊維径が太いものとなる。拡散層13の不織布を構成する繊維が4dtex以上の繊度を有していれば、不織布の繊維間の空隙が大きくなり、尿等の拡散性が良好となる。
拡散層13は、開口8の後側端より後方に延在していることが好ましい。図5では図の上側が吸収性物品の後側に相当し、図7では図の左側が吸収性物品の後側に相当するが、吸収性物品1Bでは、拡散層13が開口8の後側端より後方に延在している。拡散層13が開口8の後側端より後方に延在していれば、開口8に収容された尿等が、拡散層13を通って開口8より後方の部分まで速やかに拡散しやすくなる。吸収性物品は一般に、前後方向の後側部分が広い面積となるように形成される場合が多く、拡散層13が開口8の後側端より後方に延在していれば、尿等が吸収性物品のより広い部分である後側部分まで速やかに移行しやすくなる。また吸収性積層体4は、開口8の後側端より後方では上側吸収層5が下側吸収層7に積層しているため、当該部分で尿等の吸収容量が大きくなる。従って、尿等が開口8の後側端より後方まで速やかに拡散すれば、尿等が吸収性積層体4によって速やかに吸収される。
拡散層13はさらに、開口8の前側端より前方に延在していることが好ましい。このように拡散層13が設けられていれば、開口8に収容された尿等が、拡散層13を通って開口8の前方端より前方にも速やかに拡散しやすくなる。従って、尿等が吸収性積層体4に速やかに吸収されるようになる。
拡散層13は、開口8を幅方向xに横切って設けられてもよい。例えば吸収性物品1Bにおいて、拡散層13は開口8の幅方向xの内方縁より内方に延在してもよく、開口8の幅方向xの外方縁より外方に延在してもよい。なお、拡散層13は、開口8の全体を覆うように設けられることが好ましい。
下側吸収層に開口が複数並行して設けられる場合、拡散層は、幅方向xの最も外方に位置する開口の外方縁を大きく越えて設けられないことが好ましい。具体的には、拡散層は、幅方向xに対し最も外方に位置する開口の外方縁から外方に5mm超の領域(より好ましくは3mm超の領域)に設けられないことが好ましい。このように拡散層を設けることにより、尿等が吸収性積層体の幅方向に拡散しにくくなり、尿等の幅方向への横漏れが防止される。
各開口は1つの拡散層によって覆われてもよく、2つ以上の拡散層が1つの開口の異なる領域を覆ってもよい。また、1つの拡散層が2つ以上の開口を覆ってもよい。なお、拡散層における尿等の拡散性を高める点から、1つの開口においては拡散層が連続的に設けられていることが好ましい。従って、1つまたは2つ以上の開口が1つの拡散層で覆われていることが好ましい。
拡散層13は、開口8と重なる部分を受入部とし、開口8と重ならない部分を移送部としたとき、受入部が移送部よりも厚いことが好ましい。受入部が移送部よりも厚ければ、拡散層13は、受入部が開口8に入り込んだ形状となりやすくなる。従って、トップシート2を通過した尿等は、開口8にある拡散層13の受入部に速やかに収容されやすくなる。受入部で拡散層13に収容された尿等は、拡散層13内を通って移送部に移行し、吸収性積層体4に吸収される。その結果、尿等の速やかな吸収が実現できる。
拡散層13の厚みは、株式会社テクロック社製のシックネスゲージ(厚さ測定機)SM−130により測定する。吸収性物品から拡散層13を取り出し、拡散層13をシックネスゲージのアンビルと測定子の間に挟んで、拡散層13の受入部と移送部の厚さを測る。シックネスゲージSM−130によれば、終圧が2.2N以下となるように厚さが測定される。なお、アンビルと測定子は、測定対象との接触面が直径10mmの円形であり、接触面が平らなものを用いる。
本発明の吸収性物品は、前後方向への拡散性に優れることから、吸収性物品の股部(着用者の股間が当てられる部分)での幅を狭く形成することが可能になる。すなわち、吸収性物品が股部で幅狭に形成されても、尿等の前後方向への拡散性が高いため、吸収性物品が着用者から***された尿等を受けても、尿等が速やかに吸収性物品の前後方向に拡散して幅方向への横漏れが起こりにくくなる。そして、吸収性物品を股部で幅狭に形成すれば、着用者の股間(両大腿部の間)で吸収性物品が嵩張りにくくなり、また着用者は大腿部を違和感なく動かしやすくなる。従って、このような吸収性物品は、着用感に優れたものとなる。
図2〜図7に示した吸収性物品1A,1Bは、一般に市販されている吸収性物品(使い捨ておむつや尿パッド等)よりも、股部が幅狭に形成されたものである。吸収性物品1A,1Bでは、吸収性積層体4は、前後方向yの中間部が幅狭に形成されている。すなわち、吸収性積層体4は、幅方向xにくびれた部分が中間部に位置するように、形成されている。吸収性積層体4の中間部には、着用者の股間が当てられる。
吸収性積層体4の前後方向yの中間部とは、吸収性積層体4を前後方向yに3分割したとき、前側部と後側部との間に形成される部分を意味する。前側部と中間部と後側部は、例えば、それぞれ吸収性積層体4の前後方向yの長さの25%、30%、45%の領域を占める。
図8には、図5に示した吸収性物品1Bについて、吸収性積層体4の中間部の拡大図を示した。また図8では、1点鎖線の円で囲まれた部分が、さらに拡大されて示されている。図8において、矢印14は吸収性積層体4の中間部の最も幅狭な部分の幅(幅方向xの長さ)を表しているが、吸収性積層体4の中間部の最も幅狭な部分の幅は、吸収性積層体4の幅の35%〜50%(より好ましくは40%〜50%)であることが好ましい。なお、吸収性積層体4の幅とは、吸収性積層体4の幅方向xの最大長さを意味する。吸収性積層体4の中間部の最も幅狭な部分の幅が吸収性積層体4の幅の50%以下であれば、吸収性物品1は股部での幅が十分狭くなって、吸収性物品1が着用者の股間で嵩張りにくくなる。吸収性積層体4の中間部の最も幅狭な部分の幅が吸収性積層体4の幅の35%以上であれば、吸収性物品1が着用者の股間で過度に狭くならず、吸収性物品1の着用者の股間での収まりが良好となる。
開口8は、中間部の最も幅狭な部分で前後方向yに延びるように、下側吸収層7に形成されていることが好ましい。開口8がこのように形成されれば、着用者から***され、吸収性積層体4の前側部で受けた尿等が、着用者の股間を越えて吸収性積層体4の後側部まで拡散しやすくなる。吸収性物品1A,1Bでは、このように開口8が下側吸収層7に形成されている。
上側吸収層5は、吸収性積層体4の中間部の最も幅狭な部分よりも後方に設けられていることが好ましい。詳細には、上側吸収層5の全体が、吸収性積層体4の中間部の最も幅狭な部分よりも後方に設けられていることが好ましい。上側吸収層5がこのように設けられれば、吸収性積層体4は着用者の股間で厚みが薄くなり、吸収性物品1の着用者の股間での着用感が向上する。吸収性物品1A,1Bでは、このように上側吸収層5が設けられている。
下側吸収層7に開口8が複数並行して設けられる場合、中間部の最も幅狭な部分では、開口8が下側吸収層7の外縁近くに形成されることが好ましい。このように開口8が形成されれば、下側吸収層8の前後方向yへの圧縮強度を確保しつつ、中間部が着用者の股間で両大腿部により幅方向xの外方から力を受けると、開口8が歪んで、中間部の幅や形状が着用者の股間に適合しやすくなる。
具体的には、下側吸収層7に開口8が複数並行して設けられる場合、開口8は、中間部の最も幅狭な部分で、開口8の最外方にある外縁が下側吸収層7の外縁から5mm以上20mm以内の領域にあることが好ましい。なお、開口8の最外方にある外縁は、幅方向xの一方側と他方側(右側と左側)に合計2つ存在する。従って、中間部の最も幅狭な部分で開口8が複数設けられる場合は、幅方向xの中心線(前後方向yに延びる中心線)を挟んだ一方側または他方側で、幅方向xに対し最外方にある外縁(開口8の外縁)が、開口8の最外方にある外縁となる。図8では、吸収性積層体4の前後方向yの中間部の最も幅狭な部分における開口8の最外方にある外縁と下側吸収層7の外縁の間の長さが、矢印15で表されている。そして、矢印15で表される部分の長さが5mm〜20mmであることが好ましい。開口8の最外方にある外縁が下側吸収層7の外縁から5mm以上の領域にあれば、開口8の最外方にある外縁より外方に開口8を維持するのに十分な下側吸収層7(吸収性材料)が存在するようになる。開口8の最外方にある外縁が下側吸収層7の外縁から20mm以内の領域にあれば、開口8の最外方にある外縁より外方にある下側吸収層7が、幅方向xの外力に対し歪みやすくなる。従って、中間部の幅や形状が、着用者の股間に適合しやすくなる。
下側吸収層7に開口8が複数並行して設けられ、中間部の最も幅狭な部分で開口8が下側吸収層7の外縁近くに形成される場合、尿等の前後方向yへの拡散を促進して、幅方向xへの横漏れが防止されるように、次のように拡散層13が設けられることが好ましい。すなわち、中間部の最も幅狭な部分で、拡散層13の最外方にある外縁が開口8の最外方にある外縁から3mm以内の領域(より好ましくは2mm以内の領域)にあり、拡散層13が開口8の後側端より10mm以上(より好ましくは20mm以上)後方まで延在していることが好ましい。このように拡散層13が配されれば、中間部の最も幅狭な部分では、拡散層13が下側吸収層7の外縁まで延在しないことなる。従って、当該部分で尿等は下側吸収層7の外縁まで拡散しにくくなり、尿等の幅方向xへの横漏れが防止されるようになる。そして、開口8に収容された尿等は、より多くの量が開口8の後側端を越えて後方に拡散するようになる。
拡散層13の最外方にある外縁は、幅方向xの一方側と他方側(右側と左側)に合計2つ存在する。中間部の最も幅狭な部分で拡散層13が複数設けられる場合は、幅方向xの中心線(前後方向yに延びる中心線)を挟んだ一方側または他方側で、幅方向xに対し最外方にある外縁(拡散層13の外縁)が、拡散層13の最外方にある外縁となる。図8では、吸収性積層体4の前後方向yの中間部の最も幅狭な部分における拡散層13の最外方にある外縁と開口8の最外方にある外縁の間の長さが、矢印16で表されている。そして、矢印16で表される部分の長さが3mm以下であることが好ましい。拡散層13の最外方にある外縁は、図8に示すように開口8の最外方にある外縁よりも幅方向xの外方にあってもよく、拡散層13の最外方にある外縁と開口8の最外方にある外縁とが一致していてもよく、拡散層13の最外方にある外縁が開口8の最外方にある外縁よりも幅方向xの内方にあってもよい。
本発明の吸収性物品は、図2〜図7に示した吸収性物品1A,1Bのように股部が幅狭に形成された吸収性物品に好適に適用できるが、それ以外の吸収性物品にも当然適用できる。
1: 吸収性物品(尿パッド)
2: トップシート
3: バックシート
4: 吸収性積層体
5: 上側吸収層
7: 下側吸収層
8: 開口

Claims (6)

  1. 液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとこれらの間に設けられた吸収性積層体とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収性積層体は、前後方向と幅方向とを有し、トップシート側から上側吸収層と下側吸収層とを有し、
    前記下側吸収層は、前記前後方向に延びる開口を有し、
    前記上側吸収層は、前側縁に略V字形状の切欠きが形成されており、前記略V字形状の斜辺部は前記前後方向の前方側に膨らんだ曲線状に形成され、
    前記上側吸収層が前記開口の後側端を覆っていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記上側吸収層は、前記前側縁の前記切欠きが前記幅方向の中心線に対し略対称に形成されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記下側吸収層は、前記開口が前記幅方向の中心線に対し略対称に2つ設けられている請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性積層体は、前記前後方向の中間部が幅狭に形成され、
    前記開口は、前記中間部の最も幅狭な部分で前記前後方向に延びるように、前記下側吸収層に形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記上側吸収層は、全体が前記吸収性積層体の前記中間部の最も幅狭な部分より後方に設けられている請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記吸収性積層体の前記中間部の最も幅狭な部分の幅は、前記吸収性積層体の幅の35%以上50%以下である請求項4または5に記載の吸収性物品。
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