JP2014075679A - 無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】MIMO通信方式において、チャネル状態情報のフィードバックによる通信のオーバーヘッドの増加を抑制しつつ、良好なスペクトラム効率を実現する無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信システムは、直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMOにより無線通信する。基地局は、端末からフィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を受信し、VP法の摂動ベクトルの算出を行う(S104)。さらに、サブバンドごとのチャネル状態情報に対して、所定数のサブキャリアのチャネル状態情報を得るための時間・周波数処理(S106,S108)を行い、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出し(S110)、すべてのサブキャリアに対する重みづけ係数を線形補間する(S114)。
【選択図】図15

Description

この発明は、複数のアンテナを有する基地局と、端末装置の存在する無線通信システムに関し、より特定的には、マルチユーザMIMO(Multiple Input Multiple Output)通信の無線通信システムにおける送信ビームフォーミング技術に関連する、無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法に関する。
従来から、マルチユーザMIMO技術が提案されている(特許文献1,特許文献2、特許文献3)。マルチユーザMIMOは、基地局(またはアクセスポイント)側に多数のアンテナ素子をもたせるとともに、端末側は比較的少数のアンテナ素子をもたせ、基地局と複数の端末とで同時に仮想的なMIMOチャネルを形成するものである。
つまり、マルチユーザMIMO送信技術とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一周波数同一タイミングで異なる独立な信号を複数の通信相手装置に送信し、複数の通信相手装置の受信アンテナ全体を巨大な受信アレーとみなして下りスループットの向上を図る技術である。
一方で、2.4GHz帯又は5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格などの技術が普及している。これらの無線通信システムでは、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を用いられている。
このような高速無線アクセス技術においても、大容量化の技術として、マルチユーザMIMO送信技術が注目されている。
さらに、マルチユーザMIMO技術は、携帯電話の規格、たとえば、LTE(Long Term Evolution)や、LTE−A(Long Term Evolution Advanced;LTEの拡張)でも採用されている。
図30は、このようなマルチユーザMIMO通信システムの構成を示す概念図である。
図30に示されるように、基地局BSは、アンテナ1〜Mから、それぞれ送信信号x1〜xMを送信する。端末UE1〜UEkは、たとえば、それぞれ2本のアンテナを備えているものとする。端末UE1は、基地局からの送信信号x1〜xMを、その2本のアンテナにより受けて、それぞれ信号y1およびy2を受信する。同様にして、他の端末UE2〜UEkも、それぞれ2本のアンテナにより、基地局からの送信信号x1〜xMを受けて、信号y3およびy4,…,yM-1およびyMを受信する。
すなわち、図30の例では、(基地局の送信アンテナの本数)=(1つの端末側の受信アンテナの本数)×(端末数)が成り立っている場合を例示している。
このとき、受信側の端末UE1〜UEkでの各アンテナでの受信信号y1〜yMをまとめた受信信号ベクトルYは、以下の式により表される。

ここで、行列Hの各要素は、送信側の各アンテナから受信側の各アンテナへの伝送路のインパルス応答に相当し、行列Hは「チャネル応答マトリックス」(または「伝送路行列」)と呼ばれる。ベクトルXは、送信機側での各アンテナへの送信信号を並べたベクトルである。また、ベクトルNは、受信側の各アンテナで受信される信号に含まれるノイズ成分を並べたものである。
従来のマルチユーザMIMOダウンリンクにおける送信ビーム形成(BF:Beam Forming)法としては、自端末以外の全ての端末の全受信アンテナに対してヌルを形成するZF(Zero Forcing:ゼロフォーシング)法や、MMSE(Minimum Mean Square Error:最小二乗法)法に基づいた種々のビーム形成法が考案されている。MMSE法に基づくビーム形成法では、自端末以外の全ての端末の全受信アンテナに対してヌルを形成するのではなく、一定量の漏洩を許容する。
以下では、送信アンテナの本数Mとしては、M=Nt=Nr×Kであるものとする。Nrは受信側(移動端末)のアンテナ本数であり、Kは移動端末の個数である。
(MMSE法によるビーム形成の構成)
ここで、シングルキャリアの場合について、MMSE法により、各アンテナに与える送信信号を合成するための「重み付け係数」(ビームフォーミングウェイト行列)を推定する方法については、特許文献2(特開2007−110664号公報)に開示されている。
以下、簡単にMMSE法によるビーム形成について、数式を用いて説明する。
図31は、MMSE法によるビーム形成の手続きを示す概念図である。
ここでは、送信機BSにおいて、送信に使用されるアンテナ数はNt本であり、受信側では、Nt(=Nr×K)本のアンテナで信号を受信する構成について説明している。
送信される原信号を以下のようにベクトルXで表すものとする。

このとき、たとえば、チャネル応答マトリックスHは、受信側(受信機UEs)からの情報により推定されるものとする。
このような状況では、送信ビームウェイト乗算後の信号ベクトルXハット(Xの上に”^”の付加されたものを、以下、本文中では、このように表現する)は、以下の式であらわされる。

ここで、上付きのHは、行列共役転置操作後のエルミート行列であることを示し、αは正規化係数を表し、INtは、(Nt×Nt)の単位行列を表す。
送信アンテナから送出される信号Zは、以下の式で表される。

ここで、γは総送信電力を規格化するための係数である。ただし、||は、ユークリッドノルムを表す。
チャネルを送信信号が伝達した後(すなわち、信号Zにチャネル応答マトリックスが乗算されたことに等価)、受信側では、加算性白色ガウス雑音(AWGN)が付加された信号に対して、√γがそれぞれ乗算されて、信号xiハットが分離される。
以上のようにして、MMSE法を用いたビーム形成方法により、MIMO通信が実現される。
しかしながら、マルチユーザMIMOは、屋外で使用されるだけでなく、たとえば、オフィスや家庭内などのような屋内で使用される場合が増加している。
たとえば、ピコセルかフェムトセル・システムのような近距離通信システムについては、システムのスペクトラム効率(SE)は、送信機または基地局BS側で正確なチャネル状態情報(CSI)を備えたマルチユーザMIMO(MU−MIMO)アルゴリズムの技術を使用して改善されることが知られている。
ただし、このような場合、各受信機が空間的に近接しており、結果として、MIMOチャネル間の相関が高くなる。
このような場合において、上述したMMSE法では、互いに相関の高いチャネルに対しては、規格化係数γの値が、大きくなりすぎ、規格化後の信号電力が必要以上に抑制されるチャネルが生じて、ストリームデータの一部が失われる恐れがあるという問題がある。
(非線形プリコーディング法:VP法)
このような問題に対しては、たとえば、非線形プリコーディング法のVP(Vector Perturbation)法が知られている。このような「非線形プリコーディング法」については、たとえば、特許文献4にも開示がある。
VP法のような非線形プリコーディング法においては、受信装置間干渉を受ける受信装置宛の送信信号に対し、プリコーディング処理が行われ、事前に干渉成分が間引かれる。
VP法を用いたマルチユーザMIMO(VP MU−MIMO)システムでは、端末装置が受信信号にModulo演算(モジュロ演算)という演算を施す。モジュロ演算とは、信号点平面において、モジュロ幅という所定の間隔の整数倍だけ平行移動した点を同じ信号点と見なす処理である。
端末装置が複数の信号点を同一と見なすことは、基地局装置にとってみると、送信信号を選択するときの自由度が高くなることを意味する。基地局装置では、この自由度を利用して、より低電力で送信できる点を選択して送信する。
基地局BSは、VP MU−MIMO方式の通信を行う場合、以下の二つの手順によって送信信号を生成する。
1. 適切に選択したModulo幅(以下、「モジュロ幅」)の整数倍の信号(摂動ベクトル)を所望信号に加算する。
2.線形プレコーディングと同じ処理により移動端末同士の干渉を除去する。
このとき、加算する信号を摂動ベクトル(Perturbation Vector)という。この摂動ベクトルを全移動端末宛の信号と伝搬路状態を考慮して適切に選ぶと、送信電力を抑圧することができる。VP MU−MIMO方式は線形プリコーディングと同じ線形フィルタを用いるものの、摂動ベクトルの加算という非線形処理を施しているため、非線形処理に分類される。
つまり、プリコーディング処理前の信号に対しては、モジュロ演算処理が実行される。「モジュロ演算処理」とは、入力された信号の実数部および虚数部に対し、実数部および虚数部に規定の値の整数倍の値を持つ摂動信号ベクトルを付加することと等価である。 モジュロ演算により送信電力が規定値内に抑えられた信号はビームフォーミングにより伝送される。
一方、受信処理では、所望の信号(データを含む情報信号)に上述した摂動信号が加わっている受信信号に対し、再びモジュロ演算処理が行われ、上記摂動信号成分が除去されて、情報信号が取り出される。
図32は、非線形プリコーディング法であるVP法の処理を説明するための概念図である。
図32を参照して、まず、送信機BSにおいては、送信される原信号ベクトルXに対して、ダーティペイパーコーディング(DPC)に基づく、摂動ベクトルの付加演算(以下、「DPC MOD処理」と略記する)が行われ、ベクトルXmodが以下のように算出される。なお、このようなVP法については、非特許文献1に開示がある。

このようなベクトルXmodに対して、MMSE法によりビーム形成演算を行うこととすると、上述した単純なMMSE法と同様にして、送信信号Zは、以下のように算出される。

受信側のUEsでは、加算性白色ガウス雑音(AWGN)が付加された信号に対して、√γがそれぞれ乗算されて、さらに、DPCおよびモジュロ演算(以下、「DPC DeMOD処理」と略記する)が、以下の式により実行されて、信号xiハットが分離される。

なお、下の式で表される演算は、負方向の整数に丸め込む処理を表す。

このような非線形プリコーディング法、たとえば、VP法を用いれば、上述したような相関の高いチャネルの存在により、係数γが大きくなることで、ストリームデータの一部が失われるという問題を回避することは可能である。
ところで、VP法などのプリコーディング法では、送信側において、送受信アンテナ素子間のチャネル状態情報を得る必要がある。
例えば、送受信に同じ周波数帯域を用いる時分割複信(Time Division Duplex;TDD)の場合には、端末局から予め送受信アンテナ素子間で既知の信号を送信側に送信することで、アクセスポイントにおいて全送受信アンテナ素子間のチャネル状態情報を推定するというような開ループ方式で行うことができる。
しかしながら、周波数分割複信(Frequency Division Duplex;FDD)の場合、上記開ループ方式を用いることができないため、端末局から基地局にチャネル状態情報をフィードバックする必要がある。また、TDDの場合でも、キャリブレーション機能を基地局、端末局それぞれで具備していない場合には、上り/下りでチャネル状態情報が非対称になってしまうため、端末局から基地局にチャネル状態情報をフィードバックする必要がある。
このとき、マルチユーザMIMO送信技術を用いて複数の送信相手に信号を伝送する前に、基地局側でチャネル状態情報を得るために、予め端末局側でチャネル状態情報(伝達関数)を推定して基地局側へチャネル状態情報をフィードバックする。チャネル状態情報をある基準で量子化(ディジタル化)をしてフィードバックする際に、そのフィードバックする総データ量が増加すると、通信のオーバーヘッドが大きくなり、通信に利用できる帯域が減少してしまう。そして、フィードバックする情報により通信帯域が占有されると、無線通信システム全体のスループットが低下してしまう。
チャネル状態情報のフィードバックに要する総データ量を削減するために、量子化ビット数を小さくしてフィードバックする総データ量を減らすこともできるが、この場合、量子化誤差が大きくなり、基地局側で送信ビームフォーミングを正しく形成することができなくなってしまう。その結果、端末局における伝送品質が劣化して、通信におけるスループットが低下してしまうという問題がある。
そこで、チャネル状態情報のフィードバックには、何らかの制限を設ける必要がある。
そして、制限のあるフィードバック・リソースに対してフィードバック負荷を軽減するために、MIMO OFDM方式では、しばしば隣接したサブキャリア間のチャネル状態情報CSIの相関を利用する。
その場合、たとえば、サブキャリアは、すべていくつかのサブバンドに分割される。ここで、サブバンドはそれぞれ所定数の連続的なサブキャリアを含んでいる。
そして、各サブバンドの中央のサブキャリアのチャネル状態情報CSIが、基地局BSにフィード・バックされる。
したがって、フィードバック負荷は、サブバンドの数によって調節することができる。
その後、残りのサブキャリアのチャネル状態情報CSIは、フィードバックチャネル状態情報CSIを使用して再構成される。
周波数領域チャネル状態情報CSIが、MIMOチャネルの伝達関数のサンプリングにより得られるので、チャネル状態情報CSIのマトリックスは、ローラン多項式(LP)マトリックスとして扱うことができ、時間領域および周波数領域変換の処理によって再構成することができる(非特許文献2を参照)。
その後、各サブキャリアについて、VPのアルゴリズムを実行する送信機は、チャネル状態情報CSI関連のマトリックスを計算し、最適な摂動ベクトルを見つけ、かつ、送信するストリーム中の干渉を予めキャンセルする、有効なプリコーディングマトリックスあるいは空間フィルターを生成する。
特開2005−328312号公報 特開2007−110664号公報 特開2009−177616号公報 特開2010−154320号公報
Hochwald, B.M. et al., "A vector-perturbation technique for near-capacity multiantenna multiuser communication-part II: perturbation", IEEE Transactions on Communications, vol.53, no.3, pp. 537-544, March 2005;Kusume et al. (2007) A. Ancora, C. Bona, and D.T.M. Slock, "Down-sampled impulse response least-squares channel estimation for LTE OFDMA", in Proc. 2007 IEEE ICASSP, vol. 3, pp. 293-296, 15-20 Apr. 2007.
しかしながら、このようなスキームはハードウェアに高い計算量(計算負荷)を必要とする。
システムの計算負荷を縮小する単純な方法は、さらに隣接したサブキャリアのチャネル状態情報CSIの相関を利用することである。つまり、1つのサブバンドのすべてのサブキャリアのチャネル状態情報CSIは同一であると仮定するという方法である。
このような仮定のもとでは、有効なプリコーディング・マトリックスあるいは空間フィルターは、このサブバンド内のすべてのサブキャリアに対して一度計算されるだけでよい。
この方法を「単純なサブバンド・モード」と呼ぶことにする。
しかしながら、各サブバンドの中央のサブキャリアおよび端部のサブキャリアの間のチャネル状態情報CSIの誤差により、この単純なサブバンド・モードは、少数のサブバンドおよび制限のあるチャネル状態情報CSIのフィードバックによっては、スペクトラム効率の損失を引き起こすことになる。
したがって、従来は、MIMO通信方式において、チャネル状態情報のフィードバックによる通信のオーバーヘッドの増加を抑制しつつ、同時に、良好なスペクトラム効率を実現する方法が明らかではないという問題があった。特に、このような問題は、マルチユーザMIMO通信方式において顕著となる。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、MIMO通信方式において、チャネル状態情報のフィードバックによる通信のオーバーヘッドの増加を抑制しつつ、同時に、良好なスペクトラム効率を実現する無線通信方法、無線通信システムおよび無線通信装置を提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、複数のアンテナ素子を備える第1の通信装置と、第1の通信装置と通信する第2の通信装置との間において、複数のサブキャリアによる直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMO(Multiple Input Multiple Output)により無線通信する無線通信方法であって、第2の通信装置が、自装置に備えられているアンテナ素子と、第1の通信装置に備えられている複数のアンテナ素子の各々との間のチャネル状態情報をサブバンドごとに推定するステップを備え、サブバンドは、複数のサブキャリアのうちの所定数の隣接するサブキャリアを含み、第2の通信装置が、推定されたサブバンドごとのチャネル状態情報を、第1の通信装置にフィードバックして送信するステップと、第1の通信装置が、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報に基づいて、第1の通信装置からの送信信号へ付加する摂動ベクトルを算出するステップと、第1の通信装置が、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報に対して、所定数のサブキャリアのチャネル状態情報を得るための第1の補間処理を行い、第1の補間処理されたチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するステップと、第1の通信装置が、所定数のサブキャリアに対する重みづけ係数に基づき、MIMO通信のための残りのサブキャリアに対する重みづけ係数を第2の補間処理により算出するステップと、第1の通信装置が、第2の補間処理により算出された重みづけ係数を摂動ベクトルを付加された送信信号に対して乗算し、複数の送信アンテナ素子から送出するステップとを備える。
好ましくは、第1の補間処理は、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換するステップと、時間領域のチャネル状態情報を、所定の遅延量までの応答でカットした後、時間領域から周波数領域に再変換するステップとを含む。
好ましくは、周波数領域から時間領域に変換するステップは、最小自乗誤差基準に基づいて、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換する。
好ましくは、第1の補間処理において、周波数領域から時間領域に変換されたチャネル状態情報の個数は、サブバンドの個数より大きく、サブキャリアの個数よりも少ない。
この発明の他の局面に従うと、複数のサブキャリアによる直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMOにより無線通信する無線通信システムであって、第1の通信装置を備え、第1の通信装置は、複数の第1のアンテナ素子と、通信相手からフィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を受信するフィードバック情報受信部とを含み、サブバンドは、複数のサブキャリアのうちの所定数の隣接するサブキャリアを有し、送信信号へ付加する摂動ベクトルおよび複数のアンテナ素子から送信信号をMIMO方式で送信するための重み係数を算出する制御部をさらに含み、制御部は、フィードバックされたチャネル状態情報に基づいて、送信信号へ付加する摂動ベクトルを算出する摂動ベクトル算出手段と、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報に対して、所定数のサブキャリアのチャネル状態情報を得るための第1の補間処理を行い、第1の補間処理されたチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出する第1の係数算出手段と、所定数のサブキャリアに対する重みづけ係数に基づき、MIMO通信のための残りのサブキャリアに対する重みづけ係数を第2の補間処理により算出する第2の係数算出手段とを有し、第2の補間処理により算出された重み付け係数を摂動ベクトルを付加された送信信号に対して乗算し、複数の送信アンテナ素子から送信部をさらに含み、第2の通信装置は、第2のアンテナ素子と、第2のアンテナ素子と、複数の第1のアンテナ素子の各々との間のチャネル状態情報をサブバンドごとに推定するチャネル応答推定部と、推定されたサブバンドごとのチャネル状態情報を、第1の通信装置にフィードバックして送信するチャネル状態情報送信処理部とを含む。
好ましくは、第1の補間処理において、第1の係数算出手段は、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換し、時間領域のチャネル状態情報を、所定の遅延量までの応答でカットした後、時間領域から周波数領域に再変換する。
好ましくは、第1の係数算出手段は、周波数領域から時間領域に変換する際に、最小自乗誤差基準に基づいて、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換する。
好ましくは、第1の補間処理において、周波数領域から時間領域に変換されたチャネル状態情報の個数は、サブバンドの個数より大きく、サブキャリアの個数よりも少ない。
この発明のさらに他の局面に従うと、複数のサブキャリアによる直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMOにより無線通信する無線通信装置であって、複数の第1のアンテナ素子と、通信相手からフィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を受信するフィードバック情報受信部とを含み、サブバンドは、複数のサブキャリアのうちの所定数の隣接するサブキャリアを有し、送信信号へ付加する摂動ベクトルおよび複数のアンテナ素子から送信信号をMIMO方式で送信するための重み係数を算出する制御部をさらに含み、制御部は、フィードバックされたチャネル状態情報に基づいて、送信信号へ付加する摂動ベクトルを算出する摂動ベクトル算出手段と、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報に対して、所定数のサブキャリアのチャネル状態情報を得るための第1の補間処理を行い、第1の補間処理されたチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出する第1の係数算出手段と、所定数のサブキャリアに対する重みづけ係数に基づき、MIMO通信のための残りのサブキャリアに対する重みづけ係数を第2の補間処理により算出する第2の係数算出手段とを含み、第2の補間処理により算出された重み付け係数を摂動ベクトルを付加された送信信号に対して乗算し、複数の送信アンテナ素子から送信部をさらに備える。
好ましくは、第1の補間処理において、第1の係数算出手段は、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換し、時間領域のチャネル状態情報を、所定の遅延量までの応答でカットした後、時間領域から周波数領域に再変換する。
好ましくは、第1の係数算出手段は、周波数領域から時間領域に変換する際に、最小自乗誤差基準に基づいて、フィードバックされたサブバンドごとのチャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換する。
好ましくは、第1の補間処理において、周波数領域から時間領域に変換されたチャネル状態情報の個数は、サブバンドの個数より大きく、サブキャリアの個数よりも少ない。
この発明によれば、MIMO通信方式において、チャネル状態情報のフィードバックによる通信のオーバーヘッドの増加を抑制しつつ、良好なスペクトラム効率を実現することが可能である。
実施の形態のマルチユーザMIMOでの通信の状態を説明するための概念図である。 実施の形態の無線通信システムにおける無線送信装置1000の構成を示すブロック図である。 実施の形態の無線通信システムにおける端末装置1100の構成を示すブロック図である。 LTEにおけるOFDMシンボルの逆フーリエ変換の手順を示す概念図である。 異なる行列演算のための計算負荷のオーダを示す図である。 VP法による摂動ベクトルの探索処理とプリコーディングのための空間フィルタの行列の算出処理を説明するための概念図である。 シミュレーションパラメータを説明する図である。 シミュレーションにおけるチャネルパラメータを示す図である。 シミュレートされた結果を示す図である。 シミュレートされた結果を示す図である。 本実施の形態の線形補間スキームの概念を説明するための第1の図である。 本実施の形態の線形補間スキームの概念を説明するための第2の図である。 時間・周波数領域変換処理を行う推定器を説明するための図である。 空間フィルタの重み係数の算出手順を説明する概念図である。 空間フィルタの重み係数の算出手順を説明するフローチャートである。 計算負荷量を比較する図である。 シミュレーションに使用されたパラメータを示す図である。 SB=50の場合のTFT補間法および単純なサブバンド・モードのシミュレートについてスペクトラム効率をシミュレーションした結果を示す第1の図である。 SB=50の場合のTFT補間法および単純なサブバンド・モードのシミュレートについてスペクトラム効率をシミュレーションした結果を示す第2の図である。 LTE−Aの場合のIFFT処理におけるOFDMサブキャリアの配分を説明するための図である。 逆FFT(IFFT)処理のための行列FHを説明する図である。 TFT補間処理おける逆FFT処理を説明するための図である。 サブバンドへの分割を説明するための図である。 TFT処理に使用されるフィードバックチャネル状態情報行列を説明するための図である。 TFT処理で使用される行列Fp Hを説明するための図である。 TFT処理での行列演算を説明するための図である。 TFT処理のうち、行列FLの乗算処理を説明するための図である。 図27で使用される行列FLの構成を説明する図である。 TFT処理により生成されるチャネル状態情報を説明する図である。 マルチユーザMIMO通信システムの構成を示す概念図である。 MMSE法によるビーム形成の手続きを示す概念図である。 非線形プリコーディング法であるVP法の処理を説明するための概念図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムについて、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態のマルチユーザMIMOでの通信の状態を説明するための概念図である。
図1(a)は、比較的広い領域で、基地局BSと複数の端末装置UEiとが通信している状態を示す。
広い領域に端末装置UEiが分散している場合は、それぞれの通信チャネルを分離したビームを形成することが可能である。
一方、図1(b)は、屋内などの比較的狭い領域で、基地局BSと複数の端末装置UEiとが通信している状態を示す。
狭い領域に端末装置UEiが存在している場合は、それぞれの通信チャネルを分離したビームを形成することが難しくなる。これは、チャネル間の相関が高くなることに相当する。
また、このような状況では、チャネル応答マトリックスにおいて、ある端末が他の端末よりもわずかに基地局からの距離が遠いというような場合が起こり、他の行の要素のノルム(大きさ)に比べて、極端に、ノルムの小さな行(受信機側のアンテナに相当)が生じる場合がある。
図2は、実施の形態の無線通信システムにおける無線送信装置1000の構成を示すブロック図である。
なお、図2では、MIMO伝送される信号がOFDM変調されているものとしている。
そして、NS個のストリーム(NS/2ユーザ)に対して、OFDM信号伝送用のサブキャリアがNc個であり、送信アンテナはN本であるものとする。なお、後に説明するように、各受信機側のアンテナは、一般には、Nr本であるが、ここでは、例示として、2本であるものとする。
図2を参照して、無線送信装置1000は、入力ノード10から与えられるデジタル信号に対して、前方誤り訂正(FEC: Forward Error Correction)などの誤り訂正符号化を実行する符号化部20と、符号化部20からの信号をシリアルパラレル変換して、それぞれNc個ごとの並列な信号のグループにするためのシリアルパラレル変換部22と、パラレル変換された各信号に対して、Nc個のグループごとに所定の変調方式で変調するための変調部30−1〜30−NSとを含む。
このような誤り訂正は、後述するように、送信されるOFDMフレーム内での所定ビット数までの誤りを訂正できるように構成される。なお、このような誤り訂正には、インターリーブ処理等を併せて実行される。
なお、送信シンボルは、同相成分と直行成分とを含みうるが、図2では、両者は、1つの信号線で表現されている。
また、変調部30−1〜30−NSは、プリコーディング処理として上述した非線形プリコーディングを実施するために、変調部30−1〜30−NSからの出力に対して、制御部50からの制御の下で、摂動ベクトルを付加するモジュロ演算処理を実行する。
また、このようなモジュロ演算とともに、干渉キャンセルのための符号化技術としてDPC(Dirty Paper Coding)を用いることも可能である。
無線送信装置1000は、チャネル状態情報に基づいて、プリコーディング行列を算出するための制御部50と、制御部50からのプリコーディング行列中の係数を、変調部30−1〜30−NSからの信号に乗算するための重み付け処理部40−1〜40−Ncとを含む。すなわち、OFDM変調では、サブキャリアがNc個あることに対応して、重み付け処理部40−1〜40−Ncは、それぞれ、対応する1つのサブキャリアの信号成分について、重み付け処理を実行する。
制御部50は、受信側から送られ、フィードバック情報受信部80で受信されたチャネル状態情報(CSI)に基づいて、後に説明するように、OFDMのサブキャリアごとに重み付け係数を算出して、重みづけ処理のための係数を算出する。ここで、チャネル状態情報(CSI)は、後述するサブバンドごとにフィードバックされるものとする。
なお、サブバンドごとにフィードバックされるチャネル状態情報は、周波数領域の情報であっても、時間領域の情報であってもよい。以下の説明では、例として、周波数領域の情報であるものとして説明する。
また、記憶部52は、後に説明するような「時間・周波数領域変換」のための行列の要素の値を、さまざまなパラメータについて、事前に算出したものを記憶しているものとし、制御部50は、記憶部52に記憶されたデータを使用して、「時間・周波数領域変換処理」を実行する。
重み付け処理部40−1は、変調部30−1からの信号に対して、プリコーディング行列中の係数を乗算して、アンテナ100−1〜100−Nからそれぞれ送信するための信号を生成する乗算器42−11−42−N1を含む。重み付け処理部40−1は、変調部30−1に対応するのと同様の構成を、変調部30−2〜30−NSに対応しても含んでいる。たとえば、重み付け処理部40−1は、変調部30−NSからの信号に対しては、プリコーディング行列中の係数を乗算して、アンテナ100−1〜100−Nからそれぞれ送信するための信号を生成する乗算器42−1NS−42−NNSを含む。さらに、重み付け処理部40−1は、アンテナ100−1に対応する乗算器42−11〜42−1NSからの信号を統合して、アンテナ100−1向けの信号を生成する加算器44−1を含む。他のアンテナ100−2〜100−Nに対応しても、同様な加算器44−2(図示せず)〜44−Nを含んでいる。ここで、変調部30−1〜30−NSからの信号について重み付け処理を実行する他の重み付け処理部40−2〜40−Ncについても、重み付け処理部40−1と同様な構成を有する。
無線送信装置1000は、さらに、重み付け処理部40−1〜40−Ncの出力をそれぞれ受けて、無線送信する信号に変換するアップコンバータ60−1〜60−Nを含む。
アップコンバータ60−1は、重み付け処理部40−1〜40−Ncの出力を受けて、逆フーリエ変換するための逆フーリエ変換部62と、デジタルアナログ変換するためのDA変換部64と、DA変換部64の信号を局部発信部70からの信号に基づいて周波数変換するための周波数変換部66と、周波数変換部66の出力を増幅して、アンテナ100−1に供給するための電力増幅部68とを含む。他のアップコンバータ60−2〜60−Nも同様の構成を有する。
図3は、実施の形態の無線通信システムにおける端末装置1100の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、端末装置1100は、アンテナ200−1と200−2とを含む。そして、無線通信システムとしては、図2の無線送信装置1000の例示的構成に対応して、4つの端末を含んで、(送信アンテナの総本数)=(端末1台当たりのアンテナ数)×(端末数)の関係が成り立っているものとして、以下、説明をする。ただし、受信側の端末装置のアンテナ数は、このような構成に限定されるものではなく、たとえば、1本でもよい。
端末装置1100は、アンテナ200−1および200−2からの受信信号をダウンコンバートするためのダウンコンバータ220−1および220−2を含む。ダウンコンバータ220−1は、アンテナ200−1からの受信信号を増幅するための低雑音増幅部232と、低雑音増幅部222の出力に対して、局部発信部230からの局部発信信号により周波数変換を行うための周波数変換部224と、周波数変換部224の出力に対して、アナログデジタル変換を実行するためのAD変換部226と、OFDM復調するためのフーリエ変換部228とを含む。ダウンコンバータ220−2についても、同様の構成を有する。
端末装置1100は、さらに、ダウンコンバータ220−1と220−2とからの信号を受けて、制御部250からの制御の下に、重み付け処理を実行するための重み付け処理部240を含む。重み付け処理部240は、制御部250からの重み付け係数をそれぞれ乗算するための乗算器242−1および242−2と、乗算器242−1および242−2からの信号を加算して合成し、端末装置1100に対応するチャネルからの受信信号を選択的に分離するための加算器244とを含む。
なお、端末装置1100側でも、送信側でプリコーディング処理として上述したような非線形プリコーディングを実施する場合には、ダウンコンバータ220−1および220−2の出力に対して、モジュロ演算処理が実行される。このようなモジュロ演算処理についても、制御部250の制御の下に実行されることになる。また、このようなモジュロ演算とともに、干渉キャンセルのための符号化技術としてDPC(Dirty Paper Coding)が用いられている場合は、これに対する復号処理も実行される。
重み付け処理部240の出力は、復調部270により、復調処理が実行された後に、パラレルシリアル変換部272において、パラレルシリアル変換されて、復号器280において、誤り訂正がされ、ノード300から受信信号として出力される。
制御部250における重み付け係数の演算処理には、チャネル応答推定部260における端末装置1100についてのチャネル応答行列(伝送路行列)の推定結果が使用される。なお、このようなチャネル応答行列の推定処理は、上述した先行技術において開示されているのと同様の処理を使用することが可能である。
また、チャネル応答推定部260において推定された端末装置1100についてのチャネル応答行列は、チャネル状態情報送信処理部262により、アンテナ200−1、200−2から、無線送信装置1000に対して、サブバンドごとに、フィードバック情報として送信される。
なお、サブキャリアについてのチャネル推定のためには、たとえば、送信側と受信側とで既知のサブキャリアで、既知のパイロット信号が送信される。受信機側では、このパイロット信号の送信されるサブキャリアについて、チャネル推定を行う。このようにして推定されたチャネルの情報が、CSI情報として送信機側にフィードバックされる。
[1.VPベースのアルゴリズムおよびその計算量の評価]
以下では、本実施の形態におけるチャネル状態情報のフィードバック方式およびそれに基づくビームフォーミング法を採用した場合の計算量やスペクトラム効率を評価するための前提として、まず、上述したVP法によるアルゴリズムを後の議論に適切なように、再度、簡単にまとめるとともに、「単純なサブバンド・モード」における計算負荷の評価を行う。さらに、本実施の形態における指向性制御のための空間フィルターマトリックス(重み係数マトリックス)における計算方法を説明した後に、本実施の形態の計算負荷を「単純なサブバンド・モード」における計算負荷と比較する。
以下のシミュレーションによって、VP法のアルゴリズムのほとんどのスペクトラム効率の損失が不適合な空間フィルターから生成されることが示される。
したがって、本実施の形態では、VP法のアルゴリズムの空間フィルター用には、アンテナの指向性制御のための空間フィルターマトリックスの計算に比べて、より計算の複雑さが低い補間を実行する。
本実施の形態の補間スキームは、時間・周波数領域変換により、サブバンドごとのフィードバックチャネル状態情報CSIから、部分的なサブキャリアのチャネル状態情報CSIを再構築する。
その後、これらの部分的なサブキャリアの空間フィルターマトリックスを使用して、すべてのサブキャリアの空間フィルターマトリックスが線形補間により生成される。
計算負荷の分析およびシミュレーションによるスペクトラム効率の計算結果に基づくと、単純なサブバンド・モードと比較して、本実施の形態の補間スキームは、計算量のわずかな増加で、VP法のアルゴリズムのスペクトラム効率を大きく改善できる。
(1.1 摂動ベクトル(VP)のアルゴリズム)
MU−MIMOシステムを考察するための一般的なモデルとして、各々がNr本の受信アンテナを備えたK個の移動端末と、Nt(=Nr×K)本の送信アンテナを備えた基地局BSを考える。
なお、以下では、表記方法として、(.)Tおよび(.)Hは、転置行列および共役転置行列(エルミート行列)を表示する。E{.}およびVar{.}は、期待値および分散オペレーターである。
対応するベクトル方程式は、以下のとおりである。

Nt×NtマトリックスHは、MIMOチャネルのチャネル応答を示す複素要素からなる。
式(1)では、E{nn}=σ2Ntと仮定し、パワー条件としては、E{|x|2}=1を仮定する。
NtはNt×Nt単位行列である。
MMSEに基づいてチャネルを推定し、MMSEプリコーディングマトリックスあるいはMMSE空間フィルターが算出される。
まず、基地局BS側が、完全なチャネル状態情報CSIのHを持っている状態を仮定すると、MMSEフィルタWは、以下のように設定され、基地局BSは、送信信号sを以下のように設定する。

ここで、α=Ntσ2であり、σ2は、ダウンリンクの受信アンテナの信号対雑音比(SNR)の値であって、受信側からフィードバックされる。
送信シンボルは規格化された送信シンボルuとして、最終的には、以下のようなシンボルuが、すべてのユーザに対してMU−MIMOチャネルHで送信される。

しかしながら、チャネル応答Hが、高い相関を有するチャネルマトリックスならば、規格化パラメーターγは大きく増加する。そして、データXは全て失われることになる。
その結果を緩和するために、上述したようにVP法では、送信シンボルXは、データ・ベクトルで摂動が加えられる。
最も単純な場合では、τが正の実数であって、lがNt次元の複素数の摂動ベクトル(a+ib)であるとき、摂動が加えられた送信ベクトルは、Xmod=X+τlと設定される。ここで、aおよびbは、整数である。
このような摂動ベクトルの探索の過程での信号電力の規格化係数(スカラー)γ1は、以下のように計算される

ここで、

である。
また、以下のようにPを定義して、式(4)を簡略に表現する。

式(2)および(4)から、ρ=1ならば、アンテナ指向性制御のためのMMSEフィルタW(重み係数行列)は、マトリックスPと同一である。
しかしながら、上述した非特許文献1の中でも説明されるように、ρの値が1未満である場合、VP法のアルゴリズムはよりよい性能を達成できる。
そこで、以下の実施の形態では、特に限定されないが、たとえば、Nt=8の場合には、ρ=0.125と設定する。
摂動ベクトル探索の後の送信信号は、以下のようになる。

送信シンボルuは、移動端末にMU−MIMOチャネルHで送信され、以下のように表わされる。

受信側では、以下のようなモジュロ演算が可能なようにスカラーτは選ばれる。

モジュロ演算を用いることで、受信機は本来のデータを復調することができる。
VP法の設計の中心的な点は、スカラーγ1を最小化するように、摂動ベクトルlを最適に選択することである。

これは、以下の文献1に記載されるいわゆる「スフィアデコーダ」を使用して解くことができるNt次元の整数格子の最小自乗問題である。
文献1:B. Hassibi and H. Vikalo, ”On sphere decoding algorithm. I. expected complexity”, IEEE Trans. on Signal Processing, vol. 53, no. 8, pp. 2806-2818, Aug. 2005.
しかしながら、一般に、スフィアデコーダの計算負荷は大きいために、効率的なスフィアデコーダ・アルゴリズムは、計算負荷および摂動ベクトルの多様性の程度のトレードオフを図ることのできるQR分解M−アルゴリズムエンコーダ(QRDM−E)を使用することで実現される。
このような「QR分解M−アルゴリズムエンコーダ(QRDM−E)」については、以下の文献2に開示がある。
文献2:Manar Mohaisen, Bing Hui, KyungHi Chang, Seunghwan Ji, and Jinsoup Joung, ”Fixed-complexity vector perturbation with block diagonalization for MU-MIMO systems”,Proc. 2009 IEEE MICC, pp.238-243,15-17, Dec.2009
QRDM−Eの概略を説明すると、摂動ベクトルlの整数値aおよびbを、対称な整数の組Aに制限する。ここで、A={−T,−T+1,…−1,0,1,T−1,T}である。このような組Aを採用することで、より小さな値Tに範囲が制限され、探索の複雑さが縮小される。
他方では、QRDM−Eは、式(8)中のマトリックスPをユニタリー行列Qおよび上三角行列Rの積に分解するので、式(8)中の探索問題は、以下の式(9)のように単純化される。

式(9)を実行する各反復過程に対して、最も累積的でないメトリクスがある最良のブランチが、各エンコードレベルにおいて、次のレベルに対して選択される。
なお、以下の説明では、特に限定されないが、LTEにおけるOFDM変調方式のMU−MIMOを例にとって考察することにする。
図4は、このようなLTEにおけるOFDMシンボルの逆フーリエ変換の手順を示す概念図である。
図4に示すように、各フレーム内のOFDMシンボルは、信号伝送用サブキャリアの個数だけのサンプルを含む。図4の各サンプルは、たとえば、BPSK変調、QPSK変調、QAM変調等をされた信号である。
図4の例においては、複数のストリームにそれぞれ対応する複数フレームについてのサンプル[X1 1,X2 1,X3 1,X4 1]が、1番目のサブキャリアに対応する。他のサブキャリアについても同様である。
上述したサブキャリアごとのチャネル応答マトリックスHk(1≦k≦Nc)とは、1つのサブキャリアごとに送信側のアンテナから受信側のアンテナへの伝送路を想定した場合のチャネル応答マトリックスに相当する。Ncは、信号伝送用サブキャリアの個数である。
一方で、LTEにおいては、OFDMの全サブキャリアの個数NFFT(FFTサイズ:(ガードバンド+信号伝送用+DC)のすべてのサブキャリアを含む)は、1024個または2048個であるが、以下の説明では、NFFT=2048個の場合を例にとって説明する。
(1.2 VP法のアルゴリズムの計算負荷)
以下では、単に、VP法のアルゴリズムの計算負荷を見積もるにあたり、行列の積演算および和演算の合計のオーダを利用することにする。
図5は、異なる行列演算のための計算負荷のオーダを示す図である。
したがって、図5を用いると、1つのサブキャリアのためのVPアルゴリズムの計算負荷のオーダCvpは、概算すると以下のようになる。

ここで、CMMSEは、式(2)の中で示されるような2つの(Nt×Nt)複素数マトリックスの積演算と(Nt×Nt)複素数マトリックスの逆行列演算とを含んでおり、12Nt 3に等しい。
(1.3 制限のあるチャネル状態情報のフィードバックでのVP法のMU−MIMOの性能)
(1.3−1 MU−MIMO OFDM方式のサブバンド)
データ伝送用のNC個のサブキャリアを有するOFDM方式に対して、NC個のサブキャリアがNSB個のサブバンドに分割され、各サブバンドは、NSC=NC/NSBの連続的なサブキャリアを含んでいるものとする。
ここでは、各サブバンドの中央のサブキャリアのチャネル状態情報CSIだけが送信機にフィード・バックされるとする。
したがって、NSBが小さくなるとフィードバック負荷は軽減されるが、フィードバックチャネル状態情報CSIの品質を劣化させることになる。
OFDM方式にデータ伝送用のNCサブキャリアがある時、1つのOFDMシンボルのための計算負荷の合計は、VP法を用いるシステム用については、NcCvpに増加する。
(参照方式1:単純なサブバンドモードでの計算負荷)
単純なサブバンド・モード(以下、参照方式1)では、各サブバンドのすべてのサブキャリアの周波数領域チャネル状態情報CSIはこのサブバンドの中央のサブキャリアのそれと同一であると仮定される。
したがって、単純なサブバンド・モード用の計算負荷の合計は、以下のように計算される。

計算負荷は、NSBを小さな値で抑えることで縮小できる。
しかしながら、サブバンドの中央のサブキャリアおよび端部サブキャリアの間のチャネル状態情報CSIの誤差は、NSBを小さくすると増加し、さらにスペクトラム効率の損失を引き起こす。
(1.3−2 VP法によるMIMO OFDMの性能への不適合な空間フィルターの影響)
図6は、VP法による摂動ベクトルの探索処理とプリコーディングのための空間フィルタの行列の算出処理を説明するための概念図である。
VP法のアルゴリズムには、摂動ベクトル探索過程および空間フィルタの算出過程という、2つの主要な演算過程がある。
正確なチャネル状態情報CSIなしでは、摂動ベクトル探索過程では、式(4)の最も小さな規格化係数γ1を得ることができないため、非能率的な摂動ベクトルを選択することになる。
さらに、不適合な空間フィルターは、ストリーム間の干渉を抑圧することができない。
そこで、以下では、本実施の形態の「摂動ベクトル探索過程および空間フィルタの算出過程」を説明するための前提として、VP法に基づいたMU−MIMO OFDM方式の性能に対する「不適合な空間フィルター」の影響を評価する。
図6に示すように、各サブバンドについて、すべてのサブキャリアに対して、MMSE空間フィルタを構成し、かつ、摂動ベクトルを探索するための2つのスキームをシミュレーションにより比較する。
参照方式1は、上述のとおり、単純なサブバンド・モードであり、サブバンド内のすべてのサブキャリアについて、MMSE空間フィルタおよび摂動ベクトル探索過程に対して、各サブバンドの中央のサブキャリアの同一のチャネル状態情報CSIを利用する。
一方、参照方式2では、MMSE空間フィルタの算出処理では、すべてのサブキャリアについて、完全なチャネル状態情報がフィードバックされており、これを使用するものの、摂動ベクトル探索過程に対しては、各サブバンドのすべてのサブキャリアについては、サブバンドの中央のサブキャリアの同一のチャネル状態情報CSIを利用する。
図7は、シミュレーションパラメータを説明する図である。
また、図8は、シミュレーションにおけるチャネルパラメータを示す図である。
図8に示されるように、チャネル状態情報の完全性の影響を評価するために2種類のチャネル・モデルを選んだ。
なお、このようなチャネルパラメータは、以下の文献3に開示のものと同様である。
文献3:WINNER II D1.1.2, ”WINNER II channel models,”https://www.ist-winner.org/deliverables.html, Sep. 2007.
図9および図10は、シミュレートされた結果を示す図である。
図9は、チャネルモデルとして、A1 LOSを採用し、64QAMでシミュレートしたものであり、図10は、チャネルモデルとして、C1 NLOSを採用し、64QAMでシミュレートしたものである。
図9および図10では、信号伝送用サブキャリアの個数Ncは、1200であるものとしている。
また、サブバンドの個数NSBを変化させてシミュレートしている。
したがって、NSB=1200であれば、各サブバンドごとのサブキャリアの個数NSCは1個となり、この場合、サブバンドごとにチャネル状態情報がフィードバックされることは、とりもなおさず、送信側に完全な(すべてのサブキャリアについての)チャネル状態情報がフィードバックされていることを示す。
「NSB=1200、NSC=1、VP」とは、VP法での摂動ベクトル探索過程およびアンテナ指向性制御のための空間フィルタの双方において、完全なチャネル状態情報がフィードバックされて、演算が行われていることを示す。
「NSB=1200、NSC=1、MMSE」とは、非線形MIMOの処理を行わず、完全なチャネル状態情報がフィードバックされて、MMSE法によるアンテナ指向性制御のための空間フィルタの演算のみが行われていることを示す。
「NSB=50、NSC=24、VP Simple subband mode」とは、50個のサブバンド(1サブバンドあたり24個のサブキャリア)の各々について中央の1つのサブキャリアについてのチャネル状態情報がフィードバックされ、VP法での摂動ベクトル探索過程およびアンテナ指向性制御のための空間フィルタの双方において、各サブバンド内のサブキャリアについては、この中央のチャネル状態情報と同一であるとして、演算が行われていることを示す。
「NSB=50、NSC=24、VP Perfect MMSE filter」とは、VP法での摂動ベクトル探索過程では、50個のサブバンド(1サブバンドあたり24個のサブキャリア)の各々について中央の1つのサブキャリアについてのチャネル状態情報がフィードバックされ、各サブバンド内のサブキャリアについては、この中央のチャネル状態情報と同一であるとして演算が行われ、一方、アンテナ指向性制御のための空間フィルタの演算処理においては、各サブバンド内のすべてのサブキャリアについて、完全なチャネル状態情報がフィードバックされているものとして、演算が行われていることを示す。
図9および図10のシミュレートされた結果から、VP法のアルゴリズムのほとんどの性能ロスが、フィードバックされるチャネル状態情報が不完全なことによる、不適合な「アンテナ指向性制御のための空間フィルターの演算」から生成されることがわかる。
たとえば、図10に示すような、平均234[ns]遅れの広がりを有するC1 NLOSのチャネルモデルの場合を見てみることにする。
MMSE空間フィルタが、サブバンド中のすべてのサブキャリアに対して完全な情報を利用する場合、摂動ベクトルを探索するために中央のサブキャリアのチャネル状態情報CSIを利用するだけのことでは、仮にNSC=48、すなわち、サブバンドの個数が少ない場合であっても、大規模な性能ロスを生成することはない。
しかしながら、完全なMMSE空間フィルタがない場合、仮にNSC=24、すなわちサブバンドの個数が多い場合であっても、大幅な性能ロスとなる。
この理由は、非能率的な摂動ベクトルは、単に各ストリームのSNR値を小さくするような大きな値の規格化係数γ1(式(4))を生成するにすぎない、ということである。これに対して、不適合なMMSE空間フィルタは、ストリーム間の干渉を引き起こし、システム性能を大きく劣化させることになってしまう。
(2.本実施の形態のVP MU−MIMO OFDM方式の補間スキーム)
VP MU−MIMO OFDM方式にとってのスペクトラム効率のロスを低減するために有効な方法は、図9および図10において説明したように、各サブキャリアに対して、完全なMMSE空間フィルタを生成することである。
そこで、本実施の形態では、小さな計算負荷で、より適切なMMSE空間フィルターを生成するための単純な補間スキームを採用する。
図11および図12は、このような本実施の形態の補間スキームの概念を説明するための図である。
図11を参照して、本実施の形態におけるアンテナ指向性制御のための空間フィルタの補間スキームは、時間・周波数領域変換(TFT変換:Time and Frequency domain Transformation)により、フィードバックチャネル状態情報CSI(Nfb(=NSB)個)から、後に説明する補間処理により等間隔なNTFT個のサブキャリアのチャネル状態情報CSIを再構成する。これを「再構成補間処理」と呼ぶ。
再構成補間処理では、NTFTの値を調整することで、補間性能と計算量をトレードオフさせることができる。さらに、再構成補間されたNTFT個のサブキャリアのチャネル状態情報から、空間フィルタの重み計算により、NTFT個の重み係数を計算する。
さらに、NTFT個の重み係数に対して補間処理、たとえば、線形補間処理を行うことにより、全サブキャリア(Nall個)についての空間フィルタの重み係数が算出される。
図12に示すように、再構成補間処理においては、フィードバックされた周波数領域のチャネル状態情報Hfbから、後に説明するように、最小自乗誤差基準を用いて、部分的なサブキャリアの時間領域のチャネル状態情報を再構成する。この再構成された部分的なサブキャリアのチャネル状態情報において、所定の応答時間(サンプリング時間を単位としてLと置く)までの成分で、チャネル応答を切断する。
ここで、Lは、経路遅延の最大値よりも大きな値を用いるものとする。
そして、切断された時間領域のチャネル状態情報を、再び、周波数領域のチャネル状態情報HTFTに変換する。
ここで、上述したようなフィードバックされた周波数領域のチャネル状態情報Hfbから、最小自乗誤差基準を用いて、部分的なサブキャリアの時間領域のチャネル状態情報を再構成するために使用される行列FPおよび部分的なサブキャリアの時間領域のチャネル状態情報を再び周波数領域に変換するために使用される行列FLについては、後述する。
その後、図11で説明したように、このようにして得られたNTFT個の部分的なサブキャリアについてのチャネル状態情報を用いて算出された空間フィルターマトリックス(重み係数マトリックス)を使用して、すべてのサブキャリアに対する空間フィルターマトリックスを線形補間により算出する。これを「線形補間処理」と呼ぶ。ここでは、一例として、空間フィルターマトリックスの算出は、MMSEにより実行されるものとしている。ただし、ここでの補間処理は、必ずしも線形補間に限定されず、他の補間方法を用いてもよい。
一方で、VP法における摂動ベクトルを探索する処理においては、単純なサブバンド・モードと同様に、各サブバンドの中央のサブキャリアのチャネル状態情報が、そのサブバンド内の他のチャネル状態情報についても同一の値であるものとして、探索処理を実行する。より特定的には、上述したようなQRDM−Eを使用して、QR分解をする場合には、行列Rとしては、各サブバンドのサブキャリアのチャネル状態情報が、各サブバンドの中央のサブキャリアのチャネル状態情報と同一であるとして算出される行列Rを用いて、摂動ベクトルを探索する。
(2.1 MMSE空間フィルタのための時間・周波数領域変換を行う補間法)
時間・周波数領域変換を備えた線形補間方式は、正規化された最小自乗誤差基準に基づく推定量として、パイロット信号によるチャネル推定に利用されてきた。このようなチャネル推定は、たとえば、以下の文献4に開示されている。
文献4:A. Ancora, C. Bona, and D.T.M. Slock, ”Down-sampled impulse response least-squares channel estimation for LTE OFDMA”, in Proc. 2007 IEEE ICASSP, vol. 3, pp. 293-296,15-20 Apr. 2007.
ここでは、NTFT個のサブキャリアのチャネル状態情報CSIを再構成するための補間関数として、この推定器を利用する。
図13は、このような時間・周波数領域変換処理を行う推定器を説明するための図である。
推定器は以下のように表現される:

ここで、以下の値は、m番目の送信アンテナおよびn番目の受信アンテナの間のフィードバックされた周波数領域チャネル状態情報CSIである。

また、以下の値は、m番目の送信アンテナおよびn番目の受信アンテナの間の再構成された周波数領域チャネル状態情報CSIである。

また、Lは有効チャネル長さである。
式(12)において、行列FPは、LTEの場合を例にとると、直交周波数分割多重方式に使用される(2048×2048)FFT行列のうちから、フィードバックされるサブキャリア位置に対応する行およびFFT行列の最初のL列を選択することで得られた(NSB×L)行列である。NSBは、サブバンドの個数、すなわち、フィードバックされるチャネル状態情報の個数Nfbに等しい。
ここで、α2は、Lσ2であり、そして、σ2は、ダウンリンクの受信アンテナのSNR値である。
式(12)において、行列FLは、(2048×2048)FFT行列のうちから、サブキャリア間隔一定のNTFT個のサブキャリアの位置に対応するNTFT個の行および最初のL列から得られた、(NTFT×L)マトリックスである。
行列IPは(L×L)単位行列である。
(NTFT×NSB)行列のMTFTは、あらかじめσ2のいくつかの異なる値および選択パラメーターLに対して計算し、記憶部52に保存しておくことができる。
式(12)を使用して、すべての送信アンテナおよび受信アンテナに対して、NTFT種類のチャネル状態情報CSIのマトリックスHTFT(i)(i=0,…NTFT−1)が生成された後に、基地局BSは、MMSE空間フィルタの重みWTFT (i)(i=0,…NTFT−1)を以下のように算出する:

最後に、基地局BSは、線形補間によってすべてのサブキャリアのためのMMSE空間フィルタ重みを以下のように計算する。

図14は、このような空間フィルタの重み係数の算出手順を説明する概念図であり、図15は、空間フィルタの重み係数の算出手順を説明するフローチャートである。
図14および図15を参照して、まずは、受信側の移動端末1100において、チャネル応答推定部260により、1サブバンドについて1サブキャリアの周波数領域のチャネル応答が算出される(S100)。移動端末1100のチャネル状態情報(CSI)送信処理部262により、算出されたサブバンドごとの「周波数領域のチャネル応答」が、送信側の基地局1000へフィードバックされる(S102)。
基地局1000では、制御部50により、フィードバックされた「周波数領域のチャネル応答」により、VP法における摂動ベクトルの演算処理が実行される(S104)。
さらに、基地局1000の制御部50は、記憶部52に記憶されている行列MTFTの情報に基づいて、TFT処理を実行する(図14のTFT処理)。具体的には、制御部50は、まず、フィードバック情報として受信した「周波数領域のチャネル応答」を一旦、IFFTに相当し、最初自乗誤差基準による処理で時間領域に変換する(S106)。続いて、制御部50は、「変換で得られた時間領域のチャネル応答」のうち、所定の遅延量(最大遅延量以上)までの応答でカットして、FFTに相当する処理により再び周波数領域に変換する(S108)。
続いて、制御部50は、空間フィルタの演算処理、たとえば、TFT処理された「周波数領域のチャネル応答」により、MMSEの重みの計算処理を実行する(S110、図14のMMSE重み計算)。
さらに、制御部50は、計算されたMMSEの重みを線形補間することで、すべてのサブキャリアについてのMMSEの重みを算出する(S114、図14の線形補間)。
次に、基地局1000では、重み付け処理部40−1〜40−Ncは、VP処理後の送信信号ベクトルにMMSE重みを乗算し、複数アンテナ100−1〜100−NTから送信する(S116)。
(2.2 TFT処理を備えた本実施の形態の補間法の計算量)
TFT処理(式(12))および線形補間方法(式(14))は、それらの計算量のオーダが、O[4NTFTSBt 2]およびO[2NTFTt 2]の計算負荷を備えた実数乗算および加算演算を含んでいる。
式(11)と比較して、TFT処理を行う本実施の形態の補間法のための計算負荷のオーダは、以下のように計算される:

図16は、計算負荷量を比較する図である。
図16では、上述したようなTFT補間法および単純なサブバンド・モードの計算負荷をNSB=25およびNSB=50とで、それぞれ比較する。
図中、VPとの表示は、VP法で摂動ベクトルの付加を行ったのち、空間フィルタ処理をしたことを意味し、MMSEとの表示は、摂動ベクトルの付加は行わずに、空間フィルタ処理をしたことを意味する。
図16に示されるように、MMSEおよびVP法のアルゴリズムの両方に対して、TFT補間法を適用した場合と比較して、単純なサブバンド・モードは最も小さな計算負荷となる。
そして、TFT補間の計算負荷は、NTFTの値を増加させることにより増加する。
TFT=1200の場合、単純なサブバンド・モードと比較して、VP法を用いた場合のアルゴリズムの計算負荷は、NSB=25に対して約436%、NSB=50に対して575%と、大きく増加する。
しかしながら、NTFT=100およびNTFT=200の場合については、単純なサブバンド・モードと比較して、VP法を用いた場合のアルゴリズムの計算負荷は、NSB=25に対して約22%および56%、NSB=50に対して40%および80%と、それぞれ増加するに過ぎない。
したがって、単純なサブバンド・モードのそれと比較して、NTFT=100およびNTFT=200を使用する場合は、TFT補間の計算負荷は、許容範囲内の増加に抑制される。
(2.3 TFT補間法についてのスペクトラム効率)
以下では、TFT補間法を用いた場合のスペクトラム効率のについてシミュレーション結果について説明する。
図17は、シミュレーションに使用されたパラメータを示す図である。なお、図17以外のパラメータについては、図7と同様である。
変調および符号化タイプで、タイプ1とは、16QAMで、符号レートが7/8、コードワード長が5397ビットの場合をいい、タイプ2とは、64QAMで、符号レートが3/4、コードワード長が4197ビットの場合をいい、タイプ3とは、64QAMで、符号レートが7/8、コードワード長が6297ビットの場合をいう。
図18および図19は、ぞれぞれ、NSB=50の場合のTFT補間法および単純なサブバンド・モードのシミュレートについてスペクトラム効率をシミュレーションした結果を示す図である。
図18は、WINNER II A1 LOSチャネルの上で、NSB=50の場合のTFT補間法および単純なサブバンド・モードのシミュレートについてスペクトラム効率をシミュレーションした結果を示す。
図19は、C1 NLOSチャネルの上で、NSB=50の場合のTFT補間法および単純なサブバンド・モードのシミュレートについてスペクトラム効率をシミュレーションした結果を示す。
式(12)のLの値は40に設定される。
さらに、両方の方法のスペクトラム効率の損失を比較するために、各サブキャリアが完全なチャネル状態情報CSIを得ることに相当するNSB=1200にであるVP法のアルゴリズムもシミュレートしている。
図18および図19の中で示されるように、TFT補間法は、特に符号化レート7/8の64QAMに対して、単純なサブバンド・モードのスペクトラム効を大きく改善する。
各サブキャリアに最適なチャネル状態情報CSIと比較することで、NTFT=100およびNTFT=200の場合のTFT補間法は、ほとんど最大のスペクトラム効率の性能を得ることができる。
他方では、NTFT=100とNTFT=1200の間のスペクトラム効率の差は、タイプ1およびタイプ2に対しては、少ししかない。
したがって、NTFT=100の条件でTFT補間法は、計算量の増加を抑制しつつ、スペクトラム効率のロスを縮小することが可能である。
タイプ3については、NTFT=200の場合のTFT補間法は、各サブキャリアの完全なチャネル状態情報CSIを用いるものに対して、大きくスペクトラム効率の差を縮小することができる。
したがって、単純なサブバンド・モードと比較して、TFT補間法は、計算量のわずかな増加で、VP法を用いたMIMOの空間フィルタ演算アルゴリズムにおいて、スペクトラム効率を大きく改善することが可能である。
(TFT処理の具体例)
以下では、LTE−Aの場合を例にとって、TFT処理について、さらに詳しく説明する。
図20は、LTE−Aの場合のIFFT処理におけるOFDMサブキャリアの配分を説明するための図である。
サブキャリアは、全部で2048個ある。
サブキャリア1025−1448と、サブキャリア602−1024とは、ガードバンドとして使用される。
サブキャリア1は、DCサブキャリアであって、使用されない。
サブキャリア2−601とサブキャリア1049−2048の合計1200サブキャリアがデータ伝送のために使用される。
図21は、逆FFT(IFFT)処理のための行列FHを説明する図である。
まず、行列FHの第m行n列の要素は、ωを用いて、以下のように表される。

ここで、ωは以下のように表される。

したがって、行列FHを書き下すと、以下のようになる。

さらに、逆FFT処理の対処となるデータベクトルXは、以下のように表される。

上述のとおり、データベクトルXの要素のうち、ガードバンドに対応するサブキャリア602−1448に対応する要素x(602)〜x(1448)の値は、0と設定される。
図22は、TFT補間処理おける逆FFT処理を説明するための図である。
上述のとおり、ガードバンドについては、データが0であるものとする。
このため、データベクトルXにおいては、このガードバンドに相当する要素を削除したものをデータベクトルX1で表す。
一方で、逆FFT行列FHにおいても、ガードバンドに相当する要素を削除したものを行列FH 1と表す。
行列FH 1およびデータベクトルX1をあらわに書き下すと以下のようになる。

すなわち、現実のTFT処理の演算処理では、使用されないサブキャリアについての演算は実行しない。ただし、以下では、逆FFT行列の行および列の位置の特定の便宜から、逆FFT行列FHにおいて、いずれの行および列がTFT演算において使用されるか、という説明の仕方をすることにする。
図23は、サブバンドへの分割を説明するための図である。
データ伝送用の1200個のサブキャリアに対して、たとえば、50個のサブバンドを設定する。1つのサブバンドあたり、24サブキャリアが含まれることになる。
たとえば、第1番のサブバンドSB1には、サブキャリアSC2〜SC25が含まれる。以下、同様にして他のサブバンドにもサブキャリアが割り当てられ、最後のサブバンドB50には、サブキャリアSC2025〜SC2048が含まれる。
1番目の600サブキャリアに対して、サブバンドSB1〜SB25が対応し、2番目の600サブキャリアに対して、サブバンドSB26〜SB50が対応する。
そして、各サババンドの中央のサブキャリアのチャネル状態情報CSIが、送信機側にフィードバックされる。
たとえば、サブバンドSB1については、サブキャリアSC14についてのチャネル状態情報H(14)(推定されたチャネル応答)が、フィードバックされる。他のサブバンドについても同様である。
そして、各チャネル状態情報H(k)(14,38,…,2037)は、周波数領域の対応するサブキャリアについての推定されたチャネル応答を示す(Nt×Nt)行列である。
図24は、TFT処理に使用されるフィードバックチャネル状態情報行列を説明するための図である。
図24以降では、NTFT=100であるものとして説明する。
フィードバックされた各チャネル状態情報H(k)(14,38,…,2037)のうちから、m番目の送信アンテナおよびn番目の受信アンテナの間のフィードバックされた周波数領域チャネル状態情報を抽出することにより、以下のフィードバックチャネル状態情報行列が構成される。

図25は、TFT処理で使用される行列Fp Hを説明するための図である。
すなわち、行列Fp Hは、フィードバックされたNfb(=50)個のチャネル状態情報に演算される行列であって、(2048×2048)逆FFT行列のうちから、フィードバックされるチャネル状態情報のサブキャリア(SC14,SC38,…,SC590,SC1461,SC1485、SC2037)に対応した列から、第1行から応答をカットオフする時間に対応する第L行までの要素を抽出した(L×Nfb)行列である。
なお、時間領域のチャネル状態情報がフィードバックされる場合には、特に限定されないが、このカットオフする時間までの時間領域のチャネル状態情報のみをフィードバックすることとして、この行列Fp Hを乗算する処理については省略することが可能である。
図26は、TFT処理での行列演算を説明するための図である。
m番目の送信アンテナおよびn番目の受信アンテナの間のフィードバックされた周波数領域チャネル状態情報に行列Fp Hを乗算する処理は、逆FFT演算であって、周波数領域から時間領域への変換に対応する。行列Fp Hの乗算処理の後、フィルタ処理が行われ、最後にFFT処理に対応する行列FLの乗算処理が行われ、再びチャネル状態情報は周波数領域の成分となる。
フィルタ処理は、最小自乗誤差基準に対応しており、変調されていないサブキャリアに対応した未使用領域からの影響を除去する効果がある。
図27は、TFT処理のうち、行列FLの乗算処理を説明するための図である。
ガードバンドを除く、サブキャリアSC1〜SC601に対応して、NTFT/2個の周波数領域のチャネル状態情報が生成される。このNTFT/2個の周波数領域のチャネル状態情報は、すべて等間隔である。
生成されるサブキャリアの番号kは以下のようになる。
k=8+12×(i−1) (i=1,…,NTFT/2)
同様にして、サブキャリアS1449〜SC2048に対応して、NTFT/2個の周波数領域のチャネル状態情報が生成される。このNTFT/2個の周波数領域のチャネル状態情報も、すべて等間隔である。
生成されるサブキャリアの番号kは以下のようになる。
k=1455+12×(i−1) (i=1,…,NTFT/2)
図28は、図27で使用される行列FLの構成を説明する図である。
行列FLは、FFT処理を実行して、図27で説明したようなNTFT個の周波数領域のチャネル状態情報を生成する必要がある。
そこで、例として、NTFT=100の場合について、あらわに書き下すと以下のようになる。

図29は、TFT処理により生成されるチャネル状態情報を説明する図である。
TFT処理により、フィードバックされた50個の周波数領域のチャネル状態情報から、100個の周波数領域のチャネル状態情報HTFT(7+12×i)およびHTFT(7+12×k)(i,k=0,…,49)が生成される。
なお、以上の説明では、FFTが(2048×2048)行列で実行され、データ伝送用のサブキャリアが1200個であり、フィードバックされる周波数領域のチャネル状態情報が50個の行列であって、再構成補間されて生成される周波数領域のチャネル状態情報が100個の行列であるものとして説明したが、本実施の形態のビームフォーミング処理はこのような場合に限定されることなく、他のパラメータの値の場合にも適用できるものである。
以上説明したように、本実施の形態の無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法によれば、MIMO通信方式において、チャネル状態情報のフィードバックによる通信のオーバーヘッドの増加を抑制しつつ、同時に、良好なスペクトラム効率を実現することが可能である。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
10 入力ノード、20 シリアルパラレル変換部、30−1〜30−8 変調部、40−1〜40−8 重み付け処理部、50 制御部、52 記憶部、60−1〜60−8 アップコンバータ、80 フィードバック情報受信部、100−1〜100−Nt アンテナ、CSI チャネル状態情報、1000 無線送信装置、1100 端末装置。

Claims (12)

  1. 複数のアンテナ素子を備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置と通信する第2の通信装置との間において、複数のサブキャリアによる直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMO(Multiple Input Multiple Output)により無線通信する無線通信方法であって、
    前記第2の通信装置が、自装置に備えられているアンテナ素子と、前記第1の通信装置に備えられている前記複数のアンテナ素子の各々との間のチャネル状態情報をサブバンドごとに推定するステップを備え、前記サブバンドは、前記複数のサブキャリアのうちの所定数の隣接するサブキャリアを含み、
    前記第2の通信装置が、推定されたサブバンドごとのチャネル状態情報を、前記第1の通信装置にフィードバックして送信するステップと、
    前記第1の通信装置が、フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報に基づいて、前記第1の通信装置からの送信信号へ付加する摂動ベクトルを算出するステップと、
    前記第1の通信装置が、フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報に対して、所定数のサブキャリアのチャネル状態情報を得るための第1の補間処理を行い、前記第1の補間処理されたチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するステップと、
    前記第1の通信装置が、前記所定数のサブキャリアに対する前記重みづけ係数に基づき、MIMO通信のための残りのサブキャリアに対する重みづけ係数を第2の補間処理により算出するステップと、
    前記前記第1の通信装置が、前記第2の補間処理により算出された重みづけ係数を前記摂動ベクトルを付加された送信信号に対して乗算し、前記複数の送信アンテナ素子から送出するステップとを備える、無線通信方法。
  2. 前記第1の補間処理は、
    フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換するステップと、
    前記時間領域のチャネル状態情報を、所定の遅延量までの応答でカットした後、時間領域から周波数領域に再変換するステップとを含む、請求項1記載の無線通信方法。
  3. 前記周波数領域から時間領域に変換するステップは、最小自乗誤差基準に基づいて、フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換する、請求項2記載の無線通信方法。
  4. 前記第1の補間処理において、周波数領域から時間領域に変換された前記チャネル状態情報の個数は、前記サブバンドの個数より大きく、前記サブキャリアの個数よりも少ない、請求項2記載の無線通信方法。
  5. 複数のサブキャリアによる直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMOにより無線通信する無線通信システムであって、
    第1の通信装置を備え、
    前記第1の通信装置は、
    複数の第1のアンテナ素子と、
    通信相手からフィードバックされたサブバンドごとの前記チャネル状態情報を受信するフィードバック情報受信部とを含み、前記サブバンドは、前記複数のサブキャリアのうちの所定数の隣接するサブキャリアを有し、
    送信信号へ付加する摂動ベクトルおよび前記複数のアンテナ素子から前記送信信号をMIMO方式で送信するための重み係数を算出する制御部をさらに含み、
    前記制御部は、
    フィードバックされた前記チャネル状態情報に基づいて、送信信号へ付加する前記摂動ベクトルを算出する摂動ベクトル算出手段と、
    フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報に対して、所定数のサブキャリアのチャネル状態情報を得るための第1の補間処理を行い、前記第1の補間処理されたチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出する第1の係数算出手段と、
    前記所定数のサブキャリアに対する前記重みづけ係数に基づき、MIMO通信のための残りのサブキャリアに対する重みづけ係数を第2の補間処理により算出する第2の係数算出手段とを有し、
    前記第2の補間処理により算出された重み付け係数を前記摂動ベクトルを付加された送信信号に対して乗算し、前記複数の送信アンテナ素子から送信部をさらに含み、
    前記第2の通信装置は、
    第2のアンテナ素子と、
    前記第2のアンテナ素子と、前記複数の第1のアンテナ素子の各々との間のチャネル状態情報をサブバンドごとに推定するチャネル応答推定部と、
    推定されたサブバンドごとのチャネル状態情報を、前記第1の通信装置にフィードバックして送信するチャネル状態情報送信処理部とを含む、無線通信システム。
  6. 前記第1の補間処理において、前記第1の係数算出手段は、フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換し、前記時間領域のチャネル状態情報を、所定の遅延量までの応答でカットした後、時間領域から周波数領域に再変換する、請求項5記載の無線通信システム。
  7. 前記第1の係数算出手段は、前記周波数領域から時間領域に変換する際に、最小自乗誤差基準に基づいて、フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換する、請求項6記載の無線通信システム。
  8. 前記第1の補間処理において、周波数領域から時間領域に変換された前記チャネル状態情報の個数は、前記サブバンドの個数より大きく、前記サブキャリアの個数よりも少ない、請求項6記載の無線通信システム。
  9. 複数のサブキャリアによる直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMOにより無線通信する無線通信装置であって、
    複数の第1のアンテナ素子と、
    通信相手からフィードバックされたサブバンドごとの前記チャネル状態情報を受信するフィードバック情報受信部とを含み、前記サブバンドは、前記複数のサブキャリアのうちの所定数の隣接するサブキャリアを有し、
    送信信号へ付加する摂動ベクトルおよび前記複数のアンテナ素子から前記送信信号をMIMO方式で送信するための重み係数を算出する制御部をさらに含み、
    前記制御部は、
    フィードバックされた前記チャネル状態情報に基づいて、送信信号へ付加する前記摂動ベクトルを算出する摂動ベクトル算出手段と、
    フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報に対して、所定数のサブキャリアのチャネル状態情報を得るための第1の補間処理を行い、前記第1の補間処理されたチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出する第1の係数算出手段と、
    前記所定数のサブキャリアに対する前記重みづけ係数に基づき、MIMO通信のための残りのサブキャリアに対する重みづけ係数を第2の補間処理により算出する第2の係数算出手段とを含み、
    前記第2の補間処理により算出された重み付け係数を前記摂動ベクトルを付加された送信信号に対して乗算し、前記複数の送信アンテナ素子から送信部をさらに備える、無線通信装置。
  10. 前記第1の補間処理において、前記第1の係数算出手段は、フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換し、前記時間領域のチャネル状態情報を、所定の遅延量までの応答でカットした後、時間領域から周波数領域に再変換する、請求項9記載の無線通信装置。
  11. 前記第1の係数算出手段は、前記周波数領域から時間領域に変換する際に、最小自乗誤差基準に基づいて、フィードバックされた前記サブバンドごとの前記チャネル状態情報を、周波数領域から時間領域に変換する、請求項10記載の無線通信装置。
  12. 前記第1の補間処理において、周波数領域から時間領域に変換された前記チャネル状態情報の個数は、前記サブバンドの個数より大きく、前記サブキャリアの個数よりも少ない、請求項10記載の無線通信装置。
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