JP2014058822A - 泥土処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】雨水などの流れ込みによって堆積した泥土を効率良く回収することができるとともに、回収した泥土に含まれる砂を精度良く分離することができる技術を提供する。
【解決手段】土に水を混ぜて泥化した泥土を回収する回収装置101と、回収装置101で回収した泥土に含まれる砂を分離する分離装置102と、分離装置102で砂を分離した後の泥土を処理する処理装置(103〜107)と、を用いて構成された泥土処理システム100である。分離装置102は、泥土を流動させる螺旋流路と、螺旋流路の流路脇に形成されたスリットと、を備え、螺旋流路を流動する泥土に含まれる砂の一部をスリットから落下させて分離するとともに、螺旋流路の長さ方向において泥土を螺旋流路に導入する導入位置を変更可能に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、土に水を混ぜて泥化した泥土を処理する泥土処理システムに関する。
側溝、枡、用水路等には、雨水と一緒に土(粗砂、細砂、シルト、粘土等)が流れ込んで堆積している場合がある。このような場合は、水を流れやすくするために清掃作業によって堆積物を回収し、取り除く必要がある。このような清掃作業に用いられる装置として、たとえば特許文献1には、側溝等に堆積した土砂を回収する装置が記載されている。
特開2011−38304号公報
しかしながら、側溝等に堆積した土であっても、通常の回収作業では対応が困難な場合がある。具体的には、たとえば以下のような場合がある。
すなわち、昨年の東日本大震災にともなう原子力発電所の事故では、放射能で汚染された土壌(以下「汚染土壌」という。)が側溝等に堆積し、その回収をどのように進めるかが大きな問題になっている。特に、汚染土壌の堆積場所は広範囲に分散して点在し、その総量も膨大である。このため、土壌の回収作業はもちろん、回収した土壌の保管場所の確保が緊急かつ重要な課題になっている。こうした現状において、汚染土壌の効率的な回収と減容化が強く望まれている。
本発明の主な目的は、雨水などの流れ込みによって堆積した泥土を効率良く回収することができるとともに、回収した泥土に含まれる砂を精度良く分離することができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
土に水を混ぜて泥化した泥土を回収する回収装置と、
前記回収装置で回収した前記泥土に含まれる砂を分離する分離装置と、
前記分離装置で前記砂を分離した後の前記泥土を処理する処理装置と、
を用いて構成された泥土処理システムであって、
前記分離装置は、
前記泥土を流動させる螺旋流路と、
前記螺旋流路の流路脇に形成されたスリットと、を備え、
前記螺旋流路を流動する前記泥土に含まれる前記砂の一部を前記スリットから落下させて分離する
ことを特徴とする泥土処理システムである。
前記螺旋流路を流動する前記泥土に含まれる前記砂の一部を前記スリットから落下させて分離するので、粒径の大きな砂を分離でき、汚染されやすい粒径の小さな砂のみを処理装置に送ることができる。
本発明の第2の態様は、
前記分離装置は、前記螺旋流路の長さ方向において前記泥土を前記螺旋流路に導入する導入位置を変更可能に構成した
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の泥土処理システムである。
前記泥土の導入位置を変更可能にしたことにより、前記スリットから分離される砂の粒径を変更することができる。
本発明の第3の態様は、
前記分離装置は、前記螺旋流路の途中に相互に位置をずらして形成された複数の開口部と、前記複数の開口部のうち、一の開口部の形成部位に装着されて前記泥土を前記螺旋流路に導入可能とする導入ユニットと、を備え、
前記複数の開口部のいずれかに前記導入ユニットを装着することにより、前記導入位置を変更可能とした
ことを特徴とする上記第2の態様に記載の泥土処理システムである。
本発明の第4の態様は、
前記回収装置は、可搬式の装置であり、
前記分離装置および前記処理装置は、それぞれ車載型の装置である
ことを特徴とする上記第1〜第3の態様のいずれかに記載の泥土処理システムである。
本発明の第5の態様は、
前記回収装置は、回収の対象となる土に水を供給して泥化する水供給部を有する回収ノズルと、
前記水供給部によって泥化した泥土を前記回収ノズルを介して吸引し、かつ、当該吸引した泥土を前記分離装置に圧送する吸引ポンプと、
を有することを特徴とする上記第1〜第4の態様のいずれかに記載の泥土処理システムである。
本発明によれば、雨水などの流れ込みによって堆積した泥土を効率良く回収することができるとともに、回収した泥土に含まれる砂を精度良く分離することができる。これにより、汚染土壌の効率的な回収と減容化を実現することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る泥土処理システムの構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る泥土処理システムの好適な使用例の一つを示すイメージ図である。 本発明の実施の形態に係る泥土処理システムが備える分離装置の構成例を示すもので、図中(A)はその要部平面図、(B)はその側面図である。 分離槽の内部構造を示す平面図である。 図3のS−S断面図である。 分離槽の上板部分を示す平面図である。 導入ユニットの構成を示す図である。 蓋体の構成を示す平面図である。 パッキンの構成を示す平面図である。 螺旋流路を真っ直ぐにのばして表記したときの展開図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.泥土処理システムの構成
2.泥土処理システムの使用例
3.泥土処理システムの処理の流れ
4.分離装置の詳細構成
5.分離装置の使用方法
6.実施の形態に係る効果
7.変形例等
<1.泥土処理システムの構成>
図1は本発明の実施の形態に係る泥土処理システムの構成例を示す概略図である。図示した泥土処理システム100は、大きくは、回収装置101と、分離装置102と、凝集沈殿装置103と、膜分離装置104と、無機凝集剤注入装置105と、高分子凝集剤注入装置106と、脱水装置107と、を備えた構成となっている。
回収装置101は、土に水を混ぜて泥化した泥土を回収するものである。分離装置102は、回収装置101で回収した泥土に含まれる砂を分離するものである。凝集沈殿装置103、膜分離装置104および脱水装置107は、分離装置102で砂を分離した後の泥土を処理する処理装置に属するものである。無機凝集剤注入装置105は、凝集沈殿装置103に無機凝集剤を注入するものである。高分子凝集剤注入装置106は、凝集沈殿装置103に高分子凝集剤を注入するものである。以下、各装置について更に詳しく説明する。
(回収装置)
回収装置101は、回収ノズル111と、吸引ポンプ112とを有している。回収ノズル111は、泥土の取り込み口を有するボックス型に形成されている。回収ノズル111には操作バー113が接続されている。操作バー113は、泥土の回収作業を行う作業者が回収ノズル111を所望の位置に配置または移動するときに両手で持って操作する部分である。回収ノズル111には、水供給部114が設けられている。水供給部114には給水ホース115が接続されている。水供給部114は、給水ホース115を通して供給される水を、回収の対象となる土に供給(吐出、噴出等)して泥化するものである。
吸引ポンプ112は、水供給部114によって泥化した泥土を、回収ノズル111を介して吸引するものである。吸引ポンプ112には、吸引ホース116が接続されている。吸引ホース116は、回収ノズル111と吸引ポンプ112とを接続している。吸引ポンプ112は、例えば、エジェクターで、高圧水をノズルを介して噴射することにより、ポンプ内に真空吸引力を発生し、この真空吸引力を利用して、回収ノズル111の近傍にある泥土を、回収ノズル111および吸引ホース116を介して吸引する。また、吸引ポンプ112は、ポンプ内に吸引した泥土を高圧水と混合し、これを泥土供給ホース117を介して分離装置102に圧送する。吸引ポンプ112には分岐管118が接続されている。また、吸引ポンプ112と分岐管118は、台車119に搭載されている。
(分離装置)
分離装置102は、分離槽2と搬送装置3とを備えた構成となっている。分離装置102の具体的な構成については後段で詳しく説明する。分離装置102は、回収装置101の吸引ポンプ112により泥土供給ホース117を介して圧送される泥土を分離槽2に取り込み、この分離槽2が有する螺旋流路(後述)に泥土を流すことにより、泥土に含まれる砂を分離(分級)するものである。搬送装置3は、分離槽2で分離された砂を搬送するものである。
(凝集沈殿装置)
凝集沈殿装置103は、凝集沈殿槽120と、撹拌用のモータ121と、2つのポンプ122,123と、を備えた構成となっている。凝集沈殿装置103は、分離装置102から排出される懸濁液(分離装置102で砂を分離した後の泥土に相当するものであり、主に粒子の小さい砂が水中に分散した液体)を凝集沈殿槽120に取り込んで固液分離するものである。本書で記述する懸濁液とは、螺旋流路を用いて砂を分離した後の泥土、より具体的には、粒径が小さい砂が水中に分散した液状体をいう。凝集沈殿槽120には、無機凝集剤注入装置105から無機凝集剤が注入され、かつ、高分子凝集剤注入装置106から高分子凝集剤が注入されるようになっている。凝集沈殿装置103は、凝集沈殿槽120内に取り込んだ懸濁液に含まれる浮遊物質を無機凝集剤と高分子凝集剤によりフロック状にして沈殿させることにより、固液分離する。モータ121は、凝集沈殿槽120内に取り込んだ懸濁液と各凝集剤を撹拌する攪拌器の駆動源となる。凝集沈殿装置103で固液分離された固体成分および液体成分のうち、固体成分(泥水)は、ポンプ122により脱水装置107に向けて圧送される。また、液体成分(砂が除去された水)は、ポンプ123によりホース124を介して分岐管118に圧送され、この分岐管118を介して回収ノズル111や吸引ポンプ112に給水される。
(膜分離装置)
膜分離装置104は、分離装置102から排出される懸濁液を、膜を用いて固液分離するものである。膜分離装置104で固液分離された固体成分および液体成分のうち、固体成分はポンプ125により脱水装置107に向けて圧送され、液体成分はポンプ126により凝集沈殿装置103に向けて圧送される。膜分離装置104内には、膜と膜の下方に散気装置が設置されており、ブロアBから供給されるエアーにより膜を洗浄するようになっている。
(無機凝集剤注入装置および高分子凝集剤注入装置)
無機凝集剤注入装置105は、ポンプ127の駆動力を利用して、無機凝集剤を凝集沈殿装置103に注入するものである。高分子凝集剤注入装置106は、ポンプ128の駆動力を利用して、高分子凝集剤を凝集沈殿装置103に注入するものである。
(脱水装置)
脱水装置107は、凝集沈殿装置103からポンプ122により圧送される固体成分と、膜分離装置104からポンプ125により圧送される固体成分を取り込んで、脱水処理するものである。脱水装置107は、たとえば、加圧圧搾脱水機を用いて構成されている。脱水装置107に取り込まれた固体成分は、そこでの脱水処理により、脱離液と土に分けられる。このうち、脱離液は、凝集沈殿装置103に戻される。これにより、水を循環させるクローズドシステムとすることができる。また、必要に応じて、外部から凝集沈殿装置103に補給水が供給される。
<2.泥土処理システムの使用例>
図2は本発明の実施の形態に係る泥土処理システムの好適な使用例の一つを示すイメージ図である。この図から分かるように、回収装置101は、持ち運んだり移動させたりすることが可能な可搬式となっている。具体的には、回収ノズル111および操作バー113は、作業者が一人で持ち運べるようになっている。また、給水ホース115および吸引ホース116は、作業者が操作バー113を持って回収ノズル111を持ち運ぶときに移動を阻害しないように、適度な可撓性と長さを有している。また、吸引ポンプ112と分岐管118は、台車119に載せて運べるようになっている。
ちなみに、泥土の回収場所の近くまでは、回収ノズル111や給水ホース115、吸引ホース116などを吸引ポンプ112等と一緒に台車119に載せて移動し、そこから作業者が操作バー113を持って回収ノズル111を側溝等の泥土の回収場所まで持ち運べるようになっている。
一方、分離装置102、凝集沈殿装置103、膜分離装置104、脱水装置107などの装置類(図1の二点鎖線で囲んだ装置類)は、それぞれ車載型となっている。具体的には、泥土処理システム100を構成する装置類は、2台のトラック131,132に分けて搭載され、それらのトラック131,132の走行により、所望の場所や地域まで運送可能になっている。泥土処理システム100を構成する装置類のうち、分離装置102と脱水装置107は、トラック131の荷台に搭載され、凝集沈殿装置103と膜分離装置104は、トラック132の荷台に搭載されている。また、上述した回収装置101についても、たとえば、トラック131の荷台に搭載して所望の場所まで運び、そこでトラック131の荷台から下ろして使用できるようになっている。また、トラック131の荷台には発電機133が搭載され、トラック132の荷台には、図示しない無機凝集剤注入装置、高分子凝集剤注入装置が搭載されている。発電機133は、泥土処理システム100を構成する装置類に駆動用の電力を供給するものである。
<3.泥土処理システムの処理の流れ>
次に、本発明の実施の形態に係る泥土処理システム100の処理の流れについて説明する。ここでは一例として、側溝130に堆積した土を回収して処理する場合について説明する。
まず、泥土処理システム100を搭載したトラック131,132を回収作業場の近くまで移動する。次に、トラック131の荷台から回収装置101を下ろして台車119に載せ替える。次に、台車119を人力で押して回収装置101を側溝130の近くに移動する。次に、電力供給や給水等の準備作業を行って泥土処理システム100を稼働状態とした後、作業者が操作バー113を持って回収ノズル111を側溝130内に配置する。次に、吸引ポンプ112の駆動により側溝130内の泥土の回収を開始する。このとき、必要に応じて、水供給部114から水を供給することにより、回収ノズル111で回収する土を泥化する。これにより、回収装置101で回収された土が吸引ポンプ112から泥化した状態で分離装置102に送られる。
なお、回収装置101で回収する土は、これが乾燥した状態で側溝130に堆積していても、吸引ポンプ112内で水と強制的に混合されるため、泥化した泥土になって分離装置102に送られる。ただし、側溝130に堆積している土が乾燥している状態では、吸引ポンプ112を駆動して吸引力を発生させても、回収ノズル111から土が効率良く吸引されない場合がある。その場合は、側溝130に堆積している土に水供給部114から水を供給して泥化することにより、回収効率を高めることができる。
分離装置102では、泥土に含まれる砂を分離槽2で分離した後、その分離した砂を搬送装置3で搬送する。このとき、分離槽2からは、螺旋流路4を用いて砂を分離した後の泥土である懸濁液が排出される。分離槽2から排出された懸濁液は、ホースまたは配管を通して、凝集沈殿装置103および膜分離装置104に移送される。
凝集沈殿装置103では、分離槽2から排出された懸濁液を凝集沈殿槽120に取り込むとともに、その懸濁液に含まれる浮遊物質を無機凝集剤と高分子凝集剤によりフロック状にして沈殿させることにより、固液分離する。一方、膜分離装置104では、分離槽2から排出された懸濁液を、膜を用いて固液分離する。凝集沈殿装置103および膜分離装置104での固液分離により分離された固体成分は、脱水装置107に送られる。脱水装置107では、凝集沈殿装置103や膜分離装置104から送られる固体成分を脱水処理することにより、脱離液と土に分ける。
<4.分離装置の詳細構成>
図3は本発明の実施の形態に係る泥土処理システムが備える分離装置の構成例を示すもので、図中(A)はその要部平面図、(B)はその側面図である。また、図4は分離槽の内部構造を示す平面図であり、図5は図3のS−S断面図である。分離装置102は、上述した分離槽2と搬送装置3とを備えている。
(分離槽)
分離槽2は、回収装置101の吸引ポンプ112により泥土供給ホース117を通して供給される泥土に含まれる砂を分離するものである。より具体的には、分離槽2は、泥土に含まれる砂を、粒径の大きい砂と粒径の小さい砂に分離(分級)するものである。分離槽2は、全体に筒形に形成されている。分離槽2の上部は略円筒形に形成され、分離槽2の下部は略円錐形に形成されている。分離槽2の上部には螺旋流路4が形成されている。螺旋流路4は、外周側を流路の始端4aとし、中心側を流路の終端4bとして、螺旋状に形成されている。螺旋流路4は、泥土を流動させる流路として分離槽2に形成されたものである。螺旋流路4の流路脇にはスリット5(図4参照)が形成されている。スリット5は、螺旋流路4の幅方向の一方側(外周側)に形成されている。
螺旋流路4は、側板11と底板12と上板13を用いて構成されている。側板11、底板12および上板13は、それぞれ分離槽2の一構成要素として設けられている。このうち、側板11は、螺旋流路4に泥土を流したときに、泥土が流れる方向を規制(案内)するものである。側板11は、螺旋流路4の幅方向の両側に位置する状態で螺旋状に配置されている。
底板12は、螺旋流路4に泥土を流したときに、泥土を上面で受けるものである。底板12は、螺旋流路4の始端4aから終端4bにかけて同じ高さになるように配置されている。ただし、これに限らず、螺旋流路4の始端4aから終端4bに向けて底板12が徐々に低位となるように配置してもよいし、途中から低位となるように配置してもよい。底板12の上面は、水平面に対して所定の角度で傾斜した状態に配置されている。底板12の傾斜角度は、たとえば30°に設定されている。底板12は、螺旋流路4の幅方向で対向する一対の側板11のうち、内周側の側板11の側面に取り付けられている。この取付状態のもとでは、底板12の内周側が外周側よりも高位となるように、上記所定の角度で底板12が傾斜している。上記のスリット5は、底板12の外周側の縁と、その近傍に位置する側板11との間に形成されている。スリット5は、螺旋流路4に沿って螺旋状に形成されている。
上板13は、螺旋流路4の上方を塞ぐことにより、上述した側板11および底板12とともに螺旋流路4を区画している。上板13は、側板11の上端部に取り付けられている。上板13には複数(図例では3つ)の開口部15,16,17が形成されている。これらの開口部15,16,17は、螺旋流路4の途中に相互に位置をずらして形成されている。具体的には、開口部15は、螺旋流路4の始端4aよりも下流側に設けられ、開口部17は、螺旋流路4の終端4bよりも上流側に設けられている。また、開口部15は、開口部16よりも螺旋流路4の上流側に設けられ、開口部17は、開口部16よりも螺旋流路4の下流側に設けられている。また、螺旋流路4の螺旋中心を基準とした円周方向において、開口部15と開口部17は180°位相がずれた位置に配置され、開口部16は、開口部15から開口部17に至る螺旋流路4の中間位置に配置されている。
開口部15,16,17は、それぞれ同じ形状および寸法に形成されている。さらに詳述すると、開口部15,16,17は、それぞれ略台形状に形成されている。また、図6に示すように、開口部15の周囲には、複数(図例では8つ)の取付用穴(ネジ穴)18が形成されている。同様に、開口部16の周囲には複数の取付用穴19が形成され、開口部17の周囲にも複数の取付用穴20が形成されている。
上板13の各開口部15,16,17には、図7に示す導入ユニット21、または、図8に示す蓋体22を装着可能となっている。たとえば、上板13の開口部15に導入ユニット21を装着した場合は、それ以外の開口部16,17にそれぞれ蓋体22が装着される。また、上板13の開口部16に導入ユニット21を装着した場合は、それ以外の開口部15,17にそれぞれ蓋体22が装着され、上板13の開口部17に導入ユニット21を装着した場合は、それ以外の開口部15,16にそれぞれ蓋体22が装着される。また、泥土供給ホースを螺旋流路4の始端4aに接続する場合は、開口部15,16,17にそれぞれ蓋体22が装着される。
(導入ユニット)
まず、導入ユニット21の構成について説明する。図7の(A)は導入ユニット21を上方から見た図であり、(B),(C)はそれぞれ導入ユニット21を側方から見た図である。なお、図中の点線は、相互に対応する部分を示す。
導入ユニット21は、上述した複数の開口部15,16,17のうち、いずれか一つの開口部の形成部位に装着された場合に、この開口部を通して泥土を螺旋流路4に導入可能とするものである。導入ユニット21をいずれの開口部の形成部位に装着するかは、分離装置102を使用する使用者が任意に選択可能となっている。
導入ユニット21は、仕切り部23と、蓋部24と、導入管25とを用いて構成されている。仕切り部23は、導入ユニット21が装着される開口部が臨む位置において螺旋流路4を長さ方向で仕切るものである。仕切り部23は、螺旋流路4の断面形状にあわせて正面視台形に形成されている。また、仕切り部23は、平らな板状に形成されている。仕切り部23の下辺は、上述した底板12の傾斜角度にあわせて傾斜している。仕切り部23には泥土導入穴26が設けられている。泥土導入穴26は、導入管25の外径にあわせて円形に形成されている。
蓋部24は、導入ユニット21が装着される開口部において、この開口部を塞ぐ状態で配置されるものである。蓋部24は、仕切り部23と直角をなす向きで、平らな板状に形成されている。蓋部24は、導入ユニット21が装着される開口部の開口形状にあわせて略台形状に形成されている。蓋部24の周縁部には、複数の取付用穴(抜き穴)27が形成されている。取付用穴27は、上述した取付用穴18,19,20と同じ位置関係で蓋部24に形成されている。蓋部24には管挿入穴28が設けられている。管挿入穴28は、導入管25の外径にあわせて円形に形成されている。
導入管25は、図示しない原水供給管を通して供給される原水を螺旋流路4に導入するものである。導入管25は、断面円形の管であって、全体的に略S字形に形成されている。導入管25の一端は仕切り部23に接続されている。この接続状態のもとでは導入管25の一端の開口が、仕切り部23の泥土導入穴26と同心円状に配置されている。導入管25は、蓋部24の管挿入穴28に挿入されている。導入管25の他端にはフランジ部29が設けられている。フランジ部29には複数(図例では8つ)の連結用穴30が形成されている。導入管25の他端にはフランジ部29の連結用穴30を利用して泥土供給ホース117を接続(連結)可能となっている。より具体的には、たとえば、泥土供給ホース117の一端に図示しないジョイント部材を取り付け、このジョイント部材を六角ボルトと六角ナットを用いてフランジ部29に固定することにより、泥土供給ホース117を導入管25に接続可能となっている。また、泥土供給ホース117は、導入ユニット21の導入管25だけでなく、螺旋流路4の始端4aに設けられた導入管(不図示)にも接続可能となっている。このため、螺旋流路4の長さ方向において泥土供給ホース117を接続可能な箇所は、螺旋流路4の始端4aの箇所と、開口部15が設けられた箇所と、開口部16が設けられた箇所と、開口部17が設けられた箇所の、合計4箇所となっている。この導入ユニット21を、仕切り部23と、蓋部24と、導入管25とでユニット化したことにより、取付け取外しが容易となり、作業時間を短縮することができる。また、仕切り部23を設けていることから逆流を防止し、始端4aの箇所に閉塞板を設置する必要がない。
(蓋体)
次に、蓋体22の構成について説明する。蓋体22は、導入ユニット21が装着される開口部以外の開口部の形成部位に、その開口部を塞ぐ状態で装着されるものである。蓋体22は、たとえばSS400などの金属材料により、平らな板状に形成されている。蓋体22は、これが装着される開口部の開口形状にあわせて略台形状に形成されている。蓋体22の周縁部には、複数の取付用穴(抜き穴)31が形成されている。取付用穴31は、上述した取付用穴18,19,20と同じ位置関係で蓋体22に形成されている。蓋体22の上面には取手32が設けられている。蓋体22は、図9に示すパッキン33を介して上板13に装着される。
(パッキン)
パッキン33は、蓋体22を上板13に装着する場合に、両者の間に介在することによりシール効果を発揮するシール部材である。パッキン33は、たとえば、合成ゴムなどのゴム状弾性体によって構成されている。パッキン33は、蓋体22が装着される開口部の開口形状にあわせて略台形の枠状に形成されている。パッキン33の開口の形状および寸法は、各開口部15,16,17の形状および寸法と同一に設定されている。また、パッキン33の周縁部には、複数の取付用穴(抜き穴)34が形成されている。取付用穴34は、上述した取付用穴18,19,20と同じ位置関係でパッキン33に形成されている。このパッキン33は、蓋体22を上板13に装着する場合だけでなく、導入ユニット21を上板13に装着する場合にも、蓋部24と上板13の間に介在させて取り付け可能である。
再び図3〜図5に戻って説明を続ける。分離槽2は、支持脚35によって支持されている。分離槽2の中心部には、オーバーフロー式の排水部36が設けられている。排水部36は、螺旋流路4の中心部に円筒状の空間として形成されている。螺旋流路4の終端4bは、この排水部36に臨むように配置されている。排水部36の上部は、上板13よりも上方に突出し、その突出端に上蓋37が取り付けられている。上蓋37は、排水部36の上端の開口を塞ぐ状態で取り付けられている。
排水部36には排水管38が配置されている。排水管38は略L字形に曲がっている。排水管38の一部(垂直に配置された部分)は排水部36と同心状に配置されている。また、排水部36において、排水管38の上端は上板13よりも低位に配置されている。排水管38の他部(水平に配置された部分)は、分離槽2の外壁を通して外部へと引き出され、その引き出し端に泥土排出管(不図示)を接続(連結)可能となっている。
分離槽2の下部は、図示はしないが、複数の分級室に分けられている。これらの分級室は、泥土供給ホース117(図1、図2を参照)を通して供給される泥土を螺旋流路4に流したときに、その途中でスリット5から落下した砂や、螺旋流路4の終端4bまで水と一緒に運ばれた砂を、分けて集積するためのものである。具体例の一つとして、泥土に含まれる砂を、その粒径の違いにより大きく2つに分ける場合は、螺旋流路4の途中でスリット5から落下した砂と、スリット5から落下することなく螺旋流路4の終端4bまで運ばれた砂を、別々の分級室に集積する構成とすればよい。また、それよりも更に細かく砂を分けたい場合は、螺旋流路4の途中でスリット5から落下する砂を、その落下位置の違いにより別々の分級室に集積する構成とすればよい。
(搬送装置)
搬送装置3は、分離槽2で分離された砂を搬送するものである。搬送装置3は、砂搬送部40と砂取り出し部41と駆動モータ42を有している。砂搬送部40は、図示しないスクリューの回転によって砂を搬送するスクリューコンベアを用いて構成されている。砂搬送部40は、水平面に対して所定の角度で傾斜した状態に設置されている。砂搬送部40の傾斜角度は、たとえば、30°以上、40°以下の範囲に設定されている。砂搬送部40の下端側は分離槽2の下部(分級室)に接続されている。砂搬送部40は、分離槽2で螺旋流路4を用いて分離された砂を受けて、スクリューの回転により搬送し得るようになっている。駆動モータ42は、砂搬送部40の上端部に実装されている。駆動モータ42は、スクリューを回転させる駆動源となる。また、砂搬送部40は、支柱43によって支持されている。
砂取り出し部41は、砂搬送部40による搬送路の終端(上端)に接続されている。砂取り出し部41は、砂搬送部40によって所定の位置まで搬送された砂を自重落下によって取り出すためのものである。砂取り出し部41は、砂搬送部40の上端からほぼ垂直に垂下した状態で配置されている。また、砂取り出し部41は、断面四角形または円形の筒状に形成され、その下端部に図示しない砂回収容器(ホッパ等)を設置して砂を回収できるようになっている。
なお、分離槽2で複数の分級室に分けて砂を集積した場合は、分級室と1対1の対応関係で搬送装置3を設置することにより、粒径の異なる砂を別々の搬送経路で搬送し、取り出すことができる。その場合、分離槽2で分離した砂を搬送する手段としては、スクリューコンベアを用いた搬送装置3に限らない。たとえば、分離槽2の下部(分級室)に図示しない砂排出管を接続し、この砂排出管を通して水と一緒に砂を排出してもよい。
<5.分離装置の使用方法>
まず、分離装置102を使用する場合は、たとえば上記図3に示すように、上板13の開口部15に導入ユニット21を装着し、これ以外の開口部16,17にそれぞれ蓋体22を装着する。また、分離槽2の排水部36につながる排水管38の端部に、図示しない泥土排出管を接続する。また、搬送装置3の砂取り出し部41の下に、図示しない砂回収容器を設置する。
導入ユニット21の仕切り部23については、開口部15の形成部位で螺旋流路4を塞ぐように、螺旋流路4内に配置する。また、導入ユニット21の蓋部24については、開口部15を塞ぐように上板13に取り付ける。具体的には、蓋部24に設けられた複数の取付用穴27にそれぞれ六角ボルト(不図示)を挿入するとともに、この六角ボルトの雄ネジ部を上板13の取付用穴18に螺合させて適度なトルクで締め付けることにより、開口部15の形成部位で蓋部24を上板13に固定する。導入管25は、あらかじめ仕切り部23および蓋部24に取り付けておく。そして、仕切り部23および蓋部24を取り付けた後に、導入管25に泥土供給ホース117を接続する。これにより、導入管25の端部の開口は、仕切り部23の泥土導入穴26を通して、螺旋流路4の下流側を向いて配置される。
一方、蓋体22については、開口部16を塞ぐように上板13に取り付ける。具体的には、上板13の上面に開口部16を囲むようにパッキン33を配置し、その上に蓋体22を被せるように載せる。そして、蓋体22に設けられた取付用穴31とパッキン33に設けられた取付用穴34に六角ボルト(不図示)を挿入するとともに、この六角ボルトの雄ネジ部を上板13の取付用穴19に螺合させて適度なトルクで締め付けることにより、開口部16の形成部位で蓋体22を上板13に固定する。
これと同様に、他の蓋体22についても、開口部17を塞ぐように上板13に取り付ける。具体的には、上板13の上面に開口部17を囲むようにパッキン33を配置し、その上に蓋体22を被せるように載せる。そして、蓋体22に設けられた取付用穴31とパッキン33に設けられた取付用穴34に六角ボルト(不図示)を挿入するとともに、この六角ボルトの雄ネジ部を上板13の取付用穴20に螺合させて適度なトルクで締め付けることにより、開口部17の形成部位で蓋体22を上板13に固定する。
以上の準備作業を行った状態で、泥土供給ホース117を通して分離装置102に泥土の供給を開始する。このとき、泥土供給ホース117によって供給される泥土は、導入ユニット21の導入管25を通して、仕切り部23の泥土導入穴26から螺旋流路4に導入される。これにより、泥土が螺旋流路4に導入される位置は、導入ユニット21が装着されている上板13の開口部15の形成部位となる。したがって、螺旋流路4における実効的な流路長は、開口部15の形成部位から螺旋流路4の終端4bまでの長さとなる。ちなみに、螺旋流路4の実効的な流路長とは、泥土の導入位置から螺旋流路4の終端4bまでの流路長をいう。
また、第2の取り付け形態として、上板13の開口部16に導入ユニット21を取り付けてその導入管25に泥土供給ホース117を接続し、他の開口部15,17にそれぞれ蓋体22を取り付けることもできる。この場合、泥土が螺旋流路4に導入される位置は、導入ユニット21が装着されている上板13の開口部16の形成部位となる。したがって、螺旋流路4における実効的な流路長は、開口部16の形成部位から螺旋流路4の終端4bまでの長さとなる。
さらに、第3の取り付け形態として、上板13の開口部17に導入ユニット21を取り付けてその導入管25に泥土供給ホース117を接続し、他の開口部15,16にそれぞれ蓋体22を取り付けることもできる。この場合、泥土が螺旋流路4に導入される位置は、導入ユニット21が装着されている上板13の開口部17の形成部位となる。したがって、螺旋流路4における実効的な流路長は、開口部17の形成部位から螺旋流路4の終端4bまでの長さとなる。
また、第4の取り付け形態として、泥土供給ホース117を螺旋流路4の始端4aに接続した場合は、泥土が螺旋流路4に導入される位置は、螺旋流路4の始端4aの位置となる。したがって、螺旋流路4における実効的な流路長は、螺旋流路4の始端4aから終端4bまでの長さ(つまり螺旋流路4の全長相当)となる。
上記の分離装置102においては、螺旋流路4の始端4aおよび終端4bの位置を変えることなく、螺旋流路4の実効的な流路長を変えられるようになっている。このため、砂を含む泥土を螺旋流路4に流して砂を分離するときの分離精度を高めることができる。以下、その理由を説明する。
まず、泥土供給ホース117を通して供給される泥土を螺旋流路4に流したときに、その泥土に含まれる砂は、粒径が大きいほど泥土の中で速く沈降する。このため、泥土に含まれる砂の中でも、たとえば、比較的粒径が大きい砂は、螺旋流路4を流れるときに、重力の作用と遠心力の作用を受けて、速やかに底板12の上面に達し外周側に寄せられる。したがって、粒径の大きい砂は、螺旋流路4の途中でスリット5から落下する確率が高くなる。これに対して、比較的粒径が小さい砂は、螺旋流路4を流れるときに、重力の作用と遠心力の作用を受けても、泥土中で浮遊してなかなか沈降せず、泥土の流れに乗って下流側に流される。このため、粒径が小さい砂は、螺旋流路4の途中でスリット5から落下することなく、螺旋流路4の終端4bまで水と一緒に運ばれる確率が高くなる。
また、螺旋流路4の長さ方向において、粒径が大きい砂がスリット5から落下する位置は、砂の粒径が大きいほど上流側になる。つまり、砂の粒径が大きくなるほど、この砂が螺旋流路4に沿って流動するときの流動距離が短くなる。ここで記述する流動距離とは、螺旋流路4に泥土を導入した位置から、その泥土に含まれる砂が、スリット5から落下するまで、または螺旋流路4の終端4bに到達するまでに、当該砂が螺旋流路4上を移動(流動)する距離をいう。
ここで、螺旋流路4を真っ直ぐにのばして表記したときの展開図を図10に示す。図10においては、螺旋流路4の全長(始端4aから終端4bまでの距離)をLsとし、この螺旋流路4に予め決められた条件(圧力等)で泥土を導入したときに、粒径Dの砂が螺旋流路4上を移動する流動距離(厳密には多少のバラツキがある)をLfとしている。また、開口部15の形成部位を泥土の導入位置としたときの螺旋流路4の実効的な流路長をL1とし、開口部16の形成部位を泥土の導入位置としたときの螺旋流路4の実効的な流路長をL2とし、開口部17の形成部位を泥土の導入位置としたときの螺旋流路4の実効的な流路長をL3としている。これらの長短の関係は、「Ls>L1>L2>Lf>L3」となっている。
そうした場合、粒径Dの砂が落下する位置は、螺旋流路4に泥土を導入する位置によって次のように変わる。すなわち、粒径Dの砂は、泥土の導入位置を螺旋流路4の始端4aとした場合はP0位置でスリット5から落下し、泥土の導入位置を開口部15の形成部位とした場合はP0位置よりも下流側のP1位置でスリット5から落下する。また、粒径Dの砂は、泥土の導入位置を開口部16の形成部位とした場合はP1位置よりも下流側のP2位置でスリット5から落下し、泥土の導入位置を開口部17の形成部位とした場合は螺旋流路4の終端4bまで運ばれる。
これにより、分離装置102を使用する使用者は、螺旋流路4の長さ方向において、ある位置範囲でスリット5から落下させたい粒径の砂がある場合に、この砂が所望の位置範囲でスリット5から落下するように、泥土の導入位置を変更することができる。具体的には、たとえば、以下のように泥土の導入位置を変更することができる。
すなわち、螺旋流路4の始端4aから泥土を導入したときに、所望の位置範囲でスリット5から落下させたい砂が、所望の位置範囲よりも上流側で落下してしまう場合は、泥土の導入位置を開口部15の形成部位、または開口部16の形成部位、あるいは開口部17の形成部位に変更することにより、その砂を所望の位置範囲でスリット5から落下させることができる。
また、螺旋流路4の始端4aまたは開口部15の形成部位から泥土を導入したときに、螺旋流路4の終端4bまで到達させたい砂が途中でスリット5から落下してしまう場合は、泥土の導入位置を開口部16の形成部位または開口部17の形成部位に変更することにより、その砂を螺旋流路4の終端4bに到達させることができる。
また、開口部16または開口部17の開口部位から泥土を導入したときに、所望の位置範囲でスリット5から落下させたい粒径の砂が、所望の位置範囲よりも下流側でスリット5から落下してしまう場合は、泥土の導入位置を螺旋流路4の始端4aまたは開口部15の形成部位に変更することにより、その砂を所望の位置範囲でスリット5から落下させることができる。
また、開口部16または開口部17の開口部位から泥土を導入したときに、螺旋流路4の途中でスリット5から落下させたい砂が、螺旋流路4の終端4bまで運ばれてしまう場合は、泥土の導入位置を螺旋流路4の始端4aまたは開口部15の形成部位に変更することにより、その砂を螺旋流路4の途中でスリット5から落下させることができる。
このように分離装置102においては、分離対象の砂が予め想定した位置で螺旋流路4から落下するように、泥土の導入位置を変更して螺旋流路4の実効的な流路長を調整することができる。したがって、予め決められた一定の位置(螺旋流路4の始端4a)から泥土を導入する場合に比べて、砂の分離精度を格段に高めることが可能となる。
<6.実施の形態に係る効果>
本発明に係る泥土処理システム100においては、泥土を回収装置101で回収するとともに、その泥土に含まれる砂を分離装置102で分離するにあたって、螺旋流路4を流動する泥土に含まれる砂の一部をスリット5から落下させて分離するので、粒径の大きな砂を分離でき、汚染されやすい粒径の小さな砂のみを処理装置(103,104)に送ることができる。また、分離装置102においては、泥土の導入位置を変更可能にしたことにより、スリット5から分離される砂の粒径を変更することができる。また、泥土に含まれる砂の沈降速度等にあわせて、螺旋流路4に対する泥土の導入位置を変更することにより、ターゲットとする砂を高精度に分離することができる。これにより、たとえば側溝等に堆積した汚染土壌を処理対象とする場合に、その堆積場所から汚染土壌を効率的に回収し、かつ回収した汚染土壌に含まれる砂を、汚染された砂とそれ以外の砂に分離することができる。
特に、汚染土壌において、セシウム等の放射性物質は、粒径が大きい砂にはほとんど付着せず、粒径が小さい砂に多く付着する。本出願人が行った実験では、粒径30μm以下の砂粒子にセシウムが多く付着し、それよりも粒径が大きい砂粒子は再利用しても問題のない程度の汚染濃度になっていた。上記の泥土処理システム100を汚染土壌の回収に使用すれば、回収装置101で回収した汚染土壌を分離装置102に送って、粒径30μm以下の砂と、それよりも粒径が大きい砂に精度良く分離することができる。具体的には、螺旋流路4における泥土の導入位置を適宜設定することにより、粒径30μmを超える砂は螺旋流路4の途中でスリット5から落下させ、粒径30μm以下の砂は螺旋流路4の途中でスリット5から落下させずに終端4bに到達させることができる。このため、放射性物質の付着によって汚染された砂と、それ以外の砂に分離することができる。さらに、汚染された砂以外の砂粒子は、搬送装置3で搬送して砂回収容器に回収し、汚染された砂粒子は、懸濁液として分離装置102から排出し、最終的に汚染土として減容化することができる。したがって、汚染土壌の効率的な回収と減容化を実現することが可能となる。
また、側溝、枡、用水路等に堆積した土(汚染土壌を含む)の粒径分布は、堆積場所によって異なる。このため、汚染土壌を回収する場合、ある堆積場所で回収した土については、開口部16の開口部位に泥土の導入位置を設定するのが好ましいとしても、別の堆積場所で回収した土については、その設定が必ずしも好ましいものとならない場合があり得る。そうした場合でも、螺旋流路4における泥土の導入位置を変更可能に構成しておけば、たとえば、回収場所の土の粒径分布にあわせて泥土の導入位置を変更したい場合に柔軟に対応することが可能となる。
また、泥土処理システム100を構成する装置類を車載型としているため、汚染土壌などが堆積している場所が広範囲にわたって点在している場合でも、汚染土壌の回収が必要な場所に泥土処理システム100を持ち込んで活用することができる。さらに、回収装置101を可搬式の装置としているため、側溝等に堆積した汚染土壌を回収する場合に、適宜場所を移動しながら汚染土嚢を回収することができる。特に、住宅が密集した場所などのように、トラック131,132の進入が困難な場合でも、回収装置101を自在に移動させて汚染土壌の回収作業にあたることができる。
<7.変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、泥土の導入位置を変更可能とするために分離槽2の上板13に形成する開口部の個数は、上述した3個に限らず、1個または2個、あるいは4個以上であってもよい。
上記実施の形態においては、螺旋流路4の幅方向で対向する一対の側板11のうち、内周側の側板11に底板12を取り付けるとともに、この底板12を外周側が内周側よりも低位となるように傾斜させたが、本発明はこれに限らない。たとえば、図示はしないが、螺旋流路4の幅方向で対向する一対の側板11のうち、外周側の側板11に底板12を取り付けるとともに、この底板12を外周側が内周側よりも高位となるように傾斜させた構成としてもよい。この構成を採用した場合は、スリット5が螺旋流路4の内周側に形成される。
上記実施の形態においては、分離槽2の上板13に複数の開口部15,16,17を形成したが、これに限らず、螺旋流路4に通じる分離槽2の外周壁に上記同様の目的で複数の開口部を形成してもよい。
上記実施の形態においては、回収ノズル111に水供給部114を設けた構成としたが、これに限らず、たとえば、側溝等に堆積した砂に予めホース等で水を供給して泥化しておき、その泥土を回収ノズル111で吸引して回収する構成としてもよい。
本発明が処理の対象とする泥土は、放射能で汚染された土壌だけでなく、重金属、農薬、揮発性有機物等で汚染された土壌、あるいは汚染されていない土壌であってもよい。
2…分離槽
3…搬送装置
4…螺旋流路
5…スリット
15,16,17…開口部
21…導入ユニット
100…泥土処理システム
101…回収装置
102…分離装置
103…凝集沈殿装置
104…膜分離装置
105…無機凝集剤注入装置
106…高分子凝集剤注入装置
107…脱水装置
111…回収ノズル
112…吸引ポンプ
114…水供給部

Claims (5)

  1. 土に水を混ぜて泥化した泥土を回収する回収装置と、
    前記回収装置で回収した前記泥土に含まれる砂を分離する分離装置と、
    前記分離装置で前記砂を分離した後の前記泥土を処理する処理装置と、
    を用いて構成された泥土処理システムであって、
    前記分離装置は、
    前記泥土を流動させる螺旋流路と、
    前記螺旋流路の流路脇に形成されたスリットと、を備え、
    前記螺旋流路を流動する前記泥土に含まれる前記砂の一部を前記スリットから落下させて分離する
    ことを特徴とする泥土処理システム。
  2. 前記分離装置は、前記螺旋流路の長さ方向において前記泥土を前記螺旋流路に導入する導入位置を変更可能に構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の泥土処理システム。
  3. 前記分離装置は、前記螺旋流路の途中に相互に位置をずらして形成された複数の開口部と、前記複数の開口部のうち、一の開口部の形成部位に装着されて前記泥土を前記螺旋流路に導入可能とする導入ユニットと、を備え、
    前記複数の開口部のいずれかに前記導入ユニットを装着することにより、前記導入位置を変更可能とした
    ことを特徴とする請求項2に記載の泥土処理システム。
  4. 前記回収装置は、可搬式の装置であり、
    前記分離装置および前記処理装置は、それぞれ車載型の装置である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の泥土処理システム。
  5. 前記回収装置は、回収の対象となる土に水を供給して泥化する水供給部を有する回収ノズルと、
    前記水供給部によって泥化した泥土を前記回収ノズルを介して吸引し、かつ、当該吸引した泥土を前記分離装置に圧送する吸引ポンプと、
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の泥土処理システム。
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