JP2014054601A - 撹拌装置および撹拌方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撹拌装置100が、液体Lの撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録したデータ保存部13と、受光器60で捉えた液体Lの振動波形を基準振動波形に近づける補正駆動電圧および補正電極間距離を演算する演算部14と、補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15とを備えている。したがって、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置100を得ることができる。
【選択図】図2
Description
液体の撹拌装置および撹拌方法として、変化する電界中に液体を置き、液体を振動させて撹拌する撹拌装置および撹拌方法が知られている(例えば、特許文献1)。
また、撹拌の開始時に、液体が撹拌に最適な振動をするための駆動電圧および電極間距離を調節しても、液体の蒸発により液体の量が変化すると、液体の量に応じた最適な撹拌条件からずれた駆動電圧および電極間距離となり、同じ時間の撹拌を行っても十分な撹拌が得られなかったり、経時的な攪拌とともに液体の振動(攪拌強度)が弱くなり十分な攪拌が得られなかったりすることがある。
ここで、撹拌に最適な振動とは、撹拌によって反応の確率が増し、より速く反応が進む振動をいう。
また、撹拌中に液体の蒸発により液体の量が変化しても、検知部によって液体の振動波形を捉え、液体の量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する電極制御部を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置が得られる。
この適用例では、検知部が液体から反射した光を受光する受光器を備えているので、液体に非接触で液体の振動を検知できる。したがって、振動の検知による液体の撹拌への影響が少なくなり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置が得られる。
この適用例では、液体に光を照射する光源を備えているので、液体に外光が入射する場合と比較して、液体に入射する光の変動量がより安定し、液体の振動に伴う液体から反射する光の量への、液体に入射する光の量の変動による影響が抑えられる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体の振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置が得られる。
この適用例では、液体に照射する光が、より指向性のあるレーザー光であるので、液体に入射する光の変動量がより安定し、液体の振動に伴う液体から反射する光の量への、液体に入射する光の量の変動による影響がより抑えられる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体の振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置が得られる。
この適用例では、光源から射出された光が液体で反射されて受光器に入射する光路を含む領域を外部の光から遮蔽する部材によって、液体の振動に伴う液体から反射する光の量への外光の変動による影響がより抑えられる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体の振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置が得られる。
この適用例では、振動する液体によって第1の電極と第2の電極との間の誘電率が変化し、それに伴う電圧変動を検知するので、液体に非接触で液体の振動を検知できる。したがって、液体の撹拌への振動の検知による影響が少なくなり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置が得られる。
この適用例では、振動波形の経時変化を測定し、波形積分値と基準波形積分値とを比較して、波形積分値差を許容できる波形積分値差未満となるように、電極間距離と駆動電圧とを変化させる。したがって、撹拌中に液体の蒸発により液体の量が変化して、液体の振動波形の周期および振幅が変化しても、振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌方法が得られる。
なお、以下に述べる実施形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
また、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度は実際とは異なっている。
図1は、本実施形態に係る撹拌装置100の概略構成を示す斜視図である。また、図2は、撹拌装置100を表すブロック図である。撹拌装置100は、液体Lを変化する電界中に置き、液体Lを振動させて撹拌する装置である。
図1において、撹拌装置100は、基台10と、支柱20と、第1の電極としての平板の下部電極30と、第2の電極としての平板の上部電極40と、光源50と、検知部としての受光器60と、光を遮蔽する部材として遮光箱70と、を備えている。遮光箱70については、遮光箱70で覆われた内部を見やすくするために破線で示した。
以下、下とは、重力の向かう方向を示し、上とは、重力の向かう方向とは反対方向を示す。
基台10の前面には、操作表示部11が設けられている。操作表示部11では、例えば、下部電極30および上部電極40の位置操作や位置表示、下部電極30と上部電極40との間に印加される駆動電圧の操作や駆動電圧の表示、遮光箱70内の温度や湿度、撹拌装置100を取り巻く雰囲気の温度や湿度の表示等が行われる。
また、図2において、基台10の中には、波形変換部12、データ保存部13、演算部14、電極制御部としての上部電極制御部15が設けられている。
支柱20には、下部電極30と上部電極40とが、互いの面が対向して平行となるように取り付けられている。上部電極40は下部電極30より上側に取り付けられている。ここで、平行とは、製造上のばらつきによる平行からの多少のずれをも含む。
上部電極40は、支柱20に沿って移動可能に取り付けられ、上部電極40の垂直方向の位置は、支柱20に取り付けられた、例えば、リニアエンコーダー21によって検知される。上部電極40の移動は、ラックアンドピニオンやリニアモーターによって行うことができる。
なお、下部電極30も支柱20に沿って移動可能に取り付けられていてもよい。
ここで、下部電極30を制御する場合は、電極制御部として下部電極制御部を設けてもよいし、下部電極30と上部電極40とを制御する場合は、下部電極制御部と上部電極制御部15とを設けてもよい。
図3において、駆動電圧は、周期Tの矩形のパルス波からなり、下部電極30と上部電極40とに印加される最高電圧はVdである。例えば、振動数v(v=1/T)は、数Hzから数十Hzで、Vdが数kVの駆動電圧を用いることができる。
なお、駆動電圧は、矩形のパルス波からなる駆動電圧に限らず、例えば、正弦波、三角波等からなる駆動電圧であってもよい。
ここで、同じ種類の液体Lとは、液体Lの溶媒、粘度等が同じ液体Lをいう。
また、液体Lの量は、例えば、数十〜数百μLである。複数の液体Lを同じ条件で振動させ撹拌するには、各液体Lの量をできるだけ同量に近づける。
スライドガラスSの材質は、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英等のガラス、ポリスチレン等の樹脂を用いることができる。
また、液体Lの溶媒が水を主成分とする場合、液体LのスライドガラスS上での広がりを制限して液体Lの高さを揃えるために、決められた直径の円の円周を撥水性の材料で描き、円の中に液体Lを載せる。液体Lは、撥水性の円の中に収まり、スライドガラスS上での広がりが抑えられる。例えば、水が主成分の200μLの液体Lを直径12mmの円に収めると、静置した液体Lの高さは、2〜3mmとなる。また、水が主成分の600μLの液体Lを直径20mmの円に収めると、静置した液体Lの高さは、2〜3mmとなる。
同じ種類の各液体Lの量、形状を同じにすることで、各液体Lを略同条件で振動、撹拌できる。
光源50としては、ナトリウムランプ、白熱電球、蛍光灯、レーザー光源等を用いることができる。
ここで、振動する液体Lの形状は、図示した形状に限らず、スライドガラスS上に静置した形状より盛り上がった形状からさらに盛り上がった形状の間で振動してもよいし、振動の勢いで中心が凹んだ形状から盛り上がった形状の間で振動してもよい。
図4において、光路を実線と破線の矢印で示した。例えば、光源50から入射角θで液体Lに入射した光は、液体L1の形状の時は直進し、実線矢印の方向に進み、受光器60には到達しない。一方、液体L2の形状の時は反射し、破線矢印の方向に進み、受光器60に到達する。したがって、振動に伴う光の強弱が、受光器60で検知できる。
光源50から射出される光が、液体Lの溶質または溶媒に悪影響を及ぼす場合、例えば、溶質や溶媒を分解したり、溶媒の蒸発を促進したりするときは、入射角θを小さくして光の反射率を高めるとよい。
図5において、破線で示した曲線は、ある種類の液体Lが効率よく最適な振動で撹拌ができている振動波形を示している。実線で示した曲線は、撹拌に最適な振動からずれた場合の振動波形を示している。ここで、撹拌に最適な振動ができているとは、例えば、振幅が大きな振動波形が得られるときであるが、振幅が大きな振動波形に限らず、撹拌後のデオキシリボ核酸とインターカレーターの相互作用を利用した反応、抗原定着反応、抗原抗体反応等の反応がよく進む振動波形である。
遮光箱70に代えてカバーを設けることも可能である。カバーを設けることにより、外部からの埃等を防いだり、液体Lの蒸発の進行を抑えたりすることができる。カバーの場合であっても、自動で開閉する扉を設けて作業性をよくしてもよいし、カバーの内部で温湿度調整等を行ってもよい。カバーに外からの光を遮蔽する材料を用いると遮光箱70とすることができる。
図7において、本実施形態における撹拌方法は、基準振動波形記録工程としてのステップS1と、振動許容範囲記録工程としてのステップS2と、サンプルセット工程としてのステップS3と、電極セッティング工程としてのステップS4と、振動開始工程としてのステップS5と、振動波形検知工程としてのステップS6と、周期判断工程としてのステップS7と、周期制御工程としてのステップS8と、振幅判断工程としてのステップS9と、振幅制御工程としてのステップS10と、経時変化監視工程としてのステップS11と、波形積分値差判断工程としてのステップS12と、波形積分値差制御工程としてのステップS13と、撹拌時間判断工程としてのステップS14とを含む。
液体Lの種類によって粘度等が異なる場合は、液体Lの種類ごとに基準振動波形を記録する。また、基準振動波形で撹拌した時に要する撹拌時間も記憶させておく。
例えば、駆動波形は、図3に示した矩形のパルス波を印加しながら電極間距離を調節し、液体Lの振幅が最大値となる基準振動波形を求める。または、反応がよく進む基準振動波形を求めて記録する。
下部電極30と上部電極40との電極間距離は、サンプルのセットが行いやすいように調整して行うことができる。この場合、例えば、上部電極40の移動可能な距離を長くすると、下部電極30と上部電極40との電極間を広げることができ、手やロボットのアームを電極間に入れやすく、サンプルのセットが行いやすい電極間距離にできる。
例えば、数mmの液体Lの高さに応じ、液体Lと上部電極40とが接触しないように、下部電極30と上部電極40との電極間距離は、数〜十数mmとすることができる。
上部電極40の移動は、操作表示部11によって手動で上部電極40を移動させてもよいし、予めエンコーダーによって、基準振動波形が得られた位置に自動で移動させてもよい。
同じ種類の液体Lに対して基準振動波形が得られる駆動電圧が、液体Lの調整ごとに液体Lの粘度等の特性は多少異なるので、実際に振動させる液体Lの振動が最適な振動となる駆動電圧とは限らない。
基準振動波形の周期と振動波形の周期とが近いか否かは、基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、予めデータ保存部13に保存しておいた、基準振動波形の周期と振動波形の周期との許容できる差以上か否かで行う。基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差以上の場合(ステップS7:NO)は、周期制御工程(ステップS8)に進む。基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差以上ではない場合、言い換えると基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差未満の場合(ステップS7:YES)は、振幅判断工程(ステップS9)に進む。
演算部14で、基準振動波形の周期と振動波形の周期とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離を計算し、上部電極制御部15によって基準振動波形の周期と振動波形の周期とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離に上部電極40を制御する。制御後、振幅判断工程(ステップS9)に進む。
基準振動波形の振幅と振動波形の振幅とが近いか否かは、基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との差が、予めデータ保存部13に保存しておいた基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との許容できる差以上か否かで行う。基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との差が、許容できる差以上の場合(ステップS9:NO)は、振幅制御工程(ステップS10)に進む。基準振動波形の周期と振動波形の周期との差が、許容できる差以上ではない場合、言い換えると基準振動波形の振幅と振動波形の振幅との差が、許容できる差未満の場合(ステップS9:YES)は、経時変化監視工程(ステップS11)に進む。
演算部14で、基準振動波形の振幅と振動波形の振幅とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離を計算し、上部電極制御部15によって基準振動波形の振幅と振動波形の振幅とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離に上部電極40を制御する。制御後、経時変化監視工程(ステップS11)に進む。
たとえば、周期を一致させた後、電極間距離/電圧を調整すると周期がずれる。周期を一致させた時に、振幅が基準振動波形と一致しない場合は、組織に光が吸収されている、もしくは外光の影響とみなし、基準振動波形の振幅と振動波形の振幅の差を演算し、差の分だけ振幅を増やし(減らして)、基準振動波形と一致させる。(例…基準波形:周期2、振幅5。振動波形:周期2、振幅3。このようになった場合、振幅3を振幅5と見なす。)
経時変化の測定は、振動波形検知工程(ステップS6)と同様に、光源50から射出された光が液体Lに入射し、反射した光を受光器60で検知し、波形変換部12において振動波形に変換することで行う。
例えば、基準波形積分値の絶対値は、図5に示したSaに相当し、振動波形の半周期分の波形積分値の絶対値は、Sbに相当する。
波形積分値差が許容できる波形積分値差未満の場合(ステップS12:YES)は、撹拌時間判断工程(ステップS14)に進む。波形積分値差が許容できる波形積分値差未満ではない場合、言い換えると波形積分値差が許容できる波形積分値差以上の場合(ステップS12:NO)は、波形積分値差制御工程(ステップS13)に進む。
演算部14で、基準振動波形の基準波形積分値の絶対値と、振動波形の波形積分値の絶対値と、が近づく補正駆動電圧と補正電極間距離を計算し、上部電極制御部15によって基準波形積分値の絶対値と振動波形の波形積分値の絶対値とが近づく補正駆動電圧と補正電極間距離に上部電極40を制御する。制御後、撹拌時間判断工程(ステップS14)に進む。
以上示したフローによって本実施形態の撹拌方法は終了する。
(1)撹拌装置100が、液体Lの撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録したデータ保存部13と、受光器60で捉えた液体Lの振動波形を基準振動波形に近づける補正駆動電圧および補正電極間距離を演算する演算部14と、補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15とを備えている。したがって、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置100を得ることができる。
また、撹拌中に液体Lの蒸発により液体Lの量が変化しても、受光器60によって液体Lの振動波形を捉え、液体Lの量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置100を得ることができる。
図8に、本実施形態の撹拌装置200の概略構成を示す斜視図を示した。図では遮光箱70が省略してあるが、遮光箱70はあってもなくてもよい。
本実施形態の撹拌装置200は、第1実施形態の撹拌装置100の光源50と受光器60をレーザードップラー振動計80に変えた以外は、第1実施形態と同様の構成である。レーザードップラー振動計80は、上部電極40の上で、液体Lに向かってレーザー光を照射し、液体Lの表面で反射したレーザー光を受けるように配置する。
ただし、少なくとも上部電極40には、光を透過する透明電極を使用する必要がある。
また、波形変換部12はレーザードップラー振動計80に含まれていてもよい。レーザードップラー振動計80は、市場で流通しているよく知られた装置を用いることができる。
(7)液体Lに照射する光が、より指向性のあるレーザー光であるので、液体Lに入射する光の量がより安定し、液体Lの振動に伴う液体Lから反射する光の量への、液体Lに入射する光の量の変動による影響をより抑えることができる。したがって、振動波形および基準振動波形がより正確に検知でき、液体Lの振動がより最適の振動になり、撹拌の終了までの時間がより短縮された撹拌装置200を得ることができる。
図9に、本実施形態の撹拌装置300の概略構成を示す斜視図を示した。図では遮光箱70が省略してあるが、本実施形態では遮光箱70あったほうが好ましい。
本実施形態の撹拌装置300は、第1実施形態の撹拌装置100の光源50がない以外は、第1実施形態と同様の構成である。受光器60の位置は特に限定されず、破線で示した上部電極40の上の位置にあってもよい。その場合、少なくとも上部電極40には、光を透過する透明電極を使用する必要がある。
(8)上述の(1)の効果と同様に、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置300を得ることができる。
また、撹拌中に液体Lの蒸発により液体Lの量が変化しても、受光器60によって液体Lの振動波形を捉え、液体Lの量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置300を得ることができる。
図10に、本実施形態の撹拌装置400の概略構成を示す斜視図を示した。
本実施形態の撹拌装置400は、第3実施形態の撹拌装置300の受光器60の代わりに、下部電極30と上部電極40とから電極間の電圧を検知するリード線90が引き出され、図示しない検知部としての電圧モニター部を基台10に備えている。
電極間の電圧の検知は、印加する電圧変動の影響を少なくするために、例えば、図3に示した矩形波の一定電圧が印加されている間と電圧が印加されていない間に検知するのが好ましい。
(9)上述の(1)の効果と同様に、液体Lの動きを目視して電圧および電極間距離を調節する場合と比較して、短時間で液体の振動が最適の振動になり、撹拌の終了までの時間が短縮された撹拌装置400を得ることができる。
また、撹拌中に液体Lの蒸発により液体Lの量が変化しても、電極間の電圧を検知するリード線90によって液体Lの振動波形を捉え、液体Lの量に応じた補正駆動電圧を印加し、補正電極間距離に制御する上部電極制御部15を備えているので、最適な振動が維持される撹拌装置400を得ることができる。
例えば、上述した実施形態では、振動を検知する検知部として受光器60、電圧モニター部を挙げて説明したが、本発明の検知部はこれらに限らず、例えば、超音波を液体Lに照射し、液体Lからの反射を検知する検知部、液体Lにプローブを接触させて振動を検知する検知部であってもよい。
また、検知部として、液体Lの動きを画像で検知し、波形変換部としての画像処理部によって振動波形を得てもよい。
Claims (8)
- 第1の電極と前記第1の電極に対向する第2の電極との間に液体を配置して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に駆動電圧を印加して前記液体を振動させる撹拌装置であって、
前記振動を検知する検知部と、
前記検知部で検知した前記振動を振動波形に変換する波形変換部と、
予め、前記検知部と前記波形変換部とを用いて得られた、前記液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形を記録するデータ保存部と、
前記振動波形と前記基準振動波形とを比較して、前記振動波形を前記基準振動波形に近づけるための前記第1の電極と前記第2の電極との間の補正駆動電圧、および前記第1の電極と前記第2の電極との補正電極間距離を演算する演算部と、
前記補正駆動電圧および前記補正電極間距離に基づいて、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記補正駆動電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間の距離を前記補正電極間距離に制御する電極制御部とを備えた
ことを特徴とする撹拌装置。 - 請求項1に記載の撹拌装置であって、
前記検知部は、振動する前記液体から反射した光を受光する受光器を備えている
ことを特徴とする撹拌装置。 - 請求項2に記載の撹拌装置であって、
前記液体に光を照射する光源を備えている
ことを特徴とする撹拌装置。 - 請求項3に記載の撹拌装置であって、
前記光源は、レーザー光源である
ことを特徴とする撹拌装置。 - 請求項3または請求項4に記載の撹拌装置であって、
前記光源から射出された光が前記液体で反射されて前記受光器に入射する光路を含む領域を外部の光から遮蔽する部材を備えている
ことを特徴とする撹拌装置。 - 請求項1に記載の撹拌装置であって、
前記検知部は、振動する前記液体による前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧変動を検知する
ことを特徴とする撹拌装置。 - 第1の電極と前記第1の電極に対向する第2の電極との間に液体を配置して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に駆動電圧を印加して前記液体を振動させる撹拌方法であって、
前記液体の撹拌に最適な振動の基準振動波形および撹拌時間を予め記録する基準振動波形記録工程と、
前記基準振動波形が得られる前記第1の電極と前記第2の電極との間の電極間距離に、前記第1の電極または前記第2の電極の少なくとも一方を移動する電極セッティング工程と、
前記液体に前記駆動電圧を印加して前記液体の振動を開始する振動開始工程と、
前記液体の振動の振動波形を検知する振動波形検知工程と、
前記基準振動波形の周期と検知された前記振動波形の周期とが近いか否かを判断する周期判断工程と、
前記基準振動波形の周期と前記振動波形の周期とがと近づくように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる周期制御工程と、
前記基準振動波形の振幅と前記振動波形の振幅とが近いか否かを判断する振幅判断工程と、
前記基準振動波形の振幅と検知された前記振動波形の振幅とが近づくように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる振幅制御工程とを含んでいる
ことを特徴とする撹拌方法。 - 請求項7に記載の撹拌方法において、
前記基準振動波形の半周期分の基準波形積分値から許容できる波形積分値差を予め記録しておく振動許容範囲記録工程と、
前記振動波形の経時変化を測定する経時変化監視工程と、
前記基準波形積分値の絶対値と、前記振動波形の半周期分の波形積分値の絶対値と、を比較し、これらの波形積分値差が前記許容できる波形積分値差未満か否かを判断する波形積分値差判断工程と、
前記波形積分値差が前記許容できる波形積分値差以上の場合、前記波形積分値差を前記許容できる波形積分値差未満となるように、前記電極間距離と前記駆動電圧とを変化させる波形積分値差制御工程とを含む
ことを特徴とする撹拌方法。
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