JP2014079930A - レーザー転写マーキング用フィルムおよびそれを用いたレーザーマーキング品 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材との密着性と、所望のマーキングを形成するための転写性とを改善したレーザー転写マーキング用フィルム、およびそれを用いたレーザーマーキング品を提供する。
【解決手段】ガラスフリット12と樹脂13とを含み、前記ガラスフリットは、少なくともバナジウム、ビスマス、ホウ素、リン、テルル、鉄、鉛、マンガン、亜鉛、タングステン、モリブデン、バリウムおよびアンチモンの酸化物からなる群から選ばれる成分を含み、かつ軟化温度が300℃から600℃の範囲であるレーザー転写マーキング用フィルム11。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザーマーキングに用いるレーザー転写マーキング用フィルムおよびそれを用いたレーザーマーキング品に関する。
各種製品の識別のために製造番号や製造日など各種情報を表記する方法として、レーザー光を用いてマーキングする方法が広く知られている。たとえば、フィルムを用いて各種情報をマーキングする方法と、各種基材表面をレーザー光で直接削ることで各種情報をマーキングする方法とが知られている。
さらに、フィルムを用いて各種情報をマーキングする方法は、各種情報をレーザー光を用いてマーキングしたフィルムを各種基材に貼りつけ、ラベルとする方法と、フィルムと各種製品とを重ね、そこにレーザー光を照射し、フィルムから各種基材に各種情報を転写することでマーキングする方法とが知られている。後者の方法に用いられるフィルムは、レーザー転写マーキング用フィルム、またはレーザー転写フィルムと呼ばれている。
レーザーマーキングする基材がガラスの場合、マーキングは、ガラス基材表面を直接レーザー光で削る方法が広く使用される。ガラス基材に対し、一般に粘着剤との接着力が弱いため、各種情報をレーザー光でマーキングしたフィルムを各種基材に貼りつけラベルとする際に、ガラス基材への接着力が十分ではなく、剥離が起きやすいためである。
一方、フィルムを用いてガラス基材に各種情報を転写することでマーキングする方法として、特許文献1には、ガラスフラックス顔料と、レーザー感受性顔料とを含むレーザー転写フィルムを用いて、マーキング部の識別性を向上させたガラス基材へのレーザーマーキング技術が開示されている。
特表2005−520715号公報
ガラス基材にレーザーマーキングする3つの方法には、それぞれ以下に示した問題がある。
第一の方法である、ガラス基材表面を直接レーザー光で削ることでマーキングする方法は、同一の素材でのマーキングのため、マーキング部の色調のコントラストを高くすることが難しく、マーキング部の識別性に問題がある。さらに、基材表面をレーザーで削るため、基材の強度を弱めるという問題がある。
第二の方法である、各種情報をレーザー光でマーキングしたフィルムをガラス基材に貼りつけ、ラベルとする方法は、ガラス基材への接着力が十分ではなく、ラベルが剥離するという問題がある。
さらに、第三の方法である、ガラスフラックス顔料と、レーザー感受性顔料とを含むレーザー転写フィルムを用いてマーキングする方法は、マーキング部と基材との密着性と、所望のマーキングを形成するための転写性とに問題がある。ガラスフリットを十分溶融させるためにレーザー光の出力を大きくすると、マーキング時に、マーキング部周囲に樹脂の分解物、たとえば炭化物等が過剰に発生することにより、マーキング部周囲の基材が汚れることで、マーキング部と基材との密着性が低下する。一方、レーザー光の出力を小さくすると、ガラスフリットが十分に溶融しないため、マーキング部と基材との密着性が低下する。
そのため、レーザー光の出力が小さくても、マーキング部周囲の樹脂の過剰な分解、燃焼による基材の汚れが軽減され、かつマーキング部と基材との密着性も良好なレーザー転写マーキング用フィルムが望まれる。
本発明は、基材との密着性と、所望のマーキングを形成するための転写性とを改善したレーザー転写マーキング用フィルム、およびそれを用いたレーザーマーキング品を提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(5)に記載の事項をその特徴とする。
(1)ガラスフリットと樹脂とを含み、
前記ガラスフリットは、少なくともバナジウム、ビスマス、ホウ素、リン、テルル、鉄、鉛、マンガン、亜鉛、タングステン、モリブデン、バリウムおよびアンチモンの酸化物からなる群から選ばれる成分を含み、かつ軟化温度が300℃から600℃の範囲であることを特徴とするレーザー転写マーキング用フィルム。
(2)前記ガラスフリットと前記樹脂との質量比が、100/1〜100/50の範囲である(1)に記載のレーザー転写マーキング用フィルム。
(3)前記レーザー転写マーキング用フィルムが、レーザー吸収剤を含むことを特徴とする(1)または(2)に記載のレーザー転写マーキング用フィルム。
(4)前記レーザー転写マーキング用フィルムが、着色剤を含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載のレーザー転写マーキング用フィルム。
(5)(1)〜(4)のいずれか一つに記載のレーザー転写マーキング用フィルムを用いたレーザーマーキング品。
本発明によれば、マーキング部の基材との密着性と所望のマーキングを形成するための転写性とを改善したレーザー転写マーキング用フィルム、およびそれを用いたレーザーマーキング品が提供される。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルムの断面図である。 本発明のレーザー転写マーキング用フィルムと工程フィルムとが積層した断面図である。 本発明のレーザー転写マーキング用フィルムと、基材との断面図である。 本発明のレーザー転写マーキング用フィルムと基材とにレーザー光を照射した図である。 本発明のレーザー転写マーキング用フィルムを用いたレーザーマーキング品の断面図である。
以下、本発明に係るレーザー転写マーキング用フィルムおよびそれを用いたレーザーマーキング品の実施形態例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のレーザー転写マーキング用フィルムの断面図である。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、
ガラスフリット(12)と樹脂(13)とを含み、
前記ガラスフリット(12)は、少なくともバナジウム、ビスマス、ホウ素、リン、テルル、鉄、鉛、マンガン、亜鉛、タングステン、モリブデン、バリウム、アンチモンの酸化物からなる群から選ばれる成分を含み、かつ軟化温度が300℃から600℃の範囲である。
本発明に用いるガラスフリット(12)は、少なくともバナジウム、ビスマス、ホウ素、リン、テルル、鉄、鉛、マンガン、亜鉛、タングステン、モリブデン、バリウム、アンチモンの酸化物からなる群から選ばれる成分を含む。これらの成分を含み、かつ軟化温度が300℃から600℃の範囲のガラスフリット(12)を用いることで、本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)を用いたレーザーマーキング品(51)は、レーザー光の出力を小さくすることができる。
従来のレーザー転写マーキング用フィルムは、ガラスフリットを十分溶融させるためにレーザー光の出力を大きくすると、マーキング時に、マーキング部周囲に樹脂の分解物、たとえば炭化物等が過剰に発生することにより、マーキング部周辺の基材が汚れることで、マーキング部と基材との密着性が低下する問題があった。一方、レーザー光の出力を小さくすると、ガラスフリットが十分に溶融しないことにより、マーキング部と基材との密着性が低下する問題があった。本発明は、レーザー光の出力を小さくしても、レーザー転写マーキング用フィルム(11)が含む樹脂(13)のマーキング部周囲の過剰な分解、燃焼による基材の汚れを軽減することができ、かつガラスフリットが十分に溶融するため、マーキング部(52)と基材(41)との密着性が向上し、したがってコントラストが高く、マーキング部(52)の識別性が向上したレーザーマーキング品(51)を得ることができる。
本発明に用いるガラスフリット(12)は、バナジウム、ビスマス、ホウ素、リン、テルル、鉄、鉛、マンガン、亜鉛、タングステン、モリブデン、バリウム、アンチモンの酸化物を、熱で溶融後、冷却して得られる粉末状あるいはフレーク状のガラスである。本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)に好適に用いることができるガラスフリット(12)の粒径は、特に制限はないが、たとえば0.1μm〜100μm程度である。
通常ガラスフリット(12)は着色している。たとえば、バナジウムの酸化物を含むガラスフリットは暗緑色である。マーキングする基材が、たとえばソーダ石灰ガラス基材のような無色や、白色等の場合、特にマーキング部(52)と基材(41)とのコントラストが高くなる。
本発明に用いるガラスフリット(12)の前記軟化温度が300℃以上であるため、耐熱性が優れたマーキング部(52)を得ることができる。また、前記軟化温度が600℃以下であるため、レーザー光の出力を小さくすることができ、それに伴い樹脂(13)の過剰な分解、燃焼による基材の汚れを軽減でき、したがってコントラストが高く、マーキング部(52)の識別性が向上したレーザーマーキング品(51)を得ることができる。
なお、本発明において、軟化温度とは、示差熱分析(DTA)の測定における変曲点温度である。
本発明に用いるガラスフリット(12)は、たとえば、バナジウムを含むガラスフリットとして、岡本硝子株式会社製 商品名VBZ−2(軟化温度361℃)、VBP−8(軟化温度409℃)、V−35(軟化温度411℃)、VBP−12(軟化温度422℃)、VBPZ−6(軟化温度535℃)、旭硝子株式会社製 製品名TNS031(軟化温度362℃)、リンを含むガラスフリットとして、P−9(軟化温度508℃)、P−6(軟化温度576℃)、P−5(軟化温度585℃)、旭硝子株式会社製 製品名KP312(軟化温度325℃)、鉛を含むガラスフリットとして、旭硝子株式会社製 製品名2502(軟化温度316℃)、ビスマスを含むガラスフリットとして、旭硝子株式会社製 製品名ASF1100(軟化温度440℃)および、亜鉛、鉛を含むガラスフリットとして、旭硝子株式会社製 製品名ASF1550(軟化温度540℃)を例示できる。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、樹脂(13)を含む。樹脂(13)は、照射されるレーザー光(31)を十分透過でき、かつ成膜が可能であれば特に制約はない。樹脂(13)は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)に用いることができる。
本発明に用いる樹脂(13)は、(メタ)アクリル系樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン等を例示できる。特に、照射するレーザー光を十分透過でき、レーザー転写マーキング用フィルム(11)の製造時の成膜性や、マーキング時のフィルムの取扱性に優れることから、ブチラール樹脂を好適に用いることができる。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)が含むガラスフリット(12)と樹脂(13)との質量比は、100/1〜100/50、好ましくは100/3〜100/10の範囲であることが好ましい。前記質量比が100/1以上、つまりレーザー転写マーキング用フィルム(11)が含むガラスフリット(12)の質量を100として樹脂(13)の質量が1以上であれば、レーザー転写マーキング用フィルム(11)の製造時の成膜性が優れるため好ましい。また、前記質量比が100/50以下、つまりレーザー転写マーキング用フィルム(11)が含むガラスフリット(12)の質量を100として樹脂(13)の質量が50以下であれば、レーザー光の照射時、軟化したガラスフリット(12)が十分に基材(41)に密着できるため好ましい。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、レーザー吸収剤を含むことが好ましい。レーザー吸収剤を含むことで、レーザー光の出力を小さくすることができ、それに伴い樹脂(13)の過剰な分解、燃焼による基材(41)の汚れを軽減できるため、、マーキング部(52)と基材(41)との密着性が向上し、マーキング部(52)の識別性が向上したレーザーマーキング品(51)を得ることができるため好ましい。このようなレーザー吸収剤は、レーザー光の照射時に用いるレーザーの種類により適宜選択することができる。本発明に好適に用いることができるレーザー吸収剤は、たとえば、カーボンブラック、雲母、フタロシアニン、ナフタロシアニン、アゾ染料を例示できる。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、着色剤を含むことが好ましい。前記着色剤を含むことで、よりコントラストが高く、マーキング部(52)の識別性が向上したレーザーマーキング品(51)が得られるため好ましい。前記着色剤は、有機および無機の各種顔料および染料を好適に使用することができる。具体的には、カーボンブラック、酸化チタン等が例示できる。なお、前記着色剤は、基材(41)の色相に合わせて、マーキング部(52)のコントラストが高くなるように適宜選択することができる。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、マーキングの識別性が損なわれない限り各種添加剤を含むことができる。このような添加剤は、たとえば各種光安定剤、熱安定剤、可塑剤、赤外線吸収剤、フィラーを例示できる。たとえば、可塑剤を含むことで、レーザー転写マーキング用フィルム(11)の割れなどを防ぐことができ、かつ基材(41)との重ねあわせ時にフィルムと基材との密着性があがるため、マーキング時のレーザー転写マーキング用フィルム(11)の取扱性は向上する。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)の厚さは、特に制約はないが、70μm〜150μmの範囲であれば、転写性、取扱性が優れ、また基材(41)への汚染が低減でき、したがってマーキング部(52)と基材(41)との密着性が向上するため好ましい。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、キャスト法で成膜することが好ましい。キャスト法での成膜方法の一例をあげると、ガラスフリット(12)と樹脂(13)とを有機溶剤中に分散し樹脂(13)を溶解させ、工程フィルム(21)上に塗工後、乾燥し、成膜することで、レーザー転写マーキング用フィルム(11)を得ることができる。キャスト法で成膜することで、厚さが均一なレーザー転写マーキング用フィルム(11)が得られるため好ましい。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、キャスト法で成膜することができる他、たとえばカレンダー法、押し出し法等を用いても成膜することができる。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)を用いる基材(41)は、代表的にはガラス基材である。本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、従来マーキングが難しかったガラス基材に対しても、マーキング部と基材との密着性を向上させることができる。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)には、ファイバーレーザー、CO、YAG等の各種レーザーを用いてマーキングすることができる。
本発明のレーザーマーキング品(51)は、典型的には以下のようにして作製する。図2に示したように、工程フィルム(21)に積層したレーザー転写マーキング用フィルム(11)を準備する。次いで、工程フィルム(21)からレーザー転写マーキング用フィルム(11)を剥離した後、図3に示したように、レーザー転写マーキング用フィルム(11)と基材(41)とを重ねる。次いで、図4に示したように、この積層体に、所望のマーキングになるようレーザー光(31)を照射する。その際、レーザー光の照射部において、ガラスフリット(12)は、熱により溶融し、基材(41)と密着後、冷却する。このガラスフリット(12)と基材(41)との密着部がマーキング部(52)となる。さらに、レーザー光の照射部において、樹脂(13)は、分解、燃焼する。次いで、マーキングに寄与しなかった余分なレーザー転写マーキング用フィルム(11)を基材(41)から取り除く。最後に、マーキング部(52)の周辺を、コットンや布等でこすり、樹脂の分解物などを取り除くことで、図5に示したレーザーマーキング品(51)が得られる。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)は、平面を有する基材以外にも適用できる。たとえば、蛍光灯、各種電球、凹面鏡、凸面鏡、レンズ等、曲面を有する基材の曲面に対しても適用できる。さらに、曇りガラスのように、基材表面が凹凸を有する場合にも適用できる。
更に、レーザーマーキングする基材(41)の表面が平滑でかつ透明なガラスの場合、ガラス基材(41)のレーザー光の照射側と反対の面、すなわち裏面に、本発明のレーザー転写マーキング用フィルム(11)を重ねた後、レーザー光(31)を照射することで、ガラス基材(41)のレーザー光照射側に重ねたときと同様にしてレーザーマーキング品(51)を得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に制限されるものではない。
(実施例1)
ガラスフリットとして、岡本硝子株式会社製 製品名 VBP−12(軟化温度422℃、バナジウムを含有)を100質量部、樹脂として、積水化学工業株式会社製 ポリビニルブチラール樹脂 商品名 エスレックBL−S/BM−SZの等量混合品 を7質量部、可塑剤として、住友化学株式会社製 トリエチレングリコール 商品名G260を5質量部、分散剤として、第一工業製薬株式会社製 ソルビタンエスキオレエート 商品名ソルゲン30を0.5質量部、溶剤として、トルエンと酢酸エチルとメタノールとの混合溶剤を50質量部を用い、これらをポットミルに入れて12時間攪拌した後、200メッシュの金網を用いて濾過し、ドープを得た。このドープを厚さ38μmのPET工程フィルム上にアプリケーターを用いて塗工した後、100℃に設定した乾燥機を用いて3分間乾燥し、厚さ100μmのレーザー転写マーキング用フィルムを得た。
得られたレーザー転写マーキング用フィルムをPET工程フィルムから剥離し、PET工程フィルムと接していた面を基材に接するように厚さ1.8mmのソーダ石灰ガラス基材上に重ねて、積層体とした。次いで、この積層体に、パナソニック株式会社製ファイバーレーザー 製品名ファイバーレーザーマーカーLP−Zを用いて所定の文字でレーザー光を照射した。レーザー光の照射条件は、波長が1064nm、出力が6W、スキャンスピードは50mm/秒とした。レーザー光は、レーザー転写マーキング用フィルムおよび基材に対して垂直に照射した。レーザー光を照射後、基材からレーザー転写マーキング用フィルムを剥離し、マーキング部をコットンでこすり、樹脂の分解物を取り除いた。次いで、マーキング部を目視で確認したところ、ガラスフリットが十分溶融し、所定の文字が鮮明に転写され、基材とレーザー光照射部とのコントラストが高く、マーキング部の識別性が優れていることが確認できた。マーキング部を爪でこすっても、マーキング部は剥離することがなく、密着性が優れていることを確認した。
(実施例2)
実施例1のドープに、さらにレーザー吸収剤として雲母を2質量部加えた以外は、実施例1と同様の手順でレーザー転写マーキング用フィルムおよび積層体を得た。実施例1と同様の条件で積層体にレーザー光を照射し、マーキング部を確認したところ、実施例1のフィルムよりさらに転写性が向上し、識別性もより優れていた。
(実施例3)
実施例1のドープに、さらに着色剤としてカーボンブラックを1.5質量部加えた以外は、実施例1と同様の手順でレーザー転写マーキング用フィルムおよび積層体を得た。実施例1と同様の条件で積層体にレーザー光を照射し、マーキング部を目視で確認したところ、実施例1のフィルムより、さらに基材とマーキング部とのコントラストが高くなり、マーキング部の識別性もより優れていた。
(実施例4)
ドープに、ガラスフリットとして岡本硝子株式会社製 製品名P−5(軟化温度585℃、リンを含有)を用いた以外は、実施例1と同様の手順でレーザー転写マーキング用フィルムおよび積層体を得た。実施例1と同様の条件で積層体にレーザー光を照射し、マーキング部を目視で確認したところ、実施例1とほぼ同等の優れた転写性、識別性を示した。また、マーキング部を爪でこすって密着性を評価したところ、やや実施例1より劣るが、十分実用に耐えられる水準であった。
(実施例5)
ドープに、ガラスフリットとして、旭硝子株式会社製 製品名KP312(軟化温度325℃、リンを含有)を用いた以外は、実施例1と同様の手順でレーザー転写マーキング用フィルムおよび積層体を得た。実施例1と同様の条件で積層体にレーザー光を照射し、マーキング部を目視で確認したところ、実施例1とほぼ同等の優れた転写性、識別性を示した。
(比較例1)
軟化温度が約740℃であるソーダ石灰製ガラスフリットを用いた以外は、実施例1と同様の手順でレーザー転写マーキング用フィルムおよび積層体を得た。実施例1と同様の条件でレーザー光を照射し、マーキング部を確認したところ、ガラスフリットの溶融が不十分であり、マーキング部の基材との密着が悪く、マーキング部をコットンでふき取ったところ一部が剥落し、マーキングが識別できなかった。
(比較例2)
上記比較例1のレーザー転写マーキング用フィルムを用いて、レーザー出力を6Wから13Wに上げた以外は、比較例1と同様にレーザー光を照射し、積層体を得た。マーキング部を確認したところ、ガラスフリットは、十分に溶融していたが、マーキング部周囲の樹脂が過剰に燃焼したことで基材が著しく汚れ、所望のマーキングを形成するための転写性も不良であった。比較例1と同様に、マーキング部をコットンでふき取ったところ一部が剥落し、マーキングが識別できなかった。さらに、基材とマーキング部とのコントラストが低く、マーキングが薄く、識別性が不良であった。
以上のように、各実施例および各比較例の評価結果から、本発明のレーザー転写マーキング用フィルムは、基材との密着性と所望のマーキングを形成するための転写性とを改善し、基材とマーキング部とのコントラストを高めることで、マーキング部の識別性を向上させることができた。
本発明のレーザー転写マーキング用フィルムを用いることで、従来マーキングが困難であったガラス基材に対しても、基材との密着性と所望のマーキングを形成するための転写性とが優れたレーザーマーキング品が得られる。このようなマーキングは、たとえば各種製品の製造番号や製造日の表記に用いることができる。
11・・・レーザー転写マーキング用フィルム
12・・・ガラスフリット
13・・・樹脂
21・・・工程フィルム
31・・・レーザー光
41・・・基材
51・・・レーザーマーキング品
52・・・マーキング部

Claims (5)

  1. ガラスフリットと樹脂とを含み、
    前記ガラスフリットは、少なくともバナジウム、ビスマス、ホウ素、リン、テルル、鉄、鉛、マンガン、亜鉛、タングステン、モリブデン、バリウムおよびアンチモンの酸化物からなる群から選ばれる成分を含み、かつ軟化温度が300℃から600℃の範囲であることを特徴とするレーザー転写マーキング用フィルム。
  2. 前記ガラスフリットと前記樹脂との質量比が、100/1〜100/50の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー転写マーキング用フィルム。
  3. 前記レーザー転写マーキング用フィルムが、レーザー吸収剤を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザー転写マーキング用フィルム。
  4. 前記レーザー転写マーキング用フィルムが、着色剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー転写マーキング用フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー転写マーキング用フィルムを用いたレーザーマーキング品。
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