JP2014073846A - 折り畳み式乳母車 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳母車の折り畳み途中状態に前輪が不用意に転回することを防止する。
【解決手段】キャスタ保持部材に上下方向に延びる転回軸線回りに回動可能に保持されて前輪(12)を軸支するキャスタ回動部材を有し、前輪を方向転回可能にするキャスタ機構と、キャスタ保持部材に設けられて第1位置でキャスタ回動部材と係合して該キャスタ回動部材の回動を規制し、第2位置でキャスタ回動部材から離隔して該キャスタ回動部材の回動を許容するキャスタロック部材とを有し、展開状態から折り畳み状態に形態が変化する乳母車の形態変化に連動して、展開状態でキャスタロック部材を第2位置にし、形態変化の途中状態である折り畳み途中状態でキャスタロック部材を第1位置にするよう構成されることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、使用時には展開状態にされ、不使用時には折り畳み状態にされる乳母車に関し、特にロック可能なキャスタ輪の構造に関する。
使用時には展開状態に広げられ、不使用時には折り畳み状態に縮小される乳母車として例えば、特開2010−234988号公報(特許文献1)、特開2008−254688号公報(特許文献2)、特開2008−254693号公報(特許文献3)、および特開2002−284015号公報(特許文献4)に記載されるものが知られる。特許文献1〜4記載の乳母車の前輪は、左右に転回可能なキャスタ輪である。
特開2010−234988号公報 特開2008−254688号公報 特開2008−254693号公報 特開2002−284015号公報
乳母車の折り畳み途中状態で前輪が不用意に転回せず、収納時の安定性を向上させることを目的とする。
この目的のため本発明による折り畳み式乳母車は、下端に前輪を有する1対の前脚側部材と、下端に後輪を有する1対の後脚側部材と、前脚側部材の上端部および後脚側部材の上端部と連結するフレーム本体とを備え、展開状態と折り畳み状態とで形態が異なる乳母車において、前脚側部材の下端部に設けられるキャスタ保持部材、およびキャスタ保持部材に上下方向に延びる転回軸線回りに回動可能に保持されて前輪を軸支するキャスタ回動部材を有し、前輪を方向転回可能にするキャスタ機構と、キャスタ保持部材に設けられて第1位置でキャスタ回動部材と係合して該キャスタ回動部材の回動を規制し、第2位置でキャスタ回動部材から離隔して該キャスタ回動部材の回動を許容するキャスタロック部材とを有し、展開状態から折り畳み状態に形態が変化する乳母車の形態変化に連動して、展開状態でキャスタロック部材を第2位置にし、形態変化の途中状態である折り畳み途中状態でキャスタロック部材を第1位置にするよう構成されることを特徴とする。
本発明の一実施形態として、キャスタロック部材を第2位置から第1位置への方向へ付勢するばねをさらに有することを特徴とする。
本発明の好ましい実施形態として、前脚側部材に変位可能に設けられる前脚側可動部材と、前脚側可動部材とキャスタロック部材とを接続する接続部材とをさらに有し、前脚側可動部材は、形態変化に連動し、折り畳み途中状態で下方位置にされ、展開状態で上方位置にされる。ばねは、前脚側可動部材の下方位置への変位に連動して、キャスタロック部材を第1位置に付勢する。接続部材は、前脚側可動部材の上方位置への変位に連動して、キャスタロック部材をばねの付勢力に抗して第2位置にすることを特徴とする。
本発明のさらに好ましい実施形態として、前脚側部材に沿ってスライドするよう取り付けられる押棒をさらに備え、押棒は形態変化に連動し展開状態で上側に変位して前脚側可動部材と係合し前脚側可動部材を上方位置に引き上げ、折り畳み途中状態で下側に変位して前脚側可動部材と非係合となり前脚側可動部材の下方位置への変位を許容することを特徴とする。
本発明の好ましい実施形態として、前脚側可動部材を下方位置へ付勢する弾性部材をさらに有することを特徴とする。
あるいは参考例として乳母車は、下端に前輪を有する1対の前脚側部材と、下端に後輪を有する1対の後脚側部材と、前脚側部材の上端部および後脚側部材の上端部と連結するフレーム本体と、上下方向に延び、下端部よりも上方で枢軸を介してフレーム本体、前脚側部材、または後脚側部材のいずれかに取り付けられ、枢軸を中心として前後方向に回動することにより背面押し位置および対面押し位置に選択的に切り換え可能な押棒と、押棒のうち枢軸よりも下方の部位である押棒の下端領域を、前脚側部材または後脚側部材とのいずれかに選択的に係合させる係合手段とを備える。
かかる参考例の乳母車によれば、押棒の枢軸は押棒のうち下端領域よりも上方に設けられることから、レイアウト上、押棒の枢軸をフレーム本体の前後方向中央部に容易に配置することができる。したがって上述した第1の目的が達成され、背面押し位置で背面押しに適した配置にされる押棒を対面押し位置に切り換えても、対面押しに適した配置にすることができる。
下端部よりも上方で枢軸を介してフレーム本体に取り付けられる押棒とは、押棒下端部を除き、押棒の上下方向中央部を含む長手方向領域のうちの一箇所に、枢軸が設けられた押棒をいうと理解されたい。より好ましくは、押棒の枢軸は上下方向中央よりも下方であって押棒の下端部を除いた領域に設けられる。また押棒の下端領域とは押棒の上下方向中央よりも下方の領域をいい、押棒の下端部を含むと理解されたい。このため押棒を背面押し位置から対面押し位置に切り替えると、枢軸を挟んで位置する押棒の上端部と押棒の下端部の前後方向位置が逆転する。
係合手段によって前脚側部材または後脚側部材に係合される押棒の下端領域は、枢軸寄りであってもよく、下端部寄りであってもよいが、好ましくは下端部である。これにより、操作者が押棒の上端部に下向きの力を加えて前輪または後輪を持ち上げるリフトアップ操作を行うとき、押棒にかかる力を、前脚側部材または後脚側部材に無理なく伝達することができる。
押棒を背面押し位置に保持する構成、および押棒を対面押し位置に保持する構成は、特に限定されないが、ここで好ましくは、係合手段は、押棒の下端部を、前脚側部材に係合させて押棒を背面押し位置に保持し、後脚側部材に係合させて押棒を対面押し位置に保持する押棒ロック機構を含む。かかる実施形態によれば、枢軸よりも下方の押棒下端部をフレーム本体または後脚に選択的に係合させる。あるいは枢軸よりも下方の押棒下端部を前脚または後脚に選択的に係合させる。この結果、上述した第2の目的が達成される。つまり、操作者が押棒に近い側の車輪を支点として押棒から遠い側の車輪を持ち上げるリフトアップ操作を行う場合、操作者から押棒上端部に与えられる力が押棒を経由して前脚また
は後脚に直接に伝達されることから、アームレストに力が作用せず、フレーム本体にかかる力を軽減することができる。この結果、ガタツキが少なくなり、剛性が改善され、乳母車の耐久性能が向上する。
押棒ロック機構の構成は特に限定されない。一実施形態として、押棒ロック機構は、押棒の下端部に設けられ押棒の延在方向に変位可能な係合部材と、前脚側部材および後脚側部材にそれぞれ設けられて係合部材と係合する被係合部材とを有してもよい。かかる実施形態によれば、押棒の下端部に設けられて押棒の回動方向と異なる方向に変位可能な係合部材を有することから、係合部材は押棒が回動しないよう確りと被係合部材に係合して、押棒の背面/対面押し位置を保持することができる。また押棒を切り換える際には係合部材を変位させることにより押棒のロックを容易に解除することが可能となる。さらに被係合部材を押棒下端部の係合部材に容易に再係合させることが可能となる。したがって、押棒ロック機構を自動的かつ容易に作動ないし解除させることができ、使用性能が向上する。
参考例の前輪および後輪は方向転回できない車輪であってもよいが、好ましくは方向転回可能なキャスタである。好ましい実施形態として、係合手段は、押棒の下端部に設けられた押棒側部材と、前脚側部材に変位可能に設けられ押棒が背面押し位置にされたときに押棒側部材と係合する前脚側可動部材と、後脚側部材に変位可能に設けられ押棒が対面押し位置にされたときに押棒側部材と係合する後脚側可動部材とを含む。前輪および後輪は、方向転回可能なキャスタであって、前脚側部材の下端部に設けられるキャスタ保持部材と、キャスタ保持部材によって上下方向に延びる転回軸線周りに回動可能に保持されて前輪を軸支するキャスタ回動部材とを有する前輪キャスタ機構と、後輪側部材の下端部に設けられるキャスタ保持部材と、キャスタ保持部材によって上下方向に延びる転回軸線周りに回動可能に保持されて後輪を軸支するキャスタ回動部材とを有する後輪キャスタ機構と、前輪のキャスタ保持部材に設けられて第1位置で前輪のキャスタ回動部材と係合して該キャスタ回動部材の回動を規制し、第2位置で前輪のキャスタ回動部材から離隔して該キャスタ回動部材の回動を許容する前輪キャスタロック部材を有する前輪キャスタロック機構と、後輪のキャスタ保持部材に設けられて第1位置で後輪のキャスタ回動部材と係合して該キャスタ回動部材の回動を規制し、第2位置で後輪のキャスタ回動部材から離隔して該キャスタ回動部材の回動を許容する後輪キャスタロック部材を有する後輪キャスタロック機構と、前輪キャスタロック部材と係合手段の前脚側可動部材とを接続する前脚リンク機構と、後輪キャスタロック部材と係合手段の後脚側可動部材とを接続する後脚リンク機構とをさらに備える。
かかる実施形態によれば、前脚が押棒の下端部と係合した状態で前輪の方向転回を許容する前輪キャスタロック機構を有し、後脚が押棒の下端領域と係合した状態で後輪の方向転回を許容する後輪キャスタロック機構を有することから、押棒の背面/対面押し位置に連動して、進行方向前方の車輪を方向転回可能にし、進行方向後方の車輪を方向転回不可能にすることができる。なお、進行方向前方の車輪は背面押しの状態にあっては前輪であり、進行方向後方の車輪は背面押しの状態にあっては後輪である。また対面押しの状態にあっては背面押しの状態と前後逆の車輪になる。
またかかる実施形態によれば、前脚リンク機構は前脚側部材のみに設けられ、フレーム本体に設けられない。後脚リンク機構は後脚側部材のみに設けられ、フレーム本体に設けられない。さらに前脚リンク機構と後脚リンク機構が分離して構成される。したがって、特許文献1に記載されるように前脚からフレーム本体を経由して押棒まで第1のワイヤを配置し、後脚からフレーム本体を経由して押棒まで第2のワイヤを配置し、これら第1および第2のワイヤを連結した従来の前輪キャスタロック機構よりも簡易化および小型化に資する。
参考例の乳母車は折り畳み可能な構造でなくてもよいが、小さく折り畳めることが好ましい。一実施形態として、前脚側部材は、下端に前輪を有する前脚と、前脚に沿ってスライド可能に取り付けられたスライド部材を含み、押棒は、枢軸を介してスライド部材に取り付けられ、背面押し位置から下方にスライドすることにより折り畳み位置にされる。かかる実施形態によれば、乳母車が上下方向に縮小することから乳母車の不使用時には乳母車をコンパクトに収納できる。
好ましい実施形態として、前脚側部材は、下端に前輪を有する前脚と、前脚に沿ってスライド可能に取り付けられたスライド部材を含み、押棒は、枢軸を介してスライド部材に取り付けられ、背面押し位置から下方にスライドすることにより折り畳み位置にされるとともに、係合手段の押棒側部材が前脚側可動部材および後脚側可動部材の双方と非係合状態にされる。かかる実施形態によれば、乳母車が上下方向に縮小することから乳母車の不使用時にはコンパクトに収納できるだけでなく、押棒の下端領域が双方のキャスタロック機構から離れることから前輪および後輪が方向転回不能にされる。したがって乳母車の折り畳み状態で前輪および後輪が不用意に転回せず、収納時の安定性が向上する。
参考例の乳母車は一層小さく折り畳めることが好ましい。一実施形態として、前後方向に延び、その前端が枢軸を介してスライド部材と連結し、その後端が枢軸を介して後脚と連結する前後方向部材をさらに備え、後脚は、その上端部が枢軸を介してフレーム本体に連結し、後脚上端部の枢軸を中心として前方へ回動して折り畳み位置にされてもよい。かかる実施形態によれば、乳母車が上下方向および前後方向に縮小することから乳母車の不使用時には一層コンパクトに収納できる。
押棒は折り畳み状態において接地しなくてもよいし、あるいは接地するものであってもよい。好ましくは、折り畳み位置にされたスライド部材の下端および押棒の下端の少なくとも一方、および前輪および後輪の少なくとも一方が接地して、折り畳み状態で自立する。かかる実施形態によれば、スライド部材の下端および押棒の下端の少なくとも一方と、前輪および後輪の少なくとも一方が接地することから、乳母車が折り畳み状態で自立可能となる。したがって、置き場の面積を小さくすることができる。
このように参考例の乳母車によれば、背面押し位置にされた押棒を操作者にとって最適な位置にすることができるだけでなく、押棒を対面押し位置に切り換えても、対面押し位置にされた押棒を操作者にとって最適な位置にすることができる。したがって背面押しが楽になるだけでなく、対面押しも楽になる。また、フレーム本体のガタツキが防止されて、剛性に優れる。そして、リフトアップ操作の際にフレーム本体が受ける力を低減することができる。
本発明によれば、乳母車の折り畳み途中状態で前輪が不用意に転回せず、折り畳み操作の際の安定性が向上する。
本発明の一実施例になる乳母車の概略を、背面押しの状態で示す側面図である。 同実施例の乳母車の概略を、対面押しの状態で示す側面図である。 乳母車の折り畳み途中状態を示す側面図である。 乳母車の折り畳み状態を示す側面図である。 押棒ロック機構を示す側面図である。 押棒、後脚、押棒ロック機構、および後輪キャスタロック機構を示す正面図である。 押棒および押棒ロック機構を示す正面図である。 押棒ロック機構の係合部材を取り出して示す図である。 キャスタを上方から見た状態を示す模式図である。 キャスタを側方から見た状態を示す模式図である。 図7に対応する前脚および前輪キャスタロック機構を示す正面図である。 前脚および前輪キャスタロック機構を示す正面図である。 図2の一点鎖線XIII−XIIIで断面にし、矢印の方向からみた断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例になる乳母車の概略を、背面押しの状態で示す側面図である。図2は、同実施例の乳母車の概略を、対面押しの状態で示す側面図である。図1および図2は乳母車の展開状態を示す。図3は、乳母車の折り畳み途中状態を示す側面図である。図4は、乳母車の折り畳み状態を示す側面図であり、不使用時には乳母車をこのようにコンパクトに折り畳むことができる。図5は、押棒ロック機構を示す側面図である。なお図1〜図5は乳母車の幅方向左側からみた状態を示す。背面押し状態の乳母車にとって図1〜図5の図面左側は前方を示し、図面右側は後方を示す。
乳母車11は、下端に前輪12を有する1対の前脚13と、下端に後輪14を有する1対の後脚15と、前脚13の上端部および後脚15の上端部と連結するフレーム本体16と、上下方向に延び、枢軸を介してフレーム本体16に取り付けられ、枢軸を中心として前後方向に回動することにより背面押し位置および対面押し位置に選択的に切り換え可能な押棒21とを備える。前脚13は前脚側部材に含まれる。後脚15は後脚側部材に含まれる。
前脚13は乳母車11の幅方向左右にそれぞれ設けられて1対をなし、その下端部が前方へ向かい、その上端部が後方へ向かうよう上下方向に傾斜して延びる。後脚15は乳母車11の幅方向両側にそれぞれ設けられて左右1対をなし、その下端部が後方へ向かい、その上端部が前方へ向かうよう上下方向に傾斜して延びる。前輪12は前脚13にそれぞれ設けられる。後輪14も後脚15にそれぞれ設けられる。これらの車輪12,14は1脚につき2輪を有する双輪構造であるが、単輪であってもよい。乳母車11の前後左右で合計4本になる前脚13および後脚15には、布地などの屈曲可能な素材からなる収納かご29が張り渡される。
なお、前脚13および前輪12は、押棒の背面押し位置において進行方向前方となり、後脚15および後輪14は、押棒の背面押し位置において進行方向後方となる。しかしながら前脚13および前輪12は、押棒の対面押し位置において進行方向後方となり、後脚15および後輪14は、押棒の対面押し位置において進行方向前方となることに留意されたい。
フレーム本体16は、複数のフレーム部材と、フレーム部材同士を連結する連結具で構成され、幼児用座席31を支持する。具体的には、フレーム本体16は、幼児用座席31の座部を支持する座部支持部材17と、幼児用座席31の背もたれ部を支持する背もたれ部支持部材18と、前脚13の上端および後脚15の上端を連結する中央連結部材19を含む。ここでいう各部材17〜19も1対とされ、乳母車11の幅方向左右対称に配置される。
座部支持部材17は、全体的に略前後方向に延び、その中央部が屈曲して後端領域が下方へ傾斜して延びるパイプである。そして座部支持部材17の後端は、枢軸24を介して後脚15の中間領域と回動可能に連結する。また座部支持部材17の前端領域には幼児用座席31の座部が取り付けられる。また座部支持部材17は、その前端領域に長孔17mが形成される。長孔17mには枢軸26が通される。枢軸26はスライド部材20に固定される。
背もたれ部支持部材18は略上下方向に延びるパイプである。背もたれ部支持部材18の下端は、枢軸を介して座部支持部材17の中央部と連結する。そして背もたれ部支持部材18はこの下端枢軸で前後方向に回動することにより、幼児用座席31のリクライニングを実現する。
中央連結部材19は対向する2枚の側壁部と、これら2枚の側壁部同士を連結する軸部およびアリ型部とを有する部材である。後脚15の上端部は、2枚の側壁部の間に架設された軸部である枢軸19aを介して回動可能に枢支される。また2枚の側壁部の間には、前脚13の上端部が通され、中央連結部材19に前脚13の上端部が固定される。直線状に延びる前脚13および後脚15は、乳母車11の展開状態で、図示しない展開状態ロック機構によって所定角度に保持される。詳しくは後述するが、乳母車11の折り畳み操作の際、後脚15は枢軸19aを中心として折り畳み位置まで回動する。
さらに中央連結部材19にはスライド部材20がスライド可能に連結される。スライド部材20は前脚13に沿って延びる直線形状のパイプであり、前脚側部材に含まれる。スライド部材20にはアリ溝20gが形成され、かかるアリ溝20gに中央連結部材19のアリ型部が嵌合する。図2に示すように、展開状態にされた乳母車11において、スライド部材20の下端領域は前脚13の中間領域と重なるよう隣接する。また、スライド部材20の上端領域は前脚13の上端部よりも上方へ突出し、幌23を支持する。詳しくは後述するが、乳母車11の折り畳み操作の際、スライド部材20は折り畳み位置まで下方へスライドする。
押棒21は上下方向に傾斜して延びる直線状のパイプであり、この実施例では幅方向左右にそれぞれ設けられる。そして押棒21の上端部にはハンドル部25が取り付けられ、1対の押棒21の上端部同士を連結する。押棒21は、その下端部よりも上方に設けられた枢軸21aを介してフレーム本体16のスライド部材20に回動可能に取り付けられる。
図1および図2に示すように、乳母車11の展開状態において、枢軸21aは中央連結部材19の近傍に位置する。なお、中央連結部材19は前脚13および後脚15の上端同士を連結し、前脚13および後脚15は略同じ長さであり、前脚13は中央連結部材19から前方かつ下方へ所定角度で延び、後脚15は中央連結部材19から後方かつ下方へ前脚と同じ所定角度で延びることから、図1および図2の側面視において前脚13および後脚15は二等辺三角形を呈する。
そして押棒21はこの枢軸21aを中心として前後方向に回動可能であり、図1に示す背面押し位置と、図2に示す対面押し位置に切り換えられる。
背面押し位置(図1)にされた押棒21は、その下端部が前脚13に沿って下方かつ前方へ延び、その上端部が上方かつ後方に向かって延びる。これにより、乳母車11の後脚側にされるハンドル部25は、大人の標準的な身長である乳母車11の操作者にとって適正な高さ位置にされる。したがって操作者は、ハンドル部25を手で握り、乳母車11を楽に押すことができる。さらに、乳母車11を手で押しながら歩行中の操作者の前足が後輪14と干渉しないよう、ハンドル部25は、後輪14より後方へ適正な前後方向距離で離隔される。
対面押し位置(図2)にされた押棒21は、その下端部が後脚15に沿って下方かつ後方へ延び、その上端部が上方かつ前方に向かって延びる。これにより、乳母車11の前脚側にされるハンドル部25は、対面押しの場合であっても大人の標準的な身長である乳母車11の操作者にとって適正な高さ位置にされる。したがって操作者は、ハンドル部25を手で握り、乳母車11を楽に押すことができる。さらに、乳母車11を手で押しながら歩行中の操作者の前足が前輪12と干渉しないよう、ハンドル部25は、対面押しの場合であっても前輪12より前方へ適正な前後方向距離で離隔される。
本実施例では、押棒21の枢軸21aがフレーム本体16の前後方向中央部に配置される。これにより枢軸21aは前輪12と後輪14との中間に位置する。より具体的には、乳母車11の側面視において、枢軸21aが、前輪12と後輪14とを結び前後方向水平に延びる仮想直線の直角二等分線上におよそ位置する。そしてこの直角二等分線に関し、押棒21の背面押し位置と対面押し位置が、およそ対称にされる。したがって、背面押し位置にされたハンドル部25の高さ位置と、対面押し位置にされたハンドル部25の高さ位置がおよそ等しい。さらに、背面押し位置にされたハンドル部25から後輪14までの前後方向距離と、対面押し位置にされたハンドル部25から前輪12までの前後方向距離がおよそ等しい。
この結果、背面押し位置にされた押棒21を操作者にとって最適な位置にすることができるだけでなく、押棒21を対面押し位置に切り換えても、対面押し位置にされた押棒21を操作者にとって最適な位置にすることができる。したがって操作者にとって背面押しが楽になるだけでなく、対面押しも楽になる。
次に、押棒21のうち枢軸21aよりも下方の部位である押棒の下端部を、フレーム本体16のうち前脚13に隣接する部位と、後脚15とのいずれかに選択的に係合させる係合手段について説明する。
乳母車11は、押棒21の下端部を、フレーム本体16および後脚15のいずれかに係合させる係合手段として、押棒ロック機構41を備える。押棒ロック機構41は、フレーム本体16のスライド部材20に設けられた突起部材42と、後脚15に設けられた突起部材43と、押棒21の下端部に変位可能に設けられて突起部材42または突起部材43と選択的に係合する係合部材44とを有する。
そして図1に示す押棒21の背面押し位置では、係合部材44がフレーム本体16に設けられた被係合部材としての突起部材42と係合する。これにより、押棒の下端部を、フレーム本体16のうち前脚13に隣接する部位に係合させて押棒21を背面押し位置に保持する。また図2に示す押棒21の対面押し位置では、係合部材44が後脚15に設けられた被係合部材としての突起部材43と係合する。これにより、押棒の下端部を、後脚15に係合させて押棒21を対面押し位置に保持する。
乳母車11の幅方向位置において、スライド部材20、前脚13、および後脚15は同じ位置にあり、押棒21はこれらスライド部材20、前脚13、および後脚15よりも幅方向外側にあることから、押棒21の下端部はこれらスライド部材20、前脚13、および後脚15と干渉することなく回動可能である。そして押棒ロック機構41は、スライド部材20および後脚15からみて幅方向外側に、かつ押棒21からみて幅方向内側に設けられる。
図5は、押棒が対面押し位置から背面押し位置へ、あるいはその逆へ切り換わる途中状態における押棒ロック機構を示す側面図であり、幅方向外側から見た状態を表す。図6は、押棒を対面押し位置に保持する押棒ロック機構を示す正面図である。図7は、押棒を背面押し位置に保持する押棒ロック機構を示す正面図である。図6および図7において、図面左側は幅方向外側を、図面右側は幅方向内側を示す。図8は、押棒ロック機構の係合部材を取り出して示す説明図であり、幅方向内側からみた状態を表す。突起部材42はスライド部材20の下端部から幅方向外側にむかって突出する。突起部材43は後脚15の中央部から幅方向外側にむかって突出する。これらの突起部材42,43は、先端側(幅方向外側)が根元側(幅方向内側)よりも大径に形成されている。係合部材44は、押棒21が挿通される両端開口の筒状部44cと、筒状部44cから幅方向内側に向かって突出する扇形状部44sとを有する。
筒状部44cの内周には、ピン44pが架設される。ピン44pは、押棒21に形成されて押棒の延在方向に延びる長孔21nと係合する。そして係合部材44は、長孔21nに案内されて押棒21に沿って所定距離の摺動が可能である。このように係合部材44は枢軸21aを中心とする押棒21の回動方向と直角な方向に変位する。なおピン44pは、押棒21の内部に縮設された弾性部材45によって下方へ付勢される。これにより係合部材44は、通常は図5に示すように下側の第1位置にされる。そして係合部材44は、押棒21の延在方向に変位して上側に第2位置に一時移動し、突起部材42,43と係合したり、係合を解除したりする。
扇形状部44sは乳母車11の側面視において枢軸21a側に向かって広がる扇形状であり、前方側に斜面44fが、後方側に斜面44rがそれぞれ形成される。枢軸21aに近い側を上側とし、枢軸21aから遠い側を下側として、扇形状部44sの下側には突起部材42,43を受け入れるための切り欠き部44dが形成される。切り欠き部44dは乳母車11の幅方向内側に向かって開口し、かつ扇形状部44sの下側輪郭線から上側に向かって切り欠いた形状である。先端側が根元側よりも大径に形成された突起部材42,43の形状に対応するよう、切り欠き部44dの表面側(幅方向内側)の溝幅は相対的に小さく、奥側(幅方向外側)の溝幅は相対的に大きく形成される。
側面視扇形状の扇形状部44sの輪郭線は、斜面44fと切り欠き部44dと斜面44rの順で連続していることから、突起部材42は、斜面44fから切り欠き部44dまで扇形状部44sに沿って摺接し、切り欠き部44dに嵌合することができる。また突起部材43は、斜面44rから切り欠き部44dまで扇形状部44sに沿って摺接し、切り欠き部44dに嵌合することができる。
図5に実線で示すように押棒21が背面押し位置から対面押し位置へ切り換わるとき、まず、斜面44rが突起部材43に当接する。そして突起部材43は弾性部材45に抗しながら係合部材44を第1位置よりも上側に変位させながら斜面44rに沿って摺接し、斜面44rの下側に向かう。次に突起部材43が斜面44rを通り過ぎて切り欠き部44dに至ると、弾性部材45によって係合部材44が第1位置に復帰し、突起部材43が切り欠き部44dに嵌合する。この結果、係合部材44は突起部材43と係合する。図5に二点鎖線で示すように、突起部材42と斜面44fの当接および摺接についても、上述した説明と同様である。
突起部材42あるいは突起部材43と係合部材44との係合を解除するには、弾性部材45に抗して係合部材44を第1位置よりも上側へ引き上げるとよい。
このため、押棒21には押棒ロック解除手段46が設けられる。押棒ロック解除手段46は、1対の押棒21の上端部にそれぞれ取り付けられて押棒21の長手方向に所定距離摺動可能な筒状の1対の可動部材47と、押棒21に内設されて可動部材47と係合部材44とを連結するワイヤ48とを有する。ワイヤ48の下端はピン44pと連結する。操作者が可動部材47を引き上げると、ワイヤ48を介して、係合部材44は第1位置よりも上側へ引き上げられる。これにより突起部材42,43は切り欠き部44dから抜け出し、押棒21は回動自在となる。
このように本実施例の押棒ロック機構41によれば、押棒21のうち枢軸21aよりも下方の部位である押棒21の下端部をフレーム本体16または後脚15に係合させることから、押棒の枢軸よりも上方で押棒とフレーム本体のアームレストを係合させる従来の背面/対面押し乳母車と比較して、フレーム本体に作用する力が少なくすることが可能となり、フレーム本体のガタツキが防止されて、剛性に優れる。そして、リフトアップ操作の際にフレーム本体が受ける力を低減することができる。
また、本実施例の押棒ロック機構41によれば、扇形状部44sの作用により、押棒21を背面押し位置または対面押し位置まで倒し込むだけで、係合部材44が突起部材42,43に自動的に係合することから、乳母車11の取り扱いが容易である。
なお、本実施例の押棒ロック機構41の他、図示しない変形例として、押棒ロック機構の突起部材42をスライド部材20ではなく前脚13に設けてもよい。スライド部材20および前脚13は前脚側部材に含まれるから、かかる変形例であっても、押棒21の下端部を前脚側部材と後脚側部材とのいずれかに選択的に係合することが可能である。
あるいは別の変形例として、枢軸21aを後脚15の上端部あるいは後脚15を含む後脚側部材に設けてもよい。あるいは別の変形例として、突起部材43を後脚側部材に設けてもよい。あるいは別の変形例として、枢軸21aを、フレーム本体16、例えば中央連結部材19、に設けてもよい。かかる変形例であっても、押棒21の下端部を前脚側部材と後脚側部材とのいずれかに選択的に係合することが可能である。
1対の前輪12および1対の後輪14は、全て、図1および図2に一点鎖線で示されて上下方向に延びる転回軸線Xf,Xr周りに回動可能なキャスタである。このように、乳母車11の車輪手段を全てキャスタにしておけば、乳母車11の押棒21を図1または図2のように切り換えるだけで、乳母車11の移動方向を背面押し(図1)、または対面押し(図2)に切り換え、任意の方向へ向けて乳母車を移動することができる。
しかしながら、このように乳母車11の4輪全てをキャスタにすると、乳母車11の走行軌道が蛇行する。このような蛇行を避けるためには、乳母車11の進行方向に対して後方に位置する車輪に対して、その転回動作を禁止する必要がある。そこで、本実施例においては、乳母車11の進行方向に対して後方に位置するキャスタの回動を防止する機構として、前輪キャスタロック機構61および後輪キャスタロック機構71を有する。
まず前輪および後輪キャスタ機構につき説明する。
図9は、前輪および後輪キャスタを上方からみた状態を示す模式図である。図10は前輪および後輪キャスタを側方からみた状態を示す模式図である。前脚13の下端部にはキャスタ保持部材92が固定される。キャスタ保持部材92はキャスタ回動部材90を回動自在に保持する。キャスタ回動部材90は、上端がキャスタ保持部材92に回動自在に連結されるヨーク93と、図10に一点鎖線で示すキャスタ回動部材90の転回軸線に対し直角方向に突出する支持部94と、支持部94によって軸支される車軸95とを含む。車軸95は水平方向に延び、中央部が支持部94によって軸支され、車軸95の両端には、前輪12がそれぞれ取り付けられる。支持部94の上部には、1対の回動停止部材96(96a,96b)が形成される。
後輪キャスタ機構も同様に構成され、後脚15の下端部にはキャスタ保持部材97が固定される。キャスタ保持部材97はキャスタ回動部材90を回動自在に保持する。
次に前輪および後輪キャスタロック機構につき説明する。
前輪キャスタロック機構61は、キャスタ保持部材92にピン63を介して回動可能に保持された、前輪キャスタロック部材65を含む。前輪キャスタロック部材65の位置は、下端が前輪キャスタロック部材65と接続するワイヤ67によって変更可能であり、ワイヤ67の張力を緩めると、前輪キャスタロック部材65はピン63を中心として図中矢印下方向に移動して実線で示す第1位置にされ、1対の回動停止部材96a、96bの間に入り、キャスタ回動部材90による車軸95の方向転回を防止する。一方、ワイヤ67の張力を強めると、前輪キャスタロック部材65はピン63を中心として図中矢印上方向に移動してキャスタ回動部材90から離隔し、二点鎖線で示す第2位置にされ、車軸95はキャスタ回動部材90によって、任意の方向に転回が可能になる。
なお、ここでは、図示を省略しているが、前輪キャスタロック部材65には、図10の矢印下方向に付勢するばねが設けられている。したがってワイヤ67の張力がばねの付勢力よりも強いと前輪キャスタロック部材65は第2位置にされ、ワイヤ67の張力がばねの付勢力よりも弱いと前輪キャスタロック部材65は第1位置にされる。そして前輪12は、左方および右方に転回しないよう、乳母車11の前後方向に真直ぐに指向する。
図10を参照して、後輪キャスタロック機構71は、キャスタ保持部材97にピン63を介して回動可能に保持された、後輪キャスタロック部材65を含む。後輪キャスタロック機構71も、前輪キャスタロック機構61と同様に構成されるため詳しい説明を省略する。
これにより、後脚15に内設され、下端が後輪キャスタロック部材65と接続するワイヤ68を介して後輪キャスタロック部材を引き上げない場合に後輪14は方向転回を規制される。またワイヤ68が図示しないばねの付勢力に抗して後輪キャスタロック部材を引き上げると、1対の回動停止部材の間から後輪キャスタロック部材が抜け出て、後輪14は方向転回を許容される。
前輪および後輪キャスタロック機構は、押棒21と連動する。そして以下に説明するように、背面押し/対面押しに対応して進行方向前方の車輪の方向転回を許容し、進行方向後方の車輪の方向転回を規制する。
乳母車11は、押棒ロック機構とは別に、押棒21のうち枢軸21aよりも下方の部位である押棒の下端部を、前脚13および後脚15のいずれかに選択的に係合させる係合手段51をさらに有する。この係合手段51は、押棒21の下端部に設けられた押棒側部材54と、前脚13に変位可能に設けられ押棒21が背面押し位置にされたときに押棒側部材54と係合する前脚側可動部材52と、後脚15に変位可能に設けられ押棒21が対面押し位置にされたときに押棒側部材54と係合する後脚側可動部材53とを含む。
前脚側可動部材52は、両端開口の筒状部52cと、筒状部52cの外周面から乳母車11の車幅方向外側へ突出した突条52dを有する。筒状部52cには前脚13の中央部が挿通されている。筒状部52cの内周には、ピン52pが架設されている。また前脚13には、前脚13の長手方向に延びる長孔13nが形成されている。そしてピン52pは長孔13nを貫通する。これにより前脚側可動部材52は、前脚13に変位可能に取り付けられ、下方の第1位置αと上方の第2位置βとの間を変位可能である。
突条52dは前後方向に延びる。そして突条52dは前方端部を除き中央部から後方端部に向かうにつれて、上方へ向かうよう傾斜して延びる。かかる突条52dの上下方向寸法は、前脚側可動部材52の上下方向移動量に対応するものであり、前脚側可動部材52は上方に移動しつつ押棒側部材54と係合することができる。
前脚側可動部材52は、図示しない弾性部材によって下方の第1位置に付勢される。押棒21が背面押し位置にないとき、前脚側可動部材52は押棒側部材54から離れて非係合にされ、図2に示すように前脚側可動部材52は下方の第1位置αにされる。これに対し押棒21が背面押し位置にされるとき、前脚側可動部材52は押棒側部材54に係合し、図1に示すように前脚側可動部材52は上方の第2位置βにされる。
図11は、図7に対応する前脚および前輪キャスタロック機構を示す正面図である。図11に示すように、ピン52pは前脚13に内設されたワイヤ67の上端と接続する。なおワイヤ67は前輪キャスタロック部材65と係合手段51の前脚側可動部材52とを接続する前輪リンク機構に含まれ、ワイヤ67の下端は前輪キャスタロック部材65と接続する。押棒側部材54には、乳母車11の車幅方向内側かつ後方に向かって突出する突起54pが形成される。押棒21が背面押し位置に倒される場合、突起54pは突条52dの下面と当接する。そして枢軸21aを中心に押棒21の下端部が前方へ回動するにしたがい、突起54pは突条52dの後方端から前方端に沿って摺接するよう係合し、前脚側可動部材52を上方へ押し上げる。これにより前脚側可動部材52は上方の第2位置βにされる。これに伴い、ワイヤ67は前輪キャスタロック部材65を引き上げて第2位置にする。前輪キャスタロック部材65はキャスタ回動部材90から離隔してキャスタ回動部材90の回動を許容する。
なお突起54pは幅方向内側だけでなく後方にも突出することから、押棒21が背面押し位置で前脚13よりも前方に位置しても、押棒側部材54は前脚側可動部材52に係合することができる。
図11との比較のため、図12に、押棒21が背面押し位置にされない場合の前脚および前輪キャスタロック機構を示す正面図を示す。前述のように押棒21が背面押し位置にされない場合、前脚側可動部材52は押棒側部材54と係合しない。そうすると前脚側可動部材52は図示しない弾性部材によって下方へ付勢されて第1位置αにされる。また前輪キャスタロック部材65は下方の第1位置に復帰して、キャスタ回動部材90と係合し、キャスタ回動部材90の回動を規制する。
後脚側可動部材53も、前脚側可動部材52と同様に構成され、後脚15が挿通される両端開口の筒状部53cと、筒状部53cの外周面から乳母車11の車幅方向外側へ突出した突条53dと、後脚の長孔15nに通されたピン53pとを有する。突条53dは前後方向に延びる。そして突条53dは後方端部を除き中央部から前方端部に向かうにつれて、上方へ向かうよう傾斜して延びる。かかる突条53dの上下方向寸法は、後脚側可動部材53の上下方向移動量に対応するものであり、後脚側可動部材53は上方に移動しつつ押棒側部材54と係合することができる。そして、前脚側可動部材52と同様に、下方の第1位置αと上方の第2位置βとの間を変位可能とされ、押棒21が対面押し位置にない場合は図示しない弾性部材によって下方へ付勢されて下方の第1位置αにされ、押棒21が対面押し位置にある場合は上方の第2位置βにされる。
ピン53pはワイヤ68の上端と接続し、後輪キャスタロック部材はワイヤ68の下端と接続する。そして後輪キャスタロック部材は、後輪キャスタロック部材と係合手段51の後脚側可動部材53とを接続する後輪リンク機構に含まれるワイヤ68によって、後脚側可動部材53の変位に連動する。
このように前輪キャスタロック機構61は、押棒21の背面/対面押し位置に連動し、押棒21の背面押し位置に対応して進行方向前方の前輪12の方向転回を許容する。前輪キャスタロック機構61と同様に構成された後輪キャスタロック機構71も、押棒21の背面/対面押し位置に連動し、押棒21の背面押し位置に対応して進行方向後方の後輪14の方向転回を規制する。
したがってこれら前輪および後輪キャスタロック機構61,71によって、押棒21が背面押し位置にされる間、前輪12は方向転回を許容され、後輪14は方向転回を規制される。
また、押棒21が対面押し位置にされる間、進行方向前方になる後輪14は方向転回を許容され、進行方向後方になる前輪12は方向転回を規制される。この結果、押棒21が背面押し位置および対面押し位置のいずれの場合であっても、乳母車11の進行方向に対して後方に位置する車輪の転回動作を禁止し、乳母車11の進行方向前側の車輪のみを方向転回可能にする。
乳母車11の不使用時には、コンパクトに折り畳むことができる。以下、乳母車11の折り畳み操作につき説明する。
乳母車11は、スライド部材20と後脚15との間に掛け渡された1対の前後方向部材27をさらに備える。前後方向部材27は、略前後方向に延び、その前端が枢軸20aを介してスライド部材20の下端部と連結し、その後端が枢軸15aを介して後脚15の下端領域と連結する。
前脚13の中央部にはスライドブラケット22が固定される。スライドブラケット22および他の部材を図2に示す一点鎖線XIII−XIIIで断面にし、矢印の方向からみた断面図を図13に示す。スライドブラケット22は両端開口の筒状部22cおよび筒状部22cの外周から突出するアリ型の突出部22dを有する。筒状部22cには前脚13が挿通される。また筒状部22cおよび前脚13は、前脚13の短手方向に延びるピン22pが貫通して互いに固定される。突出部22dは、スライド部材20に形成されてスライド部材の長手方向に延びるアリ溝20gにスライド可能かつ分離不能に嵌合する。
また、中央連結部材19にも同様のアリ型が形成され、中央連結部材19のアリ型はアリ溝20gにスライド可能かつ分離不能に嵌合する。これによりスライド部材20は、長手方向に離隔した中央連結部材19およびスライドブラケット22を介することにより、2個所で前脚13に連結される。なお乳母車11は、図示しない展開状態保持手段によって図1および図2に示す展開状態に保持されることから、展開状態保持手段を解除しない限りスライド部材20が前脚13に沿ってスライドすることはない。
乳母車11の折り畳み操作は、押棒21がスライド部材20に沿って延びる背面押し状態から開始する。図1に示すように前輪12がその転回軸線Xfよりも後方で前後方向に真直ぐ指向するとともに後輪14がその転回軸線Xrよりも後方で前後方向に真直ぐ指向した状態で、乳母車11の展開状態を保持する図示しない展開状態保持手段を解除し、押棒21を下方へ押し下げると、押棒21はスライド部材20とともに、前脚13に沿って下方へスライドし、図3に示す折り畳み途中状態に変形する。そして前後方向部材27を介してスライド部材20と連結する後脚15が、後脚上端部の枢軸19aを中心に前方へ回動する。図3に示す途中状態を参照して、折り畳み操作によりスライド部材20の下端部は押棒21の下端部とともに前脚13の下端部よりも下方へスライドして乳母車11の上下方向寸法が縮小し、後輪14は前輪12に接近して乳母車11の前後方向寸法が縮小することが理解される。
なお、押棒側部材54の突起54pは、押棒21の背面押し位置で、突条52dの下面と接触することから、係合手段51が乳母車11の折り畳み操作の障害になることはない。
引き続き押棒21を下方へ押し下げると、スライド部材20は押棒21とともにさらに下方へスライドし、後脚15は枢軸19aを中心にさらに前方へ回動し、後輪14が前輪12にさらに接近する。これにより、図4に示すように押棒21は折り畳み位置にされ、後脚15も折り畳み位置にされ、乳母車11は折り畳み状態にされる。このとき乳母車11は前後方向寸法が縮小するにもかかわらず、平坦な接地面Gで自立する。これは、折り畳み状態の乳母車11の前側でスライド部材20の下端が接地面Gに接地し、後側で後輪14が接地するため、折り畳み状態の乳母車11の重心が、スライド部材20下端と後輪14との間に位置するからである。
本実施例では図4に示すように、スライド部材20下端および後輪14が側面視において接地面Gに接地し、乳母車11が折り畳み状態で自立する。この他、図示はしないが、スライド部材20に代えて押棒21の下端を接地させてもよく、あるいはスライド部材20の下端および押棒21の下端を接地させてもよい。また、後輪14に代えて前輪12を接地させ、折り畳み状態の乳母車11の重心が、スライド部材20下端と前輪12との間に位置するようにしてもよい。
ここで付言すると、押棒21はスライド部材20とともに下方へスライドすることから、押棒下端部の押棒側部材54は、前脚側可動部材52および後脚側可動部材53の双方とも非係合にされる。これにより前輪12および後輪14の双方が方向転回を規制される。したがって、乳母車11の折り畳み状態において前輪12および後輪14は不用意に転回することがなく、前輪12は前後方向に真直ぐ指向するよう保持され後輪14も前後方向に真直ぐ指向するよう保持される。この結果、乳母車11は一層安定して自立することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。例えば前後方向部材27はスライド部材20および後脚15よりも幅方向内側に取り付けられるが、これらの部材よりも幅方向外側に取り付けられてもよい。
この発明になる乳母車は、折り畳み機能を備えた育児運搬器具において有利に利用される。
11 乳母車、 12 前輪、 13 前脚、 14 後輪、
15 後脚、 16 フレーム本体、 19 中央連結部材、
20 スライド部材、 21 押棒、 25 ハンドル部、
27 前後方向部材、 41 押棒ロック機構(係合手段)、
42,43 突起部材、 44 係合部材、 44c 筒状部、
44s 扇形状部、 51 係合手段、 52 前脚側可動部材、
52c 筒状部、 52d 突条、 53 後脚側可動部材、
53c 筒状部、 53d 突条、 54 押棒側部材、
54p 突起、 61 前輪キャスタロック機構、
65 前(後)輪キャスタロック部材、 67,68 ワイヤ、
71 後輪キャスタロック機構、 90 キャスタ回動部材、
92 キャスタ保持部材、 93 ヨーク、 94 支持部、
95 車軸、 96,96a,96b 回動停止部材、
97 キャスタ保持部材。

Claims (5)

  1. 下端に前輪を有する1対の前脚側部材と、下端に後輪を有する1対の後脚側部材と、前記前脚側部材の上端部および前記後脚側部材の上端部と連結するフレーム本体とを備え、展開状態と折り畳み状態とで形態が異なる乳母車において、
    前記前脚側部材の下端部に設けられるキャスタ保持部材、および前記キャスタ保持部材に上下方向に延びる転回軸線回りに回動可能に保持されて前記前輪を軸支するキャスタ回動部材を有し、前記前輪を方向転回可能にするキャスタ機構と、
    前記キャスタ保持部材に設けられて第1位置で前記キャスタ回動部材と係合して該キャスタ回動部材の回動を規制し、第2位置で前記キャスタ回動部材から離隔して該キャスタ回動部材の回動を許容するキャスタロック部材とを有し、
    前記展開状態から前記折り畳み状態に形態が変化する乳母車の形態変化に連動して、前記展開状態で前記キャスタロック部材を前記第2位置にし、前記形態変化の途中状態である折り畳み途中状態で前記キャスタロック部材を前記第1位置にするよう構成されることを特徴とする、折り畳み式乳母車。
  2. 前記キャスタロック部材を前記第2位置から前記第1位置への方向へ付勢するばねをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の折り畳み式乳母車。
  3. 前記前脚側部材に変位可能に設けられる前脚側可動部材と、前記前脚側可動部材と前記キャスタロック部材とを接続する接続部材とをさらに有し、
    前記脚側可動部材は、前記形態変化に連動し、前記折り畳み途中状態で下方位置にされ、前記展開状態で上方位置にされ、
    前記ばねは、前記前脚側可動部材の前記下方位置への変位に連動して、前記キャスタロック部材を前記第1位置に付勢し、
    前記接続部材は、前記前脚側可動部材の前記上方位置への変位に連動して、前記キャスタロック部材を前記ばねの付勢力に抗して前記第2位置にすることを特徴とする、請求項2に記載の折り畳み式乳母車。
  4. 前記前脚側部材に沿ってスライドするよう取り付けられる押棒をさらに備え、
    前記押棒は、前記形態変化に連動し、前記展開状態で上側に変位して前記前脚側可動部材と係合し前記前脚側可動部材を前記上方位置に引き上げ、前記折り畳み途中状態で下側に変位して前記前脚側可動部材と非係合となり前記前脚側可動部材の前記下方位置への変位を許容することを特徴とする、請求項3に記載の折り畳み式乳母車。
  5. 前記前脚側可動部材を前記下方位置へ付勢する弾性部材をさらに有することを特徴とする、請求項3または4に記載の折り畳み式乳母車。
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