JP2014088074A - 車両の衝突判別装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】左右一対のサイドメンバ7の前端部にバンパリンフォース8を接続し、その両端をサイドメンバ7よりも車幅方向外側に延在させる。
バンパリンフォース8におけるサイドメンバ7との結合部A,C又は結合部A,Cよりも車幅方向外側のそれぞれに、結合部A,Cの変形を検出する結合部センサ1,2を設ける。また、バンパリンフォース8における一対のサイドメンバ7間に、その位置での変形を検出する中間部センサ3を設ける。
さらに、車両10の前面衝突時に、一対の結合部センサ1,2及び中間部センサ3で検出された三種の変形の組合せに基づき、車両10の衝突形態を判別する衝突形態判別手段20,21を設ける。
【選択図】図2
Description
例えば特許文献1には、車両衝突時に作動対象とするエアバッグを衝突形態に応じて選択的に切り替え、エアバッグの展開タイミングを変化させる技術が示されている。この技術では、車両前端部の構造体に貼り付けられたワイヤーの張力に基づいて衝突形態が判別される。これにより、正確な衝突形態を容易に判定することができるとされている。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
また、前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバとの結合部又は該結合部よりも車幅方向外側のそれぞれに設けられ、前記結合部での前記バンパリンフォースの変形を結合部変形として検出する左右一対の結合部センサと、前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバ間に設けられ、その位置での前記バンパリンフォースの変形を中間部変形として検出する中間部センサとを備える。
さらに、車両の前面衝突時に、前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサで検出された三種の変形の組合せに基づいて前記車両の衝突形態を判別する衝突形態判別手段とを備える。
(3)また、前記一対の衝撃度センサは、車両前後方向の減速度を検出する加速度センサであることが好ましい。
「斜め衝突」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に少なくとも中間部と左結合部及び右結合部の何れか一方とを含み、かつ、衝突面が車両前面に対して傾斜した衝突形態である。例えば、車両右左折時における対向車両との正面衝突は、斜め衝突である。
「オフセット衝突」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に少なくとも左結合部及び右結合部の何れか一方を含む衝突形態である。例えば、バンパリンフォースの中央から右半分の部分又は左半分の部分に対する車両や物体の衝突は、オフセット衝突である。一般に、オフセット衝突時の衝突面積は、スモールオーバーラップ衝突時の衝突面積よりも広い面積である。
「全面衝突(フルラップ正面衝突)」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に少なくとも中間部,左結合部及び右結合部を含み、かつ、衝突面が車両前面に対してほぼ平行な衝突形態である。例えば、車両が壁面に対して真正面から突進した場合の衝突や、直進路上での前方車両への追突などは、全面衝突である。
「ポール衝突」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に中間部を含み、左端部及び右端部を含まない衝突形態である。例えば、電柱や車止めポールへの正面衝突は、ポール衝突である。
(10)前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサは、前記バンパリンフォースの側面部に切り欠いて形成された切欠き部と、前記切欠き部を跨いで張った状態で両端部が前記側面部に取り付けられた針金と、前記針金の両端部に接続されて通電された一対の電線と、から構成され、前記バンパリンフォースの伸び変形を検出するものであることが好ましい。
図1は、本実施形態の衝突判別装置が適用された車両10のフロントドアを取り外した状態での側面図であり、図2(a)はこの車両10のボディ構造を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は要部上面図である。車両10の車室前方には、車両前後方向に沿って水平に延在するサイドメンバ7(フロントサイドメンバ)と、車幅方向に沿って水平に延在するバンパリンフォース8とが設けられる。
電子制御装置20は、車両10に搭載される各種コンポーネントを総合的に制御するものであり、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。電子制御装置20の信号入力側には、図4に示すように、左結合部センサ1,右結合部センサ2,中間部センサ3,左衝撃度センサ4及び右衝撃度センサ5が接続される。一方、電子制御装置20の信号出力側には、フロントエアバッグ11,カーテンエアバッグ12,サイドエアバッグ13,ニーエアバッグ14,及びシートベルトプリテンショナー15が接続される。
(1)ポール衝突制御は、車両10がポール衝突したときに実施される制御である。ポール衝突とは、衝突部位に中間部8bを含み、左端部8a及び右端部8cを含まない衝突形態である。例えば、図5(a)に示すように、電柱や車止めポールへの正面衝突は、ポール衝突に分類される。なおこの場合は、衝突部位に左結合部A及び右結合部Cは含まない。
電子制御装置20は、上記の五種類の乗員保護制御を実施するための手段として、衝突形態判別部21及び制御部22を有する。これらの各要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
電子制御装置20における衝突形態の判定条件をまとめて以下の表1に示す。表中の「変形」はその箇所での変形が検出された場合を意味し、「―」はその箇所での変形が検出されていない場合を意味する。また、表中の「小」は減速度が小さい場合を意味し、「大」は減速度が大きい場合を意味する。なお、ポール衝突、全面衝突、左右のオフセット衝突の場合は、減速度の大小関係を判定するまでもなく衝突形態を判別可能であるため、表中にはその大小は括弧書きで表している。
図7は、電子制御装置20で実施される衝突形態の判別手順を例示するフローチャートである。このフローは、例えば衝撃度センサ4,5によって所定値以上の減速度が検知された場合に、車両10が衝突したと判断されて実施される。
(1)上述の通り、本実施形態の車両の衝突判別装置では、バンパリンフォース8の左結合部A及び右結合部Cのそれぞれに対して、左結合部センサ1及び右結合部センサ2が設けられ、さらにバンパリンフォース8の中間部8bに中間部センサ3が設けられる。そして、これらのセンサ1〜3によってそれぞれの位置での変形が検出される。また、電子制御装置20の衝突形態判別部21では、これら左結合部Aの変形,右結合部Cの変形及び中間部8bの変形の組合せに基づいて、車両10の衝突形態が判別される。
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
2 右結合部センサ(結合部センサ)
3 中間部センサ
4 左衝撃度センサ(衝撃度センサ,加速度センサ)
5 右衝撃度センサ(衝撃度センサ,加速度センサ)
7 サイドメンバ
8 バンパリンフォース
10 車両
11 フロントエアバッグ(乗員保護装置)
12 カーテンエアバッグ(乗員保護装置)
13 サイドエアバッグ(乗員保護装置)
14 ニーエアバッグ(乗員保護装置)
15 シートベルトプリテンショナー(乗員保護装置)
20 電子制御装置
21 衝突形態判別部(衝突形態判別手段)
21a 組合せ判定部
21b 衝撃大小判定部
22 制御部(制御手段)
Claims (10)
- 左右一対のサイドメンバの前端部に接続され、両端が前記サイドメンバよりも車幅方向外側に延在するバンパリンフォースと、
前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバとの結合部又は該結合部よりも車幅方向外側のそれぞれに設けられ、前記結合部での前記バンパリンフォースの変形を結合部変形として検出する左右一対の結合部センサと、
前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバ間に設けられ、その位置での前記バンパリンフォースの変形を中間部変形として検出する中間部センサと、
車両の前面衝突時に、前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサで検出された三種の変形の組合せに基づき、前記車両の衝突形態を判別する衝突形態判別手段と、を備えた
ことを特徴とする、車両の衝突判別装置。 - 前記一対のサイドメンバのそれぞれに設けられ、前記車両に作用する衝撃の大きさを検出する左右一対の衝撃度センサを備え、
前記衝突形態判別手段は、前記組合せに加えて前記一対の衝撃度センサで検出された前記一対の衝撃の大きさの大小関係に基づいて、前記衝突形態を判別する
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の衝突判別装置。 - 前記一対の衝撃度センサは、車両前後方向の減速度を検出する加速度センサである
ことを特徴とする、請求項2記載の車両の衝突判別装置。 - 前記衝突形態判別手段は、
前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、前記中間部変形が検出されず、かつ、前記結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが前記結合部変形が検出されなかった他方の衝撃の大きさよりも大きい場合に、一方側の最端部に片寄った車両前面の衝突であるスモールオーバーラップ衝突が発生したと判断する
ことを特徴とする、請求項2又は3記載の車両の衝突判別装置。 - 前記衝突形態判別手段は、
前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、前記中間部変形が検出されず、かつ、前記結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが前記結合部変形が検出されなかった他方の衝撃の大きさよりも小さい場合に、他方側に傾斜した車両前面の全体に対する衝突である斜め衝突が発生したと判断する
ことを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。 - 前記衝突形態判別手段は、
前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、かつ、前記中間部変形が検出された場合に、前記結合部変形が検出されなかった他方側に片寄った車両前面の衝突であるオフセット衝突が発生したと判断する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。 - 前記衝突形態判別手段は、
前記一対の結合部変形及び前記中間部変形が何れも検出されなかった場合に、車両前面の全体に対する衝突である全面衝突が発生したと判断する
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。 - 前記衝突形態判別手段は、
前記一対の結合部変形及び前記中間部変形が何れも検出された場合に、車両前面の中間部に対する衝突であるポール衝突が発生したと判断する
ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。 - 前記衝突形態判別手段で判別された前記車両の衝突形態に応じて、前記車両に搭載された乗員保護装置の作動状態を制御する制御手段を備えた
ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。 - 前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサは、
前記バンパリンフォースの側面部に切り欠いて形成された切欠き部と、
前記切欠き部を跨いで張った状態で両端部が前記側面部に取り付けられた針金と、
前記針金の両端部に接続されて通電された一対の電線と、から構成され、前記バンパリンフォースの伸び変形を検出するものである
ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。
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