JP2014072322A - 有機発光表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制する。
【解決手段】画素電極3と対向電極11とを有し、画素電極3と対向電極11と間に正孔注入層5、正孔輸送層6、赤色発光層7、緑色発光層8、青色発光層9、電子輸送層10が形成され、青色発光層9は電子輸送性ホスト材料及び正孔輸送性ドーパント材料を含有し、青色発光層9中における正孔輸送性ドーパント材料の濃度が対向電極11側から画素電極側3に向かって漸減している。
【選択図】図1

Description

本発明は表示装置に関し、特に有機発光表示装置およびその製造方法に関する。
有機発光表示装置(有機EL表示装置)は導電性の有機発光媒体層に電圧を印加することにより、有機発光媒体層中の有機発光層において注入された電子と正孔が再結合する。有機発光層中の有機発光分子は、再結合エネルギーによりいったん励起状態となり、その後、励起状態から基底状態に戻る。この際に放出されるエネルギーを光として取り出すことにより、有機発光表示装置は発光する。有機発光媒体層に電圧を印加するために、有機発光媒体層の両側には画素電極と対向電極が設けられており、有機発光媒体層からの光を外部へ取り出すために、画素電極、対向電極の少なくとも一方は透光性を有する。このような有機発光表示装置の構造の一例としては、透光性基板上に、透光性の画素電極、有機発光媒体層、対向電極を順次積層したものが挙げられ、ここで、基板上に形成される画素電極を陽極として利用し、有機発光媒体層上に形成される対向電極を陰極として利用する態様が挙げられる。
さらに、発光効率を増大させる等の目的から、画素電極と有機発光層との間に設けられる正孔輸送層、正孔注入層に加え、有機発光層と対向電極との間に電子輸送層、電子注入層が適宜選択して設けられ、有機発光表示装置として構成されることが多い。これら正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層はキャリア輸送層と呼ばれている。これらキャリア輸送層と有機発光層、さらには正孔ブロック層や電子ブロック層、絶縁層等を合わせて有機発光媒体層と呼ぶ。
画像表示装置を作製する場合は、縦横に並べられている多数の画素によって、画像を表示する。そのためには、発光材料や正孔注入材料などを画素電極上に選択的に配し、各画素に独立した有機EL素子を形成する必要がある。その際、材料を各画素に均一に配し、均一に発光させる為、予め各画素を区画する隔壁を設ける手法が一般的に用いられている。
一般的な発光色の組合せは、赤色、緑色、青色である。この有機発光表示装置の寿命は、寿命の短い有機EL素子によって決まってしまう。現状においては、青色有機EL素子の寿命が、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子の寿命に比べて短い傾向にある。そのため、青色有機EL素子の長寿命化が有機発光表示装置としての長期信頼性を達成するための課題となっていた。
有機EL素子を構成する有機発光層等に用いられる材料は、低分子材料と高分子材料とに大別される。一般に、低分子材料の方がより高い発光効率、長寿命を示すことが知られており、特に青色の性能は高いとされる。
低分子材料は一般的に、真空蒸着法を用いて成膜される。真空蒸着法は、有機材料を溶媒に溶解させる必要がなく、成膜後に溶媒を除去する工程が不要という利点がある。但し、真空蒸着法はメタルマスクによる塗り分けが難しく、特に大型のパネルの作製における設備製造コストが高いため、大画面基板への適用が難しく、量産にも難があるなどの欠点を有していた。
近年、低分子系材料または高分子系材料を溶媒に溶解または分散させ、塗布法や印刷法と言った湿式法により有機発光層を製膜する研究が盛んに行われている。前述の真空蒸着法を用いた有機発光表示装置と比較して、大気圧下での製膜が可能であり、設備コストが安いという利点がある。
これらは一般に、溶媒に溶解しやすい材料によって形成されている。これにより、大気圧下におけるスピンコート法などのウェットコーティング法や、凸版印刷法や凸版反転オフセット印刷法(例えば、特許文献1、2参照)、インクジェット法(例えば、特許文献3、4参照)、ノズルプリント法(例えば、特許文献5参照)などの印刷法を用いて各層を形成することができ、製造設備のコストの削減や生産性の向上が図れる。
しかしながら、湿式方式において用いられる発光材料の中で、特に青色発光材料は発光輝度および寿命特性が低く実用的ではないため、青色発光層の湿式法によるパターニングは困難とされていた。
この課題に対して、湿式法で形成された赤色発光層、緑色発光層の上部に、湿式法では特性が不十分な青色発光層以降を共通層として真空蒸着法で形成した表示装置が開示されている(特許文献6参照)。このような構造とすることにより、青色発光層に対する微細なパターニングが不要となるため特に大型化への実現性が高くなる。
しかしながら、特許文献1の有機発光表示装置では、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子の色純度が低下するという問題があった。赤色発光層及び緑色発光層上に直接青色発光層を積層しているため、赤色発光層及び緑色発光層から青色発光層へキャリアが移動し、青色発光層の発光が加わり、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における色度が変化してしまう。従って、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子での青色発光を低減することが求められていた。
特開2003−17248号公報 特開2004−296226公報 特許第3541625号公報 特開2009−267299公報 特開2001−189192公報 特開2006−140434号公報
本発明は、湿式法によって成膜された赤色発光層及び緑色発光層上に、蒸着法によって青色発光層が積層された有機発光表示装置であって、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制することが可能な有機発光表示装置、その製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、基板上に、赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子の各々ごとに設けられた画素電極と、前記画素電極上に形成された正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層と、前記正孔注入・輸送層上に形成された赤色発光層と緑色発光層と、前記赤色発光層と緑色発光層と前記正孔注入・輸送層の全面に形成された青色発光層と、前記青色発光層の全面に順に形成された電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極とが少なくとも形成され、前記青色発光層が少なくとも電子輸送性ホスト材料及び正孔輸送性ドーパント材料を含有し、前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が前記対向電極側から前記画素電極側に向かって漸減しているものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載された有機発光表示装置において、前記青色発光層の前記画素電極側界面付近の領域における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が、前記青色発光層の前記対向電極側界面付近の領域における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度に対して、0質量%以上50質量%以下であるものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載された有機発光表示装置において、前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が、前記画素電極側界面付近の領域で3質量%以下であるものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載された有機発光表示装置において、前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が、前記対向電極側界面付近の領域で5質量%以上であるものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の有機発光表示装置を製造する方法であって、基板上に、赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子の各々ごとに設けられた画素電極を形成する工程と、前記画素電極上に、正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層を湿式法により形成する工程と、前記正孔注入・輸送層上に、赤色発光層と緑色発光層を湿式法により形成する工程と、前記赤色発光層と緑色発光層と前記正孔注入・輸送層の全面に、青色発光層を蒸着法により形成する工程と、前記青色発光層の全面に順に、電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極を形成する工程とを少なくとも有し、前記青色発光層に少なくとも電子輸送性ホスト材料及び正孔輸送性ドーパント材料を含有させ、前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度を対向電極側から画素電極側に向かって漸減させるものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載の有機発光表示装置の製造方法であって、前記湿式法として、インクジェット法、ノズルプリント法、凸版印刷、グラビア印刷または反転オフセット印刷を用いるものである。
本発明によれば、青色発光層中の正孔輸送性ドーパント材料の濃度が対向電極側から画素電極側に向かって漸減していることで、赤色発光層及び緑色発光層から青色発光層へのキャリア移動が抑制され、結果として青色発光層の発光が抑制されるから、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制することできる。
本発明の実施形態に係る有機発光表示装置の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る有機発光表示装置の製造に用いる凸版印刷装置を模式的に示す概略断面図である。
本発明の実施形態は、基板上に、赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子の各々ごとに設けられた画素電極と、画素電極上に形成された正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層と、正孔注入・輸送層上に形成された赤色発光層及び緑色発光層と、赤色発光層と緑色発光層と正孔注入・輸送層の全面に形成された青色発光層と、青色発光層の全面に順に形成された電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極とが少なくとも形成され、青色発光層が少なくとも電子輸送性ホスト材料及び正孔輸送性ドーパント材料を含有し、青色発光層中における正孔輸送性ドーパント材料の濃度が対向電極側から画素電極側に向かって漸減しているものである。
本発明において、漸減が意味するところは、相対的に対向電極側から画素電極側に向かって減少していることであり、これが本発明の主旨であって、連続的または、階段状に変化していても良い。あるいは、一部で減少している領域があっても総体的に減少していれば良い。
また、本明細書において、「画素電極側界面付近の領域」と「対向電極側界面付近の領域」とは、有機発光層全体の厚みの10%の厚み領域をさすものと定義する。また、その領域における濃度とは、その領域における平均濃度を指すものと定義する。さらに、各材料の濃度は、エッチングX線光電子分光分析(XPS/ESCA)などの方法によって測定することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る有機発光表示装置の構成を模式的に示すものである。本実施形態に係る有機発光表示装置1は、いわゆるアクティブマトリクス構造を有する有機発光表示装置であって、TFT(薄膜トランジスタ)が形成された透光性基板2、透光性基板2の一方の面上に複数形成された画素電極3、各画素電極3を線状に区画する隔壁4、画素電極3上に積層された正孔注入層5、正孔注入層5上に積層された正孔輸送層6、正孔輸送層6上に積層された赤色発光層7、緑色発光層8、そして、赤色発光層7と緑色発光層8と正孔輸送層6上に積層された青色発光層9、青色発光層9上に積層された電子輸送層10、電子輸送層10上に積層されて画素電極3と対向配置された対向電極11、対向電極11を覆うように封入された樹脂層12と封止基板13、を備えており、以下、画素電極3が陽極、対向電極11が陰極の場合について述べる。
なお、本実施形態に係る有機発光表示装置1は、いわゆるパッシブマトリクス構造であってもよい。
透光性基板2は、画素電極3や有機発光層(赤色発光層7、緑色発光層8、青色発光層9)、対向電極11等を支持する基板であって、金属、ガラス、又はプラスチックなどのフィルムまたはシートによって構成されている。プラスチック製のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートを用いることができる。
なお、透光性基板2の画素電極3が形成されない他方の面に、セラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物などの他のガスバリア性フィルムを積層してもよい。
本実施形態の透光性基板2は、TFTを形成したアクティブ駆動方式用基板を用いても良い。本実施形態の印刷体をアクティブ駆動型有機EL素子とする場合には、TFT上に、平坦化層が形成してあるとともに、平坦化層上に有機EL素子の下部電極が設けられており、かつ、TFTと下部電極とが平坦化層に設けたコンタクトホールを介して電気接続してあることが好ましい。
このように構成することにより、TFTと有機EL素子との間で、優れた電気絶縁性を得ることができる。TFTや、その上方に構成される有機EL素子は透光性基板2の支持体で支持される。支持体としては機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましく、具体的には先に基板として述べた材料を用いることができる。支持体上に設けるTFTは、公知のTFTを用いることができる。
具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成されるTFTが挙げられる。TFTの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、ボトムゲート型、コプレーナ型等の公知の構造が挙げられる。また、ボトムエミッション型の有機EL素子の場合、透光性基板を用いる必要がある。
次に、透光性基板2上に画素電極3の材料からなる層を成膜し、必要に応じてパターニングを行う。画素電極3の材料からなる層は隔壁4によって区画され、各画素に対応した画素電極3となる。画素電極3の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。
画素電極3を陽極とする場合には、ITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション構造の場合は、透光性のある材料を選択する必要がある。必要に応じて、画素電極の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。画素電極3の膜厚は、有機発光表示装置の素子構成により最適値が異なるが、単層、積層にかかわらず、100Å以上10000Å以下であり、より好ましくは、100Å以上3000Å以下である。
画素電極3の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。
隔壁4は、各画素電極3上に形成された有機EL素子が互いに混合することを防止するために各画素電極3の端部を覆うように形成されており、隔壁4のパターンは画素電極3を区画する線状であることが望ましい。
隔壁4を形成する場合の形成方法としては、従来と同様、透光性基体2上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソグラフィ法により所定のパターンとする方法が挙げられる。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射して形成後にインクに対する撥液性を付与したりすることもできる。
隔壁4の材料としては、絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることができる。また、隔壁4の形成材料として、SiO、TiO等を用いることもできる。
隔壁4の好ましい高さは0.1μm以上10μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2μm以下である。隔壁4の高さが10μmを超えると対向電極11の形成及び封止を妨げてしまい、0.1μm未満だと画素電極3の端部を覆い切れない、あるいは有機発光媒体層の形成時に隣接する画素とショートしたり、混色したりするためである。
次に、画素電極3、隔壁4が形成された透光性基板2上に、本実施形態の有機機能性薄膜として有機発光媒体層を形成する。本実施形態における有機発光媒体層は、少なくとも画素電極3の上面に形成された正孔注入層5と、正孔注入層5上に積層された正孔輸送層6と、正孔輸送層6上に積層された赤色発光層7と緑色発光層8、そして、赤色発光層7と緑色発光層8と正孔輸送層6上に積層された青色発光層9と、青色発光層9上に積層された電子輸送層10とを積層した構成となっている。
正孔注入層5及び正孔輸送層6は、陽極である画素電極3から注入された正孔を陰極である対向電極11の方向へ進め、正孔を通しながらも電子が画素電極3の方向へ進行することを防止する機能を有している。電界印加時に画素電極3からの正孔の注入を安定化する機能を有する正孔注入層、及び、画素電極3から注入された正孔を電界の力で発光層内に輸送する機能を有する正孔輸送層のいずれか一方を有する場合であってもよく、正孔注入層及び正孔輸送層の両方の機能を有していても良い。正孔注入層5、正孔輸送層6は、1層からなっても良いし、複数層からなっても良い。正孔注入層5及び正孔輸送層6は、有機発光層(赤色発光層7、緑色発光層8、青色発光層9)と画素電極3との間に形成される。
正孔注入層5及び正孔輸送層6に用いられる正孔輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、CuO,Cr,Mn,FeOx(x〜0.1),NiO,CoO,Pr,AgO,MoO,Bi,ZnO,TiO,SnO,ThO,V,Nb,Ta,MoO,WO,MnOなどの無機材料、その他既存の正孔注入輸送材料の中から選ぶことができる。
また、正孔注入輸送材料を溶解または分散させる溶媒としては、トルエン、キシレン、アニソール、ジメトキシベンゼン、テトラリン、シクロヘキサノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水などのうち、いずれかまたはこれらの混合液が挙げられる。
前記した正孔注入輸送材料の溶解液または分散液には、必要に応じて界面活性剤や酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤などを添加してもよく、粘度調整剤としては、例えばポリスチレン、ポリビニルカルバゾールなどを用いることができる。
正孔注入層5及び正孔輸送層6の形成方法としては、正孔注入層5及び正孔輸送層6に用いる材料に応じて、スピンコートやバーコート、ワイヤーコート、スリットコート、スプレーコート、カーテンコート、フローコート、凸版印刷、凸版反転オフセット印刷、インクジェット法、ノズルプリント法などの湿式法や、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの蒸着法を用いることができる。
また、正孔注入層5及び正孔輸送層6上にはインターレイヤ層を形成しても良い。インターレイヤ層に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコートやバーコート、ワイヤーコート、スリットコート、スプレーコート、カーテンコート、フローコート、凸版印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、インクジェット法、ノズルプリント法などの湿式法を用いて形成することができる。
赤色発光層7、緑色発光層8、青色発光層9の材料は電圧を印加することによって赤色、緑色、青色に発光する有機発光層の機能性材料である。赤色発光層7及び緑色発光層8は、溶解または分散した有機発光インク(インク)を正孔輸送層6上にスピンコートやバーコート、ワイヤーコート、スリットコート、スプレーコート、カーテンコート、フローコート、凸版印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、インクジェット法、ノズルプリント法などの湿式法を用いて付着させ、その後乾燥させることで形成されている。青色発光層9の形成方法としては、用いる材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空蒸着法を用いることができる。なお、有機発光層の膜厚は、0.01μm以上0.1μm以下の範囲であればよい。前記膜厚の範囲外となった場合、発光効率が低下する傾向にある。
有機発光層を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
上述した高分子材料に加え、有機発光層を形成する有機発光材料は、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレンなどの低分子系発光材料も使用できる。
電子輸送層10に用いられる電子輸送材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物、等を用いることができる。また、これらの電子輸送材料に、ナトリウムやバリウム、リチウムといった仕事関数が低いアルカリ金属、アルカリ土類金属を少量ドープすることにより、電子注入層としてもよい。
電子輸送層10の形成方法としては、用いる材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの真空蒸着法を用いることができる。
次に、対向電極11を形成する。対向電極11を陰極とする場合には有機発光媒体層への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的には、Mg,Al,Yb等の金属単体を用いてもよく、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または、電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。
対向電極11の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。対向電極11の厚さに特に制限はないが、10nm以上1000nm以下が望ましい。
次に、対向電極11と封止材との間に、例えば対向電極11上にパッシベーション層を形成してもよい。パッシベーション層の材料としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化炭素などの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、炭化ケイ素などの金属炭化物、必要に応じて、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜との積層膜を用いてもよい。特に、バリア性と透明性の面から、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)、酸窒化ケイ素(SiOxNy)を用いることが好ましく、さらには、成膜条件により、膜密度を可変した積層膜や勾配膜を使用してもよい。
パッシベーション層の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法を用いることができるが、特に、バリア性や透光性の面でCVD法を用いることが好ましい。CVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、触媒CVD法、VUV−CVD法などを用いることができる。
また、CVD法における反応ガスとしては、モノシランや、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)やテトラエトキシシランなどの有機シリコーン化合物に、N、O、NH、H、NOなどのガスを必要に応じて添加してもよく、例えば、シランの流量を変えることにより膜の密度を変化させてもよく、使用する反応性ガスにより膜中に水素や炭素が含有させることもできる。パッシベーション層の膜厚としては、有機EL素子の電極段差や基板の隔壁高さ、要求されるバリア特性などにより異なるが、0.01μm以上10μm以下程度が一般的に用いられている。
有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため、有機発光媒体層を外部と遮断するための封止材を設ける。封止材は、例えば封止基板13と樹脂層12とを設けて作成することができる。封止基板13としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m2/day以下であることが好ましい。
樹脂層12の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。
樹脂層12の形成方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層12の厚みは、封止する有機発光媒体層の大きさや形状により任意に決定されるが、5μm以上500μm以下が望ましい。
有機発光媒体層と封止基板13との貼り合わせは封止室で行う。封止材を、封止基板13と樹脂層12の2層構造とし、樹脂層12に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。樹脂層12に熱硬化型接着樹脂や光硬化性接着性樹脂を使用した場合は、ロール圧着や平板圧着した状態で、光もしくは加熱硬化を行うことが好ましい。
次に、以上のような構成の有機発光表示装置1を凸版印刷法と真空蒸着法によって製造する方法の概略を説明する。なお、本発明はこれに限るものではなく、上述の通り、凸版印刷法に変えてノズルプリント法等を用いることが出来る。
まず、TFTが形成された透光性基板2上に、TFTと接続するように画素電極3を形成する。これは、透光性基板2上の全面にスパッタリング法を用いてITO膜を形成し、さらにフォトリソグラフィ技術による露光、現像を行って、画素電極3として残存させる要部をフォトレジストで被覆すると共に、不要部を酸溶液でエッチングしてITO膜を除去する。このようにして、所定の間隔をあけて配置された複数の画素電極3が形成される。
次に、各画素電極3の間に隔壁4を形成する。これは、透光性基板2及び画素電極3上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術による露光、現像を行って、各画素電極3の間にフォトレジストを残存させる。その後、ベーキングを行うことでフォトレジストを硬化させる。
そして、図2に示すような凸版印刷装置30を用いて、正孔注入性材料のインキを画素電極3上に凸版印刷法によって塗布し、正孔注入層5を形成する。この凸版印刷装置30は、インクタンク33と、インキチャンバ34と、アニロックスロール35と、ドクタ30と、凸部が設けられた凸版37がマウントされた版胴38とを有している。インクタンク33には、有機材料インキが収容されており、インキチャンバ34にはインクタンク33より有機材料インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール35はインキチャンバ34のインキ供給部に接して回転可能に支持されている。
アニロックスロール35の回転に伴い、アニロックスロール35の表面に供給された有機材料インキのインキ層39は均一な膜厚に形成される。このインキ層39のインキはアニロックスロール35に近接して回転駆動される版胴38にマウントされた凸版37の凸部に転移する。ステージ31には、被印刷基板32が設置され、凸版37の凸部にあるインキが被印刷基板32に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板32上に有機層が形成される。
次に、正孔輸送層6を形成した後、同様に凸版印刷法により有機発光層(赤色発光層7、緑色発光層8)を正孔輸送層6上に形成する。
次に、凸版印刷法により有機発光層まで形成した後、青色発光層9を発光領域となる赤色発光層7、緑色発光層8、正孔輸送層6上及び非発光領域となる隔壁4上を含む全面に抵抗加熱蒸着法などの真空蒸着法によって形成する。
青色発光層9を真空蒸着法によって形成する場合、青色発光層9は電子輸送性ホスト材料及び正孔輸送性ドーパント材料を含有し、青色発光層9中における正孔輸送性ドーパント材料の濃度が対向電極11側から画素電極側3に向かって漸減するように、電子輸送性ホスト材料と正孔輸送性ドーパントの共蒸着比率を蒸着進行と共に蒸着速度を調整する。
続いて、電子輸送層10及び対向電極11を、青色発光層9上に抵抗加熱蒸着法などの蒸着法によって蒸着して形成する。最後に、これら画素電極3、有機発光媒体層及び対向電極11を空気中の酸素や水分から保護するために樹脂層12を充填し、封止基板13で被覆し、封止して有機発光表示装置1を製造する。
以上のように構成された有機発光表示装置1及びその製造方法によれば、青色発光層9中の正孔輸送性ドーパント材料の濃度が対向電極11側から画素電極3側に向かって漸減していることで、赤色発光層7及び緑色発光層8から青色発光層9へのキャリア移動が抑制され、結果として青色発光層9の発光が抑制され、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層9からの影響による色純度低下を抑制することできる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、正孔ブロック層や電子注入層、電子ブロック層を形成してもよい。ここで、電子ブロック層は、正孔輸送層6と同様に、陽極である画素電極3から正孔を陰極である対向電極11の方向へ進めて正孔を通しながらも、電子が画素電極3の方向へ進行することを防止する機能を有している。また、正孔ブロック層や電子輸送層、電子注入層は、陰極である対向電極11から電子を陽極である画素電極3の方向へ進めて電子を通しながらも、正孔が対向電極11の方向へ進行することを防止する機能を有している。
また、フッ化リチウムやフッ化ナトリウムなどの薄膜を対向電極11と有機発光媒体層との間に設けてもよい。対向電極11をパターニングするには、金属膜、セラミック膜の蒸着マスクなどを用いることができる。さらに、隔壁4が各画素電極3間に形成されているが、隔壁4を設けない構成としてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[素子作成]
図1に示すように、透光性基板2(白板ガラス;縦100mm×横100mm×厚さ0.7mm)上にスパッタリング法により幅80μm、厚さ0.15μmの短冊状の画素電極3を80μm間隔で形成した。ここで、画素電極3の表面粗さRaは、面積200μm2の任意の面内において20nmとなった。また、隔壁4は、透光性基板2と接触する下端の幅が90μm、上端の幅が45μm、高さが2μmであり、断面はほぼ台形状となっている。
ここで、隔壁4は、ポジ型感光性ポリイミドをスピンコートし、スピンコートの条件として、透光性基板2を110rpmで5秒間回転させた後に、400rpmで20秒間回転させた。隔壁4上のみ隠されたフォトマスクを準備し、フォトリソグラフィ法を用いて基板の全面に塗布された感光性材料の隔壁4部以外をi線ステッパーにより180mJ/cm露光した。露光した後現像を行い、オーブンを用いて、200℃60分の条件で焼成し、隔壁4を形成した。また、正孔注入層5は、正孔注入材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物を用いて凸版印刷法で隔壁4内に塗布し、これを200℃30分間乾燥させることによって形成した。また正孔輸送層6は、正孔輸送材料としてポリアリーレン誘導体を用い、これをキシレンに溶解させて濃度を3.0重量%としたインクを凸版印刷法で隔壁4内に塗布し、これを200℃10分間乾燥させることによって形成した。
赤色発光層7のホスト材料には2,2′,2″-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(TPBi)、ドープ材料には2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルー21H,23H−ポリフィリンプラチナ2(PtOEP)を用いて重量比率をTPBi/PtOEP=0.90/0.10にて濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、凸版印刷法で隔壁内に塗布した。これを100℃10分間乾燥させることによって形成した。乾燥後の赤色発光層7の膜厚は画素中心部で50nmとなった。
緑色発光層8のホスト材料にはTPBi、ドープ材料にはトリス(2−(p−トリル)ピリジン)イリジウムIII(Ir(mppy)3)を用いて重量比率をTPBi/Ir(mppy)3=0.94/0.06にて濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、凸版印刷法で隔壁4内に塗布した。これを100℃10分間乾燥させることによって形成した。乾燥後の緑色発光層8の膜厚は画素中心部で50nmとなった。
青色発光層9として、赤色発光層7、緑色発光層8、正孔輸送層6上に、真空蒸着法により、9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン(以下「DNA」という。)と2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(以下「TBP」という。)を共蒸着した膜を形成した。DNAとTBPの共蒸着比は蒸着進行と共に変化させた。蒸着初期の画素電極3側では、TBPの混合比が1質量%、蒸着終了段階の対向電極11側では、TBPの混合比が20質量%となるように蒸着速度を調整した。これらの領域の間では連続的に混合比率を変化させ、厚さ30nmを形成した。
さらに、青色発光層9上に、真空蒸着法により、電子輸送層10としてAlqを成膜速度0.01nm/secとして、厚さ20nmを形成した。その後、対向電極11として、LiF/Al=0.5nm/150nmを蒸着により形成した。その後、封止基板13を接着し、有機発光表示装置1を得た。
このように得られた有機発光表示装置1の表示部の周辺部においては、画素電極毎に接続されている陽極側の取り出し電極と、陰極層に接続されている陰極側の取り出し電極とが設けられている。これら取り出し電極を電源に接続し、有機発光表示装置1を点灯かつ表示させ、点灯状態及び表示状態を確認した。
得られた有機発光表示装置1を駆動し、表示確認を行ったところ、発光状態は良好であった。また、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子における青色発光層9からの影響による色純度低下は抑制され、表示特性は良好であった。
[比較例]
まず、前記実施例と同一の方法で、赤色発光層、緑色発光層まで形成し、青色発光層をDNAとTBPの共蒸着比を変化させずに、TBPの混合比が20質量%一定となるように形成し、電子輸送層からは前記実施例と同一の方法で形成し、有機発光表示装置を得た。
このように得られた有機発光表示装置を駆動したところ、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子において、青色発光層からの影響による色純度低下が見られた。そのため、有機発光表示装置としての表示特性は低下した。
比較例の評価結果から、青色発光層にてDNAとTBPの共蒸着比を、TBPの濃度が対向電極側から画素電極側に向かって漸減していなかったことで、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子での青色発光層の発光が抑制されず、色純度低下した。これに対して、実施例においては、TBPの濃度が対向電極11側から画素電極3側に向かって漸減していたため、赤色有機EL素子、緑色有機EL素子で、色純度が良く、表示特性の良い有機発光表示装置1が得られた。
本発明は、湿式法によって成膜された赤色発光層及び緑色発光層上に、蒸着法によって青色発光層が積層された有機発光表示装置において、赤色有機EL素子及び緑色有機EL素子における青色発光層からの影響による色純度低下を抑制させることにおいて、有用である。
1…有機発光表示装置
2…透光性基板
3…画素電極
4…隔壁
5…正孔注入層
6…正孔輸送層
7…赤色発光層
8…緑色発光層
9…青色発光層
10…電子輸送層
11…対向電極
12…樹脂層
13…封止基板
30…凸版印刷装置
31…ステージ
32…被印刷基板
33…インキタンク
34…インキチャンバ
35…アニロックスロール
36…ドクタ
37…凸版
38…版胴
39…インキ層

Claims (6)

  1. 基板上に、
    赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子の各々ごとに設けられた画素電極と、
    前記画素電極上に形成された正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層と、
    前記正孔注入・輸送層上に形成された赤色発光層と緑色発光層と、
    前記赤色発光層と緑色発光層と前記正孔注入・輸送層の全面に形成された青色発光層と、
    前記青色発光層の全面に順に形成された電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極とが少なくとも形成され、
    前記青色発光層が少なくとも電子輸送性ホスト材料及び正孔輸送性ドーパント材料を含有し、前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が前記対向電極側から前記画素電極側に向かって漸減している
    ことを特徴とする有機発光表示装置。
  2. 前記青色発光層の前記画素電極側界面付近の領域における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が、前記青色発光層の前記対向電極側界面付近の領域における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度に対して、0質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
  3. 前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が、前記画素電極側界面付近の領域で3質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の有機発光表示装置。
  4. 前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度が、前記対向電極側界面付近の領域で5質量%以上であることを特徴とする請求項3に記載の有機発光表示装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の有機発光表示装置を製造する方法であって、
    基板上に、赤色有機EL素子と緑色有機EL素子と青色有機EL素子の各々ごとに設けられた画素電極を形成する工程と、
    前記画素電極上に、正孔注入または正孔輸送の少なくとも一方の特性を有する正孔注入・輸送層を湿式法により形成する工程と、
    前記正孔注入・輸送層上に、赤色発光層と緑色発光層を湿式法により形成する工程と、
    前記赤色発光層と緑色発光層と前記正孔注入・輸送層の全面に、青色発光層を蒸着法により形成する工程と、
    前記青色発光層の全面に順に、電子注入または電子輸送の少なくとも一方の特性を有する電子注入・輸送層および対向電極を形成する工程とを少なくとも有し、
    前記青色発光層に少なくとも電子輸送性ホスト材料及び正孔輸送性ドーパント材料を含有させ、前記青色発光層中における前記正孔輸送性ドーパント材料の濃度を対向電極側から画素電極側に向かって漸減させる
    ことを特徴とする有機発光表示装置の製造方法。
  6. 前記湿式法として、インクジェット法、ノズルプリント法、凸版印刷、グラビア印刷または反転オフセット印刷を用いることを特徴とする請求項5に記載の有機発光表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112514537A (zh) * 2018-08-03 2021-03-16 夏普株式会社 电致发光元件及显示装置

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