JP2014034733A - 紙塗工用組成物および紙塗工用樹脂 - Google Patents

紙塗工用組成物および紙塗工用樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】
顔料中の炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下である紙塗工用組成物を用いる塗工紙のインキ受理性、ウェットピック、及び通気性を向上させることのできるホルムアルデヒドの発生の無い紙塗工用組成物および紙塗工用樹脂を提供することができる。
【解決手段】
(1)顔料、
(2)バインダー、及び
(3)(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)2塩基性カルボン酸系化合物と(c)尿素類と(d)エピハロヒドリンを反応して得られるエピハロヒドリン由来のアゼチニウム基が0.3〜1.8mmol/g(固形)であり、かつ重量平均分子量が2万以下、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である紙塗工用樹脂
を含有し、
顔料中の炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下
であること特徴とする紙塗工用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙塗工用樹脂および紙塗工用組成物に関し、更に詳しくは、塗工原紙に本発明の紙塗工用樹脂を含有する紙塗工用組成物を塗工することで、炭酸カルシウムの多い顔料配合において、優れた印刷適性向上効果を塗工紙に付与することができるとともにホルマリンの発生のない紙塗工用樹脂、及びそれを使用した紙塗工用組成物に関する。
印刷用紙として広く用いられている塗工紙は、従来、クレー及び炭酸カルシウム等の顔料並びにラテックス及び澱粉等のバインダーを主成分とする組成物を原紙に塗工することによって製造されている。近年、コストダウンの流れから、顔料配合について、高価なクレーの配合量を減らし、安価な炭酸カルシウムの配合を大幅に増やす傾向にあり、このような塗工紙では一般的に印刷適性が出にくくなり、高速化、精密化、及び多色化等に代表される印刷技術のめざましい進歩に伴って、より高度な印刷適性の要求を満たすことが困難になってきた。特に、オフセット印刷においては、印刷時のインキの着肉状態を示すインキ受理性、湿し水に対する耐水性の向上、及び通気性の向上(輪転印刷での耐ブリスター性の向上)が強く要求されており、要求を満たすことが困難になってきている。また、炭酸カルシウムの配合を大幅に増やしていることから紙塗工用樹脂が従来の塗工紙の印刷適性におよぼす傾向が異なってきている。
これまで、紙塗工用組成物に添加して塗工紙に上記特性を付与することを目的とする樹脂として、従来、例えばポリアルキレンポリアミン−尿素−アルデヒド樹脂、ポリアミド−尿素−アルデヒド樹脂等の各種の樹脂が開発されてきた。
しかし、上記の紙塗工用樹脂はホルムアルデヒドで変性した樹脂であり、このような樹脂を使用する場合は、日本製紙連合会で定められた有害大気汚染物質の規制物質であるホルムアルデヒドが、塗工作業中の樹脂、又は得られた塗工紙から発生するという問題があった。また、これらの紙塗工用樹脂を含有する紙塗工用組成物は、例えば、湿し水の塗工層内部への浸透を促進してインキ受理性を向上させようとすると、耐水性が不充分になるためピッキングが生じやすくなったり、紙塗工用組成物の大幅な増粘を起こしたりした。従来、検討、提案されてきた樹脂では、塗工紙のインキ受理性及びウェットピックを向上させるためにホルムアルデヒドは不可欠であったため、ホルムアルデヒドを使用しない樹脂でインキ受理性、ウェットピック、及び通気性を向上させることができる樹脂の開発が望まれている。
このような観点から、塗工用組成物の大幅な増粘を引き起こさずに、塗工紙のインキ受理性及びウェットピックをバランス良く向上させ、有害物質の発生がない紙塗工用ポリアミドアミン樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらポリアミドアミン樹脂は炭酸カルシウムが多い顔料配合においては、塗工紙のインキ受理性、湿し水に対する耐水性、及び通気性の向上が不十分であるとの問題があった。
WO01/073200公報
本発明は、顔料中の炭酸カルシウムが90重量%以上100質量%以下である紙塗工用組成物を用いる塗工紙のインキ受理性、ウェットピック、及び通気性を向上させることのできるホルムアルデヒドの発生の無い紙塗工用組成物および紙塗工用樹脂を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、顔料中の炭酸カルシウムが90重量%以上100質量%以下である紙塗工用組成物において、紙塗工用樹脂が特定のアゼチニウム基量、および平均分子量、分子量分布の範囲にあるとき、塗工紙のインキ受理性、ウェットピック、及び通気性を向上させる効果を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決しようとする手段は、
(i)
(1)顔料、
(2)バインダー、
及び(3)(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)2塩基性カルボン酸系化合物と(c)尿素類と(d)エピハロヒドリンを反応して得られるエピハロヒドリン由来のアゼチニウム基が0.3〜1.8mmol/g(固形)であり、かつ重量平均分子量が2万以下、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である紙塗工用樹脂
を含有し、
顔料中の炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下
であること特徴とする紙塗工用組成物、
(ii)固形分として顔料を100質量部としたときに、紙塗工用樹脂が0.05〜5質量部、バインダーが5〜50質量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の紙塗工用組成物、
(iii)顔料及びバインダーを含有し、顔料中の炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下である紙塗工用組成物に用い、(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)2塩基性カルボン酸系化合物と(c)尿素類と(d)エピハロヒドリンとを反応して得られるエピハロヒドリン由来のアゼチニウム基が0.3〜1.8mmol/g(固形)であり、かつ重量平均分子量が2万以下、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であることを特徴とする紙塗工用樹脂、
である。
本発明によると顔料中の炭酸カルシウムが90重量%以上100質量%以下である紙塗工用組成物を用いる塗工紙のインキ受理性、ウェットピック、及び通気性を向上させることのできるホルムアルデヒドの発生の無い紙塗工用組成物および紙塗工用樹脂を提供することができる。
本発明の紙塗工用樹脂は、顔料及びバインダーを含有し、顔料中の炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下である紙塗工用組成物に用い、(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)2塩基性カルボン酸系化合物と(c)尿素類と(d)エピハロヒドリンとを反応して得られるエピハロヒドリン由来のアゼチニウム基が0.3〜2.0mmol/g(固形)であり、かつ重量平均分子量が2万以下、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であることを特徴とする紙塗工用樹脂である。
本発明に使用される(a)ポリアルキレンポリアミンとしては、アミノ基を複数有し、複数のアミノ基中少なくとも2個のアミノ基が1級又は2級アミノ基であり、かつアルキレン基を1以上備えているものをいう。このポリアルキレンポリアミンの一具体例としては、たとえば、一般式1で示される化合物をあげることができる。
Figure 2014034733


ただし、前記一般式1中、R、R、R、R及びR10は、それぞれ水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基を示し、両末端のアミノ基及び分子鎖中に結合するアミノ基の少なくとも2個のアミノ基はアミド結合可能な水素原子を結合する。このような条件を満たす限り、R、R、R、R及びR10それぞれは同一であっても相違する基であっても良い。式中のqは、1〜10、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜5であり、rは1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜5であり、sは1〜10、好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜5である。
前記一般式1のR、R、R、R及びR10の何れかがアルキル基であるとき、そのアルキル基は炭素数が1〜15、特に炭素数1〜10であるのが好ましい。前記一般式1のR、R、R、R及びR10の何れかがアリール基であるとき、そのアリール基はナフチル基等の縮合芳香環を有する基であっても、フェニル基等の単環芳香環を有する基であっても良い。
好ましいポリアルキレンポリアミンとしては、少なくとも2個の1級アミノ基と少なくとも1個の2級アミノ基を分子中に有する化合物である。このような化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、アミノエチルピぺラジン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等が挙げられる。これらの化合物のなかでも、ポリエチレンポリアミンが好ましく、具体的にはジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びアミノエチルピぺラジンが工業的な面で有利である。これらのポリアルキレンポリアミンは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、ポリアルキレンポリアミンの一部を本発明の効果を阻害しない範囲でアルキレンジアミンや炭素環式アミノ化合物などその他アミンに変えて用いることもできる。
本発明における(b)2塩基性カルボン酸系化合物としては、ポリアルキレンポリアミンと反応し、ポリアミド結合を形成できる2塩基性カルボン酸及びその誘導体であればよく、具体的には、フタル酸、テレフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、シクロヘキサン−1,3−若しくは−1,4−ジカルボン酸のような2塩基性カルボン酸、これらの酸無水物、及び/又はこれらのアルキルエステル類を用いることができ、これらの一部を本発明の効果を阻害しない範囲でモノカルボン酸系化合物に変えて用いてもよい。また、テトラヒドロフタル酸、3−又は4−メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−又は4−メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸のような炭素環式2塩基性カルボン酸、これら酸無水物を用いることもできる。これらの2塩基性カルボン酸系化合物は、その一種を単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明における(c)成分の尿素類としては、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素等があげられるが、特に尿素が好ましい。
本発明における(d)成分のエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリンなどが挙げられるが、エピクロロヒドリンが好ましい。
本発明の紙塗工用樹脂の製造においては、(a)〜(c)成分を反応させる順序に特に問題はなく、任意の順序で反応させることができる。
例えば、(a)成分と(b)成分を加えて縮合反応を行い、次いで(c)成分を加え、脱アンモニア反応を行うことができ、(a)成分と(c)成分を加えて脱アンモニア反応を行い、次いで(b)成分を加え、縮合反応を行うことができる。この場合において、縮合反応は60〜300℃、好ましくは80〜200℃で1〜10時間行うことが好ましく、脱アンモニア反応は90〜180℃で1〜10時間行うことが好ましい。
また、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を加えて縮合反応と脱アンモニア反応を同時に行うことができる。この場合において、反応温度は90〜180℃、1〜10時間行うことが好ましい。
(a)〜(c)成分を反応させて得られる紙塗工用樹脂の(a)〜(c)成分の比率は、(a)が有する1級アミノ基及び2級アミノ基の合計量1モルに対して、(b)成分のモル数は0.01〜0.7モルの範囲が好ましく、特に0.01〜0.4モルの範囲が好ましい。(c)成分のモル数が0.1〜1.0モルの範囲が好ましく、特に0.2〜0.6モルの範囲が好ましい。
(d)成分を使用する量は、(a)〜(c)成分を反応させて得られる反応物におけるアミノ基1モルに対する(d)成分のモル数は0.4〜1.2モルの範囲が好ましい。通常(a)〜(c)成分を反応させて得られる反応物に(d)成分滴下混合して、30〜100℃に加熱して付加反応又は架橋反応を0.5〜5時間程度行うことが好ましい。
(a)〜(c)成分を反応させて得られる反応物とエピハロヒドリン(d)成分との反応物のアゼチニウム基が0.3〜1.8mmol/g(固形)である。好ましくは、0.5〜1.2mmol/g(固形)であり、1.8mmol/g(固形)よりも多い場合は紙塗工用組成物の増粘を起こし、大幅にウェットピックが低下する場合がある。一方、0.3mmol/g(固形)より小さい場合は塗工紙のインキ受理性及びウェットピックを向上させることができない。
本発明におけるエピハロヒドリン由来のアゼチニウム基の含有量はH−NMR(内部標準物質TSP)により以下の条件にて測定した値である。
<紙塗工用樹脂のアゼチニウム基量>
H−NMR分析方法
装置:INOVA−400、5mm 4n_PFGプローブ(バリアン社製)
(1)測定サンプルの調製
サンプル溶液を正確に0.1g秤量し、内部標準物質としてTSP(3-(トリメチルシリル)2,2,3,3,−d4)プロピオン酸ナトリウム)(アイソテック社製)を重水(アクロス社製)で0.2%に希釈した水溶液を正確に1.0g秤量した。これらを均一に混合した溶液を測定サンプルとした。
(2)アゼチニウム基量の分析方法
測定核H、積算回数32回として、室温にて測定を行った。アゼチニウム基の窒素に隣接した炭素と結合した水素のピークが化学シフト4.3ppm(2H)、4.7ppm(2H)に観察される。これらの和の積分値とTSPの積分値から、樹脂1g中に存在するアゼチニウム基のmmol量を求めた。
本発明における紙塗工用樹脂の重量平均分子量は、2万以下であり、好ましくは、重量平均分子量が5百以上〜1万以下である。重量平均分子量が2万より大きい場合は紙塗工用組成物の増粘を起こし、大幅にウェットピックが低下する場合がある。一方、5百より小さい場合は塗工紙のインキ受理性及びウェットピックの向上効果が低い。
本発明における紙塗工用樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、2.5以下であり、好ましくは、分子量分布2.0以下である。
本発明における紙塗工用樹脂の重量平均分子量及び分子量分布は、GPC−MALSを用いた以下の条件にて測定した値である。
<紙塗工用樹脂の重量平均分子量、分子量分布>
GPC−MALSを用いて、下記の条件にて測定した。
(1)GPC−MALS
HPLC :1100 Series(Agilent社製)
カラムオーブン:CO631A(GLScience社製)
カラム :G3000PWXL+G5000PWXL
RI検出器 :RI−101(Shodex社製)
光散乱検出器 :DAWN−EOS(Wyatt社製)
(2)測定条件
溶媒 :0.4M リン酸緩衝液
流速 :1.0mL/min
温度 :40℃
本発明の紙塗工用組成物は、上述の紙塗工用樹脂の他に、顔料及びバインダー等を含有する組成物である。
本発明の顔料中の炭酸カルシウムは、顔料のうちの炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下含んでいることが必須であり、さらに好ましくは、95質量%以上100質量%以下であり、重質炭酸カルシウムおよび軽質炭酸カルシウムを使用することができる。何れの粒径(微粒や超微粒等)、粒度(エンジニアード等)、結晶型(カルサイトやアラゴナイト等)、粗形(立方形、紡錘形、棒状等)の炭酸カルシウムも使用可能であり、これらの炭酸カルシウムは1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
炭酸カルシウム以外の顔料としては、たとえば、クレー、タルク、サチンホワイト、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、合成シリカ、酸化亜鉛等の無機顔料、及びスチレン系ポリマー、尿素系ポリマー等の有機顔料を用いることができる。これらの顔料は1種類のみ用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよいが、顔料のうちの10質量%以下である必要がある。
バインダーとしては、水性バインダーが好ましい。水性バインダーとしては、たとえば、スチレン−ブタジエン系樹脂、(メタ)アクリレート−ブタジエン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン−(メタ)アクリレート系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、及びポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の水溶性合成高分子化合物等の合成高分子化合物等、澱粉、変性澱粉(酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉、アルファー化澱粉、及びカチオン化澱粉等)、アルギン酸ソーダ、グアーガム、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、酵母タンパク、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)等の天然高分子化合物及びその誘導体が挙げられる。これらの中でもスチレン−ブタジエン系樹脂や変性澱粉を用いるのが好ましい。
この発明の紙塗工用組成物には、前記の顔料、バインダーのほか分散剤、滑剤、増粘剤、減粘剤、消泡剤、抑泡剤、防腐剤、防カビ剤、保水剤、蛍光増白剤、染料、導電剤、pH調節剤などの各種助剤も必要に応じて適宜に配合することができる。
本発明の紙塗工用組成物中の、紙塗工用樹脂、顔料、バインダー、及び助剤の割合は、顔料100重量部に対して、紙塗工用樹脂は0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部であり、バインダーは5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部であり、助剤は0.001〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。尚、紙塗工用樹脂、顔料、バインダー、及び助剤の割合は、全て固形分として計算した割合である。
本発明の紙塗工用組成物は、例えば、顔料を分散剤とともに水中に分散させ、これにバインダー、及び必要に応じて粘度調節剤等の助剤を加え、更に、本発明の紙塗工用樹脂を加えて攪拌し、そしてさらに必要に応じて苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調節剤でpHを調節して調製する。
このようにして得られる紙塗工用樹脂組成物の固形分濃度64%におけるB型粘度は5000mPa・s以上では部分的に凝集物ができたりしてストリークやスクラッチ、ブリーディングの原因となったり、塗工時のハンドリングが良くないため実用的でない。好ましくは3000mPa・s以下である。さらに好ましくは2000mPa・s以下である。
本発明の紙塗工用組成物を、公知の方法で原紙の表面に塗工し、乾燥することによって、本発明の塗工紙を製造することができる。
前記原紙としては、墳料として炭酸カルシウム等を使用した中性抄造紙、及び填料としてタルク等を使用した酸性抄造紙等の種々の上質紙並びに中質紙、中性ないし酸性で抄造された種々の板紙、その他無機質繊維を含んだシート合成紙等が好適に使用される。前記原紙の坪量は60g/m未満でも効果があるが、60〜200g/mの原紙を使用した際に、耐ブリスター性向上効果が顕著であり、80〜200g/mの原紙を使用した際に、さらに耐ブリスター性向上効果が顕著である。
紙塗工用組成物の塗工量については、原紙の両面に塗工した塗工量の合計が20g/m未満でも良好な性能が得られるが、20〜50g/mの場合に耐ブリスター性向上効果に優れ、30〜50g/mの場合にさらに耐ブリスター性向上効果に優れる。
本発明の紙塗工用組成物は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、サイズプレスコーター、ドクトルコーター、ブラシコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、キャストコーター、チャンプレックスコーター等の通常用いられる塗工装置を用いて原紙の表面に塗工される。また、オンマシンコーティング、オフマシンコーティングのいずれの塗工方法も適用できる。また、本発明の紙塗工用組成物は、一層塗工にも多層塗工にも適用でき、さらに片面塗工、両面塗工のいずれにも適用可能である。
塗工後の乾燥は、例えばガスヒーター、電気ヒーター、蒸気加熱ヒーター、赤外線ヒーター、熱風加熱ヒーター等の通常の方法で行うことができる。乾燥後は、必要に応じてスーパーカレンダー、水カレンダー、グロスカレンダー等の仕上げ工程によって光沢度を付与することが可能であり、その他一般的な加工手段はいずれも使用することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、各例中、%は特記しない限りすべて質量%である。
(製造例1)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン(1.0モル、178.6g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.5モル、126.5g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.1モル、114.4g)および水18.7gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水424.7gを加え、エピクロロヒドリン(0.9モル、144.2g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度20mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Aとする。
(製造例2)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン(1.0モル、170.1g)を仕込み、120℃に昇温した。テトラヒドロ無水フタル酸(0.5モル、125.4g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.05モル、103.9g)および水18.7gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水424.7gを加え、エピクロロヒドリン(0.95モル、144.9g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度14mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Bとする。
(製造例3)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにトリエチレンテトラミン(1.0モル、183.6g)を仕込み、120℃に昇温した。テレフタル酸(0.5モル、104.3g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で4時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.55モル、116.9g)および水18.4gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水425.0gを加え、エピクロロヒドリン(1.30モル、151.0g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度23mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Cとする。
(製造例4)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにテトラエチレンペンタミン(1.0モル、199.6g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.5モル、77.1g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.9モル、120.3g)および水18.1gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水425.3gを加え、エピクロロヒドリン(1.6モル、156.1g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度26mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Dとする。
(製造例5)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン(1.0モル、191.7g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.5モル、135.8g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.5モル、167.4g)および水21.8gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水421.6gを加え、エピクロロヒドリン(0.5モル、86.0g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度15mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Eとする。
(製造例6)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにトリエチレンテトラミン(1.0モル、176.4g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.5モル、88.1g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.3モル、94.2g)および水16.3gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水427.0gを加え、エピクロロヒドリン(1.7モル、189.7g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度26mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Fとする。
(製造例7)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン(1.0モル、201.9g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.5モル、143.0g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.1モル、129.3g)および水21.2gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水422.2gを加え、エピクロロヒドリン(0.54モル、97.8g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度30mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Gとする。
(製造例8)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン(1.0モル、221.1g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.5モル、156.6g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.1モル、141.6g)および水23.2gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水420.2gを加え、エピクロロヒドリン(0.3モル、59.5g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、60℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度28mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Hとする。
(製造例9)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン(1.0モル、164.4g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.5モル、116.4g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(1.1モル、105.3g)および水17.2gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水426.2gを加え、エピクロロヒドリン(1.17モル、172.5g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、40℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度15mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Iとする。
(製造例10)
温度計、リービッヒ冷却器、及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコにジエチレントリアミン(1.0モル、172.8g)を仕込み、120℃に昇温した。アジピン酸(0.8モル、195.8g)を添加し、生成する水を除去しながら170℃で3時間縮合反応を行った。続いて、リービッヒ冷却器を還流冷却器に交換し、尿素(0.45モル、45.3g)および水18.6gを加えて、120℃で3時間脱アンモニア反応を行った。次いで、水424.8gを加え、エピクロロヒドリン(0.95モル、147.2g)を発熱に注意しながら滴下し、さらに、80℃で1時間反応させた。これに水および25質量%アンモニア水を加えて濃度、pHを調整し、固形分濃度50質量%、pH8.0、B型粘度59mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Jとする。
(製造例11)
WO01/073200公報(特許文献1)の実施例2を参考にして、固形分濃度60質量%、pH7.5、B型粘度600mPa・sの紙塗工用樹脂の水溶液を得た。これを紙塗工用樹脂Kとする。
製造例1〜10で得られた紙塗工用樹脂の粘度、pH、アゼチニウム基量、分子量、分量分布は以下のようにして測定した。測定結果は表1に示す。
<紙塗工用樹脂の粘度>
B型粘度計((株)東京計器製:型式BM型)を用いて、25℃、60rpmにて紙塗工用樹脂の粘度を測定した。
<紙塗工用樹脂のpH>
ガラス電極式水素イオン濃度計(東京電波工業(株)製)を用いて紙塗工用樹脂のpHを測定した。
<紙塗工用樹脂のアゼチニウム基量>
[1]>H−NMR分析方法
装置:INOVA−400、5mm 4n_PFGプローブ(バリアン社製)
(1)測定サンプルの調製
サンプル溶液を正確に0.1g秤量し、内部標準物質としてTSP(3-(トリメチルシリル)2,2,3,3,−d4)プロピオン酸ナトリウム)(アイソテック社製)を重水(アクロス社製)で0.2%に希釈した水溶液を正確に1.0g秤量した。これらを均一に混合した溶液を測定サンプルとした。
(2)アゼチニウム基量の分析方法
測定核H、積算回数32回として、室温にて測定を行った。アゼチニウム基の窒素に隣接した炭素と結合した水素のピークが化学シフト4.3ppm(2H)、4.7ppm(2H)に観察される。これらの和の積分値とTSPの積分値から、樹脂1g中に存在するアゼチニウム基のmmol量を求めた。
<紙塗工用樹脂の重量平均分子量、分子量分布>
GPC−MALSを用いて、下記の条件にて測定した。
(1)GPC−MALS
HPLC :1100 Series(Agilent社製)
カラムオーブン:CO631A(GLScience社製)
カラム :G3000PWXL+G5000PWXL
RI検出器 :RI−101(Shodex社製)
光散乱検出器 :DAWN−EOS(Wyatt社製)
(2)測定条件
溶媒 :0.4M リン酸緩衝液
流速 :1.0mL/min
温度 :40℃
Figure 2014034733

次に、以上の製造例で得られた各樹脂を用いて、紙塗工用組成物を調整し、評価した例を示す。以下の例では、下記のマスターカラーIを用いた。

マスターカラーI組成:
<顔料>
炭酸カルシウム:FMT−97(株式会社ファイマテック製) 100質量部
<バインダー>
ラテックス:JSR−0696(JSR株式会社製) 10質量部
澱粉:MS−4600(日本食品化工株式会社製) 2質量部
<その他>
消泡剤:SN−デフォーマー777(サンノプコ株式会社製) 0.05質量部
実施例1〜7:マスターカラーIへ、その中の顔料100質量部に対し、製造例1〜7で得られた紙塗工用樹脂A〜Gを、その中の固形分が0.5質量部の割合となるように添加した。それぞれの組成物を総固形分濃度が64質量%、pHが9.5になるように、水及び30質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度及びpHを調整し紙塗工用組成物を得た。
比較例1〜4:マスターカラーIへ、その中の顔料100質量部に対し、製造例8〜11で得られた紙塗工用樹脂H〜Kを、その中の固形分が0.5質量部の割合となるように添加した。それぞれの組成物を総固形分濃度が64質量%、pHが9.5になるように、水及び30質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度及びpHを調整し紙塗工用組成物を得た。
次に、以上の製造例で得られた各樹脂を用いて、紙塗工用組成物を調整し、評価した例を示す。以下の例では、下記のマスターカラーIIを用いた。

マスターカラーII組成:
<顔料>
クレー:ウルトラホワイト90(BASF社製) 15質量部
炭酸カルシウム:FMT−97(株式会社ファイマテック製) 85質量部
<バインダー>
ラテックス:JSR−0696(JSR株式会社製) 10質量部
澱粉:MS−4600(日本食品化工株式会社製) 2質量部
<その他>
分散剤:アロンT−50(東亜合成株式会社製) 0.02質量部
消泡剤:SN−デフォーマー777(サンノプコ株式会社製) 0.05質量部
比較例5〜8:マスターカラーIIへ、その中の顔料100質量部に対し、製造例1〜2、8〜9で得られた紙塗工用樹脂A〜B、H〜Iを、その中の固形分が0.5質量部の割合となるように添加した。それぞれの組成物を総固形分濃度が64質量%、pHが9.5になるように、水及び30質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて、固形分濃度及びpHを調整し紙塗工用組成物を得た。
紙塗工用組成物の物性試験及び塗工紙の評価
この紙塗工用組成物のB型粘度及びハイシェアー粘度を測定した。さらに、この紙塗工組成物を坪量79g/mの上質紙の片面に、ブレード塗工機を用いて、塗工量が10g/mとなるように塗布し、塗工後直ちに150℃にて5秒間熱風乾燥した。次いで、温度23℃、相対湿度50%にて、24時間調湿し、さらに、ロール温度60℃、線圧125kN/mの条件で2回カレンダー処理を行い、塗工紙を得た。得られた塗工紙を温度23℃、相対湿度50%にて、24時間調湿した後、インキ受理性、ウェットピック、及び透気度の評価を行った。結果を表2に示した。
各試験方法は次のとおりである。
(1)紙塗工用組成物のB型粘度
B型粘度計((株)東京計器製:形式BM型)を用いて、25℃、60rpmにて、調製直後の紙塗工用組成物の粘度を測定した。
(2)紙塗工用組成物のハイシェアー粘度
ハーキュレス型ハイシェアー粘度計を使用して、25℃においてボブFで回転数6600rpm、スイープ時間5秒の条件で測定した。
(3)ウェットピック
RI印刷試験機(IHI機械システム社製:RI−1型)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷して、紙剥け状態を肉眼で観察し判定した。判定は、優5.0〜劣1.0であり、数値が大きいほど紙剥けが少なく、耐水性が良好であることを示す。
(4)インキ受理性
RI印刷試験機(IHI機械システム社製:RI−1型)を使用し、塗工面を吸水ロールで湿潤させた後に印刷して、マクベス濃度計の示した値をインキ受理性とした。数値が大きいほどインキ受理性が良好であることを示す。
(5)透気度
MESSMER社製PPS(パーカープリントサーフ)を使用して測定した。数値が小さい程、通気性が良好であることを示す。
Figure 2014034733
表2からも明らかなように、本発明の紙塗工用組成物を用いることにより、塗工紙のインキ受理性、ウェットピックがバランスよく向上することがわかる。
実施例1〜2と比較例5〜6とを対比することで、塗工用組成物の顔料として炭酸カルシウムを90質量%以上100質量%以下用いる場合、本発明の紙塗工用組成物を用いることにより、塗工紙のインキ受理性、耐水性及び通気性をバランス良く向上させることがわかる。
また、実施例1〜2と比較例5〜6及び比較例1〜2と比較例7〜8とを対比することで、塗工用組成物の顔料として炭酸カルシウムを90質量%以上100質量%以下用いる場合、本発明の紙塗工用樹脂を用いることによって、本発明以外の紙塗工用樹脂を紙塗工用組成物に用いた場合に比べ、塗工紙のインキ受理性、耐水性及び通気性をバランス良く顕著に向上させることがわかる。
実施例1と比較例1〜2とを対比することで、アゼチニウム基が0.3〜1.8mmol/g(固形)である本発明の紙塗工用樹脂の紙塗工用組成物を用いることにより、塗工紙のインキ受理性及び耐水性の向上効果が優れることがわかる。
実施例1と比較例3とを対比することで、本発明の紙塗工用樹脂の重量平均分子量が2万より大きい場合の紙塗工用組成物や分子量分布(Mw/Mn)が2.5より大きい場合の紙塗工用組成物を用いると、塗工紙のインキ受理性及び耐水性の向上効果が不十分であることがわかる。
実施例1と比較例4とを対比することで、先行技術の紙塗工用樹脂を用いた紙塗工用組成物よりも本発明の紙塗工用樹脂を用いた紙塗工用組成物を用いることにより、塗工紙のインキ受理性、耐水性及び通気性をバランス良く向上させることができることがわかる。

Claims (3)

  1. (1)顔料、
    (2)バインダー、及び
    (3)(a)ポリアルキレンポリアミンと(b)2塩基性カルボン酸系化合物と(c)尿素類と(d)エピハロヒドリンを反応して得られるエピハロヒドリン由来のアゼチニウム基が0.3〜1.8mmol/g(固形)であり、かつ重量平均分子量が2万以下、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である紙塗工用樹脂
    を含有し、
    顔料中の炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下
    であること特徴とする紙塗工用組成物。
  2. 固形分として顔料を100質量部としたときに、紙塗工用樹脂が0.05〜5質量部、バインダーが5〜50質量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の紙塗工用組成物。
  3. 顔料及びバインダーを含有し、顔料中の炭酸カルシウムが90質量%以上100質量%以下である紙塗工用組成物に用い、
    (a)ポリアルキレンポリアミンと(b)2塩基性カルボン酸系化合物と(c)尿素類と(d)エピハロヒドリンとを反応して得られるエピハロヒドリン由来のアゼチニウム基が0.3〜1.8mmol/g(固形)であり、かつ重量平均分子量が2万以下、分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であることを特徴とする紙塗工用樹脂。
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