JP2014022628A - 瞳輝度分布の評価方法、照明光学系およびその調整方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

瞳輝度分布の評価方法、照明光学系およびその調整方法、露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 見通しの良い物理指標を用いて、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との局所的な差分も抽出することのできる瞳輝度分布の評価方法。
【解決手段】 第1面に配置されるパターンの像を第2面上に形成する結像光学系に照明光を供給する照明光学系の照明瞳に形成される瞳輝度分布を評価する方法。計測された瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分を表す分布であって、照明瞳を仮想的に分割して得られる複数の単位瞳領域を単位とした差分分布の二次元データを求める第1工程と、差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出する第2工程とを含む。
【選択図】 図23

Description

本発明は、瞳輝度分布の評価方法、照明光学系およびその調整方法、露光装置、並びにデバイス製造方法に関する。
半導体素子等のデバイスの製造に用いられる露光装置では、光源から射出された光が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳輝度分布」という。照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
二次光源からの光は、コンデンサー光学系により集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。マスクに形成されたパターンは微細化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
従来、アレイ状に配列され且つ傾斜角および傾斜方向が個別に駆動制御される多数の微小なミラー要素により構成された可動マルチミラーを用いて、所望の瞳輝度分布を実現する照明光学系が知られている。この照明光学系では、空間光変調器としての可動マルチミラーを用いているので瞳輝度分布の外形形状および分布の変更に関する自由度が高く、転写すべきパターンの特性に応じて適切に決定された複雑な外形形状および分布を有する瞳輝度分布を精度良く実現することができる。
空間光変調器としての可動マルチミラーは、非常に任意性の高い瞳輝度分布を照明瞳に精度良く形成する能力を持っている。しかしながら、ミラーの制御誤差や、他の光学系に起因する様々な原因により、実際に照明瞳に形成される瞳輝度分布(すなわち計測された実際の瞳輝度分布)と目標とする瞳輝度分布との間には少なからず乖離が発生する。その際、実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分(乖離)が許容できるか否かを評価するための見通しの良い物理指標が必要になる。ここで、見通しの良い物理指標とは、結像特性との関係が単純で定性的に解釈のし易い物理指標を指している。
従来、ツェルニケ多項式を内部に含む複数の変調作用を表わすパラメータ群を活用して瞳輝度分布を評価する方法が提案されている(特許文献1を参照)。
国際公開第2011/102109号パンフレット
特許文献1に記載された瞳輝度分布の評価方法では、ツェルニケ多項式のように瞳面の全体に亘って連続的に分布する関数表現を用いている。このため、例えば瞳面内の一部にあるような局所的な乖離、すなわち計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との局所的な差分を抽出するのが一般に苦手であり、かなり高次の成分まで用いないと表現しにくい傾向がある。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、見通しの良い物理指標を用いて、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との局所的な差分も抽出することのできる瞳輝度分布の評価方法を提供することを目的とする。また、本発明は、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との局所的な差分も抽出する瞳輝度分布の評価方法を用いて、所望の結像性能をターゲットに実際の瞳輝度分布を適切に調整することのできる照明光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、実際の瞳輝度分布を適切に調整する照明光学系を用いて、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことのできる露光装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1形態では、第1面に配置されるパターンの像を第2面上に形成する結像光学系に照明光を供給する照明光学系の照明瞳に形成される瞳輝度分布を評価する方法であって、
計測された瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分を表す分布であって、前記照明瞳を仮想的に分割して得られる複数の単位瞳領域を単位とした差分分布の二次元データを求める第1工程と、
前記差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、前記差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出する第2工程とを含むことを特徴とする評価方法を提供する。
第2形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系の調整方法において、
前記照明光学系の照明瞳に形成された瞳輝度分布を計測することと、
第1形態の評価方法を用いて、前記瞳輝度分布を評価することと、
前記評価の結果に基づいて前記照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整することとを含むことを特徴とする調整方法を提供する。
第3形態では、第2形態の調整方法により調整されたことを特徴とする照明光学系を提供する。
第4形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
前記照明光学系の照明瞳に形成された瞳輝度分布を計測する瞳分布計測装置と、
前記照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整する瞳調整装置と、
前記瞳分布計測装置によって計測された前記瞳輝度分布と、第1形態の評価方法とを用いて前記瞳輝度分布を評価し、該評価の結果に基づいて前記瞳調整装置を制御する制御部とを備えていることを特徴とする照明光学系を提供する。
第5形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
前記照明光学系の照明瞳に形成された瞳輝度分布を計測する瞳分布計測装置と、
前記照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整する瞳調整装置と、
前記瞳分布計測装置によって計測された前記瞳輝度分布と、第1形態の評価方法とを用いて前記瞳輝度分布を評価し、該評価の結果に基づいて前記瞳調整装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記計測された瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分を表す分布であって、前記照明瞳を仮想的に分割して得られる複数の単位瞳領域を単位とした差分分布の二次元データを求める差分演算部と、
前記差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、前記差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出するウェーブレット係数分布算出部とを含むことを特徴とする照明光学系を提供する。
第6形態では、所定のパターンを照明するための第3形態、第4形態または第5形態の照明光学系を備え、前記所定のパターンを感光性基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第7形態では、第6形態の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
実施形態にしたがう瞳輝度分布の評価方法では、見通しの良い物理指標を用いて、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との局所的な差分も抽出し、ひいては結像性能に着目して瞳輝度分布を良好に評価することができる。実施形態にかかる照明光学系では、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との局所的な差分も抽出する瞳輝度分布の評価方法を用いて、所望の結像性能をターゲットに瞳輝度分布を適切に調整することができる。実施形態の露光装置では、瞳輝度分布を適切に調整する照明光学系を用いて、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことができ、ひいては良好なデバイスを製造することができる。
目標とする瞳輝度分布と実際の瞳輝度分布との差分分布の一次元的な典型モードを示す図である。 多重解像度解析について説明する第1の図である。 多重解像度解析について説明する第2の図である。 瞳輝度分布のサンプルデータの画像に対して多重解像度解析を行って得られた各階層のグリッドデータの画像を概略的に示す図である。 典型的なフリーフォームの瞳輝度分布について実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分分布の二次元データの画像に対して多重解像度解析を行って得られた各階層のグリッドデータの画像を概略的に示す図である。 多重解像度解析により各次のグリッドデータが得られる様子を示す図である。 低次のウェーブレットおよび高次ウェーブレットを示す図である。 階層毎のウェーブレットの基底分布Vnを示す図である。 階層毎のウェーブレットの基底分布Hnを示す図である。 階層毎のウェーブレットの基底分布Lnを示す図である。 二次元データからウェーブレット係数の分布を算出する様子を示す図である。 図5(a)に示す差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行ってウェーブレット係数の分布を算出する様子を示す図である。 直交座標系による表現の画像から極座標系による表現の画像に変換する様子を示す図である。 直交座標系により表現される円弧状の領域を示す図である。 図14の円弧状の領域を極座標系による表現を用いて矩形状の領域に変換したときに領域の面積が変化することを示す図である。 極座標系による表現に対応する階層毎のウェーブレットの基底分布Rnを示す図である。 極座標系による表現に対応する階層毎のウェーブレットの基底分布θnを示す図である。 極座標系による表現に対応する階層毎のウェーブレットの基底分布Lnを示す図である。 実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 空間光変調ユニットの構成および作用を概略的に示す図である。 空間光変調ユニット中の空間光変調器の部分斜視図である。 瞳分布計測装置の内部構成を概略的に示す図である。 実施形態にかかる照明光学系の調整方法のフローチャートである。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
実施形態の具体的な説明に先立って、本実施形態にかかる瞳輝度分布の評価方法の基本的な考え方を説明する。露光装置において、可動マルチミラーを用いて照明瞳に形成される実際の瞳輝度分布は、照明瞳に形成しようと企図した瞳輝度分布すなわち目標とする瞳輝度分布とは僅かに異なる分布になる。また、実際の瞳輝度分布により得られる結像性能は、目標とする瞳輝度分布に応じた所望の結像性能とは僅かに異なるものになる。以下、説明の理解を容易にするために、目標とする瞳輝度分布は、設計上の瞳輝度分布であるものとする。
目標とする設計上の瞳輝度分布は、転写すべきパターンの特性に応じて適切に決定され、複雑な外形形状および分布を有する場合がある。具体的に、設計上の瞳輝度分布として、瞳の充填率が比較的低い自由形状(フリーフォーム)の光強度分布を採用することもある。この場合、例えば設計上の瞳輝度分布に応じた所望の結像性能をターゲットに実際の瞳輝度分布を調整するには、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との差分を結像性能に着目して指標評価することが必要になる。
特許文献1では、計測された実際の瞳輝度分布IM(x,y)と目標とする設計上の瞳輝度分布IT(x,y)との関係を、次の式(a)に示すようにモデル化している。式(a)において、T(x,y)は正味の透過率分布関数であり、Dx,Dyはディストーション関数である。また、PSFはぼけ効果を表す関数(例えばガウス関数)であり、Cは瞳面の全体に亘って均一に作用する照明フレア成分であり、「*」はコンボリューションを表している。
M(x,y)≒T(x,y)[IT(x,y){x+Dx(x,y),
y+Dy(x,y)}*PSF]+C (a)
前述したように、特許文献1では、式(a)に示すように、ツェルニケ多項式を内部に含む複数の変調作用を表わすパラメータ群を活用して瞳輝度分布を評価している。すなわち、ツェルニケ多項式のように瞳面の全体に亘って連続的に分布する関数表現を用いている。このため、例えば瞳面内の一部にあるような局所的な乖離、すなわち計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との局所的な差分を抽出するのが一般に苦手であり、かなり高次の成分まで用いないと表現しにくい傾向がある。
これは、例えば波面収差をツェルニケ多項式で表現する際に局所的な位相欠陥を表現するのが困難であることと同じことを意味している。また、計測された実際の瞳輝度分布の画像すなわち実測画像を解析して各パラメータを抽出する手段が非線形最小二乗法になるため、計算精度や計算時間等に負荷がかかり過ぎるという課題もある。さらに、瞳輝度分布の素性(特性)によって、各変調パラメータ同士の直交性が悪くなるという課題もある。そこで、本実施形態では、これらの課題を解決できるような新しい物理指標を用いて瞳輝度分布を評価する方法を提案する。
まず、図1(a)および(b)に示すように、瞳面において瞳輝度分布を形成すべき領域を簡単のために一次元で考える。図1(a)の左側の図において実線で示す目標とする瞳輝度分布101に対して破線で示す実際の瞳輝度分布102が横方向に位置ずれした場合、目標とする瞳輝度分布101と実際の瞳輝度分布102との差分分布103は、図1(a)の右側の図に示すような矩形の孤立波形状の分布になる。
一方、図1(b)の左側の図において実線で示す目標とする瞳輝度分布101に対して破線で示す実際の瞳輝度分布102が縦方向に位置ずれした場合、目標とする瞳輝度分布101と実際の瞳輝度分布102との差分分布103は、図1(b)の右側の図に示すような矩形の孤立波形状の分布になる。具体的に、図1(b)の左側の図では、目標とする平坦な瞳輝度分布101に対して、左半分の領域では実際の瞳輝度分布102の方が大きい。ここで、瞳面内の全光量が目標とする瞳輝度分布101と実際の瞳輝度分布102とで互いに等しいという条件を考慮に入れると、右半分の領域では実際の瞳輝度分布102の方が自動的に小さくなる。
つまり、図1(a)に示す瞳面における瞳輝度分布の横方向位置ずれ、および図1(b)に示す瞳面における瞳輝度分布の縦方向位置ずれのような、瞳輝度分布の形成に際して発生する最も典型的かつ両極端な誤差は、目標とする瞳輝度分布と実際の瞳輝度分布との差分を取ることによって、いずれも正負に値を取りかつ幅の異なる矩形の孤立波形状の分布として表現されやすい傾向があることが分かる。
次に、画像処理の分野などで知られる多重解像度解析について説明する。図2の最も下側の図では、互いに直交する二方向に沿って2N×2N個の矩形状の単位瞳領域(グリッド)に仮想的に分割された照明瞳104に実際の瞳輝度分布102が形成されている様子が示されている。多重解像度解析における最初の処理対象は、実際の瞳輝度分布102に関する2N×2N個のグリッドデータ(二次元データ)である。
この2N×2N個のグリッドデータに対して近接する2×2ピクセル毎の輝度の平均値を順に取っていくことにより、2N-1×2N-1個のサイズのデータにしたものを、一つ上の階層のグリッドデータとする。同様の処理を階層毎に繰り返していくと、図2の最も上側の図に示すように、20個すなわち1つのピクセル105の輝度の値が、元の2N×2N個のグリッドデータの平均輝度に相当することになる。すなわち、ピクセル105の輝度の値は、一つ下の階層における4つのピクセルの値A,B,C,Dの平均値である(A+B+C+D)/4で表わされる。
一方、図3では、図2における昇順処理で最終的に得られた1つのピクセル105から始めて、一つ上の階層の平均値との差分をとった分布をデータとして順次求めることにより、複数の階層(例えばN個の階層)のデータが得られる。具体的に、ピクセル105より一つ下の階層の4つのピクセルのうち、例えば図2の処理で輝度の値Bを持っていたピクセルは、一つ上の階層のピクセル105の平均値(A+B+C+D)/4との差分、すなわちB’=B−(A+B+C+D)/4で表わされる値を持つことになる。図3に示す降順処理は、例えば2N×2N個のグリッドデータの階層まで繰り返される。
このように解像度を変えて解析する手法は、画像処理の分野などで多重解像度解析と呼ばれている。多重解像度解析により、解析対象である分布に関する情報を、大局的な分布に関する情報と、細かい構造の分布に関する情報とにきれいに分けることが可能である。
図4は、適当な瞳輝度分布のサンプルデータの画像に対して多重解像度解析を行って得られた各階層のグリッドデータの画像を概略的に示す図である。図4(a)には、解析対象である瞳輝度分布のサンプルデータの画像を示している。図4(b),(c),(d),(e),(f),(g),(h)には、多重解像度解析により得られた3次,4次,5次,6次,7次,8次,9次のグリッドデータの画像を示している。
図4(a)に示す画像は、瞳輝度分布の28×28(256×256個)個のグリッドデータであって、図2の最も下側の二次元データに対応している。図4(b)〜(h)に示すn次(3次〜9次)のグリッドデータの画像は、2n-1×2n-1個のグリッドデータであって、図3において最も上側のピクセル105の階層から下側に(n−1)番目の階層で得られる二次元データに対応している。
7次および8次のグリッドデータの画像では、図4(a)に示す評価画像の輪郭部が表現されていると解釈される。4次および5次のグリッドデータの画像では、図4(a)に示す評価画像の大局的な分布の構造が表現されていると解釈される。なお、本実施形態では、瞳輝度分布の二次元データそのものではなく、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分を表す分布であって、照明瞳を仮想的に分割して得られる複数の単位瞳領域を単位とした差分分布の二次元データを解析対象として、多重解像度解析の処理を行う。
図5は、典型的なフリーフォームの瞳輝度分布について実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分分布の二次元データの画像に対して多重解像度解析を行って得られた各階層のグリッドデータの画像を概略的に示す図である。図5(a)には、解析対象である差分分布の二次元データの画像を示している。図5(b),(c),(d),(e),(f),(g),(h)には、多重解像度解析により得られた2次,3次,4次,5次,6次,7次,8次のグリッドデータの画像を示している。
図5(a)に示す画像は、差分分布の28×28(256×256個)個のグリッドデータであって、図2の最も下側の二次元データに対応している。図5(b)〜(h)に示すn次(3次〜9次)のグリッドデータの画像は、2n-1×2n-1個のグリッドデータであって、図3において最も上側のピクセル105の階層から下側に(n−1)番目の階層で得られる二次元データに対応している。最も誤差(乖離)が大きかったのは7次のグリッドデータであり、4次〜7次のグリッドデータで誤差が比較的大きいという傾向が見られる。
図5に示すように、実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分分布の二次元データの画像に対して多重解像度解析を行って差分分布を階層毎のグリッドデータに分けることにより、例えば大局的な分布の誤差と細かい構造の誤差とに分けて、どの階層で最も誤差が大きいかということが分かるようになる。しかしながら、所定の階層での乖離(誤差)がある値だったとしても、誤差がどう分布しているかという違いによって同じ乖離量でも結果的に結像特性に与える影響は一般に異なる。
ここで、例えば図6に示すように多重解像度解析により得られる3次の4×4のグリッド106内での誤差の分布の種類を考えた場合、仮に各ピクセルが2値しか値を持たないという最低限の条件だとしても、216個という膨大な組み合わせの数になってしまう。この事は、瞳輝度分布と結像特性との相関関係を把握する際に関わってくる。
次に、瞳輝度分布と結像特性との関係を的確に知るための基本指針について説明する。 瞳輝度分布での誤差が結像性能的にどう影響するかを見通しの良い物理量(物理指標)を用いて定量化しないと、どの程度の誤差まで許容できるかを判断する事ができない。結像システムが線形であり、かつ互い直交するパラメータで瞳輝度分布の誤差を表現することができれば、出力応答(例えば後述するOPE値のような結像特性の指標値)もそれぞれ直交するため、各パラメータ単独の応答特性を知るだけでよく、図6を参照して説明した膨大な組み合わせの数のモンテカルロ計算のような事を行わずに済むので理想的である。
しかしながら、実際には、露光装置の投影系による応答特性は非線形システムであるため、直交しないパラメータを用いて瞳輝度分布の誤差を表現すると、出力応答はそれぞれ直交しなくなる。ただし、互いにほぼ直交関係にあるような物理量を用いて瞳輝度分布の誤差を表現することにより、出力側の応答特性を近似的に直交に近い特性にすることは可能である。例えば、ツェルニケ係数を用いて波面収差の分布を表現することにより得られる結像性能に関する近似的線形結合管理は、この性質を利用したものと位置付けられる。
また、入力側のパラメータ、すなわち瞳輝度分布の誤差を表現するパラメータの選び方によって、システムの非線形の度合いも異なり得る。このため、結果的には、入力パラメータ間の直交性と同時にシステムとの相性も考慮に入れたパラメータの選択が必要になってくる。そこで、多重解像度解析により得られる各階層の分布素性(分布特性)を互いに直交するパラメータに更に分解することにより、互いにほぼ直交する入力側のパラメータと非線形システムとから互いにほぼ直交する出力応答を得るような構成を実現する手法について説明する。
多重解像度解析で得られた各階層での分布特性は、一般に、(離散)ウェーブレット変換と呼ばれる手法を用いて、図7に示すような各階層に対応する幅の孤立波(ウェーブレット)の線形結合で展開することにより、互いに直交するパラメータ表現が可能になる。図7において、参照符号107は1つの低次のウェーブレットを示し、参照符号108は1つの高次のウェーブレットを示している。本実施形態において、ウェーブレット変換の対象である各階層の分布は二次元画像であるため、図8を参照して後述するように、横・縦・斜めの計3方向の成分に分解して定量化される。得られたパラメータは、各階層内で互いに直交するだけでなく、異なる階層間でも直交関係にある。
ウェーブレット変換は、フーリエ変換とは異なり、周波数情報と位置情報との両方が表現可能であり、表現自由度が高い。このため、ウェーブレット変換は、本実施形態のような瞳輝度分布の評価に向いている。尚、実際に行うべきウェーブレット解析工程は公知であるため、ここでは重複する説明を省略する。二次元データのウェーブレット係数の分布は、多重解像度解析の工程を内包した、それ程複雑ではない線形演算工程によって比較的容易に算出可能であり、計算負荷も非常に少なく、一意的でありかつ可逆的である。
図8、図9および図10は、階層毎のウェーブレットの基底分布を示す図である。具体的に、図8の最も上側の図には、1次の階層における縦方向成分を有する基底分布V1が示されている。1次の階層にはウェーブレットとしての単一の基底分布V1があり、基底分布V1の上半分の領域の値は+1であり、下半分の領域の値は−1である。基底分布V1に外接する正方形は、最大の瞳領域に外接する正方形に対応している。外枠の正方形が最大の瞳領域に外接する正方形に対応している点は、他の基底分布においても同様である。
2次の階層には、4(=21×21)種類の基底分布V2がある。すなわち、4種類の基底分布V2では、最大の瞳領域に外接する正方形を4等分割して得られる各領域を、基底分布V1に対応する分布のウェーブレットが占めている。3次の階層には、16(=22×22)種類の基底分布V3がある。すなわち、16種類の基底分布V3では、最大の瞳領域に外接する正方形を16等分割して得られる各領域を、基底分布V1に対応する分布のウェーブレットが占めている。4次以降の階層における縦方向成分を有する基底分布については図示を省略する。
図9の最も上側の図には、1次の階層における横方向成分を有する基底分布H1が示されている。1次の階層にはウェーブレットとしての単一の基底分布H1があり、基底分布H1の左半分の領域の値は+1であり、右半分の領域の値は−1である。上述したように、基底分布H1に外接する正方形は、最大の瞳領域に外接する正方形に対応している。2次の階層には、4種類の基底分布H2がある。すなわち、4種類の基底分布H2では、最大の瞳領域に外接する正方形を4等分割して得られる各領域を、基底分布H1に対応する分布のウェーブレットが占めている。3次以降の階層における横方向成分を有する基底分布については図示を省略する。
図10の最も上側の図には、1次の階層における斜め方向成分を有する基底分布L1が示されている。1次の階層にはウェーブレットとしての単一の基底分布L1があり、基底分布L1の左上四半分の領域および右下四半分の領域の値は+1であり、右上四半分の領域および左下四半分の領域の値は−1である。上述したように、基底分布L1に外接する正方形は、最大の瞳領域に外接する正方形に対応している。2次の階層には、4種類の基底分布L2がある。すなわち、4種類の基底分布L2では、最大の瞳領域に外接する正方形を4等分割して得られる各領域を、基底分布L1に対応する分布のウェーブレットが占めている。3次以降の階層における斜め方向成分を有する基底分布については図示を省略する。
図8〜図10を参照すると、高次の階層になる程、幅の狭いウェーブレットになると同時に、ウェーブレットの位置の違いのバリエーションが二次元的に増加することがわかる。特定の基底分布との射影(内積)を取ることによって、その成分がどのくらいあるかという展開係数(ツェルニケ係数と同様)、すなわちウェーブレット係数が得られる。
二次元データからウェーブレット係数の分布を算出する例として、例えば図11の上側の図に示すような8×8ピクセルの超低解像分布109の場合を考えると、8×8ピクセルの超低解像分布109がウェーブレット解析により、図11の下側の図に示すような8×8のウェーブレット係数の分布110に変換される。本実施形態では、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分分布の二次元データを評価対象にするため、その平均強度は常に0である。このことを考慮に入れると、ウェーブレット係数の分布110における左上のDC成分111の係数(スカラー値)は常に0になる。
また、基底分布V1,H1,L1,V2,H2,L2,V3,H3,L3にそれぞれ属する係数が、図11の下側の図に示すような配列に格納される。したがって、必要に応じて、その係数分布110から、着目すべき方向成分や階層の係数を抽出することができる。フーリエ変換の場合と同様に、図11の下側の図から上側の図への逆変換も可能であり、従って最高次までの全ての成分を、非常に高速で精度よく計算することが可能である。
実際に、図5(a)に示す差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出した。図12の左側に示す画像は解析対象である差分分布の二次元データに対応し、図12の右側に示す画像はウェーブレット解析により得られたウェーブレット係数の分布に対応している。図12の左側に示す解析対象である差分分布の二次元データは、図5(a)を参照して説明したように、典型的なフリーフォームの瞳輝度分布について実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分分布の28×28(256×256個)個のグリッドデータである。
図12の右側に示すウェーブレット係数分布の画像では、図11の下側の図を参照して説明したように、左上に行くほど低次成分である。また、ウェーブレット係数分布の画像の右側半分の領域および下側半分の領域は、1ピクセル単位で変動する最も高次の乖離情報として画像全体の4分の3を占めている。基本的には、上述したように、低次〜中次の成分で乖離が大きいという傾向があるため、全ての次数の係数を評価対象としなくても済む可能性は高い。
ウェーブレット解析は一般的な画像処理の分野でよく知られている技術であるが、本実施形態において評価対象となる画像、すなわち瞳輝度分布の差分の二次元データの画像は、基本的に外枠の正方形に内接する円形状の瞳内の領域のみが対象であって、画像中心を軸とする対称性の高い分布であることが多い。また、結像性能との関わりも考慮に入れると、グリッドデータの中に属する正方形領域(照明瞳を仮想的に分割して得られる正方形状の単位瞳領域)を基本単位とするよりもむしろ、図13の左側の図に示すような直交座標系(ξ,η)による表現における円形状や扇形の一部(以下、円弧状という)のような構造を基本単位とする方が、結像性能との相関性も強くなることが期待できる。
そこで、ウェーブレット解析に先立って、図13の左側の図に示すような直交座標系(ξ,η)による表現の画像(二次元データ)から、図13の右側の図に示すような極座標系(r,θ)による表現の画像に変換することにより、ウェーブレット解析と相性の良い画像情報になることが期待でき、それは結果的に瞳輝度分布のより良い物理指標にもつながってくる。図13の右側の図では、横軸が方位角θの方向を示し、縦軸が動径rの方向を示している。
図13の左側の図における円形状の領域121、一対の円弧状の領域122,123は、図13の右側の図における矩形状の領域121a、一対の矩形状の領域122a,123aに対応している。このように、図13の左側の図において直交座標系(ξ,η)により表現された円形状の領域121および円弧状の領域122,123が、図13の右側の図における極座標系(r,θ)による表現では矩形状の領域121a,122a,123aに変換される。
換言すれば、図13の右側の図において極座標系により表現された正方形状の領域は、図13の左側の図において直交座標系による表現を用いると円弧状の領域になる。従って、極座標系による表現において同じサイズの正方形であっても、原点から離れるほど直交座標系による表現で対応する領域の面積が大きくなる。具体的に、図14に示すように、直交座標系(ξ,η)により表現される円弧状の領域131の面積Sは、S=(r22−r12)(θ2−θ1)で表される。
一方、図15に示すように、図14の円弧状の領域131を極座標系(r,θ)による表現を用いて矩形状の領域131aに変換したとき、変換後の矩形状の領域131aの面積S’は、S’=(r2−r1)(θ2−θ1)で表される。すなわち、直交座標系(ξ,η)により表現される円弧状の領域131を極座標系(r,θ)による表現を用いて矩形状の領域131aに変換したときに領域の面積がSからS’に変化する。
そこで、変換による面積変化を吸収するために、直交座標系による表現から極座標系による表現に変換する際に、面積比率S/S’=(r2+r1)/2を予め掛けてやる。これにより、エネルギー保存の効果が考慮され、目標とする瞳輝度分布と計測された実際の瞳輝度分布との適切な相対比較が極座標系による表現でも可能になる。
一旦、極座標系による表現の二次元データに変換してからウェーブレット解析を行うということは、通常の直交座標系において図16、図17および図18に示すような基底分布での展開係数を算出することに相当している。具体的に、図16の最も上側の図には、1次の階層における動径方向成分を有する基底分布R1が示されている。1次の階層にはウェーブレットとしての単一の基底分布R1があり、基底分布R1の外側の輪帯状の領域の値は+1であり、内側の円形状の領域の値は−1である。基底分布R1に外接する正方形は、最大の瞳領域に外接する正方形に対応している。
2次の階層には、4(=21×21)種類の基底分布R2がある。すなわち、4種類の基底分布R2では、基底分布R1の外側輪帯状の領域の上半分の領域、外側輪帯状の領域の下半分の領域、内側の円形状領域の上半分の領域、内側の円形状領域の下半分の領域を、図示のような分布のウェーブレットがそれぞれ占めている。3次以降の階層における動径方向成分を有する基底分布については図示を省略する。
図17の最も上側の図には、1次の階層における方位角方向成分を有する基底分布θ1が示されている。1次の階層にはウェーブレットとしての単一の基底分布θ1があり、基底分布θ1の上側の半円状の領域の値は+1であり、下側の半円状の領域の値は−1である。基底分布θ1に外接する正方形は、最大の瞳領域に外接する正方形に対応している。
2次の階層には、4種類の基底分布θ2がある。すなわち、4種類の基底分布θ2では、図16における基底分布R1の外側輪帯状の領域の上半分の領域、外側輪帯状の領域の下半分の領域、内側の円形状領域の上半分の領域、内側の円形状領域の下半分の領域にそれぞれ対応する領域を、図示のような分布のウェーブレットがそれぞれ占めている。3次以降の階層における方位角方向成分を有する基底分布については図示を省略する。
図18の最も上側の図には、1次の階層における斜め方向成分を有する基底分布LL1が示されている。1次の階層にはウェーブレットとしての単一の基底分布LL1があり、基底分布LL1の外側輪帯状の領域の上半分の領域および上側半円状の領域の値は+1であり、外側輪帯状の領域の下半分の領域および下側半円状の領域の値は−1である。基底分布LL1に外接する正方形は、最大の瞳領域に外接する正方形に対応している。
2次の階層には、4種類の基底分布LL2がある。すなわち、4種類の基底分布LL2では、図16における基底分布R1の外側輪帯状の領域の上半分の領域、外側輪帯状の領域の下半分の領域、内側の円形状領域の上半分の領域、内側の円形状領域の下半分の領域にそれぞれ対応する領域を、図示のような分布のウェーブレットがそれぞれ占めている。3次以降の階層における斜め方向成分を有する基底分布については図示を省略する。
図16〜図18を参照すると、低次になる程、+1の値の領域と−1の値の領域との面積比が変わるため、図14および図15を参照して説明した面積比ウェイト(S/S’)を考慮に入れることにより直交性は改善されることがわかる。
本実施形態では、まず、スペック値を算出しようとする次数(階層)を固定させて考える。そして、その次数の各ウェーブレットの基底分布単独での微小変調を、目標とする瞳輝度分布に外乱として与え、この外乱により微小変調された瞳輝度分布に対する結像特性の指標値(例えばOPE値など)を算出する。すなわち、目標とする瞳輝度分布を各ウェーブレットの基底分布により微小変調させて得られる瞳輝度分布に対応する結像特性の指標値を、ウェーブレットの基底分布毎に求める。
微小変調させた瞳輝度分布に対応する結像特性の指標値をウェーブレットの基底分布毎に求める作業は、目標とする瞳輝度分布が既知であれば事前に行うことができ、その計算負荷は比較的小さい。こうして、目標とする瞳輝度分布に与えた変調量と、変調された瞳輝度分布に対応する結像特性の指標値と所望の指標値との差(例えばOPE値の誤差のRMS値など)との比が、その次数の各ウェーブレットの基底分布に関するセンシティビティーになる。さらに、他の次数の各ウェーブレットの基底分布に対しても同様の作業を行う。
このように、目標とする瞳輝度分布が既知であれば、各次数のウェーブレットの基底分布毎に結像特性に対するセンシティビティーを事前に求め、必要に応じて、そのデータベースを作成することができる。本実施形態では、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分分布の二次元データを求め、この差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行って、差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出する。
結像特性に対するセンシティビティーがウェーブレットの基底分布毎に求められているので、どのウェーブレット係数をどの程度まで小さく抑えれば、計測された実際の瞳輝度分布により得られる結像特性が、目標とする瞳輝度分布で達成すべき所望の結像特性に十分近づくかを容易に判断することができる。すなわち、ウェーブレット解析により得られる各ウェーブレット係数は直交性に優れた見通しの良い物理指標であり、この見通しの良い物理指標を用いて、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との局所的な差分も抽出し、ひいては結像性能に着目して瞳輝度分布を良好に評価することができる。
以下、実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図19は、実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図19において、感光性基板であるウェハWの転写面(露光面)の法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの転写面内において図19の紙面に平行な方向に沿ってX軸を、ウェハWの転写面内において図19の紙面に垂直な方向に沿ってY軸をそれぞれ設定している。
図19を参照すると、本実施形態の露光装置には、光源1から露光光(照明光)が供給される。光源1として、たとえば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源や、248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。本実施形態の露光装置は、装置の光軸AXに沿って、空間光変調ユニット3を含む照明光学系ILと、マスクMを支持するマスクステージMSと、投影光学系PLと、ウェハWを支持するウェハステージWSとを備えている。
光源1からの光は、照明光学系ILを介してマスクMを照明する。マスクMを透過した光は、投影光学系PLを介して、マスクMのパターンの像をウェハW上に形成する。光源1からの光に基づいてマスクMのパターン面(被照射面)を照明する照明光学系ILは、空間光変調ユニット3の作用により、複数極照明(2極照明、4極照明など)、輪帯照明等の変形照明、通常の円形照明などを行う。また、マスクMのパターンの特性に応じて、複雑な外形形状および分布を有するフリーフォームの瞳輝度分布に基づく変形照明を行う。
照明光学系ILは、光軸AXに沿って光源1側から順に、ビーム送光部2と、空間光変調ユニット3と、リレー光学系4と、マイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)5と、コンデンサー光学系6と、照明視野絞り(マスクブラインド)7と、結像光学系8とを備えている。空間光変調ユニット3は、ビーム送光部2を介した光源1からの光に基づいて、その遠視野領域(フラウンホーファー回折領域)に所望の光強度分布(瞳輝度分布)を形成する。空間光変調ユニット3の内部構成および作用については後述する。
ビーム送光部2は、光源1からの入射光束を適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換しつつ空間光変調ユニット3へ導くとともに、空間光変調ユニット3に入射する光束の位置変動および角度変動をアクティブに補正する機能を有する。リレー光学系4は、空間光変調ユニット3からの光を集光して、マイクロフライアイレンズ5へ導く。マイクロフライアイレンズ5は、たとえば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であり、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。
マイクロフライアイレンズでは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、レンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。マイクロフライアイレンズ5における単位波面分割面としての矩形状の微小屈折面は、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状である。
マイクロフライアイレンズ5は、入射した光束を波面分割して、その後側焦点位置またはその近傍の照明瞳に多数の小光源からなる二次光源(実質的な面光源;瞳輝度分布)を形成する。マイクロフライアイレンズ5の入射面は、リレー光学系4の後側焦点位置またはその近傍に配置されている。なお、マイクロフライアイレンズ5として、例えばシリンドリカルマイクロフライアイレンズを用いることもできる。シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号明細書に開示されている。
本実施形態では、マイクロフライアイレンズ5により形成される二次光源を光源として、照明光学系ILの被照射面に配置されるマスクMをケーラー照明する。このため、二次光源が形成される位置は投影光学系PLの開口絞りASの位置と光学的に共役であり、二次光源の形成面を照明光学系ILの照明瞳面と呼ぶことができる。典型的には、照明瞳面に対して被照射面(マスクMが配置される面、または投影光学系PLを含めて照明光学系と考える場合にはウェハWが配置される面)が光学的なフーリエ変換面となる。
なお、瞳輝度分布とは、照明光学系ILの照明瞳面または当該照明瞳面と光学的に共役な面における光強度分布である。マイクロフライアイレンズ5による波面分割数が比較的大きい場合、マイクロフライアイレンズ5の入射面に形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳輝度分布)とが高い相関を示す。このため、マイクロフライアイレンズ5の入射面および当該入射面と光学的に共役な面における光強度分布についても瞳輝度分布と称することができる。
コンデンサー光学系6は、マイクロフライアイレンズ5から射出された光を集光して、照明視野絞り7を重畳的に照明する。照明視野絞り7を通過した光は、結像光学系8を介して、マスクMのパターン形成領域の少なくとも一部に照明視野絞り7の開口部の像である照明領域を形成する。なお、図19では、光軸(ひいては光路)を折り曲げるための光路折曲げミラーの設置を省略しているが、必要に応じて光路折曲げミラーを照明光路中に適宜配置することが可能である。
マスクステージMSにはXY平面(例えば水平面)に沿ってマスクMが載置され、ウェハステージWSにはXY平面に沿ってウェハWが載置される。投影光学系PLは、照明光学系ILによってマスクMのパターン面上に形成される照明領域からの光に基づいて、ウェハWの転写面(露光面)上にマスクMのパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハステージWSを二次元的に駆動制御しながら、ひいてはウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが順次露光される。
図20および図21を参照して、空間光変調ユニット3の内部構成および作用を説明する。空間光変調ユニット3は、図20に示すように、プリズム32と、プリズム32のYZ平面に平行な側面32aに近接して配置された空間光変調器30とを備えている。プリズム32は、例えば蛍石または石英のような光学材料により形成されている。
空間光変調器30は、例えばYZ平面に沿って二次元的に配列された複数のミラー要素30aと、複数のミラー要素30aを保持する基盤30bと、基盤30bに接続されたケーブル(不図示)を介して複数のミラー要素30aの姿勢を個別に制御駆動する駆動部30cとを備えている。空間光変調器30では、制御部CRからの制御信号に基づいて作動する駆動部30cの作用により、複数のミラー要素30aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素30aがそれぞれ所定の向きに設定される。
プリズム32は、直方体の1つの側面(空間光変調器30の複数のミラー要素30aが近接して配置される側面32aと対向する側面)をV字状に凹んだ側面32bおよび32cと置き換えることにより得られる形態を有し、XZ平面に沿った断面形状に因んでKプリズムとも呼ばれる。プリズム32のV字状に凹んだ側面32bおよび32cは、鈍角をなすように交差する2つの平面P1およびP2によって規定されている。2つの平面P1およびP2はともにXZ平面と直交し、XZ平面に沿ってV字状を呈している。
2つの平面P1とP2との接線(Y方向に延びる直線)P3で接する2つの側面32bおよび32cの内面は、反射面R1およびR2として機能する。すなわち、反射面R1は平面P1上に位置し、反射面R2は平面P2上に位置し、反射面R1とR2とのなす角度は鈍角である。一例として、反射面R1とR2とのなす角度を120度とし、光軸AXに垂直なプリズム32の入射面IPと反射面R1とのなす角度を60度とし、光軸AXに垂直なプリズム32の射出面OPと反射面R2とのなす角度を60度とすることができる。
プリズム32では、空間光変調器30の複数のミラー要素30aが近接して配置される側面32aと光軸AXとが平行であり、且つ反射面R1が光源1側(露光装置の上流側:図20中左側)に、反射面R2がマイクロフライアイレンズ5側(露光装置の下流側:図20中右側)に位置している。さらに詳細には、反射面R1は光軸AXに対して斜設され、反射面R2は接線P3を通り且つXY平面に平行な面に関して反射面R1とは対称的に光軸AXに対して斜設されている。
プリズム32の反射面R1は、入射面IPを介して入射した光を空間光変調器30に向かって反射する。空間光変調器30の複数のミラー要素30aは、反射面R1と反射面R2との間の光路中に配置され、反射面R1を経て入射した光を反射する。プリズム32の反射面R2は、空間光変調器30を経て入射した光を反射し、射出面OPを介してリレー光学系4へ導く。
空間光変調器30は、反射面R1を経て入射した光に対して、その入射位置に応じた空間的な変調を付与して射出する。空間光変調器30は、図21に示すように、所定面内で二次元的に配列された複数の微小なミラー要素(光学要素)30aを備えている。説明および図示を簡単にするために、図20および図21では空間光変調器30が4×4=16個のミラー要素30aを備える構成例を示しているが、実際には16個よりもはるかに多数のミラー要素30aを備えている。
図20を参照すると、光軸AXと平行な方向に沿って空間光変調ユニット3に入射した光線群のうち、光線L1は複数のミラー要素30aのうちのミラー要素SEaに、光線L2はミラー要素SEaとは異なるミラー要素SEbにそれぞれ入射する。同様に、光線L3はミラー要素SEa,SEbとは異なるミラー要素SEcに、光線L4はミラー要素SEa〜SEcとは異なるミラー要素SEdにそれぞれ入射する。ミラー要素SEa〜SEdは、その位置に応じて設定された空間的な変調を光L1〜L4に与える。
空間光変調器30の複数のミラー要素30aの配列面は、リレー光学系4の前側焦点位置またはその近傍に配置されている。空間光変調器30の複数のミラー要素30aによって反射されて所定の角度分布が与えられた光は、リレー光学系4の後側焦点面4aに所定の光強度分布SP1〜SP4を形成する。すなわち、リレー光学系4は、空間光変調器30の複数のミラー要素30aが射出光に与える角度を、空間光変調器30の遠視野領域(フラウンホーファー回折領域)である面4a上での位置に変換している。
再び図20を参照すると、リレー光学系4の後側焦点面4aの位置にマイクロフライアイレンズ5の入射面が位置決めされている。したがって、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳に形成される瞳輝度分布は、空間光変調器30およびリレー光学系4がマイクロフライアイレンズ5の入射面に形成する光強度分布SP1〜SP4に対応した分布となる。空間光変調器30は、図21に示すように、例えば平面状の反射面を上面にした状態で1つの平面に沿って規則的に且つ二次元的に配列された多数の微小なミラー要素30aを含む可動マルチミラーである。
各ミラー要素30aは可動であり、その反射面の傾き(すなわち反射面の傾斜角および傾斜方向)は、制御部CRからの指令にしたがって作動する駆動部30cの作用により独立に制御される。各ミラー要素30aは、その配列面に平行で且つ互いに直交する二方向(Y方向およびZ方向)を回転軸として、所望の回転角度だけ連続的或いは離散的に回転することができる。すなわち、各ミラー要素30aの反射面の傾斜を二次元的に制御することが可能である。
各ミラー要素30aの反射面を離散的に回転させる場合、回転角を複数の状態(例えば、・・・、−2.5度、−2.0度、・・・0度、+0.5度・・・+2.5度、・・・)で切り換え制御するのが良い。図21には外形が正方形状のミラー要素30aを示しているが、ミラー要素30aの外形形状は正方形に限定されない。ただし、光利用効率の観点から、ミラー要素30aの隙間が少なくなるように配列可能な形状(最密充填可能な形状)が好ましい。また、光利用効率の観点から、隣り合う2つのミラー要素30aの間隔を必要最小限に抑えることが好ましい。
空間光変調器30では、制御部CRからの制御信号に応じて作動する駆動部30cの作用により、複数のミラー要素30aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素30aがそれぞれ所定の向きに設定される。空間光変調器30の複数のミラー要素30aによりそれぞれ所定の角度で反射された光は、リレー光学系4を介して、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳に、複数極状(2極状、4極状など)、輪帯状、円形状等の光強度分布(瞳輝度分布)を形成する。また、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳には、マスクMのパターンの特性に応じて、複雑な外形形状および分布を有する瞳輝度分布が形成される。
すなわち、リレー光学系4およびマイクロフライアイレンズ5は、空間光変調ユニット3中の空間光変調器30を介した光に基づいて、照明光学系ILの照明瞳に所定の光強度分布を形成する分布形成光学系を構成している。マイクロフライアイレンズ5の後側焦点位置またはその近傍の照明瞳と光学的に共役な別の照明瞳位置、すなわち結像光学系8の瞳位置および投影光学系PLの瞳位置(開口絞りASの位置)にも、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳における光強度分布に対応する瞳輝度分布が形成される。
本実施形態の露光装置は、例えばマスクステージMSに取り付けられて、照明光学系ILの照明瞳に形成された瞳輝度分布を計測する瞳分布計測装置DTを備えている。瞳分布計測装置DTは、図22に示すように、ピンホール部材10と、集光レンズ11と、たとえば二次元CCDイメージセンサのような光検出器12とを有する。ピンホール部材10は、計測に際して、照明光学系ILの被照射面(すなわち露光に際してマスクMのパターン面Pmが位置決めされるべき高さ位置)に配置される。また、ピンホール部材10は集光レンズ11の前側焦点位置に配置され、光検出器12の検出面は集光レンズ11の後側焦点位置に配置されている。
したがって、光検出器12の検出面は、照明光学系ILの照明瞳と光学的に共役な位置、すなわち結像光学系8の瞳面と光学的に共役な位置に配置される。瞳分布計測装置DTでは、照明光学系ILを経た光が、ピンホール部材10のピンホールを通過し、集光レンズ11の集光作用を受けた後、光検出器12の検出面に達する。光検出器12の検出面には、結像光学系8の瞳面における光強度分布(瞳輝度分布)に対応する光強度分布が形成される。
こうして、瞳分布計測装置DTは、照明光学系ILの被照射面を通過した光に基づいて、照明光学系ILの照明瞳(結像光学系8の瞳面)と光学的に共役な面における光強度分布を計測する。具体的に、瞳分布計測装置DTは、照明光学系による被照射面上の各点に関する瞳輝度分布(各点に入射する光が照明光学系の射出瞳位置に形成する瞳輝度分布)をモニターする。
露光装置の動作を統括的に制御する制御部CRは、瞳分布計測装置DTでの計測結果を参照しつつ、照明瞳に所望の瞳輝度分布が形成されるように、空間光変調器30の複数のミラー要素30aを制御する。瞳分布計測装置DTのさらに詳細な構成および作用については、たとえば特開2000−19012号公報を参照することができる。また、瞳分布計測装置DTとし、たとえば米国特許第5925887号公報に開示されるピンホールを介して瞳輝度分布を検出する装置を用いることもできる。
また、瞳分布計測装置DTに代えて、あるいは瞳分布計測装置DTに加えて、投影光学系PLを介した光に基づいて(すなわち投影光学系PLの像面を通過した光に基づいて)、投影光学系PLの瞳面(投影光学系PLの射出瞳面)における瞳輝度分布を計測する瞳分布計測装置DTw(不図示)を設けることもできる。具体的に、瞳分布計測装置DTwは、例えば投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、投影光学系PLの像面の各点に関する瞳輝度分布(各点に入射する光が投影光学系PLの瞳位置に形成する瞳輝度分布)をモニターする。これらの瞳分布計測装置の詳細な構成および作用については、例えば米国特許公開第2008/0030707号明細書を参照することができる。また、瞳分布計測装置として、米国特許公開第2010/0020302号公報の開示を参照することもできる。
露光装置では、マスクMのパターンをウェハWに高精度に且つ忠実に転写するために、例えばマスクMのパターン特性に応じた適切な照明条件のもとで露光を行うことが重要である。本実施形態では、複数のミラー要素30aの姿勢がそれぞれ個別に変化する空間光変調器30を備えた空間光変調ユニット3を用いて、空間光変調器30の作用により形成される瞳輝度分布を自在に且つ迅速に変化させ、ひいては多様な照明条件を実現することができる。すなわち、照明光学系ILでは、姿勢が個別に制御される多数のミラー要素30aを有する空間光変調器30を用いているので、照明瞳に形成される瞳輝度分布の外形形状および分布の変更に関する自由度は高い。
しかしながら、前述したように、空間光変調ユニット3を用いて照明瞳に形成される瞳輝度分布は設計上の瞳輝度分布とは僅かに異なるものとなり、設計上の瞳輝度分布に応じた所望の結像性能を達成することは困難である。本実施形態の露光装置では、所望の結像性能に十分近い結像性能が得られるように、本実施形態にかかる瞳輝度分布の評価方法を用いて、目標とする設計上の瞳輝度分布により達成すべき所望の結像性能をターゲットとして照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整し、ひいては照明光学系ILを調整する。
図23は、本実施形態にかかる照明光学系の調整方法のフローチャートである。本実施形態にかかる照明光学系ILの調整方法では、図23に示すように、目標とする設計上の瞳輝度分布を各ウェーブレットの基底分布により微小変調させて得られる瞳輝度分布に対応する結像特性の指標値を、ウェーブレットの基底分布毎に求める(S11)。ステップS11では、上述したように、各次数におけるウェーブレットの基底分布毎の微小変調を、目標とする設計上の瞳輝度分布に外乱として与え、この外乱により微小変調された瞳輝度分布に対応する結像特性の指標値として、例えばOPE(光近接効果:Optical proximity effect)値を算出する。
具体的に、露光装置におけるOPE値は、例えば感光性基板に形成されるレジストパターンの線幅である。この場合、OPE値は、投影光学系の像面の位置に依存した分布すなわち二次元分布になる。ただし、投影光学系の像面において互いに直交する二方向に関するレジストパターンの線幅が重要な意味を持つ傾向があるため、一方の方向(H方向)に沿ったOPE値の一次元分布および他方の方向(V方向)に沿ったOPE値の一次元分布をOPE値の情報として扱うことができる。
目標とする設計上の瞳輝度分布は既知であるから、微小変調させた瞳輝度分布に対応するOPE値をウェーブレットの基底分布毎に求めるステップS11の作業を事前に行うことができる。こうして、目標とする設計上の瞳輝度分布に与えた変調量と、変調された瞳輝度分布に対応するOPE値と目標とする設計上の瞳輝度分布により達成すべき所望のOPE値との差(OPE値の誤差)との比が、その次数の各ウェーブレットの基底分布に関するセンシティビティーになる。各次数のウェーブレットの基底分布毎に求められたOPE値に対するセンシティビティーは、必要に応じて、データベース化される。
次いで、本実施形態にかかる照明光学系ILの調整方法では、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との差分を表す分布であって、照明瞳を仮想的に分割して得られる複数の単位瞳領域を単位とした差分分布の二次元データを求める(S12)。具体的に、ステップS12では、照明瞳面において互いに直交する二方向に沿って瞳面を仮想的に分割することにより、複数の矩形状の単位瞳領域、例えば2N×2N個の正方形状のグリッドを得る。瞳面の仮想的な分割については、様々な形態が可能である。
また、ステップS12では、制御系CRの内部に設けられた差分演算部21(図19を参照)が、例えば2N×2N個の正方形状の単位瞳領域を単位として、瞳分布計測装置DTにより計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との差分分布の二次元データを求める。上述したように、差分分布の二次元データとして、直交座標系による表現から極座標系による表現への変換により得られる極座標表現の二次元データを用いることができる。
次いで、本実施形態にかかる照明光学系ILの調整方法では、差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出する(S13)。具体的に、ステップS13では、制御系CRの内部に設けられたウェーブレット係数分布算出部22(図19を参照)が、ステップS12で得られた差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出する。
こうして、ステップS11〜S13は、マスクに設けられたパターンの像をウェハ上に形成する投影光学系に照明光を供給する照明光学系の照明瞳に形成される瞳輝度分布を評価する方法を構成している。ステップS11〜S13からなる評価方法では、ウェーブレット解析により得られる各ウェーブレット係数という直交性に優れた見通しの良い物理指標を用いて、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との局所的な差分も抽出し、ひいては結像性能に着目して瞳輝度分布を良好に評価することができる。
具体的に、本実施形態にかかる瞳輝度分布の評価方法を構成するステップS11では、各次数のウェーブレットの基底分布毎に、OPE値のような結像特性に対するセンシティビティーを求める。ステップS12では、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との差分分布の二次元データを求める。そして、ステップS13では、ステップS12で求めた差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行うことにより、差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出する。
すなわち、本実施形態にかかる瞳輝度分布の評価方法(S11〜S13)では、OPE値に対するセンシティビティーが各ウェーブレットの基底分布毎に求められているので、どのウェーブレット係数をどの程度まで小さく抑えれば、計測された実際の瞳輝度分布により得られるOPE値が所望のOPE値に十分近づくかを容易に判断することができる。本実施形態の露光装置では、例えば所定のプログラムにしたがって、情報処理装置としての制御部CRに、ステップS11〜S13を含む瞳輝度分布の評価方法を実行させても良い。
最後に、本実施形態にかかる照明光学系ILの調整方法では、ステップS11〜S13により得られた瞳輝度分布の評価結果に基づいて、照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整する(S14)。すなわち、ステップS14では、各次数のウェーブレットの基底分布毎に求めた結像特性に対するセンシティビティーとウェーブレット係数の分布とに留意し、、瞳分布計測装置DTの計測結果を参照しつつ空間光変調器30の複数のミラー要素30aの姿勢をそれぞれ制御することにより、目標とする設計上の瞳輝度分布で達成すべき所望のOPE値に十分近いOPE値が得られるように、すなわちOPE値の誤差が許容範囲に収まるように、照明光学系ILの照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整する。
以上のように、本実施形態にかかる照明光学系ILの調整方法では、計測された実際の瞳輝度分布と目標とする設計上の瞳輝度分布との局所的な差分も抽出する瞳輝度分布の評価方法を用いて、所望の結像性能をターゲットに実際の瞳輝度分布を適切に調整することができる。その結果、本実施形態の露光装置(IL,MS,PL,WS)では、所望の結像性能をターゲットに実際の瞳輝度分布を適切に調整する照明光学系ILを用いて、適切な照明条件のもとで良好な露光を行うことにより、性能の良好なデバイスを製造することができる。
上述の実施形態では、瞳分布計測装置DTが、照明光学系ILの被照射面(マスクMのパターン面の位置)を通過した光に基づいて、照明光学系ILの照明瞳(結像光学系8の瞳面)と光学的に共役な面における光強度分布を計測している。しかしながら、これに限定されることなく、照明光学系ILの被照射面へ向かう光に基づいて照明瞳と光学的に共役な面における光強度分布を計測することもできる。一例として、マイクロフライアイレンズ5とコンデンサー光学系6との間の光路中から照明光の一部を取り出し、取り出した光をマイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳と光学的に共役な面で検出することにより、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳における瞳輝度分布に対応する光強度分布を計測する。
また、上述の実施形態では、空間光変調器30の複数のミラー要素30aの配列面に対向した光学面を有するプリズム部材として、1つの光学ブロックで一体的に形成されたKプリズム32を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、一対のプリズムにより、Kプリズム32と同様の機能を有するプリズム部材を構成することができる。また、1つの平行平面板と一対の三角プリズムとにより、Kプリズム32と同様の機能を有するプリズム部材を構成することができる。また、1つの平行平面板と一対の平面ミラーとにより、Kプリズム32と同様の機能を有する組立て光学部材を構成することができる。
本実施形態では、空間光変調器30として、たとえば二次元的に配列された複数のミラー要素30aの向きを連続的にそれぞれ変化させる空間光変調器を用いている。このような空間光変調器として、たとえば欧州特許公開第779530号公報、米国特許第5,867,302号公報、米国特許第6,480,320号公報、米国特許第6,600,591号公報、米国特許第6,733,144号公報、米国特許第6,900,915号公報、米国特許第7,095,546号公報、米国特許第7,295,726号公報、米国特許第7,424,330号公報、米国特許第7,567,375号公報、米国特許公開第2008/0309901号公報、米国特許公開第2011/0181852号公報、米国特許公開第2011/188017号公報並びに特開2006−113437号公報に開示される空間光変調器を用いることができる。なお、二次元的に配列された複数のミラー要素5aの向きを離散的に複数の段階を持つように制御してもよい。
上述の実施形態では、二次元的に配列されて個別に制御される複数のミラー要素を有する空間光変調器として、二次元的に配列された複数の反射面の向き(角度:傾き)を個別に制御可能な空間光変調器を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、たとえば二次元的に配列された複数の反射面の高さ(位置)を個別に制御可能な空間光変調器を用いることもできる。このような空間光変調器としては、たとえば米国特許第5,312,513号公報、並びに米国特許第6,885,493号公報の図1dに開示される空間光変調器を用いることができる。これらの空間光変調器では、二次元的な高さ分布を形成することで回折面と同様の作用を入射光に与えることができる。なお、上述した二次元的に配列された複数の反射面を持つ空間光変調器を、たとえば米国特許第6,891,655号公報や、米国特許公開第2005/0095749号公報の開示に従って変形しても良い。
また、上述の実施形態では、照明光学系ILの照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整する瞳調整装置として、所定面内に配列されて個別に制御可能な複数のミラー要素30aを有する反射型の空間光変調器30を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、所定面内に配列されて個別に制御される複数の透過光学要素を備えた透過型の空間光変調器を用いることもできる。
また、上述の実施形態では、露光装置に搭載された照明光学系を調整する方法、すなわち単体の露光装置の調整方法に対して本発明を適用している。この場合、評価方法における目標とする瞳輝度分布は設計上の瞳輝度分布であり、目標OPE値は設計上の瞳輝度分布により達成すべきOPE値である。
しかしながら、これに限定されることなく、別の露光装置(マザー号機)とのマッチングを目的とした調整方法、すなわち異なる2つの露光装置の間で発生する解像線幅のばらつきを小さく抑えるための調整方法に対して、本発明を適用することができる。この場合、評価方法における目標とする瞳輝度分布はマザー号機で用いられている瞳輝度分布であり、目標OPE値はマザー号機で用いられている瞳輝度分布により得られているOPE値である。
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。このような可変パターン形成装置を用いれば、パターン面が縦置きでも同期精度に及ぼす影響を最低限にできる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含むDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いることができる。DMDを用いた露光装置は、例えば特開2004−304135号公報、国際特許公開第2006/080285号パンフレットおよびこれに対応する米国特許公開第2007/0296936号公報に開示されている。また、DMDのような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。ここでは、米国特許公開第2007/0296936号公報の教示を参照として援用する。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図24は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図24に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。
その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板としてパターンの転写を行う。
図25は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図25に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、上述の実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なパルスレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するF2レーザ光源、波長146nmのレーザ光を供給するKr2レーザ光源、波長126nmのレーザ光を供給するAr2レーザ光源などを用いることができる。また、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどのCW(Continuous Wave)光源を用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第WO99/49504号パンプレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。ここでは、国際公開第WO99/49504号パンフレット、特開平6−124873号公報および特開平10−303114号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態において、米国公開公報第2006/0170901号及び第2007/0146676号に開示されるいわゆる偏光照明方法を適用することも可能である。ここでは、米国特許公開第2006/0170901号公報及び米国特許公開第2007/0146676号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスクを照明する照明光学系に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、一般に、第1面に配置される物体の像を第2面上に形成する結像光学系に照明光を供給するための照明光学系に対して本発明を適用することができる。
1 光源
2 ビーム送光部
3 空間光変調ユニット
30 空間光変調器
30a ミラー要素
30c 駆動部
4 リレー光学系
5 マイクロフライアイレンズ
6 コンデンサー光学系
7 照明視野絞り(マスクブラインド)
8 結像光学系
IL 照明光学系
CR 制御部
DT 瞳分布計測装置
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ

Claims (21)

  1. 第1面に配置されるパターンの像を第2面上に形成する結像光学系に照明光を供給する照明光学系の照明瞳に形成される瞳輝度分布を評価する方法であって、
    計測された瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分を表す分布であって、前記照明瞳を仮想的に分割して得られる複数の単位瞳領域を単位とした差分分布の二次元データを求める第1工程と、
    前記差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、前記差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出する第2工程とを含むことを特徴とする評価方法。
  2. 前記目標とする瞳輝度分布を各ウェーブレットの基底分布により微小変調させて得られる瞳輝度分布に対応する結像特性の指標値を、ウェーブレットの基底分布毎に求める第3工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記第1工程では、前記差分分布の二次元データとして、直交座標系による表現から極座標系による表現への変換により得られる極座標表現の二次元データを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の評価方法。
  4. 前記第1工程では、前記照明瞳において互いに直交する二方向に沿って前記照明瞳を仮想的に分割することにより複数の矩形状の前記単位瞳領域を得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の評価方法。
  5. 前記第3工程では、前記指標値として、前記微小変調させて得られる瞳輝度分布に対応するOPE値を求めることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の評価方法。
  6. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系の調整方法において、
    前記照明光学系の照明瞳に形成された瞳輝度分布を計測することと、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の評価方法を用いて、前記瞳輝度分布を評価することと、
    前記評価の結果に基づいて前記照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整することとを含むことを特徴とする調整方法。
  7. 前記瞳輝度分布の計測に際して、前記被照射面を通過した光に基づいて前記照明瞳と光学的に共役な面における光強度分布を計測することを特徴とする請求項6に記載の調整方法。
  8. 前記瞳輝度分布の計測に際して、前記被照射面へ向かう光に基づいて前記照明瞳と光学的に共役な面における光強度分布を計測することを特徴とする請求項6または7に記載の調整方法。
  9. 前記照明光学系が備える空間光変調器であって且つ前記照明瞳に瞳輝度分布を形成するための空間光変調器を制御することによって、前記照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の調整方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項に記載の調整方法により調整されたことを特徴とする照明光学系。
  11. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
    前記照明光学系の照明瞳に形成された瞳輝度分布を計測する瞳分布計測装置と、
    前記照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整する瞳調整装置と、
    前記瞳分布計測装置によって計測された前記瞳輝度分布と、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の評価方法とを用いて前記瞳輝度分布を評価し、該評価の結果に基づいて前記瞳調整装置を制御する制御部とを備えていることを特徴とする照明光学系。
  12. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
    前記照明光学系の照明瞳に形成された瞳輝度分布を計測する瞳分布計測装置と、
    前記照明瞳に形成される瞳輝度分布を調整する瞳調整装置と、
    前記瞳分布計測装置によって計測された前記瞳輝度分布と、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の評価方法とを用いて前記瞳輝度分布を評価し、該評価の結果に基づいて前記瞳調整装置を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記計測された瞳輝度分布と目標とする瞳輝度分布との差分を表す分布であって、前記照明瞳を仮想的に分割して得られる複数の単位瞳領域を単位とした差分分布の二次元データを求める差分演算部と、
    前記差分分布の二次元データに対してウェーブレット解析を行い、前記差分分布の二次元データのウェーブレット係数の分布を算出するウェーブレット係数分布算出部とを含むことを特徴とする照明光学系。
  13. 前記瞳分布計測装置は、前記被照射面を通過した光に基づいて前記照明瞳と光学的に共役な面における光強度分布を計測することを特徴とする請求項11または12に記載の照明光学系。
  14. 前記瞳分布計測装置は、前記被照射面へ向かう光に基づいて前記照明瞳と光学的に共役な面における光強度分布を計測することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の照明光学系。
  15. 前記瞳調整装置は、所定面に配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、前記照明瞳に瞳輝度分布を可変的に形成する空間光変調器を備え、
    前記制御部は、前記空間光変調器の前記複数の光学要素を制御することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の照明光学系。
  16. 前記空間光変調器は、前記所定面内で二次元的に配列された複数のミラー要素と、該複数のミラー要素の姿勢を個別に制御駆動する駆動部とを有することを特徴とする請求項15に記載の照明光学系。
  17. 所定のパターンを照明するための請求項10乃至16のいずれか1項に記載の照明光学系を備え、前記所定のパターンを感光性基板に露光することを特徴とする露光装置。
  18. 前記所定のパターンの像を前記感光性基板上に形成する投影光学系を備え、前記照明瞳は前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置であることを特徴とする請求項17に記載の露光装置。
  19. 前記目標とする瞳輝度分布は設計上の瞳輝度分布であることを特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  20. 前記目標とする瞳輝度分布は別の露光装置で用いられている瞳輝度分布であることを特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  21. 請求項17乃至20のいずれか1項に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記感光性基板に露光することと、
    前記所定のパターンが転写された前記感光性基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記感光性基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記感光性基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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