JP2014082832A - ロータと、それを備える回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失を抑制することで効率を向上する積層電磁鋼板で構成したロータコアの強度を向上することができるロータと、それを備える回転電機を提供する。
【解決手段】積層電磁鋼板で構成されるロータコア11と、ロータコア11の外周面15の付近に、ロータコア11の回転軸方向xに貫通するように複数設けられると共に、ロータコア11の回転周方向に略等間隔に配置される磁石用孔18aと18b、磁石用孔18aと18bに挿入又は圧入される永久磁石13aと13bとを備え、非磁性材で形成し、少なくともロータコア11の外周面15aと15bを回転軸方向xに分割する補強板30を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロータコアを積層電磁鋼板で構成し、簡易な構造で渦電流を防止して、鉄損失の抑制により効率を向上するロータと、それを備える回転電機に関する。
環境への影響を配慮して、EV(電気自動車)やHEV(ハイブリッド電気自動車)などが年々増加している。また、車両の低燃費化に伴いパワーステアリングや冷却ポンプなどの補機類の電動化も進んでいる。
このため、車両における電力消費量は年々増加しており、電力を供給するオルタネータ(発電機)及びモータ(電動機)などの回転電機の高出力化が必須となっている。しかしながら、出力の高出力化に伴い装置を大きくすることは、車両への搭載性を悪化させるため、出力密度を高めること、及び高効率化を図ることが必要となっている。
これに対応するものに、クローポール型のロータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、中央部のシャフトに励磁コイルを巻き、永久磁石をクローポールとクローポールの間に周方向に磁極面(N極、S極)を向け、N極とS極が交互になるように、周方向に嵌め込む。
この方式はクローポール間の寸法精度を出すのが困難で、特に、高速回転時に、永久磁石を遠心力で飛び出さないようにすることが極めて困難であった。
一方、クローポール型のロータの代わりに、電磁鋼板を軸方向に積層したロータコアを用いるロータがある(例えば、特許文献2参照)。ここで、この積層電磁鋼板を用いたロータについて、図12を参照しながら説明する。
図12の(a)の断面図と(b)の斜視断面図に示すように、ロータ10Xは、図示しないステータの内側で回転するインナーロータ型で、且つロータ10Xとステータの間のエアーギャップ(空隙)を回転の半径方向に配置したラジアルギャップ型のブラシレス回転電機のロータである。
ロータ10Xは、シャフト(ロータ軸)S1とロータコア11Xを備え、ロータコア11Xを積層電磁鋼板で構成すると共に、励磁コイル12X、永久磁石13X、及び補強ピン14を備える。このロータ10Xは、ロータコア11Xを積層電磁鋼板で構成することによって、前述のクローポール型のロータよりも簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失を抑制することで効率を向上することができる。
しかしながら、積層電磁鋼板は強度が弱く、このロータコア11Xに遠心力がかかると、図12の(a)に示すように、ロータコア11Xの外周面15Xの中央部が膨らみ、破線のように変形する。そして、図中のWPで示す最弱部WPに最も大きな力が加わり、この最弱部WPが切れて、破損する。
特開2005−094978号公報 特開2009−240013号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失の抑制により効率を向上する積層電磁鋼板で構成されたロータコアの強度を向上することができるロータと、それを備える回転電機を提供することである。
上記の目的を解決するための本発明のロータは、積層電磁鋼板で構成されるロータコアと、前記ロータコアのステータと対向する対向面の付近に、回転軸方向に貫通するように複数設けられると共に、回転周方向に配置される磁石用孔と、前記磁石用孔に挿入又は圧入される永久磁石とを備えるロータにおいて、非磁性材で形成し、前記対向面を回転軸方向に分割する補強板を備えて構成される。
この構成によれば、積層電磁鋼板で構成したロータコアにかかる遠心力による変形、又はその変形による破損を補強板によって補強することができる。特に、遠心力の影響が大きいロータコアの回転軸方向の中央部に補強板を備えると、その中央部の膨らみを補強板が押さえ込むので、ロータコアの変形を抑制することができ、ロータコアで最も強度の弱い角部の破損を防ぐことができる。
これにより、電動機や発電機などの回転電機に、上記の補強された積層電磁鋼板で構成されるロータコアを用いると、簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失の抑制により効率を向上することができる。
なお、積層電磁鋼板とは、電気エネルギーと磁気エネルギーの変換効率が高い鋼板であり、鉄損が低い鋼板の一枚一枚の表面に絶縁皮膜を処理し、電気を流さないようにしてから、回転軸方向に積層したものであり、例えば、鉄に珪素を添加することにより製造できる珪素鋼板などのことである。また、非磁性材料とは、磁化されないため、磁界の影響を受けない金属材料のことであり、例えば、強化アルミニウム、又はオーステナイト系ステンレスなどのことである。
また、上記のロータにおいて、前記対向面を前記ロータコアの外周面とし、円環状に形成した前記補強板が前記対向面と前記磁石用孔と前記永久磁石とを回転軸方向に分割すると、インナーロータ式の回転電機のロータの強度を向上することができる。
加えて、上記のロータにおいて、円環状に形成した前記補強板の内周面の半径を、前記ロータコアのロータ軸の外周面の半径以上になるように形成し、前記補強板を、回転軸方向に分割した前記ロータコアで挟持すると、円環状の補強板の幅を広くすることができ、遠心力に対する強度を増すことができる。
例えば、補強板の内周面の内径を小さくして、補強板をロータ軸の外周面まで伸ばしたものや、永久磁石を挿入した外周面の近傍とロータ軸の外周面との中間まで伸ばしたものを、軸方向に分割したロータコアで狭持して、ロータコアの回転軸方向の中央部を補強することができる。
さらに、上記のロータにおいて、前記対向面の付近に、回転軸方向に貫通するように複数設けられると共に、回転周方向に略等間隔に、且つ前記磁石用孔の間に配置される補強ピン用孔と、前記補強ピン用孔に挿入される補強ピンを備え、円環状に形成した前記補強板に前記補強ピンが挿通する挿通孔を備えると、上記の作用効果に加えて、補強ピンで回転軸方向に積層した電磁鋼板の剥離を防止すると共に、磁気を通さないようにすることができる。
この補強ピンは、好ましくは非磁性材料で形成するとよいが、S20Cなどの鉄材で形成する場合には、渦電流の発生を懸念してできるだけ細く形成するとよい。なお、ロータコアに備えた全ての補強ピンの断面積の合計の値を、ロータ軸の断面積以上にすると、より磁気漏れを防ぐことができる。
その上、上記のロータにおいて、前記挿通孔の内径を前記補強ピン用孔の外径よりも大きくすると共に、前記補強ピンの前記挿通孔の近傍の外径を前記挿通孔の内径と略等しくすると、補強ピンの全長に渡って細くして、渦電流の発生を抑制すると共に、補強ピンに磁束が軸方向に流れ易くすることができる。これにより、励磁コイルから発生した磁束を通しやすくすることができる。
また、上記の目的を解決するための本発明の回転電機は、上記に記載のいずれかのロータを備えて構成される。この構成によれば、強度が向上した積層電磁鋼板で構成されたロータコアを用いることで、車両への搭載性を悪化することなく、出力密度を高めると共に、高効率化を図ることができる。
なお、電動機や発電機などの回転電機は、インナーロータ式、又はアウターロータ式のどちらでも適用することができ、加えて、ラジアルギャップ方式、又はアキシャルギャップ方式のどちらでも適用することができる。
さらに、上記の回転電機において、上記に記載の回転電機を、インナーロータ式、且つラジアルギャップ方式であるブラシレス回転電機で形成することが好ましい。
本発明によれば、簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失の抑制により効率を向上する積層電磁鋼板で構成したロータコアの強度を向上することができる。これにより、回転電機の車両への搭載性を悪化することなく、出力密度を高めると共に、高効率化を図ることができる。
本発明に係る第1の実施の形態のロータを備える回転電機を示した平面図である。 図1のII−II断面を示す断面図である。 図2の補強板を示す平面図である。 本発明に係る第2の実施の形態のロータを備える回転電機を示した断面図である。 本発明に係る第3の実施の形態のロータを備える回転電機を示した断面図である。 図5の補強板を示し、(a)と(b)はそれぞれ別のパターンの補強板の平面図である。 本発明に係る第4の実施の形態のロータを備える回転電機を示した断面図である。 図7の補強ピンと補強板を示し、(a)は補強ピンの斜視図であり、(b)は補強板の平面図である。 本発明に係る第5の実施の形態のロータを備える回転電機を示した断面図である。 図9の補強ピンと補強板を示し、(a)は補強ピンの斜視図であり、(b)は補強板の平面図である。 本発明に係る第6の実施の形態のブラシレス回転電機を示した断面図である。 従来技術の回転電動機のロータを示し、(a)はロータの断面図であり、(b)はロータの斜視断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態のロータとそれを備える回転電機について、図面を参照しながら説明する。なお、図面に関しては、構成が分かり易いように寸法を変化させており、各部材、各部品の板厚や幅や長さなどの比率も必ずしも実際に製造するものの比率とは一致させていない。
まず、本発明に係る第1の実施の形態のロータを備える回転電機について、図1〜図3を参照しながら説明する。ここで、図2に示すように、回転電機の回転軸方向をxとし、回転半径方向をyとする。
図1〜図3に示すモータ(回転電機)1のロータ(回転子)10は、図12に示す従来技術のロータ10Xのステータ20に対向する対向面である外周面15Xを回転軸方向xに分割する、好ましくは外周面15Xに加えて磁石用孔18Xと永久磁石13Xも回転軸方向xに分割するように、新たに図3に示す補強板30を、図2に示すように備えることにより、ロータコア(回転子鉄心)11の強度を向上することができる。
詳しくは、図3に示す非磁性材料で形成された円環状の補強板30を、図2に示すように、ロータコア11の中央部の外周面15aと15bの間に、好ましくは外周面15aと15bに加えて、磁石用孔18aと18b、且つ永久磁石13aと13bのそれぞれの間に配置し、接合する。
この構成によれば、ロータ10が回転したときに発生する遠心力による積層電磁鋼板で構成されたロータコア11の外周面15aと15bの変形を抑制することができる。これにより、積層電磁鋼板で構成したロータコア11の強度を向上することができる。
また、この補強板30は、図3に示すように、積層電磁鋼板の剥離を抑制し、且つ磁気漏れを防ぐことができる補強ピン14が挿通する挿通孔31を備える。これにより、補強ピン14の効果をそのままに、ロータコア11の強度を向上することができる。
このロータ10及び、そのロータ10を備えるモータ1について、さらに詳しく説明する。図1と図2に示すように、このモータ1は、シャフト(回転軸)S1に固定されたロータ10とステータ(固定子)20とを備える。また、ロータ10は、ロータコア11、励磁コイル12、永久磁石13aと13b、及び補強ピン14を備え、ステータ20は、ステータコア(固定子鉄心)21、ティース部22、及びコイル23を備える。
このモータ1は、シャフトS1の回りに励磁コイル12を巻き、その外側の円筒状のロータコア11に永久磁石13aと13bを回転半径方向、磁極面を回転周方向で互いに同極が向き合うように挿入し、内側の励磁コイル12と外側の永久磁石13aと13bが磁気的に繋がるようにして、励磁コイル12の電流を変化させることにより、ロータ10からステータ20に入る磁束量を変化させて効率を向上することができる。
ロータコア11は、回転軸方向xに積層した電磁鋼板(以下、積層電磁鋼板という)から構成され、円筒部16と、円筒部16の両端部で中心から放射状に複数配置されたアーム(支持部)17とを備える。円筒部16には、磁石用孔18a及び18bと、補強ピン用孔19とをそれぞれを交互に、回転軸方向xに貫通するように、且つ回転の周方向に略等間隔に配置する。
このとき、一方の端部に設けられるアーム17の数は、特に限定しないが、一方の端部に設けられた全てのアーム17の断面積の合計の値を、シャフトS1の断面積以上にすると、ロータ10を回転させたときに、ロータ10から漏れる磁気を低減することができる。
ここで積層電磁鋼板について補足する。電磁鋼板とは、電気エネルギーと磁気エネルギーの変換効率が高い鋼板であり、鉄損(磁化したときに鉄が消費するエネルギー)を低下することができるものである。この電磁鋼板の一枚一枚表面に絶縁皮膜を処理し、電気を通電しないように加工し、ロータ10の回転軸方向xに積層したものが積層電磁鋼板である。
その積層電磁鋼板でロータコア11を構成することで、渦電流を防止して、鉄損失の抑制により効率を向上することができる。この積層電磁鋼板は、例えば、鉄に珪素を添加することによって製造できる珪素鋼板などを用いる。この実施の形態では、電磁鋼板を回転軸方向xに積層して、遠心力による剥離を防止している。
補強ピン14は、ロータコア11の補強ピン用孔19と、補強板30の挿通孔31に挿入又は圧入されるロータコア11の補強部材であり、回転軸方向xに積層した電磁鋼板の剥離を防ぐことができる。また、ロータ10が回転したときに、ロータ10から漏れる磁気を低減することもできる。特に、補強板30の挿通孔31の近傍の全ての補強ピン14の断面積の合計の値を、シャフトS1の断面積以上にすると、効果的に回転半径方向yへの磁気漏れを防ぐことができる。
補強板30は、図3に示すように、円環状の非磁性材料で形成される。ここでいう非磁性材料とは、磁化されず、したがって磁界の影響を受けない金属材料のことであり、例えば、強化アルミニウム、又はオーステナイト系ステンレスなどのことである。補強板30は、ロータコア11の強度の向上を目的としており、そのため、補強板30の用いる非磁性材料は強度と靱性に優れたものが好ましい。
ここで、図2及び図3において、補強板30の内周面の半径をR1、補強板30の外周面の半径をR2、補強板30の円環の幅をH1、及び挿通孔31の直径をD1とする。また、シャフトS1の半径をR3、及び補強ピン14の直径をD2とする。
図2と図3に示すように、補強板30が少なくともロータコア11の外周面15aと15bを回転軸方向xに分割するように、補強板30の外周面の半径R2をロータコア11の外周面15aと15bの半径以上にする。また、補強板30がロータコア11の外周面15a及び15bに加えて、磁石用孔18a及び18bと、永久磁石13a及び13bを回転軸方向xに分割するように、補強板30の円環の幅H1を設定する。
その補強板30の円環の幅H1が広ければより遠心力に対しての強度を向上することができるため、補強板30の内周面の半径R1は、シャフトS1の半径R3以上とする。加えて、挿通孔31の直径D1は、補強ピン14が挿通可能な大きさであり、補強ピン14の直径D2以上とする。この挿通孔31の直径D1を大きくすると、非磁性材料によって抑制されていたその部分の回転軸方向xの磁束の流れを良くすることができるので、励磁コイル12から発生した磁束を通し易くすることができる。
このモータ1は、図1〜図3に示すように、ロータ10の外側にステータ20を配置するインナーロータ式であり、且つロータ10とステータ20の間のエアーギャップ(空隙)AG1を、回転半径方向(ラジアル方向)xに配置したラジアルギャップ方式のブラシレスDCモータであり、ステータ20にコイル23を、及びロータ10に永久磁石13aと13bをそれぞれ配置し、コイル23の電流を永久磁石13aと13bの回転角に応じて、図示しないコントローラ(制御装置)で切り換えて回転制御している。
また、励磁コイル12に逆電流を流すことで、ロータ10から出てくる磁束の量を減らすことができる。加えて、内側の励磁コイル12と外側の永久磁石13aと13bとで性能を上げることができ、励磁コイル12の電流を変化(逆電流も含む)させることにより、モータ1の効率を向上することができる。発電機として使用する場合には、低速で発電量を増大させ、中高速で発電量を減らすことができる。
上記の構成によれば、簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失の抑制により効率を向上することができるロータ10の積層電磁鋼板で構成されたロータコア11を、補強板30で補強することができ、ロータコア11の強度を向上することができる。特に、この実施の形態のように、ロータコア11の回転軸方向xの略中央部に補強板30を配置すると、ロータコア11の回転により発生する遠心力によるロータコア11の外周面15aと15bの変形を押さえ込むことができ、より強度を向上することができる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態のロータを備える回転電機について、図4を参照しながら説明する。このモータ2のロータ40は、図2に示す第1の実施の形態のロータ10の補強板30と同様の構成の補強板41a、41b、及び41cを、図4に示すように、ロータコア11の中央部だけではなく、ロータコア11の両端部にも備える構成である。
この構成によれば、ロータコア11の両側にも補強板41bと41cを備えることで、ロータコア11の全長が長くなるが、より強度を向上することができる。
次に、本発明に係る第3の実施の形態のロータを備える回転電機について、図5と図6を参照しながら説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成や半径などは、同一の符号を用いることとする。
このモータ3のロータ50は、図2に示す第1の実施の形態のロータ10の補強板30に換えて、図6の(a)に示す補強板60を備え、その補強板60を、図5に示すように、回転軸方向xに分割された第1ロータコア51aと第2ロータコア51bとで狭持している。
第1ロータコア51aは、円筒部56aとアーム57aとから構成され、励磁コイル52a、永久磁石53a、補強ピン54、外周面55a、磁石用孔58a、及び補強ピン用孔59aを備える。第2ロータコア51bも略同様の構成のため説明は省略する。
ここで、補強板60の内周面の半径をR4とすると、この補強板60は、補強板60の内周面の半径R4をシャフトS1の外周面の半径R3と同一にすることで、補強板60の幅H2を、第1の実施の形態の幅H1よりも広くすることができ、ロータ50の回転軸方向xの中央部の遠心力に対する強度を増大することができる。
また、回転軸方向xに第1ロータコア51aと第2ロータコア51bとに分割されているが、第1ロータコア51aと補強板60と第2ロータコア51bとを周知の技術で接合すると共に、第1ロータコア51aと補強板60と第2ロータコア51bとを貫通する補強ピン54により、その接合を補強することができる。
この補強板60は、図6の(a)に示すように、補強板60の内周面の半径R4を小さ
くして、その内周面をシャフトS1の外周面まで伸ばしたものである。よって、補強板60の円環の幅H2が広くなった分、第1の実施の形態の補強板30よりも重くなるので、図6の(b)に示すように、補強板60に軽量孔62を備えると、その分、補強板60を軽量化することができ、効率を低下することなく維持することができる。
なお、第2の実施の形態のように、この補強板60をロータコア51a及び51bの前後に設け、さらに強度を向上することもできる。
次に、本発明に係る第4の実施の形態のロータを備える回転電機について、図7と図8を参照しながら説明する。このモータ4のロータ70は、図5に示す第3の実施の形態の補強ピン54に換えて、図8の(a)に示す補強ピン71を、図7に示すように備えると共に、図5に示す第3の実施の形態の補強板60に換えて、図8の(b)に示す、より直径の大きい挿通孔75を有する補強板74を、図7に示すように備える。
この補強ピン71は、図8の(a)に示すように、直径D2のピン部72と、直径D3の磁束流通部73とを備える。また、この補強板74は、図8の(b)に示すように、挿通孔75の直径D4を、図6の(a)に示す挿通孔61の直径D1よりも大きく、好ましくは磁束流通部73の直径D3と略同じに形成する。
前述したように、補強板74の挿通孔75の近傍の全ての補強ピン71の断面積の合計の値をシャフトS1の断面積以上に設定することで、ロータ70を回転させたときに発生する回転半径方向yの磁気漏れを防ぐことができる。しかし、挿通孔75の直径D4を、第1又は第2の実施の形態の補強ピンの直径よりも大きくすると共に、補強ピン71のピン径の全長を大きくすると、渦電流の発生する恐れがあるため、補強板74の挿通孔75の近傍以外はピン径が細い方が好ましい。
そこで、図7に示すように、この補強板74に設けた補強ピン71を挿通する挿通孔75の直径D4を直径D2よりも大きくし、且つ補強ピン71に直径D3の磁束流通部73を備えることで、渦電流を発生することなく、両側(回転軸方向xの左右の流れ)の磁束の流れを良くすることができ、この磁束の流れにより、励磁コイル52aと52bから発生した磁束を通し易くすることができる。
次に、本発明に係る第5の実施の形態のロータを備える回転電機について、図9と図10を参照しながら説明する。このモータ5のロータ80は、図5に示す第3の実施の形態の補強ピン54に換えて、補強ピン54の直径D2よりも小さい、図10の(a)に示す直径D5の補強ピン81を複数備え、また、図5に示す第3の実施の形態の補強板60に換えて、図10の(b)に示す内周面の半径R3よりも大きい内周面の半径R5の、且つ円環状の幅H2よりも狭く、補強板30の円環状の幅H1よりも広い幅H3の補強板83を備える。加えて、図5の第3の実施の形態の補強ピン用孔59aと59bに換えて、補強ピン用孔59aと59bの直径よりも大きい、図9に示す直径D7の補強ピン用孔82a及び82bとを備える。
この補強板83は、図10の(b)に示すように、第1の実施の形態の挿通孔の直径D1よりも大きな直径D6の挿通孔84を備え、補強板83の内周面はシャフトS1の外周面と永久磁石53aと53bの内側の略中間に配置される。この補強板83の円環の幅H3は、第1の実施の形態の幅H1よりも広く、また、第3の実施の形態の幅H2よりも狭い。
この構成によれば、補強ピン用孔82aと82bの直径D7を大きくすることで、ロータ80が回転したときの磁気漏れを低減すると共に、複数の細い補強ピン81を挿入又は
圧入することで、渦電流の発生を抑制することができる。
また、補強板83の幅H3が第1の実施の形態の幅H1よりも広く、また、第3の実施の形態の幅H2よりも狭いことで、ロータ80の強度を向上すると共に、軽量化も図ることができる。
上記の第1〜第5の実施の形態のロータ10、40、50、70、及び80と、補強板30、41a〜41c、60、74、及び83の組み合わせについては、上記に限定しない。例えば、第1の実施の形態の補強ピン14に換えて、第5の実施の形態の直径D3の補強ピン81を複数備えることもできる。
上記のモータ1〜5は、強度が向上した積層電磁鋼板で構成されたロータ10、40、50、70、及び80を用いることで、簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失を抑制することができるので、車両への搭載性を悪化することなく、出力密度を高めると共に、高効率化を図ることができる。
なお、上記の実施の形態では、インナーロータ式、且つラジアルギャップ方式のブラシレスDCモータを例に説明したが、例えば、本発明は、アウターロータ式のモータ(電動機)、又はオルタネータ(発電機)や、アキシャルギャップ方式のモータ、又はオルタネータなどにも適用することができる。また、ステータコア21も積層電磁鋼板で構成するとよい。
次に、本発明に係る第6の実施の形態のブラシレス回転電機について、図11を参照しながら説明する。このモータ100は、ロータ101、ステータ20、ヨーク102aと102b、フロントカバー103、リヤカバー104、ケース105、リアベアリング106、パイロットベアリング107、ボルト108、メインベアリング109、固定シャフトS2、及びギヤG(プーリなどの出力軸であればよい)を備える、両持ち構造のブラシレスモータである。
このモータ100は、ロータ101の外側にステータ20を配置し、ロータ101の内側にヨーク102a及び102bと配置する。ここでいう、ヨーク102aと102bは、磁石が持つ吸着力を増幅するための軟鉄版のことである。磁力線は磁性体に透入すると、磁性体の両端に集中する性質があり、この性質を利用し、その磁石の持っているN極とS極を近づけるように組み合わせ、吸着力あるいは吸引力を増大させることができる。
このヨーク102aは、ロータコア111aの回転軸方向xの後方から、ステータ20に対向する外周面115aの反対側となる内周面116aに圧入され、また、ヨーク102bは、ロータコア111bの回転軸方向xの前方から、ステータ20に対向する外周面115bの反対側となる内周面116bに圧入される。
また、このヨーク102aと固定シャフトS2との間、及びヨーク102bと固定シャフトS2との間は共に、エアーギャップAG2を形成する。さらに、ロータ101と、ヨーク102a及び102bからなる回転体110が固定シャフトS2に非接触で回転可能になるように、ヨーク102aをリアベアリング106で、ヨーク102bをパイロットベアリング107でそれぞれ支持する。加えて、励磁コイル112aと112bを、固定シャフトS2に固定する。このとき、励磁コイル112a及び112bと、回転体110とは、非接触とする。
このモータ100は、励磁コイル112aと112bを固定シャフトS2に固定すると共に、ヨーク102aと102bをロータコア111の両端部(励磁コイル112aと1
12bの回転軸方向xの前後)にそれぞれ圧入することにより、内側の励磁コイル112a及び112bと、外側の永久磁石113a及び113bと、ヨーク102a及び102bとが磁気的に繋がるようにして、励磁コイル112a及び112bの電流を変化させることにより、ロータ101からステータ102に入る磁束量を変化させて効率を向上することができる。
励磁コイル112aと112bの磁束は、固定シャフトS2、エアーギャップAG2、ヨーク102aと102b、積層電磁鋼板で構成したロータコア111aと111b、エアーギャップAG1、ステータ20、エアーギャップAG1、積層電磁鋼板で構成したロータコア111aと111b、ヨーク102aと102b、及び永久磁石113aと113bの順に流れる。
ヨーク102a及び102bと、固定シャフトS2の間にエアーギャップAG2があるため励磁コイル112aと112bに電気を流さないとき、ロータ101から出る磁束の量が少ない。このとき、励磁コイル112aと112bに逆電流を流すことで、永久磁石113aと113bの磁束を固定シャフトS2の両端部に流すことができるので、ロータ101から外へ流れ出る磁束を少なくするように、磁束の流れを制御することができる。これにより、モータ100の効率をより向上することができる。
また、このモータ100の固定シャフトS2を、出力側の反対側(ギヤGの反対側)になるリヤカバー104にボルト108で固定すると共に、フロントカバー103とリヤカバー104を図示しない細いボルトで数箇所連結して、固定する。このフロントカバー103とリヤカバー104で、ロータ101、ステータ20、ヨーク102aと102b、及び固定シャフトS2を囲って、ケース105に固定する。
さらに、ロータ101と、ヨーク102a及び102bからなる回転体110を、固定シャフトS2回りの回転軸方向xの後方のリアベアリング106と、回転軸方向xの前方のパイロットベアリング107で支える。その上、前方のヨーク102bを、フロントカバー103に対してメインベアリング109で支え、且つ後方のヨーク102aをリヤカバー104に固定した固定シャフトS2に支える。
これにより、ロータ101と、ヨーク102a及び102bからなる回転体110を固定シャフトS2の前方と後方の両端で支持する、所謂両持ち構造で支持することができるので、モータ100の剛性を高めることができる。これにより、回転しているときのロータ101のがたつきや歪みを起因とするギヤGのがたつきや歪みを抑制すると共に、モータ100の破損などを抑制することができる。
そして、積層電磁鋼板で構成したロータコア111を補強するために、第1〜第6の実施の形態の補強板30、41a〜41c、60、74、又は83のどれか一つと同様の構成を有する補強板120を用いる。このロータ101は、ロータコア111aと111b、励磁コイル112Aと112b、永久磁石113aと113b、補強ピン114を備えると共に、補強ピン114の挿通する挿通孔121を有する補強板120を備える。
この補強板120が、ロータコア111の回転軸方向xの略中央部を押さえ込むので、積層電磁鋼板で構成されたロータコア111に遠心力が作用しても、その中央部が変形することを抑制することができる。これにより、簡易な構造で、モータ100の渦電流を防止して、鉄損失を抑制することで効率を向上することができる。
この構成によれば、ロータ101に補強板120を備え、且つロータ101を両持ち構造にすることで、モータ100の剛性を上げることができる。加えて、ロータコア111
aと111bを積層電磁鋼板で構成し、且つ励磁コイル112a及び112bと、ヨーク102a及び102bにより、ロータ101から外に出る磁束を低減することができるので、効率を上げることができる。
なお、ロータ101については、補強ピン114と補強板120の組み合わせも含めて、第1〜第5の実施の形態で説明したもののいずれかを用いることとする。例えば、第1の実施の形態のように、励磁コイルを回転軸方向xに分割しないものや、第5の実施の形態の直径D3の補強ピン81を複数備えるものを用いることができる。
また、実施の形態では、固定シャフトS2とリヤカバー104との固定を、一本のボルト108で固定したが、複数本のボルトで固定してもよく、その固定方法は限定しない。加えて、ギヤGをヨーク102bの回転軸方向xの前方側の端部にねじ込んで固定するものを用いたが、回転体110に固定することができればよい。
さらに、この実施の形態では、回転電機として、両持ち構造のブラシレスのモータ100として説明したが、例えば、両持ち構造のブラシレスのオルタネータとして用いることができる。
本発明のロータは、簡易な構造で、渦電流を防止して、鉄損失を抑制することで効率を向上することができる積層電磁鋼板で構成されたロータコアの強度を向上することができるので、特に車両に搭載する電動機や発電機などの回転電機に利用することができる。
1〜5、100 モータ(回転電機)
10、40、50、70、80 ロータ
11、51a、51b ロータコア
12、52a、52b 励磁コイル
13、53a、53b 永久磁石
14、54、71、81 補強ピン
15a、15b、55a、55b 外周面
16、56a、56b 円筒部
17、57a、57b アーム
18a、18b、58a、58b 磁石用孔
19、59a、59b 補強ピン用孔
20 ステータ
30、60、74、83 補強板
31、61、75、84 挿通孔

Claims (7)

  1. 積層電磁鋼板で構成されるロータコアと、前記ロータコアのステータと対向する対向面の付近に、回転軸方向に貫通するように複数設けられると共に、回転周方向に配置される磁石用孔と、前記磁石用孔に挿入又は圧入される永久磁石とを備えるロータにおいて、
    非磁性材で形成し、前記対向面を回転軸方向に分割する補強板を備えることを特徴とするロータ。
  2. 前記対向面を前記ロータコアの外周面とし、
    円環状に形成した前記補強板が前記対向面と前記磁石用孔と前記永久磁石とを回転軸方向に分割することを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 円環状に形成した前記補強板の内周面の半径を、前記ロータコアのロータ軸の外周面の半径以上になるように形成し、
    前記補強板を、回転軸方向に分割した前記ロータコアで挟持することを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ。
  4. 前記対向面の付近に、回転軸方向に貫通するように複数設けられると共に、回転周方向に略等間隔に、且つ前記磁石用孔の間に配置される補強ピン用孔と、前記補強ピン用孔に挿入される補強ピンを備え、
    円環状に形成した前記補強板に前記補強ピンが挿通する挿通孔を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータ。
  5. 前記挿通孔の内径を前記補強ピン用孔の外径よりも大きくすると共に、前記補強ピンの前記挿通孔の近傍の外径を前記挿通孔の内径と略等しくすることを特徴とする請求項4に記載のロータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータを備えることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項6に記載の回転電機が、インナーロータ式かつラジアルギャップ方式であるブラシレス回転電機であることを特徴とする回転電機。
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