JPH0474041B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建設現場等で発生する泥水を処理し
て浄水を得るようにした泥水処理装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、建設現場の基礎工事における既製杭の埋
込工法、中堀工法又はコンクリート杭の現場打工
法などにおいて、杭の建込孔を掘削する時に掘削
液（水または崩壊防止剤を加えたもの）及び根固
め液を多量に使用するので、杭を建込んだとき或
いはスクリユーオーガの引揚げ時に多量の泥水が
地上に排出される。

この泥水は、自然排水が不可能な場合には公害
問題となるので、工事現場の近傍にカマ場を堀つ
ておき、このカマ場に泥水を一時貯留した後バキ
ユームカー等で搬出する方法が一般的であつた。

しかし、バキユームカーで搬出することは、そ
の搬出能力により施工スピードが左右されるし、
搬出費用も捨場までの距離により異なるが、非常
に高価となる。また、現場での作業上、スペース
的にも邪魔になるし、泥水中に含まれた泥土が時
間の経過とともに粘性が高くなり、バキユームカ
ーへの吸い込み能率が極端に低下する等の欠点が
あつた。

そこで、このような欠点を解決するために、機
枠に設置された泥水処理装置を建設現場に搬送し
て泥水を脱水処理することが行われている。

この泥水脱水処理装置は、現場の泥水をポンプ
で揚水して夾雑物を除去する振動篩と、該振動篩
機から排出された泥水を貯留する原水貯留槽と、
該原水貯留槽の泥水をスラリーポンプで揚水し、
濾過枠の圧縮により泥水中に含有された汚泥分を
脱水して浄水を分離するフイルタープレス機と、
濾過された浄水を貯留する脱水タンクその他の処
理設備等を設置したものである（特公昭57−
117310号公報、特公昭57−147409号公報参照）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上記特公昭57−117310号公報及び特公
昭57−147409号公報に開示された泥水脱水処理装
置は、移動不可能な機枠に設置されているので、
建設現場に搬送するとき、或いはこれを建設現場
から撤去する場合には、運搬車を使用することに
なるが、この運搬車への泥水脱水処理装置の積み
込み或いは積み降ろしには、泥水脱水処理装置を
吊り上げるクレーン等の工事用機械と多大の時間
及び人員等を要し、それだけ工事期間が遅延する
等の問題があつた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記の如き従来の問題点を解決する
ために、建設現場への設置及び撤去が簡単で迅速
に行えるように構成して可及的に工事期間を短縮
することが可能であり、且つ、建設現場で発生す
る泥水から浄水を効率的に分離して、再利用する
ことができると共に、泥土の搬出処理経費を節減
できる泥水処理装置を提供するのが目的であり、
その要旨は、泥水を泥土と汚水とに分離する振動
スクリーンと、該振動スクリーンからの汚水を泥
土と汚水に分離する分級機と、該分級機の汚水を
貯留する撹拌タンクと、該撹拌タンクの汚水を泥
土と汚水に分離するデカンタと、該デカンタの汚
水を貯留する濾液タンクと、該濾液タンク内に定
量ポンプにより注入する薬液の貯液槽と、高分子
凝集剤を貯留する高分子溶解貯液槽と、前記濾液
タンクの薬液及び高分子凝集剤とにより汚水を浄
水と泥水とに分離するクラリフアイヤーと、該ク
ラリフアイヤーの浄水を貯留する用水タンクと、
前記分離された泥土を外部に搬送するコンベヤー
とを走行可能な荷台に組み込んだことを特徴とす
る泥水処理装置にある。

〔実施例〕

以下、本発明を第１図乃至第４図に示す実施例
により詳細に説明する。なお、第１図は本発明に
係る泥水処理装置の平面図で、第２図は同泥水処
理装置の正面図、第３図は第１図の−線の断
面図、第４図は同泥水処理装置のフローシートを
示す。

図面において、１は車輪２を有する荷台で、ト
ラツク等により牽引されて他力で走行するか、或
いはトラツク、キヤタピラのように自力で走行す
るもので、この荷台１上には、以下に述べる処理
設備が設置されている。

すなわち、３は荷台１上に固定された所定高さ
の台枠で、該台枠３上には泥水を泥土（粗い土砂
等）と汚水とに分離する振動スクリーン４が設置
されている。

この振動スクリーン４の下部は逆円錐形状に形
成され、その頂部には汚水の排水口４ａが設けら
れている。

５は前記台枠３の下位に設置した分級機（クラ
ツシフアイヤー）で、泥水中に含まれる粒子の沈
降速度の違いによつて泥土と汚水とに分離するも
のであり、図面においては、粒子の比重の大小に
よつて分離するスパイラルクラツシフアイヤーが
使用されている。

このスパイラルクラツシフアイヤー５は、第１
図において、左側から右側に向かつて上昇するよ
うに傾斜した長いタンク５ａと、その中に回転自
在に配置されたスパイラル（螺旋状の羽根）５ｂ
とで構成されており、スパイラル５ｂは電動機６
によりベルトを介して回転する。

また、図示しないが、タンク５ａの下側には泥
水の送入口と汚水の排水口とが、その上側には泥
土の排土口が夫々設けられており、スパイラルク
ラツシフアイヤー５の送入口の上位には、前記振
動スクリーン４の排水口４ａが位置し、その排出
口には下方に向けて排水樋７が連接されている。

更に、前記分級機５の下側には、図示しない電
動機により駆動されるベルトコンベア８が図中左
右方向に設置されており、その右端側は荷台１か
ら突出して運搬車Ａに土砂を積載し易い構造とし
ている（第４図参照）。

９は前記分級機５の排水口から排出された汚水
を貯留する撹拌タンクで、該撹拌タンク９内の水
中サンドポンプ１０は、流量計１１を介してスク
リユー形式のデカンター１２の送入口に接続され
ている。

このデカンター１２は、電動機１３によりベル
ト１３ａを介してスクリユー（図示せず）を回転
して泥土と汚水とに分離し、泥土は排土口から前
記ベルトコンベア８に排出され、泥水は排水口か
ら濾液タンク１４に排水される。なお、デカンタ
ー１２はスクリユー形式に限定されず、他の形式
のものを用いてもよい。

１５はPAC液の液貯留槽で、該液貯留槽１５
のPAC液は定量ポンプ１６を介して前記濾液タ
ンク１４に供給される。

この濾液タンク１４のPAC液混入の泥水は、
水中サンドポンプ１７によりクラリフアイヤー１
８に供給される。また、クラリフアイヤー１８に
は高分子溶解貯液槽１９の高分子凝集剤が定量ポ
ンプ２０により供給される。なお、図中２１，２
２はモータとプロペラからなるミキサーである。

ここで、前記クラリフアイヤー１８は、土砂等
の混入した泥水から浄水（清澄水）を得る装置で
あり、泥水に含まれる微粒子の大きさによつて、
自然沈下または薬液注入による凝集沈澱の方法が
選択される。図面においては、PAC液の混入さ
れた濾液タンク１４の泥水と高分子凝集剤との薬
液注入による凝集沈澱方法が選択されている。

そして、クラリフアイヤー１８で浄化された浄
水は用水タンク２３に貯留され、水中サンドポン
プ２４により必要箇所に供給される。また、クラ
リフアイヤー１８の槽底に沈降分離したスラツジ
は、撹拌タンク９１に戻されて再度処理される。
なお、図中、２５は作業台である。

〔実施例の作用〕

次に、前記実施例の処理工程を第４図のフロー
シートを参照して説明する。

まず、杭打現場Ｂの近傍にはカマ場Ｃを掘削し
ておき、該カマ場Ｃの近傍に荷台１を移動して泥
水処理装置を設置する。そこで、カマ場Ｃ内に集
められた泥水は、水中サンドポンプＤにより揚水
して振動スクリーン４に供給する。

振動スクリーン４では、粗い汚泥と汚水とを分
離して汚泥はベルトコンベヤー８に移送し、汚水
は排水口４ａから分級機５に供給される。

この分級機５において、沈積した汚泥はスパイ
ラル５ｂにより上方に搬送し排水樋７からベルト
コンベヤ８に落下させ、沈降し切れない汚泥及び
汚水は排水口から撹拌タンク９に貯留する。

この撹拌タンク９において、汚泥を含有する汚
水は、水中サンドポンプ１０により流量計１１で
計測しつつ適量をデカンタ１２の送入口に圧送さ
れる。そして、このデカンタ１２で分離されたス
ラツジは脱水ケーキとしてベルトコンベヤー８に
落下し、汚水は濾液タンク１４に貯留する。

濾液タンク１４には、液貯液槽１５内のPAC
液が定量ポンプ１６により混入されており、この
濾液タンク１４の薬液入り汚水は、水中サンドポ
ンプ１７によりクラリフアイヤー１８に導入さ
れ、同時に高分子溶解貯液槽１９の高分子凝集剤
が定量ポンプ２０によりクラリフアイヤー１８に
注入される。

クラリフアイヤー１８で前記薬液注入により汚
水が凝集沈澱分離され、浄水は用水タンク２３に
貯留し、水中サンドポンプ２４により所望の箇所
に供給する。また、沈積した泥水は撹拌タンク９
に戻されて再処理が行われる。

そして、上記の各処理過程においてベルトコン
ベヤー８に排出された汚泥あるいはケーキ等の排
土Ｅは、運搬車Ａに積み込んで所定の捨場に廃棄
される。

〔発明の効果〕

本発明に係る泥水処理装置は、上記の如く、泥
水を泥土と汚水とに分離する振動スクリーンと、
該振動スクリーンからの汚水を泥土と汚水に分離
する分級機と、該分級機の汚水を貯留する撹拌タ
ンクと、該撹拌タンクの汚水を泥土と汚水に分離
するデカンタと、該デカンタの汚水を貯留する濾
液タンクと、該濾液タンク内に定量ポンプにより
注入する薬液の貯液槽と、高分子凝集剤を貯留す
る高分子溶解貯液槽と、前記濾液タンクの薬液及
び高分子凝集剤とにより汚水を浄水と泥水とに分
離するクラリフアイヤーと、該クラリフアイヤー
の浄水を貯留する用水タンクと、前記分離された
泥土を外部に搬送するコンベヤーとを走行可能な
荷台に搭載されているので、建設現場での設置及
び撤去には、少人数の作業員により短時間で、且
つ簡単、迅速に行うことが出来、建設施工能率を
大幅に向上することができる。

また、建設現場で発生した泥水を容易に浄化処
理して浄水を得ることが出来るとゝもに、この浄
水を直ちに再利用できるため、浄水の貯留タンク
を別に設置する必要もない。

さらに、不要なケーキ状の排土のみを搬出処理
すればよいため、搬出経費を大幅に節減すること
ができるとゝもに、建設現場における公害の問題
も解消出来るといつた諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る泥水処理装置の平面図、
第２図は同泥水処理装置の正面図、第３図は第１
図の−線の断面図、第４図は同泥水処理装置
のフローシートである。 １……荷台、４……振動スクリーン、５……分
級機、８……ベルトコンベア、９……撹拌タン
ク、１０，１７，２４，Ｄ……水中サンドポン
プ、１２……デカンタ、１４……濾液タンク、１
５……液貯留槽、１６，２０……定量ポンプ、１
８……クラリーフアイヤー、１９……高分子溶解
貯液槽、２３……用水タンク、Ｃ……カマ場。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 泥水を泥土と汚水とに分離する振動スクリー
   ンと、該振動スクリーンからの汚水を泥土と汚水
   に分離する分級機と、該分級機の汚水を貯留する
   撹拌タンクと、該撹拌タンクの汚水を泥土と汚水
   に分離するデカンタと、該デカンタの汚水を貯留
   する濾液タンクと、該濾液タンク内に定量ポンプ
   により注入する薬液の貯液槽と、高分子凝集剤を
   貯留する高分子溶解貯液槽と、前記濾液タンクの
   薬液及び高分子凝集剤とにより汚水を浄水と泥水
   とに分離するクラリフアイヤーと、該クラリフア
   イヤーの浄水を貯留する用水タンクと、前記分離
   された泥土を外部に搬送するコンベヤーとを走行
   可能な荷台に組み込んだことを特徴とする泥水処
   理装置。