JP2014086394A - 照明装置 - Google Patents

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浩二 村田
Shigeru Aomori
繁 青森
Mitsuhiro Mukaidono
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Abstract

【課題】本発明は、光の照射方向を容易に切り替えられる照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】面状に光を放出する光源部10と、前記光源部の光出射面側に配置され、一対の表面10a、10bと表面10a、10bの周囲に形成された側面10c、10dとを備え、表面10a、10bの少なくとも一方及び側面10c、10dから光を射出する面状の導光部と、前記導光部の前記光源部10と他方側に配置され、前記導光部の前記表面10aからの光を透過させる透過状態と、前記導光部の前記表面10aからの光を反射する反射状態とを切替え可能な光反射透過部とを有するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明装置に関する。
近年、住宅、オフィスなどにおける住空間において、照明技術の重要性が増している。照明の機能は昔は単に明るさを与えるということに重きが置かれていたが、最近では、高級感、快適性、人間心理への影響なども併せて重要視されつつあり、照明デザイナーなども活発に活躍する時代となっている。
このような観点で、照明における光の出射方向は重要である。一般に、直接照明、間接照明という言葉で出射方向の違う照明の機能を表現されたりしているのは周知のとおりであり、光の出射方向の違いによって部屋の雰囲気が大きく変わり、人間の心理にも大きな影響を与える。特に近年では住宅メーカーなどが積極的に間接照明の取入れに取り組んでいる。
以上のような視点から、一台の照明装置で出射方向が変えられる照明装置があれば、スイッチ一つで室内の光を制御でき、部屋の雰囲気を変えることができる。
特許文献1には、透光性を有する面状型光源と、その一方の面に設けられた、反射状態と透過状態とに切替自在な調光ミラーとを備えた面状型照明器具が開示されている。この照明器具では、面状型光源が点灯し、調光ミラーが反射状態とされた場合、面状型光源から調光ミラー側に照射された光は、調光ミラーで反射され、面状型光源を透過して照射される。また、面状型光源が点灯し、調光ミラーが透過状態とされた場合、面状型光源から調光ミラー側に照射された光は、調光ミラーを透過して照射される。
特許文献2には、電球を囲む照明カバーに、印加電圧を制御することによって鏡面(反射)状態と透明状態とに物質交換するマグネシウム・ニッケル系合金薄膜などの希土類金属の水素化物を含む調光ミラー層が備えられた照明装置が開示されている。
特許文献3には、光源前面に電気調光特性を有する機能部材を使用して形成したプレートを取り付け、当該電気調光特性を有する機能部材に対する印加電気量を調整することによって、前記光源よりの放射光を調整変化されるようにした照明装置が開示されている。具体的には、電気調光特性を有する機能部材として、カプセル化液晶を使用して光の透過・散乱を切り替える方法が開示されている。また、電気調光特性を有する機能部材として、光の吸収特性を変えるエレクトロクロミック部材を用いる方法も開示されている。
特許文献4には、床照明に、着色と無色透明の間で可変なエレクトロクロミック素子を組み込んだ照明装置が開示されている。
特開2009−266570号公報 特開2005−56706号公報 特開平6−111615号公報 特開平5−74211号公報
しかし、これらの照明装置は以下に示すような課題を有しており、前述の部屋の雰囲気を切替える照明に利用する場合、光の出射方向を切替えるという点で十分では無かった。
特許文献1に記載された照明装置の場合、調光ミラーが反射状態である場合には、面状型光源から直接照射される光と調光ミラーで反射される光との双方が、面状型光源の一法線方向のみに射出する。一方、調光ミラーが透過状態である場合には、面状型光源から直接照射される光は上記一法線方向に射出し、面状型光源から調光ミラー側に照射される光は、調光ミラーを透過して上記一法線方向とは逆向きの法線方向に射出する。このように上記の照明器具では、調光ミラーが反射状態又は透過状態のいずれであっても、面状型光源に対して垂直な方向にのみ光が射出されるため、光の照射方向を他の方向に切り替えることが困難であった。
特許文献2に記載された照明装置の場合、反射状態と透明状態とが可変可能な照明カバーを備えることで、照明装置直下の照射範囲を可変することが可能となる構成だが、光の照射方向を大きく変化させることが困難であった。
特許文献3に記載された照明装置の場合、光の出射方向をある程度変えることはできるが、光源の横方向に強く光を出射させることはできない。そのため、光の出射方向を充分に切替える照明装置とはなり得ない。
特許文献4に記載された照明装置の場合、着色と無色透明の間で可変なエレクトロクロミック素子には、光の進む方向を変化させる機能はないため、光の出射方向を切り替える照明装置とはなり得ない。
本発明の目的は、光の照射方向を容易に切り替えられる照明装置を提供することにある。
上記目的は、面状に光を放出する光源部と、前記光源部の光出射面側に配置され、一対の表面と前記表面の周囲に形成された側面とを備え、前記表面の少なくとも一方及び前記側面から光を射出する導光部と、前記導光部の前記光源部と他方側に配置され、前記導光部の前記表面からの光を反射する反射状態と、前記導光部の前記表面からの光を透過させる透過状態とを切替え可能な光反射透過部とを有することを特徴とする照明装置によって達成される。
上記本発明の照明装置において、前記光源部の前記表面の他方側に配置され、前記光源部からの光を反射する光反射部をさらに有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光反射透過部は、エレクトロクロミック素子を有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光反射透過部は、前記反射状態と前記透過状態との中間の状態を生成可能であることを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光反射透過部は、可動ミラーを有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光反射透過部は、コレステリック液晶を備えた液晶パネルを有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光反射透過部は、チューナブルフォトニック結晶を含む結晶層を有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光源部は、有機EL素子又は無機EL素子を有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光源部は、LEDを有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光源部は、蛍光管を有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光源部は、太陽光を取り入れる光ダクトを有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光源部は、蛍光体層が形成された基板、又は蛍光体を含む基板を有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光源部、光反射透過部、導光部、光反射部の隣接する界面の少なくとも一つには、隣接する構成要素の屈折率を上限または下限とする範囲の屈折率を有した材料からなる、屈折率整合層を有していることを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、光を散乱させる光散乱部を、少なくとも前記光が出射される表面もしくは側面方向のいずれかに有することを特徴とする。
上記本発明の照明装置において、前記光散乱部は、例えば、散乱フィルム又は高分子分散型液晶、ナノ粒子等を有していることを特徴とする。
本発明によれば、光の照射方向を容易に切り替えられる照明装置を実現できる。
本発明の第1の実施の形態による照明装置1の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による照明装置1に用いられるエレクトロクロミック素子の構成の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態による照明装置1に用いられるエレクトロクロミック素子の構成の他の例を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態による照明装置1の構成の変形例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による照明装置1の構成の他の変形例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による照明装置1の構成の他の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による照明装置2の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による照明装置3の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態による照明装置4の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第4の実施の形態による照明装置4の構成の変形例を示す図である。 本発明の第5の実施の形態による照明装置5の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第6の実施の形態による照明装置6の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第7の実施の形態による照明装置7の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第8の実施の形態による照明装置208の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第9の実施の形態による照明装置8の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第10の実施の形態による照明装置9の概略の断面構成を示す図である。 本発明の第11の実施の形態による照明装置210の概略の断面構成を示す図である。 本発明の各実施の形態による照明装置において、任意の色の光を発光する構成の例を示す図である。 本発明の各実施の形態による照明装置の設置状態の例を示す図である。 本発明の各実施の形態による照明装置の設置状態の例を示す図である。 本発明の各実施の形態による照明装置の設置状態の例を示す図である。 本発明の各実施の形態による照明装置の設置状態の例を示す図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態による照明装置について、図1〜図6を用いて説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示している。図1は、本実施の形態による照明装置1の概略の断面構成を示している。図1(a)は後述する調光素子20が反射状態であるときの照明装置1を示しており、図1(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置1を示している。ここで、図1(a)、(b)では、反射状態の調光素子20をハッチングで表しており、透過状態の調光素子20を白抜きで表している。図1(a)、(b)に示すように、照明装置1は、例えば、全体として長方形平板状の形状を有している。
照明装置1は、面状の光源部10を有している。本実施の形態の光源部10には、白色光を発光可能な有機EL素子が用いられている。有機EL素子は、一対の電極層と、両電極層の間に配置された発光層とを有している。有機EL素子としては、複数の発光材料を含有する発光層を備えた単層型、異なる色の発光層が複数積層された積層型、発光色の一部を色変換する蛍光体を備えた色変換型などを用いることができる。本例では、一対の電極層を含む各層に透明材料を用いた透明有機EL素子が用いられている。光源部10は、相対的に大面積を有し互いに対向する表面10a、10bと、その周囲に形成された4つの側面とを備えた長方形平板状の形状を有している。光源部10は、表面10a、10bと4つの側面とから光を射出できるようになっている。本実施の形態では、光源部10が、光源部10で発光した光を表面10a、10b又は4つの側面に導光させる導光部としても機能する。
光源部10の表面10a側には、長方形平板状の調光素子20(光反射透過部の一例)が積層して配置されている。調光素子20は、光源部10の表面10aからの光を反射する反射状態と、光源部10の表面10aからの光を透過させる透過状態とを可逆的に切り替えることが可能である。本実施の形態の調光素子20には、反射状態及び透過状態を電気的に切替え可能なエレクトロクロミック素子が用いられている。調光素子20は、光源部10からの光に対して、反射状態では70%程度の反射率を有し、透過状態では70%程度の透過率を有する。調光素子20における光源部10とは逆側の表面(図中下方の表面)は、調光素子20が透過状態であるときに光源部10からの光が調光素子20を透過して外部に射出する光射出面(光出射面)20aとなる。後述するように調光素子20は、透過状態のときには光源部10からの光を透過させて光射出面20aから射出させ、反射状態のときには光源部10からの光を反射して光源部10内を導光させ、当該光を光源部10の側面側から射出させるようになっている。
光源部10の表面10b側には、長方形平板状の反射板30(光反射部の一例)が積層して配置されている。反射板30は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)等の反射率の高い材料を用いて形成されており、光源部10からの光を鏡面反射するようになっている。反射板30は、光源部10からの光に対してほぼ100%の反射率を有している。反射板30、光源部10及び調光素子20は、ほぼ同一の平面形状を有している。なお、反射板30に代えて、光源部10からの光を散乱反射させる白色板を設けてもよい。また、反射板30に代えて、光源部10の表面10bでの界面反射を促進させるために、光源部10の表面10b近傍(例えば、有機EL素子の電極層)の屈折率よりも小さい屈折率を有する層(例えば、空気層や真空層)を設けてもよい。
図2は、調光素子20に用いられるエレクトロクロミック素子の構成の一例を示す模式図である。図2に示すように、エレクトロクロミック素子は、ガラス基板等の透明基板41を有している。透明基板41上には、ITO薄膜等の透明導電膜42、酸化タングステン(WO)薄膜等のイオン貯蔵層43、酸化タンタル(Ta)薄膜等の固体電解質層44、Al薄膜等のバッファ層45、パラジウム(Pd)薄膜等の触媒層46、及びマグネシウム−ニッケル(Mg−Ni)合金薄膜等の調光ミラー層47が、この順に積層されている。各層は、マグネトロン・スパッタ法等を用いて成膜される。調光ミラー層47は、電源回路48によって透明導電膜42及び調光ミラー層47の間に所定の電圧を印加することによって、鏡状態と透明状態との間で可逆的に切り替えられる。
電源回路48を用いて、透明導電膜42に所定電圧(例えば+5V)を印加し、調光ミラー層47にそれより低い電圧(例えば0V)を印加すると、イオン貯蔵層43中の水素イオンが調光ミラー層47に移動し、調光ミラー層47のMg−Ni合金が水素化する。これにより、調光ミラー層47が鏡状態から透明状態に変化する。ここで、調光ミラー層47において鏡状態及び透明状態はいずれも安定な状態であるため、調光ミラー層47が透明状態に変化すると、その状態は電圧印加を停止しても維持される。調光ミラー層47が透明状態になることにより、調光素子20(エレクトロクロミック素子)は、光を透過させる透過状態(図1(b)に示す状態)になる。
一方、透明導電膜42に所定電圧(例えば0V)を印加し、調光ミラー層47にそれより高い電圧(例えば+5V)を印加すると、調光ミラー層47中の水素イオンがイオン貯蔵層43に移動し、調光ミラー層47のMg−Ni合金が脱水素化する。これにより、調光ミラー層47が透明状態から鏡状態に変化する。調光ミラー層47が鏡状態に変化すると、その状態は電圧印加を停止しても維持される。調光ミラー層47が鏡状態になることにより、調光素子20は、光を反射する反射状態(図1(a)に示す状態)になる。
このように、調光ミラー層47を鏡状態と透明状態との間で切り替えることによって、調光素子20(エレクトロクロミック素子)は、反射状態と透過状態との間で切り替わるようになっている。
ここで、反射状態のエレクトロクロミック素子において、調光ミラー層47側の表面の反射率は、透明基板41側の表面の反射率よりも高い。すなわち、調光ミラー層47側からエレクトロクロミック素子に入射する光に対する反射率は、透明基板41側からエレクトロクロミック素子に入射する光に対する反射率よりも高い。これは、透明基板41や各層42〜46での光吸収や界面反射等に起因する。したがって、エレクトロクロミック素子を用いた調光素子20は、反射状態での反射率が高い調光ミラー層47側の表面を光源部10側に向けて配置されることが望ましい。なお、透明状態のエレクトロクロミック素子における透過率は、調光ミラー層47側からの入射光及び透明基板41側からの入射光のいずれに対してもほぼ同一である。
図3は、調光素子20に用いられるエレクトロクロミック素子の他の例として、エレクトロデポジション方式のエレクトロクロミック素子の構成を示す模式図である(非特許文献1参照)。図3(a)は反射状態のエレクトロクロミック素子を示し、図3(b)は透過状態のエレクトロクロミック素子を示している。図3(a)、(b)に示すように、エレクトロデポジション方式のエレクトロクロミック素子は、対向配置された一対の透明基板51、52と、両透明基板51、52の対向面にそれぞれ形成された透明導電膜53、54と、透明導電膜53、54間に配置され、シール材55によって封止された電解質層56とを有している。電解質層56は、常温で液体状態又はゲル状態であり、Agイオンを含有している。
電源回路57を用いて、透明導電膜54に所定の電圧(例えば0V)を印加し、透明導電膜53にそれより高い電圧(例えば+2.5V)を印加すると、透明導電膜54と電解質層56との界面にAgが析出し、鏡面層58が形成される(図3(a)参照)。また、透明導電膜54に所定の電圧(例えば+2.5V)を印加し、透明導電膜53にそれより低い電圧(例えば0V)を印加すると、透明導電膜53と電解質層56との界面に鏡面層を形成することもできる。鏡面層の形成により、エレクトロクロミック素子(調光素子20)は、光を反射する反射状態になる。
一方、鏡状態(例えば、図3(a)参照)から透明状態にするには、透明導電膜54に所定の電圧(例えば+0.5V)を印加し、透明導電膜53にそれより低い電圧(例えば0V)を印加する。すると、透明導電膜54と電解質層56との界面に析出していたAgが電解質層56に溶解し、鏡面層58が消失する(図3(b)参照)。これにより、エレクトロクロミック素子(調光素子20)は、光を透過させる透過状態になる。
なお、図3に示す調光素子においても、図2に示した調光素子と同様にメモリ性を有しており、一定の時間、鏡状態を保つことができる。
ここで、図3(a)に示す反射状態のエレクトロクロミック素子において、透明基板52側の表面の反射率は、透明基板51側の表面の反射率よりも高い。したがって、このエレクトロクロミック素子を用いた調光素子20は、反射状態での反射率が高い透明基板52側の表面を光源部10側に向けて配置されることが望ましい。言い換えれば、エレクトロデポジション方式のエレクトロクロミック素子を用いた調光素子20を反射状態にする場合には、光源部10に近い方の透明導電膜界面に鏡面層を形成するのが望ましい。
図1に戻り、本実施の形態の照明装置1は、室内の天井面100に形成された凹部110内に、反射板30側が上方を向き調光素子20側が下方(室内側)を向くように水平に取付けられている。凹部110は、照明装置1よりも幅広の長方形状に形成されている。これにより、照明装置1の側面(光源部10の側面10c、10d)と凹部110の側壁面110a、110bとの間には、それぞれ空間120a、120bが形成される。図示していないが、照明装置1の紙面手前側及び奥側の側面と、凹部110の紙面手前側及び奥側の側壁面との間にも、それぞれ空間が形成される。本例では、天井面100に対する凹部110の深さと照明装置1全体の厚さとが同程度であるため、照明装置1の光射出面20aと天井面100とがほぼ同一平面内に位置している。
図1(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)の照明装置1では、光源部10は反射板30と反射状態の調光素子20(調光ミラー層47)とによって挟まれている。このため、光源部10で発光した光は、直接、又は反射板30と反射状態の調光素子20とで反射して、光源部10内を側面10c、10dに向かって導光する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、反射状態の調光素子20の反射率は70%程度であるため、光源部10で発光した光の大部分を側面10c、10dまで導光させることができる。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向(面状の光源部10に平行な方向、側面方向)に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、側壁面110a、110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
本例では照明装置1は室内天井の凹部に配置されているが、凹部を有しない平坦な室内天井に配置されていてもよい。この場合、側面から射出された光は室内の壁面上部を照らすことになり、同様に室内の間接照明として機能することができる。
一方、図1(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)の照明装置1では、光源部10で発光した光の多くは、直接又は反射板30で反射して調光素子20に入射し、透過状態の調光素子20を透過する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、透過状態の調光素子20の透過率は70%程度であるため、光源部10で発光した光の大部分を光射出面20aまで透過させることができる。光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向(面状の光源部10に垂直な方向、正面方向)に射出され、室内に照射される。これにより、光源部10からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
また、光源部10で発光した光の一部は、直接又は反射板30で反射して、光源部10内を側面10c、10dに向かって導光する。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、側面からの光も照明として利用することが可能となる。
以上のように本実施の形態によれば、調光素子20が反射状態であるときには、照明装置1による光の照射方向を面状の光源部10にほぼ平行な方向にすることができ、調光素子20が透過状態であるときには、光の照射方向を面状の光源部10にほぼ垂直な方向にすることができる。このため、調光素子20を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置1による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、光源部10からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
また本実施の形態では、反射状態と透過状態とを電気的に切替え可能なエレクトロクロミック素子を調光素子20として用いているため、複雑な機構を用いることなく、数ボルト程度の電圧を用いた電気的なスイッチングにより、直接照明と間接照明とを切り替えることができる。
ここで、直接照明及び間接照明のそれぞれのメリットについて述べる。直接照明のメリットは、明るさが必要な場面で、照明装置から直接到達する照明光によって十分な明るさを得ることができることである。間接照明のメリットは、床面を照らす直接照明よりも壁面を照らす間接照明の方が人間には明るく感じられるため、光源を必要以上に明るくする必要がなく節電効果が得られることである。例えば、間接照明時は、光源の明るさを小さくしても明るく感じることができる。また、間接照明の別のメリットは、面光源の側端面から射出した光が壁面で散乱されることで、高級感、快適性、ムード感を出すことができ、人間の心理に合わせた照明を実現できることである。
図4は、照明装置1の構成の変形例を示している。図4に示すように、本変形例の照明装置1は、調光素子20の光射出面20a側に設けられた散乱フィルム60(光散乱部の一例)を有している。散乱フィルム60は、入射した光を散乱させる機能を有している。散乱フィルム60を設けることにより、透過状態において光源部10からの光が調光素子20の光射出面20a(調光素子20と空気との界面)で界面反射によって内部に戻ってしまう照明光を抑制することができる。したがって、本変形例の構成によれば、透過状態において正面方向に射出する直接光の取出し効率を向上することができる。
ここで、光散乱部としては、散乱フィルム60に代えて、高分子分散型液晶を備えた液晶パネルを用いることもできる。この液晶パネルは、一対の透明基板と、両透明基板間に封止された高分子層と、高分子層中に分散された複数の液晶滴とを有している。この液晶パネルにおいて電圧無印加の状態では、液晶滴中の液晶分子がランダムな方向を向くことによって、高分子層の屈折率と液晶滴の屈折率とが異なっている。このため、高分子層と複数の液晶滴とのそれぞれの界面で光が散乱するようになっている。
図5は、照明装置1の構成の他の変形例を示している。図5に示すように、本変形例の照明装置1は、光源部10と調光素子20との間、及び調光素子20と散乱フィルム60との間にそれぞれ設けられた屈折率整合層71、72を有している。屈折率整合層71、72は、隣接する構成要素の屈折率を上限または下限とする範囲の屈折率を有した材料からなる。屈折率整合層71は、図5において光源部10の下部(例えば、有機EL素子のガラス基板)の屈折率をnaとし、調光素子20の上部(例えば、エレクトロクロミック素子のガラス基板52)の屈折率をnbとすると、屈折率整合層71は、naとnbの間の屈折率(例えば、(na+nb)/2)を有している。屈折率整合層72も同様に、調光素子20の屈折率と散乱フィルム60の屈折率との間の屈折率を有している。更に、屈折率整合層71、72は、隣接する構成要素を固定する接着剤層としても機能する。
本変形例の構成によれば、透過状態において正面方向に射出する直接光の取出し効率を、図4に示す構成よりもさらに向上することができる。屈折率整合層71、72を用いない構成と比較すると、本例の構成では光取出し効率が2〜3倍程度向上する。
なお、光源部10と調光素子20との間を屈折率整合層71を用いずに界面反射を抑制する場合には、光源部10と調光素子20との間に、光源部10の屈折率と調光素子20の屈折率との間の屈折率を有する屈折率整合剤(マッチングオイル)を充填して屈折率整合層を形成してもよい。更に、屈折率整合層71によって、光源部10と調光素子20を固定させることもできる。同様に、調光素子20と散乱フィルム60との間を屈折率整合層72を用いずに界面反射を抑制する場合には、調光素子20と散乱フィルム60との間に、調光素子20の屈折率と散乱フィルム60の屈折率との間の屈折率を有する屈折率整合剤を充填して屈折率整合層を形成してもよい。更に、屈折率整合層72によって、調光素子20と散乱フィルム60を固定させることもできる。
図6は、照明装置1の構成の変形例を示している。図6(a)、(b)に示すように、本変形例の照明装置1は、図4で示した調光素子20の光射出面20a側に設けられた散乱フィルム60に加えて、光源部10の側面10cと側面10dにも散乱フィルム61、62(光散乱部の一例)を有している。これにより、照明装置1の正面方向だけでなく、側面方向に射出する光に対しても、取出し効率を向上することができる。
間接照明時においては、特に、光源部10の側面10c、側面10dの光散乱部によって、光源で発光した光の約40〜50%を側面から取り出すことができる。これにより、光源側面に散乱部を設置しない場合の側面からの光取出し効率(20〜30%)と比較して、大きく改善することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態による照明装置について、図7を用いて説明する。図7は、本実施の形態による照明装置2の概略の断面構成を示している。図7(a)は後述する可動ミラー80が反射状態であるときの照明装置2を示しており、図7(b)は可動ミラー80が透過状態であるときの照明装置2を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置2は、第1の実施の形態の調光素子20に代えて、物理的な移動又は回転が可能な可動ミラー80(光反射透過部の一例)を有している。また本実施の形態では、凹部110の天井面100に対する深さと、照明装置2のうち反射板30及び光源部10の厚さ(照明装置2のうち可動ミラー80以外の厚さ)とが同程度である。可動ミラー80は、長方形平板状の形状を有しており、一端辺に設けられた回転軸81を中心として光源部10に対し回転可能となっている。可動ミラー80は、光源部10の直下に位置する第1の位置(図7(a)参照)と、光源部10の直下に位置しない第2の位置(図7(b)参照)とをとり得る。本例では、第1の位置にある可動ミラー80は光源部10の表面10aに面接触している。また照明装置2には、可動ミラー80を第1の位置と第2の位置との間で回転駆動させる不図示の駆動機構が設けられている。可動ミラー80が第1の位置にあるとき、光源部10からの光は、可動ミラー80によってほぼ100%の反射率で鏡面反射される。一方、可動ミラー80が第2の位置にあるとき、光源部10からの光は、可動ミラー80で反射されずに下方に射出する。すなわち、可動ミラー80は、光源部10からの光を反射する反射状態と、光源部10からの光を透過させる透過状態とを物理的な回転駆動によって切り替えることが可能である。
図7(a)に示す状態(可動ミラー80が反射状態)の照明装置2では、光源部10は反射板30と可動ミラー80とによって挟まれている。このため、光源部10で発光した光は、直接、又は反射板30と可動ミラー80とで反射して、光源部10内を側面10c、10dに向かって導光する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、可動ミラー80の反射率はほぼ100%であるため、光源部10で発光した光の大部分を側面10c、10dまで導光させることができる。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向(面状の光源部10に平行な方向)に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、側壁面110a、110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
一方、図7(b)に示す状態(可動ミラー80が透過状態)の照明装置2では、光源部10で発光した光の多くは、直接又は反射板30で反射し、光源部10の表面10aから外部に射出する。これにより、図中下向き太矢印で示すように、表面10aからほぼ鉛直下方向(面状の光源部10に垂直な方向)に射出され、室内に照射される。これにより、光源部10からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
また、光源部10で発光した光の一部は、空気との界面となる表面10aで反射して、光源部10内を側面10c、10dに向かって導光する。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、上記の直接照明に加えて、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明を行うこともできる。
以上のように本実施の形態によれば、可動ミラー80が光源部10の直下に配置されている場合(反射状態)には、照明装置2による光の照射方向を面状の光源部10にほぼ平行な方向にすることができ、可動ミラー80が光源部10の直下から離れて配置されている場合(透過状態)には、光の照射方向を面状の光源部10にほぼ垂直な方向にすることができる。このため、可動ミラー80を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置2による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、光源部10からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
本実施の形態において、直接照明を行うときに光源部10の表面10aでの反射を抑えるために、表面10a(光源部10と空気との界面)に散乱フィルムを貼付してもよい。また、光源部10と散乱フィルムとの間に屈折率整合層を設けてもよい。このように散乱フィルムや屈折率整合層を設けることによって、直接照明を行うときの光の取出し効率を飛躍的に向上させることができる。
本実施の形態の照明装置2では、可動ミラー80が第1の位置と第2の位置との間で回転可能に構成されているが、可動ミラー80は、光源部10の直下に位置する第1の位置と、光源部10の直下に位置しない第2の位置との間でスライド移動可能に構成されていてもよい。すなわち、照明装置2は、第1の位置と第2の位置との間で、可動ミラー80をスライド移動可能なスライド機構を有していてもよい。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態による照明装置について、図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態による照明装置3の概略の断面構成を示している。図8(a)は調光素子20が反射状態であるときの照明装置3を示しており、図8(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置3を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図8(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置3は、光源部10として、複数のLED92及び導光部91を備えたエッジライト型の面状光源を有している。導光部91は、例えば、空気層(図8(a)、(b)参照)や、液晶パネルを照明するエッジライト方式のバックライトの構成の様な、一定間隔で散乱部93を含む長方形平板状のアクリル板(図8(c)参照。図8(c)では光源部10のみを抜き出して示している)等によって形成されており、反射板30及び調光素子20とほぼ同一の平面形状を有している。LED92は、例えば、導光部91の側面10cに沿って一列に設けられている。LED92のそれぞれには、白色LEDが用いられている。本例では、LED92が設けられた照明装置3の一端部は天井面100によって隠されている。
図8(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)の照明装置3では、導光部91は反射板30と反射状態の調光素子20とによって挟まれている。このため、LED92で発光して側面10cから導光部91内に入射した光は、直接、又は反射板30と反射状態の調光素子20とで反射して、導光部91内を側面10dに向かって導光する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、反射状態の調光素子20の反射率は70%程度であるため、LED92で発光して導光部91内に入射した光の大部分を側面10dまで導光させることができる。側面10dに到達した光は、図中右向き太矢印で示すように、側面10dからほぼ水平方向(面状光源に平行な方向)に射出され、側壁面110bに照射される。これにより、側壁面110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
一方、図8(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)の照明装置3では、LED92で発光して導光部91内に入射した光の多くは、直接又は反射板30で反射して調光素子20内に入射し、透過状態の調光素子20を透過する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、透過状態の調光素子20の透過率は70%程度であるため、LED92で発光して導光部91内に入射した光の大部分を光射出面20aまで透過させることができる。光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向(面状光源に垂直な方向)に射出され、室内に照射される。これにより、面状光源からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、調光素子20を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置3による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、面状光源からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
本実施の形態では、導光部91の一端部のみにLED92が配置されているが、LED92は導光部91の2つ以上の端部に配置してもよい。また本実施の形態では、点状光源となるLED92が導光部91の端部に配置されているが、導光部91の端部には直管型蛍光管等の線状光源を配置してもよい。
本実施の形態において、図5に示す構成と同様に、調光素子20の光射出面20a上に散乱フィルムを設けてもよいし、LED92と導光部91との間、導光部91と調光素子20との間、及び調光素子20と散乱フィルムとの間などに、屈折率整合層を設けてもよい。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態による照明装置について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、本実施の形態による照明装置4の概略の断面構成を示している。図9(a)は調光素子20が反射状態であるときの照明装置4を示しており、図9(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置4を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図9(a)、(b)に示すように、本実施形態の面状光源は、LED131、散乱層132が第1の透明基板141及び第2の透明基板142に狭持され、LED131と散乱層132との間に空気層133またはアクリル樹脂層が形成された構成を有している。第1の透明基板141のLED131に対向する面には反射板30が設けられ、第2の透明基板142の散乱層132と接する表面の対向側には調光素子20が配置されて、本実施形態の照明装置4が構成されている。調光素子20は、対向配置された第3の透明基板143及び第4の透明基板144と、両透明基板143、144間に封止され、Agイオンを含有する電解質層145と、電解質層145を挟んで両透明基板143、144上に形成された一対の透明導電膜(図示せず)とを有している。以上のように図9(a)、(b)に示す照明装置4は、反射板30側から順に、4枚の透明基板141、142、143、144を有している。
図9(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)の照明装置4では、LED131、空気層133及び散乱層132は反射板30と反射状態の調光素子20とによって挟まれている。このため、LED131で発光して、空気層133を通過し散乱層132に入射した光は、散乱されながら反射状態の調光素子20で反射し、空気層133、第1の透明基板141、第2の透明基板142、第3の透明基板143からなる導光部を通じて、側面10c、10dに向かって導光する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、反射状態の調光素子20の反射率は70%程度であるため、LED131で発光した光の大部分を側面10c、10dまで導光させることができる。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向(面状光源に平行な方向)に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、側壁面110a、110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
一方、図9(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)の照明装置4では、LED131で発光して、導光部の一部である空気層133を通過し散乱層132に入射した光の多くは、直接又は反射板30で反射して調光素子20内に入射し、透過状態の調光素子20を透過する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、透過状態の調光素子20の透過率は70%程度であるため、LED131で発光した光の大部分を光射出面20aまで透過させることができる。光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向(面状光源に垂直な方向)に射出され、室内に照射される。これにより、面状光源からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
本実施の形態では、導光部の一部として空気層133が用いられているが、アクリル樹脂層等も用いることができる。
本実施の形態において、図5に示す構成と同様に、調光素子20の光射出面20a上に散乱フィルムを設けてもよいし、LED131と空気層133との間、空気層133と散乱層132との間、散乱層132と調光素子20との間、及び調光素子20と散乱フィルムとの間などに、屈折率整合層を設けてもよい。
また、調光素子20を反射状態にする場合、Ag膜は透明基板143側及び透明基板144側のいずれにも析出させることができる。しかしながら、Ag膜を透明基板144側に析出させると電解質層145での光吸収ロスが生じるため、光源に近い透明基板143側に析出させるのがより好ましい。
図10(a)、(b)は、照明装置4の構成の変形例を示している。図10(a)に示すように、照明装置4の透明基板142と透明基板143は共通した1枚の透明基板146で置き換えてもよい。これにより、面状光源及び調光素子20の厚みを薄くすることができるため、照明装置4を薄型化できる。
また、図10(b)に示すように、照明装置4の散乱層132、透明基板142、143は、散乱機能を有する1枚の透明基板147で置き換えてもよい。散乱機能を有する透明基板147は、例えば、アクリル樹脂中に微小な粒子(例えば、粒径1.0〜7.0μmφ)を分散させることにより形成することができる。なお、透明基板147の電解質層145側の表面には、透明導電膜(図示せず)が形成されている。これにより、面状光源及び調光素子20の厚みを薄くすることができるため、照明装置4を薄型化できる。また、光射出面20aから取り出される光をより均一にすることができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、調光素子20を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置4による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、面状光源からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態による照明装置について、図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態による照明装置5の概略の断面構成を示している。図11(a)は調光素子20が反射状態であるときの照明装置5を示しており、図11(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置5を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図11(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置5は、光源部10として、コンパクト型の蛍光管150を備えた面状光源を有している。コンパクト型の蛍光管150は、一平面内で発光管が折り曲げられた構造、又は一平面内で並列配置された複数の発光管がブリッジで結合された構造を有しており、一端側にのみ電極151を備えている。本例では、電極151を含む照明装置5の一端部は天井面100によって隠されている。
図11(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)の照明装置5では、蛍光管150は反射板30と反射状態の調光素子20とによって挟まれている。このため、蛍光管150で発光した光は、直接、又は反射板30と反射状態の調光素子20とで反射して、蛍光管150内を側面10dに向かって導光する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、反射状態の調光素子20の反射率は70%程度であるため、蛍光管150で発光した光の大部分を側面10dまで導光させることができる。側面10dに到達した光は、図中右向き太矢印で示すように、側面10dからほぼ水平方向(面状光源に平行な方向)に射出され、側壁面110bに照射される。これにより、側壁面110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
一方、図11(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)の照明装置5では、蛍光管150で発光した光の多くは、直接又は反射板30で反射して調光素子20内に入射し、透過状態の調光素子20を透過する。反射板30の反射率はほぼ100%であり、透過状態の調光素子20の透過率は70%程度であるため、蛍光管150で発光した光の大部分を光射出面20aまで透過させることができる。光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向(面状光源に垂直な方向)に射出され、室内に照射される。これにより、蛍光管150からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、調光素子20を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置5による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、蛍光管150からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
本実施の形態において、図5に示す構成と同様に、調光素子20の光射出面20a上に散乱フィルムを設けてもよいし、蛍光管150と調光素子20との間、及び調光素子20と散乱フィルムとの間などに、屈折率整合層を設けてもよい。
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態による照明装置について、図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態による照明装置6の概略の断面構成を示している。図12(a)は調光素子20が反射状態であるときの照明装置6を示しており、図12(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置6を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置6は、光源部10として、発光シート(シート状の光源)160を有している。本例の発光シート160には、市販されている無機ELシート(シート状の無機EL素子)が用いられている。一般に、発光シート160の外周部には枠状のカバー161が取り付けられている。このため、上述の各種面状光源とは異なり、発光シート160の側面10c、10dから光を取り出すことは困難である。本実施の形態では、調光素子20が反射状態であるとき照明装置6の側方から水平方向に射出する光を取り出すために、発光シート160の表面10aのうちの外周部に、光源部10の一部としてプリズム(例えば直角プリズム)170が設けられている。プリズム170は、発光シート160の表面10aから鉛直下向きに射出した光の進行方向を90°曲げて、光射出面170aから水平方向に射出させる機能を有している。調光素子20は、発光シート160の表面10aのうち、プリズム170が設けられた外周部を除く部分(内周部)に配置されている。
図12(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)の照明装置6では、発光シート160の内周部は、反射板30と反射状態の調光素子20とによって挟まれている。このため、発光シート160の内周部で発光した光は、反射板30と反射状態の調光素子20とで反射して、発光シート160内を外周部に向かって導光する。発光シート160内の導光によって外周部に到達した光の一部や、発光シート160の外周部で発光した光の一部は、プリズム170に入射する。プリズム170に入射した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、プリズム170の光射出面170aからほぼ水平方向に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、側壁面110a、110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
一方、図12(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)の照明装置6では、発光シート160の内周部で発光した光は、調光素子20内に入射して透過状態の調光素子20を透過する。調光素子20を透過して光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向に射出され、室内に照射される。これにより、発光シート160からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、調光素子20を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置6による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、発光シート160からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
本実施の形態において、調光素子20の光射出面20a上やプリズム170の光射出面170a上に散乱フィルムを設けてもよいし、発光シート160と調光素子20との間、発光シート160とプリズム170との間、調光素子20と散乱フィルムとの間、及びプリズム170と散乱フィルムとの間などに、屈折率整合層を設けてもよい。
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態による照明装置について、図13を用いて説明する。図13は、本実施の形態による照明装置7の概略の断面構成を示している。図13(a)は調光素子20が反射状態であるときの照明装置7を示しており、図13(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置7を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図13(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置7は、光源部10として、太陽光を室内に取り入れるための光ダクト180を有している。光ダクト180は、太陽光を取り入れる採光部181と、採光部181で取り入れられた光を内壁面での反射により導光(伝搬)させる導光部182と、導光部182を導光した光を室内に放光するために導光部182の底部が開口された放光部183とを有している。導光部182の内壁面には、AlやAg等の高反射率材料を用いて形成された反射膜と、赤外光を吸収する積層膜とが形成されている。また、導光部182の外壁面のうち放光部183の周囲(特に、光の進行方向側)には、例えば内壁面と同様の反射膜が形成されている。放光部183の直下には、平面視で放光部183よりも大きい大きさを有する調光素子20が配置されている。調光素子20と導光部182の外壁面(放光部183よりも光の進行方向側)との間には、所定の間隙184が形成されている。
図13(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)の照明装置7では、放光部183から放光された光の一部は、図中の光線L1で示すように、反射状態の調光素子20と導光部182外壁面とによって反射され、間隙184を照明装置7の側方に向かって導光する。間隙184を導光した光は、図中右向き太矢印で示すように、照明装置7からほぼ水平方向に射出され、室内190の天井面又は壁面に照射される。これにより、天井面又は壁面での反射光を用いた室内190の間接照明を行うことができる。
一方、図13(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)の照明装置7では、放光部183から放光された光は、図中の光線L2で示すように、調光素子20に入射して透過状態の調光素子20を透過する。調光素子20の光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向に射出され、室内190に照射される。これにより、光ダクト180から放光される直接光を用いた室内190の直接照明を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、調光素子20を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置7による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、光ダクト180から放光される直接光を用いた直接照明と、天井面又は壁面での反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
また本実施の形態によれば、太陽光を光源として利用しているため、光源に電力供給を必要とせず、照明装置の省エネルギー化を実現できる。
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態による照明装置について、図14を用いて説明する。図14は、本実施の形態による照明装置208の概略の断面構成を示している。図14(a)は調光素子20が反射状態であるときの照明装置208を示しており、図14(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置208を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図14(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置208は、光源部10として、透明基板(ガラス基板)230と、透明基板230上に形成された蛍光体層231と、蛍光体励起用光源としてのLED232とを有している。透明基板230上の蛍光体層231は、スピンコート法等によって形成されている。本実施の形態では、光源部10からの光を正面または側面方向へ導光する導光部は、透明基板230及び蛍光体層231からなる。本例の反射板30には部分的に開口部(透明部分)30aが形成されており、LED232は当該開口部30aを介して蛍光体層231に光を照射可能である。
図14(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)の照明装置208では、LED232からの光は、蛍光体層231の蛍光分子を励起・発光させる。励起光や発光した光の大部分は透明基板230内又は蛍光体層231内を導光し、基板の側面方向へ出射される(間接照明)。
一方、図14(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)の照明装置208では、蛍光体層231での励起光や発光した光の大部分は、透明基板230及び透過状態の調光素子20を通過して、正面方向へと出射される。又、発光した光の一部は、透明基板230内又は蛍光体層231内を導光し、側面方向へ出射する(直接照明)。
図14(c)は、照明装置208の構成の変形例を示している。図14(c)に示すように、本変形例の照明装置208は、透明基板230及び蛍光体層231に代えて、蛍光体分散基板233を有している。蛍光体分散基板233は、例えば、アクリル樹脂中に蛍光体を分散させることにより形成される。本変形例では、光源部10からの光を正面又は側面方向へ導光する導光部は、蛍光体分散基板233からなる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、調光素子20を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置208による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、蛍光体層231又は蛍光体分散基板233からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
また本実施の形態によれば、面状光源の全面に蛍光体が存在するため、光源としての照射不均一性を軽減することができる。
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態による照明装置について、図15を用いて説明する。図15は、本実施の形態による照明装置8の概略の断面構成を示している。図15(a)は後述する光反射透過板200が反射状態であるときの照明装置8を示しており、図15(b)は光反射透過板200が透過状態であるときの照明装置8を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置8は、第1の実施の形態の調光素子20に代えて、光反射透過板200(光反射透過部の一例)を有している。光反射透過板200は、コレステリック液晶を備えた少なくとも1層の液晶パネルを有しており、本例では、3層の液晶パネル200r、200g、200bが積層された構成を有している。
各液晶パネル200r、200g、200bは、それぞれ透明電極が形成された一対の透明基板の間にコレステリック液晶が封止された構成を有している。コレステリック液晶は、棒状の分子が幾重にも重なる層状の構造を持っている。各層内ではそれぞれの分子が一定方向に配列しており、互いの層は分子の配列方向が螺旋状になるように集積している。コレステリック液晶は、プレーナ状態とフォーカルコニック状態の2つの状態で安定する双安定性を有している。
プレーナ状態では、液晶分子は基板法線方向を螺旋軸とする螺旋構造を一定周期で形成する。プレーナ状態の液晶層は、螺旋ピッチpに応じた所定の波長範囲でかつ螺旋の巻き方向と同じ向きの円偏光を選択反射する。反射が最大となる選択反射中心波長λは、液晶の平均屈折率nと螺旋ピッチpとの積で表される(λ=n・p)。平均屈折率nは液晶層に含まれる液晶材料やカイラル剤で決定される。螺旋ピッチpは、液晶材料に含まれるカイラル剤の含有率で決定される。また、選択反射波長幅は、下限がλ−Δλであり上限がλ+Δλである。ここで、Δλは、液晶の屈折率異方性Δnと螺旋ピッチpとの積Δn・pに等しい。
プレーナ状態の液晶に所定の電圧を印加すると、フォーカルコニック状態になる。フォーカルコニック状態では、液晶分子は基板に平行な方向を螺旋軸とする螺旋構造を形成する。フォーカルコニック状態では、液晶層による光の選択反射性は失われ、ほとんどの光が透過する。フォーカルコニック状態の液晶に大きい電圧を印加してホメオトロピック状態にした後、急激に電界を0にすると、プレーナ状態に戻る。
本例の液晶パネル200rには、赤色光の波長範囲を選択反射可能なコレステリック液晶が封止されている。液晶パネル200gには、緑色光の波長範囲を選択反射可能なコレステリック液晶が封止されている。液晶パネル200bには、青色光の波長範囲を選択反射可能なコレステリック液晶が封止されている。液晶パネル200r、200g、200bの液晶層がいずれもプレーナ状態に駆動されると、光反射透過板200は、可視光のほぼ全波長範囲で入射光を反射する反射状態となる。ただし、本例の光反射透過板200で反射されるのは一方の円偏光のみであるため、反射率は最大で50%程度である。反射状態での反射率をさらに増加させるため、螺旋の巻き方向の異なる液晶層を備えた液晶パネルをさらに積層してもよい。また、液晶パネル200r、200g、200bの液晶層がいずれもフォーカルコニック状態に駆動されると、光反射透過板200は、可視光のほぼ全波長範囲で入射光を透過させる透過状態となる。すなわち、光反射透過板200は、各液晶パネルの駆動電圧を制御することによって、反射状態と透過状態とを可逆的に切り替えることが可能である。
図15(a)に示す状態(光反射透過板200が反射状態)の照明装置8では、光源部10は反射板30と反射状態の光反射透過板200とによって挟まれている。このため、光源部10で発光した光は、直接、又は反射板30と反射状態の光反射透過板200とで反射して、光源部10内を側面10c、10dに向かって導光する。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、側壁面110a、110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
一方、図15(b)に示す状態(光反射透過板200が透過状態)の照明装置8では、光源部10で発光した光の多くは、直接又は反射板30で反射して光反射透過板200内に入射し、透過状態の光反射透過板200を透過する。光反射透過板200を透過して光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向に射出され、室内に照射される。これにより、光源部10からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、光反射透過板200を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置8による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、光源部10からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
また、本実施の形態で光反射透過板200に用いられるコレステリック液晶は、反射型ディスプレイや電子ペーパーなどの多くの実用化例があるため、耐久性や信頼性が高いと考えられる。
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態による照明装置について、図16を用いて説明する。図16は、本実施の形態による照明装置9の概略の断面構成を示している。本実施の形態では、調光素子20として、例えば、図3に示したエレクトロデポジション方式のエレクトロクロミック素子(Mg−Ni合金の水素化を利用した方式(図2)でも良い)が用いられている。エレクトロデポジション方式のエレクトロクロミック素子では、電圧印加によって銀塩を基板界面に析出させるのに数分程度の時間がかかる。このため、電圧印加時間次第では、透過状態と反射状態との中間の状態であるハーフミラー状態を生成することができる。ハーフミラー状態は、基板界面への銀塩の析出量が反射状態よりも少なく透過状態よりも多い状態である。
本実施の形態の調光素子20は、電圧無印加時には透過状態となり、数分程度以上電圧を印加したときには反射状態(完全な鏡状態)となり、数秒程度電圧を印加したときにはハーフミラー状態となる。なお、電圧印加を停止すると析出した銀塩が電解質層に溶解してしまうため、ハーフミラー状態を長時間維持する場合には、数秒程度の電圧印加を断続的に繰り返してもよい。ハーフミラー状態の調光素子20は、反射状態よりも低くかつ透過状態よりも高い反射率を有している。またハーフミラー状態の調光素子20は、透過状態よりも低くかつ反射状態よりも高い透過率を有している。
図16(a)は調光素子20が反射状態であるときの照明装置9を示しており、図16(b)は調光素子20が透過状態であるときの照明装置9を示しており、図16(c)は調光素子20がハーフミラー状態であるときの照明装置9を示している。図16(a)に示す状態(調光素子20が反射状態)では、図1(a)に示した状態と同様に、側壁面110a、110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。図16(b)に示す状態(調光素子20が透過状態)では、図1(b)に示した状態と同様に、光源部10からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
図16(c)に示す状態(調光素子20がハーフミラー状態)では、光源部10で発光した光の一部(例えば半分程度)は、直接、又は反射板30とハーフミラー状態の調光素子20とで反射して、光源部10内を側面10c、10dに向かって導光する。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、光源部10で発光した光の一部を用いて、室内の間接照明を行うことができる。
またこの状態では、光源部10で発光した光の一部(例えば半分程度)は、ハーフミラー状態の調光素子20を透過する。調光素子20の光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向に射出され、室内に照射される。これにより、光源部10で発光した光の一部を用いて、室内の直接照明を行うことができる。
以上のように本実施の形態の照明装置9によれば、室内の直接照明と間接照明とを切り替えることができることに加えて、直接照明と間接照明とを同時に行うことができる。例えば、間接照明を行っている状態で室内を少し明るくしたい場合や、直接照明を行っている状態で部屋を少し暗くしたい場合などに有効である。ハーフミラー状態での直接照明及び間接照明のそれぞれの光量の比率は、調光素子20の電圧印加時間を調節することによって変更することができる。
[第11の実施の形態]
次に、本発明の第11の実施の形態による照明装置について、図17を用いて説明する。図17は、本実施の形態による照明装置210の概略の断面構成を示している。図17(a)は後述する光反射透過板220が反射状態であるときの照明装置210を示しており、図17(b)は光反射透過板220が透過状態であるときの照明装置210を示している。なお、第1の実施の形態による照明装置1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図17(a)、(b)に示すように、本実施の形態による照明装置210は、第1の実施の形態の調光素子20に代えて、光反射透過板220(光反射透過部の一例)を有している。光反射透過板220は、コロイドフォトニック結晶(チューナブルフォトニック結晶)をそれぞれ含む3層のコロイドフォトニック結晶層220r、220g、220bが積層された構成を有している。
一般に、コロイドフォトニック結晶は、ブラッグ反射により所定の波長範囲の光を選択反射する。選択反射される光の波長範囲は、コロイドフォトニック結晶に含まれる溶媒(エタノール)の濃度によって変化する。コロイドフォトニック結晶は、エタノールの濃度が70%の場合には赤色光の波長範囲を選択反射し、エタノールの濃度が80%の場合には緑色光の波長範囲を選択反射し、エタノールの濃度が数十%(例えば20%)の場合には青色光の波長範囲を選択反射する。またコロイドフォトニック結晶は、エタノールの濃度が60%の場合には可視光のほぼ全波長範囲に対して透明になる。
本実施の形態において、光反射透過板220を反射状態にする場合には、コロイドフォトニック結晶層220r、220g、220bに含まれるエタノールの濃度をそれぞれ70%、80%、20%に制御する。これにより光反射透過板220は、可視光のほぼ全波長範囲で入射光を反射する。一方、光反射透過板220を透過状態にする場合には、コロイドフォトニック結晶層220r、220g、220bに含まれるエタノールの濃度をいずれも60%に制御する。これにより光反射透過板220は、可視光のほぼ全波長範囲で入射光を透過させる。
光反射透過板220が反射状態になると、図17(a)に示すように、光源部10で発光した光は、直接、又は反射板30と反射状態の光反射透過板220とで反射して、光源部10内を側面10c、10dに向かって導光する。側面10c、10dに到達した光は、図中左向き及び右向き太矢印で示すように、側面10c、10dからほぼ水平方向に射出され、側壁面110a、110bに照射される。これにより、側壁面110a、110bでの反射光を用いた室内の間接照明を行うことができる。
光反射透過板220が透過状態になると、図17(b)に示すように、光源部10で発光した光の多くは、直接又は反射板30で反射して光反射透過板220内に入射し、透過状態の光反射透過板220を透過する。光反射透過板220を透過して光射出面20aに到達した光は、図中下向き太矢印で示すように、光射出面20aからほぼ鉛直下方向に射出され、室内に照射される。これにより、光源部10からの直接光を用いた室内の直接照明を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、光反射透過板220を反射状態及び透過状態の間で切り替えることによって、照明装置210による光の照射方向を容易に約90°切り替えることができる。したがって、光源部10からの直接光を用いた直接照明と、側壁面110a、110bでの反射光を用いた間接照明とを容易に切り替えることができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、照明装置を凹部110に取り付け、凹部110の側壁面110a、110bでの反射光を用いて間接照明を行っているが、照明装置を天井面100に取り付け、天井面100での反射光を用いて間接照明を行ってもよい。
また上記の実施の形態において、照明装置の照明光の色は白色に限定されない。例えば、図18(a)に示すように、R、G、Bの各色の光を発光する複数組のLED240r、240g、240bを光源部10に用い、LED240r、240g、240bの発光強度を色毎に制御することにより、照明装置の照明光を白色以外の任意の色にすることができる。
また、図18(b)に示すように、光源部10には白色光を発光する光源を用いるとともに、例えば、着色状態と無色透明状態とを切替え可能なエレクトロクロミック素子(特許文献4参照)やエレクトロフォレティック(電気泳動)素子等をカラーフィルタ層250として調光素子20の光射出面20a側に設けることにより、照明装置の照明光を白色以外の任意の色にすることができる。
また上記実施の形態では、照明装置が室内の天井(図19(a)、(b)参照)に設けられているが、室内の壁(図20(a)、(b)参照)、床(図21(a)、(b)参照)、壁と天井(又は床)の間(図22(a)、(b)参照)等に設けられていてもよい。
また上記の各実施の形態に記載されている技術的特徴(構成要件)は、互いに組合せ可能であり、組み合わせることによって新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、照明装置の分野において広く利用可能である。
1、2、3、4、5、6、6、7、8、9、208、210、212 照明装置
10 光源部
10a、10b 表面
10c、10d 側面
20 調光素子
20a 光射出面
30 反射板
30a 開口部
41、51、52、141、142、143、144、146、147、230 透明基板
42、53、54 透明導電膜
43 イオン貯蔵層
44 固体電解質層
45 バッファ層
46 触媒層
47 調光ミラー層
48、57 電源回路
55 シール材
56、145 電解質層
58 鏡面層
60、61、62 散乱フィルム
71、72 屈折率整合層(接着剤層)
80 可動ミラー
81 回転軸
91 導光部
92、131、232、240r、240g、240b LED
93 散乱部
100 天井面
110 凹部
110a、110b 側壁面
120a、120b 空間
132 散乱層
133 空気層
150 蛍光管
151 電極
160 発光シート
161 カバー
170 プリズム
170a 光射出面
180 光ダクト
181 採光部
182 導光部
183 放光部
184 間隙
190 室内
200、220 光反射透過板
200r、200g、200b 液晶パネル
220r、220g、220b コロイドフォトニック結晶層
231 蛍光体層
233 蛍光体分散基板
250 カラーフィルタ層

Claims (5)

  1. 面状に光を放出する光源部と、
    前記光源部の光出射面側に配置され、一対の表面と前記表面の周囲に形成された側面とを備え、前記表面の少なくとも一方及び前記側面から光を射出する導光部と、
    前記導光部の前記光源部と他方側に配置され、前記導光部の前記表面からの光を反射する反射状態と、前記導光部の前記表面からの光を透過させる透過状態とを切替え可能な光反射透過部と
    を有することを特徴とする照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置において、
    前記光源部の前記光出射面の他方側に配置され、前記光源部からの光を反射する光反射部をさらに有すること
    を特徴とする照明装置。
  3. 請求項1又は2に記載の照明装置において、
    前記光反射透過部は、エレクトロクロミック素子、可動ミラー、コレステリック液晶、チューナブルフォトニック結晶のいずれかを有していること
    を特徴とする照明装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の照明装置において、
    前記光源部、光反射透過部、導光部、光反射部の隣接する界面の少なくとも一つには、隣接する構成要素の屈折率を上限または下限とする範囲の屈折率を有した材料からなる、屈折率整合層を有していること
    を特徴とする照明装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の照明装置において、
    光を散乱させる光散乱部を、少なくとも前記光が出射される表面もしくは側面方向のいずれかに有すること
    を特徴とする照明装置。
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