JP2014029459A - 光学フィルム用転写体、光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルム用転写体、光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムに関して、配置対象物の可撓性を損なわないようにする。
【解決手段】転写法により1/4波長板の多層構造を作成する。このために光学フィルム用転写体である転写フィルム20において、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層9と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層8とを少なくとも有する多層構造による転写層と、この転写層を保持する支持体21とを備えるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば画像表示パネルに配置して、偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムに関するものである。
従来、画像表示パネル等に関して、画像表示パネルの出射面に光学フィルムを配置し、この光学フィルムによる偏光面の制御により外来光の反射を低減する方法が提案されている。この光学フィルムは、直線偏光板、1/4波長板により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く1/4波長板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長板より、直線偏光板により遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
この光学フィルムに関して、特許文献1等には、1/2波長位相差板、1/4波長位相差板を組み合わせて1/4波長板を構成することにより、この光学フィルムを逆分散特性により構成する方法が提案されている。
ところで有機ELパネルを使用した画像表示装置においては、近年、可撓性を有するシート形状によるものが提供されつつある。このような可撓性を有するシート形状による画像表示装置では、例えば全体を外向きに折り曲げたり、これと逆向きに折り曲げたりした状態で、画像を表示することができ、従来に比して一段と画像表示装置の適用分野を拡大し得ると考えられる。
しかしながらこのように全体を外向きに折り曲げたり、これと逆向きに折り曲げたりした状態で画像表示する場合には、従来に比して格段的に外来光の反射を低減することが必要になる。これによりこのような可撓性を有するシート形状による画像表示装置においては、上述の光学フィルムを配置することにより、外来光による影響を有効に回避することが必要であると考えられる。特に有機ELパネルでは、内部電極による外来光の反射が著しいことにより、この種の光学フィルムを適用することが望まれる。
しかしながら従来のこの種の光学フィルムを単純に可撓性を有するシート形状による画像表示パネルに適用したのでは、画像表示パネルの可撓性を著しく損なう問題がある。
特開平10−68816号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムに関して、配置対象物の可撓性を損なわないようにすること目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、転写の手法を適用して光学フィルムを作成することにより、全体の厚みを薄くする、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層と、
前記転写層を保持する支持体とを備える。
(1)によれば、転写法を適用して直線偏光板に1/4波長板に係る光学機能層を設けることができ、これにより全体形状の厚みを薄くして十分な可撓性を確保することができる。
(2) (1)において、前記支持体が、
セパレータフィルムであり、
前記転写層は、
前記支持体により被覆される粘着層を備える。
(2)によれば、転写法により転写層を作成した光学フィルム等において、当該光学フィルム等の配置に供する粘着層、当該粘着層を保護するセパレータフィルムを転写体に設けることができる。
(3) (1)又は(2)において、
前記1/2波長板用位相差層及び1/4波長板用位相差層にそれぞれ対応する1/2波長板用配向膜及び1/4波長板用配向膜を備え、
前記1/2波長板用配向膜及び1/4波長板用配向膜は、
十点平均粗さ(Rz)が、10nm以上、45nm以下である。
(3)によれば、十点平均粗さ(Rz)が、10nm以上、45nm以下であることから、黒輝度を十分に小さくすることができ、また液晶層である位相差層における配向の劣化を有効に回避して、従来に比して配向膜と液晶層との密着性を向上することができる。また黒輝度に係る傾きθのばらつき3σを十分に小さくすることができ、これにより従来に比して一段と精度良く透過光に位相差を付与することができる。
(4) (1)、(2)、又は(3)において、
前記1/2波長板用配向膜及び1/4波長板用配向膜は、
平均面粗さ(Ra)が、1nm以上、4nm以下である。
(4)によれば、平均面粗さ(Ra)が、1nm以上、4nm以下であることにより、位相差層における配向の劣化を有効に回避して、配向膜と位相差層との密着性を向上することができる。
(5) 透明フィルムによる基材と、
直線偏光板としての機能を担う直線偏光板の光学機能層と、
1/4波長板としての機能を担う1/4波長板の光学機能層とが積層され、
前記1/4波長板の光学機能層が、前記直線偏光板の光学機能層の上に、(1)、(2)、(3)、(4)の何れかに記載の光学フィルム用転写体に設けられた前記転写層による光学機能層である。
(5)によれば、(1)、(2)、(3)、(4)の何れかによる転写体を転写した光学フィルムを提供することができる。
(6) 画像表示装置において、(5)による光学フィルムを配置する。
(6)によれば、例えば可撓性を有するシート形状による画像表示装置に使用して十分な可撓性を確保することができる。
(7) 偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムの製造方法において、
透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層を、前記転写層を保持する支持体上に形成する転写体の生産工程と、
透明基材に、直線偏光板としての機能を担う直線偏光板の光学機能層を形成する直線偏光板の製造工程と、
前記直線偏光板の光学機能層に、前記転写体の製造工程で生産した前記支持体上の転写層を転写する転写工程とを備える。
(7)によれば、転写法を適用して直線偏光板に1/4波長板に係る光学機能層を設けることができ、これにより全体形状の厚みを薄くして十分な可撓性を確保することができる。
偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムに関して、配置対象物の可撓性を損なわないようにすることができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図1の画像表示装置に設けられる光学フィルムの説明に供する図である。 図2の光学フィルムに適用される転写フィルムを示す図である。 図2の光学フィルムの製造工程を示す図である。 図3の転写フィルムの製造工程を示す図である。 図5の続きを示す図である。 ラビング処理の説明に供する図である。 本発明の第2実施形態に係る転写フィルムを示す図である。 図8の転写フィルムの製造工程を示す図である。 ラビング処理による表面形状の変化を示す図である。 図10の例について、さらに倍率を拡大した図である。 図10の例について、図6よりさらに倍率を拡大した図である。 ラビングの回数が少ない場合の表面形状を示す図である。 図13の例よりラビングの回数を増大させた場合の表面形状を示す図である。 図13の例よりさらにラビングの回数を増大させた場合の表面形状を示す図である。 図13の例における表面形状の測定結果を示す図である。 図14の例における表面形状の測定結果を示す図である。 図15の例における表面形状の測定結果を示す図である。 黒輝度に係る計測装置の説明に供する図である。 ラビング処理時間によりばらつきを示す図である。 ラビング処理時間によりばらつきを示す図である。 二乗平均粗さとばらつきとの関係を示す図である。 十点平均粗さとばらつきとの関係を示す図である。 配向膜の表面形状を示す写真である。 図24との対比により光学特性が劣る場合の配向膜の表面形状を示す写真である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置1では、画像表示パネル2のパネル面に、光学フィルム3が配置される。画像表示パネル2は、可撓性を有するシート形状による有機ELパネルであり、所望のカラー画像を表示する。
光学フィルム3は、偏光面の制御により、画像表示パネル2に到来する外来光の反射を抑圧する光学フィルムである。このため光学フィルム3は、直線偏光板5、1/4波長板6を積層して構成される。光学フィルム3は、図示しないセパレータフィルムを剥離して感圧接着剤による粘着層4を露出させた後、この粘着層4により、画像表示パネル2のパネル面に貼り付けられて保持される。また直線偏光板5及び1/4波長板6は、粘着層7を介して一体化される。
1/4波長板6は、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相差板として機能する部位8(1/4波長板用位相差層と呼ぶ)と、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長位相差板として機能する部位9(1/2波長板用位相差層と呼ぶ)との積層体により構成される。これにより1/4波長板6は、カラー画像の表示に供する広い波長帯域で逆分散特性を確保し、光学フィルム3は、広い波長帯域で十分に外来光の反射を抑圧する。
これらにより画像表示装置1では、画像表示パネル2の表示画面側より、順次、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用位相差層9、直線偏光板5が配置される。また図2に示すように、矢印により示す直線偏光板5の透過軸に対して、1/2波長板用位相差層9及び1/4波長板用位相差層8の遅相軸(それぞれ矢印により示す)が、それぞれ反時計回りに15度、75度の角度を成すように配置される。
より具体的に、1/4波長板用位相差層8は、面内位相差(Re)が125nm以上、150nm以下により作成され、1/2波長板用位相差層9は面内位相差(Re)が235nm以上、285nm以下により作成される。これにより光学フィルム3は、直線偏光板5側より入射する可視光域波長域(450〜750nm)の透過光を、楕円率0.8以上の円偏光により出射する。
1/4波長板6は、画像表示パネル2側から、順次、1/4波長板用賦型樹脂層10、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層8が設けられる。1/4波長板用賦型樹脂層10は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なおこの紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/4波長板用賦型樹脂層10は、賦型処理により表面に微細な凹凸形状が形成され、1/4波長板6は、この1/4波長板用賦型樹脂層12の表面形状により1/4波長板用配向膜11が形成される。1/4波長板用位相差層8は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、1/4波長板6は、この液晶材料の配向を1/4波長板用配向膜11の配向規制力によりパターンニングする。
また続いて1/4波長板6は、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が順次設けられる。1/2波長板用賦型樹脂層12は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なおこの紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/2波長板用賦型樹脂層12は、賦型処理により表面に微細な凹凸形状が形成され、1/4波長板6は、この1/2波長板用賦型樹脂層12の表面形状により1/2波長板用配向膜13が形成される。1/2波長板用位相差層9は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、1/4波長板6は、この液晶材料の配向を1/2波長板用配向膜13の配向規制力によりパターンニングする。
ここでこれら1/2波長板用配向膜13及び1/4波長板用配向膜11に係る微細な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、この一方向に延長する方向が直線偏光板5の透過軸に対して、それぞれ反時計回りに15度、75度の角度を成す方向となるように作成される。
直線偏光板5は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材15の下面側が鹸化処理された後、光学機能層16が配置される。なお基材15は、これに代えてポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等を適用することができる。
光学機能層16は、直線偏光板としての光学的機能を担う部位であり、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて作製される。
しかして光学フィルム3の1/4波長板6に係る構成において、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用位相差層9はそれぞれ厚み1μm、2μm程度により作成することができる。また賦型樹脂層12、13は、厚み2μm程度、粘着層4は、厚み15μm以下により作成することができる。また直線偏光板5に係る構成において、基材15は、厚み30μm程度により構成することができ、光学機能層16、粘着層7は、それぞれ厚み20μm以下、15μm程度により構成することができる。これらにより光学フィルム3は、全体として厚みを87μm以下により十分に薄く作成することができる。これにより光学フィルム3は、十分な可撓性を確保することができる。
ここでこの実施形態に係る画像表示パネル2にあっては、可撓性を有するシート形状であることにより、光学フィルム3は、画像表示パネル2に比して格段的に可撓性を有していると言える。しかしながらこの種の光学フィルム3においては、画像表示パネル以外の、著しく曲率の大きな部材に配置される場合も予測され、この場合には一段と可撓性が求められる。
そこで光学フィルム3について、それぞれJIS K5600−5−1に規定の円筒形マンドレル試験により耐屈曲性を試験した。試験した結果によれば、光学フィルム3の場合、マンドレルの直径が3mmの場合であっても、表面に、割れ及びはがれ等が発生しないことが確認された。これによりこの直径3mmによる耐屈曲性の試験を満足することが判った。ここでこの程度の耐屈曲性を備えている場合には、配置対象物が可撓性を有するシート形状による画像表示パネルであっても、十分に配置対象物の可撓性を損なわないことを確認することができた。また配置対象が一段と大きな曲率を備えた部材であっても、光学フィルム3を損傷しないで配置することができる。
〔転写体〕
光学フィルム3は、粘着層7を介してこれら1/4波長板6、直線偏光板5が一体化され、この一体化の処理に、転写法が適用される。
ここで転写法は、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作成した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
この実施形態では、直線偏光板5に、1/4波長板6に係る層構成を転写法により積層する。従って被転写基材は、直線偏光板5であり、転写に供する層(転写層)は、1/4波長板用賦型樹脂層10、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9の積層体である。
図3は、この転写体である転写フィルムの構成を示す図である。転写フィルム20は、支持体基材21上に、順次、1/4波長板6に係る1/4波長板用賦型樹脂層10、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が設けられる。
ここで支持体基材21は、転写に供する層(転写層)を剥離可能に担持し、転写層を被転写基材上に接着、積層した後は、適宜時機に剥離、除去に供される基材である。この実施形態では、透明フィルム材であるPET(Polyethylene terephthalate)フィルムが適用され、これにより転写フィルム20は、光学特性を検査可能に構成される。なおPETフィルムは、コロナ処理され、これにより後述する離型層との間の密着力を適切に設定する。なお支持体基材21は、全体の形状をシート形状としても良い。また支持体基材21は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂等の樹脂からなる樹脂性フィルム材を適用してもよい。なお支持体基材21の厚みは、20〜100μmである。なお転写層との剥離性が不十分な場合は、支持体基材21には、転写層側に、剥離を促進する離型層を設ける。
離型層は、相対的に、支持体基材21との密着性は高く(剥離性は低く)、転写層との密着性は低い(剥離性は高い)材料を適用することができる。この実施形態では、転写層の最下層が紫外線硬化性樹脂による1/4波長板用賦型樹脂層10であることにより、上述の支持体基材21に対して、例えばシリコン樹脂(有機珪素系高分子化合物)、弗素系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、又はこれら樹脂と適宜の他の樹脂(アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂等)との混合物が用いられる。この実施形態では、上述したPETフィルムによる支持体基材21上に、メラミン樹脂による離型層を設け、離型層の上に設ける紫外線硬化性樹脂の塗布液に対する濡れ性を確保する。
なおこのように、コロナ処理したPETフィルムにメラミン樹脂による離型層を設ける代わりに、何ら表面処理してないPETフィルムを支持体基材に適用して離型層を省略してもよい。またこれに代えていわゆるノンソルと呼ばれる浸透層を設けていないTACフィルムを支持体基材に適用して、離型層を省略してもよい。このようにすると構成を簡略化することができる。
なおメラミン樹脂による離型層を設ける場合には、1/4波長板用配向膜11、1/2波長板用配向膜13を作成する際の賦型処理に供するロール版53、63(図5及び図6)に関して、このロール版53、63の周側面にライン状の微細凹凸形状を作成する際のラビング方向(凹凸形状の延長方向)に対する、1/4波長板用位相差層8及び1/2波長板用位相差層9における液晶材料の配向方向の差異を格段に小さくすることができる。従って設計中心値に対する1/4波長板6の光学特性のずれを小さくすることができる。
因みに、離型層による剥離性が不十分な場合、支持体基材21と離型層との間に、剥離層を設け、この剥離層により離型層による剥離性を補うようにしてもよい。なお剥離層は、相対的に、支持体フィルムとの密着性が低く(剥離性は高く)、剥離層との密着性が高い(剥離性は低い)材料を適用することができる。より具体的には、この実施形態において、剥離層には、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又は以上の中から選択した2種以上の混合物、或いは以上のなかから選択した1種以上とその他の樹脂との混合物が用いられる。剥離層の厚みは、通常、1〜10μm程度である。また剥離層は、支持体基材21に設けても良く、剥離層に設けてもよい。
1/4波長板用賦型樹脂層10は、この支持体基材21の上に、又は支持体基材21の上に形成された剥離層の上に、紫外線硬化性樹脂の塗付液を塗付して作成され、1/4波長板用配向膜11は、賦型に供する微細凹凸形状を周側面に形成した賦型用金型(ロール版)を用いて1/4波長板用賦型樹脂層10を賦型処理して作成される。1/4波長板用位相差層8は、1/4波長板用配向膜11上に、液晶材料を塗付して硬化させることにより作成される。
1/2波長板用賦型樹脂層12は、1/4波長板用位相差層8の上に、1/4波長板用賦型樹脂層10と同様に、紫外線硬化性樹脂の塗付液を塗付して作成され、1/2波長板用配向膜13は、1/4波長板用配向膜11と同様に、賦型用金型を用いて1/2波長板用賦型樹脂層12を賦型処理して作成される。1/2波長板用位相差層9は、1/2波長板用配向膜13上に、液晶材料を塗付して硬化させることにより作成される。しかして転写体では、これら1/4波長板に係る層構成である、1/4波長板用賦型樹脂層10、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が、転写に供する転写層である。
さらに転写フィルム20は、1/4波長板6に係る層構成に係る転写層の上に、粘着層7、セパレータフィルム23が設けられる。
ここで粘着層7は、転写層と被転写基材とを接着するための層である。転写層の材料と被転写基材の材料に応じて、両者に密着性の高い材料が適用される。この実施形態では、アセチルセルロース(酢酸纖維素)、ニトロセルロース(硝酸纖維素又は硝化綿)、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース(纖維素)系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、天然又は合成ゴム等の材料が用いられる。接着剤層の厚みは、1〜30μm程度である。
セパレータフィルム23は、粘着層7の表面を離型可能に被覆する離型シートである。セパレータフィルム23は、粘着層7が露出して不要な物品と不要な接着をすることを防止するために設けられ、転写の直前に剥離除去される。
〔光学フィルムの製造工程〕
図4は、光学フィルム3の製造工程を示す図である。この製造工程30は、直線偏光板5に係る鹸化処理が実行された基材15、光学機能層16に係るフィルム材が供給ロール31、32により提供される。また転写フィルム20が供給リール33により提供される。この工程30は、供給リール33から転写フィルム20を引き出し、剥離ロール34によりセパレータフィルム23を剥離して粘着層7を露出させる。なお剥離したセパレータフィルム23は、巻き取りリール36に巻き取られる。
この工程は、供給ロール31、32からそれぞれ基材15、光学機能層16に係るフィルム材を引き出し、セパレータフィルム23を剥離した転写フィルム20と積層し、押圧ローラ38A、38Bにより押圧する。これによりこの工程30は、基材15、光学機能層16、転写層を一体化する。
続いてこの工程30は、剥離ローラ39により支持体基材21を剥離する。なお剥離した支持体基材21は、巻き取りロール40に巻き取られる。また続いて粘着層4に係る粘着剤を塗付した後、供給リール41より供給されるセパレータフィルム42を加圧ローラ43A、43Bにより貼り付け、巻き取りリール44に巻き取る。
〔転写体の製造工程〕
図5及び図6は、転写フィルム20の製造工程を示す略線図である。この製造工程50は、支持体基材21を供給リール51から引き出し、ダイ52により紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程50において、ロール版53は、1/4波長板用配向膜11に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程50は、紫外線硬化樹脂が塗布された支持体基材21を加圧ローラ54によりロール版53に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置55による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程50は、ロール版53の周側面に形成された凹凸形状を支持体基材21に転写する。その後、剥離ローラ56によりロール版53から硬化した紫外線硬化性樹脂と共に支持体基材21を剥離し、ダイ59により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置57による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール58に巻き取る。この一連の処理により支持体基材21の上に、1/4波長板用賦型樹脂層10、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層8が形成される。
続いて図6に示すように、転写体の製造工程は、続く製造工程60において、巻き取りリール58から巻き取った支持体基材21を引き出し、ダイ62により紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程60において、ロール版63は、1/2波長板用配向膜13に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程60は、紫外線硬化樹脂が塗布された支持体基材21を加圧ローラ64によりロール版63に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置65による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程60は、ロール版63の周側面に形成された凹凸形状を支持体基材21に転写する。その後、剥離ローラ66によりロール版53から硬化した紫外線硬化性樹脂と共に支持体基材21を剥離し、ダイ69により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置67による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール68に巻き取る。この工程60の一連の処理により、支持体基材21に形成された1/4波長板用賦型樹脂層10、1/4波長板用配向膜11、1/4波長板用位相差層8の上に、さらに1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が順次作成され、これらにより支持体基材21の上に1/4波長板6に係る構成が作成される。転写体は、さらに粘着層7、セパレータフィルム23が配置される。
〔ロール版製造工程〕
ロール版53、63の製造工程は、それぞれロール版53、63に係る母材の周側面を研磨して平滑化した後、この周側面に下地層が作製される。ここで母材は、ロール版53、63の外形形状に対応する円筒形状又は円柱形状の金属材料である。母材は、加工のしやすさや寸法安定性などから金属材料であることが好ましく、ニッケル、クロム、ステンレス、銅などであることがより好ましい。なおこの実施形態において、母材は、銅が適用される。
下地層は、上層に設けられる賦型処理に供する凹凸形状が作製された層(以下、賦型処理層と呼ぶ)について、母材に対する密着力を強化するために設けられる。この実施形態では、下地層は、無電解メッキにより、リンをドープしたニッケル層により膜厚500nmで作製される。
続いてこの工程は、下地層の上に、賦型処理層に係る無機材料層を作製する。この実施形態では、この無機材料層にクロム層が適用され、スパッタリングにより膜厚100nmのクロム層を作製する。続いてこの工程は、ラビング装置によるラビング処理により、この無機材料層の表面に、賦型処理に供する微細な凹凸形状が作成される。
図7はラビング装置におけるラビング処理の説明に供する図である。このラビング装置85は、ロール版53、63に係る円筒形状の母材81をその中心軸がほぼ水平になるように保持し、矢印Aにより示すように、この母材81をこの中心軸の周りに所定の回転速度で回転駆動する。この状態でこのラビング装置85は、この母材81の回転軸に対して回転軸を斜めに傾けてラビングロール82を保持し、矢印Bにより示すように、このラビングロール82を回転駆動しながら母材81の周側面に押し付ける。母材81の回転軸とラビングロール82の回転軸との相互の交叉角(傾斜角)は、1/2波長板用配向膜13及び1/4波長板用配向膜11に係る微細な凹凸形状の延長方向に対応する角度となるように設定される。
ここでラビングロール82は、ラビング処理に供するラビング布を周囲に巻き付けた円柱形状の部材である。これによりラビング装置85は、ラビングロール82を回転させながら表面のラビング布で母材81の周側面を摩擦してラビング処理する。ここでこのラビング布は、例えばラビング処理に使用可能な各種の布材、天然皮革、人口皮革等を広く適用することができる。なおこの実施形態では、表面に多数の纖維を植毛した布材である植毛布によりラビング処理する。なおラビング布の材料としては、一般的に用いられるセルロース、レーヨン、ポリアミド(ナイロン:登録商標)、ポリエチレン等のポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などの中から適宜選択して使用する。一般的な、パイル長1〜数mm、密度2〜4万フィラメント/cm、パイル径数十〜300ディナール、パイル本数250〜1500/cm程度の一般的なものを使用する。好ましい材料は、ラビングかすの少ないレーヨン、ナイロンなどの化学繊維を使用した植毛布が好適であり、この場合、パイル長1〜2mm、密度2.5〜3.5万フィラメント/cm2、パイル径数50〜150ディナール、パイル本数600〜1000/cm、フィラメントの広がる角度は5〜20゜である。
またこのラビング装置85は、このようにして母材81の周側面を局所的にラビング処理するようにして、母材81の回転軸(中心軸)に沿った方向にラビングロール82を移動させ、これによりラビング処理する領域を徐々に変化させて、母材81の周側面の全てをラビング処理する。なおこのラビングロール82の中心軸に沿った方向の移動は、必要に応じて繰り返される。またラビングロール82の移動の繰り返しにあっては、往路と復路との双方でラビング処理しても良く、往路又は復路の1方でのみラビング処理しても良い。
以上の構成によれば、転写の手法を適用して光学フィルム3を作成することにより、光学フィルム3は、直線偏光板5側の1枚の基材15により直線偏光板に係る光学機能層、1/2波長位相差板に係る光学機能層、1/4波長位相差板に係る光学機能層を一体に保持することができ、これにより構成を簡略化し、さらには全体形状を薄型化して十分な可撓性を確保することができる。
〔第2実施形態〕
図8は、図3との対比により本発明の第2実施形態に係る転写フィルムを示す図である。この転写フィルム70は、PETフィルムによる支持体基材21に代えて、セパレータフィルム71、粘着層4の積層体が配置され、このセパレータフィルム71が支持体を構成すると共に、粘着層4が転写層の一部を構成する。ここでセパレータフィルム71及び粘着層4は、図1について上述した画像表示パネル2への光学フィルム3の配置に係る構成である。この実施形態は、このセパレータフィルム71、粘着層4に関する構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
このためこの実施形態では、図5及び図6において括弧書により示すように、転写体の製造工程において、支持体基材21に代えて、セパレータフィルム71、粘着層4の積層体が供給リール51から供給されて、順次1/4波長板6に係る層構造が作成され、転写フィルム70が生産される。
またこれにより図4との対比により図9に示すように、光学フィルムの製造工程では、支持体基材21を剥離する構成(39、40:図4参照)、粘着層、セパレータフィルム42を配置する構成(41/42、43A、43B:図4参照)が省略されて、転写フィルム70より光学フィルム3が生産される。
この実施形態では、光学フィルム3に係る粘着層4及びセパレータフィルムの積層体を適用して転写体を生産するようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。またこの場合、転写層を転写した後、改めて、光学フィルムの粘着層、セパレータフィルムを設けなくても良いことにより、生産材の消費を低減して効率良く光学フィルムを生産することができる。また工程も簡略化することができる。
〔第3の実施形態〕
この実施の形態においては、上述の第1実施形態において、1/4波長板用配向膜11及び1/2波長板用配向膜13が、十点平均粗さ(Rz)10nm以上、45nm以下に設定され、さらに平均面粗さ(Ra)1nm以上、4nm以下に設定される。これによりこの実施形態では、配向膜11、13と対応する液晶層である1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用位相差層9との密着性を向上させ、黒輝度に係る傾きθのばらつき3σを十分に小さくして、光学フィルム3の光学特性を向上する。この実施形態では、この1/4波長板用配向膜11及び1/2波長板用配向膜13に係る構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
〔平均面粗さ(Ra)〕
上述のロール版製造工程におけるラビング処理を詳細に検討したところ、ラビング処理の繰り返しにより、ラビング処理対象の表面形状が徐々に平坦化することが判った。図10、図11、図12は、順次倍率を増大させてラビング処理対象の表面形状を撮影した写真である。図10(a)、図11(a)、図12(a)は、研磨した銅の表面に、無電解メッキにより、膜厚500nmによるリンをドープしたニッケル層の下地層を作製し、その上に膜厚100nmによるチタン層をスパッタリングにより作製したものである。また図10(b)、図11(b)、図12(b)は、この図10(a)、図11(a)、図12(a)によるチタン層の表面を一定の押圧力によりラビング布で押圧した状態で、ラビング処理した結果であり、水平方向がラビング方向である。なおラビングの回数は3000回である。また図10(c)、図11(c)、図12c)は、図10(b)、図11(b)、図12(b)と同一の条件により、ラビング処理の回数を5000回に設定した結果である。
これら図10、図11、図12によれば、何らラビング処理しない場合には、チタンの粒界により表面が覆われており、これによりこのチタンの粒界による凹凸形状が表面に現れていることが判る。しかしながらラビングの回数の増大により、粒界が引き伸ばされたような表面形状に変形が見られ、全体的に表面が平坦になっているように観察される。これによりこれら図10、図11、図21によれば、金属粒界による凹凸形状がラビング処理により徐々に平坦化されているように見える。
このようにラビング処理の繰り返しにより、ラビング処理対象の表面形状が徐々に平坦化することを前提に、ラビング処理対象の表面形状による重合性液晶材料との密着力を検討した結果、平均面粗さ(Ra)を1nm以上確保することが必要であることが判った。これにより密着力を強化する観点から、ラビング処理の回数は、一定回数以下に制限することが必要であることが判った。
しかしながらラビング処理の回数を少なくすると、配向膜に充分な配向規制力を付与できない恐れがある。すなわち位相差層の配向に供する凹凸形状は、この図10〜図12では見て取ることができない程度の微細なものであり、ラビング処理の回数の増大により配向規制力が増大する。充分な配向規制力を確保する観点より、ラビング処理回数と配向規制力との関係を検討したところ、平均面粗さ(Ra)が4nm以下となるまでラビング処理すると、充分な配向規制力を確保できることが判った。
なおこの平均面粗さは、第1実施形態に係る1/4波長板用配向膜11をAFM(ナノキュート、SII製)を使用して測定エリア5μm×5μmで測定した結果であり(以下、同様)、JIS B 0601:2001に規定の算術平均粗さであり、ラビング方向と直交する方向に測定したものである。また密着力の判断は、クロスカット試験によるものである。配向規制力は、配向膜に液晶材料を塗布して位相差層を作成し、この積層体をクロスニコル配置による直線偏光板により挟持して消光位に保持した際の透過光量により判断した。
これらにより配向膜11、13において、平均面粗さ(Ra)が1nm以上、4nm以下となるように、ラビング処理回数を設定することが必要であることが判った。ここでこの種の賦型処理においては、充分に賦型用金型の表面形状を転写することができることにより、賦型用金型であるロール版53、63の周側面にあっても、平均面粗さ(Ra)が1nm以上用、4nm以下となるように、ラビング処理回数を設定することが必要である。なおラビング処理においては、ラビング布の押圧力等のラビング処理の条件によって、ラビング処理回数と表面粗さの変化との関係が変化する。従って平均粗さ(Ra)を上述の範囲に設定する場合、ラビング処理回数は、ラビング処理の条件に応じて適宜選定することが必要である。
なお平均面粗さ(Ra)を1nm以上、4nm以下とすると、転写法による光学フィルム3において、支持体基材21を転写層から剥離する際の力によっても、位相差層が配向膜より剥離しないことを確認することができた。因みに、このように転写法において剥離しない場合であっても、JIS K 6854−1に規定された180度剥離試験により剥離に要する力(剥離強度)を測定したところ、剥離強度は0.5N/インチ以下であった。
図13、図1/4、図15は、具体的に、配向膜の表面形状を示す写真である。図13は、ラビング処理回数が少なく、密着力は充分に確保することができるものの、配向規制力が不足する場合である。なお図13における矢印はラビング方向を示すものである。
図1/4は、密着力及び配向規制力の双方を充分に確保できる場合であり、図13の例に比してラビング処理回数を増大させた場合である。また図1/4は、図13の場合に比してさらにラビング処理回数を増大させたものであり、配向規制力は充分に確保することができるものの、密着力が不足する場合である。
図16、図17、図18は、それぞれ図13、図14、図15に示した部位の表面形状の測定結果を示す図である。図16〜図18においては、ラビング方向と直交する方向についての測定結果であり、図16の測定結果において、平均面粗さ(Ra)は4.5nmであった。また。図17の測定結果において、平均面粗さ(Ra)は2.0nmであった。また図18の測定結果において、平均面粗さ(Ra)は0.85nmであった。これら図13〜図18による結果によっても、配向膜の平均面粗さ(Ra)を1nm以上、4nm以下に設定して、液晶層における配向の劣化を有効に回避して、従来に比して配向膜と液晶層との密着性を向上できることが判った。
〔十点平均粗さ(Rz)〕
ところでさらに配向膜の表面粗さについて検討を試みた。図19は、この配向膜の検討に供した測定装置の構成を示す図である。この測定装置では、直交ニコル配置による偏光板90A及び90Bの間に計測対象Sを配置する。この状態で、偏光板90A及び90Bに対する計測対象Sの傾きθを変化させながら、透過光量を計測し、最も透過光量が小さくなる傾きθを計測する。なおこの最も透過光量が小さくなる場合の光量は、黒輝度とも呼ばれる。この実施形態では、1つの計測対象Sについて、この黒輝度の光量、黒輝度に係る傾きを複数個所で計測し、計測結果を統計的に処理した。ここで計測対象は、上述の平均面粗さ(Ra)の試験に供したサンプルである。
図20及び図21は、この計測結果を示す図である。図20の測定結果は、ラビング処理の時間を横軸に取り、傾きθのばらつき3σを縦軸により示すものである。なおσは、標準偏差である。また符号L1により示す測定結果は、符号L2により示す測定結果に比して、ラビング処理時における母材に対するラビングクロスの変位速度を5倍に設定した場合の測定結果である。この図20による計測結果によれば、母材に対するラビングクロスの変位速度が低い程、またラビング処理時間が短い程、黒輝度に係る角度θのばらつき3σが小さいことが判った。特に、処理時間を一定時間より短くすると、ばらつき3σが急激に小さくなることが判る。
また図21は、黒輝度を横軸に取り、傾きθのばらつき3σを縦軸により示すものである。なお横軸の単位はカンデラであり、一定の光量により測定に供する光を照射した場合の透過光量である。この図19によれば、ばらつき3σが小さい程、黒輝度も小さくなることが判る。特に、ばらつき3σのほぼ1.0度を境にして、これよりばらつき3σが小さくなると、ばらつき3σの変化に対する黒輝度の変化量が小さくなる。このばらつき3σの1.0度を境にした測定結果の変化は、図20の測定結果でも見て取ることができる。
ここでこのばらつき3σが小さい場合、黒輝度が小さい場合には、位相差層で付与される位相差量にばらつきが小さいと言え、この位相差層を備えた光学フィルムでは、精度良く所望の位相差を付与することができる。
これらにより精度良く位相差層を作成するためには、母材とラビング布との相対速度を一定速度以下に設定して短い処理時間によりラビング処理することが必要であり、従来のラビング処理に係る考え方とは真逆の考え方によりラビング処理することが必要であることが判った。しかしてこのように相対速度を一定速度以下に設定して短い時間によりラビング処理する場合には、十分な深さによりライン状凹凸形状が作成されていないと考えられる。
図22及び図23は、このような観点より配向膜の表面形状とばらつき3σとの関係を測定した結果である。なおこの測定結果は、図20及び図21の測定に供した計測対象Sについて、紫外線硬化性樹脂を塗付する前の段階で配向膜の表面形状を測定したものである。図22は、二乗平均粗さRMS(Rq)を横軸に取り、ばらつき3σを縦軸に取った測定結果である。この図22の測定結果によれば、ばらつき3σが小さい場合には、二乗平均粗さによる粗さも小さいことが判るものの、図20及び図21の測定結果について上述したばらつき3σの1.0度に係る境界については、見て取ることができない。
これに対して図23は、十点平均粗さRzを横軸に取り、ばらつき3σを縦軸に取った測定結果である。これら図22及び図23の測定結果によれば、表面粗さが粗い場合程、すなわち配向膜に係るライン状凹凸形状が十分な深さにより作成されている場合程、位相差層に係る光学特性が劣化することが判る。換言すれば、配向膜に係るライン状凹凸形状が浅い場合程、位相差層にかかる液晶分子が揃った状態で配向し易いと言える。
またさらにこの図23の測定結果によれば、図20及び図21の測定結果との対比により、十点平均粗さRzが45nm以下であるようにラビング処理すれば、ばらつき3σが1.2度以下であるようにラビング処理することができ、また黒輝度も十分に抑圧できることが判る。なお、十点平均粗さの下限値は、位相差層に適用される液晶分子の大きさの10倍程度は必要であり、これにより1nm以上は必要である。しかしながらさらに実用的な余裕を確保する観点から、好ましくは下限値は、10nm以上は必要である。
これらにより充分にばらつきを小さくして液晶層を十分に配向させるために、配向膜は、十点平均粗さRzが45nm以下、10nm以上であることが必要であることが判った。これによりこの実施形態では、第1実施形態の構成を前提に、ラビングの処理回数、ラビング処理速度の設定により、十点平均粗さRzが45nm以下、10nm以上であるように設定した。またこれによりこの実施形態では、ロール版の周側面の十点平均粗さRzが45nm以下、10nm以上であるように作製される。
図24及び図25は、図22及び図23の測定に供した配向膜について、5μm×5μmの領域の表面形状を示すAFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)による写真であり、上方から下方がラビング方向である。図24は、上述の範囲に入る試料によるものであり、かろうじてラビング方向を見て取ることができる程度に、微弱なライン状凹凸形状が作成されている。図25は、上述の範囲に入らない、ラビングし過ぎの試料によるものであり、ばらつき3σ及び黒輝度共に未だ不十分なものであった。この図22及び図23によれは、配向膜に係るライン状凹凸形状が十分な深さにより作成されている場合程、位相差層に係る光学特性が劣化することが判り、配向膜に係るライン状凹凸形状が浅い場合程、位相差層にかかる液晶分子が揃った状態で配向し易いことが判る。
この第3実施形態によれば、配向膜の十点平均粗さRzが45nm以下、10nm以上であることにより、黒輝度を十分に小さくすることができ、また液晶層である位相差層における配向の劣化を有効に回避して、従来に比して配向膜と液晶層との密着性を向上することができる。また黒輝度に係る傾きθのばらつき3σを十分に小さくして、黒輝度を十分に小さくすることができ、これにより従来に比して一段と精度良く透過光に位相差を付与することができる。
また配向膜の平均面粗さ(Ra)を1nm以上、4nm以下に設定することにより、液晶層である位相差層における配向の劣化を有効に回避して、配向膜と位相差層との密着性を向上することができる。またさらに図16〜図18の計測結果による十点平均粗さRzとの対比によれば、十点平均粗さRzが45nm以下、10nm以上である場合には、概ね、配向膜の平均面粗さ(Ra)を1nm以上、4nm以下に設定できる。
〔実施例1〕
以下の実施例により1/4波長板用配向膜11及び1/2波長板用配向膜13を十点平均粗さ(Rz)10nm以上、45nm以下により作成し、さらに平均面粗さ(Ra)を1nm以上、4nm以下により作成し、黒輝度を十分に小さくすることができ、液晶層である位相差層における配向の劣化を有効に回避して、従来に比して配向膜と液晶層との密着性を向上することができることが確認された。またさらに黒輝度に係る傾きθのばらつき3σを十分に小さくできることを確認した。なおこの実施例1における黒輝度の測定方法、平均面粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)の測定、密着性の測定にあっては、上述した第3実施形態と同一である。
〔賦形用金型〕
この実施例1では、A4サイズ、厚み3mmの銅板の表面を研磨により平滑化した後、スパッタによりリンをドープしたニッケル層を500nm積層し、さらにクロム層を100nmにより作成した。この平板による板材の表面を、レーヨン布を巻いたラビングロールにより、押し込み量0.5mm、回転数100rpm、移動速度0.1m/minにより一方向にラビングし、表面に微細な凹凸を設け、これにより賦型用金型を作製した。
〔1/4波長板用配向膜の作製〕
次に、配向膜用組成物Aを、バーコーターを用い、支持体基材(厚み50μm、表面を未処理のPETフィルム(E5100、東洋紡製)上に、乾燥厚みが3μmになるよう塗工、乾燥した。その後、塗工面と上記賦型用金型とを貼り合わせ、支持体基材側から紫外線を照射して配向膜用組成物Aを重合させ、1/4波長板用配向膜とした後、賦形用金型を取り除いた。
なおここで配向膜用組成物Aは、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)(50質量%)、ウレタン変性ペンタエリスリトールアクリレートオリゴマー(U-PETA)(50質量%)、ジフェニル(2,4,6-トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(6質量%)、メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone、MEK)(15質量%)、メチルイソブチルケトン(methyl isobutyl ketone、MIBK)(15質量%)の混合物である。このようにして作成された1/4波長板用配向膜は、Ra=1.2nm、Rz=25nmであり、後述する1/4波長板用位相差層との間で十分な密着力を確保し、さらに十分な配向規制力により1/4波長板用位相差層の黒輝度を十分に小さくし、さらには黒輝度に係る傾きθのばらつきを小さくすることができた。なおPETフィルムに代えて、TACフィルムにより実験した結果においても、同様の効果を得ることができた。
〔1/4波長板用位相差層の作製〕
次に、位相差層用塗工液Aを、バーコーターを用い1/4波長板用配向膜上に、配向・重合後の位相差が135nmになるよう塗工し、100℃で3分間乾燥、配向させた後、紫外線を照射して位相差層用塗工液Aを重合させ、1/4波長板用位相差層を作成した。なおここで位相差層用塗工液Aは、重合性液晶化合物(RMM34:メルク社製)(20重量%)、開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)(1質量%)、トルエン(80質量%)の混合物である。
なお1/4波長板用位相差層の上に、バーコーターを使用して乾燥厚みが5μmとなるように接着剤Aを塗工、乾燥し、厚み1mmのガラスと貼り合わせ、仮支持体側から紫外線を照射し、接着剤Aを重合させた後、支持体基材であるPETフィルムを剥離して試験片を作成した。このPETフィルムの剥離時に問題はみられなかった。またこの試験片の黒輝度を測定したところ、3cdであった。
なおこの接着剤Aは、ウレタンアクリレートオリゴマー(10質量%)、アクリル系重合体(10質量%)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(80質量%)、ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(6質量%)、トルエン(30質量%)、メチルエチルケトン(MEK:methyl ethyl ketone)(30質量%)の混合物である。またこの試験片については、(王子計測機器(株)製、KOBRA)を用い、測定波長589nm、入射角度0度で位相差値を測定した。係る計測により所望する位相差を確保できることを確認した。
〔1/2波長板用配向膜の作製〕
上述の1/4波長板用位相差層の上に、バーコーターを用いて乾燥厚みが3μmになるように配向膜用組成物Aを塗工、乾燥した。その後、賦形用金型のラビング方向と、1/4波長板用位相差層の遅相軸のなす角が反時計回りに60℃゜となるよう、賦型用金型を配置して塗工面と上記賦型用金型とを貼り合わせ、支持体基材側から紫外線を照射して配向膜用組成物Aを重合させ、1/2波長板用配向膜とした後、賦形用金型を取り除いた。
〔1/2波長板用位相差層の作製〕
上記で作製した1/2波長板用配向膜の上に、バーコーターを用いて、配向・重合後の位相差が270nmになるよう位相差層用塗工液Aを塗工し、100℃で3分間乾燥及び配向させた後、紫外線を照射して位相差層用塗工液Aを重合させ、1/2波長板用位相差層とした。
なおこれとは別に、支持体基材上に1/2波長板用配向膜と1/2波長板用位相差層積層した後、1/4波長板用位相差層の場合と同様に、接着剤用組成物Aを使用してガラスと貼り合わせて支持体基材を取り除き、1/2波長板用の測定サンプルを作成し、リタデーションを測定した。リタデーションの測定は、1/4波長板用位相差層と同一である。係る計測により所望する位相差を確保できることを確認した。
〔転写フィルムの作製〕
上記で作製した積層体の1/2波長板用位相差層側に、片面の離型紙を剥がした粘着フィルム(MHM−GA25、日栄加工(株)製)の粘着剤側を貼り合わせ、第1実施形態に係る転写フィルムを作成した。
〔転写工程〕
次に、離型紙を剥がし、偏光板の吸収軸と1/4波長板用位相差層の遅相軸のなす角が反時計回りで15度となるよう、偏光板(スミカラン、住友化学製)と貼り合わせ、円偏光板を得た。
〔画像表示パネルへの配置〕
大きさ50mm角、厚み1mmのガラスに作製した、ITO、PEDOT/PSS、発光層、Ca、アルミニウム膜からなる有機EL素子のガラス側と、光学フィルムの1/4波長板用配向膜側を、粘着剤(MHM−GA25、日栄加工(株)製)で貼り合わせ、表示装置を得た。この表示装置を、電力を印加せずに極角45度から目視で観察したところ、光学フィルムを貼り合わせる前は金属色が観察され、光学フィルムを貼り合わせた後は金属光沢は認められず黒色に観察された。
〔比較例1〕
実施例1において、ラビングロールを押し込み量0.5mm回転数500rpm、移動速度0.05m/minとして一方向にラビングし、表面に微細な凹凸を設けた賦型用金型を作成した。係る金型作成に関する構成を除いて、この比較例1では実施例1と同様にして光学フィルム等を作成した。なおこのようにして作成された1/4波長板用配向膜は、十点平均粗さ(Rz)が8nmであり、平均面粗さ(Ra)が0.7nmであり、黒輝度は15cdであり、この場合、黒輝度を十分に小さくすることができた。しかしながら支持体基材にTACフィルムを適用して密着性を確認したところ、配向膜と位相差層との間で若干の剥離が見られ、これにより密着力に問題があることが確認された。また表示装置との積層体を作製し、電力を印加せずに極角45度から目視で観察したところ、若干の金属光沢が観察された。これにより位相差層の光学特性の劣化により、十分に反射防止の機能を発揮できないことがわかった。
〔比較例2〕
実施例1において、ラビングロールを押し込み量0.2mm回転数100rpm、移動速度0.1m/minとして一方向にラビングし、表面に微細な凹凸を設けた賦型用金型を作成した。係る金型作成に関する構成を除いて、この比較例2では実施例1と同様にして光学フィルム等を作成した。なおこのようにして作成された1/4波長板用配向膜は、十点平均粗さ(Rz)が50nmであり、平均面粗さ(Ra)が5nmであり、黒輝度を十分に小さくすることができなかった(黒輝度:40cd)。また支持体基材にTACフィルムを適用して密着性を確認したところ、配向膜と位相差層との間で剥離は見られないものの、表示装置との積層体を作製し、電力を印加せずに極角45度から目視で観察したところ、金属光沢が観察された。これにより位相差層の光学特性の劣化により、十分に反射防止の機能を発揮できないことがわかった。
〔第4実施形態〕
この実施の形態においては、上述の第2実施形態において、1/4波長板用配向膜11及び1/2波長板用配向膜13が、十点平均粗さ(Rz)10nm以上、45nm以下に設定され、さらに平均面粗さ(Ra)1nm以上、4nm以下に設定される。この実施形態では、この1/4波長板用配向膜11及び1/2波長板用配向膜13に係る構成が異なる点を除いて、第2実施形態、第3実施形態と同一に構成される。
この実施形態のように、光学フィルム3に係る粘着層4及びセパレータフィルムの積層体を適用して転写体を生産する場合であっても、十点平均粗さ(Rz)10nm以上、45nm以下に、平均面粗さ(Ra)1nm以上、4nm以下に設定することにより、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔実施例2〕
なお以下の実施例2により、1/4波長板用配向膜11及び1/2波長板用配向膜13を十点平均粗さ(Rz)10nm以上、45nm以下により作成し、さらに平均面粗さ(Ra)を1nm以上、4nm以下により作成し、実施形態に係る効果を確認することができた。
〔転写フィルムの作製〕
実施例1における転写フィルムの支持体基材を剥離し、1/4波長板用賦形樹脂層と、片面の離型紙を剥がした粘着フィルム(MHM−GA25、日栄加工(株)製)の粘着剤側を貼り合わせ、これにより第2実施形態について上述した光学フィルム3に係る粘着層4及びセパレータフィルムの積層体が、この片面の離型紙を剥がした粘着フィルムである転写フィルムを作成する。
〔画像表示パネルへの配置〕
得られた転写フィルムにおいて、1/2波長板用位相差層側の離型紙を剥がし、偏光板の吸収軸と1/4波長板用位相差層の遅相軸のなす角が反時計回りで15度となるよう、偏光板(スミカラン、住友化学製)と貼り合わせ、さらに、1/4波長板用賦形樹脂層側の離型紙を剥がし、実施例1と同様に有機EL素子と貼り合わせた。この表示装置を、電力を印加せずに極角45度から目視で観察したところ、円偏光板を貼り合わせる前は金属色が観察され、円偏光板を貼り合わせた後は金属光沢は認められず黒色に観察された。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、転写層側に粘着層を設けるようにして、この粘着層により直線偏光板と転写層とを一体化する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この粘着層を直線偏光板側に設けるようにしてもよい。また粘着層に代えて、紫外線硬化性樹脂等による接着剤層により一体化するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種賦型用樹脂を適用する場合、さらには加熱等により軟化させた基材を押し付けて賦型する場合等にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ロール版により賦型処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平板により賦型処理する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、賦型処理により配向膜を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光配向の手法により配向膜を作成する場合にも広く適用することができる。なおこの場合、1/2位相板、1/4位相板の何れか一方のみを光配向膜により作成してもよく、双方を光配向膜により作成してもよい。
また上述の実施形態では、ロール材の連続した処理により粘着層4、セパレータの配置を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、別途、光学フィルムをシート形状により切り出した後に配置するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、可撓性を有するシート形状による画像表示パネルに光学フィルムを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、液晶表示パネル等による一般の画像表示装置に適用する場合、さらには各種の部材に配置して反射防止を図る場合に広く適用することができる。
1 画像表示装置
2 画像表示パネル
3 光学フィルム
4、7 粘着層
5 直線偏光板
6 1/4波長板
8 1/2波長板用位相差層
9 1/4波長板用位相差層
10 1/4波長板用賦型樹脂層
11 1/4波長板用配向膜
12 1/2波長板用賦型樹脂層
13 1/2波長板用配向膜
15 基材
16 光学機能層
20、70 転写フィルム
21 支持体基材
23、42、71 セパレータフィルム
30、50、60 製造工程
31、32、33、41、51 供給リール
34 剥離ロール
36、40、44、58、68 巻き取りリール
38A、38B 押圧ローラ
39 剥離ローラ
43A、43B、54、64 加圧ローラ
52、58、62、69 ダイ
53、63 ロール版
55、57、65、67 紫外線照射装置
56、66 剥離ローラ

Claims (7)

  1. 透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層と、
    前記転写層を保持する支持体とを備えた
    光学フィルム用転写体。
  2. 前記支持体が、
    セパレータフィルムであり、
    前記転写層は、
    前記支持体により被覆される粘着層を備える
    請求項1に記載の光学フィルム用転写体。
  3. 前記1/2波長板用位相差層及び1/4波長板用位相差層にそれぞれ対応する1/2波長板用配向膜及び1/4波長板用配向膜を備え、
    前記1/2波長板用配向膜及び1/4波長板用配向膜は、
    十点平均粗さ(Rz)が、10nm以上、45nm以下である
    請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム用転写体。
  4. 前記1/2波長板用配向膜及び1/4波長板用配向膜は、
    平均面粗さ(Ra)が、1nm以上、4nm以下である
    請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の光学フィルム用転写体。
  5. 透明フィルムによる基材と、
    直線偏光板としての機能を担う直線偏光板の光学機能層と、
    1/4波長板としての機能を担う1/4波長板の光学機能層とが積層され、
    前記1/4波長板の光学機能層が、前記直線偏光板の光学機能層の上に、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4の何れかに記載の光学フィルム用転写体に設けられた前記転写層による光学機能層である
    光学フィルム。
  6. 請求項5に記載の光学フィルムを配置した
    画像表示装置。
  7. 偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムの製造方法において、
    透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層を、前記転写層を保持する支持体上に形成する転写体の製造工程と、
    透明基材に、直線偏光板としての機能を担う直線偏光板の光学機能層を形成する直線偏光板の製造工程と、
    前記直線偏光板の光学機能層に、前記転写体の製造工程で生産した前記支持体上の転写層を転写する転写工程とを備える
    光学フィルムの製造方法。
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