以下、本発明につき実施形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の情報処理システム100の概略的構成を示す。情報処理システム100は、情報処理装置として機能する電子情報ボード101と、ユーザPC102,103bとを含んで構成されている。ユーザPC102、103は、VGA111およびUSB110といったインタフェース/ケーブルによって電子情報ボード101と直に接続されている。また、電子情報ボード101とユーザPC102,103との間のグラフィックス接続の規格としては、HDMI、DVIを使用することもでき、電子情報ボード101とユーザPC102,103との間を対応するインタフェースケーブルで接続することもできる。
電子情報ボード101は、ユーザPC102,103が表示する画像をそのタッチパネル109上に表示する。また、電子情報ボード101には、ネットワーク105を経由して他の複数のユーザPC106,107,108が有線または無線通信を介して接続されている。情報処理装置106〜108は、電子情報ボード101との間で、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)またはHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)により、電子情報ボード101との間で情報通信が可能とされている。さらに、電子情報ボード101は、例えばInternet Explorer(登録商標)、Chrome(登録商標)、Mozilla(登録商標)、Opera(登録商標)、FireFox(登録商標)といったブラウザ・ソフトウェアおよびSMTPプロトコルを使用する、例えばsendmail(登録商標)、Windows Mail(登録商標)、Outlook(登録商標)などのメーラ・ソフトウェアを実装し、外部サーバとの間でSMTP、HTTP、FTPなどの各種ファイル転送プロトコルを使用して情報の受け渡しが可能とされている。
図1に示した電子情報ボード101は、ユーザによる指または入力ペンなどとの入力装置を使用してタッチパネル109からの入力を検出すると、ユーザ入力に対応した処理を電子情報ボード101に指令し、またタッチパネル109上における入力信号を時系列に処理し、画像として処理することが可能とされている。
ユーザPC102,103,106,107,108は、ノート型パーソナル・コンピュータ、デスクトップ型パーソナル・コンピュータ、タブレット型パーソナル・コンピュータ、スマートフォン、PDAなど、SMTPプロトコルまたはHTTP、FTPプロトコルを使用して電子情報ボード101に接続できる限り、特に限定されるものではない。なお、ユーザPC102,103は、VGAおよびUSBなどのインタフェースを介して直接電子情報ボード101に接続されるものとして説明するが、ユーザPC101,102についても有線または無線通信を介して電子情報ボード101に接続する形態とすることができる。
図2は、本実施形態の電子情報ボード101の機能ブロック200を示す。電子情報ボード101は、プロセッサ201、ROM202、RAM203を備えている。プロセッサ201は、CPUやMPUなどの処理装置であり、WINDOWS(登録商標)シリーズ、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、TRON、ITRON、μITRON,AndroidなどのOSを動作させ、これらのOSの管理下でアセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、JavaScript(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどのプログラム言語で記述された本発明のプログラムを実行する。ROM202は、ブートストラップやPOST機能などを実行するためのBIOSなどが保存される不揮発性メモリである。
RAM203は、DRAMやSRAMなどの高速アクセス可能な半導体記憶装置であり、プロセッサ201が本発明のプログラムを実行するための実行空間を提供する。プロセッサ201は、ソフトウェアプログラムや種々のデータなどを持続的に保持するためのハードディスク装置(図示せず)から、本発明のプログラムを読み出し、RAM203に展開して実行することにより、本実施形態の各機能手段として電子情報ボード101を機能させる。
また、電子情報ボード101は、画像入力インタフェース221,223を備えており、これらのインタフェースを介してユーザPC102,103と接続される。画像入力インタフェース221は、ユーザPC102,103の表示画像を形成する画像信号を受信するインタフェースである。本実施形態では、画像入力インタフェース221としてVGA、XGA、SVGA、DVI(Digital Visual Interface)、HDMIなどの画像規格に対応するインタフェースを採用することができる。
画像入力インタフェース221は、ユーザPC102,103からVGAなどのフォーマットの画像信号を受信し、電子情報ボード101の画像取得部204に画像信号を供給する。他の実施形態では、画像入力インタフェース221は、Bluetooth(登録商標)やWiFiなどの無線通信プロトコルに準拠した無線通信により、ユーザPC102,103から画像信号を受信することもできる。
画像入力インタフェース223は、電子情報ボード101の表示画像を逆にユーザPC102,103などの情報処理装置に出力する物理インタフェースである。本実施形態では、画像入力インタフェース223として例えばUSBインタフェースを採用することができる。さらに電子情報ボード101は、ネットワーク・インタフェース222を備えており、イーサネット(登録商標)またはWiFiといった無線ネットワークを経由してインターネットやローカルエリア・ネットワーク(LAN)に接続し、メールサーバやウェブサーバ(不図示)にアクセスして各種のサービスの提供を受けることが可能とされている。
以下、電子情報ボード101の機能ブロック200についてより詳細に説明する。電子情報ボード101は、さらに画像取得部204と、座標検出部212と、接触検出部213と、表示手段として機能するタッチパネル109とを含んで構成される。
画像取得部204は、ユーザPC102,103から画像信号を取得する機能手段である。画像取得部204は、VRAM205を含んでおり、ユーザPC102,103から画像入力インタフェース221を介して画像信号を受信すると、当該画像信号を解析し、当該画像信号によって形成されるユーザPC102,103の画像フレームの解像度や当該画像フレームの更新頻度などの画像情報を導出し、表示画像生成部207に送信する。この目的のため、画像取得部204は、当該画像信号を使用してユーザPC102,103の表示画像である画像フレームをそれぞれ形成し、画像データを一時的に保存可能な記憶手段であるVRAM205にそれぞれ上書き保存する。
座標検出部212は、電子情報ボード101のタッチパネル109に対して入力ペンなどの外部入力手段211が接触したことを接触検出部213が検出すると、その位置座標を取得し、RAM203の適切な記憶領域に格納する。タッチパネル109は、ユーザPC102,103のオリジナルの画像に対して外部入力手段211により入力された手書画像がある場合には、当該手書き画像をユーザPC102,103の画像に重畳した合成画像を表示させることで、プレゼンテーションにおいてその場で追加された情報をプレゼンテーションの参加者に共有させている。
さらに、電子情報ボード101は、その機能ブロックとして、イベント処理部206、表示画像生成部207、レイアウト管理部208、描画生成部209、合成部214、表示制御部215、スナップショット生成部210およびリポジトリ管理部218を含んで構成されている。
表示画像生成部207は、タッチパネル109に表示すべき種々の表示を生成する機能手段である。この表示のため、表示画像生成部207は、ユーザPC102,103の表示画像である画像フレームを表示する表示ウィンドウ、ユーザが生成する描画画像を表示する表示ウィンドウ、電子情報ボード101の各種設定を行うためのボタンやメニューなどの制御部品を表示する表示ウィンドウ、ファイルビューアやWebブラウザの表示ウィンドウなどを生成し、タッチパネル109の画面上に画像レイヤを割り当て、画像レイヤごとに描画する。
レイアウト管理部208は、表示画像生成部207が生成する表示ウィンドウにユーザPC102,103の表示画像を描画する機能手段である。レイアウト管理部208は、画像取得部204から画像情報を取得すると、VRAM205に格納されている画像フレームを取得し、画像情報を使用して、画像フレームの大きさを表示画像生成部207が生成した表示ウィンドウの大きさに適合するように変更し、当該画像フレームを描画すべき画像レイヤに描画する。
接触検出部213は、外部入力手段211のタッチパネル109への接触を検知する機能手段である。本実施形態では、接触検出部213として、赤外線遮断方式による座標入力/検出装置を採用することができる。この態様の外部入力手段211では、タッチパネル109の下側両端部に設置された受発光装置が、タッチパネル109に平行して複数の赤外線を放射し、タッチパネル109の周囲に設けられた反射部材によって同一光路上に反射する光を受光する。接触検出部213は、物体によって遮断された受発光装置が放射した赤外線の識別情報を座標検出部212に通知し、座標検出部212が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
他の実施形態では、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2の抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を採用することができる。
座標検出部212は、物体がタッチパネル109に接触した位置である座標位置を算出すると共に、種々のイベントを発行する機能手段である。本実施形態では、座標検出部212は、接触検出部213が通知する遮断された赤外線の識別情報を利用して、物体の接触位置の座標位置を算出する。座標検出部212は、接触位置の座標位置と共に、種々の接触検出部213が検知するイベントの状態を受領し、イベント処理部206に発行する。
座標検出部212が発行するイベントには、物体の接触または接近したことを通知するイベント(TOUCH)、物体がタッチパネル109に接触または接近した状態で接触点または接近点が移動したことを通知するイベント(MOVE)、物体がタッチパネル109から離れたことを通知するイベント(RELEASE)が含まれる。これらのイベントには、接触位置座標および接近位置座標である座標位置情報が含まれる。
描画生成部209は、電子情報ボード101において接触検出部213が検出した接触の状態に応答して当該接触の状態を時系列的に描画する手段である。先端部に物体の接触を検知する接触検知部を備えたペン形状の外部入力手段211がタッチパネル109に接触すると、この接触を接触検出部213が検出する。接触検出部213は、接触したことを示す接触信号を、外部入力手段211の識別情報と共に座標検出部212に送信する。
また、外部入力手段211は、各種の入力モードを切替える手段を備えている。各種の入力モードには、電子情報ボードを操作するためのボード操作モードおよびユーザPCを操作するためのPC操作モードが含まれ、外部入力手段211は、後端または側面に、例えばノック式のモード切替えスイッチを備えることができる。
本実施形態でボード操作モードとは、ユーザは、電子情報ボード101のタッチパネル109に任意の図形や文字などを描画できると共に、タッチパネル109に表示されたメニューやボタンなどのオブジェクトを操作可能なモードである。また、ユーザPC操作モードとは、タッチパネル109に表示されたユーザPC制御用のメニューやボタンなどのオブジェクトをユーザが選択可能なモードである。
例えば、ユーザがモード切替えスイッチを押下した状態で、外部入力手段211をタッチパネル109に接触させた場合には、外部入力手段211は、接触信号および外部入力手段211の識別情報と共に、ユーザPC操作モードを示すモード種別信号をイベント処理部206に送信する。一方、ユーザがモード切替えスイッチを押下していない状態で、外部入力手段211をタッチパネル109に接触させた場合には、外部入力手段211は、接触信号および外部入力手段211の識別情報と共に、ボード操作モードを示すモード種別信号をイベント処理部206送信する。
本実施形態では、座標検出部212は、接触検出部213から遮断された赤外線の識別情報を受信すると、物体の接触位置である座標位置を算出し、次いで、外部入力手段211から接触信号を受信すると、各種イベントを発行する。このとき、座標検出部212は、モード種別を示す情報をモード種別情報として当該イベントと共にイベント処理部206に通知する。本実施形態では、外部入力手段211は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信または近接無線通信によって各種信号を送信する。他の実施形態では、外部入力手段211は、超音波やIrDaなど音波や赤外線を利用した通信によって各種信号を送信することもできる。
イベント処理部206は、座標検出部212が発行するイベントを処理する機能手段である。PC操作モードが指定されている場合、イベント処理部206は、座標検出部212からイベントを受信すると、ユーザPC102またはユーザPC103にマウスイベントを送信する。またボード操作モードが指定されている場合、イベント処理部206は、座標検出部212からイベントを受信すると、電子情報ボード101の内部機能手段に対して各種イベントを通知する。
本実施形態において、用語「マウスイベント」とは、ユーザPC102,103などに対してマウスといった入力装置が発行するイベントと同様の機能を提供するイベントであって、PC操作モードが指定されている場合に、外部入力手段211によるタッチパネル109への接触に起因してユーザPC102,103に対して発行される。イベント処理部206は、座標検出部212が発行したイベントに含まれる座標位置情報を、ユーザPC102,103の画面サイズに応じた座標位置情報に変換し、マウスイベントと共にユーザPC102,103に送信する。ユーザPC102,103は、マウスイベントをマウスなどの入力装置が発行するイベントと同様に処理する。
描画指示イベントとは、電子情報ボード101に対して描画を指示するイベントである。描画指示イベントは、ボード操作モードが指定されている場合に、外部入力手段211がタッチパネル109のボタン・オブジェクトやアイコン・オブジェクトの他の領域に接触することにより発行される。
選択通知イベントとは、タッチパネル109に表示された画面を構成するボタンやメニューバーなど種々のオブジェクトが選択されたことを示すイベントである。選択通知イベントは、ボード操作モードが指定されている場合に、外部入力手段211がタッチパネル109のボタン・オブジェクトやアイコン・オブジェクトに接触することに起因して発行される。イベント処理部206は、座標検出部212が発行したイベントに含まれる座標位置情報が登録されたオブジェクトの座標領域内であることを判断し、選択通知イベントを発行する。
本実施形態では、描画指示イベントおよび選択通知イベントには、それぞれ識別情報が割り当てられており、これらのイベントをトリガとして動作する電子情報ボード101の機能手段は、当該識別情報を参照して種々の処理を実行する。また、選択通知イベントには、選択されたオブジェクトの識別情報が付加されており、選択通知イベントをトリガとして動作する電子情報ボード101の機能手段は、当該オブジェクトの識別情報を参照して種々の処理を実行する。
描画生成部209は、ユーザが外部入力手段211を用いて描画した描画画像を生成する機能手段である。描画生成部209は、座標位置情報が示す座標位置の色属性を、背景の色属性とは異なる色属性に変更して画像レイヤを生成する。描画生成部209は、当該座標位置を描画情報としてRAM203の描画情報の格納領域に保存する。
合成部214は、種々の画像を合成する機能手段である。合成部214は、表示画像生成部207がタッチパネル109上において画像を描画すべき画像レイヤと、ユーザPC102,103の表示画像を描画すべき画像レイヤ(以下、画像キャプチャレイヤとして参照する。)と、描画生成部209が画像を描画すべき画像レイヤ(以下、手書きレイヤとして参照する。)とを合成する。
表示制御部215は、タッチパネル109を制御する機能手段である。表示制御部215は、合成部214が生成した合成画像をタッチパネル109に表示する。本実施形態では、合成部214は、表示制御部215を呼び出して合成画像をタッチパネル109に表示させる。他の実施形態では、合成部214および表示制御部215は、画像情報に含まれる画像フレームの更新頻度と同じ頻度で、画像レイヤを合成してタッチパネル109に表示してもよい。
スナップショット生成部210は、ユーザPC102,103の表示画像と、描画生成部209が生成した描画画像との合成画像であるスナップショット画像を生成する機能手段である。スナップショット生成部210は、タッチパネル109に表示された画像をスナップショットとして取得を指示するスナップショット・ボタンが選択されたことを示す選択通知イベントを受信するか、または後述するページ一覧内に表示されたスナップショットの選択を示す選択通知イベントを受信すると、画像キャプチャレイヤと、手書きレイヤとを合成し、スナップショット画像を適切な画像フォーマット、例えばPNG、GIF、BMPなどとして生成する。スナップショット生成部210は、スナップショット画像を生成すると、リポジトリ管理部218に対しスナップショット画像を記憶装置220に保存させる。
リポジトリ管理部218は、スナップショット画像を格納すべき記憶装置220を制御する機能手段である。リポジトリ管理部218は、上述したように、スナップショット生成部210の指示により、スナップショット画像を記憶装置230に保存する。また、リポジトリ管理部218は、ユーザPC102,103から指示を受領すると、記憶装置220からスナップショット画像を取得し、ユーザPC102,103に送信する。
会議資料受付部216は、ユーザが送信した会議資料が添付された電子メール、HTTPリクエストまたはFTPリクエストを受け付ける受付手段であり、既存のメーラ、ウェブサーバ、FTPサーバなどを使用して構成することができる。会議資料受付部216は、受け付けた会議資料と、例えば電子メールの場合、メールのヘッダやボディに記載されているページ番号とを取得し、これらを対応づけて会議資料保存ボックス219に保存する。
ボックス管理部217は、会議資料を編集可能とするために格納すると共に、会議資料をページ毎に画像に変換し、変換した画像をスナップ画像として保存する。その際に、記憶容量を節約する目的で、ユーザが指定したページ番号のページ以外は保存の対象から省くことが好ましい。また、プレゼンテーション終了後、スナップショット画像として保存した後に、スナップ画像全部を会議資料保存ボックス219から会議資料を削除することもできる。当該処理により、ユーザが指定したページ番号以外の会議資料のデータがスナップショット画像を除き、電子情報ボード101上に残ることはない。
図3は、本実施形態において本発明の会議資料を電子メールにより送信する場合の電子メールの内容の実施形態300を示す。電子メールには、送信元、宛先、および送信日時を記述するフィールドが設けられていて、会議資料の送付元、宛先などの書誌事項が取得できるようにされている。また、電子メールの「Subject」フィールドには、電子情報ボード101が他の電子メールではなく、会議資料の送付であることを示すための固有の題名である「records」が記述されている。当該題名に「records」が記述されている場合、電子情報ボード101は、会議資料保存ボックス219に会議資料と、ページ番号と、送信元(発信者メールアドレス)とを取得し、これらを対応づけてテーブルの形式として、またはXMLなどの構造化文書の形式として会議資料保存ボックス219に保存する。
本実施形態の他の実施形態では、セキュリティの強化の観点から、例えば、件名に「records」の記述があっても電子情報ボード101側で予め登録されている送信元以外のメールは受け付けない様に設定することもできる。図3で説明する実施形態では、「Record.pdf」という会議資料の実体と、そのページ番号、発信者メールアドレス、ページ情報「1−5,7,9」が会議資料保存ボックス219に保存される。
また、図3に示すように、ページ範囲を、1から5ページの連続ページを「-」で連結した表現とすることもできる。なお、図3に示した実施形態では、添付された会議資料が、マルチパートフォーマットとして電子メールで送信され、添付ファイルがpdfフォーマットとして送信されていることが示されている。
図4は、本発明の会議資料を管理する、会議資料保存ボックス219に生成されるデータテーブル400の実施例を示す。データテーブル400は、データベースを使用して構成されていても良いし、HTMLやXMLといったタグで識別可能であり、DOMやSAXなどで検索可能な構造化文書として構成することもできる。
データテーブル400は、レコード401〜405を含むものとして説明されており、各レコードは、送信一時、送信者、会議資料名、およびページ番号といったフィールドがまとまって1つのレコードを形成する。プレゼンテーションを行おうとするユーザがユーザ識別値を入力し、会議資料名を指定することで、プレゼンテーションのために使用するページのスナップ画像が、例えばサムネイルなどとして電子情報ボード101のタッチパネル109に表示され、スムーズなプレゼンテーションの進行が可能となる。なお、このとき、ユーザはユーザPCの操作から完全にフリーのままでプレゼンテーションを進行することができるので、プレゼンテーションの途中でユーザPCを操作したり、ページが戻ってしまったりする不都合を防止することができる。尚、ページ情報の記述が電子メールにない場合は「0」が値としてデータテーブル400に登録される。ページ情報が「0」に設定される態様の場合、すべてのページがスナップ画像に変換されて、電子情報ボード101に読み込まれる。
図5は、本発明の電子情報ボード101に登録された会議資料を、会議資料保存ボックス219から読み込むために電子情報ボード101がタッチパネル109に表示する実施形態500を示す。会議資料保存ボックス219に保存された会議資料は、そのままでは表示できないので、例えば、ユーザがタッチパネル109上に図5に示す選択ダイアログ501を表示させて、グラフィカルに選択を可能とする。
ユーザが自己のプレゼンテーションに使用する会議資料を表示させる場合、ボード操作モードに外部入力手段211を設定し、電子情報ボード101に表示されるアイコン・オブジェクト(不図示)を選択し、実行を開始させる。選択・実行開始は、互いに別のアイコン・オブジェクトとして構成することもできるし、選択アイコン・オブジェクトを例えば設定された時間間隔で2回以上連続してタッチする処理として実装することができる。
この操作の後、図5に示す選択ダイアログ501がタッチパネル109に表示される。選択ダイアログ501には、ファイル名、送信日時、送信者といったデータテーブル400の登録項目が表示される。ユーザは、選択ダイアログ501の適切な位置に配置されたスライダバー503をスライドさせて目的の会議資料を選択する。図5では、会議資料「Design.pdf」が選択されたことを示すためハッチング502が行われていて、ユーザが自己の選択した会議資料を間違わないようにさせている。
ユーザは、図5に示した選択ダイアログ501を使用して会議資料を特定すると、開くボタン504を選択して選択通知イベントを発生させることで、会議資料「Design.pdf」が表示される。また、ユーザが会議資料の選択をやめる場合には、キャンセルボタン505を選択し選択イベントを発生させると、タッチパネル109が初期表示に戻され、ユーザは、他の処理に進むことができる。なお、ユーザが他人の会議資料を誤って表示させることがないように、電子情報ボード101に最初にアクセスする場合、ユーザ名といったユーザ識別値の入力を行って送信者と表示を要求するユーザとの同一性を確認した上で会議資料を表示させることができる。
この実施形態において、ユーザ認証が成功した場合、電子情報ボード101が実装する画像編集アプリケーションやワードプロセッサアプリケーションの起動をユーザに対して可能とすることができる。当該実施形態は、例えば電子メールとして会議資料を送付した後に誤りを発見した場合やコンテキストの修正があった場合に、会議資料の修正をオンサイトで行うことが可能となる。修正されたページは、終了時にオリジナルの会議資料として保存される他、対応するスナップ画像も更新される。
また、他の実施形態では、ICカードや2次元コードなどを読み取るリーダを電子情報ボード101に設け、タッチパネル109からのユーザ情報の入力を行うことなく、ユーザの権限情報を電子情報ボード101に取得させることもできる。当該実施形態は、予め登録したユーザがプレゼンテーションを行う場合に利用することができる。
図6は、本実施形態の情報処理システム100が実行する処理のフローチャートを示す。図6の処理は、ステップS600から開始し、ステップS601で題名に「records」を含む電子メールを受信したか否かを判断する。受信しない場合(no)、処理をステップS601に戻し、処理を反復させる。ステップS601で、該当する電子メールを受信すると(yes)、ステップS602で当該電子メールを会議資料保存ボックス219に保存し、電子メールに記述されたページについて、スナップ画像を作成して登録し、データテーブル400を作成する。その後、ステップS603でユーザからの資料読み込みの指令があったか否かを判断し、読み込み指令がない場合(no)、処理をステップS603で待機させる。
一方、ステップS603で資料読み込みの指令がなされた場合(yes)、指令した資料をデータテーブル400から検索し、ステップS605で読み込むべき資料のうち、ユーザ指定のページについてのスナップ画像を、昇順または降順に読み込んでプレゼンテーションのための表示処理に制御を渡す。また、この段階で、ユーザは会議資料を編集する機会が提供される。表示処理では、タッチパネル109に表示された画像キャプチャレイヤに重畳して描かされた手書きレイヤの画像を合成し、適切なバッファ・メモリに格納しておく。プレゼンテーションが終了すると、ステップS606では、会議資料保存ボックス219から当該会議資料を削除し、バッファしておいた合成画像をスナップショット画像として、書誌的事項に対応づけて記憶装置220に登録する。さらにその後、データテーブル400のリフレッシュのため、例えばデータテーブル400の該当レコードをデータテーブル400から削除して、ログデータとして登録し、その後、処理をステップS607で終了させる。
以上の処理を採用することにより、ユーザがユーザPC102,103との間で制御を切り替えながらプレゼンテーションするという非効率さを排除することができ、またプレゼンテーション画面が前後してしまうなどの不便の発生を排除することができる。さらに、不要な会議資料の電子情報ボード101への蓄積を防止しながら、会議議事録をスナップショット画像として記録し、かつプレゼンテーション履歴を効率よくログデータとして蓄積することが可能となる。
図7は、図6で説明したステップS605で説明した表示処理の実施形態において表示されるプレゼンテーション・ダイアログ700を示す。図7に示したプレゼンテーション・ダイアログ700は、ユーザが図5に示した選択ダイアログ500からプレゼンテーションに使用する会議資料を選択し、開くボタン504を選択することにより表示される。
この段階では、ユーザがタッチパネル109に表示された「資料を開く」ボタン702を選択し、選択イベントを発行することで、指定されたページに対応するスナップ画像が読み出され、説明する実施形態ではタッチパネル109上の領域705に表示される。なお、表示されるスナップ画像には、説明の目的で会議資料におけるページ番号を付して示している。図7に示すように、説明する実施形態では、ユーザは、プレゼンテーションに使用するページとして電子メールにて1,2,5、6,8,10ページを指定したので、これらのページに対応するスナップ画像が表示されている。図7の実施形態ではプレゼンテーションは第2ページ目まで進んでいる。なお、領域705には使用するスナップ画像の数に柔軟に対応するためにスライダバー(不図示)を付してユーザによるスナップ画像選択を支援することができる。
ユーザはタッチパネル109に表示されたスナップ画像に対して外部入力手段211を使用してコメントや説明書き706を記入する。このコメントや説明書き706は、手書きレイヤに登録される。会議の議事録を登録する場合、プレゼンテーションが終了した時に、バッファ・メモリに格納しておいた画像キャプチャレイヤ701と手書きレイヤのコメントや説明書き706とをページ単位で合成し、適切なフォーマットでスナップショット画像を生成し、スナップショット画像を記憶装置220に登録する。なお、プレゼンテーションの終了は、終了ボタン704を選択し、選択通知イベントを発行することにより行われる。
図7に示すように、ユーザは、電子情報ボード101に接続されるユーザPC102,103の操作に煩わされることなくプレゼンテーションをスムーズに進めることができ、よりプレゼンテーションの効率や効果を高めることができる。
図8は、本実施形態の第2の実施形態の情報処理システムの概略図を示す。図8に示す実施形態では、ユーザは会議資料をメールサーバではなく、ウェブサーバ820にHTTPプロトコルを使用してアップロードする。ユーザが会議資料をアップロードする場合には、データテーブル400と同様の情報を付してウェブサーバ820にアップロードすることで、ウェブサーバ側に図4に示すデータテーブル400と同様のデータテーブル830が生成される。また、データテーブル830は、電子情報ボード801がアクセス許可されるウェブページのテーブルとしてユーザにより新規な会議資料が送付されるごとに更新される。
また、会議資料は、アップロードが完了した時点で、データテーブル830に登録さされたページ指定を参照してスナップ画像として生成され、ウェブサーバ820の適切な記憶領域に登録される。また生成されたスナップ画像は、ユーザ名またはデータテーブル830のレコードに対してハイパーリンクのためのタグを付してデータテーブル830を生成するなどの手段により参照可能とされている。
一方、会議資料またはスナップ画像は、電子情報ボード803がウェブサーバ820のデータテーブル830を表示させるウェブページにユーザがアクセスすることにより、ウェブサーバ820から電子情報ボード803にダウンロードされる。なお、ウェブサーバ820のデータテーブル830を提示するウェブページには、アクセス制御属性を設定しておくことができ、例えばユーザIDおよびパスワードなどの入力を行う、認証されない場合には、データテーブルにアクセスできない構成とすることでセキュリティ性を改善することができる。また、他の実施形態では、他のユーザの会議資料の書誌情報にアクセスできないように、データテーブル830の送信者とユーザIDとを比較し、送信者に割り当てたユーザIDが認証された場合に、該当する送信者だけのレコードを抽出してウェブページに提示する実施形態とすることができる。
図9は、図8で説明した実施形態において使用し、ウェブサーバ820がユーザPC802,803,806,807,808に対して表示するウェブページの実施形態を示す。図9のウェブページは、フォームとして構成され、表示ボックス909には、ウェブサーバ820の提供するウェブページのURIが表示されている。図9の実施形態のウェブページには、図3で示すと同様に、送信者を入力するフィールド902、日付を入力するフィールド903、送付資料を選択するためのフィールド904、およびプレゼンテーションに使用するページを指定するためのフィールド905が表示される。
ユーザは、フィールド902〜905に必要な情報を入力するか、またはフィールド904では、参照ボタンを使用して送付する会議資料を選択し、入力および選択が終了した後に、送信ボタン906を選択して選択イベントを発行することで、HTTPプロトコルのPOSTメソッドにより、各種情報がウェブサーバ820に登録される。なお、ユーザがアップロードを中断したい場合、キャンセルボタン907を選択し、選択通知イベントを発行することで、図9のウェブページがクリアされる。
ウェブサーバ820には、CGIプログラムが用意されており、図9のフォームからPOSTメソッドで送付されたデータから配列変数などを使用してデータテーブル830などを生成し、ウェブページにおいて表示可能なテーブルに各情報を設定することで、以後、電子情報ボード801からのアクセスがあった場合に、会議資料およびページ情報をダウンロードさせることが可能とされている。なお、ウェブサーバ820は、データのアップロードが成功裏に終了した後、会議資料をデータテーブル830のレコードまたは送信者にハイパーリンクさせて、電子情報ボード801への会議資料およびスナップ画像のダウンロードが可能な状態として一連のトランザクションを完了する。
図10は、第2の実施形態における情報処理システム800が実行する処理のフローチャートを示す。図10の処理は、ステップS1000から開始し、ステップS1001でウェブサーバ820がHTTPリクエストを受領したか否かを判断する。ユーザPCからのHTTPリクエストを受信しない場合(no)、処理をステップS1001に戻し、処理を反復させる。ステップS1001で、該当するHTTPリクエストを受信すると(yes)、ステップS1002でCGIプログラムを呼び出してPOSTメソッドで送付されたデータから、送信者、送信日時、送付された会議資料、および使用ページ番号を抽出し、データテーブル830を作成する。また、送付された会議資料を会議資料保存ボックス219に保存し、送付されたページ指定を使用して、スナップ画像を作成して登録し、会議資料およびスナップ画像を参照可能な形式でデータテーブル830を作成する。その後、ステップS1003でユーザからの資料読み込みのHTTPリクエストがあったか否かを判断し、リクエストがない場合(no)、処理をステップS1003で待機させる。
一方、ステップS1003で資料読み込みのリクエストを受領した場合(yes)、ユーザID、パスワードなどの認証の後、ウェブサーバ820は、データテーブル830を表示するウェブページを表示させ資料の選択を可能とする。ステップS1005では、電子情報ボード801からのダウンロード要求に応答して会議資料およびページ情報を電子情報ボード801にダウンロードさせ、電子情報ボード801に対してページ情報に従ってスナップ画像を作成させ、電子情報ボード801側でスナップ画像を昇順または降順に読み込んでプレゼンテーションのための表示処理に制御を渡す。また、この段階で、スナップ画像を生成させる前に、ユーザが電子情報ボード801を直接使用するか、または電子情報ボード801にユーザPCを接続して会議資料を編集する機会が提供される点は、第1の実施形態と同様である。
なお、さらに他の実施形態では、ウェブサーバ820がスナップ画像まで作成し、電子情報ボード801に会議資料、スナップ画像またはページ情報をダウンロードさせてもよい。
表示処理では、タッチパネル809に表示された画像キャプチャレイヤに重畳して描かされた手書きレイヤの画像を合成し、適切なバッファ・メモリに格納しておく。プレゼンテーションが終了すると、ステップS1006では、会議資料保存ボックス219から当該会議資料を削除し、バッファしておいた合成画像をスナップショット画像として、書誌的事項に対応づけてスナップショット画像を記憶装置220に登録する。さらにその後、データテーブル830のリフレッシュのため、ウェブサーバ820対してプレゼンテーションの終了を通知することで、ウェブサーバ820に対して、例えばデータテーブル830の該当レコードを削除させ、同時にログデータとして登録する処理を実行させ、全体の処理をステップS1007で終了させる。
以上の処理を採用することにより、ユーザがユーザPCとの間で制御を切り替えながらプレゼンテーションするという非効率さを排除することができ、またプレゼンテーション画面が前後してしまうなどの不便の発生を排除することができる。さらに、不要な会議資料の電子情報ボード801への蓄積を防止しながら、会議議事録をスナップショット画像として記録し、かつプレゼンテーション履歴を効率よくログデータとして蓄積することが可能となる。