JP2014092677A - データ埋め込みプログラム、方法及び装置、検出プログラム及び方法、並びに携帯端末 - Google Patents

データ埋め込みプログラム、方法及び装置、検出プログラム及び方法、並びに携帯端末 Download PDF

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Abstract

【課題】頑健性が高く且つコストが低い音響透かしを実現する。
【解決手段】本方法は、データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換するステップと、第1の音響データの周波数成分のうち、埋め込むべきビット値に対応する固定周波数の周波数成分を低減させる低減ステップと、低減ステップ後の周波数成分を表すデータから、第2の音響データを生成し、データ格納部に格納するステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響データに対するデータ埋め込み技術及び埋め込みデータの検出技術に関する。
音にデジタルデータを埋め込む技術のことを音響透かしという。音響透かし技術は主にデジタルオーディオデータの不正コピーを防止する目的で開発されてきたが、近年、デジタルサイネージや拡張現実(AR:Augmented Reality)等、新たな用途の比重が高まりつつある。
例えば、ショッピングモール、チェーン店その他等を展開する小売業者が集客用のツールとしてスマートフォンを用いたスタンプラリーやポイント付与等のキャンペーンを展開することが考えられるが、顧客が実際に店舗まで足を運ぶインセンティブとして音響透かし技術が用いられる場合がある。具体的には、特定のデータが埋め込まれた音を店舗で放出し、顧客がスマートフォンを用いてその音からデータを入手するというような仕組みが採用される場合がある。また、データの使い分けにより、環境や場面に直結した演出が可能になるため、AR効果へのトリガーとしても利用できる。
このような用途に音響透かし技術を利用する場合、不正コピー防止を目的とする従来の音響透かし技術に比べ、期待される特徴が異なる。例えば、音質や秘匿性といった特徴の優先度を若干低くした上で、スピーカ及びマイク系(DA(Digital Analog)変換、空間伝達、AD(Analog Digital)変換)を介しても十分な頑健性を保つことが重要視される。
具体的に求められるのは、音に有限長のビット列を埋め込み、その音をスピーカで放出し、マイクで集音したとき、集音された音から埋め込まれたビット列を検出する機能である。店舗においては、様々な雑音が存在しており、頑健性はかなり優先されるが、それであっても、音が聴感上大幅に変化してしまっては問題がある。また、埋め込まれた音響データの生成処理及び埋め込みデータのデータ検出処理にかかる演算量が多いのも問題となる。
なお、音響透かし技術には様々なものが存在しているが、音に何らかの信号を加える方式は、聴覚的に悪影響を与える方式であり、あまり好ましくない。また、ノイズ成分の影響を防ぐ試みとして高周波数帯域を利用することが多いが、より高価な再生及び集音設備を用いることになる場合がある。さらに、音響データのスペクトルにおけるピークを検出し、そのピークからオクターブ隔てた成分を消去する技術も存在する。しかしながら、スペクトルピークの検出処理には一定の演算量が必要であり、コストの上昇につながる。また、スペクトルピークを検出すること自体が難しい平坦なスペクトルを有する場合には、適用しづらい。
特開2001−148670号公報 特許第4310145号公報
Hosei Matsuoka, Yusuke Nakashima, Takeshi Yoshimura, "Acoustic OFDM system and its extension", The Visual Computer: International Journal of Computer Graphics archive Volume 25 Issue 1, December 2008, Pages 3-12
本発明の目的は、一側面によれば、頑健性が高く且つコストが低い音響透かし技術を提供することである。
本発明の第1の態様に係るデータ埋め込み方法は、(A)データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換するステップと、(B)第1の音響データの周波数成分のうち、埋め込むべきビット値に対応する固定周波数の周波数成分を低減させる低減ステップと、(C)低減ステップ後の周波数成分を表すデータから、第2の音響データを生成し、データ格納部に格納するステップとを含む。
周波数成分を低減させる周波数が固定で予め決定されているので演算コストを削減でき、周波数成分を低減させているので頑健性も高くなる。なお、周波数成分の低減は削除を含む。
なお、上で述べた固定の周波数が、複数の周波数である場合もある。これにて、頑健性がさらに高くなる。
また、上で述べた複数の周波数の間隔が、周波数が高くなるにつれて広くなるようにしても良い。低減ステップが人間の聴覚に与える影響を抑制することができるようになる。
さらに、上で述べた固定の周波数が、各々所定の幅を有する複数の周波数帯域である場合もある。より頑健性が高くなる。
また、上で述べた所定の幅が、周波数が高くなるにつれて広くなるようにしても良い。これによって低減ステップが人間の聴覚に与える影響を抑制しつつ頑健性を高くすることができるようになる。
さらに、上で述べたデータ埋め込み方法は、上で述べた固定の周波数成分が所定のレベルより小さい場合には、白色ノイズを第1の音響データの周波数成分に加えるステップをさらに含むようにしても良い。これによって、低減ステップの実施可能性を保証できるようになる。
本発明の第2の態様に係る検出方法は、(A)データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換するステップと、(B)第1の音響データの周波数成分のうち、第1のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第1のビット値に対応する固定周波数の隣接周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かと、第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かとのうち少なくともいずれかを判断して、埋め込まれたビット値又はビット埋め込みの有無を特定するステップとを含む。
このように固定周波数の周波数成分及びその隣接周波数の周波数成分を評価すればよいので、検出が容易になる。なお、評価方法については、様々な方法が採用可能である。
なお、上で述べた固定の周波数が、複数の周波数である場合もある。これによって頑健性が向上する。この場合、評価方法としては、適切な関数を用意して当該関数の出力である評価値に基づき行っても良いし、周波数成分同士を比較して多数決などで決定しても良い。
さらに、上で述べた複数の周波数の間隔が、周波数が高くなるにつれて広くなる場合もある。人間の聴覚への影響を考慮したものである。
さらに、固定周波数と隣接周波数との差が、周波数が高くなるにつれて大きくなる場合もある。適切に周波数成分の比較を行うようにするためである。
また、上で述べた検出方法は、集音部を介して入力された第1の音響データをデータ格納部に格納するステップをさらに含むようにしても良い。上でも述べたように、スピーカから出力され集音部(例えばマイク)により集音された音響データについても対応できる。
なお、上記方法をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
一側面によれば、頑健性が高く且つコストが低い音響透かしが可能となる。
図1は、第1の実施の形態に係るシステムの概要を示す図である。 図2は、第1の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図3は、第1の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図4は、第1の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図5は、第1の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図6は、データ埋込処理装置の機能ブロック図である。 図7は、データ埋込処理の処理フローを示す図である。 図8は、携帯端末の機能ブロック図である。 図9は、検出処理の処理フローを示す図である。 図10は、ビット検出処理の処理フローを示す図である。 図11は、ビット検出処理の処理フローを示す図である。 図12は、第2の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図13は、第2の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図14は、第2の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図15は、第2の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図16は、第3の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図17は、第3の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図18は、第3の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図19は、第3の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図20は、第4の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図21は、第4の実施の形態におけるデータ埋め込みを説明するための図である。 図22は、第4の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図23は、第4の実施の形態における検出処理を説明するための図である。 図24は、コンピュータの機能ブロック図である。
[実施の形態1]
本実施の形態に係るシステムの一例を図1に示す。例えば、ショッピングモールの運営会社やチェーン店の本部などが管理する埋め込み処理装置5は、ネットワーク7に接続されており、ショッピングモール内部や各チェーン店において設置される音響出力装置3も、ネットワーク7に接続されている。埋め込み処理装置5は、音響データに対してデータ埋め込み処理を行い、データが埋め込まれた音響データをネットワーク7を介して音響出力装置3に配信する。音響出力装置3は、埋め込み処理装置5から受信した音響データを、接続されているスピーカ31a及び31bを介して出力する。なお、このような構成は一例であり、音響出力装置3が埋め込み処理装置5の機能を保持している場合もある。また、有線のネットワーク7ではなく、無線通信又は放送などによって、埋め込み処理装置5がデータを埋め込んだ音響データが、音響出力装置3に送信される場合もある。
ショッピングモールやチェーン店等でスピーカ31a及び31bを介して出力された音は、例えば顧客が保持している携帯端末1(図1では1a及び1b。例えば携帯電話機やスマートフォンなど)のマイクにて取り込まれる。そして、携帯端末1は、マイクにて取り込まれ且つディジタル化された音響データに対して検出処理を行って、埋め込まれたデータを抽出し、埋め込まれたデータに対応する例えばクーポンなどを携帯端末1の表示装置に表示する。クーポンは一例であり、来店ポイントその他の特典であっても良い。
このように、雑音の多い空間にスピーカ31a及び31bを介して出力される音を、マイクを介して取り込んだ上で、埋め込まれたデータを抽出するため、データの埋め込みに頑健性が求められる。また、処理能力があまり高くない携帯端末1において検出処理を実行するため、頑健性だけを目的にして検出処理の処理負担が高くなったりすることは好ましくない。
そこで本実施の形態では、ビット値「0」を埋め込む場合には、音響データの周波数特性を表す、各周波数の振幅スペクトル(図2の上側のカーブ)のうち、図2の下側に模式的に示すように、ビット値「0」に対応する固定の周波数F0の振幅スペクトルを減衰させる。より具体的には、固定の周波数F0を中心周波数とする所定幅の帯域を減衰させる。本実施の形態では、減衰は、欠落させることを含む。
同様に、ビット値「1」を埋め込む場合には、音響データの周波数特性を表す、各周波数の振幅スペクトル(図3の上側のカーブ)のうち、図3の下側に模式的に示すように、ビット値「1」に対応する固定の周波数F1(F0とは異なる)の振幅スペクトルを減衰させる。
このように固定の周波数における振幅スペクトルを減衰させるため、音の変化が生じにくく、演算コストも少なくて済む。
なお、本実施の形態では以下で述べるように短時間フーリエ変換が用いられ、各々短時間フーリエ変換を実行する単位となる複数のフレームのうち、例えば連続する所定数のフレームについて同じ固定の周波数F0又はF1の振幅スペクトルを減衰させる。
一方、埋め込まれたビット値を検出する処理を行う場合には、図4に模式的に示すように、ビット値「0」に対応する固定の周波数F0の振幅スペクトルM(F0)と、予め設定されている幅Δだけ低い周波数F0−Δの振幅スペクトルM(F0−Δ)及び予め定められている幅Δだけ高い周波数F0+Δの振幅スペクトルM(F0+Δ)とを比較する。図4に示されているように、(A)M(F0)<M(F0−Δ)且つM(F0)<M(F0+Δ)という関係が満たされるフレームのフレーム数が閾値以上であれば、ビット値「0」が検出されたものとする。偶然にこのような条件(A)が満たされることもあるので、このように所定数のフレームのうち閾値以上の数のフレームで条件(A)が満たされることで、ビット値「0」が最終的に埋め込まれていたと判断する。なお、Δは、(F1−F0)/2といった値に設定しても良い。
また、例えば条件(A)を満たさないフレームについては、図5に模式的に示すように、ビット値「1」に対応する固定の周波数F1の振幅スペクトルM(F1)と、予め定められている幅Δだけ低い周波数F1−Δの振幅スペクトルM(F1−Δ)及び予め定められている幅Δだけ高い周波数F1+Δの振幅スペクトルM(F1+Δ)とを比較する。図5に示されているように、(B)M(F1)<M(F1−Δ)且つM(F1)<M(F1+Δ)という関係が満たされるフレームのフレーム数が閾値以上であれば、ビット値「0」が検出されたものとする。但し、所定数のフレームのうち閾値以上の数のフレームで条件(B)が満たされることで、ビット値「1」が最終的に埋め込まれていたと判断する。
ビット値「0」も「1」も検出されない場合には、データ埋め込み無しを検出したことになる。なお、ビット値「1」について先に判定しても良い。
このような処理を実行するため、携帯端末1の演算コストも小さく済み、頑健性も十分確保される。
よって本実施の形態では、埋め込み処理装置5及び携帯端末1には、以下で述べるような構成を採用する。
図6に、埋め込み処理装置5の機能ブロック図を示す。埋め込み処理装置5は、入力データ格納部51と、ST−FT(Short-Time Fourier Transform)部52と、スペクトルデータ格納部53と、白色ノイズ付加部54と、設定データ格納部55と、減衰処理部56と、埋め込みデータ格納部57と、データ格納部58と、ST−IFT(Short-Time Inverse Fourier Transform)部59と、出力データ格納部60とを有する。
入力データ格納部51は、処理前の音響データを格納している。ST−FT部52は、短時間フーリエ変換を実行して、周波数特性である振幅スペクトルを算出し、スペクトルデータ格納部53に格納する。設定データ格納部55は、ビット値「0」を埋め込むための固定の周波数及びビット値「1」を埋め込むための固定の周波数のデータ並びに減衰させる所定幅のデータを格納する。
白色ノイズ付加部54は、スペクトルデータ格納部53に格納されている振幅スペクトルから、設定データ格納部55に格納されている所定の固定の周波数における振幅スペクトルが隣接する帯域の振幅スペクトルの例えば10%未満というような低レベルとなっているか判断する。このような条件が満たされる場合には、白色ノイズ付加部54は、白色ノイズを付加する処理を行って、処理結果をスペクトルデータ格納部53に格納する。例えば、振幅スペクトルが16ビットであれば、8ビット程度の白色ノイズを付加する。
埋め込みデータ格納部57は、音響データに付加すべきビット列を格納する。減衰処理部56は、スペクトルデータ格納部53に格納されている振幅スペクトルのうち、設定データ格納部55に格納されている固定の周波数を中心周波数とする所定幅の周波数帯域における振幅スペクトルを減衰させる処理を行って、減衰させた周波数以外の振幅スペクトル及び減衰された振幅スペクトルをデータ格納部58に格納する。減衰の程度は、例えば0乃至90%程度のレベルに減衰させる。「0」の場合には固定の周波数については欠落させることになる。
ST−IFT部59は、データ格納部58に格納されている振幅スペクトルから、データ埋め込みがなされた音響データを生成し、出力データ格納部60に格納する。
次に、図7及び図8を用いて埋め込み処理装置5の処理内容を説明する。
ST−FT部52は、入力データ格納部51に格納されている入力音響データに対して短時間フーリエ変換を実行して振幅スペクトルを生成し、スペクトルデータ格納部53に格納する(図7:ステップS1)。この処理についてはよく知られた処理であるので、これ以上述べない。
次に、白色ノイズ付加部54は、設定データ格納部55に格納されている所定の固定の周波数F0及びF1における振幅スペクトルは基準未満であるか判断する(ステップS3)。上でも述べたように周辺の帯域の振幅スペクトルの所定割合(10%)未満であれば、この条件を満たすものと判断する。この条件が満たされている場合には、白色ノイズ付加部54は、スペクトルデータ格納部53に格納されている振幅スペクトルに対して白色ノイズを付加する(ステップS5)。全周波数帯域について白色ノイズを付加するが、場合によっては固定周波数F0及びF1を含む所定の周波数帯域に対して白色ノイズを付加する場合もある。そして処理はステップS7に移行する。
所定の固定周波数F0及びF1における振幅スペクトルは基準値以上である場合又はステップS5の後に、減衰処理部56は、埋め込みデータ格納部57に格納されている埋込ビット列のうちの各ビット値に対応する固定周波数を中心周波数とする所定幅の周波数帯域における振幅スペクトルを減衰させる減衰処理を実行し、処理結果をデータ格納部58に格納する(ステップS7)。図2及び図3を用いて説明したような減衰処理を実行する。同じく上でも述べたように、所定数のフレーム毎に、埋込ビット列におけるビットを切り替えて行く。
そして、ST−IFT部59は、減衰処理後の振幅スペクトルに対して短時間逆フーリエ変換を実行して、データ埋め込みがなされた音響データを生成し、出力データ格納部60に格納する(ステップS9)。
このような処理を行うことで、演算コストも少なく、頑健性も高いデータ埋め込みが行われるようになる。
次に、携帯端末1の機能ブロック図を図8に示す。携帯端末1は、音響信号からディジタル音響データを生成する集音部11と、集音部11からの音響データ(すなわち録音データ)を格納する入力データ格納部12と、ST−FT部13と、スペクトルデータ格納部14と、設定データ格納部15と、ビット検出部16と、検出データ格納部17と、後処理部18とを有する。
ST−FT部13は、入力データ格納部12に格納されている入力音響データに対して短時間フーリエ変換を実行して各周波数について振幅スペクトルを生成し、スペクトルデータ格納部14に格納する。ビット検出部16は、設定データ格納部15に格納されている固定の周波数F0及びF1並びに周波数幅Δを用いて、ビット値の検出処理を実行し、検出されたデータ(ビット列)を検出データ格納部17に格納する。後処理部18は、検出されたデータ(ビット列)に対する処理、例えばビット列に応じたデータを表示部に表示するなどの処理を実行する。
次に、図9乃至図11を用いて携帯端末1の処理内容について説明する。
まず、ユーザの指示に応じて、携帯端末1の集音部11は、スピーカ31a及び31bから出力される音を集音して、入力音響データを生成し、入力データ格納部12に格納する(図9:ステップS21)。
そして、ST−FT部13は、入力音響データに対して短時間フーリエ変換を実行して各周波数について振幅スペクトルを生成し、スペクトルデータ格納部14に格納する(ステップS23)。複数のフレームについて振幅スペクトルのデータが生成される。この処理はステップS3と同じであり、よく知られた処理であるから詳細な説明を省略する。
その後、ビット検出部16は、設定データ格納部15に格納されているデータを用いて、スペクトルデータ格納部14に格納されている振幅スペクトルに対するビット検出処理を実行する(ステップS25)。1ビット分のビット検出処理については、図10及び図11を用いて詳細に説明する。
まず、ビット検出部16は、今回の処理対象のフレーム群を特定する(図10:ステップS41)。入力音響データにおいて順番に所定数のフレームを特定する。
そして、ビット検出部16は、特定されたフレーム群のうち未処理のフレームを1つ特定する(ステップS43)。例えば順番にフレームを選択する。その後、ビット検出部16は、ビット値「0」に対応する固定周波数F0の振幅スペクトルについての第1の評価値を算出する(ステップS45)。本実施の形態では、第1の評価値=固定周波数F0の振幅スペクトルM(F0)となる。
また、ビット検出部16は、ビット値「0」に対応する固定周波数F0の隣接周波数F0+Δ及びF0−Δにおける振幅スペクトルについての第2の評価値を算出する(ステップS47)。本実施の形態では、第2の評価値=固定周波数F0+Δにおける振幅スペクトルM(F0+Δ)及び第2の評価値=固定周波数F0−Δにおける振幅スペクトルM(F0−Δ)である。但し、固定周波数F0+Δにおける振幅スペクトルM(F0+Δ)及び固定周波数F0−Δにおける振幅スペクトルM(F0−Δ)の平均値を第2の評価値として採用しても良い。
そして、ビット検出部16は、第1の評価値<第2の評価値が成立しているか判断する(ステップS49)。これにて固定周波数F0における振幅スペクトルが隣接周波数に比して低減された状態にあるか否かを判定する。なお、第2の評価値が2つある場合には、両方の値について上記の条件が満たされているか判断する。この条件を満たさない場合には、端子Aを介して図11の処理に移行する。
一方、この条件を満たす場合には、ビット検出部16は、ビット値「0」についてのカウンタを1インクリメントする(ステップS51)。そして、ビット検出部16は、カウンタの値が所定の閾値を超えたか判断する(ステップS53)。カウンタの値が所定の閾値を超えていない場合には、端子Cを介して図11の処理に移行する。一方、カウンタの値が所定の閾値を超えた場合には、ビット検出部16は、この処理対象のフレーム群について、検出されたビット値「0」を、検出データ格納部17に格納する(ステップS55)。そして処理は端子Bを介して呼出元の処理に戻る。なお、次のビットについてのフレーム群の処理に移行する。
図11の処理の説明に移行して、ステップS49で条件が満たされていないと判断された場合、ビット検出部16は、ビット値「1」に対応する固定周波数F1の振幅スペクトルについての第3の評価値を算出する(ステップS57)。本実施の形態では、第3の評価値=固定周波数F1の振幅スペクトルM(F1)となる。
また、ビット検出部16は、ビット値「1」に対応する固定周波数F1の隣接周波数F1+Δ及びF1−Δにおける振幅スペクトルについての第4の評価値を算出する(ステップS59)。本実施の形態では、第4の評価値=固定周波数F1+Δにおける振幅スペクトルM(F1+Δ)及び第4の評価値=固定周波数F1−Δにおける振幅スペクトルM(F1−Δ)である。但し、固定周波数F1+Δにおける振幅スペクトルM(F1+Δ)及び固定周波数F1−Δにおける振幅スペクトルM(F1−Δ)の平均値を第4の評価値として採用しても良い。
そして、ビット検出部16は、第3の評価値<第4の評価値が成立しているか判断する(ステップS61)。これにて固定周波数F1における振幅スペクトルが隣接周波数に比して低減された状態にあるか否かを判定する。なお、第4の評価値が2つある場合には、両方の値について上記の条件が満たされているか判断する。この条件を満たさない場合には、ステップS69に移行する。
一方、この条件を満たす場合には、ビット検出部16は、ビット値「1」についてのカウンタを1インクリメントする(ステップS63)。そして、ビット検出部16は、カウンタの値が所定の閾値を超えたか判断する(ステップS65)。カウンタの値が所定の閾値を超えていない場合には、ステップS69に移行する。一方、カウンタの値が所定の閾値を超えた場合には、ビット検出部16は、この処理対象のフレーム群について、検出されたビット値「1」を、検出データ格納部17に格納する(ステップS67)。そして処理は呼出元の処理に戻る。なお、次のビットについてのフレーム群の処理に移行する。
ステップS61で条件を満たしていないと判断された場合又はカウンタの値が所定の閾値を超えていないと判断された場合、ビット検出部16は、ステップS41で特定されたフレーム群のうち未処理のフレームが存在するか判断する(ステップS69)。未処理のフレームが存在する場合には、処理は端子Dを介して図10のステップS43に戻る。一方、未処理のフレームが存在しない場合には、いずれのビット値についても検出できなかったことになるので、ビット検出部16は、埋込データ無しを表すデータを検出データ格納部17に格納する(ステップS71)。その後、処理は呼出元の処理に戻る。なお、次のビットについてのフレーム群の処理に移行する。
以上のような処理を実行することによって、データ埋め込みがなされていればビット列が抽出されることになる。
図9の処理の説明に戻って、後処理部18は、検出データ格納部17に格納されているデータから、埋め込まれたビット列が検出されたか判断する(ステップS27)。何らのビット値も検出できなかった場合には、後処理部18は、埋込データ無しを表すデータを表示部などに出力する(ステップS31)。そして処理は終了する。例えば、クーポン取得目的で携帯端末1を操作したが、クーポンが配布されていない状態なので、クーポン無しを表示する。
一方、何らかのビット値が検出された場合には、後処理部18は、検出されたビット列に対応するデータを表示装置などに出力する(ステップS29)。例えば、ビット列に対応するクーポンを表示装置などに出力する。
これによって携帯端末1のユーザは、クーポンをショッピングモールやチェーン店で利用できるようになる。
なお、検出誤りが生じうるので、ビット列に対して誤り検出訂正のためのビットを含めるようにしても良い。
以上のような処理を行うことで、頑健性を保持しつつ演算コストを低減させることができる。また、スピーカやマイクについて特別なものを要しないので、この点でも低コストである。
なお、固定周波数F0及びF1については、任意に決定できる、また、データ埋め込み時に固定周波数F0及びF1を中心周波数とする所定幅の周波数帯域を減衰させるが、所定幅は2Δより小さくなるように設定する。
[実施の形態2]
第1の実施の形態では、固定周波数F0及びF1について減衰させる例を示したが、本実施の形態では、頑健性向上のために、以下のように変形する。
すなわち、ビット値「0」を埋め込む場合には、ビット値「0」に対応する複数の固定周波数F0i(周波数パターンとも呼ぶ)を中心周波数とする所定幅の周波数帯域の振幅スペクトルを減衰させ、ビット値「1」に対応する複数の固定周波数F1jを中心周波数とする所定幅の周波数帯域の振幅スペクトルを減衰させる。
すなわち、図12の上側に示すような振幅スペクトルの場合、図12の下側に示すように、ビット値「0」を埋め込むならば、固定の周波数F01、F02及びF03の振幅スペクトルを減衰させる。また、図13の上側に示すような振幅スペクトルの場合、図13の下側に示すように、ビット値「1」を埋め込むならば、F01、F02、F03とは異なる固定周波数F11、F12及びF13を中心周波数とする所定幅の周波数帯域の振幅スペクトルを減衰させる。なお、固定周波数の数は3に限定されない。また、ビット値「1」と「0」とでは異なる数の固定周波数を採用するようにしても良い。
一方、ビット検出処理においては、図14に模式的に示すように、ビット値「0」を検出する際には、ビット値「0」に対応する固定周波数F01の振幅スペクトルM(F01)、F02の振幅スペクトルM(F02)及びF03の振幅スペクトルM(F03)から算出される第1の評価値が、隣接する周波数F01−Δにおける振幅スペクトルM(F01−Δ)、隣接する周波数F01+Δにおける振幅スペクトルM(F01+Δ)、隣接する周波数F02−Δにおける振幅スペクトルM(F02−Δ)、隣接する周波数F02+Δにおける振幅スペクトルM(F02+Δ)、隣接する周波数F03−Δにおける振幅スペクトルM(F03−Δ)及び隣接する周波数F03+Δにおける振幅スペクトルM(F03+Δ)から算出される第2の評価値より小さいか否かを判断する。
例えば、第1の評価値及び第2の評価値は振幅スペクトルの平均を算出する関数fによって算出される。
すなわち、関数fは以下のように定義される。
Figure 2014092677
そして、上で述べた第1の評価値は、f(M(F01),M(F02),M(F03))と表され、第2の評価値は、f(M(F01−Δ),M(F01+Δ),M(F02−Δ),M(F02+Δ),M(F03−Δ),M(F03+Δ))と表される。
なお、関数fは平均ではなく、他の関数であっても良い。例えば、固定周波数毎に重み付けするようにしても良い。
同様に、図15に模式的に示すように、ビット値「1」を検出する際には、ビット値「1」に対応する固定周波数F11の振幅スペクトルM(F11)、F12の振幅スペクトルM(F12)及びF13の振幅スペクトルM(F13)から算出される第3の評価値が、隣接する周波数F11−Δにおける振幅スペクトルM(F11−Δ)、隣接する周波数F11+Δにおける振幅スペクトルM(F11+Δ)、隣接する周波数F12−Δにおける振幅スペクトルM(F12−Δ)、隣接する周波数F12+Δにおける振幅スペクトルM(F12+Δ)、隣接する周波数F13−Δにおける振幅スペクトルM(F13−Δ)及び隣接する周波数F13+Δにおける振幅スペクトルM(F13+Δ)から算出される第4の評価値より小さいか否かを判断する。
例えば、第3の評価値及び第4の評価値は振幅スペクトルの平均を算出する関数fによって算出される。
そして、上で述べた第3の評価値は、f(M(F11),M(F12),M(F13))と表され、第4の評価値は、f(M(F11−Δ),M(F11+Δ),M(F12−Δ),M(F12+Δ),M(F13−Δ),M(F13+Δ))と表される。
なお、関数fは平均ではなく、他の関数であっても良い。例えば、固定周波数を重み付けするようにしても良い。
処理フロー自体は、第1の実施の形態と同様である。
このように複数の固定周波数に対してデータ埋め込みを行うことで、頑健性が向上する。
また、第1の実施の形態と同様に、固定周波数F0及びF1については、任意に決定できる。なお、固定周波数F0及びF1を中心周波数とする所定幅の周波数帯域をまとめて減衰させるが、所定幅は2Δより狭い。
[実施の形態3]
本実施の形態においては、人間の聴覚の解像度を反映させるため、高い周波数になるにつれて、固定周波数の間隔を広くするような方法が考えられる。このようにすれば、人間の聴覚に与える影響を抑えつつ、データ埋め込みが可能となる。
例えば、図16に示すように、ビット値「0」に対応する固定周波数F01、F02及びF03については、F01とF02の間隔と、F02とF03の間隔とが、周波数が高くなるにつれて広くなるように選択する。すなわち、F02−F01>F03−F02という関係が成立する。固定周波数F01、F02及びF03を中心周波数とする所定幅の周波数帯域を減衰させることについては第2の実施の形態と同様である。
同様に、図17に示すように、ビット値「1」に対応する固定周波数F11、F12及びF13については、F11とF12の間隔と、F12とF13の間隔とが、周波数が高くなるにつれて広くなるように選択する。すなわち、F12−F11>F13−F12という関係が成立する。固定周波数F11、F12及びF13を中心周波数とする所定幅の周波数帯域を減衰させることについては第2の実施の形態と同様である。
固定周波数F01、F11、F02、F12、F03及びF13は、例えばBarkというスペクトル尺度に基づくバンド幅の選び方に基づき決定される。具体的には、Barkバンドと呼ばれる周波数分割には[20, 100, 200, 300, 400, 510, 630, 770, 920, 1080, 1270, 1480, 1720, 2000, 2320, 2700, 3150, 3700, 4400, 5300, 6400, 7700, 9500, 12000, 15500](Hz)といった帯域が定義されるが、その中間周波数[50,150,250,350,455,...]を、F01、F11、F02、F12、F03及びF13の順番に割り当てても良い。なお、F0及びF1の数は3に限定されない。
一方、ビット検出処理においては、図18に模式的に示すように、ビット値「0」を検出する際には、ビット値「0」に対応する固定周波数F01の振幅スペクトルM(F01)、F02の振幅スペクトルM(F02)及びF03の振幅スペクトルM(F03)から算出される第1の評価値が、隣接する周波数F01−Δ01における振幅スペクトルM(F01−Δ01)、隣接する周波数F01+Δ01における振幅スペクトルM(F01+Δ01)、隣接する周波数F02−Δ02における振幅スペクトルM(F02−Δ02)、隣接する周波数F02+Δ02における振幅スペクトルM(F02+Δ02)、隣接する周波数F03−Δ03における振幅スペクトルM(F03−Δ03)及び隣接する周波数F03+Δ03における振幅スペクトルM(F03+Δ03)から算出される第2の評価値より小さいか否かを判断する。
ここで、隣接する周波数を決定するためのΔを、固定周波数毎に変化させるようにしても良いし、全て同一にしてもよい。但し、固定周波数の間隔が可変であるから、隣接する周波数は、隣接する固定周波数に基づき減衰される周波数帯域に含まれないように設定することになる。従って、例えば、Δ01=F01/2、Δ02=(F02−F01)/2、Δ03=(F03−F02)/2、Δ11=F11/2、Δ12=(F12−F11)/2、Δ13=(F13−F12)/2といったように決定される。
一方、全て同一にする場合には、Δ=F01/2又はΔ=(F02−F01)/2といったように決定する。
さらに、例えば、第1の評価値及び第2の評価値は振幅スペクトルの平均を算出する関数fによって算出される。
そして、上で述べた第1の評価値は、f(M(F01),M(F02),M(F03))と表され、第2の評価値は、f(M(F01−Δ01),M(F01+Δ01),M(F02−Δ02),M(F02+Δ02),M(F03−Δ03),M(F03+Δ03))と表される。
なお、関数fは平均ではなく、他の関数であっても良い。例えば、固定周波数を重み付けするようにしても良い。
図19に模式的に示すように、ビット値「1」を検出する際には、ビット値「1」に対応する固定周波数F11の振幅スペクトルM(F11)、F12の振幅スペクトルM(F12)及びF13の振幅スペクトルM(F13)から算出される第3の評価値が、隣接する周波数F11−Δ11における振幅スペクトルM(F11−Δ11)、隣接する周波数F11+Δ11における振幅スペクトルM(F11+Δ11)、隣接する周波数F12−Δ12における振幅スペクトルM(F12−Δ12)、隣接する周波数F12+Δ12における振幅スペクトルM(F12+Δ12)、隣接する周波数F13−Δ13における振幅スペクトルM(F13−Δ13)及び隣接する周波数F13+Δ13における振幅スペクトルM(F13+Δ13)から算出される第4の評価値より小さいか否かを判断する。
例えば、第3の評価値及び第4の評価値は振幅スペクトルの平均を算出する関数fによって算出される。
そして、上で述べた第3の評価値は、f(M(F11),M(F12),M(F13))と表され、第4の評価値は、f(M(F11−Δ11),M(F11+Δ11),M(F12−Δ12),M(F12+Δ12),M(F13−Δ13),M(F13+Δ13))と表される。
なお、関数fは平均ではなく、他の関数であっても良い。例えば、固定周波数を重み付けするようにしても良い。
処理フロー自体は、第1の実施の形態と同様である。
このように複数の固定周波数に対してデータ埋め込みを行うことで、聴覚に与える影響を抑えつつ頑健性が向上する。
[実施の形態4]
本実施の形態では、第3の実施の形態のように、固定周波数の間隔を周波数が高くなるにつれて広くするだけではなく、人間の聴覚の解像度を反映させるため、減衰させるバンド幅BWも、周波数が高くなるにつれて広くする。これによっても頑健性が向上する。
例えば、図20に示すように、ビット値「0」に対応する固定周波数F01、F02及びF03については、F01とF02の間隔と、F02とF03の間隔とが、周波数が高くなるにつれて広くなるように選択する。すなわち、F02−F01>F03−F02という関係が成立する。さらに、固定周波数F01については、固定周波数F01を中心周波数とするバンド幅BW01を減衰させる。また、固定周波数F02については、固定周波数F02を中心周波数とするバンド幅BW02を減衰させる。固定周波数F03については、固定周波数F03を中心周波数とするバンド幅BW03を減衰させる。ここで、BW01<BW02<BW03という関係が成立する。なお、固定周波数をBarkバンドに従って決定する場合には、例えばバンド幅BWはBarkバンドのおよそ10%程度とする。なお、固定周波数F0及びF1の数は3に限定されない。
同様に、図21に示すように、ビット値「1」に対応する固定周波数F11、F12及びF13については、F11とF12の間隔と、F12とF13の間隔とが、周波数が高くなるにつれて広くなるように選択する。すなわち、F12−F11>F13−F12という関係が成立する。さらに、固定周波数F11については、固定周波数F11を中心周波数とするバンド幅BW11を減衰させる。また、固定周波数F12については、固定周波数F12を中心周波数とするバンド幅BW12を減衰させる。固定周波数F13については、固定周波数F13を中心周波数とするバンド幅BW13を減衰させる。ここで、BW11<BW12<BW13という関係が成立する。
このようにすれば、人間の聴覚に対する影響を抑制しつつ、頑健性が向上する。
一方、ビット検出処理においては、図22に模式的に示すように、ビット値「0」を検出する際には、ビット値「0」に対応する固定周波数F01の振幅スペクトルM(F01)、F02の振幅スペクトルM(F02)及びF03の振幅スペクトルM(F03)から算出される第1の評価値が、隣接する周波数F01−Δ01における振幅スペクトルM(F01−Δ01)、隣接する周波数F01+Δ01における振幅スペクトルM(F01+Δ01)、隣接する周波数F02−Δ02における振幅スペクトルM(F02−Δ02)、隣接する周波数F02+Δ02における振幅スペクトルM(F02+Δ02)、隣接する周波数F03−Δ03における振幅スペクトルM(F03−Δ03)及び隣接する周波数F03+Δ03における振幅スペクトルM(F03+Δ03)から算出される第2の評価値より小さいか否かを判断する。
ここで、隣接する周波数を決定するためのΔを、隣接する周波数が、隣接する固定周波数に基づき減衰される周波数帯域BWに含まれないように設定することになる。従って、例えば、固定周波数F01については、F01+BW01/2と、F02−BW02と間に設定されればよい。例えば、このような周波数帯域の中間周波数であっても良い。その他の固定周波数でも同様である。
さらに、第1の評価値については、各固定周波数F0についてバンド幅BWについての振幅スペクトルの平均Mb(F0)を算出し、さらにMb(F0)を平均する関数fによって算出する。第2の評価値については、振幅スペクトルの平均を算出する関数fによって算出される。
すなわち、以下の数式に従ってバンド幅BWについての振幅スペクトルの平均を算出する。なお、xiは固定周波数とし、当該固定周波数xiに対するバンド幅がBWiであるものとする。
Figure 2014092677
よって、上で述べた第1の評価値は、f(Mb(F01),Mb(F02),Mb(F03))と表され、第2の評価値は、f(M(F01−Δ01),M(F01+Δ01),M(F02−Δ02),M(F02+Δ02),M(F03−Δ03),M(F03+Δ03))と表される。
また、図23に模式的に示すように、ビット値「1」を検出する際には、ビット値「1」に対応する固定周波数F11の振幅スペクトルM(F11)、F12の振幅スペクトルM(F12)及びF13の振幅スペクトルM(F13)から算出される第3の評価値が、隣接する周波数F11−Δ11における振幅スペクトルM(F11−Δ11)、隣接する周波数F11+Δ11における振幅スペクトルM(F11+Δ11)、隣接する周波数F12−Δ12における振幅スペクトルM(F12−Δ12)、隣接する周波数F12+Δ02における振幅スペクトルM(F12+Δ12)、隣接する周波数F13−Δ13における振幅スペクトルM(F13−Δ13)及び隣接する周波数F13+Δ13における振幅スペクトルM(F13+Δ13)から算出される第4の評価値より小さいか否かを判断する。
例えば、第3の評価値は、各固定周波数F1についてバンド幅BWについての振幅スペクトルの平均Mb(F1)を算出し、さらにMb(F1)を平均する関数fによって算出する。第4の評価値は振幅スペクトルの平均を算出する関数fによって算出される。
具体的には、第3の評価値は、f(Mb(F11),Mb(F12),Mb(F13))と表され、第4の評価値は、f(M(F11−Δ11),M(F11+Δ11),M(F12−Δ12),M(F12+Δ12),M(F13−Δ13),M(F13+Δ13))と表される。
なお、処理フロー自体は、第1の実施の形態と同様である。
このように複数の固定周波数に対してデータ埋め込みを行うことで、聴覚に与える影響を抑えつつさらに頑健性が向上する。
以上本技術の実施の形態を説明したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、機能ブロック図は一例であり、プログラムモジュール構成とは一致しない場合もある。さらに、処理フローについても処理結果が変わらない限り、処理順番を入れ替えたり、複数のステップを並列に実行するようにしても良い。
さらに、Barkバンドは一例であって、他の尺度に基づくようにしても良い。
また、上では振幅スペクトルを用いる例を示したが、パワースペクトルを用いるようにしても良い。
さらに、固定周波数を中心周波数として所定の帯域幅を減衰させるとしたが、固定周波数が中心から多少ずれてもよい。
また、第1乃至第4の評価値を算出する例を示したが、第1乃至第4の評価値を算出せずに、1つの固定周波数の振幅スペクトルAと、その隣接周波数の振幅スペクトルB1及びB2とを比較して、A<B1且つA<B2という条件を、全固定周波数について満たした場合に対応するビット値を検出したと判断しても良い。さらに、A<B1且つA<B2という条件を満たす固定周波数の数が多い方のビット値を検出したと判断する場合もある。
なお、上で述べた情報処理装置は、コンピュータ装置であって、図24に示すように、メモリ2501とCPU(Central Processing Unit)2503とハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とスピーカ2518とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
1 携帯端末
3 音響出力装置
5 埋め込み処理装置
11 集音部
12 入力データ格納部
13 ST−FT部
14 スペクトルデータ格納部
15 設定データ格納部
16 ビット検出部
17 検出データ格納部
18 後処理部
51 入力データ格納部
52 ST−FT部
53 スペクトルデータ格納部
54 白色ノイズ付加部
55 設定データ格納部
56 減衰処理部
57 埋め込みデータ格納部
58 データ格納部
59 ST−IFT部
60 出力データ格納部

Claims (15)

  1. データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換するステップと、
    前記第1の音響データの周波数成分のうち、埋め込むべきビット値に対応する固定周波数の周波数成分を低減させる低減ステップと、
    前記低減ステップ後の周波数成分を表すデータから、第2の音響データを生成し、前記データ格納部に格納するステップと、
    を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  2. 前記固定の周波数が、複数の周波数である
    請求項1記載のプログラム。
  3. 前記複数の周波数の間隔が、周波数が高くなるにつれて広くなる
    請求項2記載のプログラム。
  4. 前記固定の周波数が、各々所定の幅を有する複数の周波数帯域である
    請求項1又は2記載のプログラム。
  5. 前記所定の幅が、周波数が高くなるにつれて広くなる
    請求項4記載のプログラム。
  6. 前記固定の周波数成分が所定のレベルより小さい場合には、白色ノイズを前記第1の音響データの周波数成分に加えるステップ
    をさらに含む請求項1乃至5のいずれか1つ記載のプログラム。
  7. データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換するステップと、
    前記第1の音響データの周波数成分のうち、第1のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第1のビット値に対応する固定周波数の隣接周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かと、第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かとのうち少なくともいずれかを判断して、埋め込まれたビット値又はビット埋め込みの有無を特定するステップと、
    を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 前記固定の周波数が、複数の周波数である
    請求項7記載のプログラム。
  9. 前記複数の周波数の間隔が、周波数が高くなるにつれて広くなる
    請求項8記載のプログラム。
  10. 前記固定周波数と前記隣接周波数との差が、周波数が高くなるにつれて大きくなる
    請求項8又は9記載のプログラム。
  11. 集音部を介して入力された前記第1の音響データを前記データ格納部に格納するステップ
    をさらに含む請求項7乃至10のいずれか1つ記載のプログラム。
  12. データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換するステップと、
    前記第1の音響データの周波数成分のうち、埋め込むべきビット値に対応する固定周波数の周波数成分を低減させる低減ステップと、
    前記低減ステップ後の周波数成分を表すデータから、第2の音響データを生成し、前記データ格納部に格納するステップと、
    を含み、コンピュータにより実行されるデータ埋め込み方法。
  13. データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換する変換部と、
    前記第1の音響データの周波数成分のうち、埋め込むべきビット値に対応する固定周波数の周波数成分を低減させる低減部と、
    前記低減ステップ後の周波数成分を表すデータから、第2の音響データを生成し、前記データ格納部に格納する逆変換部と、
    を有するデータ埋め込み装置。
  14. データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換するステップと、
    前記第1の音響データの周波数成分のうち、第1のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第1のビット値に対応する固定周波数の隣接周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かと、第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かとのうち少なくともいずれかを判断して、埋め込まれたビット値又はビット埋め込みの有無を特定するステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される検出方法。
  15. データ格納部に格納された第1の音響データを当該第1の音響データの周波数成分を表すデータに変換する変換部と、
    前記第1の音響データの周波数成分のうち、第1のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第1のビット値に対応する固定周波数の隣接周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かと、第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分が、当該第2のビット値に対応する固定周波数の周波数成分に比して低減された状態であるか否かとのうち少なくともいずれかを判断して、埋め込まれたビット値又はビット埋め込みの有無を特定する処理部と、
    を有する携帯端末。
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