JP2014054601A - 撹拌装置および撹拌方法 - Google Patents

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【課題】液体の最適の撹拌を短時間で行える撹拌装置および撹拌方法を提供すること。
【解決手段】撹拌装置100が、液体Lの撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録したデータ保存部13と、受光器60で捉えた液体Lの振動波形を基準振動波形に近づける補正駆動電圧および補正電極間距離を演算する演算部14と、補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15とを備えている。したがって、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置100を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶質を含む少量の液体の撹拌装置、および撹拌方法に関する。
生体成分の分析および定量において、デオキシリボ核酸とインターカレーターとの相互作用を利用した反応、抗原定着反応、抗原抗体反応等が利用されている。これらの反応は、撹拌によって反応が進むが、生体成分の量が少量であったり、抗体が高価であったりするので、1mL以下、特にμL単位の微少量の液体での撹拌が必要となる。
液体の撹拌装置および撹拌方法として、変化する電界中に液体を置き、液体を振動させて撹拌する撹拌装置および撹拌方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2010−119388号公報
電極間の変化する電界中で液体の撹拌を行う場合、液体の種類(特に粘度)、量等が異なると、液体が撹拌に最適な振動をするための駆動電圧および電極間距離も異なる。そのため、撹拌ごとに液体の動きを目視して、駆動電圧および電極間距離を調節している。したがって、調節のための時間が必要で、撹拌の終了まで時間がかかる。
また、撹拌の開始時に、液体が撹拌に最適な振動をするための駆動電圧および電極間距離を調節しても、液体の蒸発により液体の量が変化すると、液体の量に応じた最適な撹拌条件からずれた駆動電圧および電極間距離となり、同じ時間の撹拌を行っても十分な撹拌が得られなかったり、経時的な攪拌とともに液体の振動(攪拌強度)が弱くなり十分な攪拌が得られなかったりすることがある。
ここで、撹拌に最適な振動とは、撹拌によって反応の確率が増し、より速く反応が進む振動をいう。
本発明は、上述の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]第1の電極と前記第1の電極に対向する第2の電極との間に液体を配置して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に駆動電圧を印加して前記液体を振動させる撹拌装置であって、前記振動を検知する検知部と、前記検知部で検知した前記振動を振動波形に変換する波形変換部と、予め、前記検知部と前記波形変換部とを用いて得られた、前記液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録するデータ保存部と、前記振動波形と前記基準振動波形とを比較して、前記振動波形を前記基準振動波形に近づけるための前記第1の電極と前記第2の電極との間の補正駆動電圧、および前記第1の電極と前記第2の電極との補正電極間距離を演算する演算部と、前記補正駆動電圧および前記補正電極間距離に基づいて、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記補正駆動電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離を前記補正電極間距離に制御する電極制御部とを備えたことを特徴とする撹拌装置。
この適用例によれば、撹拌装置が、液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録したデータ保存部と、検知部で捉えた液体の振動波形を基準振動波形に近づける補正駆動電圧および補正電極間距離を演算する演算部と、補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する電極制御部とを備えている。したがって、液体の動きを目視して駆動電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置が得られる。
また、撹拌中に液体の蒸発により液体の量が変化しても、検知部によって液体の振動波形を捉え、液体の量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する電極制御部を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置が得られる。
[適用例2]上記撹拌装置であって、前記検知部は、振動する前記液体から反射した光を受光する受光器を備えていることを特徴とする撹拌装置。
この適用例では、検知部が液体から反射した光を受光する受光器を備えているので、液体に非接触で液体の振動を検知できる。したがって、振動の検知による液体の撹拌への影響が少なくなり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置が得られる。
[適用例3]上記撹拌装置であって、前記液体に光を照射する光源を備えていることを特徴とする撹拌装置。
この適用例では、液体に光を照射する光源を備えているので、液体に外光が入射する場合と比較して、液体に入射する光の変動量がより安定し、液体の振動に伴う液体から反射する光の量への、液体に入射する光の量の変動による影響が抑えられる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体の振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置が得られる。
[適用例4]上記撹拌装置であって、前記光源は、レーザー光源であることを特徴とする撹拌装置。
この適用例では、液体に照射する光が、より指向性のあるレーザー光であるので、液体に入射する光の変動量がより安定し、液体の振動に伴う液体から反射する光の量への、液体に入射する光の量の変動による影響がより抑えられる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体の振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置が得られる。
[適用例5]上記撹拌装置であって、前記光源から射出された光が前記液体で反射されて前記受光器に入射する光路を含む領域を外部の光から遮蔽する部材を備えていることを特徴とする撹拌装置。
この適用例では、光源から射出された光が液体で反射されて受光器に入射する光路を含む領域を外部の光から遮蔽する部材によって、液体の振動に伴う液体から反射する光の量への外光の変動による影響がより抑えられる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体の振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置が得られる。
[適用例6]上記撹拌装置であって、前記検知部は、振動する前記液体による前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧変動を検知することを特徴とする撹拌装置。
この適用例では、振動する液体によって第1の電極と第2の電極との間の誘電率が変化し、それに伴う電圧変動を検知するので、液体に非接触で液体の振動を検知できる。したがって、液体の撹拌への振動の検知による影響が少なくなり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置が得られる。
[適用例7]第1の電極と前記第1の電極に対向する第2の電極との間に液体を配置して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に駆動電圧を印加して前記液体を振動させる撹拌方法であって、前記液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形および撹拌時間を予め記録する基準振動波形記録工程と、前記基準振動波形が得られる前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間距離に、前記第1の電極または前記第2の電極の少なくとも一方を移動する電極セッティング工程と、前記液体に前記駆動電圧を印加して前記液体の振動を開始する振動開始工程と、前記液体の振動の振動波形を検知する振動波形検知工程と、前記基準振動波形の周期と検知された前記振動波形の周期とが近いか否かを判断する周期判断工程と、前記基準振動波形の周期と前記振動波形の周期とがと近づくように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる周期制御工程と、前記基準振動波形の振幅と前記振動波形の振幅とが近いか否かを判断する振幅判断工程と、前記基準振動波形の振幅と検知された前記振動波形の振幅とが近づくように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる振幅制御工程とを含んでいることを特徴とする撹拌方法。
この適用例によれば、液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録して、液体の振動波形を検知し、振動波形の周期および振幅を基準振動波形に近づくように、電極間距離と駆動電圧とを変化させる。したがって、液体の動きを目視して駆動電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌方法が得られる。
[適用例8]上記撹拌方法であって、前記基準振動波形の半周期分の基準波形積分値から許容できる波形積分値差を予め記録しておく振動許容範囲記録工程と、前記振動波形の経時変化を測定する経時変化監視工程と、前記基準波形積分値の絶対値と、前記振動波形の半周期分の波形積分値の絶対値と、を比較し、これらの波形積分値差が前記許容できる波形積分値差未満か否かを判断する波形積分値差判断工程と、前記波形積分値差が前記許容できる波形積分値差以上の場合、前記波形積分値差を前記許容できる波形積分値差未満となるように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる波形積分値差制御工程とを含むことを特徴とする撹拌方法。
この適用例では、振動波形の経時変化を測定し、波形積分値と基準波形積分値とを比較して、波形積分値差を許容できる波形積分値差未満となるように、電極間距離と駆動電圧とを変化させる。したがって、撹拌中に液体の蒸発により液体の量が変化して、液体の振動波形の周期および振幅が変化しても、振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌方法が得られる。
第1実施形態における撹拌装置の概略構成を示す斜視図。 撹拌装置を表すブロック図。 下部電極と上部電極とに印加する電圧を示す図。 液体での光の反射の様子を表す図。 変換された振動波形を表す図。 経時変化した場合の変換された振動波形を表す図。 撹拌方法を示すフローチャート図。 第2実施形態における撹拌装置の概略構成を示す斜視図。 第3実施形態における撹拌装置の概略構成を示す斜視図。 第4実施形態における撹拌装置の概略構成を示す斜視図。
以下、実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
なお、以下に述べる実施形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
また、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度は実際とは異なっている。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る撹拌装置100の概略構成を示す斜視図である。また、図2は、撹拌装置100を表すブロック図である。撹拌装置100は、液体Lを変化する電界中に置き、液体Lを振動させて撹拌する装置である。
図1において、撹拌装置100は、基台10と、支柱20と、第1の電極としての平板の下部電極30と、第2の電極としての平板の上部電極40と、光源50と、検知部としての受光器60と、光を遮蔽する部材として遮光箱70と、を備えている。遮光箱70については、遮光箱70で覆われた内部を見やすくするために破線で示した。
以下、下とは、重力の向かう方向を示し、上とは、重力の向かう方向とは反対方向を示す。
基台10は、例えば、金属からなる略直方体の筐体で、その上面が水平になるように設置されている。ここで、上面は、基台10の設置状況により、調整可能な範囲内で水平から多少ずれていてもよい。
基台10の前面には、操作表示部11が設けられている。操作表示部11では、例えば、下部電極30および上部電極40の位置操作や位置表示、下部電極30と上部電極40との間に印加される駆動電圧の操作や駆動電圧の表示、遮光箱70内の温度や湿度、撹拌装置100を取り巻く雰囲気の温度や湿度の表示等が行われる。
また、図2において、基台10の中には、波形変換部12、データ保存部13、演算部14、電極制御部としての上部電極制御部15が設けられている。
支柱20は、例えば、金属からなり、基台10の上面に垂直に取り付けられている。ここで、垂直とは、製造上のばらつきによる垂直からの多少のずれをも含む。
支柱20には、下部電極30と上部電極40とが、互いの面が対向して平行となるように取り付けられている。上部電極40は下部電極30より上側に取り付けられている。ここで、平行とは、製造上のばらつきによる平行からの多少のずれをも含む。
上部電極40は、支柱20に沿って移動可能に取り付けられ、上部電極40の垂直方向の位置は、支柱20に取り付けられた、例えば、リニアエンコーダー21によって検知される。上部電極40の移動は、ラックアンドピニオンやリニアモーターによって行うことができる。
なお、下部電極30も支柱20に沿って移動可能に取り付けられていてもよい。
下部電極30および上部電極40の材質は、透明なガラスに透明導電膜である、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を形成した透明電極、金属製の電極、黒鉛電極、合成樹脂板に導電性のメッシュを張り付けた電極等を用いることができる。合成樹脂板に導電性のメッシュを張り付けた電極は、安価なうえ、液体Lの状態を観察できる点で好ましい。
上部電極制御部15は、上部電極40の位置を変えて下部電極30と上部電極40との電極間距離を制御したり、下部電極30と上部電極40とに印加する駆動電圧を制御したりする。
ここで、下部電極30を制御する場合は、電極制御部として下部電極制御部を設けてもよいし、下部電極30と上部電極40とを制御する場合は、下部電極制御部と上部電極制御部15とを設けてもよい。
図3に下部電極30と上部電極40とに印加する駆動電圧の一例を示した。
図3において、駆動電圧は、周期Tの矩形のパルス波からなり、下部電極30と上部電極40とに印加される最高電圧はVdである。例えば、振動数v(v=1/T)は、数Hzから数十Hzで、Vdが数kVの駆動電圧を用いることができる。
なお、駆動電圧は、矩形のパルス波からなる駆動電圧に限らず、例えば、正弦波、三角波等からなる駆動電圧であってもよい。
図1において、撹拌装置100の下部電極30上には、同じ種類の液体Lが載せられた複数のスライドガラスSが置かれる。図1では、5つのスライドガラスSが置かれているが、一つであってもよいし、電極を大きくして5つ以上置いてもよい。
ここで、同じ種類の液体Lとは、液体Lの溶媒、粘度等が同じ液体Lをいう。
また、液体Lの量は、例えば、数十〜数百μLである。複数の液体Lを同じ条件で振動させ撹拌するには、各液体Lの量をできるだけ同量に近づける。
スライドガラスSの材質は、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英等のガラス、ポリスチレン等の樹脂を用いることができる。
複数の液体Lを同じ条件で振動させ撹拌するには、液体Lの形状も同じ形状に近づける必要がある。スライドガラスSに載せられた液体Lの形状を同じにするために、スライドガラスSを予め同じ条件で洗浄する。洗浄によって、スライドガラスSの表面状態が安定し、液体LのスライドガラスSに対する接触角が安定する。
また、液体Lの溶媒が水を主成分とする場合、液体LのスライドガラスS上での広がりを制限して液体Lの高さを揃えるために、決められた直径の円の円周を撥水性の材料で描き、円の中に液体Lを載せる。液体Lは、撥水性の円の中に収まり、スライドガラスS上での広がりが抑えられる。例えば、水が主成分の200μLの液体Lを直径12mmの円に収めると、静置した液体Lの高さは、2〜3mmとなる。また、水が主成分の600μLの液体Lを直径20mmの円に収めると、静置した液体Lの高さは、2〜3mmとなる。
同じ種類の各液体Lの量、形状を同じにすることで、各液体Lを略同条件で振動、撹拌できる。
一方、上部電極40の表面に撥水処理を行っておくと、液体Lが振動して撹拌される際に上部電極40に接触しても、上部電極40に液体Lの一部が付着して分離するのを防げ、液体Lの量の急激な変化が抑えられる。
光源50は、射出した光が液体Lを照らす角度で基台10に取り付けられている。光が照らされる液体Lはどの液体でもよいし、ダミー用の液体Lを用意して、ダミー用の液体Lを照らしてもよい。
光源50としては、ナトリウムランプ、白熱電球、蛍光灯、レーザー光源等を用いることができる。
図4に、液体Lでの光の反射の様子を表す図を示した。液体Lは、図示しない下部電極30と上部電極40との間に印加される駆動電圧によって、例えば、スライドガラスS上に静置した形状の実線で示した液体L1から盛り上がった状態の破線で示した液体L2へと形状が変化する。駆動電圧が周期的に変化すれば、液体Lは振動し、その形状は、液体L1→液体L2→液体L1→液体L2…と振動する。この振動に伴い液体Lは撹拌される。
ここで、振動する液体Lの形状は、図示した形状に限らず、スライドガラスS上に静置した形状より盛り上がった形状からさらに盛り上がった形状の間で振動してもよいし、振動の勢いで中心が凹んだ形状から盛り上がった形状の間で振動してもよい。
液体Lに入射する光は、液体Lの振動により、反射する方向も変化する。
図4において、光路を実線と破線の矢印で示した。例えば、光源50から入射角θで液体Lに入射した光は、液体L1の形状の時は直進し、実線矢印の方向に進み、受光器60には到達しない。一方、液体L2の形状の時は反射し、破線矢印の方向に進み、受光器60に到達する。したがって、振動に伴う光の強弱が、受光器60で検知できる。
光源50から射出される光が、液体Lの溶質または溶媒に悪影響を及ぼす場合、例えば、溶質や溶媒を分解したり、溶媒の蒸発を促進したりするときは、入射角θを小さくして光の反射率を高めるとよい。
図2において、受光器60で受けた光の強弱は、電気信号に変換され、波形変換部12において振動波形に変換される。変換された振動波形は、データ保存部13に保存される。データ保存部13は、データを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。
図5に、短時間の撹拌で、液体Lの蒸発が進まない場合の変換された振動波形を表す図を示した。横軸が時間(t)を表し、縦軸が振幅を表している。両軸ともに任意スケールであり、振動する液体Lの実際の振幅とは限らない。
図5において、破線で示した曲線は、ある種類の液体Lが効率よく最適な振動で撹拌ができている振動波形を示している。実線で示した曲線は、撹拌に最適な振動からずれた場合の振動波形を示している。ここで、撹拌に最適な振動ができているとは、例えば、振幅が大きな振動波形が得られるときであるが、振幅が大きな振動波形に限らず、撹拌後のデオキシリボ核酸とインターカレーターの相互作用を利用した反応、抗原定着反応、抗原抗体反応等の反応がよく進む振動波形である。
種類、量の異なる液体Lは、同じ駆動電圧によってもその振動は異なるため、データ保存部13には、各種類の液体Lを量に応じて、下部電極30と上部電極40との電極間距離およびこれらの電極に印加する駆動電圧を変化させて、その種類ごとに撹拌に最適な振動の基準振動波形を予め記録しておく。
図6には、液体Lの蒸発が進み、経時変化した場合の変換された振動波形を表す図を示した。液体Lの蒸発が進むと、液体Lの量の減少とともに、振幅も小さくなり、周期も短くなる。
演算部14では基準振動波形と実際に振動している駆動波形とを比較して、基準振動波形に近づける補正駆動電圧および補正極板間距離を計算する。上部電極制御部15は、計算された補正駆動電圧および補正極板間距離に基づいて上部電極40を制御する。
遮光箱70には、受光器60が検知する外からの光を遮蔽する材料を用いる。例えば、金属や、受光器60が検知する光を吸収、反射する物質を含んだ材料等を用いることができる。遮光箱70は手動で被せてもよいし、遮光箱70に、自動で開閉する扉を設けて作業性をよくしてもよい。また、遮光箱70の内部で温湿度調整等を行ってもよい。
遮光箱70に代えてカバーを設けることも可能である。カバーを設けることにより、外部からの埃等を防いだり、液体Lの蒸発の進行を抑えたりすることができる。カバーの場合であっても、自動で開閉する扉を設けて作業性をよくしてもよいし、カバーの内部で温湿度調整等を行ってもよい。カバーに外からの光を遮蔽する材料を用いると遮光箱70とすることができる。
図7に、撹拌装置100を用いて液体Lを撹拌する、本実施形態における撹拌方法を示すフローチャート図を示した。
図7において、本実施形態における撹拌方法は、基準振動波形記録工程としてのステップS1と、振動許容範囲記録工程としてのステップS2と、サンプルセット工程としてのステップS3と、電極セッティング工程としてのステップS4と、振動開始工程としてのステップS5と、振動波形検知工程としてのステップS6と、周期判断工程としてのステップS7と、周期制御工程としてのステップS8と、振幅判断工程としてのステップS9と、振幅制御工程としてのステップS10と、経時変化監視工程としてのステップS11と、波形積分値差判断工程としてのステップS12と、波形積分値差制御工程としてのステップS13と、撹拌時間判断工程としてのステップS14とを含む。
ここで、ステップS2、およびステップS11からステップS13までは、必要に応じて加えることができる。これらのステップは、液体Lにおいて溶媒中の溶質の濃度が低く、長時間の撹拌を要する場合に加えることができる。例えば、抗原抗体反応において、抗体が高価でその濃度を抑えたい場合、長時間の撹拌を行って抗原抗体反応を進める必要がある。
基準振動波形記録工程(ステップS1)では、液体Lの撹拌に最適な振動の基準振動波形を予めデータ保存部13に記録する。
液体Lの種類によって粘度等が異なる場合は、液体Lの種類ごとに基準振動波形を記録する。また、基準振動波形で撹拌した時に要する撹拌時間も記憶させておく。
例えば、駆動波形は、図3に示した矩形のパルス波を印加しながら電極間距離を調節し、液体Lの振幅が最大値となる基準振動波形を求める。または、反応がよく進む基準振動波形を求めて記録する。
振動許容範囲記録工程(ステップS2)では、基準振動波形の半周期分の基準波形積分値から許容できる波形積分値差を予めデータ保存部13に記録する。この場合も、液体Lの種類ごと許容できる波形積分値差を記録する。
サンプルセット工程(ステップS3)では、液体Lを載せたスライドガラスSを下部電極30にセットする。この時、操作表示部11において、データ保存部13に記録した液体Lの種類の中から実際に測定する液体Lの種類、量を選んでもよい。
下部電極30と上部電極40との電極間距離は、サンプルのセットが行いやすいように調整して行うことができる。この場合、例えば、上部電極40の移動可能な距離を長くすると、下部電極30と上部電極40との電極間を広げることができ、手やロボットのアームを電極間に入れやすく、サンプルのセットが行いやすい電極間距離にできる。
電極セッティング工程(ステップS4)では、基準振動波形が得られる下部電極30と上部電極40との間の電極間距離に、上部電極40を移動する。
例えば、数mmの液体Lの高さに応じ、液体Lと上部電極40とが接触しないように、下部電極30と上部電極40との電極間距離は、数〜十数mmとすることができる。
上部電極40の移動は、操作表示部11によって手動で上部電極40を移動させてもよいし、予めエンコーダーによって、基準振動波形が得られた位置に自動で移動させてもよい。
振動開始工程(ステップS5)では、ステップS1で記録された、液体Lに印加すると基準振動波形が得られる駆動電圧を下部電極30と上部電極40との間に印加して、液体Lの振動を開始する。
同じ種類の液体Lに対して基準振動波形が得られる駆動電圧が、液体Lの調整ごとに液体Lの粘度等の特性は多少異なるので、実際に振動させる液体Lの振動が最適な振動となる駆動電圧とは限らない。
振動波形検知工程(ステップS6)では、光源50から射出された光が液体Lに入射し、反射した光を受光器60で検知し、波形変換部12において振動波形に変換する。
周期判断工程(ステップS7)では、基準振動波形の周期と、振動波形の周期と、が近いか否かを判断する。
基準振動波形の周期と振動波形の周期とが近いか否かは、基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、予めデータ保存部13に保存しておいた、基準振動波形の周期と振動波形の周期との許容できる差以上か否かで行う。基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差以上の場合(ステップS7:NO)は、周期制御工程(ステップS8)に進む。基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差以上ではない場合、言い換えると基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差未満の場合(ステップS7:YES)は、振幅判断工程(ステップS9)に進む。
周期制御工程(ステップS8)では、基準振動波形の周期と振動波形の周期とがと近づくように、電極間距離と駆動電圧とを計算し変化させる。
演算部14で、基準振動波形の周期と振動波形の周期とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離を計算し、上部電極制御部15によって基準振動波形の周期と振動波形の周期とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離に上部電極40を制御する。制御後、振幅判断工程(ステップS9)に進む。
振幅判断工程(ステップS9)では、基準振動波形の振幅と振動波形の振幅とが近づいたか否かを判断する。
基準振動波形の振幅と振動波形の振幅とが近いか否かは、基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との差が、予めデータ保存部13に保存しておいた基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との許容できる差以上か否かで行う。基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との差が、許容できる差以上の場合(ステップS9:NO)は、振幅制御工程(ステップS10)に進む。基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差以上ではない場合、言い換えると基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との差が、許容できる差未満の場合(ステップS9:YES)は、経時変化監視工程(ステップS11)に進む。
振幅制御工程(ステップS10)では、基準振動波形の振幅と検知された振動波形の振幅とが近づくように、電極間距離と駆動電圧とを変化させる。
演算部14で、基準振動波形の振幅と振動波形の振幅とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離を計算し、上部電極制御部15によって基準振動波形の振幅と振動波形の振幅とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離に上部電極40を制御する。制御後、経時変化監視工程(ステップS11)に進む。
たとえば、周期を一致させた後、電極間距離/電圧を調整すると周期がずれる。周期を一致させた時に、振幅が基準振動波形と一致しない場合は、組織に光が吸収されている、もしくは外光の影響とみなし、基準振動波形の振幅と振動波形の振幅の差を演算し、差の分だけ振幅を増やし(減らして)、基準振動波形と一致させる。(例…基準波形:周期2、振幅5。振動波形:周期2、振幅3。このようになった場合、振幅3を振幅5と見なす。)
経時変化監視工程(ステップS11)では、振動波形の経時変化を測定する。
経時変化の測定は、振動波形検知工程(ステップS6)と同様に、光源50から射出された光が液体Lに入射し、反射した光を受光器60で検知し、波形変換部12において振動波形に変換することで行う。
波形積分値差判断工程(ステップS12)では、基準波形積分値の半周期分の絶対値と振動波形の半周期分の波形積分値の絶対値とを比較し、これらの波形積分値差が許容できる波形積分値差未満か否かを判断する。
例えば、基準波形積分値の絶対値は、図5に示したSaに相当し、振動波形の半周期分の波形積分値の絶対値は、Sbに相当する。
波形積分値差が許容できる波形積分値差未満の場合(ステップS12:YES)は、撹拌時間判断工程(ステップS14)に進む。波形積分値差が許容できる波形積分値差未満ではない場合、言い換えると波形積分値差が許容できる波形積分値差以上の場合(ステップS12:NO)は、波形積分値差制御工程(ステップS13)に進む。
波形積分値差制御工程(ステップS13)では、波形積分値差を許容できる波形積分値差未満となるように、電極間距離と駆動電圧とを変化させる。
演算部14で、基準振動波形の基準波形積分値の絶対値と、振動波形の波形積分値の絶対値と、が近づく補正駆動電圧と補正電極間距離を計算し、上部電極制御部15によって基準波形積分値の絶対値と振動波形の波形積分値の絶対値とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離に上部電極40を制御する。制御後、撹拌時間判断工程(ステップS14)に進む。
撹拌時間判断工程(ステップS14)では、撹拌開始からの経過時間を基準振動波形記録工程(ステップS1)で記録した撹拌時間と比較し、経過時間が撹拌時間を経過した場合(ステップS14:YES)は、撹拌を終了する。経過時間が撹拌時間を経過しない場合(ステップS14:NO)は、経時変化監視工程(ステップS11)に戻る。
以上示したフローによって本実施形態の撹拌方法は終了する。
以上示したフローにおいて、基準振動波形記録工程(ステップS1)と振動許容範囲記録工程(ステップS2)とは、どちらを先に行ってもよい。また、上述のように積分値差を求めることで蒸発による攪拌強度の変化を調べることができるが、基準振動波形と攪拌波形の半周期の差を求めることでも攪拌強度の変化を調べることもできうる。さらに、ステップS4からステップS5の工程間に、攪拌時間を入力する工程を追加してもよく、また、ステップS12およびステップS13のステップでは積分値を用いる代わりに周期差を用いてもよい。
また、基準振動波形記録工程(ステップS1)と振動許容範囲記録工程(ステップS2)とで、データ保存部13にデータを保存し、新たな溶媒をもつ液体Lの基準振動波形を予め記録する必要がないときは、基準振動波形記録工程(ステップS1)および振動許容範囲記録工程(ステップS2)を省略して、サンプルセット工程(ステップS3)から始めことができるが、本実施形態の撹拌方法に、基準振動波形記録工程(ステップS1)および振動許容範囲記録工程(ステップS2)は必須である。
このような実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)撹拌装置100が、液体Lの撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録したデータ保存部13と、受光器60で捉えた液体Lの振動波形を基準振動波形に近づける補正駆動電圧および補正電極間距離を演算する演算部14と、補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15とを備えている。したがって、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置100を得ることができる。
また、撹拌中に液体Lの蒸発により液体Lの量が変化しても、受光器60によって液体Lの振動波形を捉え、液体Lの量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置100を得ることができる。
(2)検知部が液体Lから反射した光を受光する受光器60を備えているので、液体Lに非接触で液体Lの振動を検知できる。したがって、振動の検知による液体Lの撹拌への影響を少なくでき、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置100を得ることができる。
(3)液体Lに光を照射する光源50を備えているので、液体Lに外光が入射する場合と比較して、液体Lに入射する変動量がより安定し、液体Lの振動に伴う液体Lから反射する光の量への液体Lに入射する光の量の変動による影響を抑えることができる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体Lの振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置100を得ることができる。
(4)光源50から射出された光が液体Lで反射されて受光器60に入射する光路を含む領域を外部の光から遮蔽する遮光箱70によって、液体Lの振動に伴う液体Lから反射する光の量への、外光の変動による影響をより抑えることができる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体Lの振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置100を得ることができる。
(5)液体Lの撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録して、液体Lの振動波形を検知し、振動波形の周期および振幅を基準振動波形に近づくように、電極間距離と駆動電圧とを変化させる。したがって、液体Lの動きを目視して駆動電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体Lの振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌方法が得られる。
(6)振動波形の経時変化を測定し、波形積分値と基準波形積分値とを比較して、波形積分値差を許容できる波形積分値差未満となるように、電極間距離と駆動電圧とを変化させる。したがって、撹拌中に液体Lの蒸発により液体Lの量が変化して、液体Lの振動波形の周期および振幅が変化しても、振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌方法が得られる。
(第2実施形態)
図8に、本実施形態の撹拌装置200の概略構成を示す斜視図を示した。図では遮光箱70が省略してあるが、遮光箱70はあってもなくてもよい。
本実施形態の撹拌装置200は、第1実施形態の撹拌装置100の光源50と受光器60をレーザードップラー振動計80に変えた以外は、第1実施形態と同様の構成である。レーザードップラー振動計80は、上部電極40の上で、液体Lに向かってレーザー光を照射し、液体Lの表面で反射したレーザー光を受けるように配置する。
ただし、少なくとも上部電極40には、光を透過する透明電極を使用する必要がある。
また、波形変換部12はレーザードップラー振動計80に含まれていてもよい。レーザードップラー振動計80は、市場で流通しているよく知られた装置を用いることができる。
このような実施形態によれば、以下の効果がある。
(7)液体Lに照射する光が、より指向性のあるレーザー光であるので、液体Lに入射する光の量がより安定し、液体Lの振動に伴う液体Lから反射する光の量への、液体Lに入射する光の量の変動による影響をより抑えることができる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体Lの振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置200を得ることができる。
(第3実施形態)
図9に、本実施形態の撹拌装置300の概略構成を示す斜視図を示した。図では遮光箱70が省略してあるが、本実施形態では遮光箱70あったほうが好ましい。
本実施形態の撹拌装置300は、第1実施形態の撹拌装置100の光源50がない以外は、第1実施形態と同様の構成である。受光器60の位置は特に限定されず、破線で示した上部電極40の上の位置にあってもよい。その場合、少なくとも上部電極40には、光を透過する透明電極を使用する必要がある。
このような実施形態によれば、以下の効果がある。
(8)上述の(1)の効果と同様に、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置300を得ることができる。
また、撹拌中に液体Lの蒸発により液体Lの量が変化しても、受光器60によって液体Lの振動波形を捉え、液体Lの量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置300を得ることができる。
(第4実施形態)
図10に、本実施形態の撹拌装置400の概略構成を示す斜視図を示した。
本実施形態の撹拌装置400は、第3実施形態の撹拌装置300の受光器60の代わりに、下部電極30と上部電極40とから電極間の電圧を検知するリード線90が引き出され、図示しない検知部としての電圧モニター部を基台10に備えている。
電極間の電圧の検知は、印加する電圧変動の影響を少なくするために、例えば、図3に示した矩形波の一定電圧が印加されている間と電圧が印加されていない間に検知するのが好ましい。
このような実施形態によれば、以下の効果がある。
(9)上述の(1)の効果と同様に、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置400を得ることができる。
また、撹拌中に液体Lの蒸発により液体Lの量が変化しても、電極間の電圧を検知するリード線90によって液体Lの振動波形を捉え、液体Lの量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置400を得ることができる。
(10)振動する液体Lによって下部電極30と上部電極40との間の誘電率が変化し、それに伴う電圧変動を検知するので、液体Lに非接触で液体Lの振動を検知できる。したがって、液体Lの撹拌への振動の検知による影響を少なくでき、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置400を得ることができる。
上述の実施形態以外にも、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上述した実施形態では、振動を検知する検知部として受光器60、電圧モニター部を挙げて説明したが、本発明の検知部はこれらに限らず、例えば、超音波を液体Lに照射し、液体Lからの反射を検知する検知部、液体Lにプローブを接触させて振動を検知する検知部であってもよい。
また、検知部として、液体Lの動きを画像で検知し、波形変換部としての画像処理部によって振動波形を得てもよい。
さらに、本発明の撹拌装置は、生体成分の分析、および定量への適用のみならず、液体の微小試料の撹拌に適用できる。例えば、工業製品における試験研究用の微小試料の撹拌、化学分析、物理分析における微小試料の作製や調製等にも適用することができる。
10…基台、11…操作表示部、12…波形変換部、13…データ保存部、14…演算部、15…上部電極制御部、20…支柱、21…リニアエンコーダー、30…下部電極、40…上部電極、50…光源、60…受光器、70…遮光箱、80…レーザードップラー振動計、90…リード線、100,200,300,400…撹拌装置、L…液体。

Claims (8)

  1. 第1の電極と前記第1の電極に対向する第2の電極との間に液体を配置して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に駆動電圧を印加して前記液体を振動させる撹拌装置であって、
    前記振動を検知する検知部と、
    前記検知部で検知した前記振動を振動波形に変換する波形変換部と、
    予め、前記検知部と前記波形変換部とを用いて得られた、前記液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録するデータ保存部と、
    前記振動波形と前記基準振動波形とを比較して、前記振動波形を前記基準振動波形に近づけるための前記第1の電極と前記第2の電極との間の補正駆動電圧、および前記第1の電極と前記第2の電極との補正電極間距離を演算する演算部と、
    前記補正駆動電圧および前記補正電極間距離に基づいて、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記補正駆動電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離を前記補正電極間距離に制御する電極制御部とを備えた
    ことを特徴とする撹拌装置。
  2. 請求項1に記載の撹拌装置であって、
    前記検知部は、振動する前記液体から反射した光を受光する受光器を備えている
    ことを特徴とする撹拌装置。
  3. 請求項2に記載の撹拌装置であって、
    前記液体に光を照射する光源を備えている
    ことを特徴とする撹拌装置。
  4. 請求項3に記載の撹拌装置であって、
    前記光源は、レーザー光源である
    ことを特徴とする撹拌装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の撹拌装置であって、
    前記光源から射出された光が前記液体で反射されて前記受光器に入射する光路を含む領域を外部の光から遮蔽する部材を備えている
    ことを特徴とする撹拌装置。
  6. 請求項1に記載の撹拌装置であって、
    前記検知部は、振動する前記液体による前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧変動を検知する
    ことを特徴とする撹拌装置。
  7. 第1の電極と前記第1の電極に対向する第2の電極との間に液体を配置して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に駆動電圧を印加して前記液体を振動させる撹拌方法であって、
    前記液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形および撹拌時間を予め記録する基準振動波形記録工程と、
    前記基準振動波形が得られる前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間距離に、前記第1の電極または前記第2の電極の少なくとも一方を移動する電極セッティング工程と、
    前記液体に前記駆動電圧を印加して前記液体の振動を開始する振動開始工程と、
    前記液体の振動の振動波形を検知する振動波形検知工程と、
    前記基準振動波形の周期と検知された前記振動波形の周期とが近いか否かを判断する周期判断工程と、
    前記基準振動波形の周期と前記振動波形の周期とがと近づくように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる周期制御工程と、
    前記基準振動波形の振幅と前記振動波形の振幅とが近いか否かを判断する振幅判断工程と、
    前記基準振動波形の振幅と検知された前記振動波形の振幅とが近づくように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる振幅制御工程とを含んでいる
    ことを特徴とする撹拌方法。
  8. 請求項7に記載の撹拌方法において、
    前記基準振動波形の半周期分の基準波形積分値から許容できる波形積分値差を予め記録しておく振動許容範囲記録工程と、
    前記振動波形の経時変化を測定する経時変化監視工程と、
    前記基準波形積分値の絶対値と、前記振動波形の半周期分の波形積分値の絶対値と、を比較し、これらの波形積分値差が前記許容できる波形積分値差未満か否かを判断する波形積分値差判断工程と、
    前記波形積分値差が前記許容できる波形積分値差以上の場合、前記波形積分値差を前記許容できる波形積分値差未満となるように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる波形積分値差制御工程とを含む
    ことを特徴とする撹拌方法。
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