JP2014019610A - レーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガラス板を備える板状の加工対象物から切り出された有効部において抗折強度が低下するのを抑制することができると共に、加工時に有効部の外表面を保護することができるレーザ加工方法を提供する。
【解決手段】 このレーザ加工方法は、加工対象物1の表面1a及び裏面1bにレジストを形成する第1工程と、その後に、有効部17の側面19に沿うように延在する切断予定ライン51,52に沿って、レーザ光の集光点を相対的に移動させることにより、ライン51,52に沿って強化ガラス板10の内部に改質領域を形成し、改質領域から発生した亀裂を加工対象物1の厚さ方向に伸展させることにより、加工対象物1から有効部17を切り出す第2工程と、その後に、有効部17の側面19に存在する改質領域を除去し、有効部17の表面17a及び裏面17bに存在するレジストを除去する第3工程と、を備える。
【選択図】 図7
【解決手段】 このレーザ加工方法は、加工対象物1の表面1a及び裏面1bにレジストを形成する第1工程と、その後に、有効部17の側面19に沿うように延在する切断予定ライン51,52に沿って、レーザ光の集光点を相対的に移動させることにより、ライン51,52に沿って強化ガラス板10の内部に改質領域を形成し、改質領域から発生した亀裂を加工対象物1の厚さ方向に伸展させることにより、加工対象物1から有効部17を切り出す第2工程と、その後に、有効部17の側面19に存在する改質領域を除去し、有効部17の表面17a及び裏面17bに存在するレジストを除去する第3工程と、を備える。
【選択図】 図7
Description
本発明は、ガラス板を備える板状の加工対象物から有効部を切り出すためのレーザ加工方法に関する。
上記技術分野のレーザ加工方法として、板状の加工対象物にレーザ光を照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に改質領域を形成し、その改質領域から発生した亀裂を加工対象物の厚さ方向に伸展させることにより、切断予定ラインに沿って加工対象物を切断するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述したようなレーザ加工方法を実施することにより、ガラス板を備える板状の加工対象物から有効部を切り出すと、切り出された有効部の側面に存在する改質領域に起因して、切り出された有効部の抗折強度が低下するおそれがある。また、有効部が例えば携帯型端末のタッチパネルに用いられるものであると、有効部の外表面に樹脂膜等が形成されている場合があるため、加工時に有効部の外表面を保護する必要がある。
そこで、本発明は、ガラス板を備える板状の加工対象物から切り出された有効部において抗折強度が低下するのを抑制することができると共に、加工時に有効部の外表面を保護することができるレーザ加工方法を提供することを目的とする。
本発明のレーザ加工方法は、ガラス板を備える板状の加工対象物から有効部を切り出すためのレーザ加工方法であって、加工対象物の表面及び裏面に保護膜を形成する第1工程と、第1工程の後に、有効部の側面に沿うように延在する切断予定ラインに沿って、レーザ光の集光点を相対的に移動させることにより、切断予定ラインに沿ってガラス板の内部に改質領域を形成し、改質領域から発生した亀裂を加工対象物の厚さ方向に伸展させることにより、加工対象物から有効部を切り出す第2工程と、第2工程の後に、有効部の側面に存在する改質領域を除去し、有効部の表面及び裏面に存在する保護膜を除去する第3工程と、を備える。
このレーザ加工方法では、加工対象物の表面及び裏面に保護膜を形成した後に、加工対象物から有効部を切り出すための加工を実施し、更にその後に、有効部の側面に存在する改質領域を除去し、有効部の表面及び裏面に存在する保護膜を除去する。従って、加工時には有効部の表面及び裏面が保護膜によって保護され、切り出された有効部からは抗折強度を低下させる一因となる改質領域が除去される。よって、このレーザ加工方法によれば、ガラス板を備える板状の加工対象物から切り出された有効部において抗折強度が低下するのを抑制することができると共に、加工時に有効部の外表面を保護することができる。
ここで、第1工程では、加工対象物の表面及び裏面の全領域を覆うように、保護膜を形成し、第2工程では、加工対象物の表面又は裏面に形成された保護膜を介して、加工対象物にレーザ光を入射させてもよい。これによれば、レーザ光を透過させ得る保護膜を使用することで保護膜のパターニングが不要となるため、加工工数の削減を図ることができる。
或いは、第1工程では、加工対象物の表面及び裏面の少なくとも一方において、切断予定ラインに沿った領域以外の領域を覆うように、保護膜を形成し、第2工程では、切断予定ラインに沿った領域を介して、加工対象物にレーザ光を入射させてもよい。これによれば、レーザ光の透過性が低い保護膜を使用することができるなど、保護膜の選択の自由度を高めることができる。
また、ガラス板は、強化ガラス板であってもよい。このとき、第3工程では、機械研磨によって改質領域を除去し、その後に、保護膜を除去してもよいし、若しくは、化学処理によって改質領域を除去し、その後に、保護膜を除去してもよい。又は、第3工程では、化学処理によって改質領域を除去すると共に保護膜を除去してもよい。この場合には、更なる加工工数の削減を図ることができる。
また、ガラス板は、未強化ガラス板であり、第3工程では、ガラス板を強化してもよい。このとき、第3工程では、機械研磨によって改質領域を除去し、その後に、保護膜を除去し、ガラス板を強化してもよいし、若しくは、化学処理によって改質領域を除去し、その後に、保護膜を除去し、ガラス板を強化してもよい。又は、第3工程では、化学処理によって改質領域を除去すると共に保護膜を除去してもよいし、若しくは、化学処理によって保護膜を除去すると共にガラス板を強化してもよい。この場合には、更なる加工工数の削減を図ることができる。
本発明によれば、ガラス板を備える板状の加工対象物から切り出された有効部において抗折強度が低下するのを抑制することができると共に、加工時に有効部の外表面を保護することができるレーザ加工方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明の一実施形態のレーザ加工方法では、切断予定ラインに沿って加工対象物にレーザ光を照射することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物の内部に切断の起点となる改質領域を形成する。そこで、加工対象物の材料を限定せずに、改質領域の形成について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示すように、レーザ加工装置100は、レーザ光Lをパルス発振するレーザ光源101と、レーザ光Lの光軸(光路)の向きを90°変えるように配置されたダイクロイックミラー103と、レーザ光Lを集光するための集光用レンズ105と、を備えている。また、レーザ加工装置100は、集光用レンズ105で集光されたレーザ光Lが照射される加工対象物1を支持するための支持台107と、支持台107を移動させるためのステージ111と、レーザ光Lの出力やパルス幅等を調節するためにレーザ光源101を制御するレーザ光源制御部102と、ステージ111の駆動を制御するステージ制御部115と、を備えている。
このレーザ加工装置100においては、レーザ光源101から出射されたレーザ光Lは、ダイクロイックミラー103によってその光軸の向きを90°変えられ、支持台107上に載置された加工対象物1の内部に集光用レンズ105によって集光される。これと共に、ステージ111が移動させられ、加工対象物1がレーザ光Lに対して切断予定ライン5に沿って相対移動させられる。これにより、切断予定ライン5に沿った改質領域が加工対象物1に形成されることとなる。
加工対象物1としては、種々の材料(例えば、ガラス、半導体材料、圧電材料等)からなる板状の部材(例えば、基板、ウェハ等)が用いられる。図2に示すように、加工対象物1には、加工対象物1を切断するための切断予定ライン5が設定されている。切断予定ライン5は、直線状に延びた仮想線である。加工対象物1の内部に改質領域を形成する場合、図3に示すように、加工対象物1の内部に集光点Pを合わせた状態で、レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち、図2の矢印A方向に)相対的に移動させる。これにより、図4〜図6に示すように、改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1の内部に形成され、切断予定ライン5に沿って形成された改質領域7が切断起点領域8となる。
なお、集光点Pとは、レーザ光Lが集光する箇所のことである。また、切断予定ライン5は、直線状に限らず曲線状であってもよいし、仮想線に限らず加工対象物1の表面3に実際に引かれた線であってもよい。また、改質領域7は、連続的に形成される場合もあるし、断続的に形成される場合もある。また、改質領域7は列状でも点状でもよく、要は、改質領域7は少なくとも加工対象物1の内部に形成されていればよい。また、改質領域7を起点に亀裂が形成される場合があり、亀裂及び改質領域7は、加工対象物1の外表面(表面、裏面、若しくは外周面)に露出していてもよい。
ちなみに、ここでのレーザ光Lは、加工対象物1を透過すると共に加工対象物1の内部の集光点近傍にて特に吸収され、これにより、加工対象物1に改質領域7が形成される(すなわち、内部吸収型レーザ加工)。よって、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lが殆ど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。一般的に、表面3から溶融され除去されて穴や溝等の除去部が形成される(表面吸収型レーザ加工)場合、加工領域は表面3側から徐々に裏面側に進行する。
ところで、本実施形態で形成される改質領域は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域をいう。改質領域としては、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等があり、これらが混在した領域もある。更に、改質領域としては、加工対象物の材料において改質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域や、格子欠陥が形成された領域がある(これらをまとめて高密転移領域ともいう)。
また、溶融処理領域や屈折率変化領域、改質領域の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、格子欠陥が形成された領域は、更に、それら領域の内部や改質領域と非改質領域との界面に亀裂(割れ、マイクロクラック等)を内包している場合がある。内包される亀裂は改質領域の全面に渡る場合や一部分のみや複数部分に形成される場合がある。加工対象物1としては、例えばシリコン、ガラス、LiTaO3又はサファイア(Al2O3)からなる基板やウェハ、又はそのような基板やウェハを含むものが挙げられる。
また、本実施形態においては、切断予定ライン5に沿って改質スポット(加工痕)を複数形成することによって、改質領域7を形成している。改質スポットとは、パルスレーザ光の1パルスのショット(つまり1パルスのレーザ照射:レーザショット)で形成される改質部分であり、改質スポットが集まることにより改質領域7となる。改質スポットとしては、クラックスポット、溶融処理スポット若しくは屈折率変化スポット、又はこれらの少なくとも1つが混在するもの等が挙げられる。
この改質スポットについては、要求される切断精度、要求される切断面の平坦性、加工対象物の厚さ、種類、結晶方位等を考慮して、その大きさや発生する亀裂の長さを適宜制御することが好ましい。
[第1実施形態]
[第1実施形態]
図7に示すように、加工対象物1は、表面1a及び裏面1bを有する矩形板状の部材であり、強化ガラス板10を備えている。強化ガラス板10は、引張応力層、及びその引張応力層の両側に形成された圧縮応力層を有するガラス板である。強化ガラス板10は、通常のガラス(フロートガラス)板を溶融塩に浸漬させ、イオン交換によってガラス板の表面層に圧縮応力層を形成したり(イオン交換法)、通常のガラス板を加熱した後、ガラス板の表面に空気を吹き付けるなどしてガラス板を急冷させたり(風冷強化法)することで製造される。強化ガラス板10では、その厚さ方向が、引張応力層及び圧縮応力層の配列方向と一致している。
以上のように構成された加工対象物1から、以下のように、矩形板状の有効部17を複数(ここでは、4枚)切り出す。なお、有効部17は、表面17a及び裏面17b、並びに面取りされた4つの角部18を有するものであり、各角部18は、その面取り面18aが凸曲面となるようにR面取りされたものである。このような有効部17は、携帯型端末のディスプレイの保護基板等に用いられる。
まず、図8に示すように、加工対象物1の表面1a及び裏面1bの全領域を覆うように、表面1a及び裏面1bにレジスト(保護膜)21を形成する(第1工程)。有効部17が例えば携帯型端末のタッチパネルに用いられるものであると、各有効部17の外表面(すなわち、加工対象物1の表面1a及び裏面1b)に樹脂膜等がパターニングされている場合があるため、レジスト21によって有効部17の外表面を保護する。なお、レジスト21は、例えば、液晶パネル製造用のレジストであるZEONREX(日本ゼオン製 登録商標)等、レーザ光Lを透過させる材料からなる。
レジスト21を形成した後に、加工対象物1をレーザ加工装置100の支持台107上に載置する。このとき、加工対象物1の裏面1b側にテープを貼ったり、或いは支持台107を多孔質状に形成して加工対象物1を真空吸着したりするなど、支持台107上において加工対象物1を保持する。そして、加工対象物1に対し、切断予定ライン51,52を設定する。
切断予定ライン51は、加工対象物1に対して複数行複数列(ここでは、2行2列)配置された有効部17のうち、隣り合う有効部17,17の境界面に沿うように直線状に延在している。つまり、切断予定ライン51は、有効部17の側面19(すなわち、各有効部17の4つの端面17c及び4つの面取り面18a)のうち、隣り合う有効部17と境界面を成す端面17cに沿うように延在している。また、切断予定ライン52は、有効部17の側面19のうち、角部18の面取り面18aに沿うように延在している。
続いて、図9に示すように、加工対象物1の表面1aをレーザ光入射面として強化ガラス板10の内部にレーザ光Lの集光点を位置させ、各切断予定ライン51に沿って加工対象物1にレーザ光Lを照射する。つまり、切断予定ライン51に沿ってレーザ光Lの集光点を相対的に移動(スキャン)させる。このとき、加工対象物1の表面1aに形成されたレジスト21を介して、加工対象物1にレーザ光Lを入射させる。これにより、加工対象物1の厚さ方向に伸展する亀裂80を発生させる改質領域7Aを、切断予定ライン51に沿って強化ガラス板10の内部に形成する(第2工程)。
また、加工対象物1の表面1aをレーザ光入射面として強化ガラス板10の内部にレーザ光Lの集光点を位置させ、各切断予定ライン52に沿って加工対象物1にレーザ光Lを照射する。つまり、切断予定ライン52に沿ってレーザ光Lの集光点を相対的に移動(スキャン)させる。このとき、加工対象物1の表面1aに形成されたレジスト21を介して、加工対象物1にレーザ光Lを入射させる。これにより、加工対象物1の厚さ方向に伸展する亀裂80を発生させる改質領域7Bを(図10参照)、切断予定ライン52に沿って強化ガラス板10の内部に形成する(第2工程)。
そして、切断予定ライン51,52に沿って外力を作用させて、改質領域7A,7Bから発生した亀裂80を加工対象物1の厚さ方向に伸展させることにより、切断予定ライン51,52に沿って加工対象物1及びレジスト21を切断して、加工対象物1から有効部17を複数切り出す(第2工程)。図10に示すように、切り出された有効部17の側面19には改質領域7A,7Bが存在しており、また、切り出された有効部17の表面17a及び裏面17bにはレジスト21が存在している。
有効部17を切り出した後に、図11に示すように、有効部17の側面19に存在する改質領域7A,7Bを除去し、図12に示すように、有効部17の表面17a及び裏面17bに存在する保護膜を除去して(第3工程)、強化ガラス板10を備える板状の有効部17を得る。
より詳細には、研磨工具等を用いた機械研磨によって改質領域7A,7Bを除去し、その後に、例えばNaOHやKOHを用いたエッチング等の化学処理によってレジスト21を除去する。若しくは、例えばHF(フッ酸)を用いたエッチング等の化学処理によって改質領域7A,7Bを除去し、その後に、例えばNaOHやKOHを用いたエッチング等の化学処理によってレジスト21(この場合、耐フッ酸性)を除去する。
又は、例えばHF(フッ酸)を用いたエッチング等の化学処理によって、改質領域7A,7Bの除去及びレジスト21の除去を実施する。このように、一つの化学処理によって複数の処理を同時に実施すれば、加工工数の削減を図ることができる。
以上説明したように、第1実施形態のレーザ加工方法では、加工対象物1の表面1a及び裏面1bにレジスト21を形成した後に、加工対象物1から有効部17を切り出すための加工を実施し、更にその後に、有効部17の側面19に存在する改質領域7A,7Bを除去し、有効部17の表面17a及び裏面17bに存在するレジスト21を除去する。従って、加工時には有効部17の表面17a及び裏面17bがレジスト21によって保護され、切り出された有効部17からは抗折強度を低下させる一因となる改質領域7A,7Bが除去される。よって、第1実施形態のレーザ加工方法によれば、加工対象物1から切り出された有効部17において抗折強度が低下するのを抑制することができると共に、加工時に有効部17の外表面を保護することができる。
また、改質領域7A,7Bを形成するときには、加工対象物1の表面1a及び裏面1bの全領域を覆うように形成されたレジスト21を介して、加工対象物1にレーザ光Lを入射させる。このように、レーザ光Lを透過させ得るレジスト21を使用することで、レジスト21のパターニングが不要となるため、加工工数の削減を図ることができる。
[第2実施形態]
[第2実施形態]
第2実施形態のレーザ加工方法は、加工対象物1が未強化ガラス板20(すなわち、通常のガラス(フロートガラス)板)を備える点で、上述した第1実施形態のレーザ加工方法と主に相違している。第2実施形態のレーザ加工方法では、まず、図13に示すように、未強化ガラス板20を備える加工対象物1を準備し、図14に示すように、加工対象物1の表面1a及び裏面1bの全領域を覆うように、表面1a及び裏面1bにレジスト21を形成する(第1工程)。
レジスト21を形成した後に、図15に示すように、加工対象物1の表面1aをレーザ光入射面として未強化ガラス板20の内部にレーザ光Lの集光点を位置させ、各切断予定ライン51,52に沿って加工対象物1にレーザ光Lを照射する。つまり、切断予定ライン51,52に沿ってレーザ光Lの集光点を相対的に移動(スキャン)させる。このとき、加工対象物1の表面1aに形成されたレジスト21を介して、加工対象物1にレーザ光Lを入射させる。これにより、加工対象物1の厚さ方向に伸展する亀裂80を発生させる改質領域7A,7Bを、切断予定ライン51,52に沿って未強化ガラス板20の内部に形成する(第2工程)。
そして、切断予定ライン51,52に沿って外力を作用させて、改質領域7A,7Bから発生した亀裂80を加工対象物1の厚さ方向に伸展させることにより、切断予定ライン51,52に沿って加工対象物1及びレジスト21を切断して、加工対象物1から有効部17を複数切り出す(第2工程)。図16に示すように、切り出された有効部17の側面19には改質領域7A,7Bが存在しており、また、切り出された有効部17の表面17a及び裏面17bにはレジスト21が存在している。
有効部17を切り出した後に、図17に示すように、有効部17の側面19に存在する改質領域7A,7Bを除去し、図18に示すように、有効部17の表面17a及び裏面17bに存在する保護膜を除去し、未強化ガラス板20を強化して(第3工程)、図12に示すように、強化ガラス板10を備える板状の有効部17を得る。
より詳細には、研磨工具等を用いた機械研磨によって改質領域7A,7Bを除去し、その後に、例えばNaOHやKOHを用いたエッチング等の化学処理によってレジスト21を除去し、例えばイオン交換法等の化学処理によって未強化ガラス板20を強化する。若しくは、例えばHF(フッ酸)を用いたエッチング等の化学処理によって改質領域7A,7Bを除去し、その後に、例えばNaOHやKOHを用いたエッチング等の化学処理によってレジスト21(この場合、耐フッ酸性)を除去し、イオン交換法等の化学処理によって未強化ガラス板20を強化する。
又は、例えばエッチング等の化学処理によって、改質領域7A,7Bの除去及びレジスト21の除去を実施する。若しくは、化学処理によって、レジスト21の除去及び未強化ガラス板20の強化を実施する。若しくは、化学処理によって、改質領域7A,7Bの除去、レジスト21の除去及び未強化ガラス板20の強化を実施する。このように、一つの化学処理によって複数の処理を同時に実施すれば、加工工数の削減を図ることができる。
以上説明したように、第2実施形態のレーザ加工方法では、加工対象物1の表面1a及び裏面1bにレジスト21を形成した後に、加工対象物1から有効部17を切り出すための加工を実施し、更にその後に、有効部17の側面19に存在する改質領域7A,7Bを除去し、有効部17の表面17a及び裏面17bに存在するレジスト21を除去する。よって、第2実施形態のレーザ加工方法によれば、第1実施形態のレーザ加工方法と同様の効果が奏される。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、加工対象物及び有効部の形状としては、矩形板状に限定されず、様々な形状を適用することができる。また、加工対象物から一つの有効部を切り出してもよい。
また、各切断予定ラインに対して、加工対象物の厚さ方向に並ぶように複数列の改質領域を形成してもよい。その場合にも、本発明によれば、加工対象物から切り出された有効部において抗折強度が低下するのを抑制することができると共に、加工時に有効部の外表面を保護することができる。1本の切断予定ラインに対する改質領域の列数は、加工対象物の厚さ等に応じて適宜決定することができるものである。
また、上記実施形態では、改質領域を形成した後に、切断予定ラインに沿って外力を作用させて、改質領域から発生した亀裂を加工対象物の表面及び裏面に到達させ、それにより、切断予定ラインに沿って加工対象物を切断したが、これに限定されない。つまり、各切断予定ラインに対する改質領域の形成に伴って(加工対象物に何ら外力を作用させずに)、改質領域から発生した亀裂を加工対象物の表面及び裏面に到達させ、加工対象物と共にレジスト等の保護膜を切断してもよい。なお、切断予定ラインに沿って外力を作用させる場合には、改質領域の形成に伴って亀裂を発生されるだけで、加工対象物の表面及び裏面のいずれか一方に亀裂を到達させるだけでもよいし、或いは、加工対象物の表面及び裏面の両方に亀裂を到達させなくてもよい。
また、加工対象物は、強化ガラス板の表面及び裏面の少なくとも一方に樹脂膜等が形成されたものであってもよいし、未強化ガラス板の表面及び裏面の少なくとも一方に樹脂膜等が形成されたものであってもよい。また、改質領域としては、レーザ光の照射条件等によって、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等や、これらが混在した領域が形成される。
また、上記実施形態では、加工対象物1の表面1aに形成されたレジスト21を介して、加工対象物1にレーザ光Lを入射させたが、加工対象物1の裏面1bに形成されたレジスト21を介して、加工対象物1にレーザ光Lを入射させてもよい。
また、加工対象物1の表面1a及び裏面1bの少なくとも一方において、切断予定ライン51,52に沿った領域以外の領域を覆うように、レジスト21を形成し(例えば、フォトリソグラフィ技術によりレジスト21をパターニングし)、その後に、切断予定ライン51,52に沿った領域を介して、加工対象物1にレーザ光Lを入射させてもよい。これによれば、例えば、ブラックマトリックス(金属クロム膜や遮光性樹脂ブラック材料)等、レーザ光Lの透過性が低い材料からなるレジスト21を使用することができるなど、レジスト21となる保護膜の選択の自由度を高めることができる。
1…加工対象物、1a…表面、1b…裏面、7A,7B…改質領域、10…強化ガラス板、17…有効部、17a…表面、17b…裏面、19…側面、20…未強化ガラス板、21…レジスト(保護膜)、51,52…切断予定ライン、80…亀裂、L…レーザ光、P…集光点。
Claims (12)
- ガラス板を備える板状の加工対象物から有効部を切り出すためのレーザ加工方法であって、
前記加工対象物の表面及び裏面に保護膜を形成する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記有効部の側面に沿うように延在する切断予定ラインに沿って、レーザ光の集光点を相対的に移動させることにより、前記切断予定ラインに沿って前記ガラス板の内部に改質領域を形成し、前記改質領域から発生した亀裂を前記加工対象物の厚さ方向に伸展させることにより、前記加工対象物から前記有効部を切り出す第2工程と、
前記第2工程の後に、前記有効部の前記側面に存在する前記改質領域を除去し、前記有効部の表面及び裏面に存在する前記保護膜を除去する第3工程と、を備える、レーザ加工方法。 - 前記第1工程では、前記加工対象物の前記表面及び前記裏面の全領域を覆うように、前記保護膜を形成し、
前記第2工程では、前記加工対象物の前記表面又は前記裏面に形成された前記保護膜を介して、前記加工対象物に前記レーザ光を入射させる、請求項1記載のレーザ加工方法。 - 前記第1工程では、前記加工対象物の前記表面及び前記裏面の少なくとも一方において、前記切断予定ラインに沿った領域以外の領域を覆うように、前記保護膜を形成し、
前記第2工程では、前記切断予定ラインに沿った前記領域を介して、前記加工対象物に前記レーザ光を入射させる、請求項1記載のレーザ加工方法。 - 前記ガラス板は、強化ガラス板である、請求項1〜3のいずれか一項記載のレーザ加工方法。
- 前記第3工程では、機械研磨によって前記改質領域を除去し、その後に、前記保護膜を除去する、請求項4記載のレーザ加工方法。
- 前記第3工程では、化学処理によって前記改質領域を除去し、その後に、前記保護膜を除去する、請求項4記載のレーザ加工方法。
- 前記第3工程では、化学処理によって前記改質領域を除去すると共に前記保護膜を除去する、請求項4記載のレーザ加工方法。
- 前記ガラス板は、未強化ガラス板であり、
前記第3工程では、前記ガラス板を強化する、請求項1〜3のいずれか一項記載のレーザ加工方法。 - 前記第3工程では、機械研磨によって前記改質領域を除去し、その後に、前記保護膜を除去し、前記ガラス板を強化する、請求項8記載のレーザ加工方法。
- 前記第3工程では、化学処理によって前記改質領域を除去し、その後に、前記保護膜を除去し、前記ガラス板を強化する、請求項8記載のレーザ加工方法。
- 前記第3工程では、化学処理によって前記改質領域を除去すると共に前記保護膜を除去する、請求項8記載のレーザ加工方法。
- 前記第3工程では、化学処理によって前記保護膜を除去すると共に前記ガラス板を強化する、請求項8記載のレーザ加工方法。
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