JP2014031542A - 被覆銀微粒子の製造方法及び当該製造方法で製造した被覆銀微粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱により分解して金属銀を生成しうる銀化合物と、アルキルアミンと、水に対して溶解性を有する少なくとも1種のアルコール化合物と、を混合して、当該銀化合物とアルキルアミンとを含む錯化合物を生成する第1工程、及び前記錯化合物を加熱分解して、アルキルアミンを含む保護膜で被覆された銀微粒子を生成する第2工程、を含む。
【選択図】なし
Description
また、銀イオンはバクテリアなどに対して極めて強い殺菌性を示すところ、比表面積の大きな銀微粒子を用いることにより微量の銀により高い殺菌力を得られることが期待される。また、特異な光学的性質を生かして、色素や反射鏡の材料として銀微粒子を使用することが検討されている。
上記特許文献3においては、より極性の強いアルキルジアミンをアルキルアミンと共に用いることで、アルキルアミンの種類によらず速やかに銀を含む化合物とアルキルアミンを含む錯化合物を生成し、良好な被覆銀微粒子が得られることが記載されている。
しかしながら、主に錯化合物の形成のために用いられるアルキルジアミン等も、製造される被覆銀微粒子の被膜に含まれるため、被覆銀微粒子の各種特性に影響を与えることになり、被覆銀微粒子の用途によっては他の成分により置換することが望ましい場合が存在すると予想される。
本発明の好ましい実施形態では、前記アルコール化合物の少なくとも1種が、多価アルコールを含む。本発明の好ましい1つの実施形態では、前記第1工程において、更に脂肪酸を混合することができ、他の実施形態では、更に水を混合してもよい。前記銀化合物は、シュウ酸銀を主成分とすることが好ましい。
本発明において、アルコール化合物とは、炭化水素に含まれる水素原子の少なくとも一つをヒドロキシ基(−OH)で置き換えたものを意味し、当該置換される水素原子の位置や個数を問わないものとする。本発明においては、このようなアルコール化合物の内で一定程度の強さの極性を有するものを使用することを特徴とする。
本発明において、各種アルコール化合物について、銀化合物とアルキルアミン間の錯化合物の形成促進の効果と、当該アルコール化合物の水への溶解度との関係を種々検討したところ、水に対して有意な溶解性を示すアルコール化合物においては、銀化合物とアルキルアミン間の錯化合物の形成促進に一定の効果が見られた。その一方、水に対して溶解性を示さないアルコール化合物においては、当該錯化合物の形成促進に有意の効果が見られないことが明らかになった。
一方、比較的高い沸点を有するアルコール化合物を用いた場合には、錯化合物の熱分解の工程においても安定して反応系に残留するため、安定的な被覆銀微粒子の生成の点で好ましい。これに対して、OH基が一個のアルキルアルコールにおいては、分子量が大きいことにより沸点が高いアルコール化合物は一般に水への溶解度が低く錯化合物の生成促進作用が低下する傾向がみられ、一種のトレードオフが存在する傾向が観察される。
このようなことを考慮すれば、本発明において特に好ましく使用されるアルコール化合物としては、一分子内に2個のOH基を有するグリコールや、3個のOH基を有するグリセリン等が挙げられる。
以下、本発明により被覆銀微粒子を製造する方法を具体的に説明する。
被覆銀微粒子を製造するために用いる銀の原料としては、銀を含む化合物の中で、加熱により容易に分解して原子状の銀を生成する銀化合物が好ましく使用される。このような銀化合物として、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、安息香酸、フタル酸などのカルボン酸と銀原子が化合したカルボン酸銀の他、塩化銀、硝酸銀、炭酸銀等がある。これらの中で、分解により容易に金属銀を生成し、かつ銀以外の不純物を生じにくい等の観点からシュウ酸銀が好ましく用いられる。シュウ酸銀は、銀含量が高く、また通常は200℃程度の低温で分解しやすく、また分解の際にシュウ酸イオンが二酸化炭素として除去され金属銀が得られるため、不純物が残留しにくい点で有利である。本発明の方法に用いられるシュウ酸銀は、例えば、市販のシュウ酸銀を用いることができる。また、シュウ酸銀のシュウ酸イオンを、20モル%以下の炭酸イオン、硝酸イオン、酸化物イオンの1種以上で置換した銀化合物を使用してもよい。特に、シュウ酸イオンの20モル%以下が炭酸イオンで置換されたシュウ酸銀は熱安定性が高まるが、置換量が20モル%を超えると、これを用いて生成した錯化合物が熱分解しにくくなる場合がある。
アミン錯体分解法により被覆銀微粒子を製造しようとする場合、使用するアミンとしては、アルキル基の一部にアミノ基が結合したアルキルモノアミン、アルキルジアミン等が望ましく使用される。本明細書において、アルキルアミンとは、アルキル基に対して一つのアミノ基が結合したアルキルモノアミン、及び、アルキル基に対して二つのアミノ基が結合したアルキルジアミンを含むものとする。また、両者を区別する場合には、それぞれアルキルモノアミン、アルキルジアミンと記載する。
本発明に係る製造方法においては、アルキルアミンとして主にアルキルモノアミンを使用するが、製造される被覆銀微粒子に求められる特性等に応じて、適宜アルキルジアミンを混合して使用することができる。
更に、このようなアルキルジアミンや炭素数が5以下の短鎖のアルキルモノアミンを長鎖・中鎖のアルキルモノアミンに対して所定の割合で混合して用いることにより、両者の長所を生かした被覆銀微粒子を製造することが可能となる。つまり、両者を適宜の割合で混合したアルキルアミンを含む混合物を用いることで、銀化合物との錯化合物を良好に形成し、且つ、保存性に優れ、無極性の有機溶媒中に分散可能な被覆銀微粒子を製造することが可能となる。
本発明においては、銀化合物とアルキルアミン等の錯化合物を生成する際に、一定程度以上の極性を示すアルコール化合物を介在させることを特徴とする。このような用途で用いられるアルコール化合物は、典型的には室温において水(H2O)に対する溶解度を有するものであることが望ましい。水に対する溶解度を示すアルコール化合物は一定の極性を有し、このようなアルコール化合物を用いることによって銀化合物とアルキルアミン等の錯化合物の生成を促進することができる。このようなアルコール化合物の示す具体的作用は明らかでないが、固体状態の銀化合物においては当該銀化合物である銀を含む分子が結晶等を形成して凝集しているため、特に長鎖・中鎖のアルキルアミン等による銀原子への配位が良好に進まないのに対して、極性の強いアルコール化合物が介在する場合には、当該アルコール化合物が銀化合物の結晶等を解砕するためにアルキルアミン等による配位が効率的に進展するものと考えられる。
また、このようにして用いられるアルコール化合物は、生成する錯化合物や、それを熱分解することで得られる被覆銀微粒子の被覆部分にも含まれため、本発明において各種のアルコール化合物を適宜に選択して用いることにより、製造される被覆銀微粒子に各種の機能を付加することも可能である。
所定のアルコール化合物が示すこのような特徴を活かして、本発明の好ましい実施形態として、主に長鎖・中鎖のアルキルアミンを用いて被覆銀微粒子を製造する際にこのようなアルコール化合物を介在させることで錯化合物の生成を補助・促進させることができる。また、短鎖のアルキルアミンやアルキルジアミンが存在する場合においても、錯化合物の生成補助と共に、製造される被覆銀微粒子に所定の特徴を付与する手段として各種のアルコール化合物を介在させることができる。
このようなアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ピナコール、プロピレングリコール、メントール、カテコール、ヒドロキノン、サリチルアルコール、ペンタエリトリトール、スクロース、グルコース、キシリトール、メトキシエタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ペンタエリトリトール等、及び、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコールを含むポリエチレングリコール類が挙げられる。
また、製造される被覆銀微粒子の用途に応じて、硫黄原子を含むアルコール化合物として、2,2’−チオジエタノール、3−チオフェンエタノール、2−チオフェンエタノール、3−チオフェンメタノール、2−チオフェンメタノール、αーチオグリセロール、2−(メチルチオ)エタノール等が挙げられる。また、リン原子を含むアルコール化合物として、ジメチル(ヒドロキシメチル)ホスホネート、ジメチル(2−ヒドロキシエチル)ホスホネート等を用いることができる。更に、ケイ素原子を含む2−(トリメチルシリル)エタノール、2−(トリメチルシリル)−1−プロパノール、トリエチルシラノール等のアルコール化合物を用いることができる。
錯化合物の熱分解による被覆銀微粒子の生成は、通常70〜150℃程度の範囲で行われるため、本発明において使用されるアルコール化合物としては、当該温度範囲において蒸気圧が低いものが好ましく使用される。特に、大気圧下での被覆銀微粒子の生成を考慮した場合には、アルコール化合物の蒸気圧の影響が大きい傾向が見られる。具体的には、沸点の低いメタノール等を介在させて被覆銀微粒子の生成を行う場合には、バッチ間の特性のばらつきや銀の収率の低下を生じやすい傾向が見られる。このため、使用するアルコール化合物として、沸点が70℃以上のものであること、更に好ましくは沸点が80℃以上のものを使用することが好ましい。
特に、アルコール化合物の使用量をアルキルアミンに対して10モル%〜300モル%程度とすることで、錯化合物の生成が良好に促進されると共に、良好な錯化合物を生成することが可能となる。また、この範囲の割合においてアルコール化合物の割合が増加すると、一般に錯化合物の生成時間が短縮すると共に、錯化合物に含まれるアルコール化合物の割合が増加するために、錯化合物の熱分解により生じる被覆銀微粒子の粒径が拡大すると共に、生じた被覆銀微粒子の極性溶媒への分散性を向上することができる。一方、アルコール化合物の割合を減少させることで、錯化合物や被覆銀微粒子の被覆に含まれるアルコール化合物が減少し、微細で緻密な被覆を有する被覆銀微粒子が得られる傾向が見られる。
更に、被覆銀微粒子の収率を高めたり、均一性を向上する等の目的で、銀化合物とアルキルアミンを混合して錯化合物が生成した混合物中にアルコール化合物を加えることで、錯化合物の生成反応の完了していない銀化合物についての処理を行ってもよい。
本発明に係る方法で製造される被覆銀微粒子は、その使用される用途に応じて、主に使用するアルキルアミンの選択により、例えば、アルコールやエステル溶剤等の極性溶媒や、オクタン等の非極性溶剤、又はそれらの混合溶剤等の適宜の有機溶媒に高濃度で分散させた分散液として使用することが可能である。また、ペースト状の組成物とすることが可能である。本発明に係る方法で製造される被覆銀微粒子を分散液やペーストとすることで、特に低温で銀配線を形成するための材料として好ましく使用することができる。
本発明に係る方法で製造された被覆銀微粒子を分散させて分散液とする場合に使用する有機溶媒は、被覆銀微粒子の保護膜に含まれるアルキルアミン等の脱離を生じさせ難くいものが好ましく用いられる。
銀化合物とアルキルアミンの錯化合物の生成は、一般的には粉末状の銀化合物に対して所定量のアルキルアミンとを混合することで行う。本発明においては、この際に所定のアルコール化合物を反応系に介在させることにより、錯化合物の生成を促進させることを特徴とする。アルコール化合物を反応系に介在させる手法としては、予め作成したアルキルアミンとアルコール化合物の混合物に銀化合物を加えてもよく、また、主にアルコール化合物を銀化合物と混合して銀化合物を解砕等した後にアルキルアミンを加えて銀化合物とアルキルアミンの錯化合物とするなど、適宜の手法を用いることができる。
上記により生成した銀化合物とアミン混合物との錯化合物を加熱して、錯化合物に含まれる銀化合物を分解することで銀原子を遊離させ、これらが凝集することにより銀微粒子が形成される。このようなアミン錯体分解法による被覆銀微粒子の製造過程においては、予め生成した単一成分(錯化合物)の熱分解反応により原子状銀が供給されるため、複数成分間の化学反応による場合に比べて、各成分の濃度の揺らぎ等に起因した反応のムラを生じ難く、粒子径のそろった銀微粒子が安定して製造できるものと推察される。このため、アミン錯体分解法による銀微粒子の製造は、特に反応に関与する複数の成分を均一に混合することが困難な大規模な工業的生産過程においても有利であると考えられる。
一方、本発明において錯化合物の生成時にアルコール化合物を介在させた場合、一部の銀化合物は当該アルコール化合物と錯化合物を形成することが予想される。このため、アルキルアミンと比較して弱い結合力で銀化合物に配位結合するアルコール化合物を用いる等により、錯化合物を熱分解する際に当該アルコール化合物の一部が離脱して銀原子のみが凝集する結果、生成する被覆銀微粒子の平均粒径を拡大することができると考えられる。
上記のようにして生成される被覆銀微粒子は、その用途に応じて、反応媒であるアルキルアミン等と分離した後に、適宜の分散媒等に混合されて保存・使用される。
本発明の方法により製造された被覆銀微粒子の一例を図1(図1−1及び1−2)に示す。図1は、以下の実施例に記載した方法で製造されたアルキルアミン混合物を含む保護膜により被覆された銀微粒子である。本発明により製造される被覆銀微粒子は、用いるアルコール化合物の種類を選択することによって銀微粒子の粒径を約5〜500nm程度の範囲で調節することが可能である。その粒子表面が厚さ数nm程度のアルキルアミンを含む保護膜で覆われることで、図1に示すように、各銀微粒子が独立して安定に存在することができる。
一方、本発明により製造された被覆銀微粒子を適宜の温度に加熱することで、保護膜を形成するアルキルアミンが脱離して銀微粒子同士が直接接触することにより導体化を生じ、例えば、100℃程度以下の温度においても導体化が可能である。これは、保護膜を形成するアルキルアミンが、そのアミノ基を介した配位結合により銀微粒子の表面に対して弱く結合しており、アルキルアミンが比較的容易に脱離可能であるためと考えられる。
本発明の方法により製造されたアルキルアミン被覆銀微粒子を含むインクやペーストを用いて、導体膜を形成するために塗布する基体の材質や形状は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ガラス、紙、金属、シリコン及びセラミックス等からなる材料を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル−エーテルケトン、ポリアリレート、アロマティックポリエステル、アロマティックポリアミド、フッ素樹脂、ポリビニリデンクロライド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル、酢酸セルロース等が挙げられる。
その他、本発明に係る被覆銀微粒子が非常に大きな比表面積を有することを利用して、適宜の量を水中に分散させることで、微量の銀微粒子により強い殺菌作用を示す殺菌剤として使用することも有効である。
また、本発明に係る方法で製造された被覆銀微粒子の銀表面が非常に清浄であり、特有のプラズモンを示すことから、これを利用した色材として用いることも有効である。
実施例1〜15に係る被覆銀微粒子を、以下の方法で製造した。銀化合物として、硝酸銀(関東化学、一級)とシュウ酸二水和物(関東化学、特級)から合成したシュウ酸銀を使用した。各実施例では、それぞれシュウ酸銀5.00mmol(1.519g)に対し、表1に示す各種のアルコール化合物等と、アキルアミンとしてのn−ヘキシルアミン(東京化成、特級)を20.0mmol(2.024g)、及び、製造される被覆銀微粒子の有機溶媒への分散性を高める目的で、脂肪酸であるオレイン酸(東京化成、>85.0%)0.23mmol(0.065g)を混合し、それぞれ室温で攪拌した。なお、実施例1〜12,14については、各アルコール化合物の10mmol相当を混合した。フェノール等の固体のアルコール化合物については、予めn−ヘキシルアミンに溶解したものにシュウ酸銀を混合した。実施例13については、平均分子量が300程度のポリエチレングリコール1.32gを混合した。また、実施例15についてはエチレングリコール8mmolと水10mmolを混合した。
なお、上記で分離した被覆銀微粒子を熱重量分析装置(島津 TGA−50)内で加熱して被覆部分を完全に除去することで、各被覆銀微粒子に含まれる金属銀の重量を測定し、その製造の際に使用したシュウ酸銀に含まれる銀原子の重量に対する比率をそれぞれ求めた。この結果、いずれのアルコール化合物を用いた場合にも90重量%以上の銀原子が被覆銀微粒子として回収されることが示された。また、作成したペーストの銀の含有量は70重量%程度であった。
上記実施例1〜15で製造された被覆銀微粒子について、その製造の際に、室温で錯化合物の生成に要した時間、及び、110℃の温度設定において錯化合物が分解して銀微粒子が生成するために要した時間を表1に示す。
上記実施例1〜15で製造された被覆銀微粒子のペーストをオクタンで希釈し、コロジオン膜(銅メッシュグリッド、透過電子顕微鏡用)に滴下し、メタノールで洗浄後、走査透過電子顕微鏡(STEM)観察(日本電子 JSM−7600F サーマル電界放出形走査電子顕微鏡)またはアモルファスカーボン支持膜(銅メッシュグリッド、透過電子顕微鏡用)に滴下し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察(日本電子 JEM−2100F フィールドエミッション電子顕微鏡)を行った結果を図1に示す。このようにして測定したSTEM像またはTEM像から概算した粒子径を表2に示す。
実施例1〜15で製造された被覆銀微粒子は、いずれも平均粒子径が8〜40nm程度であり、それぞれシャープな粒径分布を示すことが観察された。
上記実施例1〜15で製造された被覆銀微粒子のペーストを基板に塗布して焼結させた際の焼結性を評価した結果について表2に示す。評価は、各ペーストをポリエステルフィルム基板(OHPシート)にバーコートにより塗布し、これを100℃で3時間、及び20時間焼成した後、生成した銀被膜のシート抵抗値を四探針法(共和理研 K―705RS)により測定した。また、焼成後の銀被膜の膜厚を考慮して、20時間の焼成を行った銀被膜のシート抵抗値から体積抵抗を算出した。
Claims (10)
- 加熱により分解して金属銀を生成しうる銀化合物と、アルキルアミンと、水に対する溶解度を有する少なくとも1種のアルコール化合物とを混合して、当該銀化合物とアルキルアミンを含む錯化合物を生成する第1工程と、
当該錯化合物を加熱分解して、アルキルアミンを含む保護膜で被覆された銀微粒子を生成する第2工程とを含むことを特徴とする被覆銀微粒子の製造方法。 - 前記アルコール化合物の少なくとも1種は、水に対して20℃において0.3g/L以上の溶解度を有することを特徴とする請求項1に記載の被覆銀微粒子の製造方法。
- 前記アルコール化合物の少なくとも1種は、70℃以上の沸点を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆銀微粒子の製造方法。
- 前記アルコール化合物の少なくとも1種は、多価アルコールであることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の被覆銀微粒子の製造方法。
- 前記第1工程において、更に脂肪酸が混合されることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の被覆銀微粒子の製造方法。
- 前記第1工程において、更に水が混合されることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載の被覆銀微粒子の製造方法。
- 前記銀化合物は、シュウ酸銀を主成分とすることを特徴とする請求項1〜6いずれか一項に記載の被覆銀微粒子の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法で製造されたことを特徴とする被覆銀微粒子。
- 銀微粒子の平均粒子径が30nmよりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の被覆銀微粒子。
- 請求項8又は9に記載の被覆銀微粒子を分散媒に分散させたことを特徴とする被覆銀微粒子分散物。
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