以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
本発明の撮影機器は、撮影光学系により結像された光学像を固体撮像素子等の光電変換素子等によって順次画像信号に変換し、これにより得られた画像信号を液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置を用いて順次再生表示すると共に、同画像信号を任意のタイミングで所定の形態の画像データ(静止画像データ若しくは動画像データ)に変換して記録媒体に記録し、また当該記録媒体に記録された画像データを画像として上記画像表示装置に再生表示し得るように構成されたデジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器である。
以下の説明に用いる各図面においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これらの図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率及び各構成要素の相対的な位置関係は、図示の形態のみに限定されるものではない。
また、以下に説明する各実施形態においては、撮影機器の使用時に被写体に対向する面を前面というものとする。撮影機器の使用時に使用者が対面する面を背面というものとする。操作部材のうちシャッターレリーズボタンが配設されている面を上面というものとする。撮影機器の上面に対向して設けられる面を底面というものとする。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の撮影機器の内部構成を示すブロック構成図である。本実施形態の撮影機器10は、画像処理制御部11と、撮像部12と、記録部14と、操作判定部15と、操作部17と、タッチパネル17bと、表示部18と、時計部29と、レンズリング12cと、レンズ情報記憶部12d等を具備して構成されている。
画像処理制御部11は、本撮影機器10の全体及び各構成ユニットのそれぞれを統括的に制御する制御回路部と、各種の信号処理を実行する信号処理回路部とによって主に構成され、例えばマイコン等からなる回路部である。このうち、制御回路部は、撮影機器10の各種構成ユニットから送られてくる各種制御信号を受けて、その制御信号に対応する各種の制御処理を実行すると共に、撮影機器10の全体を統括的に制御する制御回路からなる。信号処理回路部は、撮像部12における撮像素子12bによって取得された画像信号を受けて、表示用画像信号や記録用画像データ等を生成するための各種の信号処理(例えば圧縮伸張処理等)を行う信号処理回路である。
画像処理制御部11は、表示制御部11aと、特殊効果画像処理部11baを含む撮影制御部11bと、タッチスライド判定部11cと、変換部11d等を内部に具備している。
表示制御部11aは、撮像部12の撮像素子12bによって取得された画像信号に基く画像を表示部18を用いて表示させるべく、当該表示部18の駆動制御等、表示動作に関する制御を行う回路部である。
撮影制御部11bは、使用者による撮影操作、例えばレンズリング12c等の操作等を受けて、撮像部12の駆動制御等、撮影動作に関する制御を行う回路部である。この撮影制御部11bには、上述したように特殊効果画像処理部11baが含まれている。
特殊効果画像処理部11baは、撮像部12の撮像素子12bによって取得された通常の画像信号に対して、使用者の設定に従った特殊効果フィルタ画像処理等の画像信号処理を施す回路部である。ここで、特殊効果フィルタ画像処理としては、例えば
撮影レンズの前面に各種の光学フイルタ(例えば色変換フイルタ,コントラスト調整フイルタ等)を配置した場合に得られるものと同等の画像効果、
特定用途の撮影レンズ(例えば魚眼レンズやアオリ機構付き撮影レンズ等)を用いた場合に得られるものと同等の画像効果、
露出調節やホワイトバランス調整,カラーバランス調整等の画像信号に対する調整を行う際の各種設定値を変更して得られる画像効果等、
を撮影画像信号に施すための画像信号処理である。なお、特殊効果フィルタ画像処理としては、上述した具体例のほかにも各種様々な画像処理があり、基本的には、撮影レンズの前面に各種の光学フィルタを配置した場合に得られる画像効果と同等の効果を得られるものであればよい。
タッチスライド判定部11cは、表示部18,タッチパネル17b,操作判定部15等からの出力信号を受けて、表示部18の表示画面上においてタッチ操作された位置やスライド操作の始点位置,終点位置やスライド量等を判定する制御回路である。
変換部11dは、タッチスライド判定部11cの判定結果(数値信号等)を受けて表示部18で表示するのに適する形態、例えばアイコン表示等を行うための信号変換を行う回路部である。そのために変換部11dの出力は表示制御部11aへと出力される。
撮像部12は、撮影光学系を構成する複数の光学レンズ等からなる撮影用のレンズ12aと、このレンズ12aによって結像される対象物の被写体像を受光して光電変換を行って画像信号を生成する撮像素子12b等によって主に構成されている。撮像素子12bとしては、例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)等の半導体素子を用いたCCDイメージセンサーや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補性金属酸化膜半導体)等を用いたMOS型イメージセンサー等の固体撮像素子が適用される。
なお、本実施形態においては、撮像部12にレンズ12aが含まれるものとして構成しているが、撮影光学系としてのレンズ12aの形態としては、撮影機器10に一体に固定されるものでもよいし、撮影機器10の筐体に対して着脱自在に構成されるものとしてもよい。つまり、本発明は、レンズ固定タイプの撮影機器に対しても、レンズ着脱タイプの撮影機器に対しても、全く同様に適用することができるものである。
表示部18は、撮影機器10の背面に向けて設置される表示パネルを有する画像表示装置である。表示部18には、撮影モード時のライブビュー画像や、再生モード時の再生画像等のほか、各動作モード時には対応する各種設定メニュー等が表示される。この表示部18に適用される画像表示装置としては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display)等が採用される。
記録部14は、撮像素子12bによって取得された画像データを所定のフォーマットで記録する補助記憶装置(データストレージ)である。ここで、画像データの所定のフォーマットとは、例えば静止画像データであればJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の圧縮画像フォーマットや、撮像素子12bからの未加工のRAWフォーマット等であり、動画像データであればMPEG(Moving Picture Experts Group)形式等の圧縮動画フォーマット等である。記録部14としては、例えばカード形状のメモリーカード(Memory card)等や、機器内部に固定した記憶装置等が適用される。
操作部17は、本撮影機器10の外面上に設けられる各種の操作部材と、これら複数の操作部材の各々に対応するスイッチ等によって構成される。操作部17に含まれる操作部材としては、例えばシャッターボタン17cや、モード切り換えダイヤル17d等のほか、レンズ12aを保持するレンズ鏡筒(不図示)近傍に配置されるレンズリング12c等がある(後述する図2,図3等参照)。また、表示部18の表示画面上に設けられるタッチパネル17bも操作部17に含むものとする。
操作判定部15は、上記操作部17からの指示信号を受けて指示入力された操作の種類を判定する回路部である。操作判定部15による判定結果に基いて、信号処理及び制御部11における制御部は、各対応する制御を実行する。
時計部29は、いわゆるリアルタイムクロック(Real-Time Clock;RTC)と言われるコンピュータの内部時計である。時計部29は、例えばデータファイル等の日時情報の付与を行ったり、制御処理中におけるカウンターや時間制御等において活用される。
レンズ情報記憶部12dは、上記レンズ12aに固有の情報、例えば焦点距離情報,絞り情報,各収差情報等、撮影用のレンズ12aに関する各種の情報を予め記憶した回路部である。レンズ情報記憶部12dとしては、ROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ等が適用される。
その他、本発明に直接的に関わりのない構成については、従来の一般的な構成の撮影機器に具備されるものと同様の構成ユニットが備わっているものとし、その説明及び図示は省略する。
このように構成された本実施形態の撮影機器10を使用する際の作用を、図2〜図7を用いて以下に説明する。図2は本実施形態の撮影機器を手に持って構えた時のようすを示す図である。図3は図2の状態を撮影機器の背面側から見た際のようすを示す図である。図4は図3の状態において表示部にフィルタアイコンが表示されたようすを示す図である。図5は図4の状態においてフィルタアイコンを操作しているようすを示す図である。図6は図5の状態の後、フィルタアイコンを操作してフィルタ効果の設定変更をしているようすを示す図である。図7は本実施形態の撮影機器の機器制御のメインシーケンスを示すフローチャートである。
まず、撮影機器10が電源オン状態にあって、例えば撮影動作を実行可能な撮影モードに設定されている状態で、使用者は撮影機器10を両手を使って保持する。その保持の仕方は、従来の撮影機器にて行われる方法と同様である。即ち、図2に示すように、右手120Rにて撮影機器10の正面から見て左側を保持する。このとき、右手120Rの人差し指は、図2,図3に示すように、例えばシャッターボタン17cにかけられる位置にあり、また、右手120R親指120Rbは、図3に示すように、撮影機器10の背面から見て本体右側寄りの部位であって図3の符号Aで示す領域内を含む近傍領域に自由配置される。一方、左手120Lは、図2に示すように、レンズ12aを保持するレンズ鏡筒を下側から掴むように保持する。
このとき、撮影機器10は、上述したように電源オン状態でかつ撮影モードに設定されている。そのため、撮影機器10の背面側の表示部18の表示画面には、図3に示すようにいわゆるライブビュー画像が表示されている。
図3に示す状態において、使用者は右手120Rの親指120Rbを、表示部18の表示画面外の領域から表示部18の符号Aで示す領域内へと侵入させる。このとき右手120Rの親指120Rbで、表示部18に重ねて配置されているタッチパネル17bの表面をスライドさせるタッチ&スライド操作を行う。本撮影機器10においては、この操作を行うことによって特殊効果フィルタ画像処理モードが起動する。こうして、特殊効果フィルタ画像処理モードが起動すると、図4に示すように、表示部18の所定領域であって図3の符号Aで示す領域に対応する部分に、操作用アイコンであるフィルタアイコン21が表示される。
フィルタアイコン21の一形態としては、例えば図4等に示すように、従来の光学フィルターを模して疑似的にデザインされた表示アイコンの形態が考えられる。即ち、図4等に示す例では、略円形状のアイコン表示であって、その円形内部の所定領域にフィルタ効果種類を表わすフィルタ名表示21aやフィルタ効果を適用するための上下スライドバー表示21b等が表示され、円形外周縁部にはフィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等、適用レベルの設定を行うためのアイコンリング表示21cが表示された形態のアイコンである。また、フィルタアイコン21の円形内部の領域について、上下スライドバー表示21bを挟んで示される二つの領域があり、その一方を領域21eとし、他方を領域21dとする。また、上下スライドバー表示21bやアイコンリング表示21c等、使用者がタッチ&スライド操作の際に触れる部分等には、例えば刻み目等を施すといったデザイン上の工夫がなされている。これによって、使用者は、それらの部分が操作部位であることを直感的に理解でき、操作性の向上に寄与し得るという効果がある。
このような形態のフィルタアイコン21は、表示部18に表示され、このアイコン21に対して使用者がタッチパネル17b越しにタッチ操作やスライド操作を行うと、画像処理制御部11のタッチスライド判定部11cがそれらの操作を判定し、その判定結果をうけて対応する制御がなされることになる。
なお、フィルタアイコン21の表示形態は、この例に限られることはなく各種様々な形態が考えられ、如何なる表示形態のものでも適用し得る。
図4の状態は、特殊効果フィルタ画像処理モードが起動してフィルタアイコン21が表示された状態を示している。この状態では、予め用意された複数種類のフィルタ効果のうちの一つが選択された状態にあり、その選択されたフィルタ効果種類のフィルタ名表示21aが「Art」として表示されている。なお、この図4の状態は、未だ特殊効果フィルタ画像処理は実行されていない状態である。したがって、図4に示す撮影機器10の表示部18には、特殊効果フィルタ画像処理前の通常のライブビュー画像の表示がなされている。
図4の状態において、使用者が右手120Rの親指120Rbにて、上下スライドバー表示21bに相当する部位をタッチ操作して、そのタッチ状態を保持したまま図5に示す矢印X方向にタッチ&スライド操作する。すると、フィルタアイコン21の円形内部において、上下スライドバー表示21bが矢印X方向に移動する。この上下スライドバー表示21bの移動に伴って、表示部18のライブビュー画像表示は表示画面の上縁部から下縁部へ向けて特殊効果フィルタ画像処理済みの表示に切り換わる。
つまり、上下スライドバー表示21bの矢印X方向への移動に伴って、フィルタアイコン21の円形内部領域の一方の領域21eの面積は徐々に増加し、他方の領域21dの面積は徐々に減少するような表示形態となっている。この場合において、一方の領域21eの面積は特殊効果フィルタ画像処理が適用された領域を示し、他方の領域21dの面積は同画像処理の未適用領域を示している。したがって、一方の領域21eと他方の領域21dの面積の変位は、表示部18のライブビュー画像表示に対する特殊効果フィルタ画像処理の進行状態に対応している。
上下スライドバー表示21bを最終的に図6に示すように、フィルタアイコン21の円形内部領域の最下端部まで移動させると、同上下スライドバー表示21bは、その場に固定され、同時に表示部18のライブビュー画像表示も全領域に亘って特殊効果フィルタ画像処理適用済みの表示となる。この状態において、フィルタアイコン21のアイコンリング表示21cをタッチ操作して、そのタッチ状態を保持したまま図6に示す矢印R方向にタッチ&スライド操作する。これによりフィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等を行うことができる。この場合において、アイコンリング表示21cを図6の矢印R方向にタッチ&スライド操作に連動させて、円形内部領域のうちの一方の領域21e、即ち特殊効果フィルタ画像処理適用済み領域の表示を、例えば濃淡,明暗等を変化させる表示とし、同時にライブビュー画像表示も、対応するフィルタ効果の濃淡,強弱が反映する表示としている。またここで、アイコンリング表示21cの回転方向(図6の矢印R方向)へのタッチ&スライド操作の代わりに、レンズリング12cを回転させることで、同様にフィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等を行うようにしてもよい。
こうして特殊効果フィルタ画像処理の設定を決定したら、通常の撮影動作の通り、シャッターボタン17cを押圧操作することによりレリーズ操作、若しくはタッチパネル17bのタッチ操作によるレリーズ操作を行うことによって撮影動作を実行する。これによって、設定されている撮影動作モードが静止画撮影モードであれば静止画像の撮影が行われ、設定されている撮影動作モードが動画撮影モードであれば動画像の撮影が開始される。そして、再度のレリーズ操作を受けて動画像撮影は終了する。
このように本実施形態においては、特殊効果フィルタ画像処理モードが起動された時には、表示部18にフィルタアイコン21を表示させ、このフィルタアイコン21に対するタッチ&スライド操作によってフィルタ効果の適用操作や、その設定等を行うようにしている。これら一連の操作は、従来の撮影機器においてレンズ前面に光学フィルタを配置する作業等に似せた疑似的な操作としている。そして、フィルタアイコン21の形態を工夫することによって、使用者が直感的に操作し得る操作体系を意識した構成としている。
次に、本実施形態の撮影機器10の機器制御メインシーケンスを図7のフローチャートに従って説明する。
まず、撮影機器10の電源がオン状態にされると、信号処理及び制御部11は、機器全体の初期化処理を行う。この初期化処理は、従来の撮影機器において一般的に行われる処理と同様の処理であり、その詳細説明は省略する。そして、上記初期化処理が終了すると、本撮影機器10の信号処理及び制御部11は、図7の処理シーケンスを実行する。
ステップS101において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15を監視して現在設定されている動作モードが撮影モードに設定されているか否かの確認を行う。ここで、撮影モードに設定されていることが確認されると、次のステップS102の処理に進む。また、撮影モード以外の動作モードが設定されていることが確認されると、ステップS211の処理に進む。
ステップS102において、信号処理及び制御部11は、撮像部12,表示部18を制御して、撮像部12によって取得された画像データに基く画像を順次表示するライブビュー画像表示処理を実行する。
また、ここで、使用者が右手120R親指120Rbを表示部18の表示画面外の領域から表示部18の符号Aで示す領域内へと侵入させるタッチ&スライド操作(図3,図4で説明した操作)を行うと、信号処理及び制御部11のタッチスライド判定部11cはタッチパネル17bからの入力信号を受けて特殊効果フィルタ画像処理モードを起動させる。これに伴って、信号処理及び制御部11の表示制御部11aは、表示部18を制御してフィルタアイコン21を表示させる。その後、ステップS103の処理に進む。
ステップS103において、信号処理及び制御部11は、既に特殊効果フィルタ画像処理が適用済みであるか否かの確認を行う。ここで、特殊効果フィルタ画像処理が適用済みであることが確認された場合には、ステップS104の処理に進む。
ステップS104において、信号処理及び制御部11は、タッチスライド判定部11cからの信号を監視し、フィルタアイコン21の上下スライドバー表示21bが上方へスライド操作されたか否かの確認を行う。この場合において、上下スライドバー表示21bの上方へのスライド操作は、特殊効果フィルタ画像処理の適用を解除するための操作である。ここで、上下スライドバー表示21bの上方へのスライド操作が確認された場合には、ステップS105の処理に進み、ステップS105において、信号処理及び制御部11の撮影制御部11bの特殊効果画像処理部11baは、適用済みの特殊効果フィルタ画像処理を解除する。これにより表示部18に表示中のライブビュー画像表示は通常のライブビュー表示に戻る。その後、ステップS111の処理に進む。
また、上述のステップS104の処理にて、上下スライドバー表示21bの上方へのスライド操作が確認されない場合には、ステップS108の処理に進む。
一方、上述のステップS103の処理にて、未だ特殊効果フィルタ画像処理が適用されていないことが確認された場合には、ステップS106の処理に進む。
ステップS106において、信号処理及び制御部11は、タッチスライド判定部11cからの信号を監視し、フィルタアイコン21の上下スライドバー表示21bが下方へスライド操作されたか否かの確認を行う。この場合において、上下スライドバー表示21bの下方へのスライド操作は、上述したように、特殊効果フィルタ画像処理を適用するための操作である。ここで、上下スライドバー表示21bの下方へのスライド操作が確認された場合には、ステップS107の処理に進み、ステップS107において、信号処理及び制御部11の撮影制御部11bの特殊効果画像処理部11baは、選択設定されている種類の特殊効果フィルタ画像処理を適用する。これにより表示部18に表示中の通常のライブビュー画像は対応する特殊効果フィルタ画像処理済みのライブビュー画像に切り換わる。その後、ステップS108の処理に進む。
また、上述のステップS106において、上下スライドバー表示21bの下方へのスライド操作が確認されない場合には、ステップS111の処理に進む。
次に、ステップS108において、信号処理及び制御部11は、タッチスライド判定部11c及び操作判定部15を監視して、アイコンリング表示21cの回転スライド操作若しくはレンズリング12cの回転操作がなされたか否かの確認を行う。これらの操作は、上述したように、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等のための操作である。ここで、アイコンリング表示21c若しくはレンズリング12cの回転操作が確認された場合には、次のステップS109の処理に進む。また、アイコンリング表示21c若しくはレンズリング12cの回転操作が確認されない場合には、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等の設定が既に確定されているものとして、ステップS111の処理に進む。
ステップS109において、信号処理及び制御部11は、タッチスライド判定部11c及び操作判定部15からの出力信号に基いてアイコンリング表示21c若しくはレンズリング12cの回転量、即ちフィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整量を切り換え制御し、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等の設定を確定する。その後、ステップS111の処理に進む。
次に、ステップS111において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15若しくはタッチスライド判定部11c等からの信号を監視して、静止画像の撮影動作を開始するレリーズ信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、静止画像撮影のためのレリーズ信号が確認された場合には、次のステップS112の処理に進む。また、静止画像撮影のためのレリーズ信号が確認されない場合には、ステップS121の処理に進む。
ステップS112において、信号処理及び制御部11は、撮影制御部11bを介して撮像部12を制御し、同時に表示制御部11aを介して表示部18を制御して、通常の静止画撮影動作を実行する。その後、ステップS121の処理に進む。
ステップS121において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15若しくはタッチスライド判定部11c等からの信号を監視して、動画の撮影動作を開始するレリーズ信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、動画撮影のためのレリーズ信号が確認された場合には、次のステップS122の処理に進む。また、動画撮影のためのレリーズ信号が確認されない場合には、上述のステップS101の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS122において、信号処理及び制御部11は、撮影制御部11bを介して撮像部12を制御し、同時に表示制御部11aを介して表示部18を制御して、通常の動画撮影動作を実行する。その後、ステップS123の処理に進む。
ステップS123において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15若しくはタッチスライド判定部11c等からの信号を監視して、動画撮影動作の終了信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、動画撮影終了信号が確認された場合には、次のステップS124の処理に進む。また、動画撮影終了信号が確認されない場合には、上述のステップS102の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS124において、信号処理及び制御部11は、撮影制御部11bを介して撮像部12を制御し、同時に表示制御部11aを介して表示部18を制御して動画撮影動作の終了処理を実行する。そして、上述のステップS112の処理にて取得された静止画像データ若しくは上述のステップS122〜S123の処理にて取得された動画像データの記録部14への記録動作を実行する。その後、ステップS101の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
一方、上述のステップS101の処理にて、撮影モード以外の動作モードが設定されていることが確認されてステップS211の処理に進むと、このステップS211において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15を監視して現在設定されている動作モードが再生モードに設定されているか否かの確認を行う。ここで、再生モードに設定されていることが確認されると、次のステップS212の処理に進む。また、再生モードが設定されていない場合には、上述のステップS101の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
ステップS212において、信号処理及び制御部11は、表示部18,記録部14等を駆動制御して通常の画像再生処理を開始する。ここでは、まず、記録部14に記録済みの複数の画像データのサムネイル画像を読み込んで、表示部18にファイル一覧表示処理を行う。その後、ステップS213の処理に進む。
続いて、ステップS213において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15を監視して再生を所望する画像ファイルについての選択操作に伴う指示信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、ファイル選択指示信号が確認されると、次のステップS214の処理に進む。また、ファイル選択指示信号が確認されない場合には、ステップS216の処理に進み、このステップS216において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15を監視して再生動作を終了する旨の終了指示信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、終了指示信号が確認されると、上述のステップS101の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。また、終了指示信号が確認されない場合には、上述のステップS212の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
上述のステップS213の処理にて、ファイル選択指示信号が確認されてステップS214の処理に進むと、このステップS214において、信号処理及び制御部11は、選択指示信号に従って対応する選択画像ファイルを記録部14より読み出して、これを表示部18を用いて再生表示する制御を行う。
続いて、ステップS215において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15を監視して再生表示中の画像再生処理を終了する旨の再生終了指示信号が発生したか否かの確認を行う。ここで、再生終了指示信号が確認されると、上述のステップS212の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。なお、この処理ステップでは、再生終了指示信号が確認されるまで画像再生処理を継続して行う。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、特殊効果フィルタ画像処理モードを起動した時、表示部18にフィルタアイコン21を表示させ、このフィルタアイコン21に対するタッチ&スライド操作によってフィルタ効果の適用操作や、その設定等を行うようにしている。これら一連の操作は、従来の撮影機器においてレンズ前面に光学フィルタを配置する作業等に似せた疑似的な操作としているので、使用者は直感的に操作することができる。また、特殊効果フィルタ画像処理モードを起動しての撮影では、各種操作を直感的で簡単な操作を行うのみでよいので、撮影に専念することができ、アイコンに対するタッチ&スライド操作の操作量も少なくて済むので、機器を保持する手の一部(親指一本)で操作できることから、例えば手ぶれ等を抑えることができ、さらに迅速に操作を行うことができると共に、操作結果の確認や操作設定等の確認を容易に行うことができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の撮影機器について、図8〜図16を用いて以下に説明する。図8は本発明の第2の実施形態の撮影機器の内部構成を示すブロック構成図である。
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。即ち、本実施形態の撮影機器10Aは、表示系の構成ブロックとして上述の第1の実施形態における表示部18に相当する背面表示部18のほかに、ファインダー形態からなる接眼表示部19及び接眼レンズ19b(図11参照)を具備している点が異なる。
接眼表示部19は、いわゆる電子ビューファインダー(EVF:Electronic View Finder)である。接眼表示部19は、具体的には例えば小型のLCD若しくは有機ELディスプレイ等が適用される。この接眼表示部19には、上述の第1の実施形態における表示部18(本実施形態においては背面表示部18)に表示される各種の画像、即ちライブビュー画像(撮影モード時),再生画像(再生モード時)等のほかに各種設定メニュー表示(撮影モード時及び再生モード時)を行ったり、特殊効果フィルタ画像処理モード時におけるフィルタアイコン21等が、上記表示部18と全く同様に表示され得る。なお、接眼表示部19と背面表示部18とは、いずれか一方が択一的に動作する。また、接眼表示部19及び背面表示部18は、いずれも表示制御部11aによって駆動制御される。
また、本実施形態の撮影機器10Aにおいては、この接眼表示部19を配設したことに伴って、撮影機器10Aの背面側であって接眼表示部19の接眼部近傍にアイセンサ16が配設されている。このアイセンサ16は、使用者が接眼レンズ19bを介して接眼表示部19の表示を観察する姿勢、つまり接眼レンズ19bを覗き込むべく使用者の顔を撮影機器10Aの背面に近付けたことを検出することで、接眼表示部19を使用している状態を判定するセンサである。その他の構成は上述の第1の実施形態と全く同様である。したがって、それらの構成部材については同じ符号を附して詳細説明は省略する。
このように構成された本実施形態の撮影機器10Aを使用する際の作用を、図9〜図16を用いて以下に説明する。
図9は本実施形態の撮影機器を手に持って構えた時のようすを示す図である(第1の実施形態の図2に相当する)。図10は図9の状態を撮影機器の背面側から見た際のようすを示す図である(第1の実施形態の図3に相当する)。図11は本実施形態の撮影機器の概略構成を示す概略ブロック構成図である。図12は図10の状態において背面表示部にフィルタアイコンが表示され、接眼表示部にライブビュー画像がなされたようすを示す図である(第1の実施形態の図4に相当する)。図13は図12の状態においてフィルタアイコンを操作している際の背面表示部及び接眼表示部の表示状態を示す図である(第1の実施形態の図5に相当する)。図14は本実施形態の撮影機器において特殊効果フィルタ画像処理モード起動時にフィルタアイコンを非表示にする操作を行っているようすを示す図である。図15は図14の状態から再度フィルタアイコンを表示させる操作を行っているようすを示す図である。図16は本実施形態の撮影機器の機器制御のメインフローチャートである。
本実施形態の撮影機器10Aを用いて撮影動作を行うのに際しては、上述の第1の実施形態(図2参照)と同様に、使用者は撮影機器10を両手によって保持する(図9参照)。そして、接眼表示部19を使用する場合には、使用者は図11に示すように接眼レンズ19bの近傍に顔を配置させて眼101でもって接眼レンズ19bの配設されている接眼部を覗き込むことによって接眼表示部19の表示画面を観察し得る。
このとき、接眼表示部19の表示画面には、図12の符号19aに示されるようなライブビュー画像が表示されている。また、図10に示す状態において、使用者が右手120Rの親指120Rbを、背面表示部18の表示画面外の領域から背面表示部18の符号Aで示す領域内へと侵入させるタッチ&スライド操作を行うと特殊効果フィルタ画像処理モードが起動する。これにより、背面表示部18の所定領域には図10,図12に示すようなフィルタアイコン21のみが表示される。なお、本実施形態におけるフィルタアイコン21の表示形態は、上述の第1の実施形態と同様としている。
なお、図12の状態は、未だ特殊効果フィルタ画像処理は実行されていない状態である。したがって、図12に示す状態では、撮影機器10Aの接眼表示部19の表示画面19aには、特殊効果フィルタ画像処理前の通常のライブビュー画像の表示がなされている。
そして、上述の第1の実施形態と同様に、図12の状態において、使用者が右手120Rの親指120Rbにて、上下スライドバー表示21bを図13に示す矢印X方向にタッチ&スライド操作する。これにより、フィルタアイコン21の円形内部において、上下スライドバー表示21bが矢印X方向に移動し、この上下スライドバー表示21bの移動に伴って、接眼表示部19の表示画面19aのライブビュー画像表示は特殊効果フィルタ画像処理済みの表示に切り換わる(図13参照)。したがって、上下スライドバー表示21bを矢印X方向に移動させるとき、特殊効果フィルタ画像処理の適用済み領域と未適用領域とを一望することができるので、一画像内において画像処理適用領域と未適用領域とを比較することができる。
また、スライド量に応じて、適用済み領域と未適用領域の面積割合を変更することができる。つまり、上下スライドバー21bを全移動量の半分だけスライドさせると、全画面のうちの上側半分の領域にフィルタ画像処理効果を適用させることができる。このように、フィルタアイコン21の上下スライドバー21bの操作量と、表示部に表示されるライブビュー画像に反映させる画処理範領域とは比例するように設定している。
また、フィルタアイコン21の操作量としては、親指のみによって操作し得る程度としながら、その操作によって表示部の表示画像に反映される領域は、最終的に画面全体である。したがって、少ない操作量によって、特殊効果フィルタ画像処理を適用する撮影を迅速に行い得ると共に、当該画像処理モード時における各種設定等の切り換え操作等も同じアイコンフィルター21を用いるようにしたので、より迅速な操作性を実現できる。さらに、親指の表示画面内への侵入でモード切り換えを可能としたので、親指の僅かな動きのみでモード切り換え操作を行い得る。また、このことは、撮影機器1を保持している手指を他の操作のために転用することになるが、機器の保持を離れた親指による操作量は、極めて小さくてよく、よって撮影動作時の機器を保持する際に生じる可能性のあるいわゆる手ぶれ等、機器が揺れたり動いてしまうことによる画質劣化を抑えることができる。
また、本実施形態においても、特殊効果フィルタ画像処理の適用を完了した状態では、アイコンリング表示21cの回転方向へのタッチ&スライド操作によって、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等を行うことができるのは、上述の第1の実施形態と同様である。また、アイコンリング表示21cの回転方向へのタッチ&スライド操作の代わりに、レンズリング12cを回転させることで、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等を行うようにしてもよいのも、上述の第1の実施形態と同様である。
さらに、本実施形態においても、接眼表示部19を使用せずに背面表示部18のみを用いて撮影動作を行なうことができる。その場合の作用は、上述の第1の実施形態と全く同様である。
一方、本実施形態においては、接眼表示部19と背面表示部18とを択一的に用いて撮影動作等を行うように構成しているが、これに限られることはない。例えば、接眼表示部19を用いてライブビュー画像表示を行っているときに、特殊効果フィルタ画像処理モードを起動させると、上述したように、背面表示部18にはフィルタアイコン21が表示されるようにしている(図12参照)。このとき、接眼表示部19に加えて、背面表示部18にもライブビュー画像表示を行なうようにしてもよい。そして、フィルタアイコン21の上下スライドド操作によって特殊効果フィルタ画像処理の適用を開始すると、接眼表示部19と背面表示部18とのうち一方には通常のライブビュー画像を表示させ、他方には
特殊効果フィルタ画像処理済みのライブビュー画像を表示させるようにする。このような構成とすれば、画像処理効果の適用前後の画像を、2つの表示部のそれぞれに表示させることができるので、適用前後の画像を比較することができる。
フィルタアイコン21の表示は、特殊効果フィルタ画像処理モードが起動している間は常時表示させるようにする形態のほかに、特殊効果フィルタ画像処理モードが起動している間においては、使用者の右手親指120Rbが背面表示部18の所定領域(図3の符号Aで示す領域を参照)内にあるときにのみフィルタアイコン21を表示させる形態としてもよい。
例えば、フィルタアイコン21を常時表示させておけば、使用者は特殊効果フィルタ画像処理モードが起動していることを常に認識し得る。その一方で、フィルタアイコン21を常時表示させていると、ライブビュー表示画面の一部が隠されてしまうので、例えば構図決定等を行う際に支障が生じる可能性もある。そこで、フィルタアイコン21を適宜所望の時に非表示状態にすることができれば、特殊効果フィルタ画像処理モードの起動時であってもライブビュー表示画面全体を表示させる状態を現出させることができるので、構図決定等を支障無く行うことができるという利点がある。
さらに、本実施形態の撮影機器10Aにおいては、使用者の右手親指120Rbが背面表示部18の所定領域(図3の符号Aで示す領域を参照)内にあるときにのみフィルタアイコン21を表示させて特殊効果フィルタ画像処理モードを起動させる一方、右手親指120Rbが当該所定領域外に移動するスライド操作が検出された場合には、特殊効果フィルタ画像処理モードを解除すると共に、フィルタアイコン21を消去して代わりに、例えば図14に示すような通常の撮影設定用アイコン(以下、通常アイコンと略記する)31、即ち閃光発光設定,マクロ撮影設定,露出補正設定等に対応する設定用のアイコンを表示させ、タッチ操作若しくはタッチ&スライド操作によって適宜設定変更を行い得るように制御してもよい(図14参照)。
そして、そのような設定変更操作が終わったら、右手親指120Rbを上記所定領域内へとスライド操作でいつでも移動させれば、即座にフィルタアイコン21を表示させ特殊効果フィルタ画像処理モードが起動する(図15参照)。
このように本実施形態においては、接眼表示部19を用いてライブビュー画像を観察しながら撮影動作を実行する場合において、特殊効果フィルタ画像処理モードを起動したときには、背面表示部18を用いてフィルタアイコン21を表示させるようにしている。この場合、背面表示部18のフィルタアイコン21のタッチ&スライド操作は、接眼表示部19を覗きながら支障無く行うことができる。これと同時に、接眼表示部19のファインダ画像(ライブビュー画像)上にはフィルタアイコン21が表示されないので、ファインダ画像を観察しながら行う構図決定等に専念することができる。
また、背面表示部18のみを用いて撮影動作を実行する場合(上述の第1の実施形態も含む)において、特殊効果フィルタ画像処理モードを起動したとき、背面表示部18のフィルタアイコン21を適宜非表示状態とする制御を行うことによって、背面表示部18を観察しながらの構図決定も支障無く行なうことができる。
次に、本実施形態の撮影機器10Aの機器制御メインシーケンスを図16のフローチャートに従って説明する。本実施形態の撮影機器10Aにおける機器制御メインシーケンスは、上述の第1の実施形態のメインシーケンス(図7)と略同様である。したがって、本実施形態においては、上述の第1の実施形態における同じ処理ステップは同じステップ番号を附して説明を省略し、異なる処理ステップのみを以下に詳述する。
ステップS101において、信号処理及び制御部11は、操作判定部15を監視して現在設定されている動作モードが撮影モードに設定されているか否かの確認を行う。このステップS101の処理は、上述の第1の実施形態(図7)と同様である。
ステップS101の処理にて、撮影モード以外に設定されていることが確認された場合には、ステップS211の処理に進む。このステップS211の処理以降、ステップS216の処理までは、上述の第1の実施形態と全く同様である(図7)。
一方、ステップS101の処理にて、撮影モードに設定されていることが確認された場合には、ステップS102Aの処理に進む。
ステップS102Aにおいて、信号処理及び制御部11は、撮像部12,背面表示部18若しくは接眼表示部19を制御して、撮像部12によって取得された画像データに基く画像を順次表示するライブビュー画像表示処理を実行する。これと同時に、背面表示部18の所定領域に上記通常アイコン31(図14参照)を表示させる。その後、ステップS103の処理に進む。このステップS103の処理は、上述の第1の実施形態と同様である(図7)。
そして、ステップS103の処理にて、未だ特殊効果フィルタ画像処理が適用されていないことが確認された場合には、ステップS103Aの処理に進む。
ステップS103Aにおいて、信号処理及び制御部11のタッチスライド判定部11cは、画面外右側から画面内に向けてのスライド操作がなされたか否かの確認を行う。ここで、当該スライド操作が確認された場合には、ステップS103Bの処理に進む。また、当該スライド操作が確認されない場合には、ステップS103Cの処理に進む。
ステップS103Bにおいて、信号処理及び制御部11は、背面表示部18等を制御して、背面表示部18に表示中の通常アイコン31の表示を消去すると同時に、フィルタアイコン21を所定領域に表示させる。その後、ステップS106の処理に進む。
一方、ステップS103Cにおいて、信号処理及び制御部11のタッチスライド判定部11cは、タッチパネル17bへのタッチ操作がなされたか否かの確認を行う。ここで、タッチ操作が確認された場合には、タッチ位置の判定を行った後、ステップS103Dの処理に進む。また、タッチ操作が確認されない場合には、ステップS111の処理に進む。なお、ステップS111の処理以降、ステップS112,S121〜S124の各処理は、上述の第1の実施形態と同様である(図7)。
ステップS103Dにおいて、信号処理及び制御部11は、上述のステップS103Cの判定結果に基いて、タッチ位置に応じた制御を実行する。つまり、上述のステップS103Cの処理の時点で行われるタッチ操作は、背面表示部18に複数表示されている通常アイコン31に対するタッチ操作である。したがって、このステップS103Dにおいては、、複数の通常アイコン31のうちから使用者がタッチ操作によって選択指示した特定アイコンに対応する制御処理を実行する。なお、ここで例示する通常アイコン31は上述した閃光発光設定,マクロ撮影設定,露出補正設定等であるが、これらに対応する個々の制御処理サブルーチンの詳細は図示せず、従来の撮影機器における一般的な処理と同様であるものとして、その説明は省略する。その後、ステップS111の処理に進む(以降、上述の第1の実施形態と同様。図7)。
次に、ステップS106において、信号処理及び制御部11は、タッチスライド判定部11cを介して上下スライドバー表示21bの下方へのスライド操作が確認されない場合には、ステップS106Aの処理に進む。
ステップS106Aにおいて、信号処理及び制御部11のタッチスライド判定部11cは、背面表示部18の所定領域内から画面外方向へ向けてのスライド操作がなされたか否かの確認を行う。ここで、当該スライド操作が確認された場合には、ステップS106Bの処理に進む。また、当該スライド操作が確認されない場合には、ステップS106の処理に戻り、以降同様の処理を繰り返す。
ステップS106Bにおいて、信号処理及び制御部11は、背面表示部18等を制御して、背面表示部18に表示中のフィルタアイコン21の表示を消去すると同時に、通常アイコン31を所定領域に表示させる。その後、ステップS111の処理に進む。以降の処理は、上述の第1の実施形態と同様である。
以上説明したように本発明の第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施形態によれば、接眼表示部19を用いてライブビュー画像を観察しながら撮影動作を実行する場合において、特殊効果フィルタ画像処理モードを起動したときには、背面表示部18を用いてフィルタアイコン21を表示させるようにしている。したがって、接眼表示部19を覗きながらでも、背面表示部18のフィルタアイコン21のタッチ&スライド操作を支障無く行うことができる。これと同時に、接眼表示部19のファインダ画像(ライブビュー画像)上にはフィルタアイコン21が表示されないので、接眼表示部19のファインダ画像を観察しながら行う構図決定等に専念でき支障無く行なうことができる。
また、タッチスライド判定部11cによって使用者の右手親指120Rbによるタッチ&スライド操作を常に監視し、背面表示部18の所定領域(符号Aで示す領域)内に対する使用者の右手親指120Rbによる特定のスライド操作を判定したときにフィルタアイコン21を表示させたり通常アイコン31を表示させるような制御を行う。
これにより、背面表示部18のみを用いて撮影動作を実行する場合(上述の第1の実施形態も含む)において、特殊効果フィルタ画像処理モードを起動したときには、背面表示部18のフィルタアイコン21を適宜非表示状態とすることができるので、背面表示部18を観察しながらの構図決定も支障無く行なうことができる。
なお、上述の第1,第2の実施形態においては、フィルタアイコン21のアイコンリング表示21cを、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等を行うための操作部としているが、これに限らず例えばフィルタ効果種類の切り換えを行うための操作部として利用してもよい。この場合には、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等の操作は別の操作部材を用いて、若しくはメニュー設定画面にて好みの設定値を予め固定値として設定するようにしておくようにすればよい。また、他の手段としては、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等を行うための調整スライドバー形式の操作アイコン等を表示部18の所定の領域、例えば画面下端縁部近傍等に表示させ、使用者がタッチ&スライド操作を行うという手段もある。
[変形例]
また、フィルタ効果種類の切り換えを行うための操作部手段としては、上記のアイコンリング表示21c等を用いるほか、次に示すような変形例が考えられる。
図17〜図19は、本実施形態の撮影機器10Aにおいてフィルタアイコンに関する変形例を示す図である。このうち、図17,図18はフィルタアイコン切換操作を行っているようすを示す図であって、図17は第1フィルタアイコン「Art1」を表示させている状態を示し、図18は図17の状態からタッチ&スライド操作によって第2フィルタアイコン「Art2」に切り換え表示した状態を示している。
本変形例が適用される撮影機器10Aは、上述の第2の実施形態と略同様の構成からなる。したがって、同様の構成については同じ符号を附して、その説明を省略し、異なる部分のみを以下に詳述する。
本変形例を適用した撮影機器10Aにおいては、上述の第2の実施形態にて説明した手段によって特殊効果フィルタ画像処理モードを起動させると、背面表示部18にフィルタアイコン21が表示されるのは同様である。なお、図17に示す状態では、第1フィルタアイコン「Art1」21Aが表示されているものとする。
また、本変形例においては、この状態とした時、背面表示部18の表示画面中のフィルタアイコン21の近傍であって、例えば右手親指120Rbにてタッチ&スライド操作をし得る範囲内の所定の部位にスライドガイド表示アイコン22が表示される点が異なる(図17参照)。
図17に示す状態にて、使用者が例えば右手親指120Rbをタッチパネル17bへのタッチ状態とした上でスライドガイド表示アイコン22に沿って図17の矢印D方向にスライド操作する。すると、この操作を受けて、表示中の第1フィルタアイコン「Art1」21Aはスライドガイド表示アイコン22に沿うように図17の矢印D方向に移動表示される。このときのフィルタアイコン21Aの移動は、図17に仮想的に示す仮想円板23が図17の回転軸中心Bを中心として矢印R方向に回転した場合に辿る軌跡に一致するように設定される。そして、図18に示すように、次の種類の第2フィルタアイコン「Art2」21Bが背面表示部18の所定の位置に表示される。このようにして、フィルタアイコン21Aをフィルタアイコン21Bの表示に切り換えることによって、設定すべき所望のフィルタ種類へと切り換えることができる。
即ち、本変形例においては、複数のフィルタ種類を表わすアイコンが多数用意されており、それら複数のフィルタ種類を示すアイコンは上記のタッチ&スライド操作を行うことによって次々と切り換わり、背面表示部18の所定領域に表示される。このような表示切り換えは、例えば図17,図18に示すように、仮想円板23を図に示す回動軸中心Bを中心に矢印R方向に回転した場合と同様のイメージである。したがって、以降、同様にして操作すれば、特殊効果フィルタ種類の切り換え設定をタッチパネル17bのタッチ&スライド操作のみによって容易にかつ直感的な操作によって行なうことができる。
なお、上述のようなフィルタ種類の切り換え操作が行われた場合には、表示中のフィルタアイコン21の表示が連続的に徐々に移動して上述の仮想円板23が回転するような表示形態が自然である。そして、そのような表示によって、上述の仮想円板23の円周上に並べて配置した複数のフィルタアイコン(21A,21B,21C,21D…等)が上記仮想円板23の回転に従って移動し、背面表示部18の所定領域に順次出現するような表示形態となる。
このように構成した本変形例を適用した撮影機器10Aの機器制御メインシーケンスを説明する。図19は、本変形例の機器制御メインシーケンスのフローチャートである。なお、本変形例の機器制御メインシーケンスは、上述の第2の実施形態のメインシーケンス(図16)と略同様である。したがって、以下の説明では、上述の第1,第2の実施形態における同じ処理ステップは同じステップ番号を附して説明を省略し、異なる処理ステップのみを以下に詳述する。
図19のステップS106において、信号処理及び制御部11は、タッチスライド判定部11cを介して上下スライドバー表示21bの下方へのスライド操作の確認を行い、その確認がなされなかった場合には、ステップS106Cの処理に進む。
ステップS106Cにおいて、信号処理及び制御部11のタッチスライド判定部11cは、背面表示部18における所定領域のスライド操作の確認を行う。即ち、スライドガイド表示アイコン22の上部へのタッチ操作とそれに続く下方への回動スライド操作、若しくはスライドガイド表示アイコン22の下部へのタッチ操作とそれに続く上方への回動スライド操作、の何れの一連の操作がなされたかの確認を行う。ここで、上記いずれかのタッチ&スライド操作が確認された場合には、ステップS106Dの処理に進む。また、上記いずれかのタッチ&スライド操作が確認されない場合には、ステップS108の処理に進む。以降の処理は、上述の第2の実施形態(図16)と同様である。
一方、ステップS106Dにおいて、信号処理及び制御部11は、背面表示部18等を制御して、背面表示部18へのフィルタアイコン21の表示切り換えを行う。そして、背面表示部18へのフィルタアイコン21の表示が確定されたときには、設定されたフィルタアイコン21に対応する特殊効果フィルタ画像処理を実行する。その後、ステップS111の処理に進む。以降の処理は、上述の第2の実施形態(図16)と同様である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の撮影機器について、図20〜図23を用いて以下に説明する。図20は本発明の第3の実施形態の撮影機器の概略構成を示す概念図である。
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1,第2の実施形態と略同様である。即ち、本実施形態の撮影機器10Bにおいては、表示系の構成ブロックとして上述の第1,第2の実施形態における表示部18に相当する背面表示部18(図20では不図示、図21,図22参照)のほかに、アクセサリシュー25を利用して装着し得るように構成された着脱可能なファインダー形態からなる接眼表示部20(図20等)を具備し、さらに撮影レンズを交換可能に構成した点が異なる。
接眼表示部20は、上述の第2の実施形態における接眼表示部19と同様のいわゆる電子ビューファインダー(EVF)であるが、上記接眼表示部19とは異なり、撮影機器10Bに対して着脱自在に構成されている点が異なる。この場合において、接眼表示部20は、撮影機器10Bの上面に設けられるアクセサリシュー25に対して着脱し得るように構成されている。その他の機能は上記接眼表示部19と略同様である。そして、この接眼表示部20も、背面表示部18と択一的に動作するようになっている。
また、本実施形態の撮影機器10Bは、種類の異なる複数の撮影レンズ12Ba,12Baaを択一的に交換可能に構成されている。そして、本実施形態の撮影機器10Bに装着して使用し得る撮影レンズ12Ba,12Baa等は、各レンズの固有情報、具体的には例えばレンズ構成情報,最小絞り情報,開放絞り値情報,収差情報等の一般的なレンズ情報のほか、後述するレンズアイコン21E等のアイコンデータ等を格納するレンズ情報格納メモリを有している(不図示;図1のレンズ情報記憶部12dが相当する)。その他の構成は上述の第1,第2の実施形態と略同様である。したがって、それらの構成部材については同じ符号を附して詳細説明は省略する。
このように構成された本実施形態の撮影機器10Bを使用する際の作用を、図21〜図23を用いて以下に説明する。
図21は本実施形態の撮影機器を手に持って構えた時の撮影機器の背面側から見た際のようすを示す図である(第1の実施形態の図3に相当する)。図22は図21の状態においてフィルタアイコンを操作しているようすを示す図である(第1の実施形態の図5に相当する)。図23は本実施形態の撮影機器の機器制御のメインフローチャートである。
本実施形態の撮影機器10Bにおいては、電源オン状態として機器を起動させると、装着されている撮影レンズ(12Ba,12Baa等)のレンズ情報格納メモリからアイコンデータを読み出し、レンズアイコン21Eを背面表示部18及び接眼表示部20の各所定部位、例えば使用者の右手120Rの親指120Rbで操作し得る範囲内の部位に表示させる(図21参照)。
続いて、図21の状態において、使用者が右手120Rの親指120Rbを用いて背面表示部18のレンズアイコン21Eを例えばタッチ操作を行うと、図22に示すようにフィルタアイコン21Exが出現すると同時に、特殊効果フィルタ画像処理モードが起動する。この状態から続けてスライド操作(図22の矢印X方向)を行うと、特殊効果フィルタ画像処理が適用される。
次に、本実施形態の撮影機器10Bの機器制御メインシーケンス(図23)を以下に説明する。本実施形態の機器制御メインシーケンスは、上述の第2の実施形態のメインシーケンス(図16)と略同様である。したがって、以下の説明では、上述の第1,第2の実施形態における同じ処理ステップは同じステップ番号を附して説明を省略し、異なる処理ステップのみを以下に詳述する。
図23のステップS101にて、撮影機器10Bが撮影モードで起動していることが確認されてステップS101Aの処理に進む。
ステップS101Aにおいて、信号処理及び制御部11は、レンズ交換が行われたか否かの確認を行う。ここで、レンズ交換が行われたことが確認された場合には、ステップS101Bの処理に進む。また、レンズ交換が行われていない場合には、既に保持しているレンズ情報を利用することにしてステップS102Aの処理に進む。
ステップS101Bにおいて、信号処理及び制御部11は、装着されている撮影レンズの制御部との通信を行って撮影レンズ側のレンズ情報格納メモリからアイコンデータを読み出し、撮影機器10B側の内部メモリ(不図示)に一時的に記憶する。その後、ステップS102Aの処理に進む。
そして、ステップS103Aの処理にて、画面外右側から画面内に向けてのスライド操作が確認されると、ステップS103Bの処理に進み、このステップS103Bにおいて、信号処理及び制御部11の表示制御部11aは、上述のステップS101Bにおいて撮影レンズ側から読み込んで一時記憶してあるアイコンデータに基くレンズアイコン21Eを背面表示部18及び接眼表示部20の所定部位に表示させる。その後、ステップS106の処理に進む。
ステップS106において、信号処理及び制御部11は、タッチスライド判定部11cを介してレンズアイコン21Eの下方へのスライド操作がなされたか否かの確認を行う。ここで、レンズアイコン21Eの下方へのスライド操作が確認がなされなかった場合には、ステップS106Aの処理に進む。以降の処理は、上記第2の実施形態(図16)と同様である。
一方、レンズアイコン21Eの下方へのスライド操作が確認された場合には、ステップS107Aの処理に進む。
ステップS107Aにおいて、信号処理及び制御部11は、表示制御部11aを介してフィルタアイコン21Exを表示させる。これと同時に、特殊効果フィルタ画像処理を適用する。その後、ステップS108Aの処理に進む。
ステップS108Aにおいて、信号処理及び制御部11は、操作判定部15を監視してレンズリング12cの回転操作がなされたか否かの確認を行う。この操作は、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等のための操作である。ここで、レンズリング12cの回転操作が確認された場合には、次のステップS109の処理に進む。また、レンズリング12cの回転操作が確認されない場合には、フィルタ効果の濃淡若しくは強弱調整等の設定が既に確定されているものとして、ステップS111の処理に進む。以降の処理は、上記第2の実施形態(図16)と同様である。
他方、上述のステップS103の処理にて、既に特殊効果フィルタ画像処理が適用済みであると確認されてステップS104の処理に進むと、このステップS104にて、レンズアイコン21Eの上方へのスライド操作が確認されない場合には、上述のステップS108Aの処理に進む。また、レンズアイコン21Eの上方へのスライド操作が確認された場合には、ステップS105Aの処理に進む。
ステップS105Aにおいて、信号処理及び制御部11の表示制御部11aは、レンズアイコン21Eの表示を消去する。これと同時に、背面表示部18又は接眼表示部20に表示中のライブビュー画像に対して設定済みの特殊効果フィルタ画像処理の解除する。その後、ステップS111の処理に進む。以降の処理は、上記第2の実施形態(図16)と同様である。
以上説明したように、上記第3の実施形態によれば、上述の第1,第2の実施形態と略同様の効果を得ることができるのに加えて、本実施形態によれば、撮影レンズの交換に伴って、装着されている撮影レンズに対応するレンズアイコン21Eを表示させることができる。撮影レンズの交換の都度、異なる種類のレンズアイコン21Eが表示されることになり、レンズ交換の効果を明示して使用者を安心させ、使用者を楽しませることができる。
特殊効果フィルタ画像処理モードを起動させるのに際しては、撮影レンズの前面部位に光学フィルタを配置するが如く、背面表示部18に表示中で装着された撮影レンズに対応するレンズアイコン21Eの前面側の部位にフィルタアイコン21Eを配置するような疑似的操作をタッチパネル17bを介して行うような操作体系としたので、所望の操作を行うのに際しては、使用者は直感的な操作をすればよい。したがって、操作性の向上に寄与することができる。また、カメラをしっかりと構えたままで操作できるので、撮影に専念することができると同時に、手ブレ等を抑えることができ、さらに迅速な操作や確認が可能となる。
上述の各実施形態で説明した各処理シーケンスは、その性質に反しない限り、手順の変更を許容し得る。したがって、上述の処理シーケンスに対して、例えば各処理ステップの実行順序を変更したり、複数の処理ステップを同時に実行させたり、一連の処理シーケンスを実行する毎に、各処理ステップの順序が異なるようにしてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。