JP2014091819A - 射出成形用樹脂組成物、射出成形品、加飾部品及びこれを用いた家電製品 - Google Patents

射出成形用樹脂組成物、射出成形品、加飾部品及びこれを用いた家電製品 Download PDF

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Abstract

【課題】鱗片状金属粒子を含有し、外観不良を生じることなくメタリック感を有する射出成形品を製造可能な射出成形用樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂に鱗片状金属粒子を混合した射出成形用樹脂組成物であって、鱗片状金属粒子は、画像解析法により計測した個数基準粒度分布が5.9μm以下の粒子の個数割合を75%以上とし、かつ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、2.0重量部以上、4.0重量部以下の範囲で含有することで、射出成形品表層を緻密に鱗片状金属粒子によって隠蔽することが可能となり、部分的に溶融樹脂の流れに速度ムラが発生する形状の樹脂成形品であっても、外観不良を抑制し、メタリック感を有する射出成形品を製造することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、鱗片状金属粒子を含有する射出成型用樹脂組成物、該射出成形用樹脂組成物を用いた射出成形品、該射出成形品からなる加飾部品、及び該加飾部品を用いた家電製品に関する。
従来、特に自動車分野、家電分野等において、塗装によって熱可塑性樹脂成形品にメタリック感を付与し、加飾部品として用いてきた。しかし、近年、塗装工程において発生する揮発性有機溶剤を低減する気運が高まってきている。これに伴い、熱可塑性樹脂中にアルミニウム等の金属粒子を分散させて射出成型することにより、成形品にメタリック感を付与し、塗装工程を不要にする試みが行われている。
しかしながら、熱可塑性樹脂中に金属粒子を分散させて射出成形する際、金型内において厚みの変化、孔やリブ等の存在などにより、溶融熱可塑性樹脂流れに速度ムラが発生する状態になると、金属粒子の配向状態が不均一となり、成形品表面において部分的に明度が異なるなど外観不良が生じる問題がある。
この課題に対し、例えば特許文献1では、共重合体を有する樹脂材料を使用し、かつ分散する鱗片状の金属粒子の平均粒子径と添加量を調整することで、良好な光輝感を得ると共に、散乱光の干渉の抑制効果及び物性を得る手法が開示されている。
特開2010−106201号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、金属粒子の配向状態の不均一を充分に抑制することができず、外観不良の発生を抑制することが困難であった。
前記従来の課題を解決するために、本発明の射出成形用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に鱗片状金属粒子を混合した射出成形用樹脂組成物であって、前記鱗片状金属粒子は、画像解析法により計測した個数基準粒度分布が5.9μm以下の粒子の個数割合を75%以上とし、かつ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、2.0重量部以上、4.0重量部以下の範囲で含有している。
鱗片状金属粒子を上記範囲に設定することにより、部分的に溶融樹脂の流れに速度ムラが発生する形状の樹脂成形品であっても、外観不良を抑制し、メタリック感を有する射出成形品を製造することができる。
本発明は、溶融樹脂の流れに速度ムラが発生する形状の樹脂成形品であっても、外観不良を抑制し、メタリック感を有する射出成形品を製造することができる。
射出成形品の断面図 本発明の実施の形態1における射出成形品を得るための工程図 評価に用いた射出成形品の形状図
第1の発明の射出成形用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂に鱗片状金属粒子を混合した射出成形用樹脂組成物であって、前記鱗片状金属粒子は、画像解析法により計測した個数基準粒度分布が5.9μm以下の粒子の個数割合を75%以上とし、かつ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、2.0重量部以上、4.0重量部以下の範囲で含有している。
厚みが変化したり、孔やリブが形成されるなど、部分的に溶融樹脂の流れに速度ムラが発生する形状の樹脂成形品であっても、外観不良を抑制し、メタリック感を有する射出成形品を製造することができる。
第2の発明の射出成形用樹脂組成物は、第1の発明の射出成形用樹脂組成物において、鱗片状金属粒子を、熱可塑性樹脂100重量部に対して3.5重量部以上、4.0重量部以下の範囲で含有している。
第3の発明の射出成形用樹脂組成物は、第1の発明または第2の発明の射出成形用樹脂組成物において、画像解析法により計測した鱗片状金属粒子の長径基準形状係数が1.5以上、2.0以下であることを特徴とする。
第4の発明の射出成形用樹脂組成物は、第3の発明の射出成形用樹脂組成物において、鱗片状金属粒子の長径基準形状係数が1.7以上、1.8以下であることを特徴とする。
第5の発明の射出成形品は、第1から第4の発明の射出成形用樹脂を用いたことを特徴とする。これにより、塗装同等の質感を有する射出成形品を得ることができる。
第6の発明の加飾部品は、第5の発明の射出成形品からなる。これにより、塗装同等の質感を有する加飾部品を得ることができる。
第7の家電製品は、第6の発明の加飾部品を用いたことを特徴とする。これにより家電製品の外観品位向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、射出成形品の成形方法について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における射出成形品の断面図であり、図2は、射出成形品を得るための工程図である。
図1において、射出成形品1は、少なくとも鱗片状金属粒子2を含有する熱可塑性樹脂3により成形されている。
本実施の形態の射出成形品1の製造方法について図2を用いて説明する。
まず、材料の調整について説明する。
熱可塑性樹脂3のペレットに、鱗片状金属粒子2を所定割合で混合してタンブルミキサ
ーに投入し、撹拌する。なお、このとき、ヘンシェルミキサー等の混合機を使用することもできる。また、必要に応じて他の添加剤(着色剤、滑剤等)を投入してもよい。また、熱可塑性樹脂3に鱗片状金属粒子2を混合機を用いて混合した後、後述する溶融・混練工程において、添加剤などの液体を直接添加する機能を有する押出機を用いて混合することもできる。
次に、熱可塑性樹脂3(鱗片状金属粒子2との混合材料)を押出機のホッパーに投入する。熱可塑性樹脂3はスクリューの溝に落ち、スクリューの回転により溶融・混練されながらノズル方向に移送される。ノズル方向に移送された熱可塑性樹脂3(鱗片状金属粒子2を含む)は、ノズルに取り付けられたダイから押し出される。ダイの孔から糸状に押し出された熱可塑性樹脂3は水槽で冷却され、冷却された熱可塑性樹脂3はペレタイザーによりペレットにカットされる。
次に、射出成形について説明する。
乾燥させて水分を除去した熱可塑性樹脂3のペレットを射出成形機のホッパーに投入する。なお、このとき、熱可塑性樹脂が吸湿性の低い材料であれば、乾燥工程を省くことも可能である。
熱可塑性樹脂3は、射出成形機のシリンダー内でスクリューの回転により溶融・混練されながらノズル方向に移送される。金型を閉じた状態とし、熱可塑性樹脂3を金型のキャビティ内に射出する。熱可塑性樹脂3を金型のキャビティ内全体に充填し、金型を冷却して、熱可塑性樹脂3を固化し、金型を開いて、射出成形品1を取り出す。
このとき、射出成形品1の表面に鱗片状金属粒子の配向状態ムラに起因した外観不良の発生を抑制できるよう、金型温度、シリンダー温度、射出速度、射出圧力、保圧時間、冷却時間等の各条件を、熱可塑性樹脂の種類、鱗片状金属粒子の種類や添加量等に応じて、適宜調整する。
熱可塑性樹脂としては、射出成型可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定することなく使用でき、また、必要に応じて、熱可塑性樹脂に、光吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を併せて配合した材料を用いても良い。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、メチルメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリ乳酸、ポリエステル等が挙げられる。
また、本発明に用いる鱗片状金属粒子としては、アトマイズにより得られた金属粒子を圧延した後、磨き処理して得られるアルミニウム粒子、透明樹脂もしくはフッ化マグネシウム等のハロゲン化金属化合物からなる層間に蒸着により積層されたアルミニウム層を含有する粒子、鉄を主成分とし、クロム、ニッケルを含有する金属粒子等を使用できる。
これらの鱗片状金属粒子を金属酸化物等により被覆することも可能であるが、特に特定するものではなく、求める外観、コスト等から自由に選択できる。また、複数種の鱗片状金属粒子を混合して使用することも可能である。
また、所望の色調を得るために、着色剤を有していてもよい。着色剤はマイカ、ガラスフレーク等のパール材、有機顔料、無機顔料、染料等を用いることができ、特に特定するものではない。
さらに、本発明の着色ペレットは、付与したい機能に合わせて、繊維状フィラー、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、抗菌剤、チキソトロピック剤、顔料分散剤、カップリング剤等を有していてもよい。
また、本実施の形態では、着色の方法として着色ペレットを例に挙げて説明したが、着色の方法は、マスターバッチ、ドライカラー等、特に特定するものではない。
図3は、本実施の形態で用いた射出成形品1の形状を示し、射出成形品1は、図3に示すごとく、中央部分で厚みを変化させた薄肉の矩形状に形成しており、肉厚側(図中上方側)から溶融熱可塑性樹脂を供給して成形している。厚みを変化させた箇所より上流側の肉厚側に角孔11を、下流側の薄肉側にリブ12を形成している。本実施形態の射出成形品1は、溶融熱可塑性樹脂の流れに速度ムラが発生しやすいよう厚みを変化させ、角孔11及びリブ12を形成しているが、形状については、長さ、厚み、幅、角孔11及びリブ12の有無等、特に特定するものではない。
次に、射出成形品の品位の評価方法について説明する。
目視により、特に、射出成形品1の肉厚が変化する部分、角孔11及びリブ12が形成された部分について、明度の均一度を官能的に評価した。得られた射出成形品1の明度が部分的に低下する外観不良について、50cm離れた状態で視認できるレベルを1とし、全く視認できないレベルを5として、1から5までの5段階に官能評価した。
また、射出成形品1中の鱗片状金属粒子2の粒子物性の計測方法について説明する。
粒度分布の計測方法としては、画像解析法を用いた。撮影は、オリンパス社製マイクロスコープDSX−500を用い、試料面積は0.5mm平方とした。粒度計測は、マウンテック社製Mac−View Ver4.0を使用し、個数基準、体積基準の分布を各々求めた。このとき計測した鱗片状金属粒子数が1000以上となるように条件を調整した。ふるい法、自然沈降法、遠心沈降法、コールター法、動的光散乱法、レーザー回折散乱法を用いても同様に粒度分布計測は可能であるが、これらの手法では投影面積値を計測できないため、成形品表層における鱗片状金属粒子の隠蔽状態との相関が低下する。
本実施の形態では、鱗片状金属粒子としてアルミニウム光輝材を用い、アルミニウム光輝材の形状係数の計測方法としては、画像解析法を用いた。撮影には、オリンパス社製マイクロスコープDSX−500を用い、試料面積は0.5mm平方とした。形状係数は、マウンテック社製Mac−View Ver4.0を使用し、長径基準形状係数の平均値を求めた。長径基準形状係数は、具体的には、検出した粒子の長径と等しい直径を有する円の面積を、粒子の実面積で除して得た。このとき計測した鱗片状金属粒子数が1000以上となるように条件を調整し、平均値を算出した。粒子が真円であれば、長径基準形状係数は1となり、粒子形状が針状等異方性を有する場合に大きくなる。形状係数は、比表面積形状係数、体積形状係数等を計測可能であるが、射出成形品1表層における鱗片状金属粒子の隠蔽状態との相関が低下する。
実施例または比較例に用いる主な原材料を一括して挙げれば以下のとおりである。
<鱗片状金属粒子>
(1)東洋アルミニウム社製 メタックスネオ N1 (平均粒子径 5ミクロン)
(2)東洋アルミニウム社製 メタックスネオ N9 (平均粒子径 20ミクロン)
(3)東洋アルミニウム社製 メタックスネオ T2 (平均粒子径 22ミクロン)
(4)東洋アルミニウム社製 メタックスネオ T5 (平均粒子径 17ミクロン)
(5)東洋アルミニウム社製 メタックスネオ T1 (平均粒子径 27ミクロン)
(6)エカルト社製 マスターセーフ MP15−20 (平均粒子径 15ミクロン)(7)エカルト社製 マスターセーフ MP16−20 (平均粒子径 16ミクロン)(8)エカルト社製 マスターセーフ MP29−20 (平均粒子径 29ミクロン)(9)尾池イメージング社製 エルジーネオ #325 (平均粒子径 44ミクロン)(10)尾池イメージング社製 エルジーネオ #500 (平均粒子径 30ミクロン)
(11)日本防湿工業社製 アストロシャイン NJ−1200(平均粒子径 12ミクロン)
<熱可塑性樹脂>
(12)ユーエムジー・エービーエス社製 U400(M.V.R 3g/10分)
(13)東レ社製ABS樹脂 AX05X03(M.F.R 15g/10分)
(14)ユーエムジー・エービーエス社製 EX18Z(M.V.R 22g/10分)(15)東レ社製ABS樹脂 AX05X08(M.F.R 29g/10分)
(16)東レ社製ABS樹脂 700―X01(M.F.R 40g/10分)
(17)東レ社製ABS樹脂 250―X10(M.F.R 48g/10分)
(18)プライムポリマー製PP樹脂 J−105H(M.F.R 14g/10分)
(19)プライムポリマー製PP樹脂 J−882HV(M.F.R 15g/10分)(20)日本ポリプロ製PP樹脂 BC03B(M.F.R 30g/10分)
(21)日本ポリプロ製PP樹脂 BC06C(M.F.R 60g/10分)
[射出成形品の評価結果]
表1は、射出成形品(P1〜P33)の構成、明度の均一度を評価した結果、及び成形品中の鱗片状金属粒子の5.9μm以下の個数濃度割合と鱗片状金属粒子の長径基準形状係数の計測結果を示す。表1の「熱可塑性樹脂」、「鱗片状金属粒子」の欄中に記載した(1)〜(21)は、上に列挙した原材料の番号を示す。
Figure 2014091819
表2は、2種の鱗片状金属粒子を併用して作成した射出成形品(P34〜P50)の構成、明度の均一度を評価した結果、及び射出成形品中の鱗片状金属粒子の5.9μm以下
の個数濃度割合と鱗片状金属粒子の長径基準形状係数の計測結果を示す。表2の「熱可塑性樹脂」、「鱗片状金属粒子」の欄中に記載した(1)〜(21)は、上に列挙した原材料の番号を示す。
なお、表2に示す射出成形品(P34〜P50)は、2種類の鱗片状金属粒子を併用したが、3種以上の鱗片状金属粒子を併用することも同様に可能である。
Figure 2014091819
表1及び表2に示されるように、射出成形品中における鱗片状金属粒子の5.9μm以下の個数濃度割合が75%以上であり、且つ鱗片状金属粒子の添加量が2.0重量部以上、4.0重量部以下の範囲では、P1〜P3、P10〜P12、P31〜P35、P37、P38、P40〜P43及びP51〜P53に示すように、明度の均一殿の官能評価が
4以上となり、外観不良のない良好な射出成形品が得られた。さらには、添加量を3.5重量部以上、4.0重量部以下とすることで、P3、P12、P33、P51、P53に示すように、明度の均一度の官能評価結果が5となり、より良好な射出成形品を得ることができ、好ましい。
射出成形品中における鱗片状金属粒子の5.9μm以下の個数濃度割合が75%以上、且つ鱗片状金属粒子の添加量が2.0重量部以上、4.0重量部以下の範囲にすることにより、射出成形品表層部分に緻密に鱗片状金属粒子が分散され、表層に分散した鱗片状金属粒子の平均粒子間距離が小さくなるため、射出成形品の厚みに依らず、均一な外観状態を実現できる。
射出成形品中における鱗片状金属粒子の5.9μm以下の個数濃度割合が75%未満の場合には、射出成形品表層に鱗片状金属粒子が均一に分散していないところが部分的に存在するため、外観上良好でない射出成形品となり、射出成形品表層の明度の均一度の官能評価結果が3以下となった。
射出成形品中における鱗片状金属粒子の5.9μm以下の個数濃度割合が75%以上であっても、鱗片状金属粒子の添加量が2.0重量部未満の場合には、射出成形品表層における鱗片状金属粒子の個数濃度が低下するために、射出成形品表層を緻密に隠蔽することができず、表2のP46〜P48に示すように、射出成形品表層の明度の均一度の官能評価結果が3以下となった。
射出成形品中における鱗片状金属粒子の添加量が4.0重量部を超過した場合には、射出成形の際に発泡が生じ、いわゆるシルバーストリーク等の外観不良が生じ、表2のP49及びP50に示すように、成形品表層の明度の均一度の官能評価結果が低下した。
鱗片状金属粒子の長径基準形状係数が、1.5未満の場合には、充分に圧延されていない鱗片状金属粒子の割合が高くなり、表1のP4〜P6、P25〜P27に示すように、射出成形品表層の明度の均一度の官能評価結果が3以下と低下した。このことは、圧延されていない鱗片状金属粒子は表層の凹凸が大きいため、反射光の方向性が不均一になることに起因する。
鱗片状金属粒子の長径基準形状係数が2.0を超過した場合には、鱗片状金属粒子が異方性を有するため、射出成形品に対する視角度が単一の条件下において、鱗片状金属粒子の向きが異なる一部分のみの明度が異なり、その結果として成形品表層の明度の均一度の官能評価結果が3以下と低下した。
尚、射出成形品中における鱗片状金属粒子の5.9μm以下の個数濃度割合が75%以上で、鱗片状金属粒子の添加量が2.0重量部未満、あるいは4.0重量部より多い場合の例として、2種類の鱗片状金属粒子を併用した射出成形品(P46〜P50、P54)を示しているが、表1に示す1種類の鱗片状金属粒子を用いた射出成形品の場合も同様であったため、1種類のみの鱗片状金属粒子を用いた射出成形品のデータは省略している。
本発明に係る射出成形品は、熱可塑性樹脂に、少なくとも鱗片状金属粒子を混合した樹脂組成物であって、画像解析法により計測した個数基準粒度分布における5.9μm以下の粒子の個数割合が75%以上である鱗片状金属粒子を、熱可塑性樹脂100重量部に対して、2.0重量部以上4.0重量部以下の範囲で含有する射出成形用樹脂組成物を射出成形することで得られるものである。
このとき、同じく画像解析法により計測される鱗片状金属粒子の長径基準形状係数が1
.5以上、2.0未満であることが好ましい。
以上のように、本発明にかかる射出成形用樹脂組成物は、十分なメタリック感を有する射出成形品を得ることができ、自動車分野、家電分野等、デザイン性を重視する加飾部品に利用することができる。
1 射出成形品
2 鱗片状金属粒子
3 熱可塑性樹脂

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂に鱗片状金属粒子を混合した射出成形用樹脂組成物であって、
    前記鱗片状金属粒子は、画像解析法により計測した個数基準粒度分布が5.9μm以下の粒子の個数割合を75%以上とし、かつ、熱可塑性樹脂100重量部に対して、2.0重量部以上、4.0重量部以下の範囲で含有する射出成形用樹脂組成物。
  2. 鱗片状金属粒子を、熱可塑性樹脂100重量部に対して3.5以上、4.0重量部以下の範囲で含有する請求項1記載の射出成形用樹脂組成物。
  3. 画像解析法により計測した鱗片状金属粒子の長径基準形状係数が1.5以上、2.0以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形用樹脂組成物。
  4. 鱗片状金属粒子の長径基準形状係数が1.7以上、1.8以下であることを特徴とする請求項3に記載の射出成形用樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の樹脂組成物を用いたことを特徴とする射出成形品。
  6. 請求項5に記載の射出成形品からなる加飾部品。
  7. 請求項6に記載の加飾部品を用いたことを特徴とする家電製品。
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