JP2014087840A - ろう付け方法及びろう付け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のろう付け方法を改良したろう付け方法を提供する。
【解決手段】ろう材32が設けられたろう付け予定部31を有するワーク30を密封体2内に配置する。次いで、密封体2の外側に配置された発熱体20Aの熱を発熱体20Aから密封体2を介してワーク30に伝導伝熱により伝えることにより、ろう材32を溶融する。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換器、放熱器等の様々な製品の製造に用いられるろう付け方法及びろう付け装置に関する。
様々な製品の製造に用いられるろう付け方法は、フラックスろう付け方法とフラックスレスろう付け方法とに大別される。フラックスレスろう付け方法としては、真空ろう付け方法が一般的に知られている。フラックスろう付け方法としては、炉中ろう付け方法、ノコロックろう付け方法などが知られている。特開2010−17724号公報(特許文献1)及び特開2011−614号公報(特許文献2)は、熱交換器をフラックスろう付け方法により製造する方法を開示している。
上述したこれらのろう付け方法では、いずれもワークのろう付け予定部(接合予定界面)に介在されたろう材が所定の熱源の熱で加熱溶融されることにより、ワークのろう付け予定部がろう付けされる。
特開2010−17724号公報 特開2011−614号公報
これらのろう付け方法のうち真空ろう付け方法では、熱源の熱が放射伝熱によりワークに伝えられてろう材が加熱溶融される。炉中ろう付け方法やノコロックろう付け方法では、熱源の熱が放射及び対流伝熱によりワークに伝えられてろう材が加熱溶融される。しかるに、これらのろう付け方法には、ワークの昇温速度などについて改良の余地があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、従来のろう付け方法を改良したろう付け方法及びこれに好適に用いられるろう付け装置を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] ろう材が設けられたろう付け予定部を有するワークを密封体内に配置し、
前記密封体の外側に配置された発熱体の熱を前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えることにより、前記ろう材を溶融することを特徴とするろう付け方法。
[2] 前記密封体の内部を所定のろう付け雰囲気にした状態で、前記ろう材を溶融する前項1記載のろう付け方法。
[3] 前記発熱体を前記密封体の外面に接触させ且つ前記密封体の内面を前記ワークに接触させた状態にして、前記発熱体の熱を前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝える前項1又は2記載のろう付け方法。
[4] 前記発熱体を前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付けることにより、前記発熱体の熱を前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝える前項1〜3のいずれかに記載のろう付け方法。
[5] 前記ワークの前記ろう付け予定部が加圧されるように前記発熱体を前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付ける前項4記載のろう付け方法。
[6] 前記発熱体は、前記密封体におけるワーク配置位置を挟んだ両外側にそれぞれ配置されており、
前記各発熱体の熱を前記各発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝える前項1〜5のいずれかに記載のろう付け方法。
[7] 前記各発熱体を前記密封体を介して前記ワークに前記両発熱体間で前記ワークを挟むように相対的に押し付けることにより、前記各発熱体の熱を前記各発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により同時に伝える前項6記載のろう付け方法。
[8] 前記密封体は、密封体本体と前記密封体本体に対応する蓋部材とを備えており、
前記密封体本体と前記蓋部材との相互シール部間にシール部材が介在されている前項1〜7のいずれかに記載のろう付け方法。
[9] 前記相互シール部のうち少なくとも一方を冷却した状態で、前記ろう材を溶融する前項8記載のろう付け方法。
[10] 前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間に空洞が形成されるように前記ワークを前記密封体内に配置する前項8又は9記載のろう付け方法。
[11] 前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間には、前記相互シール部と前記ワークとの間隔を保持するスペーサが取出し可能に配置されている前項8又は9記載のろう付け方法。
[12] 前記スペーサは、さらに、前記密封体におけるスペーサとの接触部の形状を保持するものである前項11記載のろう付け方法。
[13] 前記蓋部材の外側に配置された押さえ部材を前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面に相対的に押し付けた状態で、前記ろう材を溶融する前項8〜12のいずれかに記載のろう付け方法。
[14] 前記押さえ部材を前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面における前記シール部の対応部に相対的に押し付ける前項13記載のろう付け方法。
[15] 前記押さえ部材は冷却されている前項13又は14記載のろう付け方法。
[16] ろう材が設けられたろう付け予定部を有するワークが内部に配置される密封体と、
前記密封体の外側に配置される発熱体と、
を備え、
前記発熱体の熱が前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えられることにより、前記ろう材を溶融するものとなされていることを特徴とするろう付け装置。
[17] 前記密封体はその内部が所定のろう付け雰囲気にされるものである前項16記載のろう付け装置。
[18] 前記発熱体が前記密封体の外面に接触し且つ前記密封体の内面が前記ワークに接触した状態にして、前記発熱体の熱が前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えられる前項16又は17記載のろう付け装置。
[19] 前記発熱体は、前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付けられるものである前項16〜18のいずれかに記載のろう付け装置。
[20] 前記発熱体は、前記ワークの前記ろう付け予定部を加圧するように前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付けられるものである前項19記載のろう付け装置。
[21] 前記発熱体は、前記密封体におけるワーク配置位置を挟んだ両外側にそれぞれ配置されており、
前記各発熱体の熱が前記各発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えられる前項16〜20のいずれかに記載のろう付け装置。
[22] 前記各発熱体は、前記密封体を介して前記ワークに前記両発熱体間で前記ワークを挟むように相対的に押し付けられるものである前項21記載のろう付け装置。
[23] 前記密封体は、密封体本体と前記密封体本体に対応する蓋部材とを備えており、
前記密封体本体と前記蓋部材との相互シール部間にシール部材が介在されている前項16〜22のいずれかに記載のろう付け装置。
[24] 前記相互シール部のうち少なくとも一方を冷却する冷却部が設けられている前項23記載のろう付け装置。
[25] 前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間には空洞が形成される前項23又は24記載のろう付け装置。
[26] さらに、前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間に取出し可能に配置されるスペーサを備えており、
前記スペーサは、前記相互シール部と前記ワークとの間隔を保持するものである前項23又は24記載のろう付け装置。
[27] 前記スペーサは、さらに、前記密封体におけるスペーサとの接触部の形状を保持するものである前項26記載のろう付け装置。
[28] さらに、前記蓋部材の外側に配置される押さえ部材を備えており、
前記押さえ部材は、前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面に相対的に押し付けられるものである前項23〜27のいずれかに記載のろう付け装置。
[29] 前記押さえ部材は、前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面における前記シール部の対応部に相対的に押し付けられるものである前項28記載のろう付け装置。
[30] 前記押さえ部材を冷却する冷却部が設けられている前項28又は29記載のろう付け装置。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]のろう付け方法では、熱源としての発熱体の熱を伝導伝熱によりワークに伝えるので、熱源の熱を放射伝熱や対流伝熱によりワークに伝える場合に比べて、ワークの昇温速度の高速化を図ることができ、その結果、ろう付けに要する時間の短縮化を図ることができるし、更に、ろう付けに要する熱量の低減化を図ることができる。さらに、ワークが密封体内に配置されているので、ろう付けの際に密封体の内部を所定のろう付け雰囲気(例:不活性ガス雰囲気、真空)にすることができ、これによりワークのろう付け予定部を良好にろう付けすることができる。
前項[2]では、密封体の内部を所定のろう付け雰囲気にした状態で、ろう材を溶融するので、ワークのろう付け予定部を確実に良好にろう付けすることができる。
前項[3]では、発熱体を密封体の外面に接触させ且つ密封体の内面をワークに接触させた状態にすることにより、発熱体の熱を伝導伝熱によりワークに確実に伝えることができる。
前項[4]では、発熱体を密封体を介してワークに相対的に押し付けることにより、発熱体と密封体の外面とが密着し且つ密封体の内面とワークとが密着するため、発熱体の熱を伝導伝熱によりワークに更に確実に伝えることができる。
前項[5]では、ワークのろう付け予定部が加圧されるように発熱体を密封体を介してワークに相対的に押し付けることにより、ワークのろう付け予定部にろう付け荷重を加えることができ、これによりワークのろう付け予定部を良好にろう付けすることができる。
前項[6]では、発熱体は密封体におけるワーク配置位置を挟んだ両外側にそれぞれ配置されており、各発熱体の熱を各発熱体から密封体を介してワークに伝えることにより、発熱体が密封体におけるワーク配置位置を挟んだ両外側のうち一方側だけに配置されている場合に比べて、ワークの昇温速度の更なる高速化を図ることができ、その結果、ろう付け時間の更なる短縮化を図りうる。
前項[7]では、各発熱体を密封体を介してワークに両発熱体間でワークを挟むように相対的に押し付けることにより、ワークのろう付け予定部にろう付け荷重を加えることができ、これによりワークのろう付け予定部を良好にろう付けすることができる。
前項[8]では、密封体は密封体本体と蓋部材とを備えているので、ワークを密封体内に入れる際やワークを密封体内から取り出す際に蓋部材を開けることにより、密封体へのワークの出入れ作業を容易に行うことができるし、また密封体を繰り返し使用することができる。さらに、密封体本体と蓋部材との相互シール部間にシール部材が介在されることにより、密封体の内部を所定のろう付け雰囲気に確実に維持することができる。
前記[9]では、相互シール部のうち少なくとも一方を冷却した状態で、ろう材を溶融することにより、シール部材の熱劣化を防止することができ、その結果、相互シール部のシール状態を良好に維持することができる。
前項[10]では、密封体内における相互シール部とワークとの間に空洞が形成されるので、ワークの熱がシール部材に伝わりにくくなり、これによりシール部材の熱劣化を確実に防止することができる。
前項[11]では、密封体内における相互シール部とワークとの間には、相互シール部とワークとの間隔を保持するスペーサが配置されているので、ろう付けの際に加熱されたワークが相互シール部に接近するのをスペーサによって阻止することができる。そのため、シール部材の熱劣化を確実に防止することができる。さらに、密封体内にスペーサを配置することにより、密封体内におけるワークの位置決めを行うことができる。
前項[12]では、スペーサは、さらに、密封体におけるスペーサとの接触部の形状を保持するものであることにより、ろう付けの際に密封体の内部が真空にされる場合でも、少なくとも密封体におけるスペーサとの接触部の形状をスペーサによって保持することができる。したがって、ろう付けの際に密封体の不慮の変形を防止できる。
前項[13]では、押さえ部材を相互シール部同士が密着するように蓋部材の外面に相対的に押し付けた状態で、ろう材を溶融することにより、相互シール部のシール状態を良好に維持することができる。
前項[14]では、相互シール部のシール状態を確実に良好に維持することができる。
前項[15]では、押さえ部材が冷却されていることにより、ろう付けの際の押さえ部材の熱変形を防止できるし、シール部材を押さえ部材で冷却することができる。
前項[16]〜[30]のろう付け装置は、それぞれ前項[1]〜[15]のろう付け方法に好適に用いることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るろう付け装置を、ワークのろう付け予定部をろう付けする時の状態で示す平面図である。 図2は、図1中のX−X線断面図である。 図3は、図1中のY−Y線断面図である。 図4は、図1中のX−X線断面の斜視図である。 図5は、図1中のY−Y線断面の斜視図である。 図6は、図1中のX−X線における同ろう付け装置の分解断面図である。 図7は、図1中のY−Y線における同ろう付け装置の分解断面図である。 図8は、同ろう付け装置の密封容器(密封体)における密封容器本体と蓋部材との相互シール部を中心に示した分解断面図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係るろう付け装置を、ワークのろう付け予定部をろう付けする時の状態で示す平面図である。 図10は、図9中のX−X線断面図である。 図11は、図9中のY−Y線断面図である。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1〜8は、本発明の第1実施形態に係るろう付け装置及びろう付け方法を説明する図である。
本第1実施形態のろう付け装置1は、図1〜図5に示すように、密封体としての密封容器2と、押さえ部材10と、2個の発熱体20A、20Bなどを具備している。
密封容器2内にはワーク30が収容配置される。ワーク30はろう付け予定部31を有するものであり、本第1実施形態ではワーク30は互いにろう付け一体化される複数個の被ろう付け部材33、33からなる。被ろう付け部材33は、例えば板状の金属製であり、本第1実施形態ではアルミニウム(その合金を含む。以下同じ。)製であるとする。また、被ろう付け部材33の個数は例えば2個である。そして、両被ろう付け部材33、33は、例えば上下に重合せ状に互いに組み付けられている。さらに、両被ろう付け部材33、33のろう付け予定部31としての重合せ界面(即ち接合予定界面)間にはろう材(ドットハッチングで示す。)32が介在されている。このろう材32は例えばシート状のものであり、その主なろう成分は、Al−Si系合金、Al−Si−Mg系合金等である。なお、ろう材32は、両被ろう付け部材33の少なくとも一方に予めクラッドされていても良く、すなわち両被ろう付け部材33、33の少なくとも一方はブレージングシートから形成されていても良い。さらに、ろう材32の種類は限定されるものではなく、例えば、ろう材32はフラックス入りのものであっても良いし、フラックスレスのものであっても良い。
密封容器2は、その内部を所定のろう付け雰囲気に保持するものである。具体的には、密封容器2の内部は、所定のろう付け雰囲気として例えば不活性ガス雰囲気又は真空にされるものである。不活性ガスとしてはNガスなどが用いられる。密封容器2の内部が真空にされる場合には、その真空度は例えば1×10−3〜1×10−4Paに設定される。さらに、この密封容器2は保持部材(図示せず)によって所定の高さ位置に保持されている。
密封容器2の大きさは、ワーク30の大きさ等に応じて設定されるものであり、限定されるものではない。例えば、密封容器2の幅は100〜500mm、その長さは300〜1000mm、その高さ(厚さ)は10〜150mmにそれぞれ設定される。
この密封容器2は、図6及び7に示すように、密封体本体としての密封容器本体3と、密封容器本体3に対して開閉自在な板状の蓋部材7とを備えている。密封容器本体3と蓋部材7は、いずれも、ろう付けの際の熱に耐えうる金属製であり、例えばSUS304等のステンレス鋼製である。
密封容器本体3は、底壁部4と側壁部5とを備えるとともに、上面が開口されたものである。底壁部4の形状は、平面視略四角形の板状であり、詳述すると平面視長方形乃至正方形の板状である。側壁部5は、平面視略ロ字枠状のものであり、底壁部4の内面4aの外周縁部に溶接等によって気密に接合されている。さらに、この側壁部5は断面ロ字状の中空材から形成されており、その内部に側壁部5の周方向に延びた冷却液流路6aが形成されている。この構成の詳細については後述する。
蓋部材7は、密封容器本体3の上面の開口を開閉自在に閉塞するものであって、底壁部4と対向状に配置されるものである。蓋部材7の形状は、底壁部4の形状と同じく平面視略四角形の板状であり、詳述すると平面視長方形乃至正方形の板状である。
密封容器2において、図8に示すように、密封容器本体3の蓋部材7とのシール部3zは、密封容器本体3の側壁部5の上面からなる。蓋部材7の密封容器本体3とのシール部7zは、蓋部材7の内面7aの外周縁部からなる。
密封容器本体3の蓋部材7とのシール部3zには溝5aが形成されており、この溝5a内にシール部材8が配置されている。そして、蓋部材7が密封容器本体3に対して閉じた状態では、シール部材8は、図2〜5に示すように密封容器本体3と蓋部材7との相互シール部3z、7z間に介在される。
シール部材8は、本第1実施形態では図1に示すように平面視略ロ字の環状のゴム製ガスケット(パッキンを含む。)である。さらに、このシール部材8は、図8に示すように断面円形状である。なお本発明では、シール部材8はゴム製のものに限定されるものではなく、その他に例えば金属製のもの(例:メタルガスケット)であっても良い。
押さえ部材10は、平面視略ロ字枠状のものであり、蓋部材7の外側に配置されている。この押さえ部材10は、ろう付けの際の熱に耐えうる金属製であり、例えばSUS304等のステンレス鋼製である。さらに、この押さえ部材10は、密封容器本体3と蓋部材7との相互シール部3z、7z同士が密着するように蓋部材7の外面7bにおけるシール部7zの対応部7cに押し付けるものである(図8参照)。さらに、この押さえ部材10は断面ロ字状の中空材から形成されており、その内部に押さえ部材10の周方向に延びた冷却液流路11aが形成されている。この構成の詳細については後述する。
2個の発熱体20A、20Bは、密封容器2におけるワーク配置位置を挟んだ上下両外側に一個ずつ配置されている。そして、ろう付けの際には、各発熱体20A、20Bの熱は、各発熱体20A、20Bが密封容器2の外面に接触し且つ密封容器2の内面がワーク30に接触した状態にして、各発熱体20A、20Bから密封容器2を介してワーク30に伝導伝熱により同時に伝えられてろう材32を加熱溶融するものである。各発熱体20A、20Bは例えば電気ヒータの加熱ヘッドからなる。なお、伝導伝熱は熱伝導とも呼ばれている。
ここで説明の便宜上、密封容器2におけるワーク配置位置を挟んだ両外側のうち上外側に配置された発熱体を「上発熱体20A」、下外側に配置された発熱体を「下発熱体20B」という。
上発熱体20Aの加熱面(発熱面)20Aaは、蓋部材7の外面7bに面接触状態に接触可能な形状に形成されており、具体的には例えば平坦状に形成されている。さらに、この加熱面20Aaは、ワーク30の上面を覆いうる大きさに形成されている(図1参照)。また同じく、下発熱体20Bの加熱面(発熱面)20Baは、底壁部4の外面4bに面接触状態に接触可能な形状に形成されており、具体的には例えば平坦状に形成されている。さらに、この加熱面20Baは、ワーク30の下面を覆いうる大きさに形成されている。
さらに、ろう付け装置1は、上下両発熱体20A、20Bのうち少なくとも一方を密封容器2を介してワーク30に押し付ける駆動器を備えている。本第1実施形態では、ろう付け装置1は、両発熱体20A、20Bをそれぞれ密封容器2を介してワーク30に押し付ける2個の駆動器として上駆動器25A及び下駆動器25Bを備えている。上駆動器25Aは、上発熱体20Aを密封容器2の蓋部材7を介してワーク30に上側から押し付けるものである。下駆動器25Bは、下発熱体20Bを密封容器2の底壁部4を介してワーク30に下側から押し付けるものである。そして、両発熱体20A、20Bは、各駆動器25A、25Bの駆動力によって、密封容器2(詳述すると蓋部材7又は底壁部4)を介してワーク30に両発熱体20A、20B間でワーク30を上下両側から挟むように同時に押し付けられるように構成されている。各駆動器25A、25Bは、その駆動速度、駆動量、駆動力等の駆動動作を制御可能なものである。各駆動器25A、25Bとしては、流体圧(例:油圧、ガス圧)式駆動シリンダ、電動駆動モータなどが用いられる。
密封容器2において、側壁部5の厚さは限定されるものではなく、例えば3〜10mmに設定されている。さらに、側壁部5における冷却液流路6aを包囲する周壁の肉厚は限定されるものではないが、3〜8mmに設定されるのが望ましい。
また本第1実施形態では、底壁部4及び蓋部材7は、密封容器2におけるワーク30との接触部に対応している。底壁部4及び蓋部材7の厚さは、限定されるものではないが、密封容器2の内部のろう付け雰囲気に応じて設定されるのが望ましい。底壁部4及び蓋部材7の望ましい厚さについて具体的に示すと以下のとおりである。
ろう付けの際に密封容器2の内部が真空にされる場合には、底壁部4と蓋部材7とを密封容器2の内部を真空状態に維持可能な強度にするため、底壁部4及び蓋部材7の厚さはいずれも3mm以上に設定されるのが望ましい。一方、底壁部4及び蓋部材7の厚さが増大するのに伴って各発熱体20A、20Bからワーク30に伝わる熱量が減少するので、底壁部4及び蓋部材7の厚さはなるべく薄い方が望ましく、特に5mm以下に設定されるのが望ましい。したがって、密封容器2におけるワーク30との接触部としての底壁部4及び蓋部材7の厚さはいずれも3〜5mmの範囲に設定されるのが特に望ましい。
ろう付けの際に密封容器2の内部がろう付け雰囲気ガス(例:不活性ガス)にされる場合には、底壁部4及び蓋部材7の厚さを厚く設定する必要はなく、即ち薄く設定することができ、特に0.1〜3mmに設定されるのが望ましい。
また、図2〜5に示すように、密封容器2内にワーク30が配置された状態において、密封容器2内における相互シール部3z、7zとワーク30との間に平面視略ロ字状の空洞9が相互シール部3z、7zの内側の全周に亘って形成されている。
さらに、図1、2及び4に示すように、この密封容器2には、密封容器2の内部を所定のろう付け雰囲気にする手段として、密封容器2内にろう付け雰囲気ガスを供給する供給管5bと、密封容器2の内部を真空にするために密封容器2内のガスを吸引する吸引管5cとのうち少なくとも一方が接続されている。図2に示すように、供給管5bや吸引管5cは、密封容器2の外側から側壁部5を貫通するとともに、その先端口(即ち供給管5bの供給口や吸引管5cの吸引口)が密封容器2内に配置されている。
さらに、この密封容器2には、密封容器本体3と蓋部材7との相互シール部3z、7zのうち少なくとも一方を冷却する冷却部として、密封容器本体3の蓋部材7とのシール部3zを冷却する第1冷却部6が設けられている。この第1冷却部6は、側壁部5の内部に形成された上記冷却液流路6aを有するとともに、この冷却液流路6aに冷却液(例:冷却水)が流通することにより密封容器本体3の蓋部材7とのシール部7zを冷却するものとなさている。さらに、図1に示すように、密封容器本体3の側壁部5には、外部から冷却液流路6aに冷却液を供給する供給管6bと、冷却液流路6aから冷却液を外部へ排出する排出管6cとがそれぞれ接続されている。
押さえ部材10には、押さえ部材10を冷却する第2冷却部11が設けられている。この第2冷却部11は、押さえ部材10の内部に形成された上記冷却液流路11aを有するとともに、この冷却液流路11aに冷却液(例:冷却液)が流通することにより押さえ部材10を冷却するものとなされている。さらに、図1に示すように、押さえ部材10には、外部から冷却液流路11aに冷却液を供給する供給管11bと、冷却液流路11aから冷却液を外部へ排出する排出管11cとがそれぞれ接続されている。
次に、本第1実施形態のろう付け装置1を用いたろう付け方法について以下に説明する。
図6及び7に示すように、まず、予め所定形状に組み付けられた複数個の被ろう付け部材33、33からなるワーク30を準備する。上述したように、本第1実施形態では、被ろう付け部材33の材質は例えばアルミニウムであり、その個数は例えば2個である。そして、両被ろう付け部材33、33は例えば上下に重合せ状に互いに組み付けられている。また、両被ろう付け部材33、33をろう付け一体化するろう付け予定部31(接合予定界面)間にはろう材32が介在されている。さらに、ワーク30はろう付けのための前処理(例:脱脂、アルカリ洗浄処理)が常法に従って予め施されている。
次いで、蓋部材7を密封容器本体3に対して開いた状態する。そして、密封容器本体3内の底壁部4の内面4aの略中央部上にワーク30を配置(詳述すると載置)する。これにより、底壁部4の内面4aとワーク30の下面とが面接触状態に接触する。次いで、蓋部材7を密封容器本体3に対した閉じた状態に配置するとともに、蓋部材7の外面7bにおけるシール部7zの対応部7cに押さえ部材10を押し付ける(図8参照)。これにより、密封容器本体3と蓋部材7との相互シール部3z、7z同士を密着させる。その結果、相互シール部3z、7z間にシール部材8が介在されるとともに、また蓋部材7の内面7aの略中央部とワーク30の上面とが面接触状態に接触する。さらに、密封容器2内における相互シール部3z、7zとワーク30との間に平面視略ロ字状の空洞9が相互シール部3z、7zの内側の全周に亘って形成される。
そして、密封容器2の内部を所定のろう付け雰囲気にする。例えば、ろう材32が非腐食性のフッ化物系フラックス入りろう材であり且つろう付け雰囲気としてNガス雰囲気を適用する場合、すなわちノコロックろう付け条件を適用する場合には、密封容器2内にNガスをNガス供給源(例:Nガスボンベ)から供給管5bを通じて供給し、これにより密封容器2の内部をNガス雰囲気にする。ろう材32がフラックスレスろう材であり且つろう付け雰囲気として真空を適用する場合、すなわち真空ろう付け条件を適用する場合には、密封容器2内の空気等のガスを真空ポンプ(図示せず)によって吸引管5cを通じて吸引し、これにより密封容器2の内部を真空にする。
また、密封容器2の側壁部5の冷却液流路6aに室温等に調整された冷却液を流通させ、これにより密封容器本体3の蓋部材7とのシール部3zを冷却する。さらに、押さえ部材10の冷却液流路11aに室温等に調整された冷却液を流通させ、これにより押さえ部材10を冷却するとともにこの押さえ部材10で蓋部材7の密封容器本体3とのシール部7zを冷却する。また、上下各発熱体20A、20Bの温度を所定のろう付け温度(例えば約580〜610℃)に調整する。
そしてこの状態で、各発熱体20A、20Bを、それぞれの駆動器25A、25Bの駆動力によって、密封容器2を介してワーク30に両発熱体20A、20B間でワーク30を挟むように同時に押し付ける。すると、上発熱体20Aの加熱面20Aaと密封容器2の蓋部材7の外面7bとが面接触状態に密着し且つ蓋部材7の内面7aとワーク30の上面とが面接触状態に密着すると同時に、下発熱体20Bの加熱面20Baと密封容器2の底壁部4の外面4bとが面接触状態に密着し且つ底壁部4の内面4aとワーク30の下面とが面接触状態に密着する。そしてこの状態で、各発熱体20A、20Bの熱が各発熱体20A、20Bから密封容器2(詳述すると蓋部材7や底壁部4)を介してワーク30に伝導伝熱により同時に伝えられるとともに、ワーク30のろう付け予定部31が密着方向に加圧される。これにより、ワーク30の温度が室温から所定のろう付け温度に上昇してろう材32が加熱溶融される。
ワーク30の温度を所定のろう付け温度に所定時間(例えば0〜10min)保持したら、その後、各発熱体20A、20Bの温度を低下させる。これにより、ろう材32の加熱を停止する。なお、ろう材32の加熱の停止は、各発熱体20A、20Bをそれぞれの駆動器25A、25Bの駆動力によって密封容器2に対して離間方向に移動させことにより、行っても良い。
ワーク30の温度が所定の温度(例えば550℃)以下に低下してワーク30のろう付け予定部31がろう材32でろう付けされたら、その後、蓋部材7を密封容器本体3に対して開く。次いで、ワーク30を密封容器2(詳述すると密封容器本体3)内から取り出す。これにより、所望するろう付け製品が得られる。なお、密封容器2の内部が真空である場合には、蓋部材7を開く前に、密封容器2内に所定のガスを供給して密封容器2の内部を大気圧に戻しておく。
本第1実施形態のろう付け方法には次の利点がある。
各発熱体20A、20Bの熱を伝導伝熱によりワーク30に伝えるので、熱源の熱を放射伝熱や対流伝熱によりワーク30に伝える場合に比べて、ワーク30の温度が迅速にろう付け温度まで上昇する。そのため、ワーク30の昇温速度の高速化を図ることができ、高速化を図ることができ、その結果、ろう付け時間の短縮化を図ることができるし、更に、ろう付けに要する熱量の低減化を図ることができる。さらに、ワーク30が密封容器2内に配置されているので、ろう付けの際に密封容器2の内部を所定のろう付け雰囲気にすることができ、これによりワーク30のろう付け予定部31を良好にろう付けすることができる。
さらに、密封容器2の内部を所定のろう付け雰囲気にした状態で、ろう材32を溶融するので、ワーク30のろう付け予定部31を確実に良好にろう付けすることができる。
さらに、各発熱体20A、20Bを密封容器2の外面に接触させ且つ密封容器2の内面をワーク30に接触させた状態にすることにより、各発熱体20A、20bの熱を伝導伝熱によりワーク30に確実に伝えることができる。
さらに、発熱体の数が2個であって各発熱体20A、20Bの熱を各発熱体20A、20Bから密封容器2を介してワーク30に伝導伝熱により伝えるので、発熱体の個数が1個であってこれが密封容器2におけるワーク配置位置を挟んだ両外側のうち一方側だけに配置されている場合に比べて、ワーク30の昇温速度の更なる高速化を図ることができ、その結果、ろう付け時間の更なる短縮化を図りうる。
さらに、各発熱体20A、20Bを密封容器2を介してワーク30に両発熱体20A、20B間でワーク30を挟むように押し付けることにより、ワーク30のろう付け予定部31にろう付け荷重を加えることができ、これによりワーク30のろう付け予定部31を良好にろう付けすることができる。
さらに、密封容器2は、密封容器本体3と蓋部材7とを備えているので、ワーク30を密封容器2内に入れる際やワーク30を密封容器2内から取り出す際に蓋部材7を開けることにより、密封容器2へのワーク30の出入れ作業を容易に行うことができるし、また密封容器2を繰り返し使用することができる。さらに、密封容器本体3と蓋部材7との相互シール部3z、7z間にシール部材8が介在されているので、密封容器2の内部を所定のろう付け雰囲気に確実に維持することができる。
さらに、密封容器本体3の蓋部材7とのシール部3zを第1冷却部6で冷却した状態で、ろう材32が溶融されるので、シール部材8の熱劣化を防止することができ、その結果、相互シール部3z、7zのシール状態を良好に維持することができる。
さらに、密封容器2内における相互シール部3z、7zとワーク30との間に空洞9が形成されるようにワーク30が密封容器2内に配置されるので、ワーク30の熱がシール部材8に伝わりにくくなり、これによりシール部材8の熱劣化を確実に防止することができる。
さらに、押さえ部材10を相互シール部3z、7z同士が密着するように蓋部材7の外面7bにおけるシール部7zの対応部7cに押し付けることにより、相互シール部3z、7zのシール状態を確実に良好に維持することができる。
さらに、押さえ部材10が第2冷却部11で冷却されているので、ろう付けの際の押さえ部材10の熱変形を防止できるし、さらに、シール部材8を押さえ部材10で冷却することができる。そのため、シール部材8の熱劣化を更に確実に防止することができ、その結果、相互シール部3z、7zのシール状態を更に確実に良好に維持することができる。
また、本第1実施形態では、密封容器2(詳述すると蓋部材7)における少なくとも上発熱体20Aとの接触部及びその近傍と、密封容器2(詳述すると底壁部4)における少なくとも下発熱体20Bとの接触部及びその近傍とのうち少なくとも一方は、発熱体のワーク30への押付け動作に追従して変形可能であることが望ましい。このように密封容器2を構成する方法としては、密封容器2の蓋部材7や底壁部4の厚さを薄く設定したり、蓋部材7や底壁部4の形状を発熱体のワーク30への押付け動作に追従して弾性的又は塑性的に変形可能な形状に設定したりすることが挙げられる。こうすることにより、ワーク30が密封容器2内に配置された状態においてもし密封容器2の内面(詳述すると底壁部4の内面4aや蓋部材7の内面7a)とワーク30との間に隙間がある場合でも、発熱体を密封容器2を介してワーク30に押し付けることによって密封容器30の内面(底壁部4の内面4aや蓋部材7の内面7a)とワーク30とを密着させることができる。さらに、ワーク30の大きさがろう付けの途中で少し変化した場合でも、密封容器2の内面とワーク30との密着状態を維持することができる。これにより、発熱体の熱をワーク30に確実に伝えることができる。しかも、ワーク30の大きさに対応した内部空間を有する密封容器2を用いる必要がなくなり、そのため密封容器2の適用範囲を増大させることができる。
図9〜11は、本発明の第2実施形態に係るろう付け装置及びろう付け方法を説明する図である。これらの図には、上記第1実施形態のろう付け装置と同等の又は対応する構成要素に同じ符号が付されている。本第2実施形態のろう付け装置及びろう付け方法について上記第1実施形態と相異する点を中心に以下に説明する。
本第2実施形態のろう付け装置1は、上記第1実施形態のろう付け装置の他にスペーサ15を更に具備している。このスペーサ15は、平面視略ロ字枠状のものであり、セラミック(例:アルミナ)製、ろう付けの際の熱に耐えうる金属製などである。そして、このスペーサ15は、図10及び11に示すように、ワーク30を密封容器2内に配置する前又は後で密封容器2内における密封容器本体3と蓋部材7との相互シール部3z、7zとワーク30との間に配置されることで、相互シール部3z、7zとワーク30との間隔を保持するものである。さらに、このようにスペーサ15が配置された状態では、スペーサ15は、密封容器2の底壁部4の内面4aと蓋部材7の内面7aとにそれぞれ面接触状態に接触しており、これによりスペーサ15は密封容器2におけるスペーサ15との接触部の形状を保持するものとなされている。さらに、このスペーサ15は、密封容器2に対して取出し可能に密封容器2内に配置されている。
本第2実施形態のろう付け装置1を用いたろう付け方法は、上記第1実施形態と同様に行われる。
本第2実施形態のろう付け方法によれば、密封容器2内における相互シール部3z、7zとワーク30との間には、相互シール部3z、7zとワーク30との間隔を保持するスペーサ15が配置されているので、ろう付けの際に加熱されたワーク30が相互シール部3z、7zに接近するのをスペーサ15によって阻止することができる。そのため、シール部材8の熱劣化を更に確実に防止することができる。さらに、密封容器2内にスペーサ15を配置することにより、密封容器2内におけるワーク30の位置決めを行うことができる。
さらに、スペーサ15は、密封容器2におけるスペーサ15との接触部の形状を保持するものであるから、密封容器2の内部が真空にされる場合でも、少なくとも密封容器2におけるスペーサ15との接触部の形状をスペーサ15によって保持することができる。したがって、ろう付けの際に密封容器2の不慮の変形を防止できる。
なお、本第2実施形態ではスペーサ15は中実状のものであるが、本発明ではスペーサ15はこれに限定されるものではなく、その他に例えば中空状のものであっても良い。
さらに、本第2実施形態ではスペーサ15の形状は平面視略ロ字枠状であるが、本発明ではスペーサ15の形状はこれに限定されるものではなく、ワーク30の形状や密封容器2の形状などに応じて様々に変更されるものである。
以上で、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で様々に変更可能である。
上記実施形態ではろう付け装置1は上発熱体20A及び下発熱体20Bを備えているが、本発明ではろう付け装置1はこれに限定されるものではなく、その他に例えば上下両発熱体20A、20Bのうちうずれか一方だけを備えていても良い。もしろう付け装置1が上発熱体20Aだけを備えている場合には、下発熱体20Bの代わりに下発熱体20Bの配置位置にワーク30を密封容器2を介して下側から受ける受け部材が配置されるのが望ましい。こうすることにより、ろう付けの際に上発熱体20Aと受け部材との間でワーク30を挟むように上発熱体20Aを密封容器2を介してワーク30に押し付けることができる。もしろう付け装置1が下発熱体20Bだけを備えている場合には、上発熱体20Aの代わりに上発熱体20Aの配置位置にワーク30を密封容器2を介して上側から受ける受け部材が配置されるのが望ましい。こうすることにより、ろう付けの際に下発熱体20Bと受け部材との間でワーク30を挟むように下発熱体20Bを密封容器2を介してワーク30に押し付けることができる。また、いずれの場合でも、受け部材は、セラミック(例:アルミナ)製、ろう付けの際の熱に耐えうる金属製であることが望ましく、特に断熱性を有するものであることが望ましく、こうすることにより、ろう付けの際に受け部材から流出する熱損失量を減少させることができる。
上記実施形態では駆動器25A、25Bの駆動力によって発熱体20A、20Bが密封容器2を介してワーク30に押し付けられるが、本発明はその他に例えば密封容器2を両発熱体20A、20Bのうちいずれか一方に向かって移動させることで発熱体が密封容器2を介してワーク30に押し付けられる構成を採用しても良い。
上記実施形態では発熱体を密封容器2を介してワーク30に押し付ける前に発熱体の温度を予め所定のろう付け温度に調整しているが、本発明ではその他に例えば発熱体を密封容器2を介してワーク30に押し付けた後で発熱体の温度を所定のろう付け温度に調整しても良い。
上記実施形態では密封体として密封容器2が用いられているが、本発明では密封体の形状は限定されるものではなく、例えば、上記実施形態のように容器状であっても良いし、あるいは袋状(即ち密封袋)であっても良く、更には、本実施形態のように角型であっても良いし、あるいは丸型や楕円型などであっても良い。
また、上記実施形態では密封容器本体3と蓋部材7との相互シール部3z、7zのうち密封容器本体3の蓋部材7とのシール部3zが第1冷却部6で冷却されるが、本発明ではその他に蓋部材7の密封容器本体3とのシール部7zが冷却されるように構成されていても良いし、相互シール部3z、7zの両方が冷却されるように構成されていても良い。
本発明はろう付け方法及びろう付け装置に利用可能である。
1:ろう付け装置
2:密封容器(密封体)
3:密封容器本体(密封体本体)
3z:密封容器本体の蓋部材とのシール部
4:底壁部
5:側壁部
6:第1冷却部
6a:冷却液流路
7:蓋部材
7z:蓋部材の密封容器本体とのシール部
8:シール部材
9:空洞
10:押さえ部材
11:第2冷却部
11a:冷却液流路
15:スペーサ
20A:上発熱体
20B:下発熱体
25A:上駆動器
25B:下駆動器
30:ワーク
31:ろう付け予定部
32:ろう材
33:被ろう付け部材

Claims (30)

  1. ろう材が設けられたろう付け予定部を有するワークを密封体内に配置し、
    前記密封体の外側に配置された発熱体の熱を前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えることにより、前記ろう材を溶融することを特徴とするろう付け方法。
  2. 前記密封体の内部を所定のろう付け雰囲気にした状態で、前記ろう材を溶融する請求項1記載のろう付け方法。
  3. 前記発熱体を前記密封体の外面に接触させ且つ前記密封体の内面を前記ワークに接触させた状態にして、前記発熱体の熱を前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝える請求項1又は2記載のろう付け方法。
  4. 前記発熱体を前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付けることにより、前記発熱体の熱を前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝える請求項1〜3のいずれかに記載のろう付け方法。
  5. 前記ワークの前記ろう付け予定部が加圧されるように前記発熱体を前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付ける請求項4記載のろう付け方法。
  6. 前記発熱体は、前記密封体におけるワーク配置位置を挟んだ両外側にそれぞれ配置されており、
    前記各発熱体の熱を前記各発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝える請求項1〜5のいずれかに記載のろう付け方法。
  7. 前記各発熱体を前記密封体を介して前記ワークに前記両発熱体間で前記ワークを挟むように相対的に押し付けることにより、前記各発熱体の熱を前記各発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により同時に伝える請求項6記載のろう付け方法。
  8. 前記密封体は、密封体本体と前記密封体本体に対応する蓋部材とを備えており、
    前記密封体本体と前記蓋部材との相互シール部間にシール部材が介在されている請求項1〜7のいずれかに記載のろう付け方法。
  9. 前記相互シール部のうち少なくとも一方を冷却した状態で、前記ろう材を溶融する請求項8記載のろう付け方法。
  10. 前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間に空洞が形成されるように前記ワークを前記密封体内に配置する請求項8又は9記載のろう付け方法。
  11. 前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間には、前記相互シール部と前記ワークとの間隔を保持するスペーサが取出し可能に配置されている請求項8又は9記載のろう付け方法。
  12. 前記スペーサは、さらに、前記密封体におけるスペーサとの接触部の形状を保持するものである請求項11記載のろう付け方法。
  13. 前記蓋部材の外側に配置された押さえ部材を前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面に相対的に押し付けた状態で、前記ろう材を溶融する請求項8〜12のいずれかに記載のろう付け方法。
  14. 前記押さえ部材を前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面における前記シール部の対応部に相対的に押し付ける請求項13記載のろう付け方法。
  15. 前記押さえ部材は冷却されている請求項13又は14記載のろう付け方法。
  16. ろう材が設けられたろう付け予定部を有するワークが内部に配置される密封体と、
    前記密封体の外側に配置される発熱体と、
    を備え、
    前記発熱体の熱が前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えられることにより、前記ろう材を溶融するものとなされていることを特徴とするろう付け装置。
  17. 前記密封体はその内部が所定のろう付け雰囲気にされるものである請求項16記載のろう付け装置。
  18. 前記発熱体が前記密封体の外面に接触し且つ前記密封体の内面が前記ワークに接触した状態にして、前記発熱体の熱が前記発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えられる請求項16又は17記載のろう付け装置。
  19. 前記発熱体は、前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付けられるものである請求項16〜18のいずれかに記載のろう付け装置。
  20. 前記発熱体は、前記ワークの前記ろう付け予定部を加圧するように前記密封体を介して前記ワークに相対的に押し付けられるものである請求項19記載のろう付け装置。
  21. 前記発熱体は、前記密封体におけるワーク配置位置を挟んだ両外側にそれぞれ配置されており、
    前記各発熱体の熱が前記各発熱体から前記密封体を介して前記ワークに伝導伝熱により伝えられる請求項16〜20のいずれかに記載のろう付け装置。
  22. 前記各発熱体は、前記密封体を介して前記ワークに前記両発熱体間で前記ワークを挟むように相対的に押し付けられるものである請求項21記載のろう付け装置。
  23. 前記密封体は、密封体本体と前記密封体本体に対応する蓋部材とを備えており、
    前記密封体本体と前記蓋部材との相互シール部間にシール部材が介在されている請求項16〜22のいずれかに記載のろう付け装置。
  24. 前記相互シール部のうち少なくとも一方を冷却する冷却部が設けられている請求項23記載のろう付け装置。
  25. 前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間には空洞が形成される請求項23又は24記載のろう付け装置。
  26. さらに、前記密封体内における前記相互シール部と前記ワークとの間に取出し可能に配置されるスペーサを備えており、
    前記スペーサは、前記相互シール部と前記ワークとの間隔を保持するものである請求項23又は24記載のろう付け装置。
  27. 前記スペーサは、さらに、前記密封体におけるスペーサとの接触部の形状を保持するものである請求項26記載のろう付け装置。
  28. さらに、前記蓋部材の外側に配置される押さえ部材を備えており、
    前記押さえ部材は、前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面に相対的に押し付けられるものである請求項23〜27のいずれかに記載のろう付け装置。
  29. 前記押さえ部材は、前記相互シール部同士が密着するように前記蓋部材の外面における前記シール部の対応部に相対的に押し付けられるものである請求項28記載のろう付け装置。
  30. 前記押さえ部材を冷却する冷却部が設けられている請求項28又は29記載のろう付け装置。
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