JP2014084651A - 水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の水栓装置1は、複数の流路のうちから所定の流路を吐水流路として選択して切り替え可能な流路切替部28,30と、水栓装置本体から取り外し可能に設けられた吐水ヘッド部8と、流路切替部と吐水ヘッド部との間に接続された管部材16,18と、を有し、この管部材は、外側管部36,74とその内部にほぼ同心状に配置された内側管部38,72とからなり、内側管部の内周側に内側吐水流路38a,72aを形成すると共に、内側管部の外周面と外側管部の内周面との間に外側吐水流路36a,74aを形成し、内側管部の少なくとも一部の区間72は、内側吐水流路内又は外側吐水流路内の水圧によって弾性変形可能な弾性材料により形成されている。
【選択図】図12
Description
このような混合水栓装置は、混合水栓装置本体に内蔵されて給水管及び給湯管が接続されたバルブカートリッジと、混合水栓装置本体に固定されたスパウトを備えている。このスパウトの内部には、バルブカートリッジを通過した原水が直接的に流入する原水側流路が形成されている。また、スパウトの内部には、原水側流路とは独立に、バルブカートリッジから延びる浄水側配管が延びて浄水側流路が形成されており、この浄水側流路には、バルブカートリッジから浄水側流路内に流入した原水を浄化するための浄水カートリッジが設けられている。
また、上述した特許文献2及び3に記載されている従来の混合水栓装置では、二重ホースの流路断面積が、二重ホースと同一径の単一ホースの流路断面積に比べて小さくなるため、二重ホースと同一径の単一ホースを用いた場合には、吐水流量が低下してしまうという問題がある。さらに、上述した特許文献2では、使用時には、二重ホースの小径ホース内に形成される内側流路と、小径ホースの外周面と大径ホースの内周面との間に形成される外側流路の双方では、互いに逆方向に水がそれぞれ流れて常時互いの水圧が作用するような構造であり、上述した特許文献3では、二重ホースの下流側のスパウトの先端の吐水部で吐水の種類を切り替え、二重ホースの内側流路と外側流路の双方で常時互いの水圧が作用するような構造であるため、二重ホース内の内側流路や外側流路の流路断面積を適宜変更することができず、スパウトから吐水される吐水の種類にかかわらず一定の吐水流量を確保することが難しいという問題もある。
さらに、上述した特許文献4に記載されている従来の混合水栓装置では、吐出管の仕切り壁の端部(付け根部分)に水道水路や浄水路内の水圧等による繰り返し応力が作用し、破損も生じやすいため、耐久性が低く、吐出管に隣接する周辺部材との接続も難しいという問題がある。
このように構成された本発明においては、二重管部のうちの内側管部の内側吐水流路内を水が流れる際には、内側管部の弾性材料で形成された区間(以下「内側管部の弾性区間」)が内側吐水流路内の水圧により半径方向外側に拡張するように弾性変形し、内側管部の内側吐水流路の断面積が増大し、内側管部の外周面と外側管部の内周面との間の外側吐水流路(以下「内側管部の外側吐水流路」)の断面積が減少する。一方、内側管部の外側吐水流路内を水が流れる際には、内側管部の弾性区間が外側吐水流路内の水圧により内側管部が半径方向内側に押圧されるように弾性変形し、内側管部の内側吐水流路の断面積が減少し、内側管部の外側吐水流路の断面積が増大する。これにより、二重管部の上流側の流路切替部で選択的に切り替えた吐水について、内側管部の内側吐水流路を流れる流体又は内側管部の外側吐水流路を流れる流体として選択的に流すことができる。したがって、二重管部の内側吐水流路内の吐水と外側吐水流路内の吐水を互いに混合させることなく、それぞれの吐水流路の断面積を増大させることができ、管部材の下流側の吐水ヘッド部から吐水する際の流量を増大させることができる。
このように構成された本発明においては、管部材の二重管部がバルブカートリッジ部の下流側と吐水ヘッド部との間に接続されているため、シングルレバー式の混合水栓装置本体の操作ハンドルによる吐水モードを選択的に切り替えた吐水操作を行うだけで、バルブカートリッジ部から二重管部を経て吐水ヘッド部へ流れる浄水用の原水と非浄水用の原水のそれぞれの流路を二重管部の上流側で容易に選択的に切り替えることができる。また、吐水ヘッド部とこれに接続されている管部材をシングルレバー式の混合水栓装置本体から取り外し、引き出した状態で使用することもできるため、使い勝手もよい。
このように構成された本発明においては、管部材の外側管部の外側が補強層により覆われているため、外側管部の内部に大きな水圧が作用したとしても、外側管部の流路断面が半径方向外側に所定以上に拡張することを防ぐことができ、外側管部が破裂する等の管部材の損傷を防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、混合水栓装置本体に内蔵された流路切替部の本体部が、浄水用原水流路又は非浄水用原水流路の一方と外側管部とを接続する外側管接続部と、浄水用原水流路又は非浄水用原水流路の他方と内側管部とを接続する内側管接続部とを備えていることにより、混合水栓装置本体と二重管部を直接的に接続することができる簡易な構造であるため、施工性を向上させることができる。
このように構成された本発明においては、本体部の外側管接続部が内側管接続部よりも下流側に位置しており、浄水用原水流路及び上記非浄水用原水流路は、外側管接続部よりも上流側において、それぞれの流路断面の中心軸線が互いに偏心していることにより、本体部の外側管接続部よりも上流側で浄水用原水流路と非浄水用原水流路とが互いに別々の流路として形成されているため、これら別々の浄水用原水流路及び非浄水用原水流路と本体部の上流側のバルブカートリッジ部に形成される流路とを容易に接続することができる。
このように構成された本発明においては、本体部の浄水用原水流路又は非浄水用原水流路の何れか一方の下流側が、本体部のほぼ水平方向に延びる接続流路を介して外側管接続部に接続されている簡単な構成により、浄水用原水流路内の浄水用原水又は非浄水用原水流路内の非浄水用原水の何れか一方を外側管接続部に容易に供給することができる。
このように構成された本発明においては、接続流路を本体部に形成する際、本体部の外周側からほぼ水平方向内側に向かって、接続流路と接続すべき本体部の浄水用原水流路又は非浄水用原水流路の何れか一方に連通するまで穴開け加工を行った後、本体部の外周部付近に形成された接続流路の開口部分を蓋体で塞ぐ加工を行うことができるため、簡単な加工で本体部に接続流路を容易に形成することができる。
まず、図1は、本発明の一実施形態による水栓装置を示す概略斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態による水栓装置の側面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による水栓装置1は、給湯源(図示せず)に接続された給湯管2から供給される湯と、給水源(図示せず)に接続された給水管4から供給される水とを混合し、1つの操作ハンドル6を操作することにより湯水の流量と温度を調整した湯水を吐水ヘッド部8の吐水部8aで吐止水することができ、さらに、操作ハンドル6を浄水吐水モードに設定することにより吐水ヘッド部8の吐水部8aで浄水を吐止水することもできる浄水機能を備えた、いわゆる、シングルレバー式の混合水栓装置本体10を有する。
一方、操作ハンドル6を最も下方(図1に示されている矢印「閉」の方向)の位置に回動操作した場合には、吐水ヘッド部8の吐水部8aから吐出される湯水を止水状態に設定することができるようになっている。
また、吐水ヘッド部8の前端部には、吐水部8aにおいてシャワー状の吐水を行う吐水モード(以下「シャワー吐水モード」)又はストレート状の吐水を行う吐水モード(以下「ストレート吐水モード」)に切り替える切替スイッチ8bが設けられている。
さらに、図1及び図2に示すように、吐水ヘッド8の後端部(上流側)は、詳細は後述するホース部材16が接続され、このホース部材16の上流側は、混合水栓装置本体10に内蔵されている詳細は後述する流路形成部材(図示せず)に接続された鋼管部材18と接続部材20によって接続されている。
図3及び図4に示すように、混合水栓装置本体10には、固定弁体22と、この固定弁体22上に摺動可能に設けられた可動弁体24と、この可動弁体24に連結されて可動弁体24を操作する操作部26とを備えたバルブカートリッジ28が内蔵されている。このバルブカートリッジ28は、操作ハンドル6の操作によりバルブカートリッジ28の操作部26を操作すると、可動弁体24が固定弁体22の上面に沿って摺動又は回動することにより、可動弁体24の流路と固定弁体22の流路との連通状態を切り替えることができるようになっている。これにより、混合水栓装置本体10内の複数の流路のうちから所定の流路を吐水流路として選択して切り替えることができ、吐水ヘッド部8の吐水部8aにおける吐水モードを上述した止水モード、水吐水モード、湯水混合吐水モード、湯吐水モード、又は浄水吐水モードのいずれかに切り替えることができるようになっている。
まず、図5の(a)は、本発明の一実施形態による水栓装置の操作ハンドルを止水モードに設定した状態を示す概略平面図であり、図5の(b)は、止水モードに設定した状態の水栓装置の流路形成部材、その上方の固定弁体、及びその上方の可動弁体における各流路の連通状態を概略的に示す平面図である。
図5の(a)に示すように、止水モードの操作ハンドル6は、その先端部6aが正面側に差し向けられた操作位置P0となる。また、操作ハンドル6は最も下方(図1に示されている矢印「閉」の方向)の位置に回動操作されている。
このとき、図5の(b)に示すように、可動弁体24における固定弁体22側(可動弁体24の上流側)からの吐水が流入する一次側流路24aは、閉鎖されている。すなわち、可動弁体24の一次側流路24aは、固定弁体22の一次側湯流路22a及び一次側水流路22bのそれぞれ、並びに流路形成部材30の一次側湯流路30a及び一次側水流路30bのそれぞれとも連通していない。
また、可動弁体24の一次側流路24aから流入する吐水を固定弁体22側(可動弁体24の下流側)に吐出させる可動弁体24の二次側流路24bは通水されていない状態となる。すなわち、可動弁体24の二次側流路24bは、固定弁体22の二次側非浄水用原水流路22c及び二次側浄水用原水流路22dのそれぞれ、並びに流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30c及び二次側浄水用原水流路30dのそれぞれとも連通していない。
図6の(a)に示すように、水吐水モードの操作ハンドル6の操作位置P1は、止水モードの操作ハンドル6の操作位置P0に対して、先端部6aを混合水栓装置本体10の鉛直方向の中心軸線A1を中心に図6の(a)の水平方向右側にわずかに回動させた操作位置となる。そして、操作ハンドル6は上方(図1に示されている矢印「開」の方向)に回動操作した状態となる。
このとき、図6の(b)に示すように、可動弁体24の一次側流路24aは、固定弁体22の一次側水流路22b及び流路形成部材30の一次側水流路30bのそれぞれと連通している状態となる。
また、可動弁体24の二次側流路24bは、固定弁体22の二次側非浄水用原水流路22c及び流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cのそれぞれと連通している状態となる。
さらに、本実施例においては操作ハンドル6の先端部6aが正面側に差し向けられた操作位置P0とした場合であっても、操作ハンドル6を上方(図1に示されている矢印「開」の方向)に回動操作した状態で水が吐水されるように設定されている。
図7の(a)に示すように、湯吐水モードの操作ハンドル6の操作位置P2は、止水モードの操作ハンドル6の操作位置P0に対して、先端部6aを混合水栓装置本体10の鉛直方向の中心軸線A1を中心に図7の(a)の水平方向左側に回動させた操作位置となる。そして、操作ハンドル6は上方(図1に示されている矢印「開」の方向)に回動操作した状態となる。
このとき、図7の(b)に示すように、可動弁体24の一次側流路24aは、固定弁体22の一次側湯流路22a及び流路形成部材30の一次側湯流路30aのそれぞれと連通している状態となる。
また、可動弁体24の二次側流路24bは、固定弁体22の二次側非浄水用原水流路22c及び流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cのそれぞれと連通している状態となる。
図8の(a)に示すように、浄水吐水モードの操作ハンドル6の操作位置P4は、止水モードの操作ハンドル6の操作位置P0及び水吐水モードの操作ハンドル6の操作位置P1に対して、先端部6aを混合水栓装置本体10の鉛直方向の中心軸線A1を中心に図8の(a)の水平方向右側に回動させた操作位置となる。そして、操作ハンドル6は上方(図1に示されている矢印「開」の方向)に回動操作した状態となる。
このとき、図8の(b)に示すように、可動弁体24の一次側流路24aは、固定弁体22の一次側水流路22b及び流路形成部材30の一次側水流路30bのそれぞれと連通している状態となる。
また、可動弁体24の二次側流路24bは、固定弁体22の二次側浄水用原水流路22d及び流路形成部材30の二次側浄水用原水流路30dのそれぞれと連通している状態となる。
図9は、本発明の一実施形態による水栓装置の流路形成部材を斜め後方から見た斜視図であり、図10は、図9のX−X線に沿った断面図である。
なお、図3、図4、図9及び図10においては、一次側の湯の流れ及び水の流れのそれぞれ、並びに、二次側の非浄水用原水の流れF1及び浄水用原水の流れF2のそれぞれを矢印で示している。
まず、図9に示すように、流路形成部材30の内部には、鉛直方向に延びる一次側湯流路30a、一次側水流路30b、二次側非浄水用原水流路30c、及び二次側浄水用原水流路30dの4つの流路がそれぞれ形成されている。
図3、図9及び図10に示すように、流路形成部材30の一次側湯流路30aは、その上端部(下流側端部)がバルブカートリッジ28の固定弁体22の一次側湯流路22aの下端側(上流側)と連通接続されている。一方、流路形成部材30の一次側湯流路30aの下端部(上流側端部)は、給湯管2の上端部(下流側端部)が挿入されて接続される給湯管接続部32となっている。
さらに、図4及び図10に示すように、流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cには、下方側から鋼管部材18が接続されている。この鋼管部材18は、細長いほぼ円管状の外側鋼管部材36と、この外側鋼管部材36の内部にほぼ同心状に配置された内側鋼管部材38とからなる二重管部材である。また、内側鋼管部材38の上端部(上流側端部)は、流路形成部材30の底面から所定距離上方に位置する二次側非浄水用原水流路30cの下流側端部(内側鋼管部材接続部40)にシール部材42を介して液密に接続され、内側鋼管部材38の内周側は、二次側非浄水用原水流路30cから流入した非浄水用原水のみが流れる非浄水用原水流路38a(図4及び図10参照)を形成している。
また、外側鋼管部材接続部44よりも上流側に位置する流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cと二次側浄水用原水流路30dは、それぞれの流路断面の中心軸線A2,A3が互いに偏心しているため、二次側浄水用原水流路30d内の浄水用の原水は、接続流路48を経て、内側鋼管部材38の外周面と外側鋼管部材36の内周面との間に形成される浄水用原水流路36a(図4及び図10参照)を流れるようになっている。
すなわち、内側鋼管部材38の内周側の非浄水用原水流路38aと、内側鋼管部材38の外周面と外側鋼管部材36の内周面との間に形成される浄水用原水流路36aとは、互いに独立した流路を形成しているため、それぞれを流れる非浄水用原水と浄水用の原水同士は互いに混ざり合うことなく流れるようになっている。
図10に示す非浄水用原水の流れF1は、操作ハンドル6を水吐水モードの操作位置P1(図6の(a)及び(b)参照)に設定した場合に、給水管4から供給される原水による水が、流路形成部材30の一次側水流路30bから固定弁体22の一次側水流路22bを通過し、可動弁体24の一次側流路24a及び二次側流路24bから固定弁体22の二次側非浄水用原水流路22cを経て流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cを通過し、最終的に吐水ヘッド部8において水吐水を行うための非浄水用の原水(水)の流れである。
さらに、図10に示す非浄水用原水の流れF1は、操作ハンドル6を湯水混合吐水モードの操作位置P3(図7の(a)参照)に設定した場合に、給湯管2から供給される原水による湯と給湯管4から供給される原水による水のそれぞれが、流路形成部材30の一次側湯流路30a及び一次側湯流路30aのそれぞれを通過し、固定弁体22の一次側湯流路22a及び一次側水流路22bのそれぞれを通過し、可動弁体24の一次側流路24a及び二次側流路24bから固定弁体22の二次側非浄水用原水流路22cを経て流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cに通過し、最終的に吐水ヘッド部8において湯水混合吐水を行うための非浄水用の原水(混合された湯水)の流れである。
つぎに、穴開け加工により形成された接続流路48における中心軸方向外側に位置する流路形成部材30外周部付近に形成された開口部分52について、流路形成部材30と同質の樹脂材料からなる蓋部材54を外側から塞いで接着する加工を行い、接続流路48の中心軸方向外側が閉塞された接続流路48が流路形成部材30の内部に形成されて完成となる。
なお、開口部分52の蓋閉止構造としては、開口部分52、蓋部材54の双方にねじ山を形成すると共に、このねじ山にシール材をとりつけてねじ固定する構造等、水密に保つことができればよく、様々な構造を採用することができる。
図11は、本発明の一実施形態による水栓装置のホース部材と鋼管部材との接続部を拡大した部分拡大断面図である。なお、図11では、非浄水用原水の流れF1及び浄水用原水の流れF2をそれぞれ矢印で示している。
図11に示すように、鋼管部材18の下方側(下流側)には、複数の部品からなる接続部材20が接続されており、この接続部材20の下方側(下流側)には、ホース部材16が接続されるようになっている。
接続部材20は、具体的には、図11の上方側から下方側に向って、ワンタッチソケット56、中継パイプ58、並びに、この中継パイプ58に内蔵されているカプラ60及び管状のインナーホース継手62を備えている。
外側鋼管部材36及び内側鋼管部材38をワンタッチソケット56に取り付ける際、ソケット本体64の下端には予め中継パイプ58の上端部が固定されており、外側鋼管部材36及び内側鋼管部材38の下方部分をソケット本体64及び保持部材68の上方側から中継パイプ58の内部に挿入すると、ソケット本体64に内蔵された圧縮コイルばね64のコイル中心軸方向の付勢力により保持部材68が軸方向(図11の上下方向)に適宜摺動し、保持部材68が外側鋼管部材36の外周面を所定の位置で固定することができるようになっている。
また、外側鋼管部材36及び内側鋼管部材38をワンタッチソケット56に取り付けた状態では、中継パイプ58内を延びる内側鋼管部材38の外周面と中継パイプ58の内周面との間に浄水用原水流路58aが形成されており、この浄水用原水流路58aは、その上方の外側鋼管部材36の内部の浄水用原水流路36aと連通している。
また、カプラ60の外周面とこれに対向する中継パイプ58の内周面との間には、外側鋼管部材36の内部の浄水用原水流路36aと連通している浄水用原水流路58aが形成されている。
ホース部材16は、具体的には、その上端位置するブッシュ70を備え、さらに、内側から外側に向ってほぼ同心状に配置された、インナーホース72、アウターホース74及びフレキチューブ76を備えている。
例えば、吐水モードが水吐水モード、湯吐水モード、又は湯水混合吐水モードの何れかに設定され、インナーホース72の内周側の非浄水用原水流路72a内を非浄水用の原水(水、湯、又は混合湯水)が流れる際には、非浄水用原水流路72a内の水圧によりインナーホース72が半径方向外側に拡張するように弾性変形し、インナーホース72の内周側の非浄水用原水流路72aの断面積が増大し、インナーホース72の外周側の浄水用原水流路74aの断面積が減少するようになっている。
一方、吐水モードが浄水吐水モードに設定され、インナーホース72の外周側の浄水用原水流路74a内を浄水用の原水が流れる際には、浄水用原水流路74a内の水圧によりインナーホース72が半径方向内側に押圧されるように弾性変形し、インナーホース72の内周側の非浄水用原水流路72aの断面積が減少し、インナーホース72の外周側の浄水用原水流路74aの断面積が増大するようになっている。
図12は、本発明の一実施形態による水栓装置のホース部材と吐水ヘッド部との接続部を拡大した部分拡大断面図であり、図13は、本発明の一実施形態による水栓装置の吐水ヘッド部の平面断面図である。
なお、図12及び図13では、非浄水用原水の流れF1及び浄水用原水の流れF2をそれぞれ矢印で示している。
ホース接続部80において、アウターホース74の上端部外周面とフレキチューブ76の上端部内周面と間の隙間78には、これを塞ぐようにカラー82が設けられている。
また、アウターホース74の上端部内周側には、ほぼ円筒形状のブッシュ84が上方から挿入されて接続されている。そして、ブッシュ84の内周側には、外側継手部材88の内側に同心状に配置されて上下方向に延びるほぼ円管形状の内側継手部材90が挿入され、この内側継手部材90の下端部は、ブッシュ84を下方向に貫くように延びており、下方のインナーホース72の上端部内周側に挿入されて接続されている。これにより、内側継手部材90の内周側には、インナーホース72の非浄水用原水流路72aと連通する非浄水用原水流路90aが形成されている。
さらに、内側継手部材90の非浄水用原水流路90aの上端部(下流側端部)には、フィルター部材92が取り付けられており、非浄水用原水流路90aを通過する非浄水用の原水(湯、水、又は混合湯水)に含まれるゴミ等が下流側に流れるのを防ぐことができるようになっている。
さらに、締結部材86は、概ね筒形状の部材であり、締結部材86の下端部内周側にブッシュ84及びフレキチューブ76の上端部が挿入されて固定されると共に、締結部材86の上端部内周側に外側継手部材88の下端部が挿入されて固定されることにより、ブッシュ84及びフレキチューブ76の上端部と外側継手部材88の下端部とが締結部材86を介して接続されて締結されるようになっている。
また、内側ケーシング部材98の外周面と外側ケーシング部材96の内周面との間には、内側継手部材90の非浄水用原水流路90aの下流側と連通する非浄水用原水流路102が形成されている。
一方、内側ケーシング部材98の内周面と浄水カートリッジ100の外周面との間には、内側継手部材90の外周面と外側継手部材88の内周面との間の浄水用原水流路90bの下流側と連通する浄水用原水流路104が非浄水用原水流路102から独立して形成されている。この浄水用原水流路104内の浄水用原水は、その内側の浄水カートリッジ100の中を通過することにより浄化された後に、浄水として吐水部8a側へ流れるようになっている。
また、非浄水用原水流路102内の非浄水用原水は、浄水カートリッジ100を通過することなく、浄化されていない原水(水、湯、又は混合湯水)のままで吐水部8a側へ流れるようになっている。
ストレート吐水用の吐水流路106は、切替スイッチ8bによりストレート吐水モードが設定されている場合に、吐水ヘッド部8内の非浄水用原水流路102を流れた非浄水用原水(水、湯、若しくは混合湯水)、又は、吐水ヘッド部8内の浄水用原水流路104から浄水カートリッジ100を通過した浄水が流れ込み、その下流側でストレート状に吐水させる流路となっている。このとき、シャワー吐水用の吐水流路108は、切替スイッチ8bの切替弁(図示せず)により閉鎖され、吐水が流入しないようになっている。
一方、シャワー吐水用の吐水流路108は、切替スイッチ8bによりシャワー吐水モードが設定されている場合に、吐水ヘッド部8内の非浄水用原水流路102を流れた非浄水用原水(水、湯、又は混合湯水)が流れ込み、その下流側でシャワー状に吐水させる流路となっている。このとき、ストレート吐水用の吐水流路106は、切替スイッチ8bの切替部材(図示せず)により閉鎖され、吐水が流入しないようになっている。
なお、図13では、浄水流路110を流れる浄水の流れF3を矢印で示している。
図14の(a)は、本発明の一実施形態による水栓装置の吐水ヘッド部における原水ストレート吐水モードの吐水動作を概略的に説明した図であり、図14の(b)は、本発明の一実施形態による水栓装置の吐水ヘッド部における原水シャワー吐水モードの吐水動作を概略的に説明した図であり、図14の(c)は、本発明の一実施形態による水栓装置の吐水ヘッド部における浄水ストレート吐水モードの吐水動作を概略的に説明した図である。
この原水ストレート吐水モードに設定した場合においては、図3、図4、図6の(a)及び(b)、並びに図10に示すように、操作ハンドル6を水吐水モードに設定した場合には、給水管4から供給される非浄水用の原水(水)が、流路形成部材30の一次側水流路30bから固定弁体22の一次側水流路22bを通過し、可動弁体24の一次側流路24a及び二次側流路24bから固定弁体22の二次側非浄水用原水流路22cを経て流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cを通過する。そして、この非浄水用の原水(水)は、図10〜図13に示すように、下流側に向って、内側鋼管部材38内の非浄水用原水流路38a、インナーホース継手62内の非浄水用原水流路62a、インナーホース72内の非浄水用原水流路72a、及び内側継手部材90の非浄水用原水流路90aを経て吐水ヘッド部8内の非浄水用原水流路102を流れる。そして、吐水ヘッド8の切替スイッチ8bの切替弁(図示せず)がストレート吐水用の吐水流路106を開放すると共にシャワー吐水用の吐水流路108を閉鎖することにより、浄水されていな原水(水)がストレート吐水用の吐水流路106を流れ、最終的には、吐水ヘッド部8の吐水部8aからストレート吐水される。
この原水シャワー吐水モードに設定した場合においては、流路形成部材30の二次側非浄水用原水流路30cの上流側から二次側非浄水用原水流路30c内に流入した非浄水用の原水(水、湯又は混合湯水)が、図10〜図13に示すように、下流側に向って、内側鋼管部材38内の非浄水用原水流路38a、インナーホース継手62内の非浄水用原水流路62a、インナーホース72内の非浄水用原水流路72a、及び内側継手部材90の非浄水用原水流路90aを経て吐水ヘッド部8内の非浄水用原水流路102を流れる点については、上述した原水ストレート吐水モードの場合と共通するが、吐水ヘッド8の切替スイッチ8bの切替弁(図示せず)がストレート吐水用の吐水流路106を閉鎖すると共にシャワー吐水用の吐水流路108を開放することにより、浄水されていな原水(水、湯又は混合湯水)がシャワー吐水用の吐水流路108を流れ、最終的には、吐水ヘッド部8の吐水部8aからシャワー吐水される。
この浄水ストレート吐水モードに設定した場合においては、図3、図4、図8の(a)及び(b)、並びに図10に示すように、操作ハンドル6を浄水吐水モードに設定すると、給水管4から供給される非浄水用の原水(浄水化される前の原水)が、流路形成部材30の一次側水流路30bから固定弁体22の一次側水流路22bを通過し、可動弁体24の一次側流路24a及び二次側流路24bから固定弁体22の二次側浄水用原水流路22dを経て流路形成部材30の二次側浄水用原水流路30d及び接続流路48を通過する。
なお、浄水ストレート吐水モードに設定した場合においては、浄水流路110が、切替スイッチ8bの操作位置にかかわらず、吐水部8aのストレート吐水用の吐水流路106と常時連通しているため、吐水ヘッド8の切替スイッチ8bをシャワー吐水モードに設定したとしても、シャワー状の浄水吐水は行われずに、ストレート状の浄水吐水のみが行われる。
一方、インナーホース72の外周側の浄水用原水流路74a内を浄水用の原水(浄水化される前の原水)が流れる際には、インナーホース72の区間(弾性区間)がその外周側の浄水用原水流路74a内の水圧によりインナーホース72が半径方向内側に押圧されるように弾性変形し、インナーホース72内の非浄水用原水流路72aの流路断面積が減少し、インナーホース72の外周側の浄水用原水流路74aの流路断面積が増大する。これにより、ホース部材16よりも上流側にあるバルブカートリッジ28と流路形成部材30とにより選択的に切り替えた吐水について、インナーホース72の内周側の非浄水用原水流路72a内を流れる非浄水用の原水(水、湯、又は混合湯水)、又はインナーホース72の外周側の浄水用原水流路74aを流れる浄水用の原水(浄水化される前の原水)として選択的に流すことができる。したがって、インナーホース72の内周側の非浄水用原水流路72a内を流れる非浄水用の原水(水、湯、又は混合湯水)と、インナーホース72の外周側の浄水用原水流路74aを流れる浄水用の原水(浄水化される前の原水)とを互いに混合させることなく、それぞれの吐水流路の断面積を増大させることができ、ホース部材16の下流側の吐水ヘッド部8から吐水する際の流量を増大させることができる。
2 給湯管
4 給水管
6 操作ハンドル
6a 先端部
8 吐水ヘッド部
8a 吐水部
8b 切替スイッチ
10 混合水栓装置本体(水栓装置本体)
12 カウンター
14 吐水ヘッド取付部
16 ホース部材(管部材)
18 鋼管部材(管部材)
20 接続部材
22 固定弁体
22a 一次側湯流路
22b 一次側水流路
22c 二次側非浄水用原水流路
22d 二次側浄水用原水流路
24 可動弁体
24a 一次側流路
24b 二次側流路
26 操作部
28 バルブカートリッジ(流路切替部、バルブカートリッジ部)
30 流路形成部材(流路切替部、本体部)
30a 一次側湯流路
30b 一次側水流路
30c 二次側非浄水用原水流路
30d 二次側浄水用原水流路
32 流路形成部材の給湯管接続部
34 流路形成部材の給水管接続部
36 外側鋼管部材
36a 浄水用原水流路
38 内側鋼管部材
38a 非浄水用原水流路
40 内側鋼管部材接続部(内側管接続部)
42 シール部材
44 外側鋼管部材接続部(外側管接続部)
46 シール部材
48 接続流路
50 横穴
52 穴開け加工された開口部分
54 蓋部材(蓋体)
56 ワンタッチソケット
58 中継パイプ
58a 浄水用原水流路
60 カプラ
62 インナーホース継手
62a 非浄水用原水流路
64 ソケット本体
66 圧縮コイルばね
68 保持部材
70 ブッシュ
70a ブッシュの上端部
70b ブッシュの円筒部
70c 浄水用原水流路
72 インナーホース(二重管部、内側管部)
72a 非浄水用原水流路(内側吐水流路)
74 アウターホース(二重管部、外側管部)
74a 浄水用原水流路(外側吐水流路)
76 フレキチューブ
78 隙間
80 吐水ヘッド部のホース接続部
82 カラー
84 ブッシュ
86 締結部材
88 外側継手部材
88 中央部
90 内側継手部材
90a 非浄水用原水流路
90b 浄水用原水流路
90c 固定部
92 フィルター部材
94 下キャップ部材
96 外側ケーシング部材
98 内側ケーシング部材
100 浄水カートリッジ(浄水部)
102 非浄水用原水流路
104 浄水用原水流路
106 ストレート吐水用の吐水流路
108 シャワー吐水用の吐水流路
110 浄水流路
Claims (7)
- 吐止水を行う水栓装置であって、
水栓装置本体と、
この水栓装置本体に内蔵され、その内部に形成される複数の流路のうちから所定の流路を吐水流路として選択して切り替え可能な流路切替部と、
上記水栓装置本体から取り外し可能に設けられ且つ上記流路切替部よりも下流に位置する吐水ヘッド部と、
上記流路切替部と上記吐水ヘッド部との間に接続された管部材と、を有し、
この管部材は、外側管部とその内部にほぼ同心状に配置された内側管部とからなる二重管部を備え、この二重管部は、上記内側管部の内周側に内側吐水流路を形成すると共に、上記内側管部の外周面と上記外側管部の内周面との間に外側吐水流路を形成し、上記内側管部の少なくとも一部の区間は、上記内側吐水流路内又は上記外側吐水流路内の水圧によって弾性変形可能な弾性材料により形成されていることを特徴とする水栓装置。 - 上記流路切替部は、固定弁体と、この固定弁体上に摺動可能に設けられた可動弁体と、この可動弁体を操作する操作部と、を備えたバルブカートリッジ部を備え、上記吐水ヘッド部は、上記管部材から供給された吐水を浄水する浄水部を備え、上記水栓装置本体は、上記バルブカートリッジ部の操作部に接続された単一の操作ハンドルを備えたシングルレバー式の混合水栓装置本体であり、この混合水栓装置本体は、上記操作ハンドルを上記可動弁体の摺動面に対して垂直な面内で操作することにより上記可動弁体を開閉し、上記吐水ヘッド部における吐止水の切替操作又は吐水時の吐水流量の調節操作が可能であり、上記操作ハンドルを上記可動弁体が上記摺動面と同一平面内で回転するように操作することにより、上記吐水ヘッド部における原水による水吐水、湯吐水、湯水混合吐水、又は、浄水吐水の何れかの吐水モードに選択的に切り替えた吐水操作が可能であり、上記管部材の二重管部は、上記バルブカートリッジ部の下流側と上記吐水ヘッド部との間に接続され、上記内側吐水流路又は上記外側吐水流路の一方には、上記操作ハンドルの吐水操作に応じて上記吐水ヘッド部において上記浄水部による浄水を行った後に浄水吐水を行うための浄水用の原水が流れ、他方には、上記吐水ヘッド部において上記浄水部による浄水を行わずに水吐水、湯吐水、又は湯水混合吐水を行うための非浄水用の原水が流れる請求項1記載の水栓装置。
- 上記管部材の外側管部は、その外側が補強層により覆われている請求項1又は2に記載の水栓装置。
- 上記流路切替部は、更に、上記バルブカートリッジ部の下流側に設けられ、上記操作ハンドルの吐水操作において上記浄水吐水の吐水モードが選択された場合に浄水用の原水が流れる浄水用原水流路を形成すると共に、上記操作ハンドルの吐水操作において上記浄水吐水以外の吐水モードが選択された場合に非浄水用の原水が流れる非浄水用原水流路を形成する本体部を備え、この本体部は、上記浄水用原水流路又は上記非浄水用原水流路の一方と上記外側管部とを接続する外側管接続部と、上記浄水用原水流路又は上記非浄水用原水流路の他方と上記内側管部とを接続する内側管接続部と、を備えている請求項2記載の水栓装置。
- 上記本体部の外側管接続部は、上記内側管接続部よりも下流側に位置しており、上記浄水用原水流路及び上記非浄水用原水流路は、上記外側管接続部よりも上流側において、それぞれの流路断面の中心軸線が互いに偏心している請求項4記載の水栓装置。
- 上記浄水用原水流路及び上記非浄水用原水流路のそれぞれは、上記本体部のほぼ鉛直方向に延びるように形成され、上記本体部の上記浄水用原水流路又は上記非浄水用原水流路の何れか一方の下流側は、上記本体部のほぼ水平方向に延びる接続流路を介して上記外側管接続部に接続されている請求項5記載の水栓装置。
- 上記接続流路は、上記本体部に形成される際、上記本体部の外周側からほぼ水平方向内側に向かって、上記接続流路と接続すべき上記本体部の浄水用原水流路又は非浄水用原水流路の何れか一方に連通するまで穴開け加工が行われた後、上記本体部の外周部付近に形成された上記接続流路の開口部分を蓋体で塞ぐ加工が行われる請求項6記載の水栓装置。
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