JP2014021316A - ハードコート層形成用組成物およびハードコート層を有する物品 - Google Patents

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健二 石関
Teru Isobe
輝 磯部
Momoki Hatanaka
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Abstract

【課題】優れた耐摩耗性および防汚性を表面に有する物品を、生産性よく製造できるハードコート層形成用組成物、および優れた耐摩耗性および防汚性を有する物品を提供する。
【解決手段】ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を主鎖に有し、かつ該主鎖の少なくとも一方の末端に加水分解性シリル基を有する含フッ素エーテル化合物(A1)、その部分加水分解縮合物(A2)またはそれらの混合物と、フッ素原子を有さず、かつ加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B1)、その部分加水分解縮合物(B2)またはそれらの混合物とを含む、ハードコート層形成用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化型のハードコート層形成用組成物、および該組成物を硬化させた防汚性ハードコート層を有する物品に関する。
耐摩耗性が必要とされる種々の物品(光学物品、ディスプレイ、光記録媒体等)は、通常、傷つき等を防止するためのハードコート層を表面に有する。
また、該物品には、汚れ(指紋、皮脂、汗、化粧品、食品等)が表面に付着しにくく、汚れが表面に付着しても容易に除去できる特性、すなわち防汚性を有することが望まれる。たとえば、メガネレンズの表面に汚れが付着すると、良好な視界を妨げ、見栄えを悪くする。光記録媒体の表面に汚れが付着すると、信号の記録および再生に障害が発生することがある。ディスプレイの表面に汚れが付着すると、視認性が低下し、タッチパネル付きディスプレイにおいては操作性に悪影響を及ぼす。
耐摩耗性および防汚性を有する物品としては、下記のものが提案されている。
(1)基材と、該基材の表面に設けられたシリコーン系化合物の硬化物からなるハードコート層と、該ハードコート層の表面に設けられたペルフルオロポリエーテル系シラン化合物からなる防汚表面層とを有する物品(特許文献1)。
(2)基材と、該基材の表面に設けられた、ペルフルオロアルキル基を有するシラン化合物、フッ素原子を有さないシラン化合物、コロイダルシリカおよび平均粒径2〜10μmの微粒子を含む組成物からなるハードコート層とを有する物品(特許文献2)。
特許第4761057号公報 特開2002−348534号公報
しかし、(1)の物品は、基材の表面にハードコート層を形成した後、該ハードコート層の表面に防汚表面層をさらに形成することによって製造されるため、工程数が多く、生産性が低い。
(2)の物品は、ペルフルオロアルキル基のみによってハードコート層に防汚性を付与している。しかし、ペルフルオロアルキル基のみでは、防汚性を充分に付与できない。
本発明は、優れた耐摩耗性および防汚性を表面に有する物品を、生産性よく製造できるハードコート層形成用組成物、および優れた耐摩耗性および防汚性を有する物品を提供することを目的とする
本発明は、下記[1]〜[8]の構成を有するハードコート層形成用組成物および物品である。
[1]ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を主鎖に有し、かつ該主鎖の少なくとも一方の末端に加水分解性シリル基を有する含フッ素エーテル化合物(A1)、その部分加水分解縮合物(A2)またはそれらの混合物と、
フッ素原子を有さず、かつ加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B1)、その部分加水分解縮合物(B2)またはそれらの混合物と
を含む、ハードコート層形成用組成物。
[2]前記含フッ素エーテル化合物(A1)が、下式(1)で表される化合物である、前記[1]のハードコート層形成用組成物。
A−O−R−B ・・・(1)。
ただし、式(1)中の記号は下記の通りである。
:ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖。
A:炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはB。
B:下式(2)で表される基。
−Q−SiL3−m ・・・(2)。
ただし、式(2)中の記号は下記の通りである。
Q:2価の連結基。
L:加水分解性基。
R:水素原子または1価の炭化水素基。
m:1〜3の整数。
[3]前記Qが、−C(O)NH−、−OC(O)NH−、−O(CH−または−(CH−結合を有する、前記[2]のハードコート層形成用組成物。
ただし、nは1〜6の整数である。
[4]前記含フッ素エーテル化合物(A1)の数平均分子量が、2,000以下である、前記[1]〜[3]のいずれかのハードコート層形成用組成物。
[5]ハードコート層形成用組成物の固形分中の前記含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)の合計の含有量が、0.01〜5質量%である、前記[1]〜[4]のいずれかのハードコート層形成用組成物。
[6]コロイダルシリカ(C)をさらに含む、前記[1]〜[5]のいずれかのハードコート層形成用組成物。
[7]基材と、
前記[1]〜[6]のいずれかのハードコート層形成用組成物を硬化させたハードコート層と
を有する、物品。
[8]前記基材と前記ハードコート層との間に設けられたプライマ層をさらに有する、前記[7]の物品。
本発明のハードコート層形成用組成物によれば、優れた耐摩耗性および防汚性を表面に有する物品を、生産性よく製造できる。
本発明の物品は、優れた耐摩耗性および防汚性を有する。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
本発明における主鎖とは、該主鎖以外のすべての分子鎖が側鎖と見なされるような線状分子鎖である。
本発明における加水分解性シリル基とは、加水分解反応によってシラノール基(Si−OH)を形成し得る基である。
〔ハードコート層形成用組成物〕
本発明のハードコート層形成用組成物は、含フッ素エーテル化合物(A1)、その部分加水分解縮合物(A2)またはそれらの混合物と、シラン化合物(B1)、その部分加水分解縮合物(B2)またはそれらの混合物とを含む。本発明のハードコート層形成用組成物は、必要に応じてコロイダルシリカ(C)、媒体(D)、触媒(E)、他の添加剤(F)をさらに含んでいてもよい。
(含フッ素エーテル化合物(A1))
含フッ素エーテル化合物(A1)は、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を主鎖に有し、かつ該主鎖の少なくとも一方の末端に加水分解性シリル基を有する。ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を主鎖に有することによって、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有さず、ペルフルオロアルキル基を有する従来のシラン化合物に比べて優れた耐摩耗性および防汚性をハードコート層に付与できる。また、含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)とシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)との相溶性が良好になる。
含フッ素エーテル化合物(A1)は、主鎖の一方の末端のみに加水分解性シリル基を有していてもよく、主鎖の両方の末端に加水分解性シリル基を有していてもよい。ハードコート層に耐摩擦性および防汚性を充分に付与する点からは、主鎖の一方の末端のみに加水分解性シリル基を有することが好ましい。
含フッ素エーテル化合物(A1)は、単一化合物であってもよく、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖、末端基、連結基等が異なる2種類以上の混合物であってもよい。
ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖は、1種のオキシペルフルオロアルキレン単位のみから構成されていてもよく、炭素数の異なる2種以上のオキシペルフルオロアルキレン単位から構成されていてもよい。
オキシペルフルオロアルキレン単位は、側鎖がなくてもよく、側鎖があってもよい。オキシペルフルオロアルキレン単位としては、ハードコート層に耐摩擦性および防汚性を充分に付与する点からは、炭素数1〜10のオキシペルフルオロアルキレン単位が好ましく、炭素数1〜6のオキシペルフルオロアルキレン単位がより好ましく、炭素数1〜4のオキシペルフルオロアルキレン単位が特に好ましい。
含フッ素エーテル化合物(A1)としては、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖の一端に、酸素原子を介して炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基が結合し、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖の他端に、連結基を介して加水分解性シリル基が結合している化合物が好ましい。このような構成であると、ハードコート層における耐摩擦性および防汚性にさらに優れる。
含フッ素エーテル化合物(A1)の数平均分子量(Mn)は、2,000以下が好ましい。数平均分子量が該範囲内であれば、含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)とシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)との相溶性が良好となり、ハードコート層形成用組成物の貯蔵安定性およびハードコート層の外観が良好となる。含フッ素エーテル化合物(A1)の数平均分子量は、ハードコート層形成用組成物の貯蔵安定性、ハードコート層の外観、耐摩擦性および防汚性の点から、500〜2,000がより好ましく、700〜1,500が特に好ましい。
本発明における含フッ素エーテル化合物の数平均分子量(Mn)は、特開2001−208736号公報に記載の方法にしたがい、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCと記す。)によって測定される。
含フッ素エーテル化合物(A1)は、公知の含フッ素エーテル化合物と同様の製造方法によって製造できる。
含フッ素エーテル化合物(A1)としては、具体的には、下式(1)で表される化合物(化合物(1))が好ましい。
A−O−R−B ・・・(1)。
ただし、式(1)中の記号は下記の通りである。
:ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖。
A:炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはB。
B:下式(2)で表される基。
−Q−SiL3−m ・・・(2)。
ただし、式(2)中の記号は下記の通りである。
Q:2価の連結基。
L:加水分解性基。
R:水素原子または1価の炭化水素基。
m:1〜3の整数。
は、1種のオキシペルフルオロアルキレン単位のみから構成されていてもよく、炭素数の異なる2種以上のオキシペルフルオロアルキレン単位から構成されていてもよい。
オキシペルフルオロアルキレン単位の具体例としては、(CFO)、(CFCFO)、(CFCFCFO)、(CF(CF)CFO)、(CFCFCFCFO)等が挙げられる。
としては、Aが炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基の場合、ハードコート層に耐摩擦性および防汚性を充分に付与する点から、下式(3)で表される分子鎖が好ましい。
−(CFCFO)(CFCFCFCFO)− ・・・(3)。
ただし、dは、0以上の整数であり、eは、0以上の整数であり、d+eは、5〜15の整数である。なお、(CFCFO)単位および(CFCFCFCFO)単位の結合順序は限定されない。すなわち、(CFCFO)単位および(CFCFCFCFO)単位がランダムに配置されてもよく、(CFCFO)単位と(CFCFCFCFO)単位とが交互に配置されてもよく、複数の単位からなるブロックの2以上が連結してもよい。
としては、AがBの場合、ハードコート層に耐摩擦性および防汚性を充分に付与する点から、下式(4)で表される分子鎖が好ましい。
−(CFCFO)(CFO)− ・・・(4)。
ただし、fは、0以上の整数であり、hは、0以上の整数であり、f+hは、5〜25の整数である。なお、(CFCFO)単位および(CFO)単位の結合順序は限定されない。すなわち、(CFCFO)単位および(CFO)単位がランダムに配置されてもよく、(CFCFO)単位と(CFO)単位とが交互に配置されてもよく、複数の単位からなるブロックの2以上が連結してもよい。
Aは、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはBである。ハードコート層に耐摩擦性および防汚性を充分に付与する点からは、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基が好ましい。ペルフルオロアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
Aの具体例としては、CF−、CFCF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CF(CF−、CFCF(CF)−等が挙げられる。
Aとしては、ハードコート層に耐摩擦性および防汚性を充分に付与する点からは、CF−、CFCF−、CF(CF−が好ましい。
化合物(1)は、主鎖の一端または両端にBを有する。Bが分子内に2つある場合には、同一であってもよく、異なっていてもよい。
Bとしては、製造のしやすさの点からは、下式(5−1)〜(5−6)が好ましい。
−Rf1C(O)NH(CH−SiL3−m ・・・(5−1)、
−Rf1CHOC(O)NH(CH−SiL3−m ・・・(5−2)、
−Rf1CHO(CH−SiL3−m ・・・(5−3)、
−Rf1O(CH−SiL3−m ・・・(5−4)、
−Rf1(CH−SiL3−m ・・・(5−5)、
−Rf1C(O)N((CH−SiL3−m ・・・(5−6)。
ただし、Rf1は、炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基であり、nは、1〜6の整数である。
好ましいQとしては、上記のように、−C(O)NH−、−OC(O)NH−、−O(CH−、−(CH−等の結合を有する2価の連結基が挙げられる。中でも、−C(O)NH−結合を有する2価の連結基が特に好ましい。Qが−C(O)NH−結合を有することによって、化合物(1)およびその部分加水分解縮合物とシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)との相溶性が良好になる。また、硬化時に含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)がハードコート層の表面に移行するため、ハードコート層の防汚性が良好となる。さらに、ハードコート層形成用組成物の貯蔵安定性およびハードコート層の外観が良好となる。よって、Bとしては、式(5−1)または式(5−2)が好ましい。
Lは、加水分解性基である。加水分解性基は、加水分解反応により水酸基となる基である。すなわち、化合物(1)およびその部分加水分解縮合物の末端のSi−Lは、加水分解反応によりシラノール基(Si−OH)となる。シラノール基は、さらに分子間で反応してSi−O−Si結合を形成する。そのため、化合物(1)は、ハードコート層を形成するシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)と化学結合を形成し、ハードコート層から化合物(1)およびその部分加水分解縮合物が脱落しにくくなる。
Lとしては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基(−NCO)、アミノ基等が挙げられる。
Lとしては、工業的な製造が容易な点から、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が特に好ましい。Lとしては、化合物(1)の保存安定性に優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物(1)の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
Rは、水素原子または1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリル基等が挙げられる。
Rとしては、1価の炭化水素基が好ましく、1価の飽和炭化水素基が特に好ましい。1価の飽和炭化水素基の炭素数は、合成が簡便である点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
mは、1〜3の整数であり、2または3が好ましく、3が特に好ましい。分子中にLが複数存在することによって、基材またはプライマ層の表面との密着性が良好になる。
mが2以上である場合、1分子中に存在する複数のLは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。原料の入手容易性や製造容易性の点からは、互いに同じであることが好ましい。
加水分解性シリル基(−SiL3−m)としては、−Si(OCH、−SiCH(OCH、−Si(OCHCH、−SiCl、−SiCHCl、−Si(OCOCH、−Si(NCO)が好ましい。工業的な製造における取扱いやすさの点から、−Si(OCHが特に好ましい。
(部分加水分解縮合物(A2))
部分加水分解縮合物(A2)は、含フッ素エーテル化合物(A1)中の加水分解性シリル基(−SiL3−m)の加水分解性基(L)の一部が加水分解反応することによって形成されたシラノール基(Si−OH)が分子間で脱水縮合反応して形成されるオリゴマーである。部分加水分解縮合物(A2)中には、少なくとも1つのLまたはその加水分解により生じたOHが存在している。
部分加水分解縮合物(A2)は、水および触媒の存在下、含フッ素エーテル化合物(A1)の加水分解性基の一部を加水分解することによって得られる。
触媒は、酸触媒であってもよく、塩基触媒であってもよい。また、無機触媒であってもよく、有機触媒であってもよい。無機酸触媒としては、塩酸、硝酸等が挙げられる。有機酸触媒としては、カルボキシ基を有する化合物、スルホ基を有する化合物(p−トルエンスルホン酸等)等が挙げられる。無機塩基触媒としては、アンモニア等が挙げられる。有機塩基触媒としては、フェニルアミン等が挙げられる。
水の量は、加水分解性基に対し、モル換算で0.1〜3倍当量が好ましい。水の量が下限値以上であれば、部分加水分解が充分に進行する。水の量が上限値以下であれば、含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)と、水とが相分離しにくくなる。
加水分解性基の加水分解は、有機溶媒中にて行うことが好ましい。有機溶媒としては、アルコール系有機溶媒(メタノール等)が好ましい。
(シラン化合物(B1))
シラン化合物(B1)は、フッ素原子を有さず、かつ加水分解性シリル基を有する。
シラン化合物(B1)としては、ケイ素原子に加水分解性基が2〜4つ結合した構造を有する化合物が好ましい。
シラン化合物(B1)は、単一化合物であってもよく、加水分解性基の数、種類等が異なる2種類以上の混合物であってもよい。
シラン化合物(B1)としては、具体的には、下式(6)で表される化合物(化合物(6))が好ましい。
SiL4−s ・・・(6)。
ただし、式(6)中の記号は下記の通りである。
L:加水分解性基。
R:水素原子または1価の炭化水素基。
s:1〜4の整数。
LおよびRは、化合物(1)におけるものと同様であり、好ましい態様も同様である。
化合物(6)におけるLと化合物(1)におけるLとは、同じであることが好ましい。
sとしては、架橋反応が可能である点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4が特に好ましい。
化合物(6)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソシアネートシラン、テトラクロロシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランが好ましく、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルシリケート、エチルシリケートが特に好ましい。
(部分加水分解縮合物(B2))
部分加水分解縮合物(B2)は、シラン化合物(B1)中の加水分解性基の一部が加水分解反応することによって形成されたシラノール基(Si−OH)が分子間で脱水縮合反応して形成されるオリゴマーである。部分加水分解縮合物(B2)中には、少なくとも1つの加水分解性基またはその加水分解により生じたOHが存在している。
部分加水分解縮合物(B2)は、水および触媒の存在下、シラン化合物(B1)の加水分解性基の一部を加水分解することによって得られる。
水、触媒および有機溶媒は、部分加水分解縮合物(A2)におけるものと同様であり、好ましい態様も同様である。
(コロイダルシリカ(C))
本発明のハードコート層形成用組成物は、ハードコート層の耐摩耗性をさらに向上させる点から、コロイダルシリカ(C)をさらに含んでいてもよい。
コロイダルシリカ(C)は、分散媒中にコロイド状に分散した無水ケイ酸の超微粒子である。
分散媒としては、水、低級アルコール系有機溶媒、セロソルブ系有機溶媒等が挙げられる。具体的には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ペンチル、アセトン等が挙げられる。
コロイダルシリカ(C)の平均粒径は、ハードコート層の透明性を高くする点から、1〜1,000nmが好ましく、1〜200nmが好ましく、1〜50nmが特に好ましい。
コロイダルシリカ(C)は、分散安定性を向上させる点から、表面がシランカップリング剤で修飾されていてもよい。
(媒体(D))
本発明のハードコート層形成用組成物は、必要に応じて媒体(D)をさらに含んでいてもよい。媒体(D)を含むことによって、ハードコート層形成用組成物の形態、粘度、表面張力等を調整でき、塗布方法に適した液物性に制御できる。
媒体(D)としては、水、有機溶媒が挙げられる。加水分解性シリル基の加水分解の点から、水を含むことが好ましい。有機溶媒としては、ハードコート層形成用組成物の塗布方法に適した沸点を有する有機溶媒が好ましい。
有機溶媒は、フッ素系有機溶媒であってもよく、非フッ素系有機溶媒であってもよく、両溶媒を含んでもよい。
フッ素系有機溶媒としては、フルオロアルカン、フルオロ芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フルオロアルキルアミン、フルオロアルコール等が挙げられる。
フルオロアルカンとしては、炭素数4〜8の化合物が好ましい。市販品としては、たとえばAC−2000、AC−6000(製品名、旭硝子社製);バートレル(製品名、デュポン社製)等が挙げられる。
フルオロ芳香族化合物としては、たとえばヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロトルエン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
フルオロアルキルエーテルとしては、炭素数4〜12の化合物が好ましい。市販品としては、たとえばAE−3000(製品名、旭硝子社製);フロリナート−7100、7200、7300(製品名、3M社製)等が挙げられる。
フルオロアルキルアミンとしては、たとえばペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン等が挙げられる。
フルオロアルコールとしては、たとえば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール等が挙げられる。
フッ素系有機溶媒としては、含フッ素エーテル化合物(A1)の溶解性の点で、フルオロアルカン、フルオロ芳香族化合物、フルオロアルキルエーテルが好ましく、フルオロアルキルエーテルが特に好ましい。
非フッ素系有機溶媒としては、水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物が好ましく、炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒が挙げられる。
炭化水素系有機溶媒としては、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサン等が好ましい。
アルコール系有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等が好ましい。
ケトン系有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が好ましい。
エーテル系有機溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等が好ましい。
エステル系有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等が好ましい。
非フッ素系有機溶媒としては、含フッ素エーテル化合物(A1)の溶解性の点で、アルコール系有機溶媒が特に好ましい。
媒体(D)としては、フッ素系有機溶媒であるフルオロアルカン、フルオロ芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、非フッ素系有機溶媒である水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物からなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒が好ましい。
媒体(D)としては、フッ素系有機溶媒であるフルオロアルカン、フルオロ芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、非フッ素系有機溶媒である水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物からなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒を、合計で媒体(D)全体の90質量%以上含むことが、含フッ素エーテル化合物(A1)の溶解性を高める点で好ましい。
(触媒(E))
本発明のハードコート層形成用組成物は、必要に応じて触媒(E)をさらに含んでいてもよい。
触媒(E)は、含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)、ならびにシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)の加水分解反応、脱水縮合反応の触媒として作用し、シラノール基の生成、部分加水分解縮合物の形成、基材の表面との密着が促進される。
触媒(E)は、部分加水分解縮合物(A2)におけるものと同様であり、好ましい態様も同様である。
(他の添加剤(F))
本発明のハードコート層形成用組成物は、必要に応じて他の添加剤(F)をさらに含んでいてもよい。
他の添加剤(F)としては、紫外線吸収剤、光安定剤、熱硬化安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、染料、分散剤、帯電防止剤、界面活性剤(防曇剤、レベリング剤等)、金属酸化物粒子、各種樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等)等が挙げられる。
(組成)
ハードコート層形成用組成物の固形分中の含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)の合計の含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜4質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。該含有量が上記範囲内であれば、ハードコート層形成用組成物は貯蔵安定性に優れ、ハードコート層は外観、耐摩擦性および防汚性に優れる。
ハードコート層形成用組成物の固形分中のシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)の合計の含有量は、30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。該含有量が上記範囲内であれば、ハードコート層形成用組成物は貯蔵安定性に優れ、ハードコート層は外観、耐摩擦性および防汚性に優れる。
コロイダルシリカ(C)を含ませる場合、ハードコート層形成用組成物の固形分中のコロイダルシリカ(C)の含有量は、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、25〜50質量%が特に好ましい。該含有量が上記範囲内であれば、ハードコート層は耐摩擦性および透明性に優れる。
媒体(D)を含ませる場合、ハードコート層形成用組成物中の媒体(D)の含有量は、50〜95質量%が好ましく、55〜90質量%がより好ましく、60〜85質量%が特に好ましい。
触媒(E)を含ませる場合、ハードコート層形成用組成物の固形分中の触媒(E)の含有量は、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
他の添加剤(F)を含ませる場合、ハードコート層形成用組成物の固形分中の他の添加剤(F)の含有量は、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
ハードコート層形成用組成物の固形分濃度は、塗布方法に適した液物性となるように調整すればよい。ハードコート層形成用組成物の固形分濃度は、たとえば、5〜50質量%が好ましく、10〜45質量%がより好ましく、15〜40質量%が特に好ましい。
(好ましい組み合わせ)
本発明のハードコート層形成用組成物としては、下記の含フッ素エーテル化合物(A1)、その部分加水分解縮合物(A2)またはそれらの混合物と、下記のシラン化合物(B1)、その部分加水分解縮合物(B2)またはそれらの混合物と、必要に応じてコロイダルシリカ(C)とを組み合わせたものが好ましい。
含フッ素エーテル化合物(A1):AがCF−、CFCF−またはCF(CF−であり、Rが式(3)で表される分子鎖であり、Bが式(5−1)または式(5−2)であり、Rf1が炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基である化合物(1);またはRが式(4)で表される分子鎖であり、AおよびBが式(5−1)または式(5−2)であり、Rf1が炭素数1〜4のペルフルオロアルキレン基である化合物(1)。
シラン化合物(B1):テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソシアネートシラン、テトラクロロシラン、メチルシリケート、エチルシリケート、メチルトリメトキシシランおよびジメチルジメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種。
〔物品〕
本発明の物品は、基材と、本発明のハードコート層形成用組成物を硬化させたハードコート層とを有する。基材とハードコート層との密着性の点から、基材とハードコート層との間に設けられたプライマ層をさらに有することが好ましい。
(基材)
基材は、耐摩耗性および防汚性が必要とされる種々の物品(光学レンズ、ディスプレイ、光記録媒体等)の本体部分、または該物品の表面を構成する部材である。
基材の材料としては、金属、樹脂、ガラス、セラミック、これらの複合材料等が挙げられる。光学レンズ、ディスプレイ、光記録媒体における基材の表面の材料としては、ガラスまたは透明樹脂が好ましい。
ガラスとしては、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、クリスタルガラス、石英ガラス等が挙げられる。化学強化ガラスであってもよい。透明樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
(プライマ層)
プライマ層としては、公知のプライマ層形成用組成物を基材の表面に塗布し、乾燥させることによって形成されたものが挙げられる。
プライマ層形成用組成物としては、たとえば、国際公開第2010/110389号の段落[0104]〜[0113]に記載された組成物が挙げられる。プライマ層形成用組成物中に含まれる化合物としては、ポリアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
プライマ層の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、2〜5μmが特に好ましい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、本発明のハードコート層形成用組成物を基材またはプライマ層の表面に塗布し、硬化させたものである。
ハードコート層の厚さは、耐摩耗性および防汚性の点から、0.5〜10μmが好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
(物品の製造方法)
物品は、たとえば、下記の工程(α)および工程(β)を経て製造される。
(α)必要に応じて、プライマ層形成用組成物を基材の表面に塗布し、乾燥させてプライマ層を形成する工程。
(β)本発明のハードコート層形成用組成物を基材またはプライマ層の表面に塗布し、硬化させてハードコート層を形成する工程。
工程(α):
塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、フローコート法、スリットコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビア法、フレキソ法等の公知の塗布方法が挙げられる。
乾燥温度は、50〜140℃が好ましい。
乾燥時間は、5分間〜3時間が好ましい。
工程(β):
塗布方法としては、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、フローコート法、スリットコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビア法、フレキソ法等の公知の塗布方法が挙げられる。
本明細書では、ハードコート層形成用組成物が媒体を含まない場合、該組成物を塗布して形成された層を塗膜という。ハードコート層形成用組成物が媒体を含む場合、ハードコート層形成用組成物の塗布後かつ硬化促進処理の前に、媒体の除去を目的として、50〜120℃で0.5〜10時間の加熱を行ってもよい。この媒体を除去して形成された層を乾燥膜という。
「硬化」は、ハードコート層形成用組成物に含まれる含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)、ならびにシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)中の加水分解性シリル基の少なくとも一部がSi−O−Si結合を形成することをいう。硬化は、部分硬化であってもよく、完全硬化であってもよい。「部分硬化」は、一部の加水分解性シリル基がSi−O−Si結合を形成し、一部が加水分解性シリル基として残ることをいい、「完全硬化」は、加水分解性シリル基の実質的にすべてがSi−O−Si結合を形成する等の反応を起こし、Si−O−Si結合を形成する反応が進行できない状態になっていることをいう。
ハードコート層形成用組成物の塗布後、該組成物が媒体を含まない場合の塗膜または媒体を含む場合の乾燥膜を、空気中、加湿環境下、50〜300℃で0.5〜100時間保持する硬化促進処理を行うことが好ましい。該硬化促進処理を行わなくても空気中の水分等により硬化は進行し得るが、該硬化促進処理を行うことで硬化が促進される。特に、基材またはプライマ層が表面に水酸基を有するもの(ガラス、水酸基を有する透明樹脂等)である場合、該基材またはプライマ層の表面の水酸基と、加水分解性シリル基の加水分解により生じたシラノール基とがシロキサン結合を形成し、かつ加水分解性シリル基を有する化合物の間での反応も起こり得るため、基材またはプライマ層との密着性が高く、基材に強固に密着したハードコート層を形成できる。
加熱温度は、基材により好ましい範囲が異なる。基材がガラスの場合には50〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましく、50〜200℃が特に好ましい。加熱温度が上記範囲の上限値以下であると、含フッ素エーテル化合物が熱分解しないため好ましい。基材が透明樹脂の場合には、基材の耐熱性の点から、50〜150℃が好ましく、50〜120℃がより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は該実施例に限定されない。
例1〜6、8は、実施例であり、例7は、比較例である。
略号、測定方法および評価方法を以下に示す。
(略号)
Mn:数平均分子量。
Mw:質量平均分子量。
TMS:テトラメチルシラン。
R−225:ジクロロペンタフルオロプロパン。
HFIP:ヘキサフルオロイソプロパノール。
R−113:CClFCClF
CFE−419:CClFCClFCFOCFCClF
TFEO:トリフルオロエタノール。
PFA:テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルコキシビニルエーテル)共重合体。
a:オキシペルフルオロアルキレン単位の数であり、aを付した化合物は、aの値が異なる2種以上の化合物からなる。aの平均値は、化合物の数平均分子量から求めた値である。
(数平均分子量(Mn)の測定)
含フッ素エーテル化合物のMnは、GPCによって測定した。GPCの測定は、特開2001−208736号公報に記載の方法にしたがい、下記条件にて行った。
移動相:R−225(旭硝子社製、アサヒクリンAK−225SECグレード1)およびHFIPの混合溶媒(R−225/HFIP=99/1容量比)、
分析カラム:PLgel MIXED−Eカラム(ポリマーラボラトリーズ社製)を2本直列に連結したもの、
分子量測定用標準試料:分子量分布(Mw/Mn)が1.1未満である、分子量が2,000〜10,000のペルフルオロポリエーテル4種および分子量分布(Mw/Mn)が1.1以上である、分子量が1,300のペルフルオロポリエーテル1種、
検出器:蒸発光散乱検出器、
移動相流速:1.0mL/分、
カラム温度:37℃。
(外観)
ハードコート層の表面を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
○(良好):ハードコート層の表面は平滑であった。
△(可):ハードコート層の表面は平滑であったが、わずかに荒れが見られた。
×(不良):ハードコート層の表面にゆず肌状の荒れがはっきりと見られた。
(水接触角)
物品を水平に保持し、ハードコート層の表面に2μLの水滴を5滴置き、その接触角を測定し、5つの値の平均値を求めた。水接触角が大きいほど撥水性に優れる。なお、未処理のソーダライムガラス板の水接触角は約30°である。
(ヘキサデカン接触角)
物品を水平に保持し、ハードコート層の表面に2μLのヘキサデカンを5滴置き、その接触角を測定し、5つの値の平均値を求めた。ヘキサデカン接触角が大きいほど撥油性に優れる。なお、未処理のソーダライムガラス板の水接触角は約14.6°である。
(防汚性の評価)
油性マーカ(ゼブラ社製、商品名:ハイマッキー太)で直線を書き、インクのハジキ具合を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
○(良好):インクをはじく。
×(不良):インクをはじかない。
(耐摩耗性の評価)
JIS R 3212(制定年:1979年)における耐摩耗試験法にしたがい、2つのCS−10F摩耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ、ハードコート層の表面で摩耗輪を100回転させた時のヘイズをヘイズメータにて測定した。ヘイズの測定は摩耗輪のサイクル軌道の4箇所で行い、平均値を求めた。耐摩耗性は、下式から求める耐摩耗性試験前後のヘイズの変化(%)にて評価した。
耐摩耗性試験前後のヘイズの変化(%)=耐摩耗試験後のヘイズ(%)−耐摩耗試験前のヘイズ(%)。
(密着性)
JIS K 5600−5−6(制定年:1999年)に準拠し、カミソリ刃を用いてハードコート層に1mm間隔で縦、横11本ずつ切れ目を入れて100個の碁盤目を作製し、セロテープ(登録商標)(ニチバン社製、CT24)をよく付着させた後、剥離テストを行った。下記の基準にて評価した。
○(良好):100マス中、剥離しないマス目の数が100マスであった。
△(可):100マス中、剥離しないマス目の数が50〜99マスであった。
×(不良):100マス中、剥離しないマス目の数が50マス未満であった。
〔合成例1:化合物(1−1)の合成〕
CF−O−(CFCFO)−CFC(O)NH(CH−Si(OCH)3 ・・・(1−1)。
ただし、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
フラスコ内に、化合物(7)(市販のポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテル)の25g、R−225の20g、フッ化ナトリウムの1.2gおよびピリジンの1.6gを入れ、内温を10℃以下に保ちながら激しく撹拌し、窒素をバブリングさせた。
CH−O−(CHCHO)−CHCHOH ・・・(7)。
ただし、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
フラスコ内に、化合物(8)の46.6gを、内温を5℃以下に保ちながら3.0時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃にて12時間撹拌し、室温にて24時間撹拌して、粗液を回収した。
FC(O)−Rf2 ・・・(8)。
ただし、Rf2は−CF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCFである。
粗液を減圧濾過した後、回収液を真空乾燥機(50℃、5.0torr)で12時間乾燥し、粗液を得た。粗液を100mLのR−225に溶解し、1,000mLの飽和重曹水で3回水洗し、有機相を回収した。有機相に硫酸マグネシウムの1.0gを加え、12時間撹拌した後、加圧濾過して硫酸マグネシウムを除去し、回収液からエバポレータにてR−225を留去し、室温で液体である化合物(9)の56.1gを得た。
CH−O−(CHCHO)−CHCHOC(O)−Rf2 ・・・(9)。
ただし、Rf2は−CF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCFであり、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
3,000mLのハステロイ製オートクレーブ内に、R−113の1560gを入れて撹拌し、25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、フッ化ナトリウムペレット充填層および−20℃に保持した冷却器を直列に設置した。また、−20℃に保持した冷却器から凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。オートクレーブ内に窒素ガスを1時間吹き込んだ後、窒素ガスで10体積%に希釈したフッ素ガス(以下、10%フッ素ガスと記す。)を、流速24.8L/時間で1時間吹き込んだ。オートクレーブ内に10%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、化合物(9)の27.5gをR−113の1,350gに溶解した溶液を30時間かけて注入した。オートクレーブ内に10%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、R−113の12mLを注入した。この際、内温を40℃に変更した。ベンゼンを1質量%溶解したR−113溶液の6mLを注入した。フッ素ガスをさらに1時間吹き込んだ後、窒素ガスを1時間吹き込んだ。反応終了後、溶媒を真空乾燥(60℃、6時間)にて留去し、室温で液体の化合物(10)の45.4gを得た。
CF−O−(CFCFO)−CFCFOC(O)−Rf2 ・・・(10)。
ただし、Rf2は−CF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCFであり、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
スターラーチップを投入した300mLのナスフラスコを充分に窒素置換した。ナスフラスコ内に、エタノールの40g、フッ化ナトリウムの5.6gおよびR−225の50gを入れた。ナスフラスコ内に、化合物(10)の43.5gを滴下した後、室温にてバブリングを行いながら、激しく撹拌した。ナスフラスコの出口は窒素シールした。8時間後、冷却管に真空ポンプを設置して系内を減圧に保ち、過剰のエタノールおよび交換によって生じるCHCHOC(O)−Rf2を留去した。24時間後、室温で液体の化合物(11)の26.8gを得た。
CF−O−(CFCFO)−CFC(O)OCHCH ・・・(11)。
ただし、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
100mLの丸底フラスコ内に、化合物(11)の33.1g、化合物(12)の3.7gを入れ、室温で2時間撹拌した。
NH(CH−Si(OCH ・・・(12)、
反応終了後、未反応の化合物(12)および副生したエタノールを減圧留去し、室温で液体の化合物(1−1)の32.3gを得た。化合物(1−1)のMnを測定した。結果を表1に示す。
CF−O−(CFCFO)−CFC(O)NH(CH−Si(OCH ・・・(1−1)。
ただし、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
〔合成例2:化合物(1−2)の合成〕
CF−O−(CFCFO)−CFCHO(CH−Si(OCH ・・・(1−2)。
ただし、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
スターラーチップを投入した300mLのナスフラスコを充分に窒素置換した。ナスフラスコ内に、2−プロパノールの30g、R−225の50gおよび水素化ホウ素ナトリウムの4.1gを入れた。ナスフラスコの出口は窒素シールした。合成例1の化合物(11)の26.2gをR−225の30gに希釈して滴下した後、室温にて激しく撹拌した。8時間後、冷却管に真空ポンプを設置して系内を減圧に保ち、溶媒を留去した。24時間後、ナスフラスコ内にR−225の100gを入れ、撹拌を行いながら、0.2規定塩酸水溶液の500gを滴下した。滴下後、6時間撹拌を維持した。有機相を蒸留水の500gにて3回水洗し、二層分離にて有機相を回収した。有機相に硫酸マグネシウムの1gを加え、12時間撹拌した後、加圧濾過にて硫酸マグネシウムを除去し、回収液からエバポレータにてR−225を留去して、室温で液体の化合物の24.8gを得た。該化合物のNMR分析の結果、化合物(11)のエステル基の全量が還元された、化合物(13)が主たる生成物であることを確認した。
CF−O−(CFCFO)−CFCHOH ・・・(13)。
250mLの丸底フラスコ内に、窒素雰囲気下で水素化ナトリウムの0.36gを入れ、ヘキサンの25mLで洗浄し、ヘキサンを回収した。該操作をさらに2回繰り返した後、残留するヘキサンを減圧留去した。丸底フラスコ内に、CFE−419の25.0gを入れ、内温を5℃以下に保持した。丸底フラスコ内に、化合物(13)の10gをCFE−419の25gに溶解した溶液を1時間かけて穏やかに滴下し、10時間撹拌した。丸底フラスコ内に、化合物(14)の0.85gを滴下して室温で2時間撹拌した後、72時間加熱還流した。
CClHCHCH−Si(OCH ・・・(14)。
還流終了後、室温まで冷却し、未反応の水素化ナトリウムおよび副生した塩化ナトリウムを加圧濾過し、CFE−419および過剰の化合物(14)を減圧留去し、室温で液体の化合物の10.70gを得た。該化合物のNMR分析の結果、化合物(13)中の−CFCHOHの98.5モル%が−CFCHO(CH−Si(OCHに変換された。すなわち、化合物(1−2)が主たる生成物であった。化合物(1−2)のMnを測定した。結果を表1に示す。
CF−O−(CFCFO)−CFCHO(CH−Si(OCH ・・・(1−2)。
ただし、aは7〜8の整数であり、aの平均値は、7.3である。
化合物(1−2)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz,溶媒:R−113,基準:TMS) δ(ppm):0.76,1.79,3.36,3.8,5.6。
19F−NMR(282.65MHz,溶媒:R−113,基準:CFCl) δ(ppm):−54.9,−80.8,−88.2,−89.7。
〔合成例3:化合物(1−3i)の合成〕
CFCF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCFC(O)NH(CH−Si(OCH ・・・(1−3i)。
ただし、aは4〜10の整数であり、aの平均値は、7である。
300mLの3つ口丸底フラスコに、水素化ホウ素ナトリウムの14.1gを入れ、R−225の350gを加えた。氷浴で冷却しながら撹拌し、窒素雰囲気下、内温が10℃を超えないように化合物(15)の100g、メタノールの15.8g、R−225の22gを混合した溶液を滴下漏斗からゆっくり滴下した。
CF=CFO−CFCFCFCOOCH ・・・(15)。
全量滴下した後、さらにメタノールの10gとR−225の10gを混合した溶液を滴下した。その後、氷浴を取り外し、室温までゆっくり昇温しながら撹拌を続けた。室温で12時間撹拌後、再び氷浴で冷却し、液性が酸性になるまで塩酸水溶液を滴下した。反応終了後、水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、有機相を回収した。回収した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した後、固形分をフィルタによりろ過し、エバポレータで濃縮した。回収した濃縮液を減圧蒸留し、化合物(16)の80.6g(収率88%)を得た。
CF=CFO−CFCFCFCHOH ・・・(16)。
化合物(16)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:TMS) δ(ppm):2.2(1H)、4.1(2H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−85.6(2F)、−114.0(1F)、−122.2(1F)、−123.3(2F)、−127.4(2F)、−135.2(1F)。
還流冷却器を接続した100mLのナスフラスコに、TFEOの6.64gを入れ、炭酸カリウムの7.32gを加えた。窒素雰囲気下、75℃で撹拌しながら、化合物(16)の19.87gを加え、1時間撹拌した。続いて120℃まで昇温し、化合物(16)の113.34gを内温が130℃以下になるように制御しながら、ゆっくりと滴下した。全量滴下した後、120℃に保ちながらさらに1時間撹拌し、加熱を止めて室温に下がるまで撹拌を続けた。塩酸水溶液を加えて、過剰の炭酸カリウムを処理し、水とR−225を加えて分液処理を行った。3回の水洗後、有機相を回収し、エバポレータで濃縮することによって、高粘度のオリゴマーを得た。再び、R−225の150gで希釈し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:R−225)に展開して分取した。各フラクションについて、単位数(a+1)の平均値を19F−NMRの積分値から求めた。上式(17)中、(a+1)の平均値が7〜10のフラクションを合わせた化合物(17i)の48.5g、(a+1)の平均値が13〜16のフラクションを合わせた化合物(17ii)の13.2gを得た。
化合物(17i)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重アセトン、基準:TMS) δ(ppm):4.1(2H)、4.8(16H)、6.7〜6.9(8H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重アセトン、基準:CFCl) δ(ppm):−74.2(3F)、−84.3〜−85.1(16F)、−89.4〜−90.5(16F)、−120.2(14F)、−122.0(2F)、−126.6(14F)、−127.0(2F)、−145.1(8F)。
単位数(a+1)の平均値:8。
化合物(17ii)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重アセトン、基準:TMS) δ(ppm):4.1(2H)、4.8(28H)、6.7〜6.9(14H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重アセトン、基準:CFCl) δ(ppm):−74.2(3F)、−84.3〜−85.1(28F)、−89.4〜−90.5(28F)、−120.2(26F)、−122.0(2F)、−126.6(26F)、−127.0(2F)、−145.1(14F)。
単位数(a+1)の平均値:14。
還流冷却器を接続した300mLのナスフラスコに、化合物(17i)の113.33g、フッ化ナトリウムの5.0g、R−225の150gを入れ、化合物(18)の84.75gを加えた。
CFCFCFOCF(CF)COF ・・・(18)。
窒素雰囲気下、50℃で13時間撹拌した後、70℃で3時間撹拌した。加圧ろ過器でフッ化ナトリウムを除去した後、過剰の化合物(18)とR−225を減圧留去した。シリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:R−225)で高極性の不純物を除去し、下式(19)中、単位数(a+1)の平均値が8である、化合物(19i)の100.67g(収率80%)を得た。
CFCH−O−(CFCFHO−CFCFCFCHO)a+1−C(O)CF(CF)OCFCFCF ・・・(19)。
化合物(19i)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:TMS) δ(ppm):4.4(16H)、4.9(2H)、6.0−6.2(8H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−75.2(3F)、−80.0(1F)、−81.9(3F)、−82.7(3F)、−84.7〜−85.0(16F)、−86.0(1F)、−90.5〜−93.0(16F)、−121.1(2F)、−121.5(14F)、−128.0(16F)、−130.3(2F)、−132.5(1F)、−145.3(8F)。
単位数(a+1)の平均値:8。
オートクレーブ(ニッケル製、内容積1L)を用意し、オートクレーブのガス出口に、0℃に保持した冷却器、フッ化ナトリウムペレット充填層および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器から凝集した液をオートクレーブに戻す液体返送ラインを設置した。オートクレーブにR−113の750gを投入し、25℃に保持しながら撹拌した。オートクレーブに窒素ガスを25℃で1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20体積%に希釈したフッ素ガス(以下、20%フッ素ガスと記す。)を、25℃、流速3.2L/時間で1時間吹き込んだ。20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、オートクレーブに、化合物(19i)の130gをR−113の448gに溶解した溶液を、22時間かけて注入した。20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、オートクレーブの内圧を0.15MPa(ゲージ圧)まで加圧した。オートクレーブ内に、R−113中に0.015g/mLのベンゼンを含むベンゼン溶液の8mLを、25℃から40℃にまで加熱しながら注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉めた。20分撹拌した後、再びベンゼン溶液の4mLを、40℃を保持しながら注入し、注入口を閉めた。同様の操作をさらに7回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.6gであった。20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、1時間撹拌を続けた。オートクレーブ内の圧力を大気圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。オートクレーブの内容物をエバポレータで濃縮し、下式(20)中、単位数(a)の平均値が7である、化合物(20i)の152.1g(収率99%)を得た。
CFCF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCFCFO−C(O)CF(CF)OCFCFCF ・・・(20)。
化合物(20i)のNMRスペクトル;
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−80.0(1F)、−82.0〜−82.5(6F)、−84.0(30F)、−86.7〜87.8(6F)、−89.2(34F)、−126.5(32F)、−130.4(2F)、−132.4(1F)。
単位数(a)の平均値:7。
500mLのPFA製丸底ナスフラスコに、化合物(20i)の120gおよびR−225の240gを入れた。氷浴で冷却しながら撹拌し、窒素雰囲気下、メタノールの6.1gを滴下漏斗からゆっくり滴下した。窒素でバブリングしながら12時間撹拌した。反応混合物をエバポレータで濃縮し、下式(21)中、単位数(a)の平均値が7である、化合物(21i)の108.5g(収率100%)を得た。
CFCF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCFC(O)OCH ・・・(21)。
化合物(21i)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:TMS) δ(ppm):3.9(3H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−84.0(30F)、−88.2(3F)、−89.2(34F)、−119.8(2F)、−126.5(30F)。
単位数(a)の平均値:7。
300mLのナスフラスコに、化合物(21i)の92.5gおよび合成例1の化合物(12)の6.51gを入れ、12時間撹拌した。NMRから、化合物(21i)の98%が化合物(1−3i)に変換していることを確認した。また、化合物(12)のすべてが反応しており、副生物であるメタノールが生成していた。このようにして、下式(1−3)中、単位数(a)の平均値が7である、化合物(1−3i)を97%含む組成物を得た。化合物(1−3i)のMnを測定した。結果を表1に示す。
CFCF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCFC(O)NH(CH−Si(OCH ・・・(1−3)。
ただし、aは4〜10の整数であり、aの平均値は、7である。
化合物(1−3i)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:TMS) δ(ppm):0.6(2H)、1.6(2H)、2.8(1H)、3.3(2H)、3.5(9H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−84.1(30F)、−87.9(3F)、−89.3(34F)、−120.8(2F)、−126.6(28F)、−127.2(2F)。
〔合成例4:化合物(1−3ii)の合成〕
CFCF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCFC(O)NH(CH−Si(OCH ・・・(1−3ii)。
ただし、aは10〜16の整数であり、aの平均値は、13である。
還流冷却器を接続した200mLのナスフラスコに、合成例3で得た化合物(17ii)の114.72g、フッ化ナトリウムの8.1g、R−225の101.72gを入れ、合成例3の化合物(18)の95.18gを加えた。窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌した後、室温で終夜撹拌した。加圧ろ過器でフッ化ナトリウムを除去した後、過剰の化合物(18)とR−225を減圧留去した。シリカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒:R−225)で高極性の不純物を除去し、上式(19)中、単位数(a+1)の平均値が14である、化合物(19ii)の94.57g(収率77%)を得た。
化合物(19ii)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:TMS) δ(ppm):4.4(28H)、4.9(2H)、6.0−6.2(14H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−75.2(3F)、−80.0(1F)、−81.9(3F)、−82.7(3F)、−84.7〜−85.0(28F)、−86.0(1F)、−90.5〜−93.0(28F)、−121.1(2F)、−121.5(26F)、−128.0(28F)、−130.3(2F)、−132.5(1F)、−145.3(14F)。
単位数(a+1)の平均値:14。
オートクレーブ(ニッケル製、内容積3L)を用意し、オートクレーブのガス出口に、0℃に保持した冷却器、フッ化ナトリウムペレット充填層および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器から凝集した液をオートクレーブに戻す液体返送ラインを設置した。オートクレーブにR−113の2,350gを投入し、25℃に保持しながら撹拌した。オートクレーブに窒素ガスを25℃で1時間吹き込んだ後、20%フッ素ガスを、25℃、流速4.2L/時間で1時間吹き込んだ。20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、オートクレーブに、化合物(19ii)の213gをR−113の732gに溶解した溶液を、29時間かけて注入した。20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、オートクレーブの内圧を0.15MPa(ゲージ圧)まで加圧した。オートクレーブ内に、R−113中に0.009g/mLのベンゼンを含むベンゼン溶液の4mLを、25℃から40℃にまで加熱しながら注入し、オートクレーブのベンゼン溶液注入口を閉めた。20分撹拌した後、再びベンゼン溶液の5mLを、40℃を保持しながら注入し、注入口を閉めた。同様の操作をさらに7回繰り返した。ベンゼンの注入総量は0.4gであった。20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、1時間撹拌を続けた。オートクレーブ内の圧力を大気圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。オートクレーブの内容物をエバポレータで濃縮し、上式(20)中、単位数(a)の平均値が13である、化合物(20ii)の250.1g(収率99%)を得た。
化合物(20ii)のNMRスペクトル;
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−80.3(1F)、−82.0〜−82.5(6F)、−84.2(54F)、−86.9〜88.0(6F)、−89.4(58F)、−126.6(56F)、−130.4(2F)、−132.4(1F)。
単位数(a)の平均値:13。
500mLのPFA製丸底ナスフラスコに、化合物(20ii)の110gおよびR−225の220gを入れた。氷浴で冷却しながら撹拌し、窒素雰囲気下、メタノールの3.5gを滴下漏斗からゆっくり滴下した。窒素でバブリングしながら12時間撹拌した。反応混合物をエバポレータで濃縮し、上式(21)中、単位数(a)の平均値が13である、化合物(21ii)の103g(収率100%)を得た。
化合物(21ii)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:TMS) δ(ppm):3.9(3H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−84.0(54F)、−88.2(3F)、−89.2(58F)、−119.8(2F)、−126.5(54F)。
単位数(a)の平均値:13。
300mLのナスフラスコに、化合物(21ii)の100.5gおよび合成例1の化合物(12)の4.38gを入れ、12時間撹拌した。NMRから、化合物(21ii)の98%が化合物(1−3ii)に変換していることを確認した。また、化合物(12)のすべてが反応しており、副生物であるメタノールが生成していた。このようにして、下式(1−3)中、単位数(a)の平均値が13である、化合物(1−3ii)を97%含む組成物を得た。化合物(1−3ii)のMnを測定した。結果を表1に示す。
CFCF−O−(CFCFO−CFCFCFCFO)CFCFO−CFCFCFC(O)NH(CH−Si(OCH ・・・(1−3)。
ただし、aは10〜16の整数であり、aの平均値は、13である。
化合物(1−3ii)のNMRスペクトル;
H−NMR(300.4MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:TMS) δ(ppm):0.6(2H)、1.6(2H)、2.8(1H)、3.3(2H)、3.5(9H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:重クロロホルム、基準:CFCl) δ(ppm):−84.1(54F)、−87.9(3F)、−89.3(58F)、−120.8(2F)、−126.6(52F)、−127.2(2F)。
〔例1〕
(ハードコート層形成用組成物の製造)
シリコーン系ハードコート(モメンティブ社製、商品名:AS4700、固形分25質量%、シラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)、コロイダルシリカ(C)、媒体(D)、触媒(E)を含む。)の100gに、含フッ素エーテル化合物(A1)として合成例1で製造した化合物(1−1)の0.13gを添加し、常温で30分間撹拌してハードコート層形成用組成物(X1)を製造した。
(物品の製造)
厚さ3mmの透明なポリカーボネート樹脂板(旭硝子社製、商品名:カーボグラス ポリッシュクリアー)にアクリル系プライマ(モメンティブ社製、商品名:SHP470、固形分10質量%)をスピンコート法により塗布し、25℃、25RH%で10分放置した後、120℃の熱風循環オーブン中で20分間乾燥した。形成されたプライマ層の厚さは3μmであった。
プライマ層の表面にハードコート層形成用組成物(X1)をスピンコート法により塗布し、25℃、25RH%で10分放置した後、120℃の熱風循環オーブン中で30分間硬化させた(溶媒の除去および硬化促進処理)。形成されたハードコート層の厚さは6μmであった。
得られた物品の表面の外観、水接触角、ヘキサデカン接触角、防汚性、耐摩耗性および密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
〔例2〜7〕
含フッ素エーテル化合物(A1)の種類および量を表1のように変更した以外は、例1と同様にしてハードコート層形成用組成物(X2)〜(X7)を製造した。
ハードコート層形成用組成物(X1)の代わりにハードコート層形成用組成物(X2)〜(X7)を用いた以外は、例1と同様にして物品を製造した。
得られた物品の表面の外観、水接触角、ヘキサデカン接触角、防汚性、耐摩耗性および密着性の評価を行った。結果を表1に示す。なお、例4〜6は外観にわずかな荒れが見られたため、耐摩耗性の評価を行わなかった。
〔例8〕
プライマ層を形成しない以外は、例1と同様にして物品を製造した。
得られた物品の表面の外観、水接触角、ヘキサデカン接触角、防汚性、耐摩耗性および密着性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2014021316
表中の略号は、下記の通りである。
S10:Solvay Solexis社製、商品名:S10、Mn:1,850。Rが式(4)で表される分子鎖であり、AおよびBが式(5−2)である化合物(1)。
PFOc:ペルフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン。
例1〜6、8は、優れた耐摩耗性および防汚性を有し、かつ高い生産性で物品を製造できた。特に、例1〜3および8は、ヘキサデカン接触角が高く、撥油性に優れていた。
例1〜3は、例5、6と比較して含フッ素エーテル化合物(A−1)の数平均分子量(Mn)が小さいため、ハードコート層形成用組成物中のシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)等との相溶性が充分であり、ハードコート層の表面もゆず肌状に荒れることなく良好であった。
例1〜3は、含フッ素エーテル化合物(A−1)がアミド結合またはウレタン結合を有するため、例4と比較してハードコート層形成用組成物中のシラン化合物(B1)およびその部分加水分解縮合物(B2)等との相溶性が充分であり、ハードコート層の表面もゆず肌状に荒れることなく良好であった。
例1は、プライマ層を形成しているため、例8と比較して密着性が良好であった。
例7は、含フッ素エーテル化合物(A−1)の代わりに、ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を有さず、ペルフルオロアルキル基を有するシラン化合物を用いたため、防汚性が不充分であった。
本発明の物品は、光学物品(メガネレンズ、サングラス等)、ディスプレイ(液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ、携帯用電子機器(携帯電話、電子手帳、音楽プレーヤー等)のディスプレイ部分、タッチパネル付きディスプレイ等)、光記録媒体(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等)等として有用である。

Claims (8)

  1. ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖を主鎖に有し、かつ該主鎖の少なくとも一方の末端に加水分解性シリル基を有する含フッ素エーテル化合物(A1)、その部分加水分解縮合物(A2)またはそれらの混合物と、
    フッ素原子を有さず、かつ加水分解性シリル基を有するシラン化合物(B1)、その部分加水分解縮合物(B2)またはそれらの混合物と
    を含む、ハードコート層形成用組成物。
  2. 前記含フッ素エーテル化合物(A1)が、下式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のハードコート層形成用組成物。
    A−O−R−B ・・・(1)。
    ただし、式(1)中の記号は下記の通りである。
    :ポリ(オキシペルフルオロアルキレン)鎖。
    A:炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはB。
    B:下式(2)で表される基。
    −Q−SiL3−m ・・・(2)。
    ただし、式(2)中の記号は下記の通りである。
    Q:2価の連結基。
    L:加水分解性基。
    R:水素原子または1価の炭化水素基。
    m:1〜3の整数。
  3. 前記Qが、−C(O)NH−、−OC(O)NH−、−O(CH−または−(CH−結合を有する、請求項2に記載のハードコート層形成用組成物。
    ただし、nは1〜6の整数である。
  4. 前記含フッ素エーテル化合物(A1)の数平均分子量が、2,000以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハードコート層形成用組成物。
  5. ハードコート層形成用組成物の固形分中の前記含フッ素エーテル化合物(A1)およびその部分加水分解縮合物(A2)の合計の含有量が、0.01〜5質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハードコート層形成用組成物。
  6. コロイダルシリカ(C)をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハードコート層形成用組成物。
  7. 基材と、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のハードコート層形成用組成物を硬化させたハードコート層と
    を有する、物品。
  8. 前記基材と前記ハードコート層との間に設けられたプライマ層をさらに有する、請求項7に記載の物品。
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