JP2014035087A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】快適な暖房感を与える。
【解決手段】吹出口2cから室内に吹き出される空気の向きを上下に変更する上下風向変更羽根10を有する空気調和機であって、上下風向変更羽根10が、吹出口2cに互いに平行に配置され、且つ互いに接近または離間可能な第1の羽根11および第2の羽根12を備えている。空気調和機は、さらに、室内に存在する人の活動量を検知する活動量検知装置18と、暖房時、活動量検知装置18によって検知された人の活動量が大きいほど第2の羽根12を第1の羽根11に接近させることにより、第1の羽根11と第2の羽根12の間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量を減少させ、第2の羽根12と当該前記第2の羽根12と対向する吹出口2cの上部壁との間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量を増加させる制御装置とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】吹出口2cから室内に吹き出される空気の向きを上下に変更する上下風向変更羽根10を有する空気調和機であって、上下風向変更羽根10が、吹出口2cに互いに平行に配置され、且つ互いに接近または離間可能な第1の羽根11および第2の羽根12を備えている。空気調和機は、さらに、室内に存在する人の活動量を検知する活動量検知装置18と、暖房時、活動量検知装置18によって検知された人の活動量が大きいほど第2の羽根12を第1の羽根11に接近させることにより、第1の羽根11と第2の羽根12の間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量を減少させ、第2の羽根12と当該前記第2の羽根12と対向する吹出口2cの上部壁との間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量を増加させる制御装置とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、室内の空調を行うための空気調和機に関する。
一般家庭で使用される空気調和機においては、通常、室内への騒音及び振動を抑制するために、コンプレッサ等の大きな騒音源、振動源となるものを室外機に配設し、騒音及び振動の少ないファンや熱交換器等を室内機に配設したセパレータ型が用いられている。このように構成された室内機は、室内の壁面等に設置されて、室内が所望の温度となるよう空調動作が行われる。室外機と室内機は、冷媒配管と制御用配線で互いに機械的及び電気的に接続されており、互いに協働して空調動作を行っている。
空気調和機の室内機には、温度調節された空気を室内に吹き出すための吹出口が設けられており、その吹出口には吹き出される空気の向きを変更するための風向変更手段が設けられている。風向変更手段としては、室内における所望の領域に向かって吹出口から吹き出された空気を送り出すために、吹出口から吹き出される空気の流れを上下方向に変更する上下風向変更羽根と、吹出口から吹き出される空気の流れを左右方向に変更する左右風向変更羽根とで構成された風向変更羽根が用いられている。
従来の空気調和機における上下風向変更羽根としては、例えば、空気調和機の運転時には吹出口から突出して、吹出口から吹き出される空気の流れ方向を変更するとともに、空気調和機の停止時には吹出口に収納されるよう構成されたものがある(特許文献1参照。)。特許文献1に開示された上下風向変更羽根の構成は、空気の流れ方向の上流側に配置された第1の羽根と、空気の流れ方向の下流側に配置された第2の羽根とを有しており、第1の羽根と第2の羽根が一体的に回動して互いに近接離間する構成である。特許文献1の上下風向変更羽根においては、第2の羽根に第3の羽根が一体的に形成されており、第3の羽根が第1の羽根と第2の羽根が離間したときの隙間をカバーして、その隙間を空気が通り抜けるのを防止する機能を有している。したがって、特許文献1の上下風向変更羽根は、空気の流れ方向における羽根の長さを変更するために、3枚の羽根を用いて実質的に1枚の羽根が伸縮して空気が一方向に流れるよう構成したものである。
ところで、同一の設定で空気調和機を暖房運転させても、人それぞれに得る暖房感が異なる。特に、活動中の人と安静中の人とでは得る暖房感は大きく異なる。
そこで、本発明は、上下風向変更羽根を有する空気調和機により、例えば活動中の人であっても、また例えば安静中の人であっても、室内に存在する人に快適な暖房感を与えることを課題とする。
前記課題を達成するために、本発明の一態様によれば、
吹出口から室内に吹き出される空気の向きを上下に変更する上下風向変更羽根を有する空気調和機であって、
前記上下風向変更羽根が、前記吹出口に互いに平行に配置され、且つ互いに接近または離間可能な第1および第2の羽根を備えており、
前記空気調和機が、
室内に存在する人の活動量を検知する活動量検知装置と、
暖房時、前記活動量検知装置によって検知された人の活動量が大きいほど前記第2の羽根を第1の羽根に接近させることにより、前記第1の羽根と前記第2の羽根の間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量を減少させ、前記第2の羽根と当該前記第2の羽根と対向する前記吹出口の上部壁との間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量を増加させる制御装置とをさらに有する、空気調和機が提供される。
吹出口から室内に吹き出される空気の向きを上下に変更する上下風向変更羽根を有する空気調和機であって、
前記上下風向変更羽根が、前記吹出口に互いに平行に配置され、且つ互いに接近または離間可能な第1および第2の羽根を備えており、
前記空気調和機が、
室内に存在する人の活動量を検知する活動量検知装置と、
暖房時、前記活動量検知装置によって検知された人の活動量が大きいほど前記第2の羽根を第1の羽根に接近させることにより、前記第1の羽根と前記第2の羽根の間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量を減少させ、前記第2の羽根と当該前記第2の羽根と対向する前記吹出口の上部壁との間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量を増加させる制御装置とをさらに有する、空気調和機が提供される。
本発明によれば、室内に存在する人に快適な暖房感を与えることができる。
本発明の空気調和機は、吹出口から室内に吹き出される空気の向きを上下に変更する上下風向変更羽根を有する空気調和機であって、前記上下風向変更羽根が、前記吹出口に互いに平行に配置され、且つ互いに接近または離間可能な第1および第2の羽根を備えており、室内に存在する人の活動量を検知する活動量検知装置と、暖房時、前記活動量検知装置によって検知された人の活動量が大きいほど前記第2の羽根を第1の羽根に接近させることにより、前記第1の羽根と前記第2の羽根の間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量を減少させ、前記第2の羽根と当該前記第2の羽根と対向する前記吹出口の上部壁との間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量を増加させる制御装置とをさらに有する。
このような構成であれば、例えば活動中の人であっても、また例えば安静中の人であっても、室内に存在する人に快適な暖房感を与えることができる。
前記空気調和機は、前記活動量検知装置の検知結果に基づく前記制御装置による前記第1の羽根と前記第2の羽根との間隔の変更を実行するか否かをユーザーが選択するためのコントローラをさらに有してもよい。これにより、ユーザーは、上下風向変更羽根を所望の状態で停止させることができ、その結果、所望の暖房感を得ることができる。
前記コントローラが、前記第1の羽根と前記第2の羽根との間隔をユーザーが変更できるように構成されてもよい。これにより、ユーザーは、上下風向変更羽根の第1の羽根と第2の羽根との間隔を所望の間隔にすることができ、その結果、所望の暖房感を得ることができる。
以下、本発明の空気調和機に係る実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態の空気調和機においては、具体的な構成について説明するが、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が適用された各種空気調和機を含むものである。
本発明の一実施の形態の空気調和機は、室内機と室外機が冷媒配管及び制御配線等により互いに接続されたセパレート型の空気調和機である。室内機と室外機によりヒートポンプが構成されており、室外機にはコンプレッサが設けられている。本実施の形態の空気調和機における室内機は、室内の壁面に取り付ける壁掛け式室内機である。
図1は、本実施の形態の空気調和機における室内機の概略構成を示す側面断面図である。図1に示すように、室内機1は、空気取り入れ口となる前面開口部2aと上面開口部2bとを持つ本体2、及び本体2の前面開口部2aを開閉する可動式の前面パネル3とを備えている。また、本体2の下方側には、熱交換された空気を吹き出す吹出口2cが配設されている。なお、図1は本実施の形態の空気調和機における空調運転停止時の状態を示している。
図2の(a)及び(b)は、本実施の形態の空気調和機における空調運転時の各状態を示す側面断面図であり、図2の(a)及び(b)においては内部構成を省略している。図2において、(a)は冷房運転時の一状態を示しており、(b)は暖房運転時の一状態を示している。本実施の形態における、冷房運転時と暖房運転時における詳細な空調動作については後述する。
図1に示すように、本実施の形態の空気調和機の空調運転停止時においては、前面パネル3が、本体2に密着して前面開口部2aを閉じるように構成されている。一方、空気調和機の空調運転時においては、図2の(a)及び(b)に示すように、前面パネル3が、本体2から離れる方向に所定距離だけ移動して前面開口部2aを開放するように構成されている。
図1に示すように、本体2の内部には、熱交換器4と、前面開口部2a及び上面開口部2bからフィルタ6を通して取り入れた室内空気を熱交換器4で熱交換して室内に吹き出すためのファン5とが設けられている。前面開口部2a及び上面開口部2bと熱交換機6との間に設けられたフィルタ6は、前面開口部2a及び上面開口部2bから取り入られた室内空気に含まれる塵埃を除去するために設けられている。
本実施の形態の空気調和機において熱交換した空気を室内に吹き出すための吹出口2cには、当該吹出口2cを開閉するとともに、空気の吹き出し方向を上下方向に変更することができる上下風向変更羽根10が設けられている。さらに、吹出口2cの内部には空気の吹き出し方向を左右に変更することができる左右風向変更羽根9が設けられている。
上下風向変更羽根10は、第1の羽根の一例である下羽根11と、この下羽根11の上方に設けられた第2の羽根の一例である上羽根12とを備えている。上下風向変更羽根10は、下羽根11と上羽根12とが協働して、吹出口2cから吹き出される空気の吹き出し方向を制御するように構成されている。下羽根11は、下羽根駆動軸13に固定されており、下羽根駆動軸13の回動動作により、下羽根駆動軸13を中心として回動するよう設けられている。上羽根12は、後述するリンクアーム(主アーム14、従アーム15)の機能によって下羽根11と略平行に保持された状態で下羽根11に対して近接・離間動作するように構成されている。
左右風向変更羽根9は、例えば、室内機1の正面から見て左側に位置する一組の羽根と、右側に位置する一組の羽根とで構成されている。各一組の羽根は、複数枚(例えば、5枚)の羽根で構成されている。また、各一組の羽根は、それぞれが別々の駆動源(例えば、駆動モータ)16に連結されており、それぞれの駆動源16により独立して制御される。
空気調和機が空調運転を開始すると、上下風向変更羽根10が開動作を行い吹出口2cが開放される。このように吹出口2cが開放された状態でファン5が駆動されて、室内空気が前面開口部2a及び上面開口部2bを通して室内機1の内部に取り入れられる。取り入れられた室内空気は、フィルタ6を通り、熱交換器4において熱交換されて、ファン5に吸い込まれる。ファン5に吸い込まれた熱交換された空気は、ファン5の下流側に形成された通風路17を通り、吹出口2cより吹き出される。
ファン5の下流側に形成されている、吹出口2cとその上流側に配置される通風路17は、ファン5の下流側に配置されて空気の流れを案内するリアガイダ7と、このリアガイダ7に対向するスタビライザ8と、本体2の両側壁(図示せず)とで形成されている。
吹出口2cからの空気の吹き出し方向は、上下風向変更羽根10及び左右風向変更羽根9により制御される。上下風向変更羽根10及び左右風向変更羽根9の角度調整等の動作は、室内機1を制御する制御装置(図示せず)により制御される。
なお、本実施の形態におけるスタビライザ8は、ファン5の下流近傍に配設され、ファン5の排出部付近に発生する渦を安定化させるスタビライザ機能を有する壁部分と、このスタビライザ機能を有する壁部分の下流側に配設され、ファン5により搬送された空気の圧力回復を担うディフューザー機能を有する壁部分とを含み、通風路17における吹出口2cに至る上側の壁部分を示している。
図3は、本実施の形態の空気調和機における室内機1の全体概略構成を示す斜視図であり、室内機1の一部を破断して人感センサユニットを示している。本実施の形態における室内機1には、前面パネル3に人の活動量を検知する活動量検知装置の一例として人感センサユニット18が設けられている。ここで、「人の活動量」とは、人の動きの度合いを示す概念であり、例えば、「活動量安静」、「活動量大」、「活動量中」、「活動量小」などの複数の活動量レベルに分類されるものである。「活動量安静」とは、例えば、ソファでくつろいでいるときのようなほとんど活動がない場合をいう。「活動量大」とは、掃除しているときのように広い領域で大きく頻繁に活動している場合をいう。「活動量中」とは、炊事などの狭い領域で活動している場合をいう。「活動量小」とは、食事をしているときのような多少活動している場合をいう。人感センサユニット18は、例えば人体から放射される赤外線を検知することにより人の在否を検知する赤外線センサにより構成されており、赤外線センサが検知する赤外線量の変化に対応するパルス信号に基づいて人の在否が判定される構成である。なお、人感センサユニット18の具体的な構成としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開2008−215764号公報に開示された人感センサユニットを使用することができる。
次に、上下風向変更羽根10の構成について、さらに詳しく説明する。図4は、上下風向変更羽根10の構成を示す概略図である。
上下風向変更羽根10は、前述したように、下羽根11と上羽根12とを有し、下羽根11と上羽根12は、吹出口2cの近傍において連動して回動し、一体化した一枚羽根による気流ガイド動作、若しくは二枚羽根による気流ガイド動作を行うよう構成されている。1枚羽根状態の上下風向変更羽根10において、吹出口2cから吹き出される空気の上流側となる下羽根11は、内部が空洞の樹脂材で構成されており、剛性を有すると共に、断熱構成、軽量構成及び結露の発生を防止する構成を有している。一方、吹出口2cから吹き出される空気の下流側となる上羽根12は、1枚の板材を加工して形成されており、剛性を有すると共に軽量化が図られている。
下羽根11と上羽根12とは、略平行な状態を維持するようにリンク機構により連結されている。本実施の形態においては、下羽根11と上羽根12とは、主アーム14と従アーム15により構成された一対のリンクアームにより、互いの距離が離接するよう連結されている。したがって、下羽根11と上羽根12と主アーム14と従アーム15とにより、4節リンク機構が構成されている。主アーム14と従アーム15は、上下風向変更羽根10における気流の流れ方向において所定距離だけ離れた位置に設けられており、主アーム14と従アーム15により生じる気流の乱れを可能な限り少なくなるよう構成されている。
なお、「略平行な状態」とは、下羽根11と上羽根12とが完全に平行な状態のみならず、巨視的に見て概ね平行な状態も含むことを意味する。下羽根11及び上羽根12としては、直線形状や同一の厚さを有するものだけでなく、湾曲形状や、段差部を有する形状のものを使用することができるからである。
下羽根11は、下羽根駆動軸13に固定されており、下羽根駆動軸13により回動するよう構成されている。下羽根駆動軸13は、吹出口2cの壁側の下端部2d(図4参照)の縁に沿ってその近傍に配設されており、本体2に設けられた下羽根駆動源(図示省略)により回動可能に構成されている。下羽根駆動源については後述する。
主アーム14は、下羽根駆動軸13と同軸上に配置された上羽根駆動軸19により所定角度だけ回動するよう構成されている。上羽根駆動軸19は、本体2に設けられた上羽根駆動源(図示省略)により回動するよう構成されている。上羽根駆動源については後述する。
上記のように構成された上下風向変更羽根10においては、下羽根駆動軸13が下羽根駆動源により回動したとき、下羽根11と上羽根12との位置関係が保持された状態で下羽根が回動するよう構成されている。また、上羽根駆動軸19が上羽根駆動源により回動したとき、主アーム14が回動して、上羽根12が下羽根11に対して離接動作(接近動作または離間動作)を行う。
図5は下羽根駆動軸13を回動したときの下羽根11と上羽根12との回動動作を示す図である。図6は上羽根駆動軸19のみを回動したときの下羽根11と上羽根12との離接動作を示す図である。
図5に示すように、下羽根駆動軸13を回動したときには、下羽根11と上羽根12は同じ距離を保持した状態(間隔を一定に維持した状態)で上下風向変更羽根10の全体が回動動作を行う。一方、図6に示すように、上羽根駆動軸19を回動したときには、下羽根11の位置が保持された状態で、上羽根12が下羽根11に対して略平行な状態を維持しつつ、離接動作を行う。
図7は、下羽根11と上羽根12を含む上下風向変更羽根10等の構成を示す分解斜視図である。図7に示すように、下羽根11の両側には羽根駆動源となるギアユニット20,21が設けられている。図7において、下羽根11の右側に配設された第1のギアユニット20は、下羽根駆動軸13を回動する下羽根駆動源である。一方、下羽根11の左側に配設された第2のギアユニット21は、上羽根駆動軸19を回動する上羽根駆動源である。空気調和機の制御装置(図示せず)が、この第1のギアユニット20および第2のギアユニット21を制御することにより、上下風向変更羽根10を制御する、すなわち下羽根駆動軸13と上羽根駆動軸19とを介して下羽根11と上羽根12とを制御する。
本実施の形態においては、4節リンク機構を構成する主アーム14及び従アーム15の対は、上下風向変更羽根10における両側と中央の3箇所に設けられている。各主アーム14の一端部分に形成された貫通孔は、上羽根駆動軸19により貫通されて係合しており、上羽根駆動軸19の回動に応じて所定角度だけ駆動可能に構成されている。各主アーム14の他端部分は、上羽根12の対応する所定位置に回動可能に軸支されている。また、各従アーム15の両端部分は、下羽根11と上羽根12における対応する所定位置に回動可能に軸支されている。
4節リンク機構を構成する主アーム14と従アーム15は、一枚羽根状態において、下羽根11に形成された凹部の内部に収納されるよう構成されている。また、一枚羽根状態において、主アーム14と従アーム15は、実質的に1直線上の一列状態に配置されるように、軸支位置が設定されており、下羽根11の凹部内部に直線状に収納される構成である。
本実施の形態の空気調和機においては、空気調和機の制御装置(図示せず)が上下風向変更羽根10を制御することにより、下羽根11と上羽根12は同じ距離を保持した状態で回動動作を行い、及び/又は、上羽根12と下羽根11が離接動作を行う。このように制御される上下風向変更羽根10により、吹出口2cから吹き出される空気を実質的に一方向、若しくは二方向(例えば、上部空間の方向と下部空間の方向)に向かう気流に分配することが可能となる。
図5に示したように、下羽根11と上羽根12は同じ距離を保持した状態で上下風向変更羽根10の全体が回動動作を行うことにより、下羽根11と上羽根12との間の空間を通って流れる主流の方向を上下方向に変更することができる。このとき、上羽根12と吹出口2cの上部壁(すなわちスタビライザ8)との間を通過する空気の流れる方向は上部空間の方向である。
また、図6に示したように、下羽根11の位置が保持された状態で、上羽根12が下羽根11に対して略平行な状態を維持しつつ離接動作を行うことにより、吹出口2cから吹き出される空気を実質的に一方向、若しくは二方向(例えば、上部空間の方向と下部空間の方向)に向かう気流に分配すると共に、その風量を変更することが可能となる。例えば、上羽根12が下羽根11に接近することにより、下羽根11と上羽根12との間隔が小さくなり、上羽根12とスタビライザ8(吹出口2cの上部壁)との間隔が大きくなる。これにより、下羽根11と上羽根12との間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量が小さくなり、上羽根12とスタビライザ8との間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量が大きくなる。
このように、上記のように構成された本実施の形態の空気調和機によれば、室内の上部空間へ吹き出す風量と、下部空間へ吹き出す風量との割合を自在に変動させることが可能となり、快適な空調空間を実現することができる。
なお、図2の(a)に示すように、下羽根12と上羽根11との間隔がゼロのとき、すなわち、上下風向変更羽根10が下羽根11の上流側部分に上羽根12の下流側部分が重なる1枚羽根状態のとき、空気の流れ方向における上下風向変更羽根10の長さが最大になる。その結果、吹出口2cから吹き出された空気をより遠くまで供給することができる。
ここからは、暖房時および冷房時の上下風向変更羽根10の動作について説明する。
図8は、暖房時の上下風向変更羽根10(下羽根11,上羽根12)の具体的な回動動作及び離接動作の例を示す図である。図8においては、主アーム14及び従アーム15等は省略して、下羽根11及び上羽根12を図示している、図9は、冷房時の上下風向変更羽根10(下羽根11,上羽根12)の具体的な回動動作及び離接動作の例を示す図である。図8及び図9は、本実施の形態の空気調和機の「通常」、「強」又は「弱」の動作レベルそれぞれについて、人の活動量レベルとして「活動量大」、「活動量中」又は「活動量安静」を人感センサユニット18が検知したときにおける上下風向変更羽根10の動作を示している。
なお、空気調和機の動作レベルは、ユーザーによって設定される。例えば、空気調和機を操作するコントローラ(リモートコントローラ)に、空気調和機の動作レベルを選択するためのボタンが設けられている。
暖房時においては、ユーザーの足元の温度が高いことがユーザーにとって快適であると考えられている。このため、暖房時においては、図2の(b)及び図8に示すように、下羽根11と上羽根12が相互に平行する状態を維持しつつ、且つ上下風向変更羽根10が下向き(または斜め下向き)になるように(すなわち下羽根11と上羽根12との間を通過する空気の主流方向が下向きになるように)、第1のギアユニット20及び第2のギアユニット21を介して上下風向変更羽根10を制御することが好ましい。
暖房時において室内機1の内部で温められた空気(温風)は、吹出口2cから上方に浮き上がろうとするが、下羽根11と上羽根12が相互に平行する状態を維持しつつ、且つ上下風向変更羽根10が下向き(または斜め下向き)になるように制御されることにより、吹出口2cから吹き出される多くの空気の流れ方向を下向き(または斜め下向き)にすることができる。その結果、図10〜12に示すように、室内機1の吹出口2cから吹き出された空気(温風)を床面に向けて供給することができ、ユーザーの足元の温度を高くすることが可能となる。
また、暖房時において、活動量が大きい時は足元だけでなく、室内全体を、温風を天井面及び床面を含む室内の壁面全体に循環させることにより、温めることが好ましい。このため、図8に示すように、本実施の形態の空気調和機においては、上下風向変更羽根10を2枚羽根状態にした状態で下向き(斜め下向き)にすることにより、室内の上部空間および下部空間に向かう二方向に空気が吹き出されるようにしている、これにより、本実施の形態の空気調和機においては、図11又は図12に示すように、室内機1の吹出口2cから吹き出される空気(温風)をユーザーの頭上に向う方向とユーザーの足元に向かう方向の二方向に分配することができ、室内を効率良く温めて、省エネルギー性能の高い暖房器具を実現することができる。
また、暖房時においては、図8に示すように、下羽根11を斜め下向きに固定した状態で、上羽根駆動軸19を介して主アーム14を回動させることにより、下羽根11と上羽根12との間隔を変更する制御を制御装置は行っている。
具体的には、暖房時において、下羽根11と上羽根12との間隔が、図8に示すように、活動量検知装置である人感センサユニット18によって検知された人の活動量に基づいて、空気調和機の制御装置(図示せず)によって変更される。
例えば、空気調和機が「通常」の動作レベルの暖房運転を実行している場合(ユーザーが「通常」の動作レベルの暖房運転を選択している場合)、空気調和機の制御装置は、人感センサユニット18によって検知される人の活動量(活動量レベル)が大きいほど、上羽根12を下羽根11に接近させ、下羽根11と上羽根12との間隔を小さくする。
これにより、例えば、活動中の人、すなわち活動量が大きく体が暖まっている人(活動量大」の人)の足元に大量の温風が当たることが抑制される。具体的に説明すると、下羽根11を斜め下向きに固定した状態で下羽根11と上羽根12との間隔を小さくすると、下羽根11と上羽12との間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量(温風の風量)が減少し、上羽根12とスタビライザ8と間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量(温風の風量)が増加する。したがって、図12に示すように、室内の下部空間に存在する活動中の人(「活動量大」の人)が、その足元に大量の温風が当たって過剰に暑さを感じることが抑制される。なお、図11は、「活動量中」のときを示している。
一方、下羽根11を斜め下向きに固定した状態で下羽根11と上羽根12との間の平行方向の距離を大きくすると、室内の下部空間に向かう温風の風量が増加し、室内の上部空間に向かう温風の風量が減少する。これにより、図10に示すように、例えば、安静中の人、すなわち活動量が小さく体が冷えている人(「活動量小」の人)の足元が大量の温風によって暖まることができる。
このように、室内に存在する人は、その活動量に応じて、快適な暖房感を得ることができる。
なお、空気調和機が「強」の動作レベルの暖房運転を実行している場合、すなわち、ユーザーが「強」の動作レベルの暖房運転を選択している場合、図8に示すように、空気調和機の制御装置は、人感センサユニット18によって検知される人の活動量に関係なく、下羽根11を斜め下向きに固定した状態で下羽根11と上羽根12との間の平行方向の距離を相対的に大きい状態(例えば最大の状態)に維持する。一方、ユーザーが「弱」レベルの暖房運転を選択している場合、人感センサユニット18によって検知される人の活動量に関係なく、下羽根11を斜め下向きに固定した状態で下羽根11と上羽根12との間の平行方向の距離を相対的に小さい状態に維持する。これにより、室内に存在する人は所望の暖房感を得ることができる。
一方、冷房時においては、例えばユーザーが「通常」の動作レベルの冷房運転を選択している場合、人感センサユニット18によって検知される人の活動量レベルが大きいと、空気調和機の制御装置(図示せず)は、下羽根駆動軸13を介して下羽根11を斜め下向きに配置すると共に、上羽根駆動軸19を介して上羽根12が下羽根11から所定距離離れた状態にする。一方、人感センサユニット18によって活動量レベルとして「活動量安静」が検知されている場合、制御装置は、下羽根駆動軸13を介して下羽根11を略水平方向に配置すると共に、上羽根12を下羽根11に載置する、すなわち上下風向変更羽根10を1枚羽根状態にする。
人感センサユニット18によって「活動量大」または「活動量中」が検知される場合、室内に存在する人は、活動量が大きいために暑く、室内機1から吹き出される冷風が直接あたることを望んでいると考えられる。したがって、下羽根11を斜め下向きに配置すると共に、上羽根12を下羽根11から離間した状態にする。これにより、図14又は図15に示すように、室内機1の吹出口2cから吹き出される空気(冷風)の一部が、ユーザーの頭上に向う方向に吹き出されるとともに、ユーザーに向かって吹き出される。なお、図14が「活動量大」のときを示し、図15が「活動量中」のときを示している。
一方、「活動量安静」が検知される場合、すなわち安静中の人が存在する場合、室内の上部空間と下部空間との温度差をなくし、且つ図13に示すように冷風を体に直接当てないように調整することが安静中の人にとって快適であると考えられている。したがって、「活動量安静」の状況においては、図2の(a)に示すように、上下風向変更羽根10を一枚羽根状態で略水平方向に配置することが好ましい。
冷房時において、室内機1の内部で冷やされた空気(冷風)は、暖かい空気より重いために吹出口2cから床面に向けて下降する。しかし、上下風向変更羽根10を一枚羽根状態で略水平方向に配置することによって上下風向変更羽根10の長さ(空気が流れ方向の長さ)を長くすることにより、吹出口2cから吹き出された冷たい空気を室内の天井面に沿って遠くへ流すことができる。この結果、図13に示すように、室内機1の吹出口2cから吹き出された空気(冷風)を天井面に沿って室内機1が設置された壁面に対向する壁面まで供給することが可能となる。その結果、室内の上部空間と下部空間の温度をより均一にすることができるとともに、安静中の人に冷風が直接当たらない空調を実現することができる。
なお、ユーザーが「強」の動作レベルの冷房運転を選択している場合、図9に示すように、空気調和機の制御装置(図示せず)人感センサユニット18によって検知されるユーザーの活動量に関係なく、羽根11を斜め下向きに配置すると共に、上羽根12を下羽根11から離間した状態にする。一方、ユーザーが「弱」レベルの冷房運転を選択している場合、人感センサユニット18によって検知される人の活動量に関係なく、下風向変更羽根10を一枚羽根状態で略水平方向に配置する。これにより、室内に存在する人は所望の冷房感を得ることができる。
また、前述の図8及び図9に示した上下風向変更羽根10の動作は、暖房時及び冷房時における一例の動作であり、これらに上下風向変更羽根10の動作は限定されない。例えば、上下風向変更羽根10を一枚羽根状態とする動作は、冷房時に限定されものではなく、状況に応じて暖房時においても使用可能である。また、下羽根11と上羽根12が所定距離を有して平行状態(二枚羽根状態)される動作も、状況に応じて実行されるものである。
これに関連して、人感センサユニット18の検知結果に基づく制御装置による上下風向変更羽根10の制御、すなわち上下風向変更羽根10の自動制御を実行するか否かをユーザーがコントローラを介して選択できるように空気調和機を構成してもよい。例えば、上下風向変更羽根10の自動制御を開始するまたは停止する「自動運転開始/停止ボタン」を、空気調和機を操作するコントローラ(リモートコントローラ)が備える。例えば、リモートコントローラの「自動運転開始/停止ボタン」が押されると、人感センサユニット18の検知結果に基づく制御装置による下羽根11と上羽根12との間隔の変更や上下風向羽根10の向き(すなわち下羽根11と上羽根12との間の空間を通って流れる主流の方向)の変更が停止される。これにより、ユーザーは、所定のタイミングで上下風向変更羽根10の自動制御を停止することにより、所望の状態で上下風向変更羽根10を停止させることができる。例えば、ユーザーに向かって快適な温風が吹き出されている状態で上下風向変更羽根10を停止させることができる。その結果、ユーザーは、所望の暖房感を得ることができる。
また、空気調和機を操作するコントローラ(リモートコントローラ)によって第1の羽根と第2の羽根との間隔をユーザーが変更できるようにしてもよい。例えば、コントローラが、下羽根11と上羽根12との間隔を変更するためのボタンを備える。これにより、ユーザーは下羽根11と上羽根12の間隔を所望に調整することができる。これにより、ユーザーは所望の暖房感を得ることができる。
本実施の形態によれば、例えば活動中の人であっても、また例えば安静中の人であっても、室内に存在する人に快適な暖房感を与えることができる。
なお、本発明の空気調和機としては、前述の実施の形態の構成に限定されるものではなく、前述の実施施の形態の構成で示した本発明の技術的思想は、その他種々の態様で実施可能である。例えば、前述の実施の形態の空気調和機は、暖房と冷房を兼用する空気調和機であるが、暖房機又は冷房機それぞれの専用機であっても適用可能である。また、前述の実施の形態においては室内機と室外機が別体のセパレート型であるが、圧縮機、凝縮機及び蒸発機等が一体となった一体型空気調和機に対しても適用可能である。また、本発明においては、室内機として壁掛け式に特定されるものではなく、床置き式等においても、空気の吹出口における上下風向変更羽根を同様の技術的思想により変形して風向調整することが可能である。
本発明の空気調和機は、吹出口からの空気を所望の領域に到達するように吹き出すことが可能となり、且つ吹出口からの空気に対して高い整流効果を発揮することができるため、業務用及び一般家庭等で使用される空気調和機として有用である。
1 室内機
2 本体
2a 前面開口部
2b 上面開口部
2c 吹出口
3 前面パネル
4 熱交換器
5 ファン
6 フィルタ
7 リアガイダ
8 スタビライザ(吹出口の上部壁)
9 左右風向変更羽根
10 上下風向変更羽根
11 下羽根(第1の羽根)
12 上羽根(第2の羽根)
13 下羽根駆動軸
14 主アーム
15 従アーム
16 左右風向変更羽根の駆動源
17 通風路
18 人感センサユニット
19 上羽根駆動軸
20 第1のギアユニット
21 第2のギアユニット
2 本体
2a 前面開口部
2b 上面開口部
2c 吹出口
3 前面パネル
4 熱交換器
5 ファン
6 フィルタ
7 リアガイダ
8 スタビライザ(吹出口の上部壁)
9 左右風向変更羽根
10 上下風向変更羽根
11 下羽根(第1の羽根)
12 上羽根(第2の羽根)
13 下羽根駆動軸
14 主アーム
15 従アーム
16 左右風向変更羽根の駆動源
17 通風路
18 人感センサユニット
19 上羽根駆動軸
20 第1のギアユニット
21 第2のギアユニット
Claims (3)
- 吹出口から室内に吹き出される空気の向きを上下に変更する上下風向変更羽根を有する空気調和機であって、
前記上下風向変更羽根が、前記吹出口に互いに平行に配置され、且つ互いに接近または離間可能な第1および第2の羽根を備えており、
前記空気調和機が、
室内に存在する人の活動量を検知する活動量検知装置と、
暖房時、前記活動量検知装置によって検知された人の活動量が大きいほど前記第2の羽根を第1の羽根に接近させることにより、前記第1の羽根と前記第2の羽根の間を通過して室内の下部空間に向かう空気の流量を減少させ、前記第2の羽根と当該前記第2の羽根と対向する前記吹出口の上部壁との間を通過して室内の上部空間に向かう空気の流量を増加させる制御装置とをさらに有する、空気調和機。 - 前記活動量検知装置の検知結果に基づく前記制御装置による前記第1の羽根と前記第2の羽根との間隔の変更を実行するか否かをユーザーが選択するためのコントローラをさらに有する、請求項1に記載の空気調和機。
- 前記コントローラが、前記第1の羽根と前記第2の羽根との間隔をユーザーが変更できるように構成されている、請求項2に記載の空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012174799A JP2014035087A (ja) | 2012-08-07 | 2012-08-07 | 空気調和機 |
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JP2012174799A JP2014035087A (ja) | 2012-08-07 | 2012-08-07 | 空気調和機 |
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---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2012
- 2012-08-07 JP JP2012174799A patent/JP2014035087A/ja active Pending
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