JP2014088823A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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文明 青木
Shinichi Okabe
伸一 岡部
Takayoshi Tanaka
孝佳 田中
Shigeki Miyashita
茂樹 宮下
Hiroyuki Hokuto
宏之 北東
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】燃焼室に接続された吸気通路内に燃料を噴射する火花点火式内燃機関において、点火プラグの電極や碍子脚部に衝突する燃料による燃焼悪化や付着する燃料の炭化を抑制し、もって点火プラグの燻りを抑制することを目的とする。
【解決手段】点火プラグと、吸気通路の開口を開閉する吸気バルブと、吸気通路内に燃料を噴射する噴射弁と、を有する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、吸気バルブのリフト量が、該吸気バルブの傘部の形状と点火プラグの中心電極の位置に基づいて定まるリフト量であって、開口を通過して燃焼室内に流入した燃料が該中心電極を外れた衝突回避方向に向かう所定リフト量以上となる期間内に、決定された噴射量の燃料の一部または全部を噴射させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃焼室に接続された吸気通路内に燃料を噴射する火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
燃焼室に設けられた点火プラグによって燃焼室内の燃料を点火する火花点火式内燃機関においては、点火プラグの電極や碍子脚部に衝突した燃料による燃焼悪化や、付着した燃料が火炎にさらされて炭化することによって、点火プラグの燻りが発生する虞がある。例えば、特許文献1には、吸気通路内に燃料を噴射する火花点火式内燃機関において、燃料が蒸発しにくい燃料のときには、蒸発しやすい燃料のときに比べて、吸気バルブの閉弁時に噴射される燃料量を減少させ、吸気バルブの開弁時に噴射される燃料量を増大させることによって、点火プラグに向けて流れる燃料量を低減させる技術が提案されている。
特開2007−332936号公報 特開2005−180202号公報 特開平09−068131号公報 特開2001−115842号公報
ここで、特許文献1記載の技術は、吸気バルブの開弁時に噴射される燃料を増大させているため、点火プラグに向かって流動する燃料量が多くなるリフト量が小さい期間内に点火プラグに衝突する燃料を減少させることが困難である。
このような課題を解決するべく、本発明は、燃焼室に接続された吸気通路内に燃料を噴射する火花点火式内燃機関において、点火プラグの電極や碍子脚部に衝突する燃料による燃焼悪化や付着する燃料の炭化を抑制し、もって点火プラグの燻りを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る燃料噴射制御装置は、
燃焼室内の燃料に点火する点火プラグと、前記燃焼室に接続された吸気通路の開口を開閉する吸気バルブと、前記吸気通路内に燃料を噴射する噴射弁と、を有する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記噴射弁に噴射させる燃料の噴射量を決定する決定手段と、
前記吸気バルブのリフト量が、該吸気バルブの傘部の形状と前記点火プラグの中心電極の位置に基づいて定まるリフト量であって、前記開口を通過して前記燃焼室内に流入した燃料が該中心電極を外れた衝突回避方向に向かう所定リフト量以上となる期間内に、前記噴射量の燃料の一部または全部を前記噴射弁に噴射させる開弁期間内噴射を実行する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
一般に、吸気バルブには閉弁中において吸気通路の開口を閉塞する傘部が形成されているため、吸気バルブの開弁中に燃焼室内に流入する霧状の燃料は、吸気通路の開口を通過
する際に当該傘部の表面に沿って流れることによって流入方向が変化される。このようにして流入方向が変化されると、流入する燃料が燃焼室内に好適に分散されるが、燃料の一部は燃焼室内に設けられた点火プラグの中心電極の方向へ流動し、中心電極や周囲の碍子脚部に衝突する場合が生じる。このような場合には、火花放電が発生される中心電極近傍の混合気が濃くなるために、不完全燃焼によって生じたカーボンが中心電極や碍子脚部に付着して点火プラグの燻りが発生しやすくなる。また、中心電極や碍子脚部に衝突して付着した燃料が、燃焼室内の火炎によって炭化されて付着することもある。
ここで、開閉動作中の吸気バルブは常に移動しているため、吸気バルブの傘部に沿って燃焼室内に流入する燃料の流入方向も常に変化する。したがって、流入した燃料が点火プラグの中心電極等に常に衝突するわけではなく、吸気バルブの開弁状態、即ち吸気バルブのリフト量によって燃料の衝突量も変化する。
そこで、本発明に係る燃料噴射制御装置によれば、吸気バルブのリフト量が所定リフト量以上となる期間内に、決定された噴射量の燃料を噴射弁に噴射させる開弁期間内噴射が実行される。ここで、当該所定リフト量とは、吸気バルブの傘部の形状と点火プラグの中心電極の位置に基づいて定まるリフト量であって、吸気通路の開口を通過して燃焼室内に流入した燃料が中心電極を外れた衝突回避方向に向かうようなリフト量である。このようにして燃料が噴射されることにより、吸気バルブの開弁中において、中心電極を外れた衝突回避方向に向かいやすい期間内に燃料が燃焼室内に流入する。その結果、中心電極や碍子脚部に衝突する燃料量が減少するため、中心電極近傍における燃焼悪化や付着燃料の炭化を抑制することができる。
また、本発明に係る燃料噴射制御装置は、吸気バルブの閉弁期間内に噴射弁に燃料を噴射させる閉弁期間内噴射を実行してもよい。これにより、開口が閉鎖されている吸気通路内で燃料を拡散させて微粒化を促進させることができる。したがって、吸気バルブの開弁開始後に燃焼室内に流入した燃料が、所定リフト量以上に開弁していない吸気バルブに沿って流れることによって中心電極に衝突する方向へ流動しても、燃料の微粒化が促進されているために中心電極近傍での燃焼の悪化が抑制される。
また、本発明に係る燃料噴射制御装置は、噴射量の全部が開弁期間内噴射によって噴射されない場合に、この閉弁期間内噴射を実行して開弁期間内噴射によって噴射されない燃料を噴射してもよい。つまり、本発明に係る燃料噴射制御装置においては、吸気バルブの開弁中に燃料噴射を実行できる期間が限定されるため、決定された噴射量の全部が噴射されない場合には、閉弁期間内噴射を実行することで、決定された噴射量の全部を噴射することができる。
なお、吸気バルブの開弁開始が排気上死点以降である場合には、開弁開始直後から吸気通路内の吸気が燃焼室内に流入する。したがって、このような場合に閉弁期間内噴射が実行されると、十分に微粒化されていない燃料が、開弁開始直後から燃焼室内に流入して中心電極に衝突する方向へ流動する虞がある。そこで、本発明に係る燃料噴射制御装置によれば、吸気バルブの開弁開始が排気上死点以降である場合には、該排気上死点の前であって、閉弁期間内噴射によって噴射された燃料が吸気通路内で微粒化される所定期間の前に、閉弁期間内噴射を終了するようにしてもよい。これにより、閉弁期間内噴射によって噴射された燃料が吸気通路内で十分に微粒化される期間が確保されるため、開弁開始直後から燃焼室内に流入した燃料が中心電極の方向へ流動しても、既に燃料の微粒化が進行しているために中心電極近傍での燃焼の悪化が抑制される。
本発明に係る燃料噴射制御装置によれば、燃焼室に接続された吸気通路内に燃料を噴射
する火花点火式内燃機関において、中心電極や碍子脚部に衝突する燃料量が減少し、また、燃料の微粒化が促進されるため、燃焼悪化や付着燃料の炭化が抑制される。これにより、点火プラグの燻りを抑制することが可能となる。
実施例に係る内燃機関の燃焼室の構成を示す概略的断面図である。 実施例に係る内燃機関の燃焼室の構成を示す概略図である。 実施例に係る燃料噴射制御装置における吸気バルブのリフト量と点火プラグへの燃料の衝突量との関係を示すグラフである。 実施例に係る燃料噴射制御装置の噴射弁から噴射された燃料の燃焼室への流入態様を示す概略図である。 実施例に係る燃料噴射制御装置において吸気バルブの開弁開始が排気上死点よりも前のときにおける燃料噴射制御を説明するグラフである。 実施例に係る燃料噴射制御装置において吸気バルブの開弁開始が排気上死点以降のときにおける燃料噴射制御を説明するグラフである。 実施例に係る燃料噴射制御処理のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る燃料噴射制御装置が適用される4サイクル式の多気筒火花点火式内燃機関(以下、「内燃機関」と称する)における、一の気筒の燃焼室の構造を示す概略的断面図である。また、図2は、当該燃焼室をピストン側から見たときの構成を示す概略図である。なお、図1は、図2における線分AAによる断面図である。
図1及び図2に示されるように、燃焼室10は、シリンダヘッド100に設けられた天井面と、シリンダブロック110に設けられたシリンダボアと、シリンダボア内において往復運動をするピストン120の頂面とによって形成される空間である。天井面の略中央には、燃焼室10内に流入した燃料に点火する点火プラグ11が設けられており、点火プラグ11の周囲には、2つの吸気バルブ20と2つの排気バルブ30が設けられている。
点火プラグ11は、碍子脚部12の中心に設けられた中心電極13と、中心電極13と所定の間隔を持って配置された設置電極14を燃焼室10の内部に突出させている。中心電極13に高電圧が印加されると設置電極14との間に火花が発生することで、燃焼室10内に流入した混合気内の燃料が点火される。
吸気バルブ20は、燃料室10に接続された吸気ポート21の開口22を開閉し、排気バルブ30は、燃料室10に接続された排気ポート31の開口32を開閉する。吸気バルブ20は、燃焼室10の開口22を閉塞する傘部25と、傘部25の上面26の略中央から上方へ伸びるステム27とを備えている。なお、傘部25は、ステム27との接続部を頂点とした略円錐状の形状をしている。
燃焼室10内へ吸気を導く吸気通路としての吸気ポート21には、内部を流通する空気に燃料を噴射する噴射弁23が設置されている。つまり、本実施例における内燃機関は、いわゆるポート噴射式内燃機関であり、噴射弁23は、電気的に接続された燃料噴射制御装置としてのECU(Engine Control Unit)200から出力された噴射パルスの出力時
間に応じて吸気ポート21内へ燃料の噴射を実行する。
また、シリンダボア内で往復運動するピストン120は、コンロッド121を介してク
ランクシャフト122に連結されている。なお、クランクシャフト122の回転角度(クランク角)を検出するクランクセンサ123がECU200に電気的に接続されており、クランクセンサ123から出力されたクランク角に応じて燃料噴射制御が実行される。
また、本実施例に係る内燃機関には可変バルブ機構40が設置されており、ECU200からの指令に基づいて、吸気バルブ20及び排気バルブ30の開閉タイミングやフルリフト量を変更することができる。
次に、図面を用いて燃焼室10内に流入する燃料と吸気バルブ20のリフト量との関係について説明する。
図3は、噴射弁23によって燃料噴射を実行したときにおける、吸気バルブ20のリフト量と点火プラグ11の碍子脚部12及び中心電極13への燃料衝突量との関係を示すグラフであり、横軸にクランク角が示されている。なお、図3は、噴射弁23による燃料噴射が、吸気バルブ20の開弁期間(リフト量が正となる期間)を通して実行されたときの燃料衝突量を示しており、(a)がリフト量を示し、(b)が燃料衝突量の推移を示している。
また、図4は、吸気バルブ20の開弁時において噴射弁23から噴射された燃料の燃焼室10への流入態様を示す概略図であり、(a)が吸気バルブ20のリフト量が所定のリフト量Lth(詳細は後述)未満のときを示しており、(b)がリフト量がLth以上のときを示している。
図3に示されるように、吸気バルブ20のリフト量がLthを超えてフルリフト量に達した後に再びLthまで減少するクランク角T1からT2までの期間に碍子脚部12と中心電極13に衝突した燃料量は、開弁が開始されてからリフト量がLthに達するまでのクランク角T0からT1までの期間、または、リフト量がLthを下回ってから閉弁するまでのクランク角T2からT3までの期間に衝突した燃料量に比して著しく減少している。以下、これについて説明する。
図4(a)及び(b)に示されるように、吸気バルブ20の開弁中に、吸気バルブ20の傘部25の上面26と開口22との間を通過する燃料Fは、上面26に沿って流れることによって流入方向が変化される。ここで、図4(a)に示されるように、吸気バルブ20のリフト量がLth未満の場合には、上面26によって流入方向が変化された燃料Fの一部は、点火プラグ11の碍子脚部12及び中心電極13の方向へ流動してこれらに衝突しやすくなる。なお、この場合には、中心電極13や碍子脚部12への燃料付着量が増大し、また、中心電極13近傍の混合気が濃くなるために、不完全燃焼によって生じたカーボンが中心電極13や碍子脚部12に付着して点火プラグ11の燻りが発生しやすくなる。
一方、図4(b)に示すように、吸気バルブ20のリフト量がLth以上の場合には、吸気バルブ20の傘部25の上面26が燃焼室10内において十分下方に位置しているために、上面26によって流入方向が変化させられた燃料Fの一部は中心電極13よりも下方へ流動する傾向にある。つまり、燃料Fは、中心電極13を外れた衝突回避方向に向かうため、中心電極13や碍子脚部12への燃料の衝突量が低減される。これにより、中心電極13等への燃料付着や、中心電極13近傍における燃焼の悪化が抑制されるために、不完全燃焼によって生じるカーボン付着が低減して点火プラグ11の燻りが抑制される。
以上より、吸気バルブ20の開弁期間内において、吸気バルブ20のリフト量がLth以上となる期間を燃料噴射可能期間と設定して当該期間内に噴射弁23による燃料噴射を
実行し、Lth未満となる期間を燃料噴射不可期間と設定して当該期間内に燃料噴射を実行しなければ、碍子脚部12や中心電極13への燃料衝突量を低減させて燃焼悪化を抑制し、もって点火プラグ11の燻りを抑制することが可能となる。
なお、所定のリフト量Lthは、吸気バルブ20の傘部25の形状と点火プラグ11の中心電極13の位置に基づいて定まるリフト量である。より具体的には、中心電極13の中心と吸気バルブ20のステム27の中心軸とを通る平面(図2における線分AA)による燃焼室10の断面(図1参照)において、傘部25の上面26の断面輪郭の接線Xが中心電極13の断面領域と交わるような位置に吸気バルブ20がある場合における、吸気バルブ20のリフト量の最大値である。つまり、図1において破線で示されるように、上面26の断面輪郭から引いた接線Xが中心電極13の断面領域と交わる場合において、吸気バルブ20が最も開弁しているとき(図1において最も下方にあるとき)のリフト量がLthに相当する。なお、接線Xは、上面26の断面輪郭上の点から引ける接線のうちの最も傾きが小さい(図1において最も水平に近い)接線を選べばよい。また、上面26の断面輪郭の大部分が線分となる場合には、当該線分の延長線を接線Xとすればよい。
ここで、このように燃料噴射制御を行った場合、燃料噴射が可能な期間が限定されるため、燃料噴射量によっては、燃料噴射可能期間内に全ての燃料を噴射しきれない場合が生じる。したがって、内燃機関の運転状態に基づいてECU200によって決定された燃料噴射量が、上記の燃料噴射可能期間において全て噴射することができない場合には、上記の燃料噴射可能期間に実行される開弁期間内噴射とは別に、吸気バルブ20の閉弁中に実行する閉弁期間内噴射を実行して噴射しきれない量の燃料を噴射する。
次に、決定された噴射量を開弁期間内噴射と閉弁期間内噴射に分割して噴射する場合の燃料噴射制御について図面を用いて説明する。図5は、吸気バルブ20の開弁開始時点が、ピストン120の排気上死点よりも前に設定されている場合における、吸気バルブ20のリフト量と噴射弁23への噴射パルス出力期間との関係を示すグラフである。また、図6は、吸気バルブ20の開弁開始時点が、ピストン120の排気上死点以降に設定されている場合における、同様の関係を示すグラフである。
図5に示されるように、可変バルブ機構40によって、吸気バルブ20の開弁開始時点T0が排気上死点よりも前に設定されている場合には、閉弁期間内噴射を、クランク角T4からT0までの期間に実行する。ここで、開弁開始時点T0が排気上死点よりも前にある場合には、開弁開始時点T0から排気上死点までの期間内は、シリンダボア内を上昇するピストン120によって気筒内ガスの一部が吸気ポート21へ吹き返される。したがって、閉弁期間内噴射によって噴射された燃料は、この期間内に気筒内から吹き返されたガスによって微粒化が促進される。また、閉弁期間内噴射された燃料が閉弁されていた傘部25の上面26に付着していたとしても、吹き返されたガスによって再拡散される。したがって、開弁開始時点T0における吸気バルブ20の開弁開始からT1までの噴射不可期間中に吸気ポート21内の燃料が燃焼室10内に流入して点火プラグ11の中心電極13等に衝突しても、燃料の微粒化が進行しているために中心電極13近傍における燃焼の悪化が可及的に抑制される。
一方、可変バルブ機構40によって、吸気バルブ20の開弁開始が排気上死点以降に設定されている場合には、吸気バルブ20の開弁開始直後から、気筒内の負圧によって吸気ポート21内の吸気が燃焼室10内に流入する。したがって、開弁開始前に閉弁期間内噴射を終了させていた場合であっても、十分に微粒化されていない燃料が燃焼室10内に流入して点火プラグ11の中心電極13等に衝突する虞がある。したがって、この場合には、図6に示されるように、閉弁期間内噴射を、排気上死点の前であって、かつ、閉弁期間内噴射によって噴射された燃料が吸気ポート21内で微粒化される所定期間前に終了させ
る。即ち、図6に示されるように、吸気バルブ20の閉弁中であるクランク角T6からT0の期間を追加的な噴射不可期間に設定し、閉弁期間内噴射をクランク角T5からT6までの期間に実行する。これにより、閉弁期間内噴射によって噴射された燃料が、吸気ポート21内において十分に拡散して微粒化される期間を確保することができるため、開弁開始直後に流入した燃料が中心電極13等に衝突しても、中心電極13近傍における燃焼の悪化が抑制される。なお、追加的な噴射不可期間は、排気上死点よりクランク角において30〜50度前であることが好適である。
以上を踏まえて、本実施例に係る燃料噴射制御装置が行う噴射制御処理についてフローチャートを用いて説明する。図7は、本実施例に係る燃料噴射制御装置に相当するECU200が行う噴射制御処理の一例を示したフローチャートである。なお、このフローは、各燃焼サイクルに実行されることを前提にしている。
噴射制御処理が開始されると、ECU200は、ステップS101において、今回の噴射制御処理開始時における、エンジン回転数、アクセル開度等に基づいて、今回の噴射制御処理における燃料の噴射量を決定する。
次に、ECU200は、ステップS102において、吸気バルブ20の開弁中に燃料噴射が実行される開弁期間内噴射の期間を設定する。この開弁期間内噴射の期間は、吸気バルブ20の開弁中においてリフト量が所定のリフト量であるLth以上となる期間である。ECU200は、本フローにおける内燃機関の回転数や可変バルブ機構40によって設定されている吸気バルブ20の開閉タイミング及びフルリフト量に基づいて、開弁期間内噴射の期間を設定する。
次に、ECU200は、ステップS103において、決定された噴射量や開弁期間内噴射の期間の長さ等に基づいて、開弁期間内噴射の前に閉弁期間内噴射が必要かを判断する。例えば、冷間時等の噴射量が多い場合や、高速回転時において開弁期間内噴射の期間が短い場合等には、決定された噴射量の全部を開弁期間内噴射によって噴射することができない。そこで、ECU200は、噴射できない燃料量を噴射するために、閉弁期間内噴射は必要と判断してステップS104へ進む。一方、開弁期間内噴射によって全噴射量の噴射が可能なときには、閉弁期間内噴射は必要ないと判断されて、ステップS108へ進んで開弁期間内噴射の開始まで待機状態となる。
そして、ステップS104において、ECU200は、本実施例に係る内燃機関に設けられた可変バルブ機構40によって、本燃焼サイクルにおける吸気バルブ20の開弁時期が排気上死点よりも前に設定されているか否かを判定する。
吸気バルブ20の開弁開始が排気上死点よりも前に設定されていると判定された場合には、ステップS105に進み、図5に示されるように、吸気バルブ20の開弁開始前に閉弁期間内噴射の期間を設定する。当該期間の長さや開始時点は、閉弁期間内噴射による噴射量等に基づいて適宜定めればよい。設定が終了すると、ステップS106に進んで閉弁期間内噴射の開始まで待機状態となる。
一方、ステップS104において、吸気バルブ20の開弁開始が排気上死点より前に設定されていないと判定された場合、つまり可変バルブ機構40によって開弁開始が排気上死点以降に設定されている場合には、ステップS115に進む。ステップS115では、ECU200は、閉弁期間内噴射の期間を、図6に示されるように、該排気上死点の前であって、かつ、排気上死点よりも所定期間前に終了するように設定する。当該所定期間は、閉弁期間内噴射によって噴射された燃料が吸気ポート21内で微粒化されるのに十分な期間であって、クランク角で30〜50度の期間とするのが好適である。なお、閉弁期間
内噴射の期間の長さは、閉弁期間内噴射による噴射量等に基づいて適宜定めればよい。設定が終了すると、ステップS106に進んで閉弁期間内噴射の開始まで待機状態となる。
ステップS106において、クランクセンサ123から出力されるクランク角等に基づいて、設定された閉弁期間内噴射の期間の開始時点の到来が確認されると、ECU200は、ステップS107において噴射弁23に噴射パルスを出力して閉弁期間内噴射を実行する。閉弁期間内噴射が終了すると、ステップS108に進んで、開弁期間内噴射の開始、即ち、吸気バルブ20の開弁が開始されてリフト量がLthになるまで待機状態となる。なお、閉弁期間内噴射によって噴射された燃料は、この待機状態の期間内において吸気ポート21内で拡散されて微粒化が促進されるため、吸気バルブ20が開弁してリフト量がLthになるまでの期間に燃焼室10内に燃料が流入しても、中心電極13近傍における燃焼が悪化することが抑制される。
ステップS108において、吸気バルブ20のリフト量がLth以上となったことが確認されると、ECU200は、開弁期間内噴射の期間の開始を判断して、ステップS109において噴射弁23に噴射パルスを出力して、リフト量がLth以上となる期間内において開弁期間内噴射を実行する。なお、リフト量の検出は、クランクセンサ123によって検出されたクランク角と可変バルブ機構40によって設定されている開閉タイミング等に基づいて行われる。以上のようにしてステップS101において決定された噴射量の全ての噴射が終了すると、本燃焼サイクルにおける燃料噴射制御処理が終了される。
なお、本実施例では、ステップS101において噴射量を決定するECU200が本発明における決定手段に相当し、ステップS107及びステップS109において噴射弁23による燃料噴射を実行するECU200が本発明における制御手段に相当する。
本実施例によれば、吸気バルブ20のリフト量が、傘部25の形状と点火プラグ11の中心電極13の位置に基づいて定まるリフト量であるLth以上となる期間内に、噴射弁23による開弁期間内噴射が実行される。これにより、吸気ポート21の開口22を通過して燃焼室10内に流入した燃料が、中心電極13を外れた衝突回避方向へ流動する。したがって、中心電極13や碍子脚部12に衝突する燃料の衝突量を減少させて、中心電極13等への燃料付着や中心電極13近傍における燃焼悪化を抑制することができる。
また、本実施例によれば、閉弁期間内噴射が実行された場合には、開口22が閉鎖されている吸気ポート21内で燃料を拡散させて微粒化を促進させることができる。これにより、吸気バルブ20の開弁開始後に燃焼室10内に流入した燃料が、中心電極13等に衝突する方向へ流動しても、中心電極13近傍での燃焼の悪化が抑制される。
また、本実施例によれば、内燃機関の運転状態に基づいて決定された噴射量の全てを開弁期間内噴射によって噴射できない場合には、吸気バルブ20の閉弁期間内に閉弁期間内噴射が実行される。これにより、当該噴射量の全てを噴射することが可能となる。
以上のように、本実施例に係る燃料噴射制御装置によれば、ポート噴射式の内燃機関において、中心電極13や碍子脚部12に衝突する燃料量が減少し、また、燃料の微粒化が促進されるため、中心電極13等への燃料付着や、衝突する燃料によって生じる燃焼悪化が抑制される。これにより、不完全燃焼による中心電極13等へのカーボン付着を低減させて点火プラグ11の燻りを抑制することが可能となる。
なお、本実施例においては、開弁期間内噴射によって決定された噴射量の全てが噴射できない場合に閉弁期間内噴射を実行しているが、他の理由によって閉弁期間内噴射を行って分割噴射を実行してもよい。その場合には、開弁期間内噴射の期間において噴射可能な
最大量を噴射する必要はない。
また、本実施例に記載されている構成部品の寸法、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。例えば、点火プラグ11の位置は燃焼室10の天井面の略中央以外の場所であってもよい。その場合においても、リフト量Lthを、吸気バルブ20の傘部25の形状と点火プラグ11の中心電極13の位置に基づいて適宜定めることによって、燃焼室10内に流入した燃料が中心電極13を外れた衝突回避方向に向かうようにして、中心電極13や碍子脚部12への燃料衝突量を低減させることができる。更にまた、リフト量Lthを、吸気バルブ20の傘部25の形状と碍子脚部12の位置、あるいは、傘部25の形状と設置電極14の位置に基づいて定めるようにしてもよい。その場合においても、燃焼室10内に流入した燃料が、中心電極13を外れた衝突回避方向に向かうようにして、中心電極13等への燃料衝突量を低減させることができる。
10 燃焼室
11 点火プラグ
12 碍子脚部
13 中心電極
20 吸気バルブ
23 噴射弁
25 傘部
200 ECU

Claims (4)

  1. 燃焼室内の燃料に点火する点火プラグと、前記燃焼室に接続された吸気通路の開口を開閉する吸気バルブと、前記吸気通路内に燃料を噴射する噴射弁と、を有する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて前記噴射弁に噴射させる燃料の噴射量を決定する決定手段と、
    前記吸気バルブのリフト量が、該吸気バルブの傘部の形状と前記点火プラグの中心電極の位置に基づいて定まるリフト量であって、前記開口を通過して前記燃焼室内に流入した燃料が該中心電極を外れた衝突回避方向に向かう所定リフト量以上となる期間内に、前記噴射量の燃料の一部または全部を前記噴射弁に噴射させる開弁期間内噴射を実行する制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記吸気バルブの閉弁期間内に前記噴射弁に燃料を噴射させる閉弁期間内噴射を実行することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記噴射量の全部が前記開弁期間内噴射によって噴射されない場合に、前記閉弁期間内噴射を実行して前記開弁期間内噴射によって噴射されない燃料を噴射することを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記吸気バルブの開弁開始が排気上死点以降である場合に、該排気上死点の前であって、前記閉弁期間内噴射によって噴射された燃料が前記吸気通路内で微粒化される所定期間の前に、前記閉弁期間内噴射を終了することを特徴とする請求項2または3に記載の燃料噴射制御装置。
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