JP2014059104A - 酸素燃焼式ボイラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガス循環系の排ガスの水分凝縮を回避でき、凝縮水に起因する問題を排除して安定に運転できる酸素燃焼式ボイラシステムを提供する。
【解決手段】ボイラ1から排出される排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置5と、集塵装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置7と、集塵装置又は湿式脱硫装置の出側の排ガスダクトに設けられた排ガス取入口20から排ガスを取り入れてボイラの燃焼用ガスの一部として循環する排ガス循環系と、富酸素ガスを供給する空気分離装置30とを備え、排ガス循環系により循環される排ガスを空気分離装置から供給される富酸素ガスに混合して燃焼用ガスを生成する酸素燃焼式ボイラシステムにおいて、少なくとも排ガス循環系に取り入れられる排ガスを気液接触により冷却する排ガス冷却装置22を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素燃焼式ボイラシステムに係り、具体的には、富酸素ガスに混合する排ガスの再循環により濃縮される水分等の悪影響を回避する技術に関する。
酸素燃焼式ボイラは、燃料の燃焼に用いる燃焼用ガスとして空気を使う代わりに酸素を用いる燃焼方式であるが、燃焼用ガスの酸素濃度が高いと燃焼温度が高くなりすぎることから、一般に、排ガスの一部を循環し、酸素を主成分とする富酸素ガスに混合して酸素濃度を低く調整した燃焼用ガスが用いられる(例えば、特許文献1、特許文献2)。燃焼用ガスは、空気燃焼式の場合と同様、ボイラのバーナに供給する例えば微粉炭を気流輸送する1次燃焼用、2次及び3次燃焼用、アフターガスポート又はオーバーガスポートと称される燃焼炎の下流側に吹き込むガスとして用いられる。
酸素燃焼式ボイラシステムは、燃焼により生ずる排ガスが殆どHOとCOであるから、脱硝、脱塵及び脱硫などの排ガス浄化を行った後、CO回収設備により例えば排ガスを圧縮して水分を凝縮させて回収した後、さらに圧縮してCOを液化して効率よく回収することができる。そのため、環境へのCO排出を防止できることに特徴がある。なお、CO回収設備は、圧縮法に代えて吸収液にCOを吸収させて回収することも知られている。
しかしながら、酸素燃焼式ボイラシステムにおいては、排ガスを再循環することにより、水分濃度及びSO濃度が通常の空気燃焼式ボイラと比べて高くなる。例えば、高濃度硫黄炭を燃料として用いた場合でも、空気燃焼式ボイラでは排ガスの水分濃度は10wt%程度、SO濃度は高くても50ppm程度である。これに対し、酸素燃焼式ボイラでは、排ガス再循環比率にもよるが、排ガスの水分濃度は30wt%程度、SO濃度は60〜300ppm程度になり、空気燃焼式の約3倍に濃縮される可能性がある。
このように、水分濃度が高くなると水の露点が上昇するから、排ガスを循環する排ガス循環系において水分が凝縮し易くなる。例えば、同じ温度170℃の排ガスでもその含有水分が10wt%の場合の水露点は50℃であるが、水分30wt%の場合は水露点が77℃となり、水分濃度が高まる酸素燃焼式システムでは、水分の凝縮がより高温条件で起こることになる。水分が凝縮すると、循環排ガス中のSOが凝縮水に溶解して酸性溶液になり、また、SOがミスト化して排ガス循環系の機器等を酸腐食させるとともに、例えば石炭を微粉砕する粉砕装置を目詰まりさせるおそれがある。同様に、ボイラから湿式脱硫装置に至る排ガス処理系においても、水分の凝縮とともにSOがミスト化すると、排ガス処理系のガス―ガス熱交換器(GGH)を目詰まりさせ、あるいは機器等を酸腐食させるおそれがある。
そこで、特許文献1、2では、乾式集塵装置を通して除塵した排ガスを湿式脱硫装置に通してSOを除去し、さらに湿式集塵装置を通して湿式脱硫装置で除去できなかったSOを除去した排ガスを、冷却脱水搭に通して排ガス中の水分を凝縮除去し、その排ガスの一部を再循環することを提案している(特許文献1の図4、特許文献2の図2)。これにより、循環排ガス中の水分濃度を空気燃焼式の場合よりも低減することができる。
また、特許文献2では、排ガス循環系の排ガス取入口を乾式集塵装置と湿式脱硫装置の間の排ガスダクトに設け、乾式集塵装置の後流側から取り入れた排ガスを冷却脱水搭に通して脱水して、脱水した循環排ガスと富酸素ガスを混合して1次〜3次等の燃焼用ガスとして用いることを提案している。
また、特許文献1、2に記載の冷却脱水搭は、排ガスが流通される塔内に冷媒が流通される伝熱管を設けた構成であるが、冷媒として深冷分離式の空気分離装置から廃棄される窒素ガスを用いることができるとしている。
特開2009−270753号公報 特開2010−107129号公報
ところで、特許文献1,2に記載の酸素燃焼式ボイラシステムにおいて、湿式脱硫装置、湿式集塵装置の下流側に冷却脱水搭を設け、その下流側から循環排ガスを取り入れる方式によれば、循環排ガスの水分濃度を5wt%程度に低減でき、かつ循環排ガス中のSO及びSO濃度を下げることができる。しかし、湿式脱硫装置、湿式集塵装置及び冷却脱水搭に循環排ガス量を含む全排ガス量が通流するので、それらの装置が大型化することについては配慮されていない。
一方、特許文献1,2には、集塵装置と湿式脱硫装置の間の排ガスダクトから循環排ガスを取り入れる方式が記載されている。これによれば、湿式脱硫装置、湿式集塵装置及び冷却脱水搭が大型になることを回避できるうえ、取り入れた循環排ガスを冷却脱水搭で冷却脱水することにより、循環排ガスの水分濃度を5wt%程度に低減でき、これに応じてボイラから湿式脱硫装置に至る排ガスの水分濃度を低減できる。さらに、冷却脱水した循環排ガスをガス−ガス熱交換器で集塵装置の上流側の排ガスにより昇温する方式によれば、循環排ガスの水露点が高くなって凝縮水の発生が抑制される。その結果、循環排ガス中にSOが存在していても、SO溶解液の生成が抑制されるから、排ガス循環系の酸腐食を抑えることができる。
しかし、特許文献1,2に記載の冷却脱水搭は、排ガスが流れる塔内に配置された伝熱管に冷媒を流通する熱交換器であるから、排ガスの冷却性能を向上させて小型化する余地がある。さらに、集塵装置と湿式脱硫装置の間の排ガスダクトから循環排ガスを取り入れる方式によれば、排ガス循環中のSO濃度が高いために、SO濃度に応じて生成されるSO濃度が高くなるので、排ガス循環系の酸腐食を改善する余地がある。
本発明が解決しようとする課題は、排ガス循環系の排ガスの水分凝縮を回避でき、凝縮水に起因する問題を排除して安定に運転できる酸素燃焼式ボイラシステムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、燃料を燃焼して蒸気を発生するボイラと、該ボイラから排出される排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置と、該集塵装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置と、前記集塵装置又は前記湿式脱硫装置の出側の排ガスダクトに設けられた排ガス取入口から排ガスを取り入れて前記ボイラの燃焼用ガスの一部として循環する排ガス循環系と、富酸素ガスを供給する酸素製造装置とを備え、前記排ガス循環系により循環される排ガスを前記酸素製造装置から供給される富酸素ガスに混合して前記燃焼用ガスを生成する酸素燃焼式ボイラシステムにおいて、少なくとも前記排ガス循環系に取り入れられる排ガスを気液接触により冷却する排ガス冷却装置を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、少なくとも排ガス循環系に取り入れられる排ガスを気液接触により冷却するようにしたから、冷却液の蒸発潜熱により排ガスを効果的に、かつ均一に冷却できる。その結果、排ガス冷却装置を小型化することができ、かつ循環排ガス系の排ガスの水分濃度を十分に低下させることができるから、循環排ガス系の排ガスの水分凝縮を回避でき、凝縮水に起因する悪影響を排除して安定運転を確保することができる。つまり、例えば、燃料に微粉炭を用いるボイラの場合、循環排ガス中の凝縮水による微粉炭の粉砕機の目詰まり、あるいはバーナへの微粉炭供給配管系の目詰まりなどの悪影響を排除することができる。また、循環排ガス中のSO濃度が高い場合、凝縮水にSOが溶解して排ガス循環系の配管や機器等を酸腐食させるおそれがあるが、水分の凝縮が抑制されるから、そのような酸腐食を抑制することができる。さらに、ボイラから集塵装置又は湿式脱硫装置に至る排ガス処理系の排ガスの水分濃度を低減できるから、排ガス処理系における水分凝縮に起因する悪影響を排除することができる。
なお、排ガス再循環系には、排ガス冷却装置により冷却脱水された循環排ガスを、集塵装置の上流側の排ガスダクト内を流れる排ガスと熱交換して加熱するガス−ガス熱交換器(GGH)を設けることが好ましい。これによれば、排ガス再循環系における循環排ガス中の水分凝縮に起因する悪影響を一層排除することができる。また、GGHにより集塵装置に流入する排ガスの温度を酸露点以下に調節して、排ガスに含まれるSOを凝縮させて煤塵に付着させることにより、集塵装置においてSOを煤塵とともに除去することができる。その結果、湿式脱硫装置をすり抜けてしまうSOを捕集するために湿式脱塵装置を設ける必要がなくなるので、排ガス処理系の構成を簡略化できる。
本発明において、排ガス循環系への排ガス取入口を、集塵装置と湿式脱硫装置の間の排ガスダクトに設け、排ガス冷却装置を、排ガス取入口に接続される排ガス循環系の排ガス取入管路に設けることができる。また、これに代えて、排ガス冷却装置を、集塵装置と排ガス取入口との間の排ガスダクトに設けることができる。さらに、本発明において、排ガス循環系への排ガス取入口を、湿式脱硫装置の出側の排ガスダクトに設け、排ガス冷却装置を、湿式脱硫装置と排ガス取入口との間の排ガスダクトに設けることができる。
本発明によれば、排ガス循環系の排ガスの水分凝縮を回避でき、凝縮水に起因する問題を排除して安定に運転できる酸素燃焼式ボイラシステムを提供することができる。
本発明の酸素燃焼式ボイラシステムの実施例1の系統構成図である。 本発明の特徴部である排ガス冷却装置の一例の詳細構成図である。 本発明の酸素燃焼式ボイラシステムの実施例2の系統構成図である。 本発明の酸素燃焼式ボイラシステムの実施例3の系統構成図である。 実施例1〜3を用いて行った実証試験を対比して示す図である。
以下、本発明の酸素燃焼式ボイラシステムを実施例に基づいて説明する。
図1に、酸素燃焼式ボイラシステムの実施例1の系統構成図を示す。図示のように、本実施例は、燃料である微粉炭を燃焼して蒸気を発生するボイラ1と、該ボイラ1から排出する排ガス中のNOxを除去する脱硝装置2と、脱硝された排ガスを燃焼用ガス予熱器3とガス―ガスヒータ(GGH)4の熱回収器4aを介して取り込み、排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置5とを備えている。集塵装置5には、乾式電気集塵装置を適用することができる。集塵装置5の後流側には誘引ファン6を介して排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置7が設けられている。湿式脱硫装置7の後流側には、排ガス中の水分とCOを分離して回収するCO回収装置14が設けられている。CO回収装置14により水分とCOが分離された排ガスは、オフガスとして図示していない煙突から大気に放出されるようになっている。
湿式脱硫装置7は、周知の構成を有して形成されている。すなわち、カルシウム系の脱硫剤を含む吸収液が吸収搭7aの上部に設けられた噴霧ノズル7bから噴霧され、排ガス中のSOを吸収した吸収液は吸収搭7aの底部から、吸収液タンク7cに流下されるようになっている。吸収液タンク7cの吸収液は、図示していない吸収液循環ポンプにより、噴霧ノズル7bに循環されるようになっている。
CO回収装置14は、第1ドレン回収タンク8と、圧縮器9と、第2ドレン回収タンク10と、脱湿機11と、凝縮機12と、液化COタンク13とを備えて構成され、液化COタンク13からオフガスが図示していない昇圧通風機(BUF)により、煙突を介して大気中に放出されるようになっている。また、燃料である石炭15は粉砕機16に供給されて微粉砕され、燃料搬送管路17を介してボイラ1のバーナ18に気流搬送されるようになっている。
集塵装置5と誘引ファン6との間の排ガスダクトに排ガス循環系の排ガス取入口20が設けられている。排ガス循環系は、排ガス取入口20からボイラ1のバーナ18及びアフターガスポート26に至るガス流路及び機器等から構成される。本実施例の特徴部である排ガス冷却装置22は、排ガス取入口20に接続された循環排ガス管路21に設けられている。排ガス冷却装置22に接続された排ガス循環ファン23により循環排ガスが排ガス循環系に取り入れられる。排ガス循環ファン23から吐出される循環排ガスは、GGH4の再加熱器4bと燃焼用ガス予熱器3とを流通して昇温される。再加熱器4bは、熱回収器4aと熱媒の循環伝熱管4cで連結され、熱回収器4aで排ガスの熱を回収して循環される熱媒により再加熱器4bで循環排ガスを加熱するようになっている。再加熱器4bで加熱された循環排ガスは、燃焼用ガス予熱器3によりさらに昇温されて、一次燃焼用ガスファン24を介して後述する富酸素ガスに混合され、所定の酸素濃度(空燃比に相当する。)の燃焼用ガスが調整される。所定の酸素濃度に調整された燃焼用ガスは、燃料搬送管路17に供給され、粉砕機16から供給される微粉炭を搬送してバーナ18に供給される。また、燃焼用ガス予熱器3により昇温された循環排ガスの一部は、調節バルブ25を介してボイラ1のアフターガスポート26に供給される。このように、排ガス循環系は、排ガスダクトに設けられた排ガス取入口20から排ガスを取り入れて、排ガス冷却装置22により気液接触により冷却脱水した後、昇温されてボイラ1のバーナ18及びアフターガスポート26に戻して再循環するようになっている。
酸素製造装置の一例である空気分離装置30は、図1に示すように、周囲空気31をエアフィルタ32を介して取り込んで煤塵を除去して圧縮機33で圧縮した後、水冷式などの冷却塔34で約10℃まで冷却してドレン35を分離する。その後、複数(図示例では2つ)の吸着剤充填塔36a、bに交互に圧力を加え、切替弁群37aと切替弁群37bを開閉して流路を切替えながら、吸着と脱着を交互に繰り返すようになっている。このようにして、周囲空気31に微量に含まれるCO及びHOを吸着剤充填塔36a、bの吸着剤に吸着するとともに脱着して、排気管38から排気するようになっている。ここで、吸着剤には、例えば、主にモレキュラーシーブとゼオライトからなる吸着剤を用いることができる。CO及びHOが除去された後の酸素と窒素を主体とする混合ガスは、熱交換器39を介して最終的に−200℃程度の液化空気として精留塔40に導入される。ここで、酸素の沸点は−183℃、窒素の沸点は−195.8度であるから、液化空気から沸点の低い窒素が先に蒸発し、精留塔40の塔頂部から極低温の窒素を主成分とする富窒素ガス41が排出される。富窒素ガス41は熱交換器39を通って、吸着剤充填塔36a、bから流出される混合ガスを液化するための冷熱を放出し、例えば−10℃程度まで昇温される。なお、精留塔40は多段階になっていて、酸素は複数段階に分離されて酸素を主成分とする99.99%レベルの富酸素ガスまで精留することができる。このようにして深冷分離された富酸素ガス42は、熱交換器39を流通して混合ガスを液化するための冷熱を放出し、さらに冷却塔34の冷熱源として冷熱を放出した後、循環排ガスと混合されて燃焼用ガスとして供給される。
図2に、本実施例1の特徴部である排ガス冷却装置22の詳細構成を示す。図示のように、排ガス冷却装置22は筒状の容器44を備えて形成され、容器44内の頂部に冷却液であるカルシウム系の脱硫剤を含む吸収液を噴霧する複数の噴霧ノズル45が設けられている。また、容器44内の複数の噴霧ノズル45の下方には、冷媒が流通される吸収液熱交換器を構成する伝熱管47が配設され、伝熱管47を流通する冷媒により噴霧される吸収液を冷却するようになっている。さらに、容器44の底部には、吸収液貯留部48が形成されるようになっている。そして、容器44の頂部に排ガス取入口20から取り込まれる循環排ガスが導入され、容器44の側面の吸収液貯留部48よりも高い位置から、循環排ガスが排ガス循環ファン23により吸引されるようになっている。
吸収液貯留部48の吸収液は、第1の吸収液循環ポンプ49により流量調節弁50を介して、湿式脱硫装置7に設けられた吸収液タンク7cの頂部に移送されるようになっている。吸収液タンク7c内には、冷媒が流通される吸収液熱交換器を構成する伝熱管52が吸収液に浸漬して配設され、伝熱管52を流通する冷媒によって吸収液タンク7c内の吸収液が冷却されるようになっている。吸収液タンク7c内の吸収液は、第2の吸収液循環ポンプ53により抜き出され、吸収液供給管46に設けられた熱交換器54を介して噴霧ノズル45に供給されて、容器44内に噴霧されるようになっている。熱交換器54内には冷媒が流通される伝熱管54aが設けられ、吸収液供給管46に供給される吸収液を冷却するようになっている。また、第1の吸収液循環ポンプ49の吐出ラインと第2の吸収液循環ポンプ53の吐出ラインを連結するバイパスライン55が設けられ、バイパスライン55には流量調節弁56が介装されている。これにより、必要に応じて、第1の吸収液循環ポンプ49により、排ガス冷却装置22の吸収液の一部を、吸収液タンク7cを介さずに噴霧ノズル45に循環できるようになっている。
本実施例では、伝熱管47、伝熱管52及び伝熱管54aに流通する冷媒として、空気分離装置30から廃棄される富窒素ガス41が流通されるようになっている。なお、富窒素ガス41に代えて、空気分離装置30で生成された富酸素ガスを伝熱管47、伝熱管52及び伝熱管54aに流通するようにすることができる。また、図2において、バイパスライン55を省略してもよく、また、熱交換器54を省略してもよい。また、本実施例の伝熱管47と伝熱管52は、それぞれ容器44と吸収液タンク7cの底板に冷媒の流入口と流出口を有する構成としたが、これに限られるものではなく、容器44と吸収液タンク7cの側壁に冷媒の流入口と流出口を設けてもよい。さらに、本実施例の伝熱管47と伝熱管52はU字型に折り曲げた例を示したが、これに限らず、コイル状に形成することができる。
このように構成される本実施例の酸素燃焼式ボイラシステムの動作を以下に説明する。石炭15は粉砕機16により微粉砕されて燃料搬送管路17に投入される。燃料搬送管路17に投入された微粉炭は、所定の酸素濃度に調整された燃焼用ガスにより気流搬送されてバーナ18に供給される。バーナ18で燃焼して発生した排ガスは、ボイラ1から脱硝装置2に導入されて排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)が除去される。なお、本実施例の酸素燃焼式のボイラ1の排ガスに含まれるNOxは、燃料由来の窒素酸化物(フュエルNOx)のみであるから、ボイラ1の燃焼管理等によりフュエルNOxを無視できる程度に低減できる場合は、脱硝装置2を省略することができる。脱硝装置2から排出される排ガスは燃焼用ガス予熱器3に導入され、後述するように、循環排ガスが予熱されるようになっている。燃焼用ガス予熱器3を通った排ガスは、GGH4の熱回収器4aを流通して集塵装置5に導入される。熱回収器4aは熱媒管路4cを介して、再加熱器4bに熱移動可能に連結されている。これにより、熱回収器4aで回収した排ガスの熱は、熱媒管路4cを介して再加熱器4bを流通する循環排ガスを加熱する。このとき、熱回収器4aで熱回収された排ガスの温度を酸露点以下に低下させることにより、排ガスに含まれるSOが凝縮されて排ガス中の煤塵に付着させることができる。
集塵装置5において、排ガス中の煤塵が除去されるとともに、GGH4の熱回収器4aを通過する際に煤塵に吸着されたSOが煤塵とともに除去される。集塵装置5を通過した排ガスは、誘引ファン6を介して湿式脱硫装置7に導入される。湿式脱硫装置7に導入された排ガスは、排ガス中のSOが吸収液に吸収される。このようにして窒素酸化物、煤塵及び硫黄酸化物が除去された排ガスは、CO回収装置14に導入される。CO回収装置14に流入される排ガス中のSO濃度は低下されているから、CO回収装置14の構成機器の腐食防止に役立つ。
CO回収装置14に導入された排ガス中の水分(飽和水蒸気)は、ドレン回収タンク8において凝縮されてドレン8aとして回収される。ドレン回収タンク8を通過した排ガスは、圧縮機9により圧縮されてドレン回収タンク10に導入され、さらに排ガス中の水分がドレン10aとして回収される。次いで、脱湿機11で水分が除去され、最終的に凝縮機12で排ガスを冷却して圧縮し、COを液化してCO回収ラインを経て液化COタンク13に回収され、残存するガスはオフガスとして煙突から放出される。なお、CO回収装置内で排ガスは圧縮され、その圧縮過程において排ガス中の水分とともにNOx、SOx等が溶解され、ドレン8a、10aに分離回収される。
次に、本実施例の特徴部である排ガス冷却装置22及び排ガス循環系の動作を説明する。集塵装置5と誘引ファン6の間の排ガスダクトに設けられた排ガス取入口20から、排ガス循環ファン23により吸引された循環排ガスは、排ガス冷却装置22に流通される。排ガス冷却装置22には、第2の吸収液循環ポンプ53により噴霧ノズル45から吸収液が噴霧されている。排ガス冷却装置22に導入された循環排ガスは、噴霧ノズル45から噴霧される吸収液と気液接触して、吸収液の蒸発潜熱により効果的に冷却される。また、吸収液と気液接触した循環排ガスに含まれるSOは吸収液に吸収され、吸収液中のカルシウム成分と反応して石膏が生成され、残余の吸収液と共に吸収液貯留部48に貯留される。噴霧ノズル45から噴霧される吸収液と吸収液貯留部48の吸収液は、伝熱管47内を流通される富窒素ガス41と熱交換して冷却される。
吸収液貯留部48の吸収液は、第2の吸収液循環ポンプ49により吸収液タンク7cに移送される。吸収液タンク7cの石膏を含む吸収液は適宜抜き出されて石膏が回収され、かつ溶液である水が浄化処理される。このようにして、排ガス冷却装置22により冷却脱水され、かつSOが除去された循環排ガスは、排ガス冷却装置22の容器44の気相部の側壁から排ガス循環ファン23により吸引されて、再加熱器4bに流通されて加熱される。
再加熱器4bで昇温された循環排ガスは、さらに燃焼用ガス予熱器3で排ガスの熱により加熱されて、一次燃焼用ガスファン24により吸引され、空気分離装置30から供給される富酸素ガス42に混合され、所定の酸素濃度の燃焼用ガスに調整されて燃料搬送管路17を介して微粉炭と共に、1次〜3次燃焼用ガスとしてバーナ18に供給される。バーナ18に供給される燃焼用ガス中の循環排ガスの比率は、図示していない調整弁によって調整する。ボイラ1は、粉砕機16から微粉炭搬送ライン27を経由して燃焼用ガスと共に供給される微粉炭を燃焼する。なお、バーナ18に供給する1〜3次空気量を調節して、ボイラ1内部に還元雰囲気の燃焼領域を形成し、微粉炭中の窒素分がNOx(フュエルNOx)に転換する割合を減ずる。また、アフターガスポート26から供給する燃焼用ガス中に含まれる酸素によって、ボイラ1の上部に酸化雰囲気の燃焼領域を形成する。さらに、アフターガスポート13からの噴流によってボイラ内のガス混合を促進して、ボイラの排ガス中に残存する未燃分を低減する。
一方、燃焼用ガス予熱器3から排出される加熱された循環排ガスの一部は、調整弁25を通って空気分離装置30から供給される富酸素ガス42と混合され、燃焼用ガスとしてアフターガスポート26に供給される。アフターガスポート26に供給される燃焼用ガスの循環排ガスの比率は、調整弁25によって調整される。なお、バーナ18及びアフターガスポート26に供給される燃焼用ガスの循環排ガスの比率は、バーナ18、ボイラ1の熱負荷、排ガス中の酸素濃度、粉砕機16の必要ガス量、及び空気分離装置30の能力に応じて変更することができる。
ところで、図1において、集塵装置5と湿式脱硫装置7の間の排ガスダクトから循環排ガスを取り込むと、SO濃度が低減される前の排ガスがボイラ1に循環されるから、循環排ガス中の水分濃度及びSO濃度が濃縮する。また、SOに対して一定割合で発生するSO濃度も増加する。ここで、SOがミスト化する温度であるSO酸露点は、SO=20ppm、水分10wt%の空気燃焼式では140℃である。これに対し、酸素燃焼式において、例えばSO=60ppm、水分30wt%付近の濃度まで上昇すると、酸露点は180度まで上昇する。したがって、排ガス冷却装置22を設けない場合、排ガス温度が低下する排ガス循環系の温度領域でもSOがミスト化するので酸腐食が起こりうる。そこで、空気燃焼方式と同様に、ボイラ1の出口排ガスの水分濃度を10wt%に維持するには、約50wt%の水分を除去して循環排ガス中の水分濃度を5wt%以下に低減すればよい。
この点、本実施例によれば、排ガス冷却装置22を設けて、冷却液を噴霧して気液接触により循環排ガスを冷却しているから、循環排ガスの水分濃度を十分に低下させることができる。すなわち、水露点から計算すると、循環排ガスの温度を例えば35℃以下に冷却すると十分な水分低減効果が得られる。また、GGH4の熱回収器4aにより、集塵装置5に流入される排ガス温度を、予め例えば90℃に冷却している。したがって、集塵装置5から流出される排ガス温度を、排ガス冷却装置22により吸収液で90℃から35℃に容易に冷却することができ、循環排ガスの水分濃度を5wt%以下に低減することができる。しかも、再加熱器4bで再加熱(例えば、80℃近くまで)されるから、排ガス再循環系における水分凝縮を確実に防止することができる。
また、本実施例では、排ガス冷却装置22に使用する冷却液として脱硫剤を含む吸収液を用い、この吸収液を積極的に富窒素ガスで冷却して循環排ガス中に噴霧しているので、水分除去効果の他に循環排ガス中のSOの吸収効果を高めることができる。また、SOと凝縮水を含む吸収液は、湿式脱硫装置7の吸収液タンク7cに回収されて、湿式脱硫装置7に通常備えられている図示していない吸収液の処理設備で処理することができるから、排ガス冷却装置22の吸収液を処理するために、別途処理設備を設ける必要がない。
その結果、本実施例によれば、排ガス循環系における水分の凝縮、凝縮水へのSOの吸収及びSOのミスト化を防ぐことができるから、排ガス循環系の配管及び機器の酸腐食を抑制することができ、かつ微粉炭等の目詰まりを防止して安定して運転することができる。
また、本実施例のように、吸収液タンク7c内に伝熱管52からなる熱交換器を配設して、吸収液全体を富窒素ガス(又は、富酸素ガス)で冷却するようにすれば、湿式脱硫装置7においても排ガスが冷却され、脱硫率及び水銀(Hg)除去率が向上する。また、吸収液供給管46に熱交換器54を設け、第1又は第2の吸収液循環ポンプ49,53から噴霧ノズル45に供給する吸収液を富窒素ガス41で冷却(例えば、35℃以下)しているが、熱交換器54は省略してもよい。また、熱交換器54は、第2の吸収液循環ポンプ53の吸引側に設けてもよい。また、排ガス冷却装置22の吸収液貯留部48の吸収液の一部を、第1の吸収液循環ポンプ49の吐出側からバイパスライン55を介して噴霧ノズル45に供給する場合は、熱交換器54は図2の位置に設けることが好ましい。
さらに、本実施例によれば、集塵装置5の上流にGGH4の熱回収器4aを配置し、その回収熱で排ガス冷却装置22から排出される循環排ガスを再加熱しているから、集塵装置5の入口排ガス温度を例えば約90℃(少なくとも80〜120℃)に冷却でき、排ガス中のSOを凝縮させて煤塵に付着させて集塵装置5で除去することができる。その結果、集塵装置5の下流側の排ガス処理系及び排ガス循環系のSOによる酸腐食を軽減できる。
なお、実施例1において、排ガス冷却装置22の冷却液として、脱硫剤を含む吸収液を用いたが、冷却液として水を用いることができる。この場合、排ガス循環系及び排ガス処理系における排ガスの水分濃度の濃縮を抑えることができるが、排ガス中のSO濃度の濃縮を抑えることはできない。しかし、排ガス中の水分濃度を従来の空気燃焼式の場合よりも抑えることができれば、循環排ガス中の水分の凝縮を回避できるから、SOが凝縮水に溶解することによる酸腐食を抑制することができる。
また、実施例1において、排ガス冷却装置22の冷却液である吸収液を、容器44内に配設した伝熱管47により冷却するようにしたが、これに限られるものではない。要は、冷却液又は吸収液を冷却すればよいから、例えば、容器44の外周に冷媒が流通される配管等を沿わせて冷却液又は吸収液を冷却するようにすることができる。
図3に、本発明の酸素燃焼式ボイラシステムの実施例2の系統構成図を示す。基本的に、本発明においては、排ガス取入口20における循環排ガスの水分が一定量除去されていれば、循環排ガス中の水分凝縮に起因する問題を解決できる。本実施例が実施例1と異なる点は、図3に示すように、排ガス冷却装置22を、集塵装置5と誘引ファン6との間の排ガスダクトに設け、排ガス取入口20を排ガス冷却装置22と誘引ファン6との間に設けたことにある。その他の点は、実施例1と同様であることから、同一の装置に同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例によれば、排ガス冷却装置22には、循環排ガスだけでなく、全排ガス量が流通することになる。したがって、排ガス冷却装置22は、湿式脱硫装置7の機能を補うことになるから、実施例1の効果に加えて、湿式脱硫装置7から排出される排ガス中のSO濃度を低減できるという効果がある。しかし、排ガス冷却装置22の処理ガス量が増えるため、排ガス冷却装置22は実施例1よりも例えば3割程度大型になる。
図4に、本発明の酸素燃焼式ボイラシステムの実施例3の系統構成図を示す。本実施例が実施例1又は2と異なる点は、排ガス冷却装置22を湿式脱硫装置7とCO回収装置14の間の排ガスダクトに設け、排ガス冷却装置22とCO回収装置14の間の排ガスダクトに、排ガス取入口20を設けたことにある。その他の点は、実施例1又は2と同一であることから、同一装置に同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、湿式脱硫装置7で脱硫されるため、大部分のSOが除去された後の排ガスが排ガス冷却装置22に流通される。したがって、本実施例によれば、全排ガス量を湿式脱硫装置7及び排ガス冷却装置22で脱硫処理することになるから、両装置が大型になる。しかし、実施例1,2に比べて、排ガス循環系の水分、SO及びSOの濃度を十分に下げることができるので、排ガス循環系の酸腐食を防止することができる。また、CO回収装置14に流入される排ガス中のSO濃度が一層低減されているので、CO回収装置14を構成する機器の酸腐食を一層防ぐことができる。
(実証試験)
各実施例1〜3の酸素燃焼式ボイラシステムを用いて実証試験を行った結果を次に説明する。試験設備は、ボイラ1、脱硝装置2、燃焼用ガス予熱器3、GGH4の熱回収器4a及び再加熱器4b、乾式の集塵装置5、誘引ファン6、湿式脱硫装置7、実施例1には図示していない昇圧通風機(BUF)を備え、各実施例の排ガス循環系を備えて構成した。ボイラ1として、排ガス量900m/hの燃焼炉を用い、石炭中の硫黄分(S)濃度は0.77wt%、石炭燃焼量は110kg/h、燃焼用ガスは酸素200m/hで循環排ガス量630m/hを混合して生成した。
(実施例1の実証試験)
実施例1の酸素燃焼式ボイラシステムでは、図2に示したように、吸収液供給管46に熱交換器54を備え、0℃の空気を模擬冷媒として間接冷却しながら、湿式脱硫装置7内蔵の吸収液タンク7cから、排ガス冷却装置22の容器44内に吸収液を液ガス比(L/G)=5L/mN、言い換えれば吸収液量を3.1m/hの割合で噴霧した。噴霧した吸収液は容器44の吸収液貯留部48に一時的に貯留され、第1の吸収液循環ポンプ49により吸収液タンク7cに戻した。
ここで、湿式脱硫装置7に流通する排ガス量は、全ガス量から循環排ガス量を差し引いた900−630=270mN/hであるから、実際にはL/G=30L/mNでも吸収液量は8.1m/hとなる。また、CO回収装置14に流入される残存SOは、圧縮過程で硫酸化されて装置の腐食原因となることから、湿式脱硫装置7の出口のSO濃度は低いほど望ましい。例えば、1〜数ppm程度に低減することが望ましい。実施例1では、湿式脱硫装置7での脱硫率は97%(L/G=40)であった。また、排ガス冷却装置22での脱硫率は50%(L/G=5)であった。このような試験条件下で行った実施例1の排ガス中のSO、SO、HOの各濃度は、図5に示す通りであった。
(実施例2の実証試験)
実施例2は、図3に示す実施例2の酸素燃焼式ボイラシステムにおいて、実施例1と同一の条件により、排ガス冷却装置22に吸収液をL/G=5L/mNとなるように投入した。実施例2では、実際に排ガス冷却装置22に噴霧される吸収液量は4.5m/hとなる。また、湿式脱硫装置7に流通される排ガス量は全ガス量から循環ガス量を差し引いた900−630=270mN/hであるため、実際にはL/G=40L/mNでも吸収液量は試験例1と同じ10.8m/hとなる。このような試験条件下で行った実施例2の排ガス中のSO、SO、HOの各濃度は、図5に示す通りであった。
(実施例3の実証試験)
実施例3は、図4に示した実施例3の酸素燃焼式ボイラシステムにおいて、実施例1,2と同一の条件により、排ガス冷却装置22に吸収液をL/G=5L/mNとなるように投入した。実施例3では、実際に排ガス冷却装置22に噴霧される吸収液量は、全排ガス量が流通されるので、L/G=40L/mNで36m/hとなる。このような試験条件下で行った試験例1の排ガス中のSO、SO、HOの各濃度は、図5に示す通りであった。
図5に示した試験結果のとおり、実施例1,2の湿式脱硫装置(FGD)出口のSO濃度と、実施例3の排ガス冷却装置の出口SO濃度を比較すると、実施例1>実施例2>実施例3の関係になったが、いずれの実施例でも、循環排ガス中のSO濃度は10ppm以下まで低下させることができる。
また、各実施例1、2、3のボイラ出口の排ガス中の水分濃度は、12wt%程度である。これは、同一の微粉炭を空気燃焼式の場合と同じレベルであるため、水露点の上昇はほとんどなく、GGH4の熱回収器4aの熱媒管路4cの表面における水の凝縮が抑えられ、灰の付着・閉塞、腐食を防止できることになる。
さらに、排ガス処理系における排ガス中のSO濃度は、いずれの実施例でも、集塵装置5の出口でほぼ腐食の問題が起こりにくい濃度域(<1ppm)となったことから、排ガス循環系の酸腐食を防止できる。
なお、実施例1,2では、排ガス循環によりSOが濃縮する傾向になるが、排ガス冷却装置22によってSOがある程度除去されていることが分かる。これに対し、実施例3では、循環排ガスとして、湿式脱硫装置7と排ガス冷却装置22によってSOが除去された排ガスを取り入れているから、通常の空気燃焼ボイラとほぼ同等のSO濃度で安定すると考えられる。
以上、本発明の酸素燃焼式ボイラシステムの実施例1〜3を説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。要は、次に示す要件を単独で又は適宜組み合わせて備えることにより、それぞれ対応する技術的な効果を得ることができる。
(1)少なくとも排ガス循環する排ガスを冷却液で気液接触により冷却して脱水する排ガス冷却装置を設けたから、効果的に循環排ガス中の水分を除去することができる。その結果、排ガス循環系における水分凝縮を回避して、水分凝縮に起因する目詰まりや腐食を防止できる。なお、排ガス冷却装置において排ガス温度を下げることで水分除去が行えるが、下げすぎると、ボイラシステムの熱効率を低下させることになるので一定の温度以上に保持することが望ましい。
(2)排ガス冷却装置は、気液接触に用いる冷却液を冷媒で冷却する伝熱管等からなる冷却液熱交換器を備えて構成することが好ましい。この場合、酸素製造装置を、空気を深冷して酸素を主成分とする富酸素ガスと窒素を主成分とする富窒素ガスに分離する空気分離装置を用い、冷却液熱交換器は深冷分離装置から排出される富酸素ガスと富窒素ガスの少なくとも一方のガスを冷媒とすることができる。これによれば、深冷分離された富酸素ガスと富窒素ガスの廃冷熱を排ガス冷却装置の冷熱として利用することができ、システム全体の熱効率を向上できる。
(3)排ガス冷却装置は、集塵装置又は湿式脱硫装置よりも下流側から取り入れた排ガスを冷却するようにすることが好ましい。これによれば、排ガス中の煤塵が気液接触による排ガス冷却装置に付着して閉塞などの問題が起きるのを防ぐことができる。
(4)排ガス冷却装置で脱水した循環排ガスを、集塵装置の入り側の排ガスの熱により加熱するGGHを設けたものによれば、排ガス循環系における水分凝縮を確実に回避することができ、水分凝縮に起因する目詰まりや腐食を防止できる。
(5)上記(4)の場合において、GGHの熱回収器においてSOをミスト化して煤塵に吸着させて集塵装置で除去することができるから、排ガス循環系におけるSOによる酸腐食を軽減することができる。さらに、湿式脱硫装置をすり抜けるSOを除去する湿式集塵装置を設ける必要がないから、システム構成を簡素化できるだけでなく、CO回収装置の酸腐食を軽減することができる。
(6)排ガス冷却装置は、冷却液として湿式脱硫装置と同じ吸収液を用い、排ガスに噴霧する噴霧ノズルと、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液を貯留する吸収液貯留部と、その吸収液貯留部の吸収液を噴霧ノズルに供給することが望ましい。これによれば、少なくとも排ガス循環する排ガス中のSOを一定量除去することができるから、排ガス循環によりSO濃度が濃縮するのを軽減でき、SO濃度に応じて生成されるSOがミスト化することにより生じる排ガス循環系の酸腐食を軽減できる。この場合において、循環排ガスを集塵装置と湿式脱硫装置の間から取り入れて循環する排ガス循環系を構成すれば、その後流の湿式脱硫装置の処理負荷を下げることができるので、湿式脱硫装置を小さくすることができる。また、循環排ガスを湿式脱硫装置の後流側から取り入れて循環する排ガス循環系を構成すれば、排ガス冷却装置によりSOをさらに高度に除去できるため、CO2回収装置の酸腐食を防止することができる。しかし、湿式脱硫装置を全排ガス量が通過するため、排ガスの熱量は脱硫装置に用いられる吸収液の蒸発熱に奪われ、湿式脱硫装置上流で再循環する実施例1,2に比べれば熱効率は低い傾向になる。
(7)また、排ガス冷却装置の吸収液貯留部の吸収液を湿式脱硫装置の吸収液タンクに送る移送手段を設け、吸収液タンクの吸収液を排ガス冷却装置の噴霧ノズルに供給するように構成することができる。これによれば、排ガス冷却装置の排水を湿式脱硫装置の内部又は別置きに設けた吸収液タンクに戻すので、別途、排ガス冷却装置用の廃水処理設備を設ける必要がないからシステム構成を簡略化できる。また、排ガス冷却装置の排水の一部は吸収液の蒸発分の補充となり、通常用いられる上水を節約できる。
1 ボイラ
2 脱硝装置
3 燃焼用ガス予熱器
4 ガス―ガスヒータ
4a 熱回収器
4b 再加熱器
5 集塵装置
7 湿式脱硫装置
7b 噴霧ノズル
7c 吸収液タンク
14 CO回収装置
20 排ガス取入口
21 循環排ガス管路
22 排ガス冷却装置
23 排ガス循環ファン
30 空気分離装置
45 噴霧ノズル
46 吸収液供給管
47 伝熱管
48 吸収液貯留部
49 第1の吸収液循環ポンプ
53 第2の吸収液循環ポンプ
54 熱交換器

Claims (10)

  1. 燃料を燃焼して蒸気を発生するボイラと、該ボイラから排出される排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置と、該集塵装置から排出される排ガス中の硫黄酸化物を除去する湿式脱硫装置と、前記集塵装置又は前記湿式脱硫装置の出側の排ガスダクトに設けられた排ガス取入口から排ガスを取り入れて前記ボイラの燃焼用ガスの一部として循環する排ガス循環系と、富酸素ガスを供給する酸素製造装置とを備え、前記排ガス循環系により循環される排ガスを前記酸素製造装置から供給される富酸素ガスに混合して前記燃焼用ガスを生成する酸素燃焼式ボイラシステムにおいて、
    少なくとも前記排ガス循環系により取り入れられる排ガスを、気液接触により冷却する排ガス冷却装置を設けたことを特徴とする酸素燃焼式ボイラシステム。
  2. 前記排ガス取入口は、前記集塵装置の出側の排ガスダクトに設けられ、
    前記排ガス冷却装置は、前記循環排ガス取入口に接続された排ガス取入管路に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  3. 前記排ガス冷却装置は、前記排ガス取入口と前記集塵装置の間の排ガスダクトに設けられたことを特徴とする請求項2に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  4. 前記排ガス取入口は、前記湿式脱硫装置の出側の排ガスダクトに設けられ、
    前記排ガス冷却装置は、前記湿式脱硫装置と前記排ガス取入口との間の排ガスダクトに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  5. 前記排ガス冷却装置は、前記気液接触に用いる冷却液を冷媒で冷却する冷却液熱交換器を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  6. 前記酸素製造装置は、空気を深冷して酸素を主成分とする前記富酸素ガスと窒素を主成分とする富窒素ガスに分離する空気分離装置であり、
    前記冷却液熱交換器は、前記深冷分離装置から排出される前記富酸素ガスと前記富窒素ガスの少なくとも一方のガスを前記冷媒とすることを特徴とする請求項5に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  7. 前記湿式脱硫装置は、カルシウム系の脱硫剤を含む吸収液を排ガスに噴霧する第1の噴霧ノズルと、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液を貯留する吸収液タンクと、該吸収液タンクの吸収液を前記第1の噴霧ノズルに循環供給する第1の循環ポンプとを備え、
    前記排ガス冷却装置は、前記液体としてカルシウム系の脱硫剤を含む吸収液を排ガスに噴霧する第2の噴霧ノズルと、排ガス中の硫黄酸化物を吸収した吸収液を貯留する吸収液貯留部と、該吸収液貯留部の吸収液を前記第2の噴霧ノズルに供給する第2の循環ポンプとを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  8. 前記吸収液貯留部の吸収液を前記湿式脱硫装置の前記吸収液タンクに送る移送手段を設け、
    前記第2の循環ポンプは、前記吸収液タンクの吸収液を前記第2の噴霧ノズルに供給することを特徴とする請求項7に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  9. 前記酸素製造装置は、空気を深冷して酸素を主成分とする前記富酸素ガスと窒素を主成分とする富窒素ガスに分離する空気分離装置であり、
    前記深冷分離装置から排出される前記富酸素ガスと前記富窒素ガスの少なくとも一方のガスにより前記吸収液タンクと前記吸収液貯留部の吸収液を冷却する吸収液熱交換器を設けたことを特徴とする請求項7に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
  10. 前記排ガス再循環系は、前記集塵装置の上流側の排ガスダクト内を流れる排ガスと熱交換して前記循環する排ガスを加熱するガス−ガス熱交換器を、前記排ガス冷却装置の下流側に備えていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の酸素燃焼式ボイラシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106861397A (zh) * 2017-03-03 2017-06-20 黄永乐 一种锅炉尾气净化结构及使用该结构的锅炉
CN109520287A (zh) * 2018-12-28 2019-03-26 广州薪光合环保技术有限公司 循环式固体废弃物烘干处理***
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