JP2014088074A - 車両の衝突判別装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の衝突判別装置に関し、簡素な構成で衝突形態の判別精度を向上させる。
【解決手段】左右一対のサイドメンバ7の前端部にバンパリンフォース8を接続し、その両端をサイドメンバ7よりも車幅方向外側に延在させる。
バンパリンフォース8におけるサイドメンバ7との結合部A,C又は結合部A,Cよりも車幅方向外側のそれぞれに、結合部A,Cの変形を検出する結合部センサ1,2を設ける。また、バンパリンフォース8における一対のサイドメンバ7間に、その位置での変形を検出する中間部センサ3を設ける。
さらに、車両10の前面衝突時に、一対の結合部センサ1,2及び中間部センサ3で検出された三種の変形の組合せに基づき、車両10の衝突形態を判別する衝突形態判別手段20,21を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両衝突時の衝突形態を判別する車両の衝突判別装置に関する。
従来、エアバッグ装置やシートベルトプリテンショナー等の乗員保護装置が搭載された車両において、車両前面衝突時の衝突形態を判別したうえで各種乗員保護装置を適切に作動させる技術が開発されている。すなわち、衝突形態に応じて乗員保護装置の種類や作動タイミング等を制御するものである。車両の代表的な前面衝突形態としては、例えばフルラップ正面衝突やオフセット衝突等が挙げられる。
フルラップ正面衝突は、例えば、車両が壁面に対して真正面から突進した場合や、直進路上で前方車両に追突したような場合に想定される衝突形態である。このフルラップ正面衝突時には、車体前端における車幅方向の全体に対して衝撃力が作用することから、車体前端が広範囲に変形する可能性がある反面、車両前後方向の変形量が比較的小さくなりやすい。
一方、オフセット衝突は、例えば、前方車両と自車両とが車幅方向にずれた状態で追突した場合や、対向車がセンターラインを越境してきた場合に想定される衝突形態である。このオフセット衝突時では、車体前端における車幅方向の左右いずれか一方側に片寄った範囲に対して衝撃力が作用することから、変形範囲は狭いものの車両前後方向の変形量が比較的大きくなりやすい。
このように、車両衝突時の車体の変形量や衝撃力,衝撃範囲等は、衝突形態によって相違する。したがって、衝突形態に応じて乗員保護装置の種類や作動タイミング等を制御することで、乗員保護性を向上させることが可能となる。
例えば特許文献1には、車両衝突時に作動対象とするエアバッグを衝突形態に応じて選択的に切り替え、エアバッグの展開タイミングを変化させる技術が示されている。この技術では、車両前端部の構造体に貼り付けられたワイヤーの張力に基づいて衝突形態が判別される。これにより、正確な衝突形態を容易に判定することができるとされている。
特許第3693053号公報
ところで、車両の前面衝突形態の一つであるオフセット衝突の中でも、車体前面の車幅方向左右の端部側により片寄った衝突範囲(衝突面積)の狭いオフセット衝突は「スモールオーバーラップ衝突」と呼ばれ、通常のオフセット衝突と区別されている。スモールオーバーラップ衝突は、例えば、車体前面におけるサイドメンバよりも車幅方向外側の範囲が衝突した場合などの衝突形態であり、車両に回転運動が生じるリスクがより高いという特徴がある。そのため、オフセット衝突とスモールオーバーラップ衝突とでは、車両や乗員の挙動に違いが生じ、作動させる乗員保護装置の種類や作動タイミング等も変わってくる。したがって、オフセット衝突とスモールオーバーラップ衝突のように類似の衝突形態であっても、より詳細かつ正確に衝突形態を判別して、衝突形態に合った乗員拘束を実施することが乗員の安全性を確保する上で重要である。
しかしながら、上記のような特許文献1の技術では、衝突形態を左右のサイドメンバ間に設けたワイヤーの張力に基づいて判別しているため、例えば、車両前面のサイドメンバよりも外側の部位が衝突されるようなスモールオーバーラップ衝突に対しては、衝突形態を正確に判別することができないと考えられる。また、ワイヤーが断線した場合には衝突形態の判別が事実上不可能となる。特に、ワイヤーが取り付けられる車両前端部の構造体は、衝撃力が直接的に作用する部位であり、損傷を受けやすく断線しやすいと考えられる。このように従来の技術では、衝突形態の判別精度の点で改善の余地があった。もちろん、単純にセンサの設置箇所数を増加すれば、衝突形態の判定精度を向上させることは可能であるが、コストの面で現実的ではない。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、簡素な構成で衝突形態の判別精度を向上させることのできる車両の衝突判別装置を提供することである。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する車両の衝突判別装置は、左右一対のサイドメンバの前端部に接続され、両端が前記サイドメンバよりも車幅方向外側に延在するバンパリンフォースを備える。
また、前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバとの結合部又は該結合部よりも車幅方向外側のそれぞれに設けられ、前記結合部での前記バンパリンフォースの変形を結合部変形として検出する左右一対の結合部センサと、前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバ間に設けられ、その位置での前記バンパリンフォースの変形を中間部変形として検出する中間部センサとを備える。
さらに、車両の前面衝突時に、前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサで検出された三種の変形の組合せに基づいて前記車両の衝突形態を判別する衝突形態判別手段とを備える。
衝突形態判別手段で判別される車両の衝突形態には、少なくともバンパリンフォースに対する衝突位置によって分類された複数の形態が含まれる。車両の衝突形態は、例えばバンパリンフォースの全体に対する衝突であるのか、それとも一部分に対する衝突であるのか、といった基準に則って分類可能である。あるいは、バンパリンフォースの右側に対する衝突であるのか、左側に対する衝突であるのか、あるいは中央に対する衝突であるのか、といった基準に則って分類可能である。
(2)また、前記一対のサイドメンバのそれぞれに設けられ、前記車両に作用する衝撃の大きさを検出する左右一対の衝撃度センサを備えることが好ましい。この場合、前記衝突形態判別手段は、前記組合せに加えて前記一対の衝撃度センサで検出された前記一対の衝撃の大きさの大小関係に基づいて、前記衝突形態を判別することが好ましい。
(3)また、前記一対の衝撃度センサは、車両前後方向の減速度を検出する加速度センサであることが好ましい。
(4)また、前記衝突形態判別手段は、前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、前記中間部変形が検出されず、かつ、前記結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが前記結合部変形が検出されなかった他方の衝撃の大きさよりも大きい場合に、一方側の最端部に片寄った車両前面の衝突であるスモールオーバーラップ衝突が発生したと判断することが好ましい。
ここで、一対のサイドメンバとの結合部を基準としてバンパリンフォースの各部名称を定義し、それぞれを「左端部」,「中間部」,「右端部」と呼ぶ。また、左右一対のサイドメンバとの結合部をそれぞれ「左結合部」,「右結合部」と呼ぶ。「スモールオーバーラップ衝突」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に中間部,左結合部及び右結合部を含まず、かつ、左端部及び右端部の何れか一方を含む衝突形態である。例えば、バンパリンフォースにおけるサイドメンバとの結合部よりも左右両端部側(外側)の部分への物体の衝突は、スモールオーバーラップ衝突である。
(5)また、前記衝突形態判別手段は、前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、前記中間部変形が検出されず、かつ、前記結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが前記結合部変形が検出されなかった他方の衝撃の大きさよりも小さい場合に、他方側に傾斜した車両前面の全体に対する衝突である斜め衝突が発生したと判断することが好ましい。
「斜め衝突」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に少なくとも中間部と左結合部及び右結合部の何れか一方とを含み、かつ、衝突面が車両前面に対して傾斜した衝突形態である。例えば、車両右左折時における対向車両との正面衝突は、斜め衝突である。
(6)また、前記衝突形態判別手段は、前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、かつ、前記中間部変形が検出された場合に、前記結合部変形が検出されなかった他方側に片寄った車両前面の衝突であるオフセット衝突が発生したと判断することが好ましい。
「オフセット衝突」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に少なくとも左結合部及び右結合部の何れか一方を含む衝突形態である。例えば、バンパリンフォースの中央から右半分の部分又は左半分の部分に対する車両や物体の衝突は、オフセット衝突である。一般に、オフセット衝突時の衝突面積は、スモールオーバーラップ衝突時の衝突面積よりも広い面積である。
(7)また、前記衝突形態判別手段は、前記一対の結合部変形及び前記中間部変形が何れも検出されなかった場合に、車両前面の全体に対する衝突である全面衝突が発生したと判断することが好ましい。
「全面衝突(フルラップ正面衝突)」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に少なくとも中間部,左結合部及び右結合部を含み、かつ、衝突面が車両前面に対してほぼ平行な衝突形態である。例えば、車両が壁面に対して真正面から突進した場合の衝突や、直進路上での前方車両への追突などは、全面衝突である。
(8)また、前記衝突形態判別手段は、前記一対の結合部変形及び前記中間部変形が何れも検出された場合に、車両前面の中間部に対する衝突であるポール衝突が発生したと判断することが好ましい。
「ポール衝突」とは、バンパリンフォースに対する前面衝突のうち、衝突部位に中間部を含み、左端部及び右端部を含まない衝突形態である。例えば、電柱や車止めポールへの正面衝突は、ポール衝突である。
(9)また、前記衝突形態判別手段で判別された前記車両の衝突形態に応じて、前記車両に搭載された乗員保護装置の作動状態を制御する制御手段を備えることが好ましい。
(10)前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサは、前記バンパリンフォースの側面部に切り欠いて形成された切欠き部と、前記切欠き部を跨いで張った状態で両端部が前記側面部に取り付けられた針金と、前記針金の両端部に接続されて通電された一対の電線と、から構成され、前記バンパリンフォースの伸び変形を検出するものであることが好ましい。
開示の車両の衝突判別装置によれば、バンパリンフォースにおける三種の変形の組合せを用いることで、複数の衝突形態を精度よく切り分けて判別することができる。これにより、簡素な構成でそれぞれの衝突形態に見合った適切な乗員保護制御を実施することができる。
一実施形態の衝突判別装置が適用された車両の全体構成を説明するための側面図である。 図1の車両の前端部のボディ構造を例示する図であり、(a)は全体斜視図、(b)は要部上面図である。 本衝突判別装置に用いられる端部センサ及び中間部センサの一例を示す斜視図であり、(a)は衝突前の状態を示し、(b)は衝突後の状態を示す。 本衝突判別装置の構成を例示するブロック図である。 車両の衝突形態を説明するための模式図であり、(a)はポール衝突、(b)は全面衝突、(c)はオフセット衝突、(d)はスモールオーバーラップ衝突、(e)は斜め衝突をそれぞれ示す。 車両衝突時におけるバンパリンフォースの状態と本衝突判別装置での衝突形態の判別手法とを説明するための模式図であり、(a)はポール衝突時、(b)は全面衝突時、(c)は左オフセット衝突時、(d)は右オフセット衝突時、(e)は左スモールオーバーラップ衝突時、(f)は右スモールオーバーラップ衝突時、(g)は左斜め衝突時、(h)は右斜め衝突時のそれぞれに対応する。 本衝突判別装置での衝突形態の判別手順を例示するフローチャートである。
図面を参照して車両の衝突判別装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
図1は、本実施形態の衝突判別装置が適用された車両10のフロントドアを取り外した状態での側面図であり、図2(a)はこの車両10のボディ構造を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は要部上面図である。車両10の車室前方には、車両前後方向に沿って水平に延在するサイドメンバ7(フロントサイドメンバ)と、車幅方向に沿って水平に延在するバンパリンフォース8とが設けられる。
サイドメンバ7は、車幅方向に間隔を空けて左側と右側とのそれぞれに一本ずつ設けられる。これらのサイドメンバ7は、例えば左右前輪のホイールハウスに近接してやや内側を通るように配置される。以下、左右それぞれのサイドメンバ7を区別して説明する場合には、左側を左サイドメンバ7aと呼び、右側を右サイドメンバ7bと呼ぶ。
バンパリンフォース8は、左右一対のサイドメンバ7の前端部に接続された骨格部材である。図2(a)及び(b)に示すように、バンパリンフォース8の左端部は左サイドメンバ7aよりも車幅方向外側(左側)まで延びており、右端部は右サイドメンバ7bよりも車幅方向外側(右側)まで延びている。なお、バンパリンフォース8の前面には一般的に緩衝材が設けられ、例えば軽度の接触による衝撃が緩衝材で吸収される。
ここで、バンパリンフォース8と左サイドメンバ7aとが接続される部位のことを左結合部Aと呼び、バンパリンフォース8と右サイドメンバ7bとが接続される部位のことを右結合部Cと呼ぶ。また、バンパリンフォース8の各部位を左結合部A,右結合部Cで区分して、左結合部Aよりも左側の部位を左端部8aと呼び、左結合部A,右結合部C間の部位を中間部8bと呼び、右結合部Cよりも右側の部位を右端部8cと呼ぶ。
本実施形態では、車両上面視におけるサイドメンバ7の中心線とバンパリンフォース8との交点を基準として、左端部8a,中間部8b及び右端部8cの境界が設定されるものとする。なお、ここではバンパリンフォース8は、バンパーのデザインに合わせて、左結合部A及び右結合部Cにおいて左端部8a及び右端部8cが車両後方に向かって傾斜するように屈曲形成されている。
図2(a)及び(b)に示すように、バンパリンフォース8の左結合部A及び右結合部Cのそれぞれの車両前側の側面部8eには、左結合部センサ1(結合部センサの一つ)及び右結合部センサ2(結合部センサの一つ)が設けられる。これらは、それぞれのセンサが設けられた位置(すなわち、左結合部A及び右結合部C)でのバンパリンフォース8の車幅方向の成分を含む伸縮変形を検出する変形検出センサである。
また、バンパリンフォース8の中間部8bの中央部Bの車両後側の側面部8dには、中間部センサ3が設けられる。ここでいう中央部Bとは、バンパリンフォース8の車幅方向中央であり、車両10の車幅方向中央でもある。中間部センサ3は、センサが設けられた位置(すなわち、中央部B)でのバンパリンフォース8の車幅方向の成分を含む伸縮変形を検出する変形検出センサである。
これら左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3は、例えば図3(a)及び(b)に示すような構造的なセンサとして構成される。図3(a)及び(b)には、バンパリンフォース8の伸び変形を検出する中間部センサ3を例示する。なお、左結合部センサ1及び右結合部センサ2も中間部センサ3と同様の構成とすることができる。
中間部センサ3は、図3(a)に示すように、切欠き部31と針金32と二本の電線33とから構成される。切欠き部31は、バンパリンフォース8の中央部B(変形を検出する位置)の車両後側の側面部8dに、バンパリンフォース8を上下方向に切り欠いて形成されたものである。針金32は、この切欠き部31を跨いで張った状態で両端部がバンパリンフォース8の側面部8dに取り付けられる。この針金32の両端部には電線33が接続され、電線33を通じて通電され、針金32の通電状態がモニタリングされる。なお、このモニタリングは、後述する電子制御装置20で実施される。
図3(b)に示すように、衝突によって切欠き部31が変形すると、針金32の一端部がバンパリンフォース8の側面部8dから外れる。これにより、針金32に電気が流れなくなる(通電が遮断される)ため、通電状態をモニタリングしていた電子制御装置20では、中央部Bにおいてバンパリンフォース8が伸び変形したことを検出することができる。
なお、切欠き部31は、中間部センサ3の場合はバンパリンフォース8の車両後側の側面部8dに設けられるが、左結合部センサ1及び右結合部センサ2の場合は、バンパリンフォース8の車両前側の側面部8eに設けられる。これは、ここで例示した変形検出センサがバンパリンフォース8の伸び変形を検出するものであるため、車両10の前面衝突時に伸び変形する部分に取り付けられている。
一方、変形検出センサがバンパリンフォース8の縮み変形を検出するものである場合は、切欠き部31が設けられる側面部8d,8eが上記したものと反対となる。つまり、中間部センサ3の場合はバンパリンフォース8の車両前側の側面部8eに設けられ、左結合部センサ1及び右結合部センサ2の場合はバンパリンフォース8の車両後側の側面部8dに設けられる。
左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3は、上記したような構造的なセンサによって変形の有無を検出するもののほかに、例えば赤外光などで光学的にバンパリンフォース8の伸縮方向の距離をモニタリングするセンサであってもよい。この場合、所定量以上の変形量を検出したときに「バンパリンフォース8が変形した」と判断してもよい。また、この場合のセンサの取り付け位置は、バンパリンフォース8の車両前側の側面部8e及び車両後側の側面部8dのどちらであってもよい。なお、ここでは左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3は、左右対称に配置されている。
図2(a)及び(b)に示すように、左サイドメンバ7a及び右サイドメンバ7bのそれぞれの前端部近傍には、車両10に作用する衝撃の大きさを検出する左衝撃度センサ4(衝撃度センサの一つ)及び右衝撃度センサ5(衝撃度センサの一つ)が設けられる。これらは、それぞれのセンサが設けられた位置での前後方向の減速度(加速度)を検出する加速度センサである。例えば、車両10の衝突時には、衝撃力の強さ(衝撃の大きさ)に対応する減速度が各々のセンサで検出される。これらの各センサ1〜5で検出された各情報は、電子制御装置20に伝達される。
以下、左結合部センサ1で検出される変形のことを左結合部Aの変形(結合部変形)と呼び、右結合部センサ2で検出される変形のことを右結合部Cの変形(結合部変形)と呼び、中間部センサ3で検出される変形のことを中央部Bの変形(中間部変形)と呼ぶ。また、左衝撃度センサ4で検出された減速度のことを左減速度DLと呼び、右衝撃度センサ5で検出された減速度のことを右減速度DRと呼ぶ。なお、左減速度DL及び右減速度DRの符号は、車両後方へ向かう方向(つまり、減速方向)を正とする。
図1に示すように、車両10の車室内には、複数の乗員保護装置11〜15が設けられる。例えば、車両10の運転席及び助手席の前方には、乗員の前方に展開するフロントエアバッグ11が設けられ、車室内の側面上部には、ドア及びガラス面に沿って展開するカーテンエアバッグ12が設けられる。また、運転席及び助手席の内部には乗員の側方に展開するサイドエアバッグ13が内蔵され、それぞれの座席前方には乗員の膝にかかる衝撃を吸収するニーエアバッグ14が収納される。さらに、車両10のシートベルトについて、シートベルトに張力を付与することによって乗員の移動を抑制するシートベルトプリテンショナー15が設けられる。これらの乗員保護装置11〜15の動作は、電子制御装置20で制御される。
フロントエアバッグ11,カーテンエアバッグ12,サイドエアバッグ13及びニーエアバッグ14は、図示しないインフレータからガスの供給を受けて膨張し、所定位置に展開される。インフレータの動作は、電子制御装置20で制御される。
[2.電子制御装置]
電子制御装置20は、車両10に搭載される各種コンポーネントを総合的に制御するものであり、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。電子制御装置20の信号入力側には、図4に示すように、左結合部センサ1,右結合部センサ2,中間部センサ3,左衝撃度センサ4及び右衝撃度センサ5が接続される。一方、電子制御装置20の信号出力側には、フロントエアバッグ11,カーテンエアバッグ12,サイドエアバッグ13,ニーエアバッグ14,及びシートベルトプリテンショナー15が接続される。
電子制御装置20は、各センサ1〜5で検出された情報から衝突形態を判別し、その判別された衝突形態に応じた乗員保護制御を実施する。本実施形態では、ポール衝突制御,全面衝突制御,オフセット衝突制御,スモールオーバーラップ衝突制御及び斜め衝突制御の五種類の乗員保護制御について説明する。なお、オフセット衝突制御,スモールオーバーラップ衝突制御及び斜め衝突制御については、衝撃力が左右何れか一方の方向に片寄るため、この衝撃力の片寄り方向についても判別する。つまり、電子制御装置20は、八種類の衝突形態を判別する。これらの衝突形態の各々は、バンパリンフォース8に対して物体が衝突したときの前方衝突形態の一つである。
[2−1.制御内容]
(1)ポール衝突制御は、車両10がポール衝突したときに実施される制御である。ポール衝突とは、衝突部位に中間部8bを含み、左端部8a及び右端部8cを含まない衝突形態である。例えば、図5(a)に示すように、電柱や車止めポールへの正面衝突は、ポール衝突に分類される。なおこの場合は、衝突部位に左結合部A及び右結合部Cは含まない。
ポール衝突制御では、車体の中央に対して集中的に衝撃力が作用し、車室に伝達される衝撃力が他の衝突形態よりも増大する可能性がある。そこで、例えば、ポール衝突制御では、運転席及び助手席の両方のフロントエアバッグ11が所定の基準時間Tで展開し、かつ、展開完了時の内圧が他の制御時よりも高圧となるように、インフレータの供給圧力が制御される。また、運転席及び助手席の両方についてのニーエアバッグ14の駆動が早まり、シートベルトの張力が迅速に増大するように、ニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が早期に駆動される。
(2)全面衝突制御は、車両10が全面衝突したときに実施される制御である。全面衝突とは、衝突部位に左結合部A,中間部8b及び右結合部Cを含み、かつ、衝突面が車両前面に対してほぼ平行な衝突形態である。例えば、図5(b)に示すように、車体前面の全幅にわたる物体の衝突であって、車両進行方向に対する垂直面が車両10に衝突した場合や、直進路上で前方車両の急ブレーキによって追突したような場合は、全面衝突に分類される。なおこの場合は、衝突部位に左端部8aの左結合部A側の一部と右端部8cの右結合部C側の一部とを含む場合がある。
全面衝突制御では、衝撃力が作用した直後の慣性により、乗員が車両前方へと急激に移動する可能性が生じるため、運転席及び助手席の両方のフロントエアバッグ11が展開されるとともに、ニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が駆動される。例えば、運転席及び助手席の双方のフロントエアバッグ11の展開時間が所定の基準時間Tとなるように、インフレータの作動タイミング及びガス発生量が制御される。また、運転席及び助手席の両方についてニーエアバッグ14が展開し、シートベルトの張力が迅速に増大するように、ニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が駆動される。
(3)オフセット衝突制御は、車両10がオフセット衝突したときに実施される制御である。オフセット衝突とは、衝突部位に左結合部A及び右結合部Cの何れか一方を含む衝突形態である。つまり、左結合部A及び右結合部Cの何れか他方には、物体が接触していない衝突形態である。例えば、図5(c)に示すように、バンパリンフォース8のうち右半分の部分全体に対する車両や物体の衝突は、オフセット衝突に分類される。なおこの場合は、衝突部位に中間部8bの左右何れか一方に片寄った一部を含む場合がある。
オフセット衝突制御では、車体の左右何れか一方に片寄った衝撃力が入力されるので、運転席側に衝撃力が作用するタイミングと助手席側に衝撃力が作用するタイミングとが相違する。そのため、オフセット衝突制御では、運転席側と助手席側とでエアバッグ等の乗員拘束装置の作動タイミングを相違させることが有効である。
例えば、運転席及び助手席のうち、衝突面により近い一方について、フロントエアバッグ11及びニーエアバッグ14の展開が早まり、かつシートベルトの張力が迅速に増大するように、衝突面に近い一方のフロントエアバッグ11,ニーエアバッグ14,シートベルトプリテンショナー15が早期に駆動されるように制御される。また、オフセット衝突では、その衝撃力の片寄りに応じたモーメントが車体に発生する。このような車体運動に伴って、乗員が車両前方だけでなく車幅方向へと移動する可能性が生じる。そこで、状況に応じて、運転席及び助手席のうち、衝突面が存在する一側についてサイドエアバッグ13を展開するように制御してもよい。以下、衝撃力の片寄り方向を区別する際には、それぞれのオフセット衝突のことを「右オフセット衝突」,「左オフセット衝突」と呼ぶ。
(4)スモールオーバーラップ衝突制御は、車両10がスモールオーバーラップ衝突したときに実施される制御である。スモールオーバーラップ衝突とは、衝突部位に左結合部A,中間部8b及び右結合部Cを含まず、かつ、左端部8a及び右端部8cの何れか一方を含む衝突形態である。本実施形態では、車両前面のサイドメンバ7a,7bより車幅方向外側の一方の部位が衝突した場合の形態を指す。つまり、図5(d)に示すように、左端部8a及び右端部8cの何れか一方のみが物体に接触するような衝突形態である。スモールオーバーラップ衝突時の衝突面積は、オフセット衝突時の衝突面積よりも狭い面積である。
スモールオーバーラップ衝突制御では、左右一対のサイドメンバ7のうちの何れか一方に片寄った衝撃力が入力され、その片寄りに応じたモーメントが車体に発生する。一般に、スモールオーバーラップ時に発生するモーメントは、オフセット衝突時に発生するモーメントよりも大きい。このような車体運動に伴って、スモールオーバーラップ衝突では、オフセット衝突時よりも乗員が車幅方向へと移動する可能性がより大きくなる。そこで、例えば、スモールオーバーラップ衝突制御では、オフセット衝突制御に加えて、運転席及び助手席のうち、衝突面が存在する一側についてのカーテンエアバッグ12及びサイドエアバッグ13を展開するように制御される。以下、衝撃力の片寄り方向を区別する際には、それぞれのスモールオーバーラップ衝突のことを「右スモールオーバーラップ衝突」,「左スモールオーバーラップ衝突」と呼ぶ。
(5)斜め衝突制御は、車両10が斜め衝突したときに実施される制御である。斜め衝突とは、衝突部位に左結合部A及び右結合部Cの何れか一方と、この一方に片寄った中間部8bの一部と、を含み、かつ、衝突面が車両前面に対して傾斜した衝突形態である。例えば、図5(e)に示すように、車体前面の全幅にわたる物体の衝突であって、車両進行方向に対して傾斜した面が車両10に衝突した場合や、車両右左折時に対向車両との正面衝突したような場合は、斜め衝突に分類される。なおこの場合は、衝突部位に左端部8a及び右端部8cの何れか一方の一部を含む場合がある。
斜め衝突制御では、衝撃力が作用した直後の慣性により乗員が車両前方へと急激に移動する可能性が生じるため、全面衝突制御と同様に、運転席及び助手席の双方のフロントエアバッグ11が所定の基準時間Tで展開するように制御される。一方、衝突面の傾斜によって運転席側に衝撃力が作用するタイミングと助手席側に衝撃力が作用するタイミングとが若干相違する可能性が生じる。そこで、例えば、運転席及び助手席のうち、衝突面により近い一方について、ニーエアバッグ14の展開が早まり、シートベルトの張力が迅速に増大するように、衝突面に近い一方のニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が早期に駆動するよう制御される。以下、衝撃力が作用した方向を区別する際には、それぞれの斜め衝突のことを「右斜め衝突」,「左斜め衝突」と呼ぶ。
[2−2.制御手段]
電子制御装置20は、上記の五種類の乗員保護制御を実施するための手段として、衝突形態判別部21及び制御部22を有する。これらの各要素は、電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
衝突形態判別部21(衝突形態判別手段)は、左結合部センサ1,右結合部センサ2,中間部センサ3,左衝撃度センサ4及び右衝撃度センサ5の各々で検出された情報に基づき、車両10の衝突形態を判別するものである。この衝突形態判別部21には、図4に示すように、組合せ判定部21a及び衝撃大小判定部21bが設けられる。
組合せ判定部21aは、左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3の各々で検出されたバンパリンフォース8の変形(左結合部Aの変形,右結合部Cの変形及び中央部Bの変形)の組合せを判定して衝突形態を判別するものである。すなわち、組合せ判定部21aは、バンパリンフォース8のどの部分が変形したのかを把握し、その変形した部分の組合せから衝突形態を判別する。
図6(a)〜(h)に、ポール衝突,全面衝突,左オフセット衝突,右オフセット衝突,左スモールオーバーラップ衝突,右スモールオーバーラップ衝突,左斜め衝突及び右斜め衝突の八種類の衝突形態と、その時のバンパリンフォース8の変形と、各センサ1〜5の検出状態とを示す。なお、図6(a)〜(h)は、図2(b)に示す車体前部に物体が衝突した場合を示す。各図中のバンパリンフォース8上の三角形は左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3を示し、白抜き三角形は変形を検出していない場合,黒塗り三角形は変形を検出した場合に対応する。また、各図中のサイドメンバ7a,7b上の丸は左衝撃度センサ4及び右衝撃度センサ5を示し、白抜きの丸は減速度が小さい場合,黒塗りの丸は減速度が大きい場合に対応する。
図6(a)に示すように、組合せ判定部21aは、左結合部A,中央部B及び右結合部Cの変形が全て検出された場合に、衝突形態が「ポール衝突」であると判別する。これは、車両10の衝突形態がポール衝突の場合、バンパリンフォース8はポールが接触する中間部8bが後方に凸となるように変形するため、車両後側の側面部8dは伸び変形する。さらにこの中間部8bの変形に伴って左結合部A及び右結合部Cが前方に凸になるように変形するため、車両前側の側面部8eは伸び変形するからである。つまりこの場合は、左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3によって、左結合部Aの変形,右結合部Cの変形及び中央部Bの変形がそれぞれ検出される。
図6(b)に示すように、組合せ判定部21aは、結合部A,結合部C及び中間部Bの変形が全て検出されない場合に、衝突形態が「全面衝突」であると判別する。これは、車両10の衝突形態が全面衝突の場合、バンパリンフォース8は中間部8bの全体で衝撃を受けるため、バンパリンフォース8は左結合部A,中央部B及び右結合部Cの何れの箇所でも伸び変形しないからである。つまりこの場合は、左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3によって、何れも変形も検出されない。
図6(c)及び(d)に示すように、組合せ判定部21aは、左結合部A及び右結合部Cの何れか一方と中央部Bとの変形が検出された場合に、衝突形態が「オフセット衝突」であると判別する。さらに、変形が検出されたのが左結合部Aであるのか、あるいは右結合部Cであるのかを判定し、右結合部Cであれば衝突形態が「左オフセット衝突」であると判別し、左結合部Aであれば衝突形態が「右オフセット衝突」であると判別する。
これは、車両10の衝突形態が左オフセット衝突の場合、バンパリンフォース8は中間部8bの左側に片寄った衝撃を前方から受けるため、衝撃を受けた側の左結合部Aは伸び変形せず、衝撃を直接受けない中央部B及び右結合部Cが伸び変形するからである。つまりこの場合は、左結合部センサ1によって変形は検出されず、右結合部センサ2及び中間部センサ3によって変形が検出される。
同様に、車両10の衝突形態が右オフセット衝突の場合、バンパリンフォース8は中間部8bの右側に片寄った衝撃を前方から受けるため、やはり衝撃を受けた側の右結合部Cは伸び変形せず、衝撃を直接受けない左結合部A及び中央部Bが伸び変形するからである。つまりこの場合は、右結合部センサ2によって変形は検出されず、左結合部センサ1及び中間部センサ3によって変形が検出される。
組合せ判定部21aは、バンパリンフォース8における三種の変形の組合せから衝突形態がポール衝突,全面衝突,左オフセット衝突及び右オフセット衝突の何れかであると判別した場合は、この判別結果を制御部22へ伝達する。一方、上記の四種類の衝突形態を判別可能な組合せでないと判定した場合は、何れの変形検出センサ1,2,3で変形が検出されたのかを、衝撃大小判定部21bへ伝達する。この理由を説明する。
図6(e)に示すように、車両10の衝突形態が左スモールオーバーラップ衝突の場合、バンパリンフォース8は左端部8aにのみ衝撃を受けるため、左端部8aが後方に向かって折れ曲り、左結合部Aのみが伸び変形する。一方、中央部B及び右結合部Cは衝撃を直接受けないため伸び変形しない。したがってこの場合は、左結合部センサ1によって変形が検出され、右結合部センサ2及び中間部センサ3によって変形は検出されない。
同様に、図6(f)に示すように、車両10の衝突形態が右スモールオーバーラップ衝突の場合、バンパリンフォース8は右端部8cにのみ衝撃を受けるため、右端部8cが後方に向かって折れ曲り、右結合部Cのみが伸び変形する。一方、左結合部A及び中央部Bは衝撃を直接受けないため伸び変形しない。したがってこの場合は、右結合部センサ2によって変形が検出され、左結合部センサ1及び中間部センサ3によって変形は検出されない。
また、図6(g)に示すように、車両10の衝突形態が左斜め衝突の場合、バンパリンフォース8は左側に前方から車両内側(右側)に向かって斜めに作用する衝撃を受ける。そのため、左結合部Aは押し潰されるが伸び変形はしない。また、中央部Bも後方へ変位するものの伸び変形はしない。これに対して右結合部Cは、バンパリンフォース8の左側が後方へ変位することにより折れ曲り、車両前側の側面部8eが伸び変形する。したがってこの場合は、右結合部センサ2によって変形が検出され、左結合部センサ1及び中間部センサ3によって変形は検出されない。
同様に、図6(h)に示すように、車両10の衝突形態が右斜め衝突の場合、バンパリンフォース8は右側に前方から車両内側(左側)に向かって斜めに作用する衝撃を受ける。そのため、右結合部Cは押し潰されるが伸び変形はしない。また、中央部Bも後方へ変位するものの伸び変形はしない。これに対して左結合部Aは、バンパリンフォース8の右側が後方へ変位することにより折れ曲り、車両前側の側面部8eが伸び変形する。したがってこの場合は、左結合部センサ1によって変形が検出され、右結合部センサ2及び中間部センサ3によって変形は検出されない。
つまり、左結合部センサ1によってのみ変形が検出される場合、衝突形態は「左スモールオーバーラップ衝突」であるか「右斜め衝突」である。また、右結合部センサ2によってのみ変形が検出される場合、衝突形態は「右スモールオーバーラップ衝突」であるか「左斜め衝突」である。したがって、バンパリンフォース8における三種の変形の組合せのみではこれらの衝突形態を判別することができないため、組合せ判定部21aは、左結合部A及び右結合部Cの何れか一方の変形のみが検出された場合は、衝撃大小判定部21bへこれまで行った判定結果の情報を伝達する。
衝撃大小判定部21bは、組合せ判定部21aから判定結果の情報が伝達された場合に、左衝撃度センサ4及び右衝撃度センサ5で検出された左減速度DL及び右減速度DRの大小関係を判定するものである。すなわち、衝撃大小判定部21bは、組合せ判定部21aによって左結合部A及び右結合部Cの何れか一方の変形のみが検出された場合に、左減速度DL及び右減速度DRのどちらが大きいかを判定する。なお、ここでいう「大小関係」とは、ある時刻tにおける減速度の大小のみならず、時々刻々と変化する減速度の大局的な変動を踏まえたうえでの大小関係をも含む。
具体的な判定式を以下に例示する。式1〜3は、左減速度DLが右減速度DRよりも大きいか否かを判定するための判定式である。式1は、単純に時刻tにおける減速度の大小を比較するための不等式である。また、式2は、時刻tにおける減速度の傾きの大小を比較するための不等式であり、式3は、所定期間Kにおける減速度の累計値の大小を比較するための不等式である。衝撃大小判定部21bは、これらのような不等式が成立するか否かを以て、左減速度DLと右減速度DRとの大小関係を判定する。これらの判定式中の時刻t,所定期間Kは、例えば車両10の衝突が検知された時刻を基準として、フロントエアバッグ11,カーテンエアバッグ12,サイドエアバッグ13等の展開にかかる時間や衝突の大きさ等に応じて設定される。
Figure 2014088074
衝撃大小判定部21bは、組合せ判定部21aから左結合部Aの変形のみが検出されたという情報が伝達された場合に、左減速度DLの方が右減速度DRよりも大きいと判定したら、衝突形態は「左スモールオーバーラップ衝突」であると判別する。一方、組合せ判定部21aから左結合部Aの変形のみが検出されたという情報が伝達された場合に、右減速度DRの方が左減速度DLよりも大きいと判定したら、衝突形態は「右斜め衝突」であると判別する。
また、衝撃大小判定部21bは、組合せ判定部21aから右結合部Cの変形のみが検出されたという情報が伝達された場合に、右減速度DRの方が左減速度DLよりも大きいと判定したら、衝突形態は「右スモールオーバーラップ衝突」であると判別する。一方、組合せ判定部21aから右結合部Cの変形のみが検出されたという情報が伝達された場合に、左減速度DLの方が右減速度DRよりも大きいと判定したら、衝突形態は「左斜め衝突」であると判別する。
つまり、衝撃大小判定部21bは、変形が検出された側と衝撃の大きさが大きい側とが一致する場合はスモールオーバーラップ衝突であると判別し、変形が検出された側と衝撃の大きさが大きい側とが一致しない場合は、変形が検出されなかった側に片寄った斜め衝突であると判別する。また、組合せ判定部21aによって左結合部A及び右結合部Cの何れか一方の変形が検出された場合に、左減速度DLと右減速度DRとが略同一の場合は、衝撃大小判定部21bは変形が検出された側と反対側に片寄った斜め衝突であると判別する。衝撃大小判定部21bは、これら判別結果を制御部22に伝達する。
なお、組合せ判定部21aは、左結合部A及び右結合部Cの変形が検出され中間部Bの変形が検出されない場合に、「左スモールオーバーラップ衝突」と「右スモールオーバーラップ衝突」とが同時に発生したと判別する。
制御部22(制御手段)は、衝突形態判別部21が判別した衝突形態に応じて、車両10の乗員保護装置11〜15の作動状態を制御するものである。図6(a)に示すように、ポール衝突が発生したと判断されたとき、制御部22はポール衝突制御を実施する。ポール衝突制御では、例えば、二つのフロントエアバッグ11が所定の基準時間Tで展開し、かつ、展開完了時の内圧が他の制御時よりも高圧となるように、インフレータの供給圧力が制御される。また、車両10の左右両方のニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が早期に駆動される。
図6(b)に示すように、全面衝突が発生したと判断されたとき、制御部22は全面衝突制御を実施する。全面衝突制御では、例えば、運転席及び助手席の両方のフロントエアバッグ11が駆動されるとともに、左右のニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が駆動される。
図6(c)に示すように、左オフセット衝突が発生したと判断されたとき、制御部22は左側のオフセット衝突に対応するオフセット衝突制御を実施する。この場合、例えば、左側のフロントエアバッグ11とともに左側のニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が早期に駆動され、右側のフロントエアバッグ11,ニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が全面衝突時と同様に駆動される。一方、図6(d)に示すように、右オフセット衝突が発生したと判断されたときには、制御部22が右側のオフセット衝突に対応するオフセット衝突制御を実施する。この場合、左右の乗員保護装置11〜15を駆動する優先順序が左オフセット衝突時の逆となる。
図6(e)に示すように、左スモールオーバーラップ衝突が発生したと判断されたとき、制御部22は左側のスモールオーバーラップ衝突に対応するスモールオーバーラップ衝突制御を実施する。例えば、左側のフロントエアバッグ11,ニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15を早期に駆動するだけでなく、左側のサイドエアバッグ13及び左側のカーテンエアバッグ12も駆動される。なお、右側のフロントエアバッグ11,ニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15は、オフセット衝突時と同様に駆動される。一方、図6(f)に示すように、右スモールオーバーラップ衝突が発生したと判断されたときには、制御部22が右側のスモールオーバーラップ衝突に対応するスモールオーバーラップ衝突制御を実施する。この場合、左右の乗員保護装置11〜15を駆動する優先順序が左スモールオーバーラップ衝突時の逆となる。
図6(g)に示すように、左斜め衝突が発生したと判断されたとき、制御部22は左側の斜め衝突制御を実施する。例えば、左側のニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が早期に駆動され、右側のニーエアバッグ14及びシートベルトプリテンショナー15が全面衝突時と同様に駆動される。一方、図6(h)に示すように、右斜め衝突が発生したと判断されたとき、制御部22は右側の斜め衝突制御を実施する。この場合、左右の乗員保護装置11〜15を駆動する優先順序が左斜め衝突時の逆となる。なお、何れの場合においても、運転席及び助手席の両方のフロントエアバッグ11は、全面衝突時と同様に作動する。
[2−3.衝突形態の判定条件]
電子制御装置20における衝突形態の判定条件をまとめて以下の表1に示す。表中の「変形」はその箇所での変形が検出された場合を意味し、「―」はその箇所での変形が検出されていない場合を意味する。また、表中の「小」は減速度が小さい場合を意味し、「大」は減速度が大きい場合を意味する。なお、ポール衝突、全面衝突、左右のオフセット衝突の場合は、減速度の大小関係を判定するまでもなく衝突形態を判別可能であるため、表中にはその大小は括弧書きで表している。
Figure 2014088074
[3.フローチャート]
図7は、電子制御装置20で実施される衝突形態の判別手順を例示するフローチャートである。このフローは、例えば衝撃度センサ4,5によって所定値以上の減速度が検知された場合に、車両10が衝突したと判断されて実施される。
ステップS10において衝突が検知されると、ステップS20において左結合部Aの変形,中央部Bの変形及び右結合部Cの変形の三種の変形の組合せが判別される。ここで、左結合部A,中央部B及び右結合部Cの全ての変形が検出された場合(「ABC変形」の場合)は、ステップS30へ進み、車両10がポール衝突したものと判断され、制御部22においてポール衝突制御が実施される。これにより、ポール衝突に最適な乗員保護装置11〜15が作動する。
ステップS20において、左結合部A,中央部B及び右結合部Cの全ての変形が検出されなかった場合(「変形なし」の場合)は、ステップS40へ進み、車両10が全面衝突したものと判断され、制御部22において全面衝突制御が実施される。これにより、全面衝突に最適な乗員保護装置11〜15が作動する。
ステップS20において、左結合部A及び右結合部Cの何れか一方の変形と中央部Bの変形とが検出された場合(「ABorBC変形」の場合)は、ステップS50へ進み、左結合部Aと右結合部Cのうち変形したのはどちらであるかが判定される。変形したのが右結合部Cである場合は、ステップS60へ進み、車両10が左オフセット衝突したものと判断され、制御部22において左オフセット衝突制御が実施される。一方、変形したのが左結合部Aである場合は、ステップS70へ進み、車両10が右オフセット衝突したものと判断され、制御部22において右オフセット衝突制御が実施される。これらにより、オフセット衝突に最適な乗員保護装置11〜15が作動する。
ステップS20において、左結合部A及び右結合部Cの何れか一方の変形のみが検出された場合(「AorC変形」の場合)は、ステップS80へ進み、変形が検出された側の減速度が大きいか否かが判定される。変形が検出された側と減速度の大きい側とが一致する場合は、ステップS90へ進み、変形が検出された側と減速度の大きい側とが一致しない場合は、ステップS120へ進む。
ステップS90では、左減速度DL及び右減速度DRのうち大きいのはどちらであるかが判定される。左減速度DLの方が右減速度DRよりも大きい場合は、ステップS100へ進み、車両10が左スモールオーバーラップ衝突したものと判断され、左スモールオーバーラップ衝突制御が実施される。一方、右減速度DRの方が左減速度DLよりも大きい場合は、ステップS110へ進み、車両10が右スモールオーバーラップ衝突したものと判断され、右スモールオーバーラップ衝突制御が実施される。これらにより、スモールオーバーラップ衝突に最適な乗員保護装置11〜15が作動する。
ステップS120では、左減速度DL及び右減速度DRのうち大きいのはどちらであるかが判定される。左減速度DLの方が右減速度DRよりも大きい場合は、ステップS130へ進み、車両10が左斜め衝突したものと判断され、左斜め衝突制御が実施される。一方、右減速度DRの方が左減速度DLよりも大きい場合は、ステップS140へ進み、車両10が右斜め衝突したものと判断され、右斜め衝突制御が実施される。これらにより、斜め衝突に最適な乗員保護装置11〜15が作動する。
なお、図7のフローでは表されていないが、ステップS20において、左結合部A及び右結合部Cの変形が検出され中間部Bの変形が検出されなかった場合は、ステップS100及びS110へ進み、車両10が左スモールオーバーラップ衝突及び右スモールオーバーラップ衝突したものと判断され、制御部22において左スモールオーバーラップ衝突制御及び右スモールオーバーラップ衝突制御が実施される。
また、ステップS80において、減速度に左右差がないと判断された場合は、ステップS120における減速度の大小判定に代えて、左結合部Aと右結合部Cのうち変形したのがどちらであるかが判定され、変形した側と反対側に片寄った斜め衝突が車両10に起こったと判定される。そして、それに対応する斜め衝突制御が実施される。
また、ステップS90における減速度の大小判定の代わりに、左結合部Aと右結合部Cのうちどちらが変形したのかを判定してもよい。この場合であっても、変形した側に片寄ったスモールオーバーラップ衝突が車両10に起こったと判定することが可能である。
[4.作用,効果]
(1)上述の通り、本実施形態の車両の衝突判別装置では、バンパリンフォース8の左結合部A及び右結合部Cのそれぞれに対して、左結合部センサ1及び右結合部センサ2が設けられ、さらにバンパリンフォース8の中間部8bに中間部センサ3が設けられる。そして、これらのセンサ1〜3によってそれぞれの位置での変形が検出される。また、電子制御装置20の衝突形態判別部21では、これら左結合部Aの変形,右結合部Cの変形及び中間部8bの変形の組合せに基づいて、車両10の衝突形態が判別される。
このように、バンパリンフォース8における三種の変形を把握し、これらの組合せを用いて衝突形態を判別することで、複数の衝突形態を精度よく判別することができる。したがって、簡素な構成でそれぞれの衝突形態に見合った適切な乗員保護装置11〜15を最適なタイミングで作動させることができ、乗員保護性を向上させることができる。
(2)また、一対のサイドメンバ7には、それぞれ車両10に作用する衝撃の大きさを検出する衝撃度センサ4,5が設けられる。また、衝突形態判別部21では、上記の変形の組合せに加えて、一対の衝撃度センサ4,5で検出された一対の衝撃の大きさの大小関係に基づいて、車両10の衝突形態が判別される。このように、三種の変形の組合せと左右の衝撃の大きさの大小関係とを用いることにより、車両10の衝突形態を詳細に判別することができ、判別精度を向上させることができる。
例えば、一対の衝撃度センサ4,5が設けられなければ、左スモールオーバーラップ衝突と右斜め衝突とを判別すること、及び、右スモールオーバーラップ衝突と左斜め衝突とを判別することが困難となる。これに対し、本実施形態の車両の衝突判別装置では、一対の衝撃度センサ4,5によって、左右どちらの衝撃の大きさが大きいかを判定できるため、これらの衝突形態を正確に切り分けることが可能となり、衝突形態の判別精度を向上させることができる。
(3)さらにここでは、一対の衝撃度センサ4,5が車両10の前後方向の加速度を検出する加速度センサであるため、衝撃の大きさを容易且つ正確に検出することができる。
(4)また、上記の車両の衝突判別装置では、表1に示すように、一対の結合部変形(左結合部A,右結合部Cの変形)のうち一方のみが検出され、中間部変形(中央部Bの変形)が検出されず、かつ、結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが他方の衝撃の大きさよりも大きい場合に、一方側の最端部に片寄った車両前面の衝突であるスモールオーバーラップ衝突が発生したと判断される。
上記の判定条件により、図6(e)及び(f)に示すように、バンパリンフォース8の端部8a,8cのみが衝突部位となるスモールオーバーラップ衝突を精度よく判別することができる。このように、三種の変形の組合せと衝撃の大きさの大小関係とを併用することにより、スモールオーバーラップ衝突の判別精度を高めることができる。
(5)また、上記の車両の衝突判別装置では、表1に示すように、一対の結合部変形(左結合部A,右結合部Cの変形)のうち一方のみが検出され、中間部変形(中央部Bの変形)が検出されず、かつ、結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが他方の衝撃の大きさよりも小さい場合に、他方側に傾斜した車両前面の全体に対する衝突である斜め衝突が発生したと判断される。
上記の判定条件により、図6(g)及び(h)に示すように、衝突部位に少なくともバンパリンフォース8の中間部8bを含み、かつ、衝突面が車両前面に対して傾斜している斜め衝突を精度よく判別することができる。このように、三種の変形の組合せと衝撃の大きさの大小関係とを併用することにより、斜め衝突の判別精度を向上させることができる。
(6)また、上記の車両の衝突判別装置では、表1に示すように、一対の結合部変形(左結合部A,右結合部Cの変形)のうち一方のみが検出され、かつ、中間部変形(中央部Bの変形)が検出された場合に、結合部変形が検出されなかった他方側に片寄った車両前面の衝突であるオフセット衝突が発生したと判断される。このように、三種の変形の組合せを用いて全面衝突を判別することで、オフセット衝突の判別精度を向上させることができる。
(7)また、上記の車両の衝突判別装置では、表1に示すように、一対の結合部変形(左結合部A,右結合部Cの変形)及び中間部変形(中央部Bの変形)の何れも検出されなかった場合に、車両前面の全体に対する衝突である全面衝突が発生したと判断される。このように、三種の変形の組合せを用いて全面衝突を判別することで、全面衝突の判別精度を向上させることができる。
(8)また、上記の車両の衝突判別装置では、表1に示すように、一対の結合部変形(左結合部A,右結合部Cの変形)及び中間部変形(中央部Bの変形)が検出された場合に、ポール衝突が発生したと判断される。このように、三種の変形の組合せを用いてポール衝突を判別することで、ポール衝突の判別精度を高めることができる。
(9)また、上記の車両の衝突判別装置では、衝突形態判別部21で判別された衝突形態に応じて、制御部22で乗員保護装置11〜15の作動状態が制御される。上述の通り、上記の車両の衝突判別装置では、衝突形態の判定精度が向上しているため、乗員保護装置11〜15の制御が実際の車両10の状態に合致したものとなる。したがって、それぞれの衝突形態に対応する乗員保護装置11〜15を適切なタイミング、かつ、適切な作動量,制御量で作動させることができ、乗員保護性を向上させることができる。
(10)また、中間部センサ3は、図3(a)及び(b)に示すように、切欠き部31と針金32と二本の電線33と、から構成され、バンパリンフォース8の伸び変形を検出するものであり、左結合部センサ1及び右結合部センサ2も同様に構成されている。つまり、高度なセンサを用いることなく車両10の前面衝突時のバンパリンフォース8の伸び変形を容易に検出することができるため、コストを低減することができる。
[5.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述の実施形態では三種の変形の組合せと二つの減速度の大小関係とに基づいて車両10の衝突形態を判別するものを例示したが、二つの減速度の大小関係の判定は衝突形態を判別するうえで必須の判定ではない。少なくとも、三種の変形の組合せがわかれば、ポール衝突であるか、全面衝突であるか、オフセット衝突であるか、又はその他の衝突(スモールオーバーラップ衝突又は斜め衝突)であるかを判定することが可能である。
また、車両10に作用する衝撃の大きさを検出する衝撃度センサ4,5は加速度センサに限られず、変位センサや速度センサを設け、検出された値を電子制御装置20で演算処理することで衝撃の大きさを求めるような構成としてもよい。
また、上述の実施形態では、衝突形態に応じて各種エアバッグ11〜14の展開時間や内圧等を制御するものを例示したが、それぞれの乗員保護制御での具体的な制御内容は上述の実施形態のものに限定されない。例えば、衝突形態に応じて各種エアバッグ11〜14の展開開始時刻,展開終了時刻,展開速度を制御してもよい。また、シートベルトプリテンショナー15の制御に関しては、ベルト張力の大きさを制御するだけでなく、張力を付与するタイミングを制御してもよい。
また、上述の実施形態では、左結合部センサ1,右結合部センサ2及び中間部センサ3の三つの変形検出センサを備えた車両10の衝突判別装置を説明したが、変形検出センサの個数はこれに限定されず、三個以上設けられていてもよい。この場合、少なくとも左端部8a,中間部8b,右端部8cのそれぞれに一つ以上のセンサを配置すればよい。
左結合部センサ1は、バンパリンフォース8の左結合部Aの変形を検出することができれば、左結合部A又は左結合部Aよりも車幅方向左側(すなわち左端部8a)に設けることができる。同様に、右結合部センサ2は右結合部Cの変形を検出することができれば、右結合部C又は右結合部Cよりも車幅方向右側(すなわち右端部8c)に設けることができる。中間部センサ3は、左結合部A及び右結合部C間の任意の位置に設けることができる。これらのセンサ配置を左右対称とすれば、衝突形態の判定条件も対称的となり、演算構成を簡素化することができる。
また、上記実施形態では、バンパリンフォース8が、左結合部A及び右結合部Cにおいて左端部8a及び右端部8cが車両後方に向かって傾斜するように屈曲形成されているものを例示したが、左端部8a及び右端部8cが屈曲形成されていないものであってもよい。つまり、バンパリンフォース8が直線形状のものであってもよい。
1 左結合部センサ(結合部センサ)
2 右結合部センサ(結合部センサ)
3 中間部センサ
4 左衝撃度センサ(衝撃度センサ,加速度センサ)
5 右衝撃度センサ(衝撃度センサ,加速度センサ)
7 サイドメンバ
8 バンパリンフォース
10 車両
11 フロントエアバッグ(乗員保護装置)
12 カーテンエアバッグ(乗員保護装置)
13 サイドエアバッグ(乗員保護装置)
14 ニーエアバッグ(乗員保護装置)
15 シートベルトプリテンショナー(乗員保護装置)
20 電子制御装置
21 衝突形態判別部(衝突形態判別手段)
21a 組合せ判定部
21b 衝撃大小判定部
22 制御部(制御手段)

Claims (10)

  1. 左右一対のサイドメンバの前端部に接続され、両端が前記サイドメンバよりも車幅方向外側に延在するバンパリンフォースと、
    前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバとの結合部又は該結合部よりも車幅方向外側のそれぞれに設けられ、前記結合部での前記バンパリンフォースの変形を結合部変形として検出する左右一対の結合部センサと、
    前記バンパリンフォースにおける前記一対のサイドメンバ間に設けられ、その位置での前記バンパリンフォースの変形を中間部変形として検出する中間部センサと、
    車両の前面衝突時に、前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサで検出された三種の変形の組合せに基づき、前記車両の衝突形態を判別する衝突形態判別手段と、を備えた
    ことを特徴とする、車両の衝突判別装置。
  2. 前記一対のサイドメンバのそれぞれに設けられ、前記車両に作用する衝撃の大きさを検出する左右一対の衝撃度センサを備え、
    前記衝突形態判別手段は、前記組合せに加えて前記一対の衝撃度センサで検出された前記一対の衝撃の大きさの大小関係に基づいて、前記衝突形態を判別する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両の衝突判別装置。
  3. 前記一対の衝撃度センサは、車両前後方向の減速度を検出する加速度センサである
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両の衝突判別装置。
  4. 前記衝突形態判別手段は、
    前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、前記中間部変形が検出されず、かつ、前記結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが前記結合部変形が検出されなかった他方の衝撃の大きさよりも大きい場合に、一方側の最端部に片寄った車両前面の衝突であるスモールオーバーラップ衝突が発生したと判断する
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の車両の衝突判別装置。
  5. 前記衝突形態判別手段は、
    前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、前記中間部変形が検出されず、かつ、前記結合部変形が検出された一方の衝撃の大きさが前記結合部変形が検出されなかった他方の衝撃の大きさよりも小さい場合に、他方側に傾斜した車両前面の全体に対する衝突である斜め衝突が発生したと判断する
    ことを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。
  6. 前記衝突形態判別手段は、
    前記一対の結合部変形のうち一方のみが検出され、かつ、前記中間部変形が検出された場合に、前記結合部変形が検出されなかった他方側に片寄った車両前面の衝突であるオフセット衝突が発生したと判断する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。
  7. 前記衝突形態判別手段は、
    前記一対の結合部変形及び前記中間部変形が何れも検出されなかった場合に、車両前面の全体に対する衝突である全面衝突が発生したと判断する
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。
  8. 前記衝突形態判別手段は、
    前記一対の結合部変形及び前記中間部変形が何れも検出された場合に、車両前面の中間部に対する衝突であるポール衝突が発生したと判断する
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。
  9. 前記衝突形態判別手段で判別された前記車両の衝突形態に応じて、前記車両に搭載された乗員保護装置の作動状態を制御する制御手段を備えた
    ことを特徴とする、請求項1〜8の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。
  10. 前記一対の結合部センサ及び前記中間部センサは、
    前記バンパリンフォースの側面部に切り欠いて形成された切欠き部と、
    前記切欠き部を跨いで張った状態で両端部が前記側面部に取り付けられた針金と、
    前記針金の両端部に接続されて通電された一対の電線と、から構成され、前記バンパリンフォースの伸び変形を検出するものである
    ことを特徴とする、請求項1〜9の何れか1項に記載の車両の衝突判別装置。
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