JP2014079350A - 洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗浄性能の向上および洗濯時間の削減したドラム式洗濯機を提供すること。
【解決手段】洗濯物を収容する回転ドラム3と、回転ドラム3を収容する水受け槽2と、水受け槽2内に給水する給水弁11と、水受け槽2内の水位を検知する水位検知手段12と、水受け槽2内の洗い水、すすぎ水を回転ドラム3内に吐出させる循環ポンプ10と、回転ドラム3内へ温風を導入するヒータ23を有する風路と、給水弁11、循環ポンプ10およびヒータ22等を制御し、洗い工程を行う制御手段14とを備え、前記制御手段14は、洗い工程完了後の排水と脱水によりその含水量が少なくなった洗濯物に対し、回転ドラム3内への温風や加熱蒸気やミスト等の導入による洗濯物の加熱と回転ドラム3の回転による第2の洗い工程を行い、第2の洗い工程完了後の2回以上実施されるすすぎ工程における1回目のすすぎでは中間脱水を行わず給水してすすぎを行う。
【選択図】図1
【解決手段】洗濯物を収容する回転ドラム3と、回転ドラム3を収容する水受け槽2と、水受け槽2内に給水する給水弁11と、水受け槽2内の水位を検知する水位検知手段12と、水受け槽2内の洗い水、すすぎ水を回転ドラム3内に吐出させる循環ポンプ10と、回転ドラム3内へ温風を導入するヒータ23を有する風路と、給水弁11、循環ポンプ10およびヒータ22等を制御し、洗い工程を行う制御手段14とを備え、前記制御手段14は、洗い工程完了後の排水と脱水によりその含水量が少なくなった洗濯物に対し、回転ドラム3内への温風や加熱蒸気やミスト等の導入による洗濯物の加熱と回転ドラム3の回転による第2の洗い工程を行い、第2の洗い工程完了後の2回以上実施されるすすぎ工程における1回目のすすぎでは中間脱水を行わず給水してすすぎを行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転ドラム内に洗濯物を投入し、洗い、すすぎなどの各工程を逐次制御して洗濯する洗濯機に関する。
従来、ドラム式洗濯機は、洗い時の洗浄力やすすぎの性能、さらには節水性を高めるため、水槽の底部に集められた洗濯水を回転ドラム内に循環させる経路が設けられている。これにより、洗濯水と衣類との接触を増やしたり、循環水の噴射力により汚れを分離したり、少ない水量でも洗濯物を濡らすことができる。
更に、底部に加熱手段が設けられて、洗濯水を加熱して洗浄性能を向上することによっても洗浄力やすすぎ性能の向上が図られている。しかし、使用する水量の少ない洗濯機、特にドラム式洗濯機では、洗濯水の循環を行うと、底部の洗濯水の液面が低下し、加熱手段の表面が洗濯水面より出てしまう可能性がある。この状態で加熱手段を通電し続けると加熱手段表面が過加熱状態となり、構成する樹脂材料を溶解し、更には、加熱手段自体が断線してしまうことが起こる可能性があった。また、加熱手段で洗濯水を所定温度まで加熱するのに長時間を要し、また消費電力量も大きく不経済である問題があった。これに対し、温風を供給する温風供給装置を具備した洗濯機においては、水槽に配設した回転ドラムに洗濯物を収容し、水槽に給水して前記洗濯物を撹拌して洗い行った後、水槽から排水して、その後に、前記洗濯物を撹拌しつつ、前記温風供給装置により水槽の内部に温風を供給して前記洗濯物を加温して更に洗いを実行することが考案されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、このような従来の構成では、加熱手段での洗濯水の所定温度までの加熱と同様に長時間加熱する必要がなく、消費電力量も少なくなり、更に、ヒータの漏電に対する安全対策を厳しく実施する必要もないメリットはあるが、洗濯物への加熱において与えたエネルギーを有効に利用できない。
本発明は、前記従来の課題を解決すると共に、洗浄性能の向上および洗濯時間の削減した洗濯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを収容する水受け槽と、前記水受け槽内に給水する給水手段と、前記水受け槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水受け槽内の洗い水を前記回転ドラム内に吐出させる水循環手段と、前記回転ドラム内へ温風を導入する加熱手段を有する風路と、前記回転ドラムを駆動させる駆動手段と前記駆動手段、前記給水手段、前記水循環手段および前記加熱手段を制御し、洗い工程およびすすぎ工程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、第1の洗い工程完了後の排水と脱水行った洗濯物に対し、前記加熱手段による温風の導入と前記回転ドラムの回転による第2の洗い工程を行い、第2の洗い工程完了後、2回以上実施されるすすぎ工程における1回目のすすぎ工程において、中間脱水を行わず給水してすすぎを行うものである。
これにより、洗濯物は第1の洗い工程完了後に排水と脱水が行われることにより、洗濯物に含まれる水量が低減され、その後の第2の洗い工程では回転ドラム内への温風の導入により洗濯物の温度は少ない熱量で上がり易くなる。これにより洗い工程で洗濯物に付着し剥がれ難かった汚れが『熱、洗濯物に残存している洗剤、回転ドラムの撹拌の力』により洗濯物から剥がれ易くなるため洗浄性能が向上することになる。更に、前記第2の洗い工程の後のすすぎ工程においては、その1回目のすすぎでは中間脱水をなくし給水撹拌のみを実施しているため洗濯物や洗濯内に残存している第2の洗い工程で加熱されたあたたかい水は残っており、ここにすすぎ用の水が給水されても洗濯物の温度は洗濯物が保有する熱量等により前記すすぎ用に給水される水の温度近くまで低下することはなく、暖かい水ですすぎが実施されることより、すすぎ中でも洗濯物に残存する洗剤の効果も伴い、すすぎと洗いが同時に実施されることになり、洗濯物から剥がれ易くなっている汚れがこのすすぎ中にも効率的に洗濯物より除去されることになるため、洗浄性能が大幅向上することになる。
本発明の洗濯機は、洗い工程における洗浄性能の向上、洗い時間の低減、使用エネルギーの削減を図ることができる。
第1の発明の洗濯機は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを収容する水受け槽と、前記水受け槽内に給水する給水手段と、前記水受け槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水受け槽内の洗い水を前記回転ドラム内に吐出させる水循環手段と、前記回転ドラム内へ温風を導入する加熱手段を有する風路と、前記回転ドラムを駆動させる駆動手段と前記駆動手段、前記給水手段、前記水循環手段および前記加熱手段を制御し、洗い工程およびすすぎ工程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、第1の洗い工程完了後の排水と脱水行った洗濯物に対し、前記加熱手段による温風の導入と前記回転ドラムの回転による第2の洗い工程を行い、第2の洗い工程完了後、2回以上実施されるすすぎ工程における1回目のすすぎ工程において、中間脱水を行わず給水してすすぎを行うものである。
これにより、洗濯物は第1の洗い工程完了後に排水と脱水が行われることにより、洗濯物に含まれる水量が低減され、その後の第2の洗い工程では回転ドラム内への温風の導入により洗濯物の温度は少ない熱量で上がり易くなる。これにより洗い工程で洗濯物に付着し剥がれ難かった汚れが『熱、洗濯物に残存している洗剤、回転ドラムの撹拌の力』により洗濯物から剥がれ易くなるため洗浄性能が向上することになる。更に、前記第2の洗い工程の後のすすぎ工程においては、その1回目のすすぎでは中間脱水をなくし給水撹拌のみを実施しているため洗濯物や洗濯内に残存している第2の洗い工程で加熱されたあたたかい水は残っており、ここにすすぎ用の水が給水されても洗濯物の温度は洗濯物が保有する熱量等により前記すすぎ用に給水される水の温度近くまで低下することはなく、暖かい水ですすぎが実施されることより、すすぎ中でも洗濯物に残存する洗剤の効果も伴い、すすぎと洗いが同時に実施されることになり、洗濯物から剥がれ易くなっている汚れがこのすすぎ中にも効率的に洗濯物より除去されることになるため、洗浄性能が大幅向上する効果が得られる。
第2の発明は、前記第2の洗い工程完了直後では排水は行わず給水のみを実施するものである。これにより、第1の発明の効果に加え、洗濯機内に第2の洗い工程で暖められた洗濯水がより残るため、すすぎ水の温度がより高くなるため洗浄性能はより向上する効果が得られる。
第3の発明は、省略した中間脱水にかかる時間とほぼ同等の時間を2回目のすすぎ工程の給水撹拌工程に付加するものである。これにより、2回目のすすぎ工程の撹拌時間が長くなることで、2回目のすすぎ工程での洗いとすすぎの効果が共に向上するため、洗浄性能はより向上すると共にすすぎ性能も向上し洗濯物に残存する洗剤量をより低減できる効果が得られる。更に、洗濯時間も変わらずに洗濯が行える効果も得られる。
第4の発明は、省略した中間脱水にかかる時間とほぼ同等の時間を1回目のすすぎ工程の給水撹拌工程に付加するものである。これにより、1回目のすすぎ工程の撹拌時間が長くなることで、2回目のすすぎ工程での洗いとすすぎの効果が共に向上するため、洗浄性能はより向上すると共にすすぎ性能も向上し洗濯物に残存する洗剤量をより低減できる効果が得られる。更に、洗濯時間も変わらずに洗濯が行える効果も得られる。また、1回目のすすぎ工程と2回目のすすぎ工程では、1回目のすすぎ工程の方が洗剤濃度は高いため、同じ水量・すすぎ時間では1回目のすすぎ工程の方が洗濯物より洗剤を排出する効果は高いため、更にすすぎ性能は向上する効果が得られる。
第5の発明は、省略した中間脱水にかかる時間とほぼ同等の時間を1回目と2回目のすすぎ工程の給水撹拌工程に付加するものである。これにより、すすぎの撹拌時間が長くなることで、すすぎでの洗いとすすぎの効果が共に向上するため、洗浄性能はより向上すると共にすすぎ性能も向上し洗濯物に残存する洗剤量をより低減できる効果が得られる。更に、洗濯時間も変わらずに洗濯が行える効果も得られる。また、1回目のすすぎ工程は2回目のすすぎ工程よりもの方が洗剤濃度は高いため、同じ水量・すすぎ時間では1回目のすすぎ工程の方が洗濯物より洗剤を排出する効果は高いためすすぎ性能は向上する効果があり、2回目のすすぎ工程では柔軟剤が使用されるため、2回目のすすぎ工程での給水撹拌時間が長いと柔軟剤が更に洗濯物に分散され易くなる。このため、1回目のすすぎ工程と2回目のすすぎ工程の時間配分を考慮することにより、すすぎ性能と洗濯後の洗濯物の仕上がりのバランスが取れ易くなる効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本発明で使用する洗濯水とは、洗い工程において用いられる、洗剤成分を含む水としての洗浄水と、すすぎ工程において用いられる、洗剤成分や汚れをすすぐ水としてのすすぎ水との、両方を包括するものである。また、循環シャワーとは、水循環手段の駆動により、循環経路から吐出される洗濯水を意味する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の断面図、図2は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機のブロック回路図、図3は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の洗い工程の動作を示すタイムチャートである。
図1は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の断面図、図2は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機のブロック回路図、図3は、本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の洗い工程の動作を示すタイムチャートである。
図1〜図3において、ドラム式洗濯機1の内部に水受け槽2が配設されている。水受け槽2の内側に洗濯槽としての回転ドラム3が水平な回転軸によって回転可能な状態で配設されている。回転ドラム3は、背面に接続されたモータ4により回転する。また、回転ドラム3は外周面に複数の通孔が設けられ、またその内壁面には数個の突起板が設けられている。回転ドラム3は、洗濯槽、脱水槽、乾燥槽としても機能するものである。
水受け槽2の後部側の最低部には、取水口5が接続されている。取水口5は、排水弁6によって開閉される排水管7につながっている。取水口5と排水弁6の間からは取水口5から取り込んだ洗濯水を回転ドラム3に吐出する吐出口8につながった循環経路9が連通している。循環ポンプ10の駆動により、水受け槽2の洗濯水は循環経路9を通り、回転ドラム3に循環シャワーとして吐出される。このように、回転ドラム3内の洗濯物に循環水をかけることができる。水受け槽2の上方には、給水弁11が設けられており、給水弁11は水受け槽2内に水を給水する。水位検知手段12は水受け槽2内の水位を検知するものである。
制御装置13は、マイクロコンピュータで構成された制御手段14を有し、パワースイッチング手段15を介してモータ4、排水弁6、循環ポンプ10、給水弁11などの動作を制御し、洗い、すすぎ、脱水などの一連の工程を逐次制御する。入力設定手段16は、運転コース等を設定するもので、制御手段14は入力設定手段16からの情報を入力して、その情報を基に表示手段17を表示して使用者に知らせる。記憶手段18は、制御手段14により制御するのに必要なデータを記憶している。尚、19は商用電源、20は電源スイッチである。21は、回転ドラム3の回転数を検知する回転数検知手段であり、この回転数検知手段21の情報が制御手段14に送られ、制御手段14がパワースイッチング手段15を介して回転ドラム3の回転数を制御する。
制御手段14は、回転ドラム3の回転数を検知する回転数検知手段21の情報から、パワースイッチング手段15を介して回転ドラム3の回転数を制御する。風路22には、洗濯物を加熱するヒータ23(加熱手段)設けられており、風路22は水受け槽2に設けられた通風口24を通して、ヒータ21によって加熱された風を回転ドラム3内に送風する構成となっている。また、ヒータ21はモータ4等と同様に制御手段14により制御される。
使用者がドラム式洗濯機1に洗濯物を投入し、電源スイッチ20を押すと、入力設定手段16が洗濯のコース等を入力できる様になる。入力設定手段16からの情報により、制御手段14は、表示手段17を表示して使用者に知らせる。使用者が洗濯のスタートボタンを押して洗濯を開始すると、洗い工程の洗濯物重量検知工程を開始する。
洗濯物重量検知工程は、モータ4を制御して洗濯物とともに回転ドラム3を回転させる時のモータ4の電流信号の大きさを検出することによって行う。また、制御手段14は、洗濯物量の判定結果により、洗剤量を決定し、表示手段17を表示して使用者に知らせ、使用者が洗剤を投入する時間を考慮して、所定時間(例えば1分)経過した後に、制御手段14は給水の準備に入る。
次に、制御手段14は、洗い工程1(第1の洗い工程)を開始するために、給水弁11を開放して給水を始める。この時、給水された水は、洗剤ケース(図示せず)を通り、洗剤ケースに投入された洗剤と一緒に水受け槽2に溜められていく。この時、回転ドラム3は一定方向に約50r/minで回転しており、循環ポンプ10は駆動しており、水受け槽2の洗濯水は循環経路9を通り、回転ドラム3内に循環シャワーとして吐出される。制御手段14は、水位検知手段12により所定水位に到達したと判断すると、給水弁11を閉じることにより、水受け槽2への給水を停止させ、循環ポンプ10を停止させる。その後、制御手段14は、回転ドラム3に対し約30秒毎に右回転・左回転を行うタンブリングを実施させ、更に循環ポンプ10の運転を開始させると共に、水位検知手段12の信号により、給水弁11を開放して給水を再開し、所定水位まで給水を行う。
回転ドラム3の前記タンブリングにおいては、回転ドラム3内の洗濯物は回転ドラム3内に設けた突起板(図示せず)に引っかかり、持ち上げられて落下することによりたたき洗いが行われる。このたたき洗いでは、洗濯物に落下時の運動エネルギーが効果的に加えられるように洗濯物は回転ドラム3の壁面に遠心力によって張り付かない程度の回転速度が好ましく、洗濯物の量にも依存するが50r/min程度が好ましい。回転ドラム3の回転方向は、同一方向でも、定期的に切り替えることとしてもよい。また、この時、回転ドラム3は一時的に停止していても差し支えない。
洗い時間が所定時間経過し、洗い工程1が終了すると、制御手段14は洗い工程2(第2の洗い工程)を開始するために排水弁6を開き、排水管7を通して水受け槽2内の洗濯水の排水を行う。排水が完了すると、洗濯物に含有する水量を少なくした状態でヒータ23による温風での加熱を行うため、洗濯物に含まれる水量の調整を開始する。この水量の調整は脱水を用いるため、制御手段14は回転ドラム3のバランスコントロールを行い、回転ドラム3の回転数を上昇させる。具体的には、洗濯物の含水量は洗濯物の乾燥重量の約2倍を想定しているため、例えば回転ドラム3の回転数を約250r/minで所定時間保持した後、その回転を停止させる。制御手段14は、回転ドラム3の回転数を停止させた後、回転ドラム3に対し約50r/minで約30秒毎に右回転・左回転を行うタンブリングを開始させると共に、ヒータ23への通電を行わせ、風路22からは水受け槽2に設けられた通風口24を通して、前記ヒータ23で暖められた例えば約70℃の風を回転ドラム3内に送風する。この時、水受け槽2の水は少ないため循環ポンプ10の運転は停止している。
前記回転ドラム3のタンブリングとヒータ23にて暖められた空気の送風が所定時間完了すると、制御手段14はヒータ23への通電と送風とタンブリングを停止させ、洗い工程2が終了し、すすぎ工程1(1回目のすすぎ工程)に入る。この洗い工程2が終了した段階で、洗濯物の温度は約40℃まで上昇している。
すすぎ工程1で、初期の設定において、すすぎを2回以上実施すると設定されている場合は、1回目のすすぎにおける中間脱水1は実施しない構成になっている。このすすぎ工程1の動作について説明を行う。すすぎ工程1が開始されると、制御手段14は、給水弁11を閉じて給水を開始する。この時、給水された水は、洗剤ケース(図示せず)を通り、水受け槽2に溜められていく。回転ドラム3は約50r/minで一定方向回転しており、循環ポンプ10は駆動しており、水受け槽2の洗濯水は循環経路9を通り、回転ドラム3内に循環シャワーとして吐出される。
制御手段14は、水位検知手段12により所定水位に到達したと判断すると、給水弁11を閉じることにより、水受け槽2への給水を停止すると共に、循環ポンプ10の運転も停止させる。給水を開始する前の洗濯物の温度は約40℃であったが、中間脱水1を行わず給水のみを行っている。この時所定水位までの給水量は中間脱水1を行っていないため少なくて済むため、洗濯物量が例えば4.5kgの場合給水量は約15Lとなり通常より5〜6L少なくなっている。また、この時に給水される水の温度が20℃の場合洗濯物の温度は前記40℃よりは低くなるが室温が23℃では27〜30℃の温度に保持され、この状態ですすぎ工程1の撹拌が行われる。
通常、中間脱水1が終了してからのすすぎ工程1の給水・撹拌時間は2〜3分程度であるが、洗濯にかかる時間を同じにした場合中間脱水に必要な時間は3〜4分であるため、この時間をすすぎ工程1における給水・撹拌時間に割り当てることができる。例えば、この中間脱水1の時間をすすぎ工程1の給水・撹拌時間に割り当てた場合、給水・撹拌を5〜7分実施できることになる。つまり、前記したように洗濯物の温度が27〜30℃で、循環ポンプ10がON−OFF運転した状態で給水撹拌を5〜7分行う。この時、洗濯物の温度は通常のすすぎ温度よりも高く、洗濯物に残存している洗剤量も多く、撹拌時間も長くなっているため、このすすぎ工程1の給水・撹拌ではすすぎばかりではなく洗濯物の洗浄も実施される。つまり、洗濯物に残存している通常よりも洗剤が多く残存しており、これらの洗濯物は通常より高い水温でかつ長い時間撹拌されるため、前記洗い工程で除去できず洗濯物に付着している汚れ成分がこのすすぎ工程1時に洗濯物より剥ぎ取られることにより洗浄性能が大幅上昇する効果が得られることになる。
制御手段14が所定時間経過したと判断すると、制御手段14はすすぎ工程1が終了したと判断し、すすぎ工程2(2回目のすすぎ工程)に移行するため、排水弁6を開いて水受け槽2に溜まっているすすぎ水を排水する。排水が完了すると、すすぎ工程2の中間脱水2が開始されることになり、制御手段14は回転ドラム3を回転させ、バランスコントロールを経て所定回転数である900r/minまで回転ドラム3の回転数をアップさせる。この中間脱水2により、洗濯物に残存している洗濯水はドラム式洗濯機1の外に排出され、洗濯物に含まれる洗濯水は少なくなる。回転ドラム3が900r/minで所定時間回転すると、制御手段14はモータ4に信号を送り、回転ドラム3の回転を停止させる。
回転ドラム3の停止後、制御手段14は、給水弁11を閉じて給水を開始する。この時、給水された水は、洗剤ケース(図示せず)を通り、水受け槽2に溜められていく。回転ドラム3は50r/minで一定方向での回転を開始し、循環ポンプ10は駆動しており、水受け槽2の洗濯水は循環経路9を通り、回転ドラム3内に循環シャワーとして吐出される。制御手段14は、水位検知手段12により所定水位に到達したと判断すると、給水弁11を閉じることにより、水受け槽2への給水を停止する。制御手段14は所定時間が経過したと判断すると、すすぎ工程2が終了したと判断し、制御手段14は排水弁6を開いて水受け槽2に溜まっているすすぎ水を排水する。
排水が完了すると、最終脱水が開始されることになり、制御手段14は回転ドラム3を回転させ、バランスコントロールを経て回転ドラム3を最終回転数である900r/minまで回転数をアップさせる。この最終脱水により、洗濯物に残存している洗濯水はドラム式洗濯機1の外に排出され、洗濯物に含まれる洗濯水は少なくなる。回転ドラム3が900r/minで所定時間回転すると、制御手段14はモータ4に信号を送り、回転ドラム3の回転を停止させる。回転ドラム3が停止した時点で、洗濯は終了し、制御手段14はドラム式洗濯機1の電源を切る。
以上の様に、洗い工程2においては、その最初に排水と脱水が行われ、洗濯物に含まれる水量が低減されているため、回転ドラム3内へ風路22の中に設置されているヒータ23によって加熱された温風が導入されることにより洗濯物の温度は少ない熱量で上がり易くなる。洗い工程1で洗濯物に付着し剥がれ難かった汚れが、洗い工程2において、温風による熱・洗濯物に残存している洗剤・回転ドラムの撹拌の3つの力により洗濯物から剥がれるため洗浄性能が向上することになる。更に、洗い工程2の後のすすぎ工程1では、中間脱水1をなくし給水撹拌のみを実施しているため洗濯物やドラム式洗濯機1内に洗い工程2で加熱された暖かい水が残っており、ここにすすぎ用の水が給水されても洗濯物の温度は洗濯物やドラム式洗濯機1が保有する熱量等によりすすぎ用に給水される水の温度近くまで低下することはなく、暖かい水ですすぎの撹拌が実施されることより、すすぎ中でも洗濯物に残存する洗剤により、すすぎと洗いが同時に実施されることになり、洗濯物から剥がれ易くなっている汚れがこのすすぎにおいても効率的に洗濯物より除去されることになるため、洗浄性能が大幅向上することになる。
また、前記、この時中間脱水1は省略されているため全体の洗濯時間を変更しないとした場合、その中間脱水1の時間はすすぎの撹拌時間に活用できるため、前記に示した様に、洗濯物の洗浄性能の向上とすすぎ性能の向上の両方を図ることができる効果が得られる。また、この撹拌の時間をすすぎに利用した場合、すすぎ1とすすぎ2では、すすぎ1の方が洗剤濃度は高いため、同じ水量・同じすすぎ時間ではすすぎ1の方が洗濯物より洗剤を排出する効果は高いため、すすぎ性能が向上する効果が得られる。また、すすぎ2では柔軟剤が使用されるため、すすぎ2の撹拌時間にこの時間を利用すると柔軟剤が更に洗濯物に分散され易くなり、洗濯後の洗濯物の仕上がりが良好となる効果が得られる。また、すすぎ1とすすぎ2の撹拌時間にこの時間を分配した場合には、前記すすぎ効果と柔軟剤の分散効果の2つの効果のバランスを取った洗濯を行うことができる効果が得られる。
尚、本実施の形態において、水受け槽2および回転ドラム3は水平に配置されたものとしたが、水受け槽2および回転ドラム3は傾斜していてもよい。また、洗い工程1・すすぎの給水量、洗い・脱水等の回転ドラム3の回転数等は特に指定する物ではない。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、洗濯物を収容する回転ドラムと、前記回転ドラムを収容する水受け槽と、前記水受け槽内に給水する給水手段と、前記水受け槽内の水位を検知する水位検知手段と、前記水受け槽内の洗い水を前記回転ドラム内に吐出させる水循環手段と、前記回転ドラム内へ温風を導入する加熱手段を有する風路と、回転ドラムを駆動させる駆動手段と前記給水手段、前記水循環手段および前記加熱手段を制御し、洗い工程等を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、第1の洗い工程完了後の排水と脱水によりその含水量が少なくなった洗濯物に対し、前記温風の導入と回転ドラムの回転による第2の洗い工程を行い、第2の洗い工程完了後の2回以上実施されるすすぎ工程における1回目のすすぎでは中間脱水を行わず給水してすすぎを行うものであり、洗浄力を向上させたり、洗濯時間を削減したり、洗濯での省エネを図ることを目的とする。
1 ドラム式洗濯機
2 水受け槽
3 回転ドラム
4 モータ(駆動手段)
5 取水口
6 排水弁
7 排水管
8 吐出口
9 循環経路
10 循環ポンプ(水循環手段)
11 給水弁(給水手段)
12 水位検知手段
14 制御手段
23 加熱手段
2 水受け槽
3 回転ドラム
4 モータ(駆動手段)
5 取水口
6 排水弁
7 排水管
8 吐出口
9 循環経路
10 循環ポンプ(水循環手段)
11 給水弁(給水手段)
12 水位検知手段
14 制御手段
23 加熱手段
Claims (5)
- 洗濯物を収容する回転ドラムと、
前記回転ドラムを収容する水受け槽と、
前記水受け槽内に給水する給水手段と、
前記水受け槽内の水位を検知する水位検知手段と、
前記水受け槽内の洗い水を前記回転ドラム内に吐出させる水循環手段と、
前記回転ドラム内へ温風を導入する加熱手段を有する風路と、
前記回転ドラムを駆動させる駆動手段と
前記駆動手段、前記給水手段、前記水循環手段および前記加熱手段を制御し、洗い工程およびすすぎ工程を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、第1の洗い工程完了後の排水と脱水行った洗濯物に対し、前記加熱手段による温風の導入と前記回転ドラムの回転による第2の洗い工程を行い、第2の洗い工程完了後、2回以上実施されるすすぎ工程における1回目のすすぎ工程において、中間脱水を行わず給水してすすぎを行うことを特徴とする洗濯機。 - 前記第2の洗い工程完了直後では排水は行わず給水のみを実施することを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
- 省略した中間脱水にかかる時間とほぼ同等の時間を2回目のすすぎ工程の給水撹拌工程に付加することを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯機。
- 省略した中間脱水にかかる時間とほぼ同等の時間を1回目のすすぎ工程の給水撹拌工程に付加することを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯機。
- 省略した中間脱水にかかる時間とほぼ同等の時間を1回目と2回目のすすぎ工程の給水撹拌工程に付加することを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012228610A JP2014079350A (ja) | 2012-10-16 | 2012-10-16 | 洗濯機 |
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JP2012228610A JP2014079350A (ja) | 2012-10-16 | 2012-10-16 | 洗濯機 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2012228610A Pending JP2014079350A (ja) | 2012-10-16 | 2012-10-16 | 洗濯機 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017029248A (ja) * | 2015-07-29 | 2017-02-09 | シャープ株式会社 | 洗濯機 |
JP2017113611A (ja) * | 2017-03-06 | 2017-06-29 | シャープ株式会社 | 洗濯機 |
CN113981651A (zh) * | 2020-07-27 | 2022-01-28 | 青岛海尔洗衣机有限公司 | 一种洗衣机的控制方法 |
-
2012
- 2012-10-16 JP JP2012228610A patent/JP2014079350A/ja active Pending
Cited By (4)
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CN113981651B (zh) * | 2020-07-27 | 2024-03-15 | 青岛海尔洗衣机有限公司 | 一种洗衣机的控制方法 |
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