JP2014041984A - 波長変換材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光色均質性に優れ、かつ、高い輝度を有する波長変換部材を作製することが可能な波長変換材料を提供する。
【解決手段】樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末およびガラス粉末が分散してなる波長変換材料であって、樹脂マトリクスとガラス粉末の屈折率差の絶対値が0.05〜0.5であることを特徴とする波長変換材料
【選択図】なし
【解決手段】樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末およびガラス粉末が分散してなる波長変換材料であって、樹脂マトリクスとガラス粉末の屈折率差の絶対値が0.05〜0.5であることを特徴とする波長変換材料
【選択図】なし
Description
本発明は、白色LED等の構成部材として用いられる波長変換部材を作製するための波長変換材料に関するものである。
近年、白色LEDの開発が盛んになっている。白色LEDは白熱灯や蛍光灯に比べ消費電力が低く寿命が長いことを特徴としており、携帯電話やデジタルカメラ等のバックライトとして使用されつつある。また、白熱灯や蛍光灯に替わる次世代の光源として、照明用途への応用も進んでいる。
白色LEDは、例えば青色や紫外の励起光を発するLEDと、無機蛍光体粉末が樹脂等のマトリクス中に分散されてなる波長変換部材から構成されている。無機蛍光体粉末はLEDからの励起光を受けて励起光とは異なる波長の光(蛍光)を発する。一方、LEDからの励起光のうち一部は波長変換されずにそのまま波長変換部材を透過する。これらの光が混ざり合って白色光が得られる。
白色LEDは、用途によってはますます発光色の色ばらつき(色度ばらつき)が少ないことが要求されている。特に、従来のように樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させる一般的な方法では、樹脂マトリクス中における無機蛍光体粉末の沈降や凝集が生じ、色度ばらつきが生じやすいといった問題があった。これらの問題を解決するために、無機蛍光体粉末とガラス粉末を混合、焼結してなる波長変換部材が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の方法によれば、波長変換部材における無機蛍光体粉末の沈降や凝集を抑制することができるものの、無機蛍光体粉末の種類によっては、焼結時の加熱によって輝度劣化を引き起こすことがある。
以上に鑑み、本発明は、発光色均質性に優れ、かつ、高い輝度を有する波長変換部材を作製することが可能な波長変換材料を提供することを課題とする。
本発明は、樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末およびガラス粉末が分散してなる波長変換材料であって、樹脂マトリクスとガラス粉末の屈折率差の絶対値が0.05〜0.5であることを特徴とする波長変換材料に関する。
樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させてなる波長変換部材において、無機蛍光体粉末の分散状態が不十分であると、励起光を照射した際に、励起光のうち無機蛍光体粉末に当たらずにそのまま外部へ透過する直進光の成分が多くなり、発光色(色度)が不均質となる。本発明では、樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末とともにガラス粉末を分散させてなるため、ガラス粉末が無機蛍光体粉末の沈降および凝集防止材として働き、しかも樹脂マトリクスとガラス粉末との屈折率差を上記範囲に制限しているため、適度な光散乱特性を有する。結果として、本発明の波長変換材料を硬化させて得られる波長変換部材は、発光色均質性に優れ(色度ばらつきが小さい)、かつ、高い輝度を有する。
本発明の波長変換材料は、体積%で、樹脂マトリクス 30〜85%、ガラス粉末 10〜60%および無機蛍光体粉末 1〜30%を含有することが好ましい。
本発明の波長変換材料は、ガラス粉末が、SiO2、B2O3、P2O5、Bi2O3またはTeO2のいずれか1種類以上を10〜99モル%含有することが好ましい。
上記構成によれば、ガラス化が容易になるとともに、樹脂マトリクスとガラス粉末の屈折率差を所望の範囲に調整することが可能となる。
本発明の波長変換材料は、無機蛍光体粉末が、酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、希土類硫化物、アルミン酸塩化物またはハロリン酸塩化物のいずれか1種以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記いずれかの波長変換材料を熱硬化または紫外線硬化して得られることを特徴とする波長変換部材に関する。
さらに、本発明は、前記波長変換部材と、波長変換部材に無機蛍光体粉末の励起波長の光を照射する光源とを備えることを特徴とする発光デバイスに関する。
本発明によれば、発光色均質性に優れ、かつ、高い輝度を有する波長変換部材を作製することが可能な波長変換材料を提供することが可能となる。
本発明の波長変換材料は、樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末およびガラス粉末が分散してなるものである。
樹脂マトリクスとガラス粉末の屈折率差の絶対値は0.05〜0.5であり、好ましくは0.06〜0.4である。上記屈折率差の絶対値が小さすぎると、樹脂マトリクスとガラス粉末との界面で光散乱が生じにくくなる。結果として、励起光の直進成分が増加し、色度ばらつきが大きくなる傾向がある。一方、上記屈折率差の絶対値が大きすぎると、樹脂マトリクスとガラス粉末との間の光散乱が大きくなりすぎて光損失が生じ、高輝度の波長変換部材が得られにくくなる。
ガラス粉末には、無機蛍光体粉末を樹脂マトリクス中に安定に保持するための媒体としての役割がある。ガラス粉末の組成によって樹脂マトリクスとの屈折率に著しい差が出るため、使用する樹脂マトリクスに適したガラス組成を選択することが好ましい。
なお、樹脂マトリクス中に光散乱材としてセラミック粉末を分散させることにより、励起光の散乱を高めることも可能であるが、セラミック粉末は、種類(組成)によって固有の屈折率を有するため、ガラス粉末のように屈折率の微調整が困難である。また、セラミック粉末は光学的に異方性を有するため、樹脂マトリクス中に分散した際に光散乱損失が大きくなる傾向がある。
波長変換部材においては、所望の無機蛍光体粉末を使用した際に、樹脂マトリクス、無機蛍光体粉末および光散乱材の各々の屈折率差によって光散乱挙動が変化し、色度や輝度に変化をもたらす。したがって、光散乱挙動を精密に制御するために、屈折率の微調整が容易であるガラス粉末を光散乱材として使用することが重要である。
ガラス粉末の形状は、破砕後の多面体形状等でも問題はないが、略球形状であることが好ましい。特に、ガラス粉末の含有量が多い場合は、ガラス粉末が略球形であれば、樹脂マトリクスの流動性を向上させることができる。それにより、硬化後の樹脂マトリクス内部において、光吸収の原因となる残存泡等の欠陥を低減することができる。略球形状のガラス粉末は、ゾルゲル法、あるいは、バーナー等の火炎中にガラス粉末を散布し、表面張力によって球状化する方法等が挙げられる。
本発明で使用されるガラス粉末は、SiO2、B2O3、P2O5、Bi2O3またはTeO2のいずれか1種類以上を好ましくは10〜99モル%、より好ましくは12〜95モル%含有する。これらの成分の含有量が少なすぎると、ガラス化しにくくなる。これらの成分の含有量が多すぎると、樹脂マトリクスとガラス粉末の屈折率差を所望の範囲に調整することが困難になる傾向がある。
ガラス粉末の具体例としては、例えばSiO2−B2O3系ガラス、SnO−P2O5系ガラス、TeO2系ガラス、Bi2O3系ガラス等が挙げられる。
SiO2−B2O3系ガラスとしては、例えば、組成として、モル%で、SiO2 30〜99%、B2O3 1〜40%、MgO 0〜10%、CaO 0〜30%、SrO 0〜20%、BaO 0〜40%、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜45%、Al2O3 0〜20%およびZnO 0〜20%を含有するものが好ましい。
SiO2はガラス骨格を形成する成分である。SiO2の含有量は、好ましくは30〜99%、より好ましくは35〜85%である。SiO2の含有量が少なすぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。一方、SiO2の含有量が多すぎると、溶融温度が高温になったり、屈折率の調整が困難になる傾向がある。
B2O3は溶融温度を低下させて溶融性を改善する効果が大きい成分である。B2O3の含有量は、好ましくは1〜40%、より好ましくは5〜35%、さらに好ましくは10〜30%である。B2O3の含有量が少なすぎると、前記効果が得られにくくなる。一方、B2O3の含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
MgOは溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。MgOの含有量は、好ましくは0〜10%、より好ましくは0.1〜5%である。MgOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
CaOは溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。CaOの含有量は、好ましくは0〜30%、より好ましくは3〜20%である。CaOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
SrOは溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。SrOの含有量は、好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0.1〜5%である。SrOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
BaOは溶融温度を低下させて溶融性を改善するとともに、無機蛍光体粉末との反応を抑制する成分である。BaOの含有量は、好ましくは0〜40%、より好ましくは5〜30%である。BaOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
なお、化学的耐久性を低下させることなく溶融性を向上させるためには、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合量を0〜45%とすることが好ましく、5〜40%とすることがより好ましい。
Al2O3は化学的耐久性を向上させる成分である。Al2O3の含有量は、好ましくは0〜20%、より好ましくは1〜18%である。Al2O3の含有量が多すぎると、溶融性が低下する傾向にある。
ZnOは分相性を顕著に促進させる成分であるとともに、溶融温度を低下させて溶融性を改善する成分である。ガラスが分相すると、励起光または蛍光が散乱して発光色均質性が向上する効果が期待できる。ZnOの含有量は、好ましくは0〜20%、より好ましくは1〜18%である。ZnOの含有量が多すぎると、化学的耐久性が低下する傾向にある。
上記成分以外にも、溶融性を向上させるために、Li2O、Na2OまたはK2Oを合量で20%まで含有させることができる。他にも、P2O5、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、Gd2O3、La2O3、Y2O3、CeO2、Sb2O3、SnO2、Bi2O3、TeO2、ZrO2をそれぞれ15%まで含有させてもよい。
SnO−P2O5系ガラス粉末としては、ガラス組成として、モル%で、SnO 35〜80%、P2O5 5〜40%およびB2O3 0〜30%を含有するものが好ましい。ガラス組成をこのように限定した理由を以下に説明する。
SnOはガラス骨格を形成する成分である。SnOの含有量は、好ましくは35〜80%、より好ましくは45〜75%である。SnOの含有量が少なすぎると、耐候性が低下する傾向がある。一方、SnOの含有量が多すぎると、Snに起因する失透ブツが析出して透過率が低下する傾向にあり、結果として、波長変換部材の発光強度が低下しやすくなる。また、ガラス化しにくくなる。
P2O5はガラス骨格を形成する成分である。P2O5の含有量は、好ましくは5〜40%、より好ましくは10〜30%である。P2O5の含有量が少なすぎると、ガラス化しにくくなる。一方、P2O5の含有量が多すぎると、耐候性が著しく低下する傾向にある。
B2O3は耐候性を向上させる成分であるとともに、分相を促進させるための成分である。また、ガラスを安定化させる成分でもある。B2O3の含有量は、好ましくは0〜30%、より好ましくは1〜25%である。B2O3の含有量が多すぎると、耐候性が低下しやすくなる。
上記成分以外にも、溶融性を向上させるために、MgO、CaO、SrOまたはBaOを合量で5%まで、Li2O、Na2OまたはK2Oを合量で5%まで含有させることができる。他にも、SiO2、Al2O3、ZrO、ZnO、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、Gd2O3、La2O3、Y2O3、CeO2、Sb2O3、Bi2O3またはTeO2をそれぞれ15%まで含有させてもよい。
TeO2系ガラス粉末としては、ガラス組成として、モル%で、TeO2 20〜80%およびB2O3 0〜30%を含有するものが好ましい。ガラス組成をこのように限定した理由を以下に説明する。
TeO2はガラス骨格を形成する成分である。TeO2の含有量は、好ましくは20〜80%、より好ましくは25〜75%である。TeO2の含有量が少なすぎると、ガラス化しにくくなる。一方、TeO2の含有量が多すぎると、透過率が低下する傾向にあり、結果として、波長変換部材の発光強度が低下しやすくなる。
B2O3は耐候性を向上させる成分であるとともに、分相を促進させる効果も有する。また、ガラスを安定化させる成分でもある。B2O3の含有量は、好ましくは0〜30%、より好ましくは1〜25%である。B2O3の含有量が多すぎると、耐候性が低下しやすくなる。
上記成分以外にも、溶融性を向上させるために、MgO、CaO、SrOまたはBaOを合量で40%まで、Li2O、Na2OまたはK2Oを合量で30%まで含有させることができる。他にも、P2O5、SiO2、Al2O3、ZrO、ZnO、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、Gd2O3、La2O3、Y2O3、CeO2、Sb2O3またはBi2O3をそれぞれ15%まで含有させてもよい。
Bi2O3系ガラス粉末としては、ガラス組成として、モル%で、Bi2O3 20〜80%およびB2O3 0〜30%を含有するものが好ましい。ガラス組成をこのように限定した理由を以下に説明する。
Bi2O3はガラス骨格を形成する成分である。Bi2O3の含有量は、好ましくは20〜80%、より好ましくは25〜75%である。Bi2O3の含有量が少なすぎると、ガラス化しにくくなる。一方、Bi2O3の含有量が多すぎると、透過率が低下する傾向にあり、結果として、波長変換部材の発光強度が低下しやすくなる。
B2O3は耐候性を向上させる成分であるとともに、分相を促進させる効果もある。また、ガラスを安定化させる成分でもある。B2O3の含有量は、好ましくは0〜30%、より好ましくは1〜25%、さらに好ましくは10〜25%である。B2O3の含有量が多すぎると、耐候性が低下しやすくなる。
上記成分以外にも、溶融性を向上させるために、MgO、CaO、SrOまたはBaOを合量で40%まで、Li2O、Na2OまたはK2Oを合量で30%まで含有させることができる。他にも、P2O5、SiO2、Al2O3、ZrO、ZnO、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、Gd2O3、La2O3、Y2O3、CeO2またはSb2O3をそれぞれ15%まで含有させてもよい。
ガラス粉末の平均粒子径D50は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは1〜50μmである。ガラス粉末の平均粒子径D50が小さすぎると、波長変換材料の緻密性が損なわれ、硬化後に残存泡等の欠陥が生じるおそれがある。一方、平均粒子径D50が大きすぎると、波長変換材料中に無機蛍光体粉末が均一に分散されにくくなり、結果として、得られる波長変換部材の色度ばらつきの原因となる傾向がある。また全光束値が低下する傾向がある。
樹脂マトリクスの材質は、半導体等の発光素子の封止材料として用いることが可能なものであれば特に限定されない。例えば、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等の熱硬化または紫外線硬化可能な樹脂が挙げられる。これらの樹脂を用いることで、全光束値の高い波長変換部材を得ることが可能となる。
無機蛍光体粉末としては、紫外または可視の励起光を入射すると、励起光の波長よりも長波長の蛍光を発するものが挙げられる。例えば、可視光線からなる励起光を入射した場合に、励起光の色相に対して補色の蛍光を発する無機蛍光体粉末を用いると、透過した励起光と蛍光との混色により白色光が得られるため、容易に白色LEDを作製することができる。特に、可視光線からなる励起光が中心波長430〜490nmを有する光線であり、蛍光が中心波長530〜590nmを有する光線であると、白色光が得られやすいため好ましい。
無機蛍光体粉末の平均粒子径D50は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは1〜50μmである。無機蛍光体粉末の平均粒子径D50が小さすぎると、波長変換材料の緻密性が損なわれ、硬化後に残存泡等の欠陥が生じるおそれがある。一方、平均粒子径D50が大きすぎると、波長変換材料中に無機蛍光体粉末が均一に分散されにくくなり、結果として、得られる波長変換部材の色度ばらつきが大きくなる向がある。
本発明において使用可能な無機蛍光体粉末としては、一般に市場で入手できるものであれば特に限定されない。例えば、酸化物(YAG等のガーネット系蛍光体を含む)、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、希土類硫化物、アルミン酸塩化物、ハロリン酸塩化物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記無機蛍光体粉末の中でも、波長300〜500nmに励起帯を有し波長380〜780nmに発光ピークを有するもの、特に青色(波長440〜480nm)、緑色(波長500〜540nm)、黄色(波長540〜595nm)、赤色(波長600〜700nm)に発光するものを用いることが好ましい。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の発光を発する無機蛍光体粉末としては、(Sr,Ba)MgAl10O17:Eu2+、(Sr,Ba)3MgSi2O8:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する無機蛍光体粉末としては、SrAl2O4:Eu2+、SrBaSiO4:Eu2+、Y3(Al,Gd)5O12:Ce2+、SrSiOn:Eu2+、BaMgAl10O17:Eu2+,Mn2+、Ba2MgSi2O7:Eu2+、Ba2SiO4:Eu2+、Ba2Li2Si2O7:Eu2+、BaAl2O4:Eu2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の蛍光を発する無機蛍光体粉末としては、SrAl2O4:Eu2+、SrBaSiO4:Eu2+、Y3(Al,Gd)5O12:Ce2+、SrSiOn:Eu2+、β‐SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する無機蛍光体粉末としては、La3Si6N11:Ce3+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の蛍光を発する無機蛍光体粉末としては、Y3(Al,Gd)5O12:Ce2+、Sr2SiO4:Eu2+が挙げられる。
波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する無機蛍光体粉末としては、CaGa2S4:Mn2+、MgSr3Si2O8:Eu2+,Mn2+、Ca2MgSi2O7:Eu2+,Mn2+等が挙げられる。
波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の蛍光を発する無機蛍光体粉末としては、CaAlSiN3:Eu2+、CaSiN3:Eu2+、(Ca,Sr)2Si5N8:Eu2+、α−SiAlON:Eu2+等が挙げられる。
なお、励起光や発光の波長域に合わせて、複数の無機蛍光体粉末を混合して用いてもよい。例えば、紫外域の励起光を照射して白色光を得る場合は、青色、緑色、黄色、赤色の蛍光を発する無機蛍光体粉末を混合して使用すればよい。
波長変換材料における樹脂マトリクスの含有量は、体積%で、好ましくは30%〜85%、より好ましくは35〜75%である。樹脂マトリクスの含有量が少なすぎると、波長変換材料の緻密性が損なわれ、硬化後に残存泡等の欠陥が生じるおそれがある。一方、樹脂マトリクスの含有量が多すぎると、樹脂マトリクス中で無機蛍光体粉末が沈降しやすくなり、色ばらつきの原因となる傾向がある。
波長変換材料におけるガラス粉末の含有量は、体積%で、好ましくは10〜60%、より好ましくは15〜55%である。ガラス粉末の含有量が少なすぎると、樹脂マトリクス中で無機蛍光体粉末が沈降しやすくなり、色ばらつきの原因となる傾向がある。ガラス粉末の含有量が多すぎると、波長変換材料の緻密性が損なわれ、硬化後に残存泡等の欠陥が生じるおそれがある。
波長変換材料における無機蛍光体粉末の含有量は、体積%で、好ましくは1〜30%、より好ましくは2〜25%である。無機蛍光体粉末の含有量が少なすぎると、無機蛍光体粉末から発せられる蛍光量が不十分となり、所望の色合いの光が得られにくくなる。一方、無機蛍光体粉末の含有量が多すぎると、励起光が無機蛍光体粉末全体に十分に照射されず、全光束値が低下する傾向がある。
本発明の波長変換材料は、樹脂マトリクス用の樹脂、無機蛍光体粉末およびガラス粉末を含む原料を混合することにより作製することができる。本発明の波長変換材料を必要に応じて予備成形した後、例えば、所定の温度で熱硬化する、あるいは、紫外線を照射して紫外線硬化することにより、樹脂マトリクスを硬化させて波長変換部材を得ることができる。なお、樹脂マトリクス硬化後、必要に応じて、研削、研磨またはリプレス等による加工を行っても構わない。
予備成形方法は特に制限されず、プレス成形法、射出成形法、シート成形法、押出し成形法等の方法を採用することができる。
本発明の波長変換部材は、平行光線(直線)透過率が10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましい。また、ヘイズが80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。平行光線透過率が大きすぎる、または、ヘイズが小さすぎると、励起光の直進成分が多くなりすぎて、波長変換部材の色ばらつきが大きくなる傾向がある。なお、平行光線透過率およびヘイズはJIS K7105に準拠して測定した値を指す。
波長変換部材の形状は特に限定されず、例えば、円盤状や矩形板状等の板状、球状、半球状、半球ドーム状等が挙げられる。また、ガラス板やセラミック板等の基材上に本発明の波長変換材料を塗布した後、硬化させることにより、基材上に波長変換層を形成させてなる波長変換部材として使用しても構わない。
本発明の波長変換部材は、波長変換部材に無機蛍光体粉末の励起波長の光を照射する光源と組み合わせることにより発光デバイスとして使用することができる。光源としてはLEDチップやレーザーダイオード等の半導体発光素子が挙げられる。波長変換部材は、光源上に直接接着してもよいし、光源を取り囲む函体上に接着して用いてもよい。また、板状体の波長変換部材の下側に光源を複数個設置することによって、面状発光デバイスとして利用することも可能である。さらに、本発明の波長変換材料により半導体発光素子を封止した後、硬化させることにより、発光デバイスを作製しても構わない。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1〜3は実施例(No.1〜10)および比較例(No.11〜14)を示している。
まず、表に示すガラス組成となるように原料を秤量して混合し、得られた混合物を白金坩堝中において900〜1400℃で1時間溶融してガラス化した。溶融ガラスをフィルム状に成形し、得られたフィルム状ガラスをボールミルで粉砕した後、325メッシュの篩に通して分級し、平均粒子径D50が30μmのガラス粉末を得た。
次に、ガラス粉末に対し、表1〜3に示す無機蛍光体粉末および樹脂(信越化学株式会社製 シリコーン樹脂、協立化学産業株式会社製 エポキシ樹脂、三菱レイヨン株式会社製 アクリル樹脂)を混合し、自転公転ミキサーを用いて混錬することによりペースト状の波長変換材料を得た。次に、シート成形機を用いて波長変換材料をシート形状に成形し、100〜150℃の電気炉中に60分間投入することによって硬化させ、波長変換部材を得た。得られた波長変換部材の厚みは0.3mmであった。
得られた波長変換部材について、色度と全光束値を測定した。結果を表1〜3に示す。なお、No.13の試料は、表3に示すガラス粉末と無機蛍光体粉末の混合粉末をプレス成形した後、600℃で焼成することにより作製した。No.14の試料は、原料として表3に示す樹脂と無機蛍光体材料を用いて、上記と同様の条件で作製した。
ガラス粉末の屈折率は、屈折率計(カルニュー社製 KPR−200)を用いて、ヘリウムランプのd線(波長:587.6nm)における測定値で示した。なお、ガラス粉末の屈折率は、溶融ガラスをブロック状に成形、加工して得られた試料を用いて測定した。樹脂マトリクスの屈折率は、樹脂のみを硬化し、加工して得られた試料を用いて測定した。
波長変換部材の色度ばらつきおよび全光束値は次のようにして測定した。校正された積分球内で、700mAの電流で点灯した青色LEDによって、2mm×2mm×0.3mmに加工した波長変換部材を励起し、光ファイバーを通じてその発光を小型分光器(オーシャンオプティクス社製 USB−4000)に取り込み、制御PC上に発光スペクトル(エネルギー分布曲線)を得た。得られた発光スペクトルから色度および全光束値を算出した。色度ばらつきは、上記測定を30個の試料について測定し、得られた色度xの標準偏差で評価した。
表から明らかなように、実施例であるNo.1〜10の波長変換部材は、色度ばらつき(色度xの標準偏差)が0.015以下と小さく、全光束値が17lm以上と高かった。一方、比較例である試料No.11〜13の波長変換部材は全光束値が15lm以下と低く、試料No.14の波長変換部材は色度ばらつきが0.033と大きかった。なお、No.13の波長変換部材の全光束値が低くなったのは、作製時の高温焼成により無機蛍光体粉末が劣化したことが原因と推察される。また、No.14の波長変換部材の色度ばらつきが大きくなったのは、波長変換材料中にガラス粉末を配合しなかったため、無機蛍光体粉末が凝集、沈降したためであると推察される。
Claims (6)
- 樹脂マトリクス中に無機蛍光体粉末およびガラス粉末が分散してなる波長変換材料であって、樹脂マトリクスとガラス粉末の屈折率差の絶対値が0.05〜0.5であることを特徴とする波長変換材料。
- 体積%で、樹脂マトリクス 30〜85%、ガラス粉末 10〜60%および無機蛍光体粉末 1〜30%を含有することを特徴とする請求項1に記載の波長変換材料。
- ガラス粉末が、SiO2、B2O3、P2O5、Bi2O3またはTeO2のいずれか1種類以上を10〜99モル%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換材料。
- 無機蛍光体粉末が、酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、希土類硫化物、アルミン酸塩化物またはハロリン酸塩化物のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長変換材料。
- 請求項1〜4いずれかに記載の波長変換材料を熱硬化または紫外線硬化して得られることを特徴とする波長変換部材。
- 請求項5に記載の波長変換部材と、波長変換部材に無機蛍光体粉末の励起波長の光を照射する光源とを備えることを特徴とする発光デバイス。
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