JP2014089159A - 電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法 - Google Patents

電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電圧センサを用いずに、かつ回路構成を大きくすることなく電流センサの故障を検知する、ことを目的とする。
【解決手段】BMS18は、充放電可能な二次電池12に流れる電流を計測する電流センサ24の故障を検知する電流センサ故障検知装置の機能を有している。BMS18は、電流センサ24で計測された二次電池12の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び電流センサ24で計測された二次電池12の放電電流と基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する。そして、BMS18は、充電電流偏差の時間積分と放電電流偏差の時間積分との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、電流センサ24が異常であると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法に関するものである。
リチウム電池等の二次電池が例えば電気自動車等の車両に搭載され、車両が運転される場合、二次電池の充放電が繰り返される。そして、車両の種々の制御に必要な二次電池の蓄電容量(SOC:State Of Charge)を二次電池の出力電流を用いて演算するために、電流センサが主として用いられている。電流センサを用いてSOCを演算する場合、電流センサの精度が重要となるため、高精度な電流センサが求められると共に、電流センサの故障検知が必要であった。
例えば、特許文献1に開示されている技術では、二次電池の電圧を検出する電圧センサと、電圧センサで検出した電圧値の基準変動量に対応する電流センサで検出した電流の変動量が基準値以下である時に電流センサが故障していると判定している。
特開平10−253682号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、二次電池の電圧の変動量を検出するために高精度の電圧センサを必要とする。このため、上記技術には、装置自体が高価になり、又、回路構成が大きくなるという問題点があった。さらに、上記技術は、二次電池の特性上、内部インピーダンスが存在し、充放電時の電圧降下により正確に蓄電容量が把握できないという問題や、電圧センサのズレが発生した場合に、電流センサの故障検知ができないという問題点もあった。
また、電流センサは、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスが存在するという問題がある。
さらに、電流センサは、大電流用の電流センサは0A近傍の精度が悪く、0A近傍の精度を向上させるためには小電流用の電流センサを必要とする。このように、電流センサは、フルレンジでの精度と0A近傍での精度がトレードオフの関係にある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電圧センサを用いずに、かつ回路構成を大きくすることなく電流センサの故障を検知できる、電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法は以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る電流センサ故障検知装置は、充放電可能な二次電池に流れる電流を計測する電流センサの故障を検知する電流センサ故障検知装置であって、前記電流センサで計測された前記二次電池の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び前記電流センサで計測された前記二次電池の放電電流と前記基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する電流偏差算出手段を備え、前記充電電流偏差と前記放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する。
本構成に係る電流センサ故障検知装置は、充放電可能な二次電池に流れる電流を計測する電流センサの故障を検知する。
電流センサで計測された二次電池の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び電流センサで計測された二次電池の放電電流と基準電流との偏差である放電電流偏差が、電流偏差算出手段によって算出される。基準電流は、二次電池を備える電池システムに応じた充電電流及び放電電流である。この充電電流偏差及び放電電流偏差が、電流センサの計測誤差に相当する。
そして、充電電流偏差と放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、電流センサが異常であると判定される。
充電電流と放電電流とが同じ大きさであるならば、例え精度の高くない電流センサが用いられても、充電電流偏差と放電電流偏差との差は、相殺されて0(零)となるはずである。また、差があったとしても、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスに起因するものであり、事前に電流センサを較正することでヒステリシスの影響を小さくできる。このため、充電電流偏差と放電電流偏差との差が許容誤差を超える場合とは、電流センサに異常が発生し、正しく電流を計測できない状態となっている可能性が高い。
このように、本構成は、電流センサによって計測された充電電流偏差と放電電流偏差との差から、電流センサの異常を検知するので、電圧センサを必要としない。また、本構成は、充電電流偏差と放電電流偏差との差が許容誤差を超えるか否かを判定するだけなので、回路構成を大きくすることなく電流センサの故障を検知できる。
さらに、本構成は、充電電流偏差と放電電流偏差とを相殺することで、電流センサによる誤差を実質的に小さくできるので、精度の高くない電流センサを用いてもSOCを高い精度で計測できる。
上記第一態様では、所定の運転時間内において前記二次電池の充放電がサイクルで行われた第1の時間、及び前記運転時間内において前記サイクルを形成できなかった第2の時間を算出する充放電サイクル時間算出手段と、前記第1の時間における前記充電電流偏差の時間積分と前記放電電流偏差の時間積分との差に前記第2の時間における前記充電電流偏差又は前記放電電流偏差の時間積分を加算した結果が、前記運転時間における予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する異常判定手段と、を備えることが好ましい。
本構成によれば、充放電サイクル時間算出手段によって、所定の運転時間内において二次電池の充放電がサイクルで行われた第1の時間、及び運転時間内においてサイクルを形成できなかった第2の時間が算出される。第1の時間は、詳述すると、二次電池が充電されて放電されるまで、又は放電されて充電されるまでを1サイクルとし、それが運転時間内において1回以上行われた時間である。第2の時間は、充電又は放電が行われたものの、1サイクルに至らなかった時間、すなわち、運転時間と第1の時間との差である。通常、第2の時間は第1の時間に比べて非常に短い。
そして、第1の時間における充電電流偏差の時間積分と放電電流偏差の時間積分との差に、第2の時間における充電電流偏差又は放電電流偏差の時間積分を加算した値が求められる。異常判定手段は、この加算結果が運転時間における予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、電流センサが異常であると判定する。
このように、本構成は、運転時間内においてサイクルを形成した充放電電流の時間積分とサイクルを形成できなかった電流の時間積分から、電流センサの異常を判定するので、より精度高く電流センサの異常を判定できる。
上記第一態様では、前記電流センサが、前記異常判定手段によって前記電流センサが異常であると判定された場合に較正されることが好ましい。
本構成によれば、電流センサの異常を簡易に解消できる場合がある。
上記第一態様では、電流の向きを可変とする較正用回路を備え、前記電流センサが、前記較正用回路に流れる異なる向きの電流の計測結果に基づいて較正されることが好ましい。
本構成によれば、較正用回路は例えばスイッチの切り替えによって流れる電流の向きを可変とする。そして、電流センサは、較正用回路に流れる異なる向きの電流の計測に基づいて、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスの影響をキャンセルするように較正される。
従って、本構成は、電流センサを用いてより精度高く蓄電容量を計測することができる。
本発明の第二態様に係る電池システムは、充放電可能な二次電池と、前記二次電池に流れる電流を計測する電流センサと、上記記載の電流センサ故障検知装置と、を備える。
本発明の第三態様に係る電流センサ故障検知方法は、充放電可能な二次電池に流れる電流を計測する電流センサの故障を検知する電流センサ故障検知方法であって、前記電流センサで計測された前記二次電池の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び前記電流センサで計測された前記二次電池の放電電流と前記基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する第1工程と、前記充電電流偏差と前記放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する第2工程と、を含む。
本発明によれば、電圧センサを用いずに、かつ回路構成を大きくすることなく電流センサの故障を検知できる、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る電池システムの構成図である。 本発明の実施形態に係る較正用回路の構成図である。 本発明の実施形態に係る較正用回路に流れる電流の変化を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るBMSの電気的構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る基準運転時間内における充放電サイクルを示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電流センサ異常検知処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る電流センサが異常であると判定される範囲を示したグラフである。
以下に、本発明に係る電流センサ故障検知装置、電池システム、及び電流センサ故障検知方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る電池システム10の構成図である。以下、電池システム10は、例えば電気自動車に備えられる場合を例に説明する。
図1に示されるように電池システム10は、1以上の充放電可能な二次電池12で構成される複数の組電池14、組電池14毎に設けられ、組電池14の状態を監視する監視装置(Cell Monitor Unit、以下「CMU」という)16、及びCMU16からの各種情報が入力される電池管理装置(Battery Management System、以下「BMS」という)18を備えている。なお、二次電池12は、充放電が可能であれば、リチウムイオン電池であっても鉛電池であってもよい。
図1に示される複数の組電池14は、負荷20に対して直列に接続されているが、これに限らず、複数の組電池14は、負荷20に対して並列に接続されてもよい。負荷20は、例えば車輪を回転させるためのモータ等である。
CMU16は、一例として、数珠つなぎ(デイジーチェーン)で接続されており、一端部に位置するCMU16は、BMS18と接続されている。一方、他端部に位置するCMU16は、終端抵抗器22と接続されている。
BMS18は、例えば、ECU(Engine Control Unit)、充電器、PLC(programmable logic controller)等の他の機器に接続され、これらの機器との間で適宜必要な情報の入出力を行う。
さらに、電池システム10は、組電池14に流れる電流を計測する電流センサ24を備えている。
電流センサ24は、二次電池12の充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスが存在するので、図2に示される較正用回路60を用いた較正(キャリブレーション)が予め行われる。
本実施形態に係る較正用回路60は、流れる電流の向きを可変とする回路であり、電池システム10に備えられている。電流センサ24は、組電池14に流れる電流と共に、較正用回路60に流れる電流を計測可能とされている。
較正用回路60は、スイッチ62A,62Bが直列に接続されたスイッチ列64Aとスイッチ62C,62Dが直列に接続されたスイッチ列64Bとが電池66に対して並列に接続されている。そして、スイッチ62Aとスイッチ62Bとの間に抵抗器68の一端が接続され、スイッチ62Cとスイッチ62Dとの間に抵抗器68の他端が接続される。すなわち、スイッチ列64Aとスイッチ列64Bとが抵抗器68を介して接続される。
そして、較正用回路60は、スイッチ62A,62Dを閉じる一方、スイッチ62B,62Cを開くことでa方向に電流が流れる。また、較正用回路60は、スイッチ62A,62Dを開く一方、スイッチ62B,62Cを閉じることでa方向と逆向きのb方向に電流が流れる。
図3は、較正用回路60に流れる電流の変化を示すグラフである。図3に示されるように、較正用回路60は、スイッチ62A〜62Dの開閉状態を制御することによって、二次電池12の充放電における電流の流れの向きを再現する。なお、電池66の電圧及び抵抗器68の抵抗値は、組電池14の充放電で流れる電流(詳細を後述する基準電流)と同じ大きさの電流が較正用回路60に流れるよう調整されている。
そして、電流センサ24は、電流センサ24単体性能による充電偏差と放電偏差と、BMS18の計測回路単体が持つアナログ回路のバラつきと共に、較正用回路60に流れる異なる向きの電流の計測結果に基づいて、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスの影響をキャンセルするように予め較正される。
本実施形態に係るBMS18は、電流センサ24の故障を検知する電流センサ故障検知装置としての機能を有している。
図4は、BMS18の電気的構成を示す機能ブロック図である。なお、図4は、BMS18による電流センサ24の電流センサ故障検知装置としての機能を示している。
また、BMS18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random
Access Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
BMS18は、計測電流値記憶部70、電流偏差算出部72、充放電サイクル時間算出部74、及び異常判定部76を備える。
計測電流値記憶部70は、電流センサ24で計測された電流値を計測時間に関連付けて記憶する。
電流偏差算出部72は、電流センサ24で計測された二次電池12の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び電流センサ24で計測された二次電池12の放電電流と基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する。なお、基準電流の値(絶対値)は、二次電池12を備える電池システム10に応じた充電電流及び放電電流の値である。そして、充電電流偏差及び放電電流偏差が、電流センサ24の計測誤差に相当する。
充放電サイクル時間算出部74は、所定の運転時間(以下、「基準運転時間」という。)内において二次電池12の充放電がサイクルで行われた第1の時間、及び基準運転時間内においてサイクルを形成できなかった第2の時間を算出する。
異常判定部76は、第1の時間における充電電流偏差の時間積分と放電電流偏差の時間積分との差に第2の時間における充電電流偏差又は放電電流偏差の時間積分を加算した結果が、基準運転時間における予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、電流センサ24が異常であると判定する。
なお、以下の説明では、第1の時間を充放電均等運転時間と称呼し、第2の時間を充放電不均等運転時間と称呼し、異常判定部76で行われる処理を異常判定処理と称呼する。
図5は、基準運転時間内における充放電サイクルを示す模式図である。
図5に示されるように、充放電均等運転時間Lは、二次電池12が充電されて放電されるまでを1サイクルとし、それが基準運転時間内において1回以上行われた時間である。充放電不均等運転時間Lは、充電又は放電が行われたものの、1サイクルに至らなかった時間、すなわち、基準運転時間と充放電均等運転時間Lとの差である。通常、充放電不均等運転時間Lは充放電均等運転時間Lに比べて非常に短い。
なお、図5において、充電電流(+100A)近傍の斜線で示される領域が、充電電流偏差xを示し、放電電流(−100A)近傍の斜線で示される領域が、放電電流偏差yを示す。
ここで、基準運転時間において許容されるSOCの誤差(以下、「許容SOC誤差」という。)の範囲を±Eとすると、電流センサ24の異常を判定する判定式は、(1)式となる。
Figure 2014089159
図6は、本実施形態に係るBMS18によって行われる電流センサ異常検知処理の流れを示すフローチャートである。電流センサ異常検知処理は、例えば、BMS18に対して電流センサ異常検知処理の開始信号が入力された場合に開始される。
まず、ステップ100では、充放電サイクル時間算出部74によって、基準運転時間における充放電サイクルの時間を算出する。これにより、基準運転時間における充放電均等運転時間及び充放電不均等運転時間が得られる。
次のステップ102では、充放電均等運転時間及び充放電不均等運転時間における電流値を計測電流値記憶部70から読み出し、電流偏差算出部72によって充電電流偏差及び放電電流偏差を算出する。
次のステップ104では、異常判定部76による電流センサ24の異常判定処理が行われる。
ここで、異常判定処理の具体例について説明する。
一例として、二次電池12のセル容量を45[Ah]、充電電流及び放電電流の平均絶対値を100[A]、さらに、電池システム10のSOCの運用範囲を30%から85%とし、その差55%とする。また、基準運転時間を4[h]とし、基準運転時間後の許容SOC誤差を5%以内に収める必要があるとする。
この場合、1回の充放電サイクルは下記(2)式から求められる。なお、下記(2)式で2が乗算されている理由は、1サイクルで充電と放電とが行われるためである。
Figure 2014089159
(2)式から1サイクルに要する時間は、0.495[h]と算出されるので、基準運転時間である4時間における充放電サイクルの数は、8.08サイクルとなる。
そして、算出された充放電サイクル数の小数点以下が、充放電不均等運転時間Lに相当する。すなわち、基準運転時間である4時間における充放電不均等運転時間Lは、0.08サイクルに1サイクルの時間である0.495[h]を乗算した0.04[h]となる。
一方、充放電均等運転時間Lは、基準運転時間と充放電不均等運転時間Lとの差であるため、3.96[h]となる。
また、許容SOC誤差は、セル容量に対して5%である±2.25Ahとされる。
以上のように求められた値が(1)式に代入されると、下記(3)式となる。
Figure 2014089159
(3)式から求められる範囲を図7に示す。すなわち、図7のハッチング範囲が許容誤差の範囲であり、この許容誤差から充電電流偏差及び放電電流偏差が外れると、異常判定部76によって電流センサ24が異常であると判定される。
このように、BMS18は、二次電池12の充電電流偏差と放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差を超える場合に、電流センサ24が異常であると判定することとなる。
ここで、充電電流と放電電流とが同じ大きさであるならば、例え精度の高くない電流センサ24が用いられても、充電電流偏差と放電電流偏差との差は、相殺されて0(零)となるはずである。また、差があったとしても、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスに起因するものであり、較正用回路60を用いて電流センサ24を事前に較正することでヒステリシスの影響を小さくできる。このため、充電電流偏差と放電電流偏差との差が許容誤差を超える場合とは、電流センサ24に異常が発生し、正しく電流を計測できない状態となっている可能性が高い場合である。
図7の例では、較正用回路60によって較正した電流センサ24を用いて計測した複数の電流偏差を示す。そして、図7の例では、充電電流及び放電電流が300Aの場合であって、充電電流偏差xが1.86[A]で放電電流偏差yが1[A]の場合、及び充電電流偏差xが0.62[A]で放電電流偏差yが2.54[A]の場合が、異常判定部76によって電流センサ24が異常であると判定される。
また、図7に示されるように充電電流偏差と放電電流偏差とが大きい場合、精度の高くない電流センサ24が用いられた場合でも、充電電流偏差と放電電流偏差との差が許容誤差内の場合には、電流センサ24が異常であるとは判定されない。
この理由は、異常判定処理によって、充電電流偏差と放電電流偏差とが相殺(キャンセル)されることで、電流センサ24による誤差を実質的に小さくできるためである。このため、例えば、許容SOC誤差が5%であっても計測誤差が7%の電流センサ24を用いることもでき、精度の高くない電流センサ24を用いてもSOCを高い精度で計測できることとなる。
次のステップ106では、上述した異常判定処理による判定結果が、電流センサ24の異常を示しているか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ108へ移行し、否定判定の場合、すなわち電流センサ24に異常が発生していない場合は、本電流センサ異常検知処理を終了する。
ステップ108では、較正用回路60を用いた電流センサ24の較正が行われる。電流センサ24の異常が、充放電の際発生する残留磁気によるヒステリシスに起因している可能性のためである。なお、較正用回路60を用いた電流センサ24の較正を行う場合、抵抗器68には、基準電流が流れる。これにより、電流センサ24の異常を簡易に解消できる場合がある。
次のステップ110では、較正を行った電流センサ24を用いてステップ100からステップ104の処理を再び行うことによって、電流センサ24の異常が解消されたか否かを判定し、肯定判定の場合は本電流センサ異常検知処理を終了する。一方、否定判定の場合は、ステップ112へ移行する。
ステップ112では、BMS18に接続されている機器(例えばモニタ等)に電流センサ24の異常を報知させる報知処理を行った後に、本電流センサ異常検知処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るBMS18は、充放電可能な二次電池12に流れる電流を計測する電流センサ24の故障を検知する電流センサ故障検知装置の機能を有している。BMS18は、電流センサ24で計測された二次電池12の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び電流センサ24で計測された二次電池12の放電電流と基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する。そして、BMS18は、充電電流偏差の時間積分と放電電流偏差の時間積分との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、電流センサ24が異常であると判定する。
このように、本実施形態に係るBMS18は、電流センサ24によって計測された充電電流偏差と放電電流偏差との差から、電流センサ24の異常を検知するので、電圧センサを必要としない。また、BMS18は、充電電流偏差と放電電流偏差との差が許容誤差を超えるか否かを判定するだけなので、回路構成を大きくすることなく電流センサ24の故障を検知できる。
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記各実施形態では、スイッチ列64Aとスイッチ列64Bとが抵抗器68を介して接続される形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、スイッチ列64Aとスイッチ列64Bとは抵抗器68を介さずに接続される形態としてもよい。この形態の場合、抵抗器68は、例えば電池66とスイッチ列64A,64Bとの間に設けられる。
また、上記実施形態で説明した電流センサ異常検知処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
10 電池システム
12 二次電池
18 BMS
24 電流センサ
60 較正用回路
72 電流偏差算出部
74 充放電サイクル時間算出部
76 異常判定部

Claims (6)

  1. 充放電可能な二次電池に流れる電流を計測する電流センサの故障を検知する電流センサ故障検知装置であって、
    前記電流センサで計測された前記二次電池の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び前記電流センサで計測された前記二次電池の放電電流と前記基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する電流偏差算出手段を備え、
    前記充電電流偏差と前記放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する電流センサ故障検知装置。
  2. 所定の運転時間内において前記二次電池の充放電がサイクルで行われた第1の時間、及び前記運転時間内において前記サイクルを形成できなかった第2の時間を算出する充放電サイクル時間算出手段と、
    前記第1の時間における前記充電電流偏差の時間積分と前記放電電流偏差の時間積分との差に前記第2の時間における前記充電電流偏差又は前記放電電流偏差の時間積分を加算した結果が、前記運転時間における予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する異常判定手段と、
    を備える請求項1記載の電流センサ故障検知装置。
  3. 前記電流センサは、前記異常判定手段によって前記電流センサが異常であると判定された場合に較正される請求項2記載の電流センサ故障検知装置。
  4. 電流の向きを可変とする較正用回路を備え、
    前記電流センサは、前記較正用回路に流れる異なる向きの電流の計測結果に基づいて較正される請求項1から請求項3の何れか1項記載の電流センサ故障検知装置。
  5. 充放電可能な二次電池と、
    前記二次電池に流れる電流を計測する電流センサと、
    請求項1から請求項4の何れか1項記載の電流センサ故障検知装置と、
    を備える電池システム。
  6. 充放電可能な二次電池に流れる電流を計測する電流センサの故障を検知する電流センサ故障検知方法であって、
    前記電流センサで計測された前記二次電池の充電電流と基準電流との偏差である充電電流偏差、及び前記電流センサで計測された前記二次電池の放電電流と前記基準電流との偏差である放電電流偏差を算出する第1工程と、
    前記充電電流偏差と前記放電電流偏差との差が予め定められた許容誤差の範囲を超える場合に、前記電流センサが異常であると判定する第2工程と、
    を含む電流センサ故障検知方法。
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