JP2014077495A - 管継手構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カシメ機Bによりカシメパイプ4を縮径変形させることで、管体1の螺旋凸部1aに対する弾性スリーブ3の第一螺旋パッキン部3aの押圧力よりも、螺旋凸部1aの間に位置する管体1の螺旋凹部1bに対する弾性スリーブ3の第二螺旋パッキン部3bの押圧力が高くなるように設定される。そのため、管体1の内部を通る流体の圧力が変化して高くなっても、カシメパイプ4の縮径変形部位及び弾性スリーブ3の第二螺旋パッキン部3bで、管体1の螺旋凹部1bがニップル2の外周面2aに圧接したまま保たれる。
【選択図】図1
Description
また、外周面に螺旋状補強体を有する螺旋凹凸形状の樹脂製ホースの端部内面に挿入されるニップルと、ホース外周面の形状にそって嵌合できる螺旋状の凹凸形状部を内周面に、フラット形状部を外周面に有する断面がC字状の弾性パッキンと、2分割されてボルト・ナットにより弾性パッキンをホースの端部へ向け締め付けるホルダーとからなる、ホース外周面が螺旋凹凸形状の樹脂製ホース端部を簡単に装着できるホース継ぎ手もある(例えば、特許文献2参照)。
しかし乍ら、特許文献1の場合には、フエルールによって弾性スリーブ及びホースを継手の差込部に向け径方向へ同等に圧縮変形させても、弾性スリーブでらせん状のワイアが強く締め付けられるものの、らせん状のワイアの間に形成される螺旋凹部に対する弾性スリーブの押圧力は、らせん状のワイアに対する弾性スリーブの押圧力よりも遥かに低くなってしまった。
つまり、らせん状のワイアの圧縮変形には大きな押圧力が必要であり、フエルールを圧縮変形しても、その押圧力がワイアに作用するだけで、ワイア間の螺旋凹部に対する押圧力は低く、継手の差込部との間に気密性を確保することはできなかった。
そのため、ホースの内部を通る流体の圧力(内圧)が高くなると、らせん状のワイアの間に形成される螺旋凹部の内面部位と、継手の差込部と間に螺旋状の隙間ができて、ホース内部の流体が外部に漏れ出すという問題があった。
また、特許文献2の場合には、ホースの螺旋状補強体と嵌合する螺旋状の凹凸形状部が弾性パッキンの内周面に形成されているため、ホルダーによる締め付けで弾性パッキンの内周面を、ホースの螺旋状補強体と、螺旋状補強体の間に形成されるホースの螺旋凹部に対して、それぞれ同等に圧接させることが可能になる。
しかし、このような特許文献2であっても、螺旋状補強体の間に形成されるホースの螺旋凹部に対する弾性パッキンの押圧力が不足するため、ホースの内部を通る流体の圧力(内圧)が高くなると、弾性パッキンの内周面において螺旋状の凹凸形状部が形成されていない箇所が更に圧縮変形して、螺旋状補強体の間に形成される螺旋凹部の内面部位とニップルと間に螺旋状の隙間ができて、ホース内部の流体が外部に漏れ出すおそれがあり、十分な気密性を確保できないという問題があった。
さらに、ボルト・ナットで2分割されたホルダーをニップルに向けて締め付けても、弾性パッキンの全体を均一に縮径変形させることができず、2分割されたホルダーの間に生じる隙間で十分な気密性を確保できない。
したがって、螺旋凸部が突出する管体をニップルの外周面に隙間なく圧接させて両者間の気密性を確保することができる。
その結果、フエルールによって弾性スリーブ及びホースを継手の差込部に向け径方向へ圧縮する従来のものや、ホルダーによって内周面にホースの螺旋状補強体と嵌合する螺旋状の凹凸形状部が形成された弾性パッキン及びホースをニップルに向け締め付ける従来のものに比べ、管体の内部を通る流体の圧力が高くなっても、管体の螺旋凹部における内面部位とニップルの外周面の間に螺旋状の隙間ができず、管体の内部を通る流体の漏れ出しを長期に亘って確実に防止することができる。
本発明の実施形態に係る管継手構造Aは、その外面に螺旋凸部1a及び螺旋凸部1aの間に形成される螺旋凹部1bを有する管体1と、管体1の内面1cに沿って挿入するように設けられるニップル2と、ニップル2の外周面2aに管体1を挟んで覆うように設けられる弾性変形可能な弾性スリーブ3と、弾性スリーブ3の外側に設けられてカシメ機Bにより縮径変形されるカシメパイプ4と、を主要な構成要素として備えている。
つまり、管体1の外面は、螺旋凸部1aと螺旋凹部1bが管体1の軸方向へそれぞれ交互に形成されて凹凸形状になっている。
管体1の具体例としては、図1(a)(b)及び図2(a)(b)に示すように、その本体が平滑な外面及び内面1cを有する単層構造の円筒状に成形され、該本体の外面近くに沿って、断面円形又はそれに類似する断面形状の補強線材を、その一部分又は大部分が管体1の外面から突出するように螺旋状に巻き付けて固着し一体化することにより、断面円形などの螺旋凸部1aと平滑な螺旋凹部1bが管体1の軸方向へそれぞれ交互に一体形成される。
また、その他の例として図示しないが、管体1の本体に巻き付けられた補強線材を該本体と同じ軟質材料で被覆して一体化することも可能である。さらに、管体1の本体を複数層の積層構造に代えたり、例えばガラス繊維や難燃性繊維などの補強糸を編組して埋設したり、金属製や硬質合成樹脂製の補強線を螺旋状に埋設することも可能である。
ニップル2の外周面2aには、管体1の内面1cと軸方向へ係合する抜け止め手段を設けることが好ましい。
ニップル2の具体例としては、図1(a)(b)及び図2(a)(b)に示すように、管体1の内面1cに食い込む環状突起2bと、管体1の内面1cと対向して圧接する環状凹溝2cを、それぞれニップル2の軸線方向へ交互に複数組、それぞれ竹の子状となるように形成することで、抜け止め手段が構成される。
また、その他の例として図示しないが、抜け止め手段の形状を竹の子状に代えて、各環状突起2bをテーパー状の傾斜面と逆向きの傾斜面によって断面山型状に形成したり、環状凹部2cのいずれかにOリングなどのシール材を装着して該シール材の外周端を管体1の内面1cに圧接させたり、弾性スリーブ3やカシメパイプ4を移動不能に位置決めするための位置決め手段を形成することも可能である。
さらに、弾性スリーブ3の少なくとも内周面には、管体1の外面形成される螺旋凸部1aに係合する螺旋状の凹状部位3cと、螺旋凹部1bに係合する螺旋状の凸状部位3dを形成することが好ましい。
弾性スリーブ3の具体例として、図1(a)(b)に示される例では、弾性スリーブ3の内周面に螺旋状の凹状部位3cと凸状部位3dをそれぞれ軸方向へ交互に形成し、弾性スリーブ3の外周面にフラット形状部3eを形成することで、螺旋状の凹状部位3cの近傍位置に肉厚の薄い第一螺旋パッキン部3aが形成され、螺旋状の凸状部位3dに肉厚の厚い第二螺旋パッキン部3bが形成されている。
また、図2(a)(b)に示される例では、弾性スリーブ3の内周面及び外周面に螺旋状の凹状部位3cと凸状部位3dを、それぞれ軸方向へ交互に形成するとともに径方向へ背中合わせに形成することで、螺旋状の凹状部位3cの近傍位置に肉厚の薄い第一螺旋パッキン部3aが形成され、螺旋状の凸状部位3dに肉厚の厚い第二螺旋パッキン部3bが形成されている。
カシメパイプ4の具体例として、図1(a)(b)及び図2(a)(b)に示される例では、その軸方向長さが弾性スリーブ3の軸方向長さよりも長くなるように形成している。
また、その他の例として図示しないが、カシメパイプ4の軸方向長さが弾性スリーブ3の軸方向長さと略同じに形成するか、又は弾性スリーブ3の軸方向長さよりも短くなるように形成することも可能である。
カシメ機Bによるカシメパイプ4の縮径変形量は、螺旋凸部1aに対する弾性スリーブ3の第一螺旋パッキン部3aの押圧力よりも、螺旋凹部1bに対する弾性スリーブ3の第二螺旋パッキン部3bの押圧力が高くなるように設定されている。
カシメ機Bの具体例としては、例えば油圧装置などの駆動源によって複数のカシメダイスBaをカシメパイプ4に向けて接近移動させる駆動式のカシメ機や、例えば実公平4−44270号公報に開示されるような手動式のカシメ機を用いることが可能である。
さらに、カシメ機Bによるカシメパイプ4のかしめ形状としては、全周を均一に締めるために断面略正八角形などにかしめる「八方締め」や、円筒状の俵を締めるように軸線方向の複数箇所をかしめる「俵締め」などが利用可能である。
したがって、螺旋凸部1aが突出する管体1をニップル2の外周面2aに隙間なく圧接させて両者間の気密性を確保することができる。
その結果、フエルールによって弾性スリーブ及びホースを継手の差込部に向け径方向へ圧縮する、前述した特許文献1や、ホルダーによって内周面にホースの螺旋状補強体と嵌合する螺旋状の凹凸形状部が形成された弾性パッキン及びホースをニップルに向け締め付ける、前述した特許文献2に比べ、管体1の内部を通る流体の圧力(内圧)が高くなったとしても、管体1の螺旋凹部1bにおける内面部位1bcとニップル2の外周面2aの間に螺旋状の隙間ができず、管体1の内部を通る流体の漏れ出しを長期に亘って確実に防止することができる。
次に、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
したがって、管体1の螺旋凹部1bに弾性スリーブ3の第二螺旋パッキン部3bをより強く密着させて浮き上がり不能に保持することができる。
その結果、管体1の内部を通る流体の圧力(内圧)が著しく高くなったとしても、管体1の螺旋凹部1bにおける内面部位1bcとニップル2の外周面2aの間に螺旋状の隙間ができず、管体1の内部を通る流体の漏れ出しを長期に亘ってより確実に防止可能となるという利点がある。
また、その他の例として図示しないが、弾性スリーブ3の少なくとも内周面に配置される第一螺旋パッキン部3aの断面形状を半円形状に凹ませたり、第二螺旋パッキン部3bの断面形状を楕円形や矩形などに変更したりすることも可能である。
さらに、図2(a)(b)に示される例では、カシメ機BのカシメダイスBaにおいてカシメパイプ4の外周面4aと接触するプレス面Bbが、平滑面B2を有している。
したがって、管体1の螺旋凹部1bに弾性スリーブ3の第二螺旋パッキン部3bをより強く密着させて浮き上がり不能に保持することができる。
その結果、管体1の内部を通る流体の圧力(内圧)が著しく高くなったとしても、管体1の螺旋凹部1bにおける内面部位1bcとニップル2の外周面2aの間に螺旋状の隙間ができず、管体1の内部を通る流体の漏れ出しを長期に亘ってより確実に防止可能となるという利点がある。
また、継手部5としてネジ部5a及び工具係合部5bやフランジと別構造のものを形成してもよい。
1b 螺旋凹部 1c 内面
2 ニップル 2a 外周面
3 弾性スリーブ 3a 第一螺旋パッキン部
3b 第二螺旋パッキン部 4 カシメパイプ
4b 第一螺旋加圧部 4c 第二螺旋加圧部
B カシメ機
Claims (3)
- 外面に螺旋凸部及び該螺旋凸部の間に形成される螺旋凹部を有する管体と、
前記管体の内面に沿って設けられるニップルと、
前記ニップルの外周面に前記管体を挟んで覆うように設けられる弾性変形可能な弾性スリーブと、
前記弾性スリーブの外側に設けられてカシメ機により縮径変形されるカシメパイプと、を備え、
前記弾性スリーブは、前記管体の前記螺旋凸部と対向する第一螺旋パッキン部と、前記管体の前記螺旋凹部と対向する第二螺旋パッキン部を有し、前記螺旋凸部に対する前記弾性スリーブの前記第一螺旋パッキン部の押圧力よりも、前記螺旋凹部に対する前記弾性スリーブの前記第二螺旋パッキン部の押圧力が高くなるように設定することを特徴とする管継手構造。 - 前記カシメパイプは、前記弾性スリーブの前記第一螺旋パッキン部を挟んで前記管体の前記螺旋凸部と接触する第一螺旋加圧部と、前記弾性スリーブの前記第二螺旋パッキン部を挟んで前記管体の前記螺旋凹部と接触する第二螺旋加圧部を有し、前記カシメ機による前記第一螺旋加圧部及び前記第一螺旋パッキン部の縮径変形量よりも前記第二螺旋加圧部及び前記第二螺旋パッキン部の縮径変形量が大きくなるように設定することを特徴とする請求項1記載の管継手構造。
- 前記弾性スリーブは、前記管体の前記螺旋凸部と対向する前記第一螺旋パッキン部の肉厚よりも前記管体の前記螺旋凹部と対向する第二螺旋パッキン部の肉厚が厚くなるように形成され、前記カシメ機による前記カシメパイプの縮径変形で、前記第二螺旋パッキン部の内面を前記管体の前記螺旋凹部に圧接させることを特徴とする請求項1記載の管継手構造。
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