JP2014018787A - 昇華精製回収方法および昇華精製回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、昇華精製中に被処理物質を、煩雑な作業を行わず、効率的に回収可能な昇華精製回収装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】内部を減圧した昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4b内で昇華させた被処理物質9を不活性ガス10により搬送し、温度勾配を有するように加熱した昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4b内の被処理物質が凝結する温度領域に、熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルター8を設け、昇華精製を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、昇華性を有する有機化合物などを被処理物質として含有する混合物から昇華温度の違いを利用して、被処理物質を精製、分離する昇華精製回収方法および昇華精製回収装置に関するものである。
従来の昇華精製方法および昇華精製装置として、有機化合物の粉末を昇華した後に昇華精製管の内部で凝結させることで昇華精製を行う方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
以下、その昇華精製装置について図7を参照しながら説明する。
図7に示すように、昇華精製装置101は昇華精製管102と減圧手段103と加熱手段104a、104bと不活性ガス供給手段105からなり、昇華精製管102は流入口106と流出口107を備えている。減圧手段103により減圧した昇華精製管102の内部において、加熱手段104aにより被処理物質108を加熱することで被処理物質108を昇華させる。さらに不活性ガス供給手段105により流入口106から昇華精製管102に供給されて流出口107より排出される不活性ガス109により、昇華された被処理物質108を搬送し、不活性ガス109の搬送方向に沿って温度勾配を有するように加熱手段104bにより加熱した昇華精製管102の内壁面に、搬送された被処理物質108を凝結させる。
特開2007−246424号公報
このような従来の昇華精製装置においては、被処理物質は昇華精製管の内壁面に付着するため、回収するには昇華精製管を割り、もしくは昇華精製管を二重管にして内管を取り出した後、所定の部分から被処理物質をかきとることが必要であった。そのため、煩雑な作業が必要で、割った昇華精製管は使い捨てであることや、かきとる際に不純物を混入させてしまい、効率的に回収できないという課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、煩雑な作業を行わず、被処理物質を効率的に回収することができる昇華精製回収装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルターを昇華精製管内部に設け、昇華精製を行うことで被処理物質を効率的に回収することにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルターを昇華精製管内部に設け、昇華精製を行うことで被処理物質を効率的に回収することができるという効果を得ることができる。
本発明の実施の形態1の昇華精製回収装置の概略断面図 図1のA−A断面図 本発明の実施の形態2の昇華精製回収装置の概略断面図 本発明の実施の形態2のフィルターの概略斜視図 本発明の実施の形態3の昇華精製回収装置の概略断面図 本発明の実施の形態4の昇華精製回収装置の概略断面図 従来の昇華精製装置の概略断面図
本発明の請求項1記載の回収方法は、内部を減圧した昇華精製管内で昇華させた被処理物質を不活性ガスにより搬送し、温度勾配を有するように加熱した前記昇華精製管内の被処理物質が凝結する温度領域で、昇華した前記被処理物質を凝結させる被処理物質の昇華精製回収方法であって、熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルターを前記昇華精製管内部に設け、昇華精製を行うことで被処理物質を回収する昇華精製回収方法である。
これにより、今まで昇華精製管の中央に向かって温度ムラが存在しており被処理物質の凝結温度の精度が低く、昇華精製管内壁の不活性ガス流れ方向に広がって凝結していたが、昇華精製管からの熱伝導と不活性ガスによる熱伝達によってフィルター面上に均一な温度領域を生み出すことが可能となることで、凝結温度の精度が向上し回収領域をコンパクトにするという効果を奏する。
またこれまで、昇華精製管内壁面のみが凝結可能領域であったが、フィルターを設けることにより昇華精製管内壁面に加えフィルター面も凝結可能領域となり、凝結可能面積が向上し、昇華精製中に被処理物質を効率的に回収できるという効果を奏する。
そして、回収した被処理物質を蒸着に使用する場合は、被処理物質が凝結したフィルターは、取り外した後、被処理物質をかきとることなく、そのまま蒸着源として用いることが可能である。その場合熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されているため、素早く被処理物質を均一に昇温できるため、昇華、蒸発効率が向上するという効果を有する。
また、流入口と流出口を有する昇華精製管と減圧手段と加熱手段と不活性ガス供給手段を備え、前記減圧手段により減圧した前記昇華精製管内の内部において、前記加熱手段により被処理物質を加熱することで被処理物質を昇華させ、さらに前記不活性ガス供給手段により前記流入口から前記昇華精製管に供給されて前記流出口より排出される不活性ガスにより、昇華された前記被処理物質を搬送し、温度勾配を有するように加熱した前記昇華精製管内の被処理物質が凝結する温度領域で、昇華した前記被処理物質を凝結させる被処理物質の昇華精製回収方法を用いた昇華精製回収装置であって、熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルターを昇華精製管内部に設け、昇華精製を行うことで被処理物質を回収することが出来る昇華精製回収装置という構成にしてもよい。
これにより、今まで昇華精製管の中央に向かって温度ムラが存在しており被処理物質の凝結温度の精度が低く、昇華精製管内壁の不活性ガス流れ方向に広がって凝結していたが、昇華精製管からの熱伝導と不活性ガスによる熱伝達によってフィルター面上に均一な温度領域を生み出すことが可能となることで、凝結温度の精度が向上し回収領域をコンパクトにするという効果を奏する。
またこれまで、昇華精製管内壁面のみが凝結可能領域であったが、フィルターを設けることにより昇華精製管内壁面に加えフィルター面も凝結可能領域となり、凝結可能面積が向上し、昇華精製中に被処理物質を効率的に回収できるという効果を奏する。
そして、回収した被処理物質を蒸着に使用する場合は、被処理物質が凝結したフィルターは、取り外した後、被処理物質をかきとることなく、そのまま蒸着源として用いることが可能である。その場合熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されているため、素早く被処理物質を均一に昇温できるため、昇華、蒸発効率が向上するという効果を有する。
また、フィルターは、複数の球体と、この球体を両側から挟みこむ、前記球体の径より細かい目の網で構成されることを特徴とする請求項2記載の昇華精製回収装置という構成にしてもよい。これにより、昇華精製し被処理物質を回収した後、蒸着工程で利用する際、球と球の点で接触している部分以外には隙間が存在し、昇華した後、被蒸着物に被処理物質が移動しやすく蒸着効率の向上という効果を奏する。複数の球体であるため、フィルターから必要な量だけ取り外し、るつぼ等に投入することが可能で、蒸着源として使用可能である。その場合熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されているため、素早く被処理物質を均一に昇温できるため、昇華、蒸発効率が向上するという効果を有する。
また、複数枚のフィルターを設けることを特徴とする請求項2または3に記載の昇華精製回収装置という構成にしてもよい。これにより、複数枚のフィルターは昇華精製管内の異なる場所に設置され、昇華精製管からの熱伝導と不活性ガスによる熱伝達によって、フィルターが配置されている領域の温度に一致した温度をフィルター面上で実現し、各フィルターが異なる温度となることで、未知の被処理物質を精製する場合も回収される確率が向上する上に、複数の被処理物質が混合している場合も各被処理物質を別々に回収できるという効果を奏する。
また、フィルター外周に加熱部を設け、前記加熱手段を制御することによりフィルターの温度を制御することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の昇華精製回収装置という構成にしてもよい。これにより、被処理物質の凝結に適した温度領域に設定することが可能となり、効率的に回収することができるという効果を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に実施の形態1の昇華精製回収装置の概略断面図を示す。昇華精製回収装置1の昇華精製管(外管)4aと、昇華精製管(内管)4bの両端に流入口2と流出口3を有し、流入口2には不活性ガス供給手段7が、流出口3には減圧手段5が接続されている。
昇華精製管(外管)4aの外周部には隙間無く覆うように加熱手段6aと加熱手段6bが設けられ、昇華精製管(内管)4bの内部において流入口2側に被処理物質9が設置されるとともに、熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルター8を備えている。昇華精製管(外管)4aはその両端部において流入口2と流出口3が取り外しできるように分割されている。
図2には図1のA−A断面図を示しており、昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4b、フィルター8の構成を示している。昇華精製管(外管)4a内にフィルター8が設けられた昇華精製管(内管)4bが入っている。
昇華精製管(内管)4b内部にはフィルター8を固定するための突起状の保持部11が設けられている。また昇華精製管(内管)4bは上下に分割できるようになっており、昇華精製管(内管)4bの片方にフィルター8を保持部11に固定した後、もう一方を被せることでフィルター8を設置する。昇華精製管(内管)4bの外径寸法とほぼ同一の内径寸法である昇華精製管(外管)4aにはめ込まれることで固定される。昇華精製後は昇華精製管(外管)4aから昇華精製管(内管)4bを引き抜き、分割することでフィルター8を容易に取り外すことが出来る。
上記構成において、昇華精製回収方法により被処理物質9を昇華精製する場合、昇華精製管4a、4bの流入口2を取り外し、被処理物質9を昇華精製管(内管)4bの内部に設置する。なお、昇華精製管(外管)4a、(内管)4bは昇華精製中にその内部を減圧することおよび昇華精製管(外管)4a、(内管)4bを加熱することから、機械的強度が高く耐熱性の高い石英ガラス製を用いる。
減圧手段5により減圧した昇華精製管4a、4bにおいて、円筒形の昇華精製管4a、4bの外周部を隙間無く覆うように設置された加熱手段6aにより被処理物質9は加熱される。減圧下での昇華温度以上に加熱された被処理物質9は昇華される。さらに不活性ガス供給手段7により流入口2から昇華精製管4a、4bに供給されて流出口3より排出される不活性ガス10により、昇華された被処理物質9は搬送される。
昇華精製管(内管)4bの内部は、不活性ガス10の搬送方向に沿って低くなる温度勾配を有するように加熱手段6bにより加熱されており、搬送された被処理物質9の凝結温度と一致する領域に設けられているフィルター8にて被処理物質9を凝結させる。加熱手段6bは加熱手段6aと同様に円筒形の昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4bの外周部を隙間無く覆うように設置されている。
従来の方法と同様に加熱手段6aによる加熱温度は被処理物質9の分解温度よりも低い温度であり、その温度において被処理物質9が昇華できるよう、減圧手段5により減圧される。
また、加熱手段6bによる加熱温度は被処理物質9の凝結温度に近い温度であり、昇華精製管4a、4bからの熱伝導と不活性ガス10による熱伝達によって被処理物質9の凝結温度に一致した領域に設けられているフィルター8にて被処理物質9は凝結する。被処理物質9に含まれる不純物のうち、加熱手段6aの加熱温度より高い昇華温度を有する不純物は昇華しないので、その場にとどまり、加熱手段6bの加熱温度より低い凝結温度を有する不純物は不活性ガス10とともに昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4bから排出される。
昇華精製が完了した時点で、加熱手段6aと加熱手段6bと減圧手段5と不活性ガス供給手段7の運転を停止し、昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4bの内部が常温常圧に低下した時点で流出口3を取り外し、昇華精製管(内管)4bを取り出し、分割し、フィルター8を回収することで凝結した被処理物質9を回収する。
本発明の実施の形態で昇華精製する被処理物質9はトリス(8−キノリノラト)アルミニウムなどの有機ELに用いる有機色素や、ペンタセンなどの有機半導体であり、減圧下において昇華する特性を有するものであれば、他の有機化合物についても同様の効果を得ることができる。
また、本発明の実施の形態で用いる不活性ガス10は昇華された被処理物質9を搬送するために、昇華精製管(内管)4b内に注入されるものであり、被処理物質9と相互に反応しないガスであることが望ましい。具体的にはArガスなどが適用されるものである。
本発明の実施の形態では、従来の昇華精製装置とは異なり、回収用のフィルター8を備えている。このフィルター8は熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されている。具体的には、セラミックス、金属、またはそれらの複合体である。フィルター形状は格子板、パンチング孔を有する平板などが挙げられる。
これにより、今まで昇華精製管4a、昇華精製管(内管)4bの中央に向かって温度ムラが存在しており被処理物質9の凝結温度の精度が低く、昇華精製管内壁の不活性ガス10流れ方向に広がって凝結していたが、昇華精製管(外管)4a、4bからの熱伝導と不活性ガス10による熱伝達によってフィルター8面上に均一な温度領域を生み出すことが可能となることで、凝結温度の精度が向上し回収領域をコンパクトにするという効果を奏する。
そして、回収した被処理物質9を蒸着に使用する場合は、被処理物質9が凝結したフィルター8は、取り外した後、被処理物質9をかきとることなく、そのまま蒸着源として用いることが可能である。
従来蒸着時には粉末状の被処理物質9をるつぼなどに投入し、加熱することで蒸着を行っていた。この時、るつぼ表面など、加熱源に近い部分が先に昇温されるため、均一な加熱が行われなかった。全体に昇温させるためには、時間をかけなければいけないが、るつぼ中央部分が昇華温度に達する頃には、るつぼ内壁面部分と接する被処理物質9が加熱されすぎて、分解するなど問題があり、被処理物質9の使用効率が低下する問題があった。
そのため、本発明では蒸着源として使用できるフィルター8の熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されているため、被処理物質9全体を均一に素早く昇温することが可能となり、昇華、蒸発効率が向上するという効果を有する。
なお、本実施の形態では、加熱手段6aおよび加熱手段6bの構成について、特に限定はしていないが、電熱線をガラス繊維等の断熱材で被覆した加熱手段等、昇華精製管(内管)4bの内壁面を効率よく加熱できるような構造であればよい。
図1においては、加熱手段6aおよび加熱手段6bの電熱線を折れ線で示し、周囲の断熱材を点線で示している。電熱線に流れる電流によるジュール熱を加熱に利用する場合は、加熱手段の温度を熱電対で測定しながら電流を制御するなどして、加熱温度を安定させる方法が望ましい。
また、加熱手段6aおよび加熱手段6bは昇華精製管(外管)4aの外周部を隙間無く覆うように設置されているとしたが、昇華精製管(内管)4bの内壁面の温度を安定化させるためには加熱手段6aおよび加熱手段6bと昇華精製管(外管)4aは近接して設置することが好ましく、昇華精製管(外管)4aの外形に合わせて加熱手段6aと加熱手段6bを構成することが好ましい。
また、本実施の形態では、減圧手段5の構造について特に限定しないが、ロータリーポンプまたはダイアフラムポンプなどのポンプにより昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4bの内部を減圧することができればよく、ターボ分子ポンプと組み合わせて真空度を高めてもよい。
また、本実施の形態では、不活性ガス供給手段7の構造について特に限定しないが、ガスボンベに充填されたアルゴンガス等の不活性ガスを一定量供給できる減圧弁およびマスフローコントローラー等を用いればよく、被処理物質9との反応性の少ないガスで、昇華した被処理物質9を搬送できるガスを一定の流量で供給できればよい。
また、本実施の形態では、流出口3に減圧手段5を接続しているが、この方法に限ったものではなく、被処理物質9に含まれている低凝結温度の不純物が減圧手段に吸引される可能性があるので、流出口3と減圧手段5の間にコールドトラップを設けても良い。
また、本実施の形態では、昇華精製前に被処理物質9を昇華精製管(内管)4bの内部に設置して、加熱手段6aにより加熱することで昇華させるとしたが、この方法に限ったものではなく、被処理物質9をるつぼに入れてヒーター等で直接加熱してもよく、減圧下で被処理物質が昇華する温度まで加熱することができればどのような加熱手段を用いてもよく、被処理物質9に不純物が多く含まれることが予想される場合は、昇華精製後に残渣を回収できるよう、被処理物質9を容器にいれた状態で加熱するほうが好ましい。
(実施の形態2)
図3に実施の形態2の昇華精製回収装置の概略断面図を示し、図4には実施の形態2のフィルターの概略斜視図を示す。図1、2と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では実施の形態1とは異なり、フィルター8は、複数の球体12と、この球体12を両側から挟みこむ、前記球体12の径より細かい目の網13で構成されている。
実施の形態1で説明したように、昇華精製管(内管)4bには保持部11が設けられているので、球体12は網13で挟まれていればよく、保持部11によって固定が可能である。
特に、網13は一方が開放された円筒とふたを組み合わせた形状であることが好ましい。
この形状であれば、簡易に球体12を出し入れすることが可能で、角度を問わず安定して球体12を保持することができる。その他、球体12を保持可能であれば、その形状に限られない。
被処理物質9を蒸着工程にて使用する場合、粉末状の被処理物質9をるつぼに投入し加熱することは実施の形態1で述べたが、蒸発・昇華した被処理物質9は被蒸着物まで移動してはじめて蒸着される。そのため、移動できることが蒸着工程には重要であり、粉末状態では表面でのみでしか移動が出来ないという問題があった。
そのため、この構成によれば、昇華精製し被処理物質9を回収した後、蒸着工程で利用する際、球と球の点で接触している部分以外には隙間が存在し、昇華した後被蒸着物に被処理物質9が移動しやすく蒸着効率の向上という効果を奏する。複数の球体12であるため、フィルター8から必要な量だけ取り外し、るつぼ等に投入することが可能で、蒸着源として使用可能である。その場合熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されているため、昇華、蒸発効率が向上するという効果を有する。
また、フィルター8を構成する球体12と網13の熱伝導率が異なっていてもよく、球体12に対し、網13の熱伝導率が高いほうが好ましい。球体12に対し、網13の熱伝導率が高いと、相対的に球体12の熱伝播効果が遅くなることで温度が低くなり、網13に対して球体12に被処理物質9が凝結しやすくなるためである。球体12に主に被処理物質9が凝結すれば、球体12のみ取り出すことで蒸着工程に使用することができる。
(実施の形態3)
図5に実施の形態3の昇華精製回収装置の概略断面図を示す。図1から図4と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施の形態では実施の形態1、2とは異なり、複数枚のフィルター8を設けている。
この構成により、複数枚のフィルター8は昇華精製管4a、4b内の異なる場所に設置され、昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4bからの熱伝導と不活性ガス10による熱伝達によって昇華精製管(外管)4a、昇華精製管(内管)4b内の温度勾配に一致した温度をフィルター8面上で実現し、各フィルター8は異なる温度となっている。そのため、未知の被処理物質9を精製する場合も未知の被処理物質9の凝結温度とフィルター8面上の温度が一致する確立が向上し、回収確率も向上する上に、複数の被処理物質9が混合している場合も各被処理物質9の凝結温度に一致したフィルター8にて各々の被処理物質9を回収できるものである。
未知の被処理物質9を昇華精製する場合は、どの部分に精製物が凝結するか不明であるため、従来は一度昇華精製を行い、凝結した部分を回収していた。その際、昇華精製管を割りかきとることや、二重管の内管からかきとるなど操作が煩雑であった。
本発明では、フィルター8を複数枚設けることで、未知の被処理物質9でもいずれかのフィルター8に凝結する確率が向上し、被処理物質9が凝結しているフィルター8のみを取り外すことで被処理物質9を回収可能であり、時間の短縮という効果を奏する。
また、被処理物質9が混合している場合も、昇華精製後分離して凝結するため、従来は回収の際に各々かきとる必要があり煩雑であった。本発明では各被処理物質9が凝結しているフィルター8を取り外せば分離して回収可能であるので、時間短縮という効果を奏する。
図5ではフィルター8を3枚示しているが、必要に応じて増減が可能で、枚数を限定するものではない。
(実施の形態4)
図6に実施の形態4の昇華精製回収装置の概略断面図を示す。図1から図5と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、フィルター8外周に加熱手段6b、6c、6dを設け、加熱手段6b、6c、6dを制御することでフィルターの温度を制御している。
また本実施の形態は実施の形態1から実施の形態3とは異なり、加熱手段を4組備えているものである。加熱手段6aは被処理物質9を昇華させるための加熱手段であり、実施の形態1から実施の形態3と同様の作用を示すものである。加熱手段6bおよび加熱手段6cおよび加熱手段6dを制御し、フィルター8各々を温度制御することで被処理物質9を凝結させる温度を設定することができる。
昇華された被処理物質9は不活性ガス10により搬送され、被処理物質9の凝結温度に一致したフィルター8で被処理物質9が凝結される。
本実施の形態では従来の昇華精製回収装置と異なり、昇華精製中に被処理物質9の凝結するフィルター8を制御することができるので、回収に必要な枚数のフィルター8を設ければよく、昇華精製の作業効率を高めることができる。
つまり、本実施の形態のように、フィルター8の温度を任意に設定して、フィルター温度が異なる領域を複数個所に形成することができれば、被処理物質9が異なる凝結温度を有する複数の物質の混合された物質であっても分離精製することが可能となる。
温度制御には電熱線に流れる電流によるジュール熱を加熱に利用する場合は、加熱手段の温度を熱電対で測定しながら電流を制御するなどして、加熱温度を安定させる方法が望ましい。他にはW数の異なるヒータのON/OFFによる制御や、バイメタルの熱膨張率の違いを利用した、または液体膨張を利用したサーモスタットによる制御などが考えられる。その他同様に温度制御可能であれば方法、形態は限定されない。
本実施の形態においては、フィルター8を3枚、加熱手段を4組としたが、その数に限ったものではない。
本発明にかかる昇華精製回収方法および昇華精製回収装置は、昇華精製中に被処理物質を効率的に回収することを可能とするものであるので、有機ELや有機太陽電池または有機半導体などに使用される昇華性を有する有機化合物の精製、分離手段等として有用である。
1 昇華精製回収装置
2 流入口
3 流出口
4a 昇華精製管(外管)
4b 昇華精製管(内管)
5 減圧手段
6a 加熱手段
6b 加熱手段
6c 加熱手段
6d 加熱手段
7 不活性ガス供給手段
8 フィルター
9 被処理物質
10 不活性ガス
11 保持部
12 球体
13 網
101 昇華精製装置
102 昇華精製管
103 減圧手段
104a 加熱手段
104b 加熱手段
105 不活性ガス供給手段
106 流入口
107 流出口
108 被処理物質
109 不活性ガス

Claims (5)

  1. 内部を減圧した昇華精製管内で昇華させた被処理物質を不活性ガスにより搬送し、温度勾配を有するように加熱した前記昇華精製管内の被処理物質が凝結する温度領域で、昇華した前記被処理物質を凝結させる被処理物質の昇華精製回収方法であって、
    熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルターを前記昇華精製管内部に設け、昇華精製を行うことで被処理物質を回収する昇華精製回収方法。
  2. 流入口と流出口を有する昇華精製管と減圧手段と加熱手段と不活性ガス供給手段を備え、前記減圧手段により減圧した前記昇華精製管内の内部において、前記加熱手段により被処理物質を加熱することで被処理物質を昇華させ、さらに前記不活性ガス供給手段により前記流入口から前記昇華精製管に供給されて前記流出口より排出される不活性ガスにより、昇華された前記被処理物質を搬送し、温度勾配を有するように加熱した前記昇華精製管内の被処理物質が凝結する温度領域で、昇華した前記被処理物質を凝結させる被処理物質の昇華精製回収方法を用いた昇華精製回収装置であって、
    熱伝導率が室温(20℃)、大気圧(1atm)で1〜500W/(m・K)の素材で構成されるフィルターを昇華精製管内部に設け、昇華精製を行うことで被処理物質を回収することが出来る昇華精製回収装置。
  3. フィルターは、複数の球体と、この球体を両側から挟みこむ、前記球体の径より細かい目の網で構成されることを特徴とする請求項2記載の昇華精製回収装置。
  4. 複数枚のフィルターを設けることを特徴とする請求項2または3に記載の昇華精製回収装置。
  5. フィルター外周に加熱手段を設け、前記加熱手段を制御することによりフィルターの温度を制御することを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の昇華精製回収装置。
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