JP2014082424A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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重和 笘井
Mutsumi Kimura
睦 木村
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Abstract

【課題】電界効果移動度及び信頼性が高く、半導体特性の安定した半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース及びドレイン電極並びに保護膜を備える半導体装置の製造方法であって、前記半導体膜が、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びO(酸素)を含み、前記半導体膜の成膜後、前記保護膜を成膜する際の成膜前の成膜装置内の圧力を、5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下とする半導体装置の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、半導体装置及びそれを用いた電子機器に関する。
薄膜トランジスタ(TFT)等の電界効果型トランジスタは、半導体メモリ集積回路の単位電子素子、高周波信号増幅素子、液晶駆動用素子等として広く用いられており、現在、最も多く実用されている電子デバイスである。なかでも、近年における表示装置のめざましい発展に伴い、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(EL)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の各種の表示装置において、表示素子に駆動電圧を印加して表示装置を駆動させるスイッチング素子として、TFTが多用されている。
電界効果型トランジスタの主要部材である半導体層(チャンネル層)の材料としては、シリコン半導体化合物が最も広く用いられている。一般に、高速動作が必要な高周波増幅素子や集積回路用素子等には、シリコン単結晶が用いられている。
一方、液晶駆動用素子等には、大面積化の要求から非晶性シリコン半導体(アモルファスシリコン)が用いられている。アモルファスシリコンの薄膜は、比較的低温で形成できるものの、結晶性のものに比べてスイッチング速度が遅いため、表示装置を駆動するスイッチング素子として使用したときに、高速な動画の表示に追従できない場合がある。
具体的には、解像度がフルハイビジョンである液晶テレビでは、移動度が0.5〜1cm/Vsのアモルファスシリコンが使用可能であったが、解像度が4k2kさらには8k4kになると、2cm/Vs以上の移動度が要求される。また、画質を向上させるため駆動周波数を上げるとさらに高い移動度が必要となる。
結晶性のシリコン系薄膜は、移動度は高いものの、結晶化を図る際に例えば800℃以上の高温や高価な設備を使用するレーザーアニールが必要となり、製造に際して多大なエネルギーと工程数を要する問題や、大面積化が困難という問題があった。また、結晶性のシリコン系薄膜は、通常TFTの素子構成がトップゲート構成に限定されるため、マスク枚数の削減等コストダウンが困難であった。
このような問題を解決するために、シリコン系半導体に代わる新たな半導体材料が必要とされており、酸化インジウム及び酸化亜鉛を含むn型半導体材料や、酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化ガリウムからなる、電子キャリア濃度が1018/cm未満である非晶質の酸化物半導体膜を作製し、電界効果型トランジスタを駆動させる方法が検討されている(特許文献1〜4)。
しかしながら、上記の電界効果型トランジスタは、アモルファスシリコンよりも移動度等の特性が優れるものの、結晶シリコンには及ばず、SOG(システムオングラス)等周辺回路や有機ELディスプレイの電流駆動を行うスイッチング素子に適用するためには移動度、ΔVth等の特性のさらなる改善が求められていた。尚、Vthは閾値電圧を意味し、ΔVthはバイアスストレスを加えた際のVthの変化量(シフト量)を意味する。
そのため、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムの組成比を変えた検討がなされているが、十分な結果は得られていなかった(特許文献3、4及び非特許文献1)。例えば、酸化インジウムの含有量を増加させると移動度は向上するが、閾値電圧が大きく負となりノーマリーオンとなる(特許文献3)。一方、酸化ガリウムの含有量を削減すると移動度は向上するが、信頼性が低下する(特許文献3及び4)。
本発明者らは、新しい組成の酸化物半導体として酸化インジウム、酸化錫及び酸化亜鉛を主成分とする材料を設計し、高移動度、ノーマリーオフを両立するトランジスタを提案した(特許文献5)。しかしながら、酸化インジウム、酸化錫及び酸化亜鉛を組合せた材料では、信頼性の高いTFTを得ることが困難であった。
特開2006−114928号公報 国際公開第2005/088726号パンフレット 特開2007−281409号公報 国際公開第2007/120010号パンフレット 特開2008−243928号公報
Tatsuya Iwasaki et al.,Appl.Phys.Lett.90,242114(2007)
本発明の目的は、電界効果移動度及び信頼性が高く、半導体特性の安定した半導体装置及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、TFTの信頼性は半導体層の界面トラップ密度に依存すること、即ち、界面に関するプロセスが重要であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の製造方法等が提供される。
1.基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース及びドレイン電極並びに保護膜を備える半導体装置の製造方法であって、前記半導体膜が、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びO(酸素)を含み、前記半導体膜の成膜後、前記保護膜を成膜する際の成膜前の成膜装置内の圧力を、5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下とする半導体装置の製造方法。
2.前記ゲート絶縁膜を成膜する際の成膜前の成膜装置内の圧力を、5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下とする1に記載の半導体装置の製造方法。
3.前記半導体膜がIn、Zn及びSnを下記の原子比で含む1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
0.2≦In/(In+Sn+Zn)≦0.8
0.1<Zn/(In+Sn+Zn)≦0.6
0.001≦Sn/(In+Sn+Zn)≦0.5
4.基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース及びドレイン電極並びに保護膜を備える半導体装置であって、前記半導体膜が、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びO(酸素)を含み、前記ゲート絶縁膜又は前記保護膜と、前記半導体膜との界面に存在する界面準位密度が、前記半導体膜の伝導帯から0.5eV下で、1×1010cm−2eV−1以上1×1012cm−2eV−1未満である半導体装置。
5.前記半導体膜がIn、Zn及びSnを下記原子比で含む4に記載の半導体装置。
0.2≦In/(In+Sn+Zn)≦0.8
0.1<Zn/(In+Sn+Zn)≦0.6
0.001≦Sn/(In+Sn+Zn)≦0.5
6.4又は5に記載の半導体装置を用いた電子機器。
本発明によれば、電界効果移動度及び信頼性が高く、半導体特性の安定した半導体装置及びその製造方法が提供できる。
実施例1において製造したTFTの断面模式図である。 実施例1において界面トラップ密度を求めるために用いた図である。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース及びドレイン電極並びに保護膜を備える半導体装置の製造方法であって、半導体膜の成膜後、誘電体である保護膜を成膜する際の成膜前の成膜装置内の圧力を5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下とする。
また、半導体膜は、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びO(酸素)を含む。
半導体膜表面の一部又は全部に接する誘電体である保護膜(半導体膜保護膜)の成膜前圧力(成膜前到達真空度)を上記のように設定することで、半導体膜との界面トラップ密度を小さくすることができ、信頼性に優れた(ΔVthが小さい)TFTを製造することができる。
保護膜の成膜前圧力は、保護膜の半導体界面のトラップ準位に大きく影響する。保護膜の成膜前雰囲気は、可能な限り高真空とすることが好ましい。
保護膜の成膜前圧力は、5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下であり、好ましくは1×10−5Pa以上1×10−3Pa以下であり、より好ましくは7×10−5Pa以上7×10−4Pa以下であり、さらに好ましくは1×10−4Pa以上5×10−4Pa以下である。
真空度が5×10−6Pa以上であると、真空引きに長時間を要さないため、生産上現実的である。
真空度が5×10−3Pa以下であると、例えばプラズマCVDで成膜ガスを分解する際に、水分や炭素成分等が同時に分解され、誘電体中に取り込まれることを防ぎやすい。また、得られたトランジスタがチャネル層との界面に大量の準位を形成して、移動度が低下したりS値が悪化することを防ぎやすい。
尚、本発明において、保護膜(半導体膜保護膜)とは、酸化物薄膜の表面に直接接触している膜のことであり、後述するエッチストップ層、層間絶縁膜及びパッシベーション膜のいずれかである。
また、本発明において、層間絶縁膜は設けても設けなくてもよい。従って、層間絶縁膜を設ける場合は層間絶縁膜が保護膜であり、層間絶縁膜を設けない場合はパッシベーション膜が保護膜である。
また、ゲート絶縁膜の成膜前の成膜装置内の圧力を、5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下とすることが好ましい。
半導体の他方の界面に接する誘電体であるゲート絶縁膜の成膜前圧力を上記のように設定することで、上記保護膜と同様に、信頼性に優れた(ΔVthが小さい)TFTを製造することができる。
ゲート絶縁膜の成膜前圧力は、好ましくは1×10−5Pa以上1×10−3Pa以下であり、より好ましくは7×10−5Pa以上7×10−4Pa以下であり、さらに好ましくは1×10−4Pa以上5×10−4Pa以下である。
誘電体膜を構成する材料は特に制限はなく、本発明の効果を失わない範囲で一般に用いられているものを任意に選択できる。例えば、SiO,SiNx,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,Hf,CaHfO,PbTi,BaTa,SrTiO又はAlN等の酸化物や窒化物を用いることができる。
尚、ゲート絶縁膜に要求される項目として、膜厚ムラが小さいこと、リークの原因となるピンホールが存在しないことが重要である。一般的なゲート絶縁膜としては、SiO,SiNx,Al等が用いられる。
誘電体膜にシリコン酸化膜を用いる場合、シリコン酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよい(例えば、SiOでもSiOxでもよい)。また、誘電体膜は、異なる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。
誘電体膜(保護膜、ゲート絶縁膜)の成膜方法としては、プラズマCVD、ホットワイヤーCVD,アトミックレイヤーCVD,光CVD,TEOS−CVD等のCVD(化学気相蒸着法)や、スパッタリング等種々の方法が挙げられる。
成膜方法としては、大面積,生産性等を考慮してプラスマCVDが好ましい。プラズマCVDは、例えば以下のように行うことができる。即ち、チャンバーに基板をセットし、誘電体膜がSiOの場合はSiH、NO、Nを導入し、SiNxの場合はSiH,NH,Nを導入し、プラズマでガスを分解するとともに150℃〜400℃程度の温度で反応させて、基板上に所望の誘電体膜を堆積する。
このときの圧力は、プラズマ放電が安定する領域であれば原理的には可能だが、清浄度を考慮すると、10Pa〜500Paの減圧雰囲気で行うことが好ましい。
保護膜の膜厚は、通常50〜300nmである。
ゲート絶縁膜の膜厚は、通常50〜300nmである。
膜厚は、触針式表面形状測定器(例えば、Dektak 150(アルバック株式会社製))で測定することができる。
半導体膜(酸化物薄膜、チャンネル層)は、In、Zn、Sn及びO(酸素)を含む。Inを含むと高い移動度が期待できる。また、Znを含むと、安定した非晶質膜が得られ、大面積で均一な電界効果型トランジスタとなることが期待できる。
また、半導体膜は、In、Zn及びSnを下記の原子比で含むとより好ましい。
0.2≦In/(In+Sn+Zn)≦0.8
0.1<Zn/(In+Sn+Zn)≦0.6
0.001≦Sn/(In+Sn+Zn)≦0.5
In/(In+Sn+Zn)が0.2以上であると、TFTの高い移動度が期待でき、また、0.8以下であると、絶対値の小さな閾値(Vth)が期待できる。
Zn/(In+Sn+Zn)が0.1超であると、ITZO膜(In、Zn、Sn及びOを含む酸化物薄膜)を安定した非晶質構造に保持することが可能となり、0.6以下であると、ソース・ドレイン電極のエッチングや、保護膜の成膜条件に対する耐性を付与することができる。
Sn/(In+Sn+Zn)が0.001以上であると、ソース・ドレイン電極のエッチングや、保護膜の成膜条件に対する耐性を付与することができ、0.5以下であると、蓚酸によるエッチングが可能となる。
Inの割合(原子比)は、好ましくは0.30≦In/(In+Sn+Zn)≦0.65であり、さらに好ましくは、0.35≦In/(In+Sn+Zn)≦0.50である。
Znの割合(原子比)は、好ましくは、0.30≦Zn/(In+Sn+Zn)≦0.55であり、さらに好ましくは、0.35≦Zn/(In+Sn+Zn)≦0.50である。
Snの割合(原子比)は、好ましくは、0.20≦Sn/(In+Sn+Zn)≦0.50であり、さらに好ましくは、0.30≦Sn/(In+Sn+Zn)≦0.49である。
薄膜における各原子比は、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)により含有元素を定量分析して求めることができる。
半導体膜は、アモルファス(非晶質)酸化物であることが好ましい。アモルファス酸化物であると、大面積での均一性に優れ、システムオングラス(SOG)等の周辺回路や有機ELディスプレイの電流駆動を行うスイッチング素子に適している。また、保護膜やゲート絶縁膜との密着性が改善できる。
アモルファス酸化物とは、X線回折で明確なピークが確認できないものをいう。
また、半導体膜は、金属元素In、Zn及びSn以外の他の金属元素を含有していてもよく、実質的にIn、Zn及びSnのみ、又はIn、Zn及びSnのみを含んでいてもよい。
尚、In、Zn及びSn以外に含有されていてもよい金属元素としては、Ga、Al,Hf,Zr,Ge、Si、Ti等が挙げられる。これらを含有することで半導体膜の信頼性を高めることができる。好ましい金属元素はAlである。
本発明において「実質的」とは、半導体膜の金属元素の95重量%以上100重量%以下(好ましくは98重量%以上100重量%以下)がIn、Zn及びSnであることを意味する。
また、半導体膜に含有される金属元素は、In、Zn及びSnのみからなり、本発明の効果を損なわない範囲で他に不可避不純物を含んでいてもよい。
含有される金属元素が上記3種であることにより、チャネル中のトラップ密度をより小さく抑制することができる。具体的には、チャネルの伝導帯から0.5eV下の状態密度を1012cm−2eV−1以下に抑制することができる。
In,Sn、Znから構成される酸化物半導体のトラップ密度が小さい理由は、Inのバンドギャップ中にSnの準位が形成されることに起因する。In,Sn,Znから構成される酸化物半導体は、In中のInの5s軌道が導電パスを形成しており、適当な酸素欠損が存在することで導電性が決定される。半導体としてこの導電性を電気的に変化させる場合、酸素欠損量を適切に管理することが重要である。この酸素欠損が形成するエネルギー準位はIn5s軌道が形成する伝導帯から下の15meVから150meVの間で分布する(非特許文献 J.Electrochem.Soc.,123,299C-310C(1976))。ところが、ここにSnOが加わると、Sn5sが形成する準位は酸素欠損が形成する準位とほぼ同一のため、酸素欠損量の多少のバラツキによる電気特性の変化を吸収することができると考えられる。
これに対して、IGZO等、Gaが添加された場合は、バンドギャップ中に準位が形成されないため、酸素欠損量がそのままチャネルのキャリア濃度、即ちトランジスタ特性に影響する。
このように、In,Sn,Znから構成される酸化物半導体は、原理上、酸素欠損の多少の変化に影響されにくい、動作信頼性に優れたトランジスタを得るのに優れた材料であるが、酸素欠損以外で準位を形成する恐れのある不純物の混入はできるだけ避けなければならない。そして、この不純物は半導体のバルクに加え、半導体の界面に存在することによっても、Vthシフト等、信頼性を悪化させる原因となる。
このため、In,Sn,Znから構成される酸化物半導体からなるトランジスタは、半導体界面に接する絶縁膜や保護膜の品質が、IGZO等の他の半導体材料以上に重要である。
半導体膜のチャンネル長(L)は、1〜50μmが好ましく、3〜40μmがさらに好ましく、5〜25μmが特に好ましい。50μm以下であると、トランジスタのサイズが大きくなりすぎず、集積度が下がりにくい。1μm以上であると、フォトリソグラフィに高い精度が必要とならず、大面積ディスプレイ等でも問題なく採用できる。
チャンネル幅(W)は、1〜500μmが好ましく、3〜100μmがさらに好ましく、5〜50μmが特に好ましい。500μm以下であると、トランジスタが大きくなりすぎず、集積度が下がりにくい。また、放熱不足による動作異常が生じにくい。1μm以上であるとフォトリソグラフィに高い精度が必要となり、大面積ディスプレイ等での採用が難しくなるおそれがある。
半導体膜の膜厚は15〜100nmが好ましい。
半導体膜は、所定の材料から構成されたターゲットを用い、DC、AC、又はRFスパッタリングにより成膜することができる。
また、基板上にチャンネル層とその保護膜を形成した後に、酸素雰囲気及び/又は不活性ガス雰囲気において70〜450℃で熱処理することが好ましい。
70℃以上であると、得られるトランジスタの熱安定性や耐熱性が低下しにくい。また、移動度が低くなったり、S値が大きくなったり、閾値電圧が高くなることが生じにくい。一方、450℃より以下であると、耐熱性のない基板でも用いることができる。また、熱処理用の設備費用が大きすぎない。
さらに、保護膜成膜の前後で、半導体膜にOプラズマやNOプラズマを照射することにより、閾値やハンプを改善できる場合があるため、必要に応じて行うことができる。
基板の材料については特に制限はなく、本技術分野で公知のものを使用できる。例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラス基板、シリコン基板、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の高分子フィルム基材等が使用できる。
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の各電極を形成する材料にも特に制限はなく、本発明の効果を失わない範囲で一般に用いられているものを任意に選択することができる。例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物、ZnO、SnO等の透明電極や、Al,Ag,Cr,Ni,Mo,Au,Ti,Ta、Cu等の金属電極、又はこれらを含む合金の金属電極を用いることができる。
半導体装置の各構成部材(層)は、本技術分野で公知の手法で形成できる。
具体的に、成膜方法としては、スプレー法、ディップ法、CVD法等の化学的成膜方法、又はスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、パルスレーザーディポジション法等の物理的成膜方法を用いることができる。キャリア密度が制御し易く、膜質向上が容易であることから、物理的成膜方法を用いることが好ましく、中でも、生産性が高いことからスパッタ法を用いることがより好ましい。
形成した膜は、各種エッチング法によりパターニングできる。
本発明の半導体装置は、基板上に少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース及びドレイン電極並びに保護膜を含む。半導体膜は、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びO(酸素)を含む。
また、誘電体であるゲート絶縁膜又は保護膜と、半導体膜との界面に存在する界面準位密度(界面トラップ密度)が、半導体膜の伝導帯から0.5eV下で、1×1010cm−2eV−1以上1×1012cm−2eV−1未満である。
上記の界面準位密度は、好ましくは1×1010cm−2eV−1以上5×1011cm−2eV−1未満である。界面準位密度は、IEEE transactions on electron devices, vol.58, No.9, 2011に記載の方法により測定でき、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
ゲート絶縁膜又は保護膜と、半導体膜との界面に存在する界面準位密度を上記のようにすることにより、移動度が高く、信頼性の高い(ΔVthが小さい)TFTとすることができる。
本発明の半導体装置は、上記の製造方法により製造することができる。
また、本発明の半導体装置における構成部材等は、上記の製造方法に記載のものと同様である。
本発明の半導体装置は、電界効果型トランジスタ、論理回路、メモリ回路、差動増幅回路等各種の集積回路に使用できる。
実施例1
図1に示すボトムゲート構造を有する電界効果型トランジスタ1を作製した。
直径4インチの無アルカリガラス基板10を用意し、スパッタリング法で厚さ50nmのCrを成膜した後、フォトリソ法によりゲート配線状にパターニングし、ゲート電極20とした。次に、この基板をPE−CVD装置にセットし、最初に系内の真空度が1×10−5Paとなるように排気した。次に、SiH、NO、Nを導入して、350℃で厚さ150nmのゲート絶縁膜30(SiO膜)を得た。
次に、このゲート絶縁膜付ガラス基板をスパッタ装置に装着し、ITZOを下記の条件で成膜し、45nmのチャンネル層(半導体膜)を成膜した。次に、フォトリソグラフィ法により半導体領域の形に加工し、チャンネル層40(半導体膜)とした。
到達真空度:5×10−4Pa
スパッタ圧力:0.5Pa
スパッタガス:O/Ar=15/15sccm
スパッタパワー:DC100W
再びこの基板をPE−CVD装置にセットし、最初に系内の真空度が1×10−5Paとなるように排気した。次に、SiH、NO、Nを導入して、170℃で厚さ200nmの層間絶縁膜50(半導体層保護膜、エッチストップ層:SiO)を積層した。次に、この基板をドライエッチング装置にセットし、ゲート電極とソース・ドレイン電極用のコンタクトホールを形成した。そして、この積層体をスパッタ装置にセットし、ITOを成膜後、再びフォトリソ法でパターニングしてソース電極60、ドレイン電極62とした。
引き続き、この基板をPECVD装置にセットし、SiH、NO、Nを導入して、170℃で厚さ200nmのパッシベーション膜70(SiO)を成膜した。そして再度フォトリソグラフィー法により、ソース・ドレイン・ゲート電極用のコンタクトホールを形成した。最後にこの基板を窒素中、350℃、1時間の条件でアニールして、電界効果型トランジスタ1を得た。
得られた電界効果型トランジスタ1について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)電界効果移動度(μ)、オフ電流
半導体パラメーターアナライザー(ケースレー4200)を用い、大気圧の乾燥窒素雰囲気下、室温、遮光環境下で4インチガラスの中央部のTFTを測定した。尚、オフ電流は、ゲート−ソース電圧(Vgs)を−5Vとして測定した。
(2)閾値電圧のシフト量(ΔVth:ストレス試験、信頼性、性能評価)
ストレス条件は、空気中、50℃でゲート電極に+20Vの電圧を10000秒加えた。ストレスをかける前後のVthを比較し、閾値電圧のシフト量(ΔVth)を測定した。その結果、ΔVth=0.1Vと良好であった。
また、測定したΔVthを下記のように評価した。即ち、0.2以下を「○」、0.2超0.7以下を「△」、0.7超を「×」とした。
(3)界面トラップ密度
また、酸化物半導体の界面トラップ密度を次のようにして算出した。ソース・ドレイン電極をショートさせ、ゲート・ソース間にV=Vg+V0sinωtで表される電圧をVg=−5V〜10V、周波数1Hzで印加し、得られた電流値に対してプロットした(図2)。このようにして得られた静電容量―ゲート電圧特性は、界面トラップの分布を反映したものとなる。これを非特許文献(IEEE transactions on electron devices,vol.58,No.9,2011)の方法に従ってシミュレーションすることで、半導体界面のトラップ密度を伝導帯からのエネルギーの関数として得ることができる。その結果、伝導帯から0.5eV下のトラップ密度は9×1010cm−2eV−1であった。
実施例2〜6
ゲート絶縁膜及びエッチストッパー膜をCVDで成膜する際の到達真空度、ターゲットの材料組成、TFT作製後のアニール温度を表1のように変更した他は、実施例1と同様にしてTFTを作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例1
ゲート絶縁膜、エッチストッパー膜をCVDで成膜する際の到達真空度を表1のように変更した他は、実施例1と同様にしてTFTを作製し、評価した。結果を表1に示す。
比較例2
ターゲットの組成をIGZO(In:Ga:Zn=1:1:1)とした他は実施例3と同様にしてTFTを作製し、評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜6において、ゲート絶縁膜及びエッチストッパー膜成膜時のCVD装置の到達真空度を1×10−5Pa〜1×10−3PaとしてTFTを作製したが、いずれも良好な信頼性を示した。これは、界面トラップ密度が15×1010cm−2eV−1以下であることからも示されている。
比較例1では到達真空度を1×10−2Paとしたため、界面トラップ密度が非常に高くなり、ΔVthも0.8Vと大きくなった。
比較例2ではターゲットとしてIGZOを使用した。CVDの到達真空度が適切に設定されたものの、比較例2の酸化物半導体材料は錫を含まないため、界面トラップ密度は高めとなった。また、信頼性も悪くはないが、ΔVthは0.5Vであった。
Figure 2014082424
本発明の半導体装置は、電界効果型トランジスタ、論理回路、メモリ回路、差動増幅回路等各種の集積回路に使用できる。
1 電界効果型トランジスタ
10 基板
20 ゲート電極
30 ゲート絶縁膜
40 半導体膜
50 保護膜
60 ソース電極
62 ドレイン電極
70 パッシベーション膜

Claims (6)

  1. 基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース及びドレイン電極並びに保護膜を備える半導体装置の製造方法であって、前記半導体膜が、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びO(酸素)を含み、前記半導体膜の成膜後、前記保護膜を成膜する際の成膜前の成膜装置内の圧力を、5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記ゲート絶縁膜を成膜する際の成膜前の成膜装置内の圧力を、5×10−6Pa以上5×10−3Pa以下とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記半導体膜がIn、Zn及びSnを下記の原子比で含む請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
    0.2≦In/(In+Sn+Zn)≦0.8
    0.1<Zn/(In+Sn+Zn)≦0.6
    0.001≦Sn/(In+Sn+Zn)≦0.5
  4. 基板上に、少なくともゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜、ソース及びドレイン電極並びに保護膜を備える半導体装置であって、前記半導体膜が、In(インジウム)、Zn(亜鉛)、Sn(錫)及びO(酸素)を含み、前記ゲート絶縁膜又は前記保護膜と、前記半導体膜との界面に存在する界面準位密度が、前記半導体膜の伝導帯から0.5eV下で、1×1010cm−2eV−1以上1×1012cm−2eV−1未満である半導体装置。
  5. 前記半導体膜がIn、Zn及びSnを下記原子比で含む請求項4に記載の半導体装置。
    0.2≦In/(In+Sn+Zn)≦0.8
    0.1<Zn/(In+Sn+Zn)≦0.6
    0.001≦Sn/(In+Sn+Zn)≦0.5
  6. 請求項4又は5に記載の半導体装置を用いた電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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