JP2014023310A - コンバータシステムの制御方法および制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】PWMコンバータを力行時にも動作させ、力行時および制動時のPWMコンバータ安定な動作と、力行と制動との間の動作モードの円滑な相互移行とを、直流電流検出器を設けることなく行う装置を提供する。
【解決手段】ダイオードコンバータとPMWコンバータ5とを、交流側の変圧器4を介在させて互いに絶縁して交流電源系統Nに接続し、直流側では負荷に対して互いに共通接続したコンバータシステムにおいて、PWMコンバータ5の直流電圧11を直流電圧検出値Vdcとして求め、PWMコンバータ5の交流側で有効電流成分を有効電流検出値Iqとして求め、ダイオードコンバータの全波整流ピーク電圧以上の直流電圧指令値Vdc*2と直流電圧検出値Vdcとの偏差に応じた調節動作に基づいて有効電流指令値Iq*を生成した後、所定の制限値+IL1,−IL1に制限し、有効電流調節器14の出力にてPWMコンバータを操作する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイオードコンバータとPMWコンバータとを交流側は少なくとも一方に変圧器を介在させることにより互いに絶縁して交流電源系統に接続し、直流側は負荷回路に対して互いに共通接続したコンバータシステムの制御方法および制御装置に関する。
図11はこの種の公知のコンバータシステムの主回路構成を示す。交流電源系統Nに変圧器1を介してダイオードコンバータ2が接続され、このダイオードコンバータ2の直流側は直流電流を平滑するための直流リアクトル3を介して直流母線DCに接続されている。この直流母線DCには力行/回生運転される負荷Zが接続されている。変圧器1の2次側には別の変圧器4を介してPWMコンバータ5が接続され、このPWMコンバータ5の直流側は直流母線DCに接続されている。この種の典型的なコンバータシステムでは、PWMコンバータ5が回生コンバータとして使用され、変圧器4は回生コンバータが系統Nへ電力を回生するのに適した電圧に変換するために用いられる。力行運転時には専らダイオードコンバータ2が負荷Zに給電するのに対して、回生運転時には負荷Zからの電力回生により直流側電圧が上昇することによりダイオードコンバータ2が阻止状態となる。直流側電圧が予め設定された回生開始電圧レベルに達すると、PWMコンバータ5が回生コンバータとなって系統へ電力回生を行なって、直流側電圧の上昇を抑制する。
この種の従来のコンバータシステムの出力比は力行を100%とすると回生は50%以下であることが多く、回生コンバータは回生時にのみ動作させていることから、力行にも使用して稼働率を上げることが望ましい。
回生時に回生動作をする自励式電力変換器を、力行時にも動作させて電力用ダイオード整流器と並列運転を行なうことにより過負荷耐量を増した電力変換装置が公知である(例えば、特許文献1)。この公知の装置では、自励式電力変換器の制御のために、直流側電圧を検出する直流電圧検出器のほかに、負荷に供給する直流電流(IL)を検出するための直流電流検出器(DCCT)が設けられている。更に、力行と回生との間で互いに異なる制御回路ルートを、直流電流検出器(DCCT)からの負荷電流検出値(IL)の極性に応じて切り換えるために切換スイッチ(SW)が設けられている。この切換スイッチ(SW)は、力行時には負荷電流検出値(IL)に比例した電流値によって自励式電力変換器の入力電流有効分を指令する制御回路ルートを選択し、回生時には直流側電圧を一定に保つ電圧調節動作に基づいて自励式電力変換器の入力電流有効分を指令する制御回路ルートを選択する。従って、この公知のコンバータシステムは、力行と回生との間で自励式電力変換器の動作モードを切り換えると共に力行時に入力電流有効分の指令値を発生させるために、直流電流検出器(DCCT)を用いて負荷電流(IL)を検出しなければならない。
特開2005−318663号公報
本発明の課題は、自励式電力変換器としてのPWMコンバータを力行時にも動作させ、しかも力行時および回生(制動)時のPWMコンバータの安定な動作と、力行と回生との間の動作モードの円滑な相互移行とを、直流電流検出器で負荷電流を検出することなく簡単な手段で実現するコンバータシステムの制御方法および制御装置を提供することにある。
この課題は、制御方法に関しては、ダイオードコンバータとPMWコンバータとを、交流側では少なくとも一方に変圧器を介在させることにより互いに絶縁して交流電源系統に接続し、直流側では負荷に対して互いに共通接続したコンバータシステムの制御方法において、PWMコンバータの直流側で直流電圧を直流電圧検出値として求め、PWMコンバータの交流側で有効電流成分を有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流検出値として求め、ダイオードコンバータの全波整流ピーク電圧以上の電圧値に相当する直流電圧指令値と前記直流電圧検出値との間の電圧制御偏差に応じた調節動作に基づいて有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流指令値を生成し、その有効電流指令値を予め与えられた制限値に制限し、その制限される有効電流指令値と前記有効電流検出値との間の有効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成することにより、PWMコンバータにおける力行と回生との間の動作モード移行が前記有効電流指令値の極性変化のみに基づいて行なわれるようにしたことを特徴とする制御方法によって解決される。
本発明による制御方法によれば、有効電流指令値および有効電流検出値は、PWMコンバータの有効電力の流れ方向に応じた極性を有する。例えば、正極性は力行モードに対応し、負極性は回生モードに対応する。低負荷状態での力行時には、ダイオードコンバータの全波整流ピーク電圧以上の電圧値を直流電圧指令値として直流電圧一定制御が行なわれ、それによって、ダイオードコンバータによる電力供給が阻止され、PWMコンバータのみによって電力供給が行なわれる。負荷増大にともなって電流制限動作領域に入ると有効電流一定制御に移行するために、PWMコンバータの直流側電圧が低下し、それによってPWMコンバータとダイオードコンバータとが並列運転される。即ち、PWMコンバータの制限電流レベルを上回る負荷電流の超過分はダイオードコンバータが負担する。負荷側からの回生電力によってPWMコンバータの直流側電圧が上昇して直流電圧検出値が直流電圧指令値を上回ると、電圧制御偏差が負に転じることにより有効電流指令値の極性も負に転じる。有効電流調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号が回生モードに移行する。回生時には、ダイオードコンバータの全波整流ピーク電圧以上の電圧値に設定されている直流電圧指令値と直流電圧検出値に応じた調節動作に基づく電圧一定制御と、力行時と同様にその内側ループでの有効電流調節動作による電流制限制御とにより、PWMコンバータが回生モードで動作して直流側電圧を一定に保つ。このように、本発明によれば、力行モードと回生モードとの間で制御構成を特別に変更することなく、しかもモード間の相互移行のために特別な切換え器を使用することもなく、直流電圧制御偏差に応じた調節動作により生成される有効電流指令値の極性のみに基づいて力行および回生のモード制御が実現されている。
本発明による制御方法の好ましい実施形態では、PWMコンバータの交流側で無効電流成分を無効電流検出値として求め、予め与えられた無効電流指令値と前記無効電流検出値との間の無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成し、前記有効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第1成分とし、前記無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第2成分とし、前記第1成分と第2成分とを合成してPWMコンバータを操作する制御信号とする。無効電流指令値は固定又は可変設定とし、電源系統側で発生する定常的および/又は過渡的な無効電力変動の少なくとも一部を無効電力調節動作によって補償することができる。更に、第1および第2の成分は、系統電圧ベクトルの有効分および無効分の方向を基準とする直交2軸成分として与えることができる。この直交2軸成分は直流量信号であるが、公知の座標変換技術によりPWMコンバータを直接的に制御できる交流量信号を経てゲートパルスに変換することができる。
本発明による制御方法の他の実施形態では、交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて前記直流電圧指令値を変更する。これは、電源容量が比較的小さい電源系統の場合、電源系統に接続されている他の負荷の急変の影響で想定を超えた系統電圧レベル上昇が起こり得るので、その際に生じる問題を解消することを意図している。系統電圧レベルの上昇にともなってダイオードコンバータによる電力供給で直流側電圧が上昇することによって、直流電圧検出値が直流電圧指令値を上回ると、直流電圧制御偏差に応じた調節動作により生成される有効電流指令値の極性反転より、PWMコンバータが回生モードに移行させられる。即ち、負荷が力行運転状態にあっても、ダイオードコンバータが負荷の需要を上回る余分の電力を供給し、その余分の電力をPWMコンバータが電源系統に回生するという動作が生じ得る。これによってPWMコンバータが過負荷となる危惧が存在する。この実施形態によれば、負荷の回生運転に基づかないこのようなPWMコンバータの願わしくない回生動作が防止される。更に他の好ましい実施形態に従って、前記直流電圧指令値は、交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて変化する可変係数を固定の設定値に乗算することによりを得るとよい。
更に、前記課題は、制御装置に関しては、ダイオードコンバータと自励式電力変換器としてのPMWコンバータとを、交流側では少なくとも一方に変圧器を介在させることにより互いに絶縁して交流電源系統に接続し、直流側では負荷回路に対して互いに共通接続したコンバータシステムの制御装置において、PWMコンバータの直流側で直流電圧を直流電圧検出値として求める電圧検出手段と、PWMコンバータの交流側で有効電流成分を有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流検出値として求める有効電流検出手段と、ダイオードコンバータの全波整流ピーク電圧以上の電圧値に相当する直流電圧指令値を発生する電圧指令手段と、その直流電圧指令値と前記直流電圧検出値との制御偏差に応じた調節動作に基づいて有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流指令値を生成する電圧調節手段と、その有効電流指令値を予め与えられた制限値に制限する電流制限手段と、その制限される有効電流指令値と前記有効電流検出値との間の制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成する有効電流調節手段と、有効電流調節手段からの制御信号に基づいてPWMコンバータのためのゲートパルスを生成するPWMコンバータ制御手段とを有するコンバータシステムの制御装置によって解決される。
本発明による制御装置の好ましい実施形態では、PWMコンバータの交流側で無効電流成分を無効電流検出値として求める無効電流検出器手段と、予め与えられた無効電流指令値と前記無効電流検出値との間の無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成する無効電流調節手段とを備え、前記PWMコンバータ制御手段は、前記有効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第1成分として、前記無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第2成分として受け取り、前記第1成分と第2成分とを合成した制御信号に基づいてPWMコンバータのためのゲートパルスを生成する。無効電流指令値は固定又は可変設定とし、電源系統側で発生する定常的および/又は過渡的な無効電力変動の少なくとも一部を無効電力調節動作によって補償することができる。
本発明による制御装置の他の実施形態では、前記電圧指令手段が、交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて前記直流電圧指令値を変更するように構成されている。これによって電源容量が比較的小さい電源系統の場合に起こり得る直流側電圧の異常上昇に起因したPWMコンバータの願わしくない回生モードへの移行が回避される。更に、前記電圧指令手段が、交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて変化する可変係数を固定の設定値に乗算することにより前記直流電圧指令値を得るように構成されているとよい。
本発明によるコンバータシステムの制御方法および制御装置の他の実施形態の特徴、利点および詳細は、図面を参照する実施例の説明およびそれぞれの従属請求項において明らかにする。
本発明によるコンバータシステム制御方法およびコンバータシステムによれば、PWMコンバータを力行時にも動作させることによって、ダイオードコンバータ単独運転の場合に比べて電源系統への高調波流出を低減すると共に、負荷電流を検出する直流電流検出器や特別な動作モード切換スイッチを設けることなく、電圧制御偏差に応じた調節動作により生成される有効電流指令値の極性に基づいて力行と回生との間の相互の円滑な動作モード移行を実現し、いずれの動作モードにおいても有効電流調節ループを内側に有する電圧調節ループを構成して安定にPWMコンバータを動作させることができる。
本発明のコンバータシステムの主回路構成を示す単線図である。 本発明のコンバータシステムの制御構成の第1の実施例を示すブロック図である。 本発明のコンバータシステムの制御構成の第2の実施例を示すブロック図である。 ダイオードコンバータの系統側電流を示す波形図である。 ダイオードコンバータとPWMコンバータとの並列運転時の合成系統側電流を示す波形図である。 力行時の負荷に依存したPWMコンバータ直流電圧の変化を示す特性図である。 力行時の負荷に依存した変換器出力の変化を示す特性図である。 本発明における直流電圧指令値Vdc*2と系統電圧Vacの関係を示す特性図である。 本発明のコンバータシステムにおける力行時の有効電力の流れを説明する図である。 本発明のコンバータシステムにおける回生状態の有効電力の流れを説明する図である。 従来のコンバータシステムの主回路構成を示す単線図である。
以下において、図面に示す本発明の実施例に基づいて本発明によるコンバータシステムおよびコンバータシステムの制御方法を説明する。図1〜4において従来装置と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
図1に示された本発明によるコンバータシステムの主回路構成によれば、3相交流電源系統Nに3相変圧器1を介してダイオードコンバータ2が接続され、ダイオードコンバータ2の直流側は直流母線DCに接続されている。ダイオードコンバータ2と直流母線DCとの間には直流リアクトル3を接続することが好ましい。直流母線DCには負荷Zが接続されている。3相変圧器1の二次側には別の3相変圧器4を介してPWMコンバータ5が接続され、PMWコンバータ5の直流側は直流母線DCに接続されている。PWMコンバータ5の直流側に平滑コンデンサ6を接続し、変圧器4とPWMコンバータ5との間にフィルタ回路7および交流リアクトル8を接続することが好ましい。
ダイオードコンバータ2は、例えばダイオードの3相ブリッジ結線からなる。PWMコンバータ5は、パワー半導体素子、例えばそれぞれ逆並列ダイオードを有するIGBT素子の3相ブリッジ結線からなる。変圧器1は系統電圧をダイオードコンバータに適した電圧に変換するために使用され、変圧器4はPWMコンバータ5およびダイオードコンバータ2の交流側を互いに絶縁して接続するために使用されている。平滑コンデンサ6はPWMコンバータ5の直流側電圧を平滑するために使用され、直流リアクトル3はダイオードコンバータ2の出力電流を平滑するために使用される。フィルタ回路7はPWMコンバータ5により出力される高調波電流を抑制する動作をする。交流リアクトル8はPWMコンバータ5のスイッチング動作により所定の直流電圧を得るための昇圧リアクトルである。負荷Zは力行および回生運転される負荷、例えばインバータ給電の可変速交流電動機を含む。
図2に本発明による制御装置の実施例がブロック図で示されている。PWMコンバータ5の平滑コンデンサ6を接続した直流端子間では直流電圧検出器11によって直流電圧検出値Vdcが取り出され、直流電圧調節器12の入力部に導かれる。直流電圧調節器12は、その入力部において、与えられた直流電圧指令値Vdc*2と直流電圧検出値Vdcとを突き合わせて電圧制御偏差(Vdc*2−Vdc)を求め、その電圧制御偏差に応じた調節動作に基づいて、即ち電圧制御偏差に例えば比例積分演算を施すことにより、有効電流指令値Iqを生成する。直流電圧調節器12の出力部では出力制限が行なわれる。直流電圧調節器12が出力する有効電流指令値Iqは極性を有し、各極性に対してそれぞれ別個に制限値+IL1および−IL2が設定可能である。
PWMコンバータ5の交流側に挿入された変流器を含む電流検出回路13によって、PWMコンバータ5の交流入力電流が無効電流成分Idと有効電流成分Iqとに分離されて検出される。この分離は、交流側で検出された図示していない系統電圧同期信号に基づいて行なわれる。有効電流検出値Iqおよび無効電流検出値Idは極性を有する。例えば系統側からPWMコンバータ側への有効電力の流れが正極性に、その逆の流れが負極性に選ばれている。従って、有効電流検出値Iqおよび上記有効電流指令値Iqの正極性は力行モードに対応し、負極性は回生モードに対応する。このため、PWMコンバータの力行モードと回生モードとの間の相互移行は、直流電圧制御偏差に応じた調節動作により生成される有効電流指令値の極性に基づいて自動的に行なわれる。
有効電流調節器14はその入力部において有効電流指令値Iqと有効電流検出値Iqとを突き合わせて有効電流制御偏差(Iq−Iq)を求め、有効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて、即ちその制御偏差に例えば比例積分演算を施すことにより、PWMコンバータ5を操作するための制御信号を第1成分として生成する。同様に無効電流調節器15が無効電流指令値Idと無効電流検出値Idとから無効電流制御偏差(Id−Id)を求め、無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて、即ちその制御偏差に例えば比例積分演算を施すことにより、PWMコンバータ5を操作するための制御信号を第2成分として生成する。
PWMコンバータ5の制御ユニット16では有効電流調節器14からの第1成分(q軸成分)と無効電流調節器15からの第2成分(d軸成分)とが合成されて最終的にゲートパルスに変換される。そのために、この実施例では、座標変換器17が図示していない系統電圧同期信号に基づいてd軸成分およびq軸成分を2相交流量信号に変換し、この2相交流量信号が2相−3相変換器18で3相交流量信号に変換された後にゲートパルス生成回路19に入力される。ゲートパルス生成回路19はPWM変調によりパルス成形されたゲートパルス信号をPWMコンバータ5に出力する。そのゲートパルス信号に従ってPWMコンバータ5のパワー半導体素子がスイッチングする。
このように、本発明によれば、力行モードと回生モードとの間で制御構成を特別に変更することなく、しかもモード間の相互移行のために特別な切換え器を使用することもなく、直流電圧制御偏差に応じた調節動作により生成される有効電流指令値の極性のみに基づいて力行および回生のモード制御が実現されている。
図6は力行時における負荷(有効電流Iq)に依存した直流電圧Vdcの経過を示し、図7は力行時における負荷(有効電流Iq)に依存した両コンバータの総出力P(ダイオードコンバータの供給電力PとPWMコンバータの供給電力Pとの和)の経過を示す。低負荷状態での力行時には、ダイオードコンバータ2の全波整流ピーク電圧以上の高い電圧値を直流電圧指令値Vdc*2とした直流電圧一定制御(図6の領域(a)参照)が行なわれることにより、ダイオードコンバータ2からの給電が阻止され、PWMコンバータ5のみによって給電が行なわれる(図7の領域(a)参照)。負荷増大にともなって有効電流指令値Iqが制限値+IL1に制限される電流制限動作領域に入ると、有効電流一定制御に移行するためPWMコンバータ5の直流側電圧Vdcが低下し(図6の領域(b)参照)、それによってPWMコンバータ5とダイオードコンバータ2とが並列運転される(図7の領域(b)参照)。即ち、PWMコンバータ5の制限電流レベルを上回る負荷電流の超過分はダイオードコンバータ2が供給する。
本発明によれば、PWMコンバータ5とダイオードコンバータ2との並列運転により、ダイオードコンバータ2のみによる運転に比べて、高調波の低次成分の低減が期待できる。即ち、ダイオードコンバータ2のみによる運転の場合には系統側に図4の波形で電流が流れるのに対して、PWMコンバータ5とダイオードコンバータ2との並列運転時には系統側の電流波形は図5のようになる。図4および図5において、横軸は時間t、縦軸は電流瞬時値iacを表す。
先に説明した力行時のダイオードコンバータ2とPWMコンバータ5の並列運転の際には、系統Nから負荷Zへの有効電力の流れは図9に太い矢印線で示すようになる。しかし、ダイオードコンバータ2は系統電圧を整流して直流電圧を出力するので、系統電圧上昇に伴い直流電圧値が上昇してしまい、その結果この直流電圧検出値Vdcが直流電圧指令値Vdc*2を超えると、電圧制御偏差(Vdc*2−Vdc)に応じた調節動作に基づいて生成される有効電流指令値Iqの極性が負に転じて、PWMコンバータ5が回生モードの動作に移行する。従って、図10に太い矢印線で示すように、ダイオードコンバータ2が負荷の需要を超える余分の電力を系統から取り出し、その余分の電力を常時PWMコンバータ5が系統へ回生してしまう。電源容量が比較的小さい電源系統の場合、直流側電圧の想定した以上の異常上昇が起こり得る。このような場合にはPWMコンバータ5が願わしくない回生動作により過負荷となり得るので対策が必要である。
図3にその対策を講じた本発明による制御装置の実施形態の要部を示す。これによれば、変圧器4の1次側に計器用変圧器20が接続され、この変圧器20によって検出された3相系統電圧が3相−2相変換器21によって2相量の系統電圧信号に変換される。3相−2相変換器21の2相量の系統電圧信号は座標変換器22によって直流量に変換される。図3に示された実施形態において、計器用変圧器20、3相−2相変換器21および座標変換器22は、新たに追加された構成要素ではなく、PWMコンバータを制御するための位相基準を与える系統電圧同期信号を導出するために元々存在している構成要素を利用することができる。
直流量としての系統の電圧レベル検出値Vacは、好ましくはノイズ除去フィルタ23を通過させた後に、実際の系統電圧変動範囲内でPWMコンバータの過電圧もしくは不足電圧にならないレベルに設定した系統電圧補償上限値Vacmaxおよび系統電圧補償下限値Vacminで制限し、更に除算器24において系統電圧補償下限値Vacminで除算することによりユニット量に変換するとよい。
直流電圧調節器12の入力部において直流電圧検出器11からの直流電圧検出値Vdcと突き合わされる直流電圧指令値Vdc*2は、この実施形態では、予め与えられる固定の直流電圧指令値Vdc*1を乗算器25で係数補正することによって作り出される。即ち、系統の電圧レベル検出値Vacが、系統電圧補償下限値Vacminを基準とするユニット量に変換された後に、係数入力として乗算器25において固定設定値として与えられる初期の直流電圧指令値Vdc*1に乗算される。従って、系統の電圧レベル検出値Vacが制限値VacmaxおよびVacminの範囲内にあるときは、直流電圧調節器12に入力される直流電圧指令値Vdc*2は、
Vdc*2=(Vac/Vacmin)・Vdc*1 (1)
となる。従って、直流電圧指令値Vdc*2は系統電圧Vacの変動に依存して図8に示されているように補正される。
このように、直流電圧調節器12に入力する直流電圧指令値Vdc*2を系統の電圧レベル検出値Vacの変動量に応じて補正することによって、直流電圧指令値Vdc*2を常にダイオードコンバータ2の全波整流ピーク電圧以上の電圧値に保つことができる。従って、力行時にもかかわらずPWMコンバータ5が回生動作をしてしまうことが防止される。即ち、力行時の並列運転の際に有効電力の流れを常に図9に示した状態に保ち、有効電力の流れが図10に示した状態になることを防止することができる。
直流電圧の上限は、IGBT素子の遮断能力の限界から或るレベルに制限される。直流電圧指令値Vdc*2の上限は系統電圧補償上限値Vacmaxによって決まっていても、実際の直流電圧Vdcは、系統側もしくは負荷側又はコンバータシステム自体の異常によって上記制限レベルに達することがあり得る。制限レベル到達時には装置保護のためにPWMコンバータの運転停止やその他の保護手段の作動が実行される。
図3の実施形態においては、上記説明以外の、特に電圧調節器12以降の後段の構成および動作については図2の実施形態において図示しかつ説明した内容がそのまま通用するので、それに対応した部分の図示および詳細説明を省略している。
1 変圧器
2 ダイオードコンバータ
3 直流リアクトル
4 変圧器
5 PWMコンバータ
6 平滑コンデンサ
7 フィルタ回路
8 交流リアクトル
11 直流電圧検出器
12 直流電圧調節器
13 電流検出回路
14 有効電流調節器
15 無効電流調節器
16 PWMコンバータ制御ユニット
17 座標変換器
18 2相−3相変換器
19 ゲートパルス生成器
20 計器用変圧器
21 3相−2相変換器
22 座標変換器
23 ノイズ除去フィルタ
24 除算器
25 乗算器
DC 直流母線
N 交流電源系統
Z 負荷

Claims (14)

  1. ダイオードコンバータとPMWコンバータとを、交流側では少なくとも一方に変圧器を介在させることにより互いに絶縁して交流電源系統に接続し、直流側では負荷に対して互いに共通接続したコンバータシステムの制御方法において、PWMコンバータの直流側で直流電圧を直流電圧検出値として求め、PWMコンバータの交流側で有効電流成分を有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流検出値として求め、ダイオードコンバータの全波整流ピーク電圧以上の電圧値に相当する直流電圧指令値と前記直流電圧検出値との間の電圧制御偏差に応じた調節動作に基づいて有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流指令値を生成し、その有効電流指令値を予め与えられた制限値に制限し、その制限される有効電流指令値と前記有効電流検出値との間の有効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成することにより、PWMコンバータにおける力行と回生との間の動作モード移行が前記有効電流指令値の極性変化のみに基づいて行なわれるようにしたことを特徴とするコンバータシステムの制御方法。
  2. PWMコンバータの交流側で無効電流成分を無効電流検出値として求め、予め与えられた無効電流指令値と前記無効電流検出値との間の無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成し、前記有効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第1成分とし、前記無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第2成分とし、前記第1成分と第2成分とを合成してPWMコンバータを操作する制御信号とすることを特徴とする請求項1記載のコンバータシステムの制御方法。
  3. 交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて前記直流電圧指令値を変更することを特徴とする請求項1又は2記載のコンバータシステムの制御方法。
  4. 交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて変化する可変係数を固定の設定値に乗算することにより、前記直流電圧指令値を得ることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載のコンバータシステムの制御方法。
  5. ダイオードコンバータの直流側に平滑リアクトルが直列接続されていることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載のコンバータシステムの制御方法。
  6. PWMコンバータの直流側に平滑コンデンサが並列接続されていることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載のコンバータシステムの制御方法。
  7. PWMコンバータの交流側に交流リアクトルおよび/又はフィルタ回路が接続されていることを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載のコンバータシステムの制御方法。
  8. ダイオードコンバータとPMWコンバータとを、交流側では少なくとも一方に変圧器を介在させることにより互いに絶縁して交流電源系統に接続し、直流側では負荷回路に対して互いに共通接続したコンバータシステムの制御装置において、PWMコンバータの直流側で直流電圧を直流電圧検出値として求める電圧検出手段と、PWMコンバータの交流側で少なくとも有効電流成分を有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流検出値として求める有効電流検出手段と、ダイオードコンバータの全波整流ピーク電圧以上の電圧値に相当する直流電圧指令値を発生する電圧指令手段と、その直流電圧指令値と前記直流電圧検出値との制御偏差に応じた調節動作に基づいて有効電力の流れ方向に応じた極性を有する有効電流指令値を生成する電圧調節手段と、その有効電流指令値を予め与えられた制限値に制限する電流制限手段と、その制限される有効電流指令値と前記有効電流検出値との間の制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成する有効電流調節手段と、有効電流調節手段からの制御信号に基づいてPWMコンバータのためのゲートパルスを生成するPWMコンバータ制御手段とを有することを特徴とするコンバータシステムの制御装置。
  9. PWMコンバータの交流側で無効電流成分を無効電流検出値として求める無効電流検出器手段と、予め与えられた無効電流指令値と前記無効電流検出値との間の無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいてPWMコンバータを操作する制御信号を生成する無効電流調節手段とを備え、前記PWMコンバータ制御手段は、前記有効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第1成分として、前記無効電流制御偏差に応じた調節動作に基づいて生成した制御信号を第2成分として受け取り、前記第1成分と第2成分とを合成した制御信号に基づいてPWMコンバータのためのゲートパルスを生成することを特徴とする請求項8記載のコンバータシステムの制御装置。
  10. 前記電圧指令手段は、交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて前記直流電圧指令値を変更するように構成されていることを特徴とする請求項8又は9記載のコンバータシステムの制御装置。
  11. 前記電圧指令手段は、交流電源系統の電圧レベル検出値に応じて変化する可変係数を固定の設定値に乗算することにより前記直流電圧指令値を得るように構成されていることを特徴とする請求項8乃至10の1つに記載のコンバータシステムの制御装置。
  12. ダイオードコンバータの直流側に平滑リアクトルが直列接続されていることを特徴とする請求項8乃至11の1つに記載のコンバータシステムの制御装置。
  13. PWMコンバータの直流側に平滑コンデンサが並列接続されていることを特徴とする請求項8乃至12の1つに記載のコンバータシステムの制御装置。
  14. PWMコンバータの交流側に交流リアクトルおよび/又はフィルタ回路が接続されていることを特徴とする請求項8乃至13の1つに記載のコンバータシステムの制御装置。
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