JP2014073983A - 新規なメタロセン化合物、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

新規なメタロセン化合物、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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島崎  敏幸
Takashi Yukita
崇史 雪田
Hiromu Kaneyoshi
寛矛 兼吉
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Abstract

【課題】工業的製法において有利な高温条件下においても、高い融点および分子量を有するオレフィン重合体を製造することが可能な、新規なメタロセン化合物を提供する。
【解決手段】例えば下式で例示されるメタロセン化合物。
Figure 2014073983

新規なメタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒、および前記触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構造を有する有用かつ新規なメタロセン化合物、前記メタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒、および前記触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。特に詳しくは、シンジオタクチックオレフィン重合体を製造し得るメタロセン化合物に関する。
オレフィン重合用の均一系触媒としては、いわゆるメタロセン化合物がよく知られている。メタロセン化合物を用いてオレフィンを重合する方法(特にα−オレフィンを重合する方法)に関しては、W.Kaminskyらによってアイソタクチック重合が報告されて以来、立体規則性や重合活性の更なる向上という視点から、多くの改良研究が行なわれている(非特許文献1)。
このような研究の一環として、特定の触媒の存在下にプロピレンを重合した結果、シンジオタックチックペンタッド分率が0.7を超えるような立体規則性の高いポリプロピレンが得られることが、J.A.Ewenによって報告されている(非特許文献2)。ここで、前記特定の触媒は、シクロペンタジエニル基およびフルオレニル基をイソプロピリデンで架橋した配位子を有するメタロセン化合物と、アルミノキサンとからなる。
上記メタロセン化合物の改良として、フルオレニル基を2,7−ジtert−ブチルフルオレニル基にすることにより、立体規則性を向上させる試みがなされている(特許文献1)。その他にも、フルオレニル基を3,6−ジtert−ブチルフルオレニル基にすることにより立体規則性を向上させる試み(特許文献2)や、シクロペンタジエニル基とフルオレニル基とが結合している架橋部を変換することにより立体規則性を向上させる試み(特許文献3、4)が報告されている。
このようにメタロセン化合物の改良によって、(1)立体規則性の指標である、融点がある程度高いオレフィン重合体や、(2)分子量がある程度高いオレフィン重合体が得られるようになっている。
さらに、これらのオレフィン重合体の工業的な製造を可能とするには、常温以上の重合温度、好ましくは常温を大きく超える高い重合温度で、上記特徴を有するオレフィン重合体を製造することが望まれている。
特開平04−069394号公報 特開2000−212194号公報 特開2004−189666号公報 特開2004−189667号公報
Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 24, 507 (1985) J. Am. Chem. Soc., 1988, 110, 6255
本発明が解決しようとする課題は、工業的製法において有利な高温条件下においても、高い融点および分子量を有するオレフィン重合体を製造することが可能な、新規なメタロセン化合物を提供することにある。また、前記メタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒、および前記触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の部位に置換基をもたないシクロペンタジエニル環とフルオレニル環とが環を介して架橋された配位子を有するメタロセン化合物を、オレフィン重合用の触媒成分として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式[I]で表されるメタロセン化合物に関する。
Figure 2014073983
[式[I]中、RHは水素原子であり、R1〜R15はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基、窒素含有基、酸素含有基またはケイ素含有基であり、R1〜R15までの置換基のうち、2つの置換基が互いに結合して環を形成していてもよく、nは1〜3の整数であり、Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、jは1〜4の整数であり、jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。]
一般式[I]において、R9およびR15が水素原子であることが好ましく;R1、R4、R5およびR8が水素原子であることが好ましく;R2およびR7がそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基であることも好ましく;R3およびR6がそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基であることも好ましく;R2、R3、R6およびR7が炭化水素基であるか、またはR2とR3が互いに結合して環を形成し、かつR6とR7が互いに結合して環を形成していることも好ましい。また、nが1であることが好ましい。
また、本発明は、(A)請求項1〜7のいずれか1項に記載のメタロセン化合物と、(B)(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(b−2)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および(b−3)有機アルミニウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含むオレフィン重合用触媒に関し;前記触媒は、さらに担体(C)を含むことが好ましい。
また、本発明は、上記オレフィン重合用触媒の存在下に、炭素数2以上のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合する工程を有するオレフィン重合体の製造方法に関し;前記工程において、40℃以上の条件下に、炭素数2以上のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合することが好ましく;前記モノマーの少なくとも一部が、プロピレンであることが好ましい。
前記オレフィン重合体は、要件(i)〜(iii)を同時に満たすことが好ましい:(i)示差走査型熱量計(DSC)により求められる融点が130℃以上である、(ii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が100,000以上である、(iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5未満である。
本発明によれば、工業的製法において有利な高温条件下においても、高い融点および分子量を有するオレフィン重合体を製造することが可能な、新規なメタロセン化合物を提供することができる。また、前記メタロセン化合物を含むオレフィン重合用触媒、および前記触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一般式[I]で表されるメタロセン化合物(以下「メタロセン化合物(A)」ともいう。)、好ましいメタロセン化合物(A)の例示、メタロセン化合物(A)の製造方法、メタロセン化合物(A)をオレフィン重合用触媒に供する際の好ましい形態、そして最後にメタロセン化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィン重合体を製造する方法について、順次説明する。
〔メタロセン化合物(A)〕
本発明のメタロセン化合物(A)は、一般式[1]で表される。
Figure 2014073983
式[I]中、RHは水素原子であり、R1〜R15はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基、窒素含有基、酸素含有基またはケイ素含有基であり、R1〜R15までの置換基のうち、2つの置換基が互いに結合して環を形成していてもよく、nは1〜3の整数であり、Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、jは1〜4の整数であり、jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。
本発明のメタロセン化合物(A)は、特定の部位(例:RH)に置換基をもたないシクロペンタジエニル環とフルオレニル環とが、環を介して架橋された配位子を有し、オレフィン重合用の触媒成分として新規である。本発明のメタロセン化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒を用いることにより、例えばプロピレン等のα−オレフィンを重合する場合、工業化可能な高温条件下であっても、高い融点および分子量を有するオレフィン重合体を製造することができる。本発明のメタロセン化合物(A)は、シンジオタクチックオレフィン重合体、特にシンジオタクチックプロピレン重合体を製造するためのオレフィン重合用の触媒成分として好適に用いることができる。
〈R 1 〜R 15 について〉
炭化水素基の炭素数は、1〜40が好ましく、1〜20がより好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性の向上、融点の向上、および分子量の向上が見られるからである。炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20の飽和脂環式基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基が例示される。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等の直鎖状アルキル基;iso−プロピル基、tert−ブチル基、アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が例示される。
炭素数3〜20の飽和脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基等の脂環式多環基が例示される。
炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ビフェニル基等の非置換アリール基;o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、iso−プロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、キシリル基等のアルキルアリール基が例示される。
炭素数7〜20のアラルキル基としては、ベンジル基、クミル基、α−フェネチル基、β−フェネチル基、ジフェニルメチル基、ナフチルメチル基、ネオフィル基等の非置換アラルキル基;o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、エチルベンジル基、n−プロピルベンジル基、iso−プロピルベンジル基、n−ブチルベンジル基、sec−ブチルベンジル基、tert−ブチルベンジル基等のアルキルアラルキル基が例示される。
炭化水素基の炭素数は、1〜10が特に好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性の向上、融点の向上、および分子量の向上が見られるからである。
ハロゲン含有炭化水素基としては、上記炭化水素基が有する少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子で置換してなる基が例示され、具体的には、
トリフルオロメチル基等のフルオロアルキル基などのハロゲン置換アルキル基;
ペンタフルオロフェニル基等のフルオロアリール基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、クロロナフチル基等のクロロアリール基、o−ブロモフェニル基、m−ブロモフェニル基、p−ブロモフェニル基、ブロモナフチル基等のブロモアリール基、o−ヨードフェニル基、m−ヨードフェニル基、p−ヨードフェニル基、ヨードナフチル基等のヨードアリール基などの上記非置換アリール基のハロゲン置換基;トリフルオロメチルフェニル基等のフルオロアルキルアリール基、ブロモメチルフェニル基、ジブロモメチルフェニル基等のブロモアルキルアリール基、ヨードメチルフェニル基、ジヨードメチルフェニル基等のヨードアルキルアリール基などの上記アルキルアリール基のハロゲン置換基;などのハロゲン置換アリール基;
o−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、p−クロロベンジル基、クロロフェネチル基等のクロロアラルキル基、o−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、p−ブロモベンジル基、ブロモフェネチル基等のブロモアラルキル基、o−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、p−ヨードベンジル基、ヨードフェネチル基等のヨードアラルキル基などの上記非置換アラルキル基のハロゲン置換基などのハロゲン置換アラルキル基;
が例示される。
窒素含有基としては、ニトロ基、シアノ基、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基が例示される。
酸素含有基としては、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基が例示される。
ケイ素含有基としては、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等のアルキルシリル基;ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等のアリールシリル基が例示される。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
1〜R8までの置換基のうち、隣接した2つの置換基(例:R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8)が互いに結合して環を形成していてもよく、R10およびR11が互いに結合して環を形成していてもよく、R12およびR13が互いに結合して環を形成していてもよく、R9およびR10が互いに結合して環を形成していてもよく、R11およびR12が互いに結合して環を形成していてもよく、R13およびR14が互いに結合して環を形成していてもよく、R14およびR15が互いに結合して環を形成していてもよい。
本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環、ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロペンタン環、シクロヘキサン環;ベンゼン環;水素化ベンゼン環;シクロペンテン環;フラン環、チオフェン環等のヘテロ環およびこれに対応する水素化ヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アリール基、ハロゲン原子等の置換基をさらに有していてもよい。
1〜R15はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン置換アリール基であることがより好ましく、水素原子、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、アルキルフェニル基、またはこれらの基が有する少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子に置換してなるハロゲン置換基であることがさらに好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性の向上、融点の向上、および分子量の向上が見られるからである。
1、R4、R5およびR8は水素原子であることが特に好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、高温重合でも高い触媒活性でオレフィン重合体が得られるためである。
2およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン置換アリール基であることがより好ましく、水素原子、tert−ブチル基、フェニル基、アルキルフェニル基、またはこれらの基が有する少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子に置換してなるハロゲン置換基であることが特に好ましい。これは、R2およびR7が上記基であることにより、得られるオレフィン重合体の分子量が向上するためである。
3およびR6はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン置換アリール基であることがより好ましく、水素原子、tert−ブチル基、フェニル基、アルキルフェニル基、またはこれらの基が有する少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子に置換してなるハロゲン置換基であることが特に好ましい。これは、R3およびR6が上記基であることにより、得られるオレフィン重合体を多く得る(すなわち触媒活性を向上させる)ことができるためである。
2およびR7は同一の基であり、R3およびR6は同一の基であることが特に好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性の向上、融点の向上、および分子量の向上が見られるからである。
また、R2、R3、R6およびR7が炭化水素基であるか、またはR2およびR3が互いに結合して環を形成し、かつR6およびR7が互いに結合して環を形成していることも好ましい。このような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基、1,1,3,3,6,6,8,8-オクタメチル-2,3,6,7,8,10-ヘキサヒドロ-1H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基である。
9およびR15は水素原子であることが特に好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性、特にシンジオタクティシティーが向上するためである。
10およびR11はそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、飽和脂環式基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子、メチル基またはフェニル基であることが特に好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性の向上、融点の向上、および分子量の向上が見られるからである。
12およびR13はそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、飽和脂環式基またはアリール基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性の向上、融点の向上、および分子量の向上が見られるからである。
14は水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基またはハロゲン置換アリール基であることがより好ましく、メチル基、フェニル基、またはこれらの基が有する少なくとも1つの水素原子をハロゲン原子に置換してなるハロゲン置換基であることが特に好ましい。これは、メタロセン化合物の触媒構造が安定化し、当該触媒を用いて得られるオレフィン重合体の立体規則性の向上、融点の向上、および分子量の向上が見られるからである。
〈M、Q、nおよびjについて〉
Mは第4族遷移金属、すなわちTi、ZrまたはHfであり、好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。
Qはハロゲン原子(例:フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子である。
Qにおける炭化水素基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基が好ましい。炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1,2,2−テトラメチルプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,1,3−トリメチルブチル基、ネオペンチル基が例示され;炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基が例示される。炭化水素基の炭素数は、5以下であることがより好ましい。
炭素数10以下の中性の共役または非共役ジエンとしては、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエンが例示される。
アニオン配位子としては、メトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスルホネート基が例示される。
孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物;テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が例示される。
Qの好ましい態様は、ハロゲン原子または炭素数1〜5のアルキル基である。
nは1〜3の整数であり、好ましくは1または2であり、さらに好ましくは1である。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。
〈メタロセン化合物(A)の例示〉
以下、本発明のメタロセン化合物(A)の具体例を示すが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。なお、本発明においてメタロセン化合物(A)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
便宜上、メタロセン化合物のMQj(金属部分)を除いたリガンド構造を、シクロペンタジエニル誘導体部分とフルオレニル部分との2つに分け、フルオレニル部分をFluで表すと、シクロペンタジエニル誘導体部分は、以下の構造(i)(n=1)、構造(ii)(n=2)、構造(iii)(n=3)となる。
Figure 2014073983
2つの置換基が互いに結合してなる構造としては、以下の構造(i−1)(R11とR12とが互いに結合してシクロペンタン環を形成)、構造(i−2)(R11とR12とが互いに結合してシクロヘキサン環を形成)、構造(i−3)(R14とR15とが互いに結合してシクロペンタン環を形成)、構造(i−4)(R14とR15とが互いに結合してシクロヘキサン環を形成)、構造(ii−1)(R9とR10とが互いに結合してシクロペンタン環を形成)が例示される。
Figure 2014073983
メタロセン化合物のMQj(金属部分)を除いたリガンド構造を、シクロペンタジエニル誘導体部分(α)とフルオレニル部分(β)との2つに分け、それぞれの部分構造の具体例を表1〜2に、それらの組み合わせによるリガンド構造の具体例を表3に示す。
Figure 2014073983
Figure 2014073983
Figure 2014073983
上記表に従えば、No.64のリガンド構造はα7およびβ4の組合せを意味し、No.43のリガンド構造はα5およびβ3の組合せを意味し、No.48のリガンド構造はα5およびβ8の組合せを意味し、No.42のリガンド構造はα5およびβ2の組合せを意味し、金属部分のMQjがZrCl2の場合は、それぞれ下記メタロセン化合物を例示している。
Figure 2014073983
MQjの具体的な例示としては、ZrCl2、ZrBr2、ZrMe2、Zr(OTs)2、Zr(OMs)2、Zr(OTf)2、TiCl2、TiBr2、TiMe2、Ti(OTs)2、Ti(OMs)2、Ti(OTf)2、HfCl2、HfBr2、HfMe2、Hf(OTs)2、Hf(OMs)2、Hf(OTf)2などが挙げられる。Tsはp−トルエンスルホニル基、Msはメタンスルホニル基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を示す。
上記例示の化合物の「ジルコニウム」を「ハフニウム」や「チタニウム」に代えた化合物や、「ジクロリド」を「ジメチル」や「メチルエチル」に代えたメタロセン化合物なども同様に、本発明のメタロセン化合物(A)に含まれる。
〔メタロセン化合物(A)の製造方法〕
本発明のメタロセン化合物(A)は公知の方法によって製造可能であり、特に製造方法が限定されるわけではない。例えば、本発明のメタロセン化合物(A)は、ペンタレン化合物(A1)とフルオレン誘導体(A2)とを反応させて、メタロセン化合物(A)の前駆体化合物(A3)を得る工程(1)、および前駆体化合物(A3)から本発明のメタロセン化合物(A)を得る工程(2)によって製造可能である。
ペンタレン化合物(A1)は、従来公知の方法によって得ることができる(例えば、J. Org. Chem. 1989, 54, 4981-4982; J. Org. Chem. 1987, 52, 3250-3253; Angew. Chem. internal. Edit. 1970, 9, 892-893; J. Am. Chem. SOC. 1985, 107, 5308-5309; J. Org. Chem. 1990, 55, 4504-4506; Chemische Berichte, 1991, 124, 403-405; J. Org. Chem., 1989, 54, 4981-4982; Org. Let. 2011, 13, 5952-5955)。
フルオレン誘導体(A2)は、従来公知の方法によって得ることができる。
〈工程(1)〉
工程(1)では、下記反応式に示すように、ペンタレン化合物(A1)とフルオレン誘導体(A2)とを反応させて、メタロセン化合物(A)の前駆体化合物(A3)を得る。
Figure 2014073983
上記反応式中、R1〜R15、RHおよびnは、それぞれ一般式[I]中の同一記号と同義である。Lはアルカリ金属またはアルカリ土類金属である。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウムが挙げられる。
また、フルオレン誘導体(A2)、前駆体化合物(A3)は、シクロペンタジエニル環における二重結合の位置のみが異なる異性体の存在を考えることができ、上記反応ではそれらのうちの1種のみ例示してある。これらの化合物は、シクロペンタジエニル環における二重結合の位置のみが異なる他の異性体であってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。
ペンタレン化合物(A1)とフルオレン誘導体(A2)との反応は、A1に対するA2のモル当量比が好ましくは0.5〜1.5、さらに好ましくは0.7〜1.3、特に好ましくは0.8〜1.2で行う。また、反応温度は、好ましくは−100〜150℃、より好ましくは−78〜80℃である。
この反応で用いられる有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;またはこれらのうち2種以上を混合して得られる溶媒が挙げられる。
〈工程(2)〉
工程(2)では、前駆体化合物(A3)から本発明のメタロセン化合物(A)を得る。この例を以下に示す。これは、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明のメタロセン化合物(A)は、公知のいかなる方法で製造されてもよい。
(ジアルカリ金属塩の合成)
前駆体化合物(A3)と、アルカリ金属、水素化アルカリ金属、アルカリ金属アルコキシド、有機アルカリ金属または有機アルカリ土類金属とを、有機溶媒中で反応温度が−80℃〜200℃の範囲で接触させることで、ジアルカリ金属塩を得る。
上記反応で用いることのできるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ;水素化アルカリ金属としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどが挙げられ;アルカリ金属アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシドなどが挙げられ;有機アルカリ金属としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウムなどが挙げられ;有機アルカリ土類金属としては、メチルマグネシウムハライド、ブチルマグネシウムハライド、フェニルマグネシウムハライドなどが挙げられ;またはこれらのうち2種以上を併用してもよい。
上記反応で用いられる有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;またはこれらのうち2種以上を混合して得られる溶媒が挙げられる。
前駆体化合物(A3)と上記金属成分との反応は、A3に対する上記金属成分のモル当量比が好ましくは1〜20、さらに好ましくは1.5〜4、特に好ましくは1.8〜2.5で行う。また、反応温度は、好ましくは−100〜150℃、より好ましくは−78〜80℃である。
(遷移金属化合物の合成)
上記反応で得られたジアルカリ金属塩と、一般式(A4)で表される化合物とを、有機溶媒中で反応させることで、本発明のメタロセン化合物(A)を合成する。
MZk …(A4)
式(A4)中、Mは第4族遷移金属であり、複数あるZはそれぞれ独立にハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、kは3〜6の整数である。MおよびZとして列挙される原子または基等は、一般式[I]の欄にて説明したMおよびQとそれぞれ同様である。
化合物(A4)としては、例えば、三価または四価のチタニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物;四価のジルコニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物;四価のハフニウムフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物;またはこれらとテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンまたは1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類との錯体が挙げられる。上記反応で用いられる有機溶媒としては、〈ジアルカリ金属塩の合成〉の欄に記載した有機溶媒が挙げられる。
ジアルカリ金属塩と化合物(A4)との反応は、ジアルカリ金属塩に対するA4のモル当量比が好ましくは0.7〜2.0、より好ましくは0.8〜1.5、さらに好ましくは0.9〜1.2で行う。反応温度は、好ましくは−80〜200℃、より好ましくは−75〜120℃の範囲である。
上記反応で得られたメタロセン化合物(A)に対しては、抽出、再結晶、昇華等の方法により、単離・精製を行うことができる。このような方法で得られる本発明のメタロセン化合物(A)は、プロトン核磁気共鳴スペクトル、13C−核磁気共鳴スペクトル、質量分析、および元素分析等の分析手法を用いることによって同定される。
〔オレフィン重合用触媒〕
本発明のオレフィン重合用触媒は、上述したメタロセン化合物(A)と、(B)(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(b−2)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および(b−3)有機アルミニウム化合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含む。また、担体(C)や有機化合物成分(D)を任意成分として含んでいてもよい。
〈化合物(B)〉
本発明では、オレフィン重合用触媒の成分として、化合物(B)が用いられる。化合物(B)は、(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、(b−2)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および(b−3)有機アルミニウム化合物から選択される少なくとも1種である。これらの中では、有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)が好ましい。
(有機アルミニウムオキシ化合物(b−1))
有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)としては、一般式[B1]で表される化合物および一般式[B2]で表される化合物等の従来公知のアルミノキサン、一般式[B3]で表される構造を有する修飾メチルアルミノキサン、一般式[B4]で表されるボロン含有有機アルミニウムオキシ化合物が例示される。
Figure 2014073983
式[B1]および[B2]において、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、好ましくはメチル基であり、nは2以上、好ましくは3以上、より好ましくは10以上の整数である。本発明では、式[B1]および[B2]において、Rがメチル基であるメチルアルミノキサンが好適に使用される。
Figure 2014073983
式[B3]において、Rは炭素数2〜10の炭化水素基であり、mおよびnはそれぞれ独立に2以上の整数である。複数あるRは相互に同一でも異なっていてもよい。
修飾メチルアルミノキサン[B3]は、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムとを用いて調製することができる。このような修飾メチルアルミノキサン[B3]は、一般にMMAO(modified methyl aluminoxane)と呼ばれている。MMAOは、具体的にはUS4960878およびUS5041584で挙げられている方法で調製することが出来る。
また、東ソー・ファインケム社などからも、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとを用いて調製された(すなわち、一般式[B3]においてRがイソブチル基である)修飾メチルアルミノキサンが、MMAOやTMAOといった名称で商業的に生産されている。
MMAOは各種溶媒への溶解性および保存安定性が改善されたアルミノキサンである。具体的には一般式[B1]または[B2]で表される化合物等のようなベンゼンに対して不溶性または難溶性の化合物とは異なり、MMAOは脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素および芳香族炭化水素に溶解するものである。
Figure 2014073983
式[B4]において、Rcは炭素数1〜10の炭化水素基である。複数あるRdはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜10の炭化水素基である。
本発明では、後述するような高温においてもオレフィン重合体を製造することができる。したがって、本発明の特徴の一つに、特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性または難溶性の有機アルミニウムオキシ化合物をも使用できることが挙げられる。また、特開平2−167305号公報に記載されている有機アルミニウムオキシ化合物、特開平2−24701号公報、特開平3−103407号公報に記載されている2種以上のアルキル基を有するアルミノキサンなども好適に使用できる。
なお、上記「ベンゼン不溶性または難溶性の」有機アルミニウムオキシ化合物とは、60℃のベンゼンに溶解する当該化合物の溶解量が、Al原子換算で通常は10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下である、ベンゼンに対して不溶性または難溶性である有機アルミニウムオキシ化合物をいう。
本発明において、上記例示の有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(b−2))
メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(b−2)(以下「イオン性化合物(b−2)」ともいう。)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、特開2004−51676号公報、USP5321106号などに記載された、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物が例示される。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も例示される。これらの中では、イオン性化合物(b−2)としては、一般式[B5]で表される化合物が好ましい。
Figure 2014073983
式[B5]において、Re+としては、H+、オキソニウムカチオン、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンが例示される。Rf、Rg、RhおよびRiはそれぞれ独立に有機基、好ましくはアリール基、ハロゲン置換アリール基を示す。
上記カルベニウムカチオンとしては、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオン等の三置換カルベニウムカチオンが例示される。
上記アンモニウムカチオンとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオンが例示される。
上記ホスホニウムカチオンとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオンが例示される。
e+としては、上記例示の中では、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンが好ましく、トリフェニルカルベニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが特に好ましい。
1.R e+ がカルベニウムカチオンの場合(カルベニウム塩)
カルベニウム塩としては、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが例示される。
2.R e+ がアンモニウムカチオンの場合(アンモニウム塩)
アンモニウム塩としては、トリアルキルアンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩が例示される。
トリアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムが例示される。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩としては、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが例示される。
ジアルキルアンモニウム塩としては、具体的には、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートが例示される。
イオン性化合物(b−2)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
(有機アルミニウム化合物(b−3))
有機アルミニウム化合物(b−3)としては、一般式[B6]で表される有機アルミニウム化合物、一般式[B7]で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物が例示される。
a mAl(ORbnpq …[B6]
式[B6]において、RaおよびRbはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。
2AlRa 4 …[B7]
式[B7]において、M2はLi、NaまたはKであり、複数あるRaはそれぞれ独立に炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基である。
有機アルミニウム化合物[B6]としては、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のトリn−アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウム等のトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウム等のトリアリールアルミニウム;
ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;
一般式(i−C49xAly(C510z(式中、x、yおよびzは正の数であり、z≦2xである。)などで表されるイソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド等のアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
一般式Ra 2.5Al(ORb0.5(式中、RaおよびRbは式[B6]中のRaおよびRbと同義である。)で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノキシド)等のアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド等のアルキルアルミニウムジハライド等の部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリド等の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミド等の部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
が例示される。
錯アルキル化物[B7]としては、LiAl(C254、LiAl(C7154が例示される。また、錯アルキル化物[B7]に類似する化合物も使用することができ、窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物が例示される。このような化合物としては、(C252AlN(C25)Al(C252が例示される。
有機アルミニウム化合物(b−3)としては、入手が容易な点から、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、有機アルミニウム化合物(b−3)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
〈担体(C)〉
本発明では、オレフィン重合用触媒の成分として、担体(C)を用いてもよい。担体(C)は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
(無機化合物)
上記無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土鉱物、粘土(通常は該粘土鉱物を主成分として構成される。)、イオン交換性層状化合物(大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。)が例示される。
上記多孔質酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2;これらの酸化物を含む複合物または混合物が例示される。前記複合物または混合物としては、天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOが例示される。これらの中では、SiO2およびAl23の何れか一方または双方の成分を主成分とする多孔質酸化物が好ましい。
上記多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、粒径が好ましくは10〜300μm、より好ましくは20〜200μmの範囲にあり;比表面積が好ましくは50〜1000m2/g、より好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり;細孔容積が好ましくは0.3〜3.0cm3/gの範囲にある。このような多孔質酸化物は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
上記無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2が例示される。上記無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコール等の溶媒に上記無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させた成分を用いることもできる。
上記粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。なお、上記イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有されるイオンが交換可能な化合物である。
具体的には、上記粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、合成雲母等のウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ヘクトライト、テニオライト、ハロイサイトが例示され;イオン交換性層状化合物としては、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物が例示される。具体的には、イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2O等の多価金属の結晶性酸性塩が例示される。
上記粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理としては、具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理が例示される。
また、上記イオン交換性層状化合物は、そのイオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した層状化合物としてもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常はピラーと呼ばれる。例えば、層状化合物の層間に下記金属水酸化物イオンをインターカレーションした後に加熱脱水することにより、層間に酸化物支柱(ピラー)を形成することができる。なお、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。
インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4等の陽イオン性無機化合物;Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基など);[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+等の金属水酸化物イオンが例示される。これらのゲスト化合物は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、上記ゲスト化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4等の金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)を加水分解および重縮合して得た重合物、SiO2等のコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。
上記無機化合物の中では、粘土鉱物および粘土が好ましく、モンモリロナイト群、バーミキュライト、ヘクトライト、テニオライトおよび合成雲母が特に好ましい。
(有機化合物)
上記有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状または微粒子状の固体が例示される。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜14のα−オレフィンを主成分として合成される(共)重合体;ビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として合成される(共)重合体;これら(共)重合体の変成体が例示される。
〈有機化合物成分(D)〉
本発明では、オレフィン重合用触媒の成分として、有機化合物成分(D)を用いてもよい。有機化合物成分(D)は、必要に応じて、α−オレフィンの重合反応における重合性能およびオレフィン重合体の物性を向上させる目的で使用される。有機化合物成分(D)としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物、スルホン酸塩が例示される。
〔オレフィン重合体の製造方法〕
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、上述したオレフィン重合用触媒の存在下に、炭素数2以上のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合する工程を有する。
〈α−オレフィン〉
本発明のオレフィン重合体の製造方法において、当該オレフィン重合体の原料として、炭素数2以上のα−オレフィンが用いられる。前記α−オレフィンは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
α−オレフィンは、炭素数が2以上、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10である。また、直鎖状または分岐状のα−オレフィンであることが好ましい。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンが例示される。これらの中では、プロピレンが特に好ましい。
本発明では、オレフィン重合体の原料として、α−オレフィンとともに、
炭素数3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン;
極性モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等のα,β−不飽和カルボン酸;前記α,β−不飽和カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−n−ブチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和グリシジル;
などを用いてもよい。
また、ビニルシクロヘキサン、ジエン、ポリエン;芳香族ビニル化合物、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−n−ブチルスチレン、m−n−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン等のモノまたはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン等の官能基含有スチレン誘導体;3−フェニルプロピレン、4−フェニルプロピレン、α−メチルスチレン;などを反応系に共存させて重合を進めることもできる。
本発明の好ましい実施態様では、α−オレフィンの少なくとも一部にプロピレンを用いる。例えば、α−オレフィン100モル%に対して、プロピレンの使用割合は60〜100モル%であることが好ましく、70〜100モル%であることがより好ましい。
〈オレフィン重合体の製造条件〉
本発明のオレフィン重合体の製造方法において、重合温度は、通常−50℃以上、好ましくは0℃以上、より好ましくは40℃以上である。重合温度の上限は特に限定されないが、例えば200℃である。また、重合圧力は、通常は常圧〜10MPa−G(ゲージ圧)、好ましくは常圧〜5MPa−Gの範囲にある。上記モノマーの少なくとも一部がプロピレンである場合、生産性の観点から、重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜150℃であることが特に好ましい。
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、工業的製法において有利な高温条件下であっても、高い触媒活性を維持しつつ、高い融点および分子量を有するオレフィン重合体を製造することが可能である。このような高温条件下では、重合温度は、通常40℃以上、好ましくは40〜200℃、より好ましくは45〜150℃、特に好ましくは50〜150℃(換言すれば、特に好ましくは工業化可能な温度である。)である。
また、重合反応は、回分式、半連続式および連続式の何れの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
オレフィン重合体の融点は、重合反応系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。また、オレフィン重合体の分子量は、重合反応系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、オレフィン重合体の分子量は、オレフィン重合用触媒の成分として用いられる化合物(B)の量により調節することもできる。水素を添加する場合、その量はα−オレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
本発明のオレフィン重合体の製造方法において、重合の際には、メタロセン化合物(A)および化合物(B)等のオレフィン重合用触媒の各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)メタロセン化合物(A)および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法;(2)メタロセン化合物(A)を担体(C)に担持させた触媒成分、および化合物(B)を任意の順序で重合器に添加する方法;(3)化合物(B)を担体(C)に担持させた触媒成分、およびメタロセン化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法;(4)メタロセン化合物(A)と化合物(B)とを担体(C)に担持させた触媒成分を重合器に添加する方法。
上記(1)〜(4)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2つは予め接触されていてもよい。化合物(B)が担体(C)に担持されている上記(3)、(4)の各方法においては、必要に応じて担持されていない化合物(B)を、任意の順序で重合器に添加してもよい。この場合、担体(C)に担持されている化合物(B)と担持されていない化合物(B)とは、同一でも異なっていてもよい。
また、担体(C)にメタロセン化合物(A)が担持された固体触媒成分、担体(C)にメタロセン化合物(A)および化合物(B)が担持された固体触媒成分には、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに触媒成分が担持されていてもよい。
本発明において、「オレフィン重合用触媒の存在下でモノマーを重合する」とは、上記(1)〜(4)の各方法のように、任意の方法でオレフィン重合用触媒の各成分を重合器に添加してモノマーを重合する態様を包含する。
本発明のオレフィン重合体の製造方法では、上記オレフィン重合用触媒の存在下に、1種または2種以上の上記α−オレフィンを単独重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。本発明では、重合は、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法;気相重合法の何れにおいても実施できる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素溶媒としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が例示される。また、これらの不活性炭化水素溶媒は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、オレフィン重合体の原料として用いられるα−オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
〈オレフィン重合用触媒の構成〉
本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重合を行うに際して、オレフィン重合用触媒を構成しうる各成分の使用量は以下のとおりである。また、本発明のオレフィン重合用触媒において、各成分の含有量を以下のとおりに設定することができる。
(1)オレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、メタロセン化合物(A)は、反応容積1リットル当り、通常は10-9〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルとなるような量で用いられる。
(2)オレフィン重合用触媒の成分として有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)を用いる場合には、化合物(b−1)は、化合物(b−1)中のアルミニウム原子(Al)とメタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔Al/M〕が、通常は0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。
(3)オレフィン重合用触媒の成分としてイオン性化合物(b−2)を用いる場合には、化合物(b−2)は、化合物(b−2)とメタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−2)/M〕が、通常は1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
(4)オレフィン重合用触媒の成分として有機アルミニウム化合物(b−3)を用いる場合には、化合物(b−3)は、化合物(b−3)とメタロセン化合物(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−3)/M〕が、通常は10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。
(5)オレフィン重合用触媒の成分として有機化合物成分(D)を用いる場合には、化合物(B)が有機アルミニウムオキシ化合物(b−1)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−1)とのモル比〔(D)/(b−1)〕が、通常は0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で;化合物(B)がイオン性化合物(b−2)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−2)とのモル比〔(D)/(b−2)〕が、通常は0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で;化合物(B)が有機アルミニウム化合物(b−3)であるときは、有機化合物成分(D)と化合物(b−3)とのモル比〔(D)/(b−3)〕が、通常は0.01〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で用いられる。
〔オレフィン重合体〕
本発明によれば、プロピレン等のオレフィンを重合する場合に、低い重合温度条件においてのみならず高い重合温度条件においても、高い融点および分子量を有するオレフィン重合体を製造することができる。
以下では、モノマーの少なくとも一部にプロピレンを用いて得られたプロピレン重合体、例えば、プロピレン単独重合体またはプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体の場合(上記モノマーの少なくとも一部がプロピレンである場合)の物性を説明する。ここで、プロピレン由来の構成単位は、プロピレン由来の構成単位とプロピレン以外のα−オレフィン由来の構成単位との合計含有量を100モル%とすると、好ましくは3〜100モル%、より好ましくは51〜100モル%である。
プロピレン重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)は、通常は90,000以上、好ましくは95,000〜1,000,000、より好ましくは100,000〜1,000,000である。上記プロピレン重合体のMWD(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、通常は1〜3、好ましくは1〜2.9、より好ましくは1〜2.8である。
プロピレン重合体の極限粘度[η]は、好ましくは1.20dl/g以上、より好ましくは1.25dl/g以上、さらに好ましくは1.35dl/g以上である。極限粘度[η]の上限は、通常は10dl/g程度である。
重量平均分子量(Mw)や分子量の指標である極限粘度[η]が上記範囲にあるプロピレン重合体は、溶融押出時の安定性に優れる。
プロピレン重合体のDSCにより求められる融点(Tm)は、通常は120℃以上、好ましくは125〜170℃、より好ましくは130〜170℃である。融点(Tm)が前記範囲にあるプロピレン重合体は、成型加工性に優れる。なお、DSC測定において結晶融解ピークが複数観測された場合には、高温側ピークのピーク頂点から融点(Tm)を求める。
プロピレン重合体のDSCにより求められる結晶化温度(Tc)は、通常は70℃以上、より好ましくは75〜150℃、より好ましくは80〜130℃である。結晶化温度(Tc)が前記範囲にあるプロピレン重合体は、成型加工性に優れる。
なお、本発明において、オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、極限粘度[η]、融点(Tm)および結晶化温度(Tc)は、実施例に記載の条件において測定される値である。
一般的にオレフィン重合時の重合温度を上げると、オレフィン重合体の融点および分子量は低下する。本発明のオレフィン重合用触媒によれば、工業化可能な温度においても、(i)融点(Tm)が130℃以上であり、(ii)重量平均分子量(Mw)が100,000以上であり、(iii)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5未満であるプロピレン重合体を製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。最初に、オレフィン重合体の物性・性状を測定する方法について述べる。
〔融点(Tm)、結晶化温度(Tc)〕
オレフィン重合体の融点(Tm)あるいは結晶化温度(Tc)は、パーキンエルマー社製DSC Pyris1またはDSC7を用い、以下のようにして測定した。
窒素雰囲気下(20mL/min)、試料(約5mg)を(1)230℃まで昇温して230℃で10分間保持し、(2)10℃/分で30℃まで冷却して30℃で1分間保持した後、(3)10℃/分で230℃まで昇温させた。前記(3)の昇温過程における結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(Tm)を、前記(2)の降温過程における結晶化ピークのピーク頂点から結晶化温度(Tc)を算出した。
なお、実施例および比較例に記載したオレフィン重合体において、二本の結晶溶融ピークが観測された場合には、低温側ピークをTm1、高温側ピークをTm2としたときに、Tm2をオレフィン重合体の融点(Tm)と定義した。
〔極限粘度[η]〕
オレフィン重合体の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち、オレフィン重合体の造粒ペレット(約20mg)をデカリン溶媒(15mL)に溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒(5mL)を追加して希釈した後、前記と同様に比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、オレフィン重合体の濃度(C)を0に外挿したときのηsp/Cの値をオレフィン重合体の極限粘度[η]とした。
極限粘度[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
〔重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)〕
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC-2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムはTSKgel GNH6-HT:2本およびTSKgel GNH6-HTL:2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)と酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%とを用い、前記移動相は1.0mL/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。分子量分布および各種平均分子量は、汎用校正の手順に従い、ポリプロピレン分子量換算として計算した。
〔目的物の同定〕
合成例で得られた化合物の構造は、270MHz 1H−NMR(日本電子GSH−270)、FD−MS(日本電子SX−102A)およびGC−MS(島津MS−QP5050)を用いて決定した。
〔比較例で用いたメタロセン化合物〕
比較例で用いたメタロセン化合物(触媒(x):ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、触媒(y):ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド)は、以下の特許公報に記載された方法で合成した。
特開2000−212194号公報、特開2004−168744号公報、特開2004−189666号公報、特開2004−161957号公報、特開2007−302854号公報、特開2007−302853号公報、国際公開第2001/027124号パンフレット。
〈メタロセン化合物の製造〉
[実施例1A]触媒(a):[3,6−ジtert−ブチル−9−(1−メチル−3−フェニル−1,2,2−トリヒドロペンタレニル)−2,7−ジフェニルフルオレニル]ジルコニウムジクロリドの合成
Figure 2014073983
[1−1]1−フェニル−3−メチル−1,2−ジヒドロペンタレンの合成
Figure 2014073983
窒素雰囲気下、シクロペンタジエン6.61g(100mmol)、ピロリジン20ml、1−(シクロペンタ−2,4−ジエニリデンメチル)ベンゼン14.6g(100mmol)を挿入し、20℃で2時間攪拌し、目的物を得た。反応溶液を水、ジエチルエーテルで抽出し、水で洗浄後、濃縮し、減圧蒸留することにより、表題化合物を得た。収量6.14g、収率31%。
GC−MS:m/Z=194(M+).
[1−2]3,6−ジtert−ブチル−2,7−ジフェニル−9−(1−フェニル−3−メチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレンの合成
Figure 2014073983
窒素雰囲気下、3,6−ジtert−ブチル−2,7−ジフェニル−9H−フルオレン4.3g(10mmol)、THF1ml、トルエン150mlを装入した。−20℃に冷却後、1.65Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液6.6ml(11mmol)を滴下した。室温で20時間攪拌し,再び−20℃に冷却し、1−フェニル−3−メチル−1,2−ジヒドロペンタレン2.3g(12mmol)を加えた後、徐々に室温に戻し、20時間攪拌した。反応溶液を0.1N塩酸100mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン100mlで抽出した。得られた有機層をあわせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をメタノールで洗浄することにより、表題化合物を乳白色粉末として得た。収量1.0g、収率16%。
FD−MS:m/Z=624(M+).
[1−3]触媒(a)の合成
窒素雰囲気下、30mlシュレンク管に3,6−ジtert−ブチル−2,7−ジフェニル−9−(1−フェニル−3−メチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレン624mg(1mmol)、ジエチルエーテル30mlを装入した。−10℃に冷却後、1.65Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液1.28ml(2.1mmol)を滴下した。室温に戻し、20時間攪拌した後、再び−65℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.22g(0.95mmol)を加え、徐々に室温に戻し、24時間反応させた。溶媒を留去し、塩化メチレンで可溶分を抽出した。溶液を濃縮後ヘキサンで再結晶し、固体をろ別後、減圧乾燥することにより、目的物を得た。収量0.39g、収率50%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 8.15(d,2H),7.50(s,1H),7.40−7.0(mb,16H),6.08(m,2H),5.30(t,1H),3.78(d,1H),2.5−1.25(m,23H)
FD−MS:m/Z=782(M+).
[実施例2A]触媒(b):[3,6−ジtert−ブチル−9−(1,3,3−トリメチル−2,2−ジヒドロペンタレニル)−2,7−ジフェニルフルオレニル]ジルコニウムジクロリドの合成
Figure 2014073983
[2−1]1,1,3−トリメチル−1,2−ジヒドロペンタレンの合成
Figure 2014073983
窒素雰囲気下、300ml三口フラスコにアセトン120ml、ピロリジン140mlを装入し、25℃で1時間攪拌した。−10℃に冷却後、シクロペンタジエン50g(756mmol)を加え、室温で22時間攪拌した。反応溶液に酢酸水溶液を加えた後、有機層を分離し、水で洗浄後、濃縮し、減圧蒸留することにより、表題化合物を得た。収量34g、収率31%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 6.75(s,1H),6.05(d,1H),5.75(s,1H),2.9(s,2H),2.15(s,3H),1.25(s,6H).
[2−2]3,6−ジtert−ブチル−2,7−ジフェニル−9−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレンの合成
Figure 2014073983
窒素雰囲気下、200ml三口フラスコに2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチル−フルオレン3.0g(7.0mmol)、テトラヒドロフラン100mlを装入した。−20℃に冷却後、1.65Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液4.4ml(7.3mmol)を滴下した。室温で20時間攪拌し、再び−20℃に冷却し、1,1,3−トリメチル−1,2−ジヒドロペンタレン1.1g(7.7mmol)を加えた後、徐々に室温に戻し、20時間攪拌した。反応溶液を0.1N塩酸100mlに注いだ。有機層を分離し、水層をヘキサン100mlで抽出した。得られた有機層をあわせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回、水で2回、飽和食塩水で1回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた固体をメタノールで洗浄することにより、表題化合物を乳白色粉末として得た。収量3.2g、収率80%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.91(m,3H),7.0−7.5(b,11H),6−0−6.4(s,3H),3.91(s,1H),2.5−2.8(s,2H),1.5−1.7(s,6H),1.2−1.3(s,18H),0.4(s,3H).
FD−MS:m/Z=576(M+).
[2−3]触媒(b)の合成
窒素雰囲気下、30mlシュレンク管に3,6−ジtert−ブチル−2,7−ジフェニル−9−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレン1.00g(1.7mmol)、ジエチルエーテル20mlを装入した。−10℃に冷却後、1.65Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液2.1ml(3.55mmol)を滴下した。室温に戻し、20時間攪拌した後、再び−65℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.40g(1.7mmol)を加え、徐々に室温に戻し、24時間反応させた。溶媒を留去し、塩化メチレンで可溶分を抽出した。溶液を濃縮後ヘキサンで再結晶し、固体をろ別後、減圧乾燥することにより、目的物を得た。収量0.39g,収率31%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 8.15(d,2H),7.50(s,1H),7.40−7.0(mb,11H),6.08(m,2H),5.30(t,1H),3.78(d,1H),2.47(d,1H),2.11(s,3H),1.25(d,24H).
FD−MS:m/Z=737(M+).
[実施例3A]触媒(c):[3,6−ジtert−ブチル−9−(1,3,3−トリメチル−2,2−ジヒドロペンタレニル)−フルオレニル]ジルコニウムジクロリドの合成
Figure 2014073983
[3−1]3,6−ジtert−ブチル−9−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレンの合成
Figure 2014073983
3,6−ジtert−ブチルフルオレン3.5g(12.6mmol)のエーテル溶液70mLを氷冷し、1.63Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液8.2mL(13.4mmol)を滴下した後、徐々に室温に昇温しながら3時間撹拌した。この溶液を−15℃に冷却し、1,1,3−トリメチル−1,2−ジヒドロペンタレン1.3g(8.9mmol)のヘキサン溶液10mLをゆっくりと加えた。反応液を室温に昇温し、終夜撹拌を行った後、塩化アンモニウム水溶液を加えた。有機層をイソプロピルエーテルで抽出し、水洗後、得られた組成物をカラムクロマトおよび貧溶媒洗浄(MeOH)で精製することにより、表題化合物を得た。収量1.9g、収率50%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.73(d,2H,J=13.2Hz),7.56(d,1H,J=7.9Hz),7.27−6.33(m,6H),3.94(s,1H),2.73(s,1H),1.67(s,3H),1.41(s,9H),1.35(s,9H),1.3−1.1(m,3H),0.98(s,3H),0.30(s,3H).
FD−MS:m/Z=424(M+).
[3−2]触媒(c)の合成
実施例2Aの[2−3]において、配位子を3,6−ジtert−ブチル−9−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレン0.424g(1.0mmol)に代えたこと以外は[2−3]と同様に行い、目的物を得た。収量50mg、収率8.6%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.66−7.20(m,6H),7.56(d,1H),7.27−6.33(m,5H),6.46−5.88(m,4H),1.84(s,3H),1.55−1.12(m).
FD−MS:m/Z=582(M+).
[実施例4A]触媒(d):[1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−12−(1,3,3−トリメチル−2,2−ジヒドロペンタレニル)−2,3,4,7,8,9,10,12−オクタヒドロ−1H−ジベンゾ[b,h]フルオレニル]ジルコニウムジクロリドの合成
Figure 2014073983
[4−1]1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−12−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−2,3,4,7,8,9,10,12−オクタヒドロ−1H−ジベンゾ[b,h]フルオレンの合成
Figure 2014073983
実施例2Aの[2−2]において、2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチル−フルオレン3.0g(7.0mmol)を1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−2,3,4,7,8,9,10,12−オクタヒドロ−1H−ジベンゾ[b,h]フルオレン3.0g(7.8mmol)に代え、1,1,3−トリメチル−1,2−ジヒドロペンタレンの使用量を1.3g(8.5mmol)に代えたこと以外は[2−2]と同様に行い、表題化合物を乳白色粉末として得た。収量3.1g、収率74%。
1H−NMR:複数の異性体の混合物であった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.50−7.6(m,4H),6.0−7.0(s,m,3H),3.8−.39(s,1H),2.7−3.1(s,2H),2.6−2.8(m,8H),1.55(s,6H),1.3−1.4(s,24H),0.3(s,3H).
FD−MS:m/Z=533(M+).
[4−2]触媒(d)の合成
実施例2Aの[2−3]において、配位子を1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−12−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−2,3,4,7,8,9,10,12−オクタヒドロ−1H−ジベンゾ[b,h]フルオレン1.03g(1.93mmol)に代えたこと以外は[2−3]と同様に行い、目的物を得た。収量120mg、収率9.2%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.95(d,2H),7.75(s,1H),7.51(s,1H),6.02(m,1H),5.95(t,1H),5.31(t,1H),3.90(d,1H),2.50(d,1H),2.26(s,3H),1.6−1.8(b,8H),1.1−1.4(m,30H).
FD−MS:m/Z=693(M+).
[実施例5A]触媒(e):[3,6−ジtert−ブチル−9−(3−メチル−1,3−ジフェニル−2,2−ジヒドロペンタレニル)−フルオレニル]ジルコニウムジクロリドの合成
Figure 2014073983
[5−1]1−メチル−1,3−ジフェニル−1,2−ジヒドロペンタレンの合成
Figure 2014073983
窒素雰囲気下、100ml三口フラスコにシクロペンタジエニルリチウム3.0g(41.1mmol)、テトラヒドロフラン50mlを挿入した。−20℃に冷却後、1,3−ジフェニル−2−ブテン−1−オン7.6g(34.2mmol)を装入し、徐々に室温に戻し、24時間攪拌した。反応溶液を水で洗浄後、有機層を分離し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで分離することにより、表題化合物を得た。収量3.9g、収率43%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.55(dd,2H),7.45(dd,2H),7.20(m,2H),7.05(m,4H),6.91(dd,1H),6.55(d,1H),5.95(d,1H),3.2−3.6(dd,2H),1.60(s,3H).
[5−2]3,6−ジtert−ブチル−9−(3−メチル−1,3−ジフェニル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレンの合成
Figure 2014073983
実施例2Aの[2−2]において、2,7−ジフェニル−3,6−ジtert−ブチル−フルオレン3.0g(7.0mmol)フルオレンを3,6−ジtert−ブチル−フルオレン1.50g(5.3mmol)に代え、1,1,3−トリメチル−1,2−ジヒドロペンタレン1.1g(7.7mmol)を1−メチル−1,3−ジフェニル−1,2−ジヒドロペンタレン1.42g(5.3mmol)に代えたこと以外は[2−2]と同様に行い、表題化合物を白色粉末として得た。収量2.5g、収率84%。
1H−NMR:複数の異性体の混合物であった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 8.10(dd,1H),7.90(s,d,1H),7.50−7.4(m,1H),6.7−7.4(m,14H),6.2−6.4(m,2H),4.7−4.8(s,d,1H),2.0−3.2(m,3H),0.4−1.4(m,22H).
FD−MS:m/Z=549(M+).
[5−3]触媒(e)の合成
実施例2Aの[2−3]において、配位子を3,6−ジtert−ブチル−9−(3−メチル−1,3−ジフェニル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレン0.954g(1.73mmol)に代えたこと以外は[2−3]と同様に行い、目的物を得た。収量80mg、収率6.5%。
1H−NMR:複数の異性体の混合物であった。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 6.2−8.1(m,18H),5.3−5.5(dd,1H),4.4−4.7(d,1H),3.2−3.4(d,1H),1.7−1.9(s,3H),1.2−1.5(s,18H).
FD−MS:m/Z=708(M+).
[実施例6A]触媒(f):[2,7−ジtert−ブチル−9−(1,3,3−トリメチル−2,2−ジヒドロペンタレニル)−フルオレニル]ジルコニウムジクロリドの合成
Figure 2014073983
[6−1]2,7−ジtert−ブチル−9−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレンの合成
Figure 2014073983
2,7−ジtert−ブチルフルオレン5.9g(21.2mmol)のTHF溶液60mLを−40℃に冷却し、1.63Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液13.1mL(21.4mmol)を滴下した後、徐々に室温に昇温しながら3時間撹拌した。この溶液を氷冷し、1,1,3−トリメチル−1,2−ジヒドロペンタレン2.5g(17.1mmol)のペンタン溶液10mLをゆっくりと加えた。反応液を室温に昇温し、終夜撹拌を行った後、塩化アンモニウム水溶液を加えた。有機層をイソプロピルエーテルで抽出し、水洗後、得られた組成物をカラムクロマトおよび貧溶媒洗浄(MeOH)で精製することにより、表題化合物を得た。収量4.9g、収率68%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.66−7.55(m,3H),7.39−7.25(m,3H),6.98−5.74(m,3H),3.98(d,1H,J=9.6Hz),2.71(s,1H),1.75−0.88(m,1H),1.3−1.1(m,25H),0.27−0.24(m,3H).
FD−MS:m/Z=424(M+).
[6−2]触媒(f)の合成
実施例3Aの[3−2]において、配位子を2,7−ジtert−ブチル−9−(1,3,3−トリメチル−1,2,3,6a−テトラヒドロペンタレン−1−イル)−9H−フルオレン0.42g(1.0mmol)に代えたこと以外は[3−2]と同様に行い、目的物を得た。収量0.19g、収率5%。
1H−NMR(270MHz,CDCl3,TMS基準):δ 7.66−7.20(m,6H),7.56(d,1H),7.27−6.33(m,5H),6.46−5.88(m,4H),1.84(s,3H),1.55−1.12(m).
FD−MS:m/Z=582(M+).
(オレフィン重合体の製造〉
[実施例1B]
充分に窒素置換した内容積15mLのSUS製オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液0.4mL(0.05M、20μmol)、重合溶媒としてシクロヘキサンとヘキサンとをシクロヘキサン:ヘキサン=9:1(体積比)で混合した溶媒2.7mLを入れ、600回転/分で攪拌を行った。この溶液を50℃に昇温し、次いでプロピレンで全圧が0.7MPaになるまで加圧した。
窒素雰囲気下、シュレンク管にメタロセン化合物として触媒(a)4.0mg(分子量789.04g/mol)を加え、脱水トルエン4.3mLに溶解させた後、修飾メチルアルミノキサン(商品名「PMAO」;東ソー・ファインケム製)の溶液0.83mL(トルエン溶媒、アルミニウム原子換算で1.53M、1.27mmol)を攪拌しながら室温で加え、0.00099Mの触媒溶液を調製した。
室温下30分の触媒溶液保持時間後、上記オートクレーブに上記触媒溶液0.2mL(0.00099M、0.20μmol)、および重合溶媒としてシクロヘキサンとヘキサンとをシクロヘキサン:ヘキサン=9:1(体積比)で混合した溶媒0.7mLを加え、重合を開始した。65℃で10分間重合した後、少量のイソブチルアルコールを加えて重合を停止した。得られたポリマーにメタノール50mL、少量の塩酸水溶液を加え、室温にて1時間攪拌を行った。その後、ポリマーをろ過して減圧乾燥し、シンジオタクチックポリプロピレン0.06gを得た。
重合活性は1.7kg−PP/mmol−Zr・hrであった。得られたポリマーの[η]は1.48dl/g、重量平均分子量(Mw)は127,000、数平均分子量(Mn)は59,400、分子量分布(Mw/Mn)は2.13、結晶化温度(Tc)は99.0℃、融点(Tm1、Tm2)はそれぞれ140.0℃、147.8℃であった。
[実施例2B〜15B、比較例1B〜2B]
実施例1Bにおいて、使用したメタロセン化合物およびその添加量、修飾メチルアルミノキサンの種類、重合溶媒の種類、重合温度および重合時間を表4に記載のとおりに変更したこと以外は実施例1Bと同様に行った。結果を表4に示す。表4中の「混合」とは、シクロヘキサンとヘキサンとをシクロヘキサン:ヘキサン=9:1(体積比)で混合した溶媒を指す。
Figure 2014073983
Figure 2014073983

Claims (13)

  1. 一般式[I]で表されるメタロセン化合物。
    Figure 2014073983
    [式[I]中、RHは水素原子であり、R1〜R15はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有炭化水素基、窒素含有基、酸素含有基またはケイ素含有基であり、R1〜R15までの置換基のうち、2つの置換基が互いに結合して環を形成していてもよく、nは1〜3の整数であり、Mは第4族遷移金属であり、Qはハロゲン原子、炭化水素基、炭素数10以下の中性の共役もしくは非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、jは1〜4の整数であり、jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。]
  2. 一般式[I]において、R9およびR15が水素原子である請求項1に記載のメタロセン化合物。
  3. 一般式[I]において、R1、R4、R5およびR8が水素原子である請求項1または2に記載のメタロセン化合物。
  4. 一般式[I]において、R2およびR7がそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
  5. 一般式[I]において、R3およびR6がそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基またはハロゲン含有炭化水素基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
  6. 一般式[I]において、R2、R3、R6およびR7が炭化水素基であるか、またはR2とR3が互いに結合して環を形成し、かつR6とR7が互いに結合して環を形成している請求項1〜5のいずれか一項に記載のメタロセン化合物。
  7. 一般式[I]において、nが1である請求項1〜6のいずれか1項に記載のメタロセン化合物。
  8. (A)請求項1〜7のいずれか1項に記載のメタロセン化合物と、
    (B)(b−1)有機アルミニウムオキシ化合物、
    (b−2)メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および
    (b−3)有機アルミニウム化合物
    から選択される少なくとも1種の化合物と
    を含むオレフィン重合用触媒。
  9. さらに担体(C)を含む請求項8に記載のオレフィン重合用触媒。
  10. 請求項8または9に記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、炭素数2以上のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合する工程を有するオレフィン重合体の製造方法。
  11. 前記工程において、40℃以上の条件下に、炭素数2以上のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のモノマーを重合する請求項10に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  12. 前記モノマーの少なくとも一部が、プロピレンである請求項10または11に記載のオレフィン重合体の製造方法。
  13. 前記オレフィン重合体が、要件(i)〜(iii)を同時に満たす請求項12に記載のオレフィン重合体の製造方法:
    (i)示差走査型熱量計(DSC)により求められる融点が130℃以上である、
    (ii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が100,000以上である、
    (iii)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5未満である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105330771A (zh) * 2014-12-03 2016-02-17 苏州亚培克生物科技有限公司 一种茂金属线性低密度聚乙烯催化剂及其制备方法和应用

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