[比較例]
以下、開示の技術の実施形態の説明に先立ち、開示の技術の比較例を説明する。図15には、本比較例に係る操作パネル500が示されている。操作パネル500は、例えば被読取領域(例えば原稿を含む予め定められた領域又は原稿内の一部領域)を画像読取装置(一例としてスキャナ)で光学的に読み取って得た読取画像を出力する画像処理装置(図示省略)に設けられている。画像処理装置は、例えば、読取画像を記録媒体の一例である用紙に形成することにより印刷を行うものである。
操作パネル500は、画像処理装置に対して各種処理に関する指示(例えば画質調整の指示や印刷開始の指示)を与える際に操作される操作部502と、各種処理を行う上で必要な情報を表示すると共に各種指示を受け付けるタッチパネル・ディスプレイ504と、を有する。操作部502は、例えば、印刷の開始を指示するスタートボタン502A、印刷の停止を指示するストップボタン502B、及びテンキー502Cなどを含んで構成されている。タッチパネル・ディスプレイ504は、画面中央部のプレビュー表示領域504Aとプレビュー表示領域以外の受付領域504Bとに大別される。プレビュー表示領域504Aは矩形状に形成されており、簡素化画像を表示する。簡素化画像とは、例えば読取画像を簡素化した画像(例えば読取画像の画素を間引いて得た画像)を指す。また、プレビュー表示領域504Aの正面視下辺及び右辺にはスクロールバーが表示されており、タッチパネルを通してユーザがスクロールバーを操作することにより簡素化画像がプレビュー表示領域504A内で移動する。
受付領域504Bには、印刷の開始を指示するスタートボタン、及び印刷の停止を指示するストップボタンの他、プルダウンボックス506が表示されている。プルダウンボックス506には、プレビュー表示領域504Aに表示される簡素化画像の倍率が表示され、タッチパネル・ディスプレイ504や操作部502が、プルダウンボックスに表示された何れかの倍率を受け付ける。プレビュー表示領域504Aには、タッチパネル・ディスプレイ504や操作部502が受け付けた倍率で簡素化画像が表示される。
しかし、タッチパネル・ディスプレイ504には受付領域504Bが表示されるため、プレビュー表示領域504Aの表示面積が制限される。そのため、図15に示すプレビュー表示領域504Aに表示される簡素化画像から全体像を把握することは、タッチパネル・ディスプレイ504の全面を使用して簡素化画像の全体像を表示する場合に比べ、困難である。また、簡素化画像の全体像が表示されている状態から簡素化画像の局所を詳細に確認する場合には、簡素化画像を拡大して表示したり、スクロールバーを操作したりする必要がある。簡素化画像を拡大して表示した後、簡素化画像の全体像を再度表示する場合にも簡素化画像の倍率を元に戻す(例えば600%から100%に戻す)作業が必要となる。そのため、読取画像に対して何らかの調整を施してから、調整後の読取画像について全体像を確認しながら局所像も確認することは困難である。その上、簡素化画像を表示しているため、簡素化画像よりも高精細な画像を表示する場合に比べ、調整後の読取画像の状態を詳細に把握することが困難である。従って、読取画像に対してきめ細やかな調整が必要な場合(例えば全体像と局所像とを繰り返し表示して確認する必要がある場合や調整後の読取画像の状態を詳細に確認する必要がある場合)には最終的な出力が行われるまでの作業が難航することが予想される。
[実施形態]
次に開示の技術の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下の説明では、通信装置の一例として、多機能型の携帯電話機、いわゆるスマートフォンを例に挙げて説明するが、開示の技術は、これに限定されるものではない。開示の技術は、例えば、携帯型のパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)、据置型のパーソナルコンピュータなどの種々の通信装置に適用してもよい。
図1には、本実施形態に係る画像処理システム10の構成の一例を示すブロック図が示されている。図1に示すように、画像処理システム10は、画像処理装置12及びスマートフォン14を備えている。画像処理装置12は、読取部16、表示部18、制御部20、判定部22及び作成部24を含んで構成されている。一方、スマートフォン14は、受信部26、表示制御部28、表示領域30、受付部32及び検出部33を含んで構成されている。
画像処理装置12において、読取部16は、被読取領域を読み取って読取画像を得る。表示部18は、画像を表示する。本実施形態では、読取画像条件を満足した場合、読取部16により得た読取画像に基づく画像(例えば表示部18における予め定められた画面の画面解像度及び縦横比に従って作成された画像)が表示され、読取画像表示条件を満足しなかった場合、読取部16により得た読取画像を簡素化した簡素化画像が表示される。本実施形態では、簡素化画像の一例として、読取画像に基づく画像よりも解像度の低い画像を採用している。
また、本実施形態では、上記の「読取画像表示条件」の一例として、表示部18の表示能力がスマートフォン14における表示領域30の表示能力よりも高いとの条件を採用している。また、本実施形態では、「表示能力」の一例として、画面解像度を採用している。従って、本実施形態において読取画像条件を満足した場合とは、表示部18の画面解像度が表示領域30の画面解像度よりも高い場合を指し、本実施形態において読取画像条件を満足しなかった場合とは、表示部18の画面解像度が表示領域30の画面解像度よりも高くない場合を指す。「表示能力」のその他の例としては、画面サイズ(画面の面積)、画面の明るさ及び画面の縦横比などが挙げられる。また、画面解像度の高さを評価する数値、画面サイズを評価する数値、画面の明るさを評価する数値及び画面の縦横比を評価する数値などを乗じて得た値を「表示能力」としてもよい。すなわち、画面解像度のみで表示能力を定めるのではなく、画像の視認のし易さの指標となり得る種々の要素を数値化し、それらを総合的に判断することで表示能力を定めるようにしてもよい。なお、画面の明るさを評価する数値とは、例えば視認し易い明るさとして予め定められた明るさに近い明るさほど評価が高くなる数値を指し、画面の縦横比を評価する数値とは、例えば読取画像の縦横比に近い縦横比ほど評価が高くなる数値を指す。
制御部20は、読取画像表示条件を満足した場合、読取部16により得た読取画像に基づく画像を表示部18に表示させると共に、簡素化画像を示す簡素化画像情報をスマートフォン14へ送信するように制御する。また、制御部20は、読取画像表示条件を満足しなかった場合、簡素化画像を表示部18に表示させると共に、読取部16により得た読取画像を示す読取画像情報をスマートフォン14へ送信するように制御する。
判定部22は、読取画像表示条件を満足した否かを判定する。すなわち、本実施形態では、表示部18の表示能力がスマートフォン14における表示領域30の表示能力よりも高いか否かを判定する。
作成部24は、判定部22によって読取画像表示条件を満足したと判定された場合、スマートフォン14への送信対象とする簡素化画像情報により示される簡素化画像を表示領域30の表示能力に対応するように作成する。また、作成部24は、判定部22によって読取画像表示条件を満足しなかったと判定された場合、表示部18への表示対象とする簡素化画像を表示部18の表示能力に対応するように作成する。更に、作成部24は、判定部22によって読取画像表示条件を満足したと判定された場合、表示部18への表示対象とする読取画像に基づく画像を表示部18の表示能力に対応するように作成する。
制御部20は、読取画像表示条件を満足した場合、読取画像の調整内容を受け付ける際に用いられる調整受付用画像が表示部18において読取画像に基づく画像と相違しない画面内に読取画像に基づく画像と共に表示されるように制御する。ここで言う「調整内容」とは、例えば、読取画像の拡大、読取画像の縮小、読取画像の外枠消し、読取画像の中消し、イメージシフト、傾き補正、画像領域の抽出及び画像領域の削除などを指す。上記の「中消し」とは、例えば冊子の折り目を含む領域を読み取って得た折り目に相当する黒筋の画像を消す処理を指す。また、ここで言う「調整受付用画像」としては、例えば、画像処理装置12に対して調整内容の指示を与える際に操作される操作ボタンを表す画像や利用者に調整内容の指示の入力を促すメッセージを表す画像などが挙げられる。
また、制御部20は、表示部18に表示された調整受付用画像を用いて調整内容が受け付けられた場合、現時点で表示部18に表示されている読取画像に基づく画像に代えて、受け付けられた調整内容に従って調整された読取画像に基づく画像が表示部18に表示されるように更に制御する。
また、制御部20は、簡素化画像が表示領域30に表示された状態で読取画像の調整内容が受け付けられた場合、調整内容に従って調整された簡素化画像情報をスマートフォン14へ送信するように更に制御する。
また、制御部20は、読取画像表示条件を満足しなかった場合、調整受付用画像を示す調整受付用画像情報をスマートフォン14へ送信するように更に制御する。
また、制御部20は、スマートフォン14から送信された調整内容を示す調整内容情報が送信された場合、送信された調整内容情報により示される調整内容に従って調整された読取画像情報をスマートフォン14へ送信するように制御する。
また、制御部20は、簡素化画像が表示部18に表示された状態でスマートフォン14から調整内容情報が送信された場合、現時点で表示部18に表示されている簡素化画像に代えて、スマートフォン14から送信された調整内容情報により示される調整内容に従って調整された簡素化画像を表示部18に表示させるように更に制御する。
また、制御部20は、簡素化画像情報をスマートフォン14への送信対象とする場合、表示領域30における簡素化画像が表示される簡素化画像表示画面の縦横比及び画面解像度を取得し、取得した縦横比及び画面解像度並びにスマートフォン14から送信された後述する向き情報により示されるスマートフォン14の向きに基づいて、送信対象とする簡素化画像情報により示される簡素化画像がスマートフォン14の向きに対して予め定められた方向に読取画像の縦横比で簡素化画像表示画面に最大限に表示されるように送信対象とする簡素化画像情報を調整する。
更に、制御部20は、読取画像情報をスマートフォン14への送信対象とする場合、表示領域30における読取画像に基づく画像が表示される読取画像表示画面の縦横比及び画面解像度を取得し、取得した縦横比及び画面解像度並びにスマートフォン14から送信された向き情報により示されるスマートフォン14の向きに基づいて、送信対象とする読取画像情報により示される読取画像に基づく画像がスマートフォン14の向きに対して予め定められた方向に読取画像の縦横比で読取画像表示画面に最大限に表示されるように送信対象とする読取画像情報を調整する。
一方、スマートフォン14において、受信部26は、読取画像表示条件を満足した場合、画像処理装置12から送信された簡素化画像情報を受信する。また、受信部26は、読取画像表示条件を満足しなかった場合、画像処理装置12から送信された読取画像情報を受信する。更に、受信部26は、画像処理装置12から送信された調整受付用画像情報を受信する。
表示制御部28は、読取画像表示条件を満足した場合、受信部26によって受信された簡素化画像情報により示される簡素化画像が表示領域30に表示されるように制御する。また、表示制御部28は、読取画像表示条件を満足しなかった場合、受信部26によって受信された読取画像情報により示される読取画像に基づく画像が表示領域30に表示されるように制御する。
また、表示制御部28は、現時点で表示領域30に表示されている簡素化画像に代えて、受信部26によって受信された最新の簡素化画像情報により示される簡素化画像が表示領域30に表示されるように制御する。
また、表示制御部28は、表示領域30において受信部26によって受信された調整受付用画像情報により示される調整受付用画像が受信部26によって受信された読取画像情報により示される読取画像に基づく画像と相違しない画面内に読取画像に基づく画像と共に表示されるように制御する。
また、表示制御部28は、読取画像に基づく画像が表示領域30に表示された状態で受信部26によって読取画像情報が受信された場合、現時点で表示領域30に表示されている読取画像に基づく画像に代えて、受信部26によって受信された最新の読取画像情報により示される読取画像に基づく画像が表示領域30に表示されるように制御する。
受付部32は、表示領域30に表示された調整受付用画像を用いて調整内容を受け付ける。スマートフォン14は、受付部32によって受け付けられた調整内容を示す調整内容情報を画像処理装置12へ送信する。
検出部33は、スマートフォン14の向きを検出する。スマートフォン14は、検出部33によって検出されたスマートフォン14の向きを示す向き情報を画像処理装置12へ送信する。なお、ここで言う「スマートフォン14の向き」とは、例えばスマートフォン14を起立状態にした場合の鉛直方向に対する相対的な向きや水平方向に対する相対的な向きなどの基準方向に対する相対的な向きを指す。
図2には、本実施形態に係る画像処理システム10が模式的に示されている。図1に示す画像処理装置12は、原稿の被読取領域を光学的に読み取り、読み取って得た読取画像を示す読取画像情報を生成する画像読取機能を備えている。また、画像処理装置12は、画像読取機能により原稿の被読取領域を光学的に読み取って得た読取画像情報や外部から取得した画像情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成機能を備えている。また、画像処理装置12は、操作パネル34を備えている。操作パネル34は、画像処理装置12の利用者などによって操作されることで、画像処理装置12に対して各種処理に関する指示を与える際に操作される操作部36と、各種処理を行う上で必要な情報を表示すると共に各種指示を受け付けるタッチパネル・ディスプレイ38と、を有する。操作部36は、例えば電源投入用の操作ボタン、テンキー、印刷の開始を指示する際に操作されるスタートボタン、及び印刷の停止を指示する際に操作されるストップボタンなどを含んで構成されている。タッチパネル・ディスプレイ38は、例えば液晶ディプレイに対して透過型のタッチパネルを重ね合わせることによって形成されており、図1に示す表示部18として機能する。
なお、本実施形態に係る画像処理装置12には、画像調整支援モード及び画像調整非支援モードが設けられている。画像処理装置12には画像調整支援モード及び画像調整非支援モードの何れかが設定される。これらのモードを設定する指示は操作パネル34によって受け付けられる。画像調整支援モードの設定が指示されることで画像調整支援モートが設定されると、画像処理装置12とスマートフォン14との間で通信が確立される。そして、読取画像に基づく画像が画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38及びスマートフォン14の一方に表示されると共に簡素化画像が他方に表示される。つまり、この場合、読取画像に基づく画像と簡素化画像とが相違しない時間に利用者に提示されることとなる。これに対し、画像調整非支援モードの設定が指示されることで画像調整非支援モードが設定されると、スマートフォン14に読取画像に基づく画像は表示されず、画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38に簡素化画像が表示される。
一方、スマートフォン14は、いわゆる一般的な携帯電話機の機能、及び図1に示す表示領域30及び受付部32の一例であるタッチパネル・ディスプレイ39を備えている。また、画像処理装置12及びスマートフォン14は共に、相互に情報を授受するための通信機能を備えている。画像処理装置12及びスマートフォン14は、例えば、互いに通信機能を働かせることにより、アドホックモードによる無線通信(以下、「アドホック通信」という。)により相互に情報の授受を行う。なお、本実施形態に係る画像処理システム10では、画像処理装置12とスマートフォン14とで行われるアドホック通信に係る通信エリアは一例として画像処理装置12から数メートルの範囲内に限られている。従って、画像処理装置12及びスマートフォン14の少なくとも一方が通信エリアから外れると、画像処理装置12とスマートフォン14とでアドホック通信が行えなくなる。
図1に示す送信部20、制御部22及び受信部24は、例えば画像処理装置12に内蔵された図3に示すコンピュータ40及びその他の入出力デバイスによって実現される。図3には、画像処理装置12の電気系の要部構成の一例が示されている。図3に示すように、コンピュータ40は、CPU(Central Processing Unit)42、メモリ44及び不揮発性の記憶部46を備え、これらはアドレスバス、制御バス、及びシステムバスなどを含んで構成されたバス48を介して互いに接続されている。なお、記憶部46は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどによって実現される。記憶媒体としての記憶部46には、第1画像処理プログラム50が記憶されている。また、記憶部46の予め定められた記憶領域52には調整受付用画像情報が記憶されている。
CPU42は、記憶部46から第1画像処理プログラム50を読み出してメモリ44に展開し、第1画像処理プログラム50が有するプロセスを順次実行する。第1画像処理プログラム50は、制御プロセス54、判定プロセス56及び作成プロセス58を有する。CPU42は、制御プロセス54を実行することで、図1に示す制御部20として動作する。CPU42は、判定プロセス56を実行することで、図1に示す判定部22として動作する。CPU42は、作成プロセス58を実行することで、図1に示す作成部24として動作する。
なお、ここでは第1画像処理プログラム50を記憶部46から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から記憶部46に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ40に接続されて使用されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの任意の「可搬型の記憶媒体」に先ずは第1画像処理プログラム50を記憶させておいてもよい。そして、コンピュータ40がこれらの可搬型の記憶媒体から第1画像処理プログラム50を取得して実行するようにしてもよい。また、インターネットやLAN(Local Area Network)などを介してコンピュータ40に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに第1画像処理プログラム50を記憶させておき、コンピュータ40がこれらから第1画像処理プログラム50を取得して実行するようにしてもよい。
画像処理装置12は、コンピュータ40と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してコンピュータ40と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るインプット・アウトプット・インターフェース(I/O)60を備えている。本実施形態では、I/O60に接続されることにより、バス48を介してコンピュータ40と電気的に接続される入出力デバイスとして、操作パネル34、読取部62、画像形成部68及びアドホック通信インタフェース(I/F)70を備えている。
読取部62は、イメージセンサを用いて被読取領域を走査することにより読取画像情報を取得し、図1に示す読取部16として動作する。なお、本実施形態では、読取部62として、自動原稿送り装置(所謂ADF)を装備したフラッドヘッドタイプのスキャナであって、CCD(Charge Coupled Devices)光学縮小方式のイメージスキャナを適用している。しかし、これに限らず、ハンディタイプやドラムタイプのイメージスキャナを適用してもよい。また、CCD(Charge Coupled Devices)光学縮小方式のイメージスキャナに限らず、CIS(Contact Image Sensor)密着センサ方式のイメージスキャナなどの他の撮像素子を備えたイメージスキャナを適用してもよい。
画像形成部68は、読取画像情報により示される読取画像を用紙に形成する。なお、本実施形態では、画像形成部68の一例として、ゼログラフィプリンタを適用しているが、これに限らず、インクジェットプリンタや、サーマルプリンタ、ドットインパクトプリンタなどを適用してもよい。
アドホック通信I/F70は、アドホック通信によるスマートフォン14との各種情報の授受を司る。
一方、図1に示す受信部26、表示制御部28及び検出部33は、例えばスマートフォン14に内蔵された図4に示すコンピュータ72及びその他の入出力デバイスによって実現することができる。図4には、スマートフォン14の電気系の要部構成の一例が示されている。図4に示すように、コンピュータ72は、CPU74、メモリ76及び不揮発性の記憶部78を備え、これらはアドレスバス、制御バス、及びシステムバスなどを含んで構成されたバス80を介して互いに接続されている。なお、記憶部78は、HDDやフラッシュメモリなどによって実現できる。記憶媒体としての記憶部78には、第2画像処理プログラム82が記憶されている。CPU74は、記憶部78から第2画像処理プログラム82を読み出してメモリ76に展開し、第2画像処理プログラム82が有するプロセスを順次実行する。第2画像処理プログラム82は、受信プロセス84、表示制御プロセス86及び検出プロセス88を有する。CPU74は、受信プロセス84を実行することで、図1に示す受信部26として動作する。CPU74は、表示制御プロセス86を実行することで、図1に示す表示制御部28として動作する。CPU74は、検出プロセス88を実行することで、図1に示す検出部33として動作する。
なお、ここでは第2画像処理プログラム82を記憶部78から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から記憶部78に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ72に接続されて使用されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの任意の「可搬型の記憶媒体」に先ずは第2画像処理プログラム82を記憶させておいてもよい。そして、コンピュータ40がこれらの可搬型の記憶媒体から第2画像処理プログラム82を取得して実行するようにしてもよい。また、インターネットやLAN(Local Area Network)などを介してコンピュータ40に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに第2画像処理プログラム82を記憶させておき、コンピュータ40がこれらから第2画像処理プログラム82を取得して実行するようにしてもよい。
スマートフォン14は、コンピュータ72と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してコンピュータ72と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るI/O90を備えている。本実施形態では、I/O90に接続されることにより、バス80を介してコンピュータ72と電気的に接続される入出力デバイスとして、タッチパネル・ディスプレイ39、通信部95、送話部96、受話部98及びアドホック通信I/F99を備えている。なお、スマートフォン14は、この他にも、スマートフォン14の向きを検出する際に用いられる物理量の一例である加速度を検出する加速度センサ91を備えており、加速度センサ91もI/O90に接続されている。
通信部95は、無線通信網の最寄の基地局との間で無線通信を行うことで、無線通信網に接続された情報処理装置(図示省略)とコンピュータ72との間の各種情報の送受信を司る。通信部95は、例えばアンテナ(図示省略)及びRF(Radio Frequency)回路(図示省略)を含んで構成されている。この場合、通信部95は、例えば外部の情報処理装置から基地局を経由して無線で送信された信号をアンテナで受信し、受信した信号をRF回路で復調処理し、受信した信号に含まれる情報をコンピュータ72に供給する。また、通信部95は、コンピュータ72から供給された情報を変調処理し、アンテナを介し基地局経由で外部の情報処理装置へ送信する。
送話部96は、スマートフォン14の利用者が通話時に発した音声を捕捉し、捕捉した音声を示す音声信号をコンピュータ72に出力する。送話部96は、例えばマイクロフォン(図示省略)及び信号処理回路(図示省略)を含んで構成されている。この場合、例えばマイクロフォンで音声を捕捉し、マイクロフォンで捕捉された音声を信号処理回路で音声信号に変換してコンピュータ72を介して通信部95に出力する。なお、ここでは、音声信号をコンピュータ72を介して通信部95に出力する態様を例示しているが、送話部96に含まれる信号処理部から通信部95に直接出力してもよい。
受話部98は、通信部95で受信された音声情報により示される音声を出力する。受話部98は、例えばD/A(デジタル/アナログ)変換回路(図示省略)、増幅器(図示省略)及びスピーカ(図示省略)を含んで構成されている。この場合、例えばコンピュータ72から供給された音声信号に対してD/A変換回路がD/A変換を行い、D/A変換後に増幅器で増幅された信号をスピーカに出力する。スピーカは、D/A変換回路から供給された信号に応じた音声を外部に出力する。なお、ここでは、通信部95で受信された音声信号がコンピュータ72を介して受話部98に供給される態様を例示しているが、通信部95で受信された音声信号がコンピュータ72を介さずに受話部98に直接供給されてもよい。
アドホック通信I/F99は、アドホック通信による画像処理装置12との各種情報の授受を司る。
次に本実施形態の作用として、CPU42が第1画像処理プログラム50を実行することにより画像処理装置12で行われる第1画像処理について、図5を参照して説明する。図5に示す第1画像処理では、先ず、ステップ100において、制御部20により、読取部62に対して原稿の被読取領域の読み取りを開始させる。続いて、ステップ102では、制御部20により、上記ステップ100が実行されることで、読取部62により得た読取画像情報が取得され、取得された読取画像情報がメモリ44に記憶される。次のステップ104では、作成部20により、上記ステップ102でメモリ44に記憶された読取画像情報に基づいて簡素化画像情報が作成され、作成された簡素化画像情報がメモリ44に記憶される。なお、ここでは、作成部24が、タッチパネル・ディスプレイ38の表示能力に対応するように簡素化画像情報を作成する。例えば、タッチパネル・ディスプレイ38において簡素化画像が表示される画面として予め定められた画面の画面解像度及び縦横比に基づいて、その画面に簡素化画像が最大限に表示されるように簡素化画像情報を作成する。
次のステップ106では、制御部20により、画像調整支援モードが設定されているか否かが判定される。本ステップ106において、画像調整支援モードが設定されていない場合は判定が否定されてステップ108へ移行する。ステップ108では、制御部20により、図6に示す画像調整非支援処理プログラムが実行されることにより画像調整非支援処理が行われた後、本第1画像処理を終了する。
図6は画像調整非支援処理プログラムの流れの一例を示すフローチャートである。図6に示すステップ150では、制御部20により、簡素化画像を表示させる指示(簡素化画像表示指示)がタッチパネル・ディスプレイ38によって受け付けられたか否かが判定される。本ステップ150において、簡素化画像表示指示が受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ152へ移行する一方、簡素化画像表示指示が受け付けられなかった場合は判定が否定されてステップ154へ移行する。ステップ152では、表示部18により、メモリ44に記憶されている簡素化画像情報により示される簡素化画像が表示される。
ステップ154では、制御部20により、メモリ44に記憶されている読取画像情報により示される読取画像に対して行われる調整内容をタッチパネル・ディスプレイ38によって受け付けられたか否かが判定される。本ステップ154において、調整内容が受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ156へ移行する一方、調整内容が受け付けられなかった場合はステップ160へ移行する。
ステップ156では、制御部24により、メモリ44に記憶されている読取画像情報が上記ステップ154で受け付けられた調整内容に従って調整される。続いて、ステップ158では、制御部18により、メモリ44に記憶されている簡素化画像情報が上記ステップ156で調整された読取画像情報に基づいて更新される。そして、制御部18により、更新された簡素化画像情報により示される簡素化画像が、現時点で表示されている簡素化画像に代えて、タッチパネル・ディスプレイ38に表示される。すなわち、現時点で表示されている簡素化画像に代えて、調整内容が反映された簡素化画像がタッチパネル・ディスプレイ38に表示される。
ステップ160では、制御部20により、画像形成部68に対して画像を形成させる指示(画像形成指示)が受付部64によって受け付けられたか否かが判定される。本ステップ160では、画像形成指示が受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ162へ移行する一方、画像形成指示が受け付けられなかった場合は判定が否定されてステップ164へ移行する。ステップ164では、本画像調整非支援処理を終了する条件として予め定められた条件(画像調整非支援処理終了条件)を満足したか否かが判定される。本ステップ164において、画像調整非支援処理終了条件を満足した場合は判定が肯定されてステップ166へ移行する一方、画像調整非支援処理終了条件を満足しない場合はステップ154へ戻る。画像調整非支援処理終了条件としては例えば上記ステップ158が実行されてから予め定められた時間経過したとの条件や本画像調整非支援処理の終了指示をタッチパネル・ディスプレイ38が受け付けたとの条件などが挙げられる。
ステップ162では、制御部20が、画像形成部68に対して、メモリ44に現在記憶されている読取画像情報により示される読取画像に基づく画像を用紙に形成させる。続いて、ステップ166では、制御部20により、メモリ44に記憶されている読取画像情報及び簡素化画像情報(以下、これらを区別して説明する必要がない場合は「画像情報」という)がメモリ44から消去され、本画像調整非支援処理を終了する。
一方、ステップ106において、画像調整支援モードが設定されている場合は判定が肯定されてステップ110へ移行する。ステップ110では、制御部20により、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が確立されているか否かが判定される。本ステップ110において、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が確立されている場合は判定が肯定されてステップ112へ移行する。ステップ112では、制御部20により、図7に示す画像調整支援処理プログラムが実行されることにより画像調整支援処理が行われた後、本第1画像処理を終了する。
図7は画像調整支援処理プログラムの流れの一例を示すフローチャートである。図7に示すステップ200では、制御部20により、スマートフォン14に対して、表示領域30の表示能力を示す表示能力情報の提供を要求する提供要求信号が送信される。これに応じて、スマートフォン14により後述する第2画像処理のステップ308が実行されることによって表示能力情報が送信される。続いて、ステップ202では、制御部20により、表示能力情報を受信したか否かが判定される。本ステップ202において、表示能力情報を受信した場合は判定が肯定されてステップ204へ移行する一方、表示能力情報を受信しなかった場合は判定が否定されてステップ206へ移行する。ステップ206では、制御部20により、上記ステップ200で提供要求信号の送信を最初に開始してから予め定められた時間経過したか否かが判定される。本ステップ206において、提供要求信号の送信を最初に開始してから予め定められた時間経過した場合は判定が肯定されて図8に示すステップ208へ移行する。本ステップ206において、提供要求信号の送信を最初に開始してから予め定められた時間経過していない場合は判定が否定されてステップ200へ戻る。
図8に示すステップ208では、制御部20により、スマートフォン14に対して、メモリ44に現在記憶されている簡素化画像情報が送信される。但し、後述するステップ204において判定が否定された場合、本ステップ208では、作成部24により、メモリ44に現在記憶されている簡素化画像情報により示される簡素化画像がステップ202で受信された表示能力情報に従って調整される。ここでは、表示能力情報により示される表示領域30の表示能力の一例として、タッチパネル・ディスプレイ39の表示能力(例えば画面解像度)を採用している。従って、メモリ44に現在記憶されている簡素化画像情報により示される簡素化画像は、タッチパネル・ディスプレイ39の表示能力に対応するように作成される。そして、作成された簡素化画像を示す簡素化画像情報が制御部20によりスマートフォン14に送信される。
続いて、ステップ210では、作成部24により、メモリ44に記憶されている読取画像情報により示される読取画像に基づく画像が作成される。なお、ここでは、作成部24が、タッチパネル・ディスプレイ38の表示能力に対応するように読取画像に基づく画像を作成する。例えば、タッチパネル・ディスプレイ38において読取画像に基づく画像が表示される画面として予め定められた画面(ここでは一例として調整受付用画像が表示される領域以外の領域)の画面解像度及び縦横比に従って読取画像に基づく画像を作成する。そして、このようにして作成された読取画像に基づく画像は制御部20によりタッチパネル・ディスプレイ38に表示される。また、本ステップ210では、制御部20により、読取画像に基づく画像と相違しない画面内に、予め定められた記憶領域52に記憶されている調整受付用画像情報により示される調整受付用画像が読取画像に基づく画像と共に表示される。
ステップ212では、制御部20により、タッチパネル・ディスプレイ38によって読取画像の調整内容が受け付けられたか否かが判定される。本ステップ212において、読取画像の調整内容が受け付けられた場合はステップ214へ移行する一方、読取画像の調整内容が受け付けられなかった場合は判定が否定されてステップ220へ移行する。
ステップ214では、制御部20により、上記ステップ212で受け付けられた調整内容に従って、メモリ44に記憶されている読取画像情報が調整される。続いて、ステップ216では、作成部24により、メモリ44に記憶されている読取画像情報により示される読取画像に基づく画像が作成される。そして、制御部20により、現時点で表示されている読取画像に基づく画像に代えて、作成された最新の読取画像に基づく画像がタッチパネル・ディスプレイ38に表示される。また、制御部20により、調整受付用画像が読取画像に基づく画像と相違しない画面内に引き続き表示される。
次のステップ218では、制御部20により、メモリ44に記憶されている簡素化画像情報が上記ステップ214で調整された読取画像情報に基づいて更新される。そして、制御部20により、更新された簡素化画像情報がスマートフォン14に送信される。
次のステップ220では、制御部20により、画像形成指示が受付部64によって受け付けられたか否かが判定される。本ステップ220では、画像形成指示が受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ238へ移行する一方、画像形成指示が受け付けられなかった場合は判定が否定されてステップ222へ移行する。
ステップ222では、本画像調整支援処理を終了する条件として予め定められた条件(画像調整支援処理終了条件)を満足したか否かが判定される。本ステップ222において、画像調整支援処理終了条件を満足した場合は判定が肯定されてステップ242へ移行する一方、画像調整支援処理終了条件を満足しない場合はステップ212へ戻る。画像調整支援処理終了条件としては、例えば上記ステップ218が実行されてから予め定められた時間経過したとの条件や本画像調整支援処理の終了指示をタッチパネル・ディスプレイ38が受け付けたとの条件などが挙げられる。
一方、ステップ204では、判定部22により、“上記ステップ202で受信された表示能力情報により示されるタッチパネル・ディスプレイ39の表示能力≧画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38の表示能力”との関係が成立しているか否かが判定される。本ステップ204において、“上記ステップ202で受信された表示能力情報により示されるタッチパネル・ディスプレイ39の表示能力≧画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38の表示能力”との関係が成立していない場合は判定が否定されて図8に示すステップ208へ移行する。本ステップ204において、“上記ステップ202で受信された表示能力情報により示されるタッチパネル・ディスプレイ39の表示能力≧画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38の表示能力”との関係が成立している場合は判定が肯定されてステップ224へ移行する。
ステップ224では、制御部20により、スマートフォン14に対して、メモリ44に現在記憶されている読取画像情報及び予め定められた記憶領域52に記憶されている調整受付用画像情報が送信される。続いて、ステップ226では、制御部20により、メモリ44に記憶されている簡素化画像情報により示される簡素化画像がタッチパネル・ディスプレイ38に表示される。
次のステップ228では、制御部20により、後述する第2画像処理のステップ322が実行されることによって送信される調整内容情報を受信したか否かが判定される。本ステップ228において、調整内容情報を受信した場合は判定が肯定されてステップ230へ移行する一方、調整内容情報を受信しなかった場合は判定が否定されてステップ236へ移行する。ステップ230では、制御部20により、上記ステップ228で受信された調整内容情報により示される調整内容に従って、メモリ44に記憶されている読取画像情報が調整される。続いて、ステップ232では、制御部20により、スマートフォン14に対して、上記ステップ230で調整された読取画像情報が送信される。
次のステップ234では、制御部20により、メモリ44に記憶されている簡素化画像情報が上記ステップ230で調整された読取画像情報に基づいて更新される。そして、制御部20により、更新された簡素化画像情報により示される簡素化画像がタッチパネル・ディスプレイ38に表示される。
続いて、ステップ236では、制御部20により、画像形成指示が受付部64によって受け付けられたか否かが判定される。本ステップ236では、画像形成指示が受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ238へ移行する一方、画像形成指示が受け付けられなかった場合は判定が否定されてステップ240へ移行する。
ステップ240では、制御部20により、本画像調整支援処理を終了する条件として予め定められた条件(画像調整支援処理終了条件)を満足したか否かが判定される。本ステップ240において、画像調整支援処理終了条件を満足した場合は判定が肯定されてステップ242へ移行する一方、画像調整支援処理終了条件を満足しない場合はステップ228へ戻る。画像調整支援処理終了条件としては、例えば上記ステップ234が実行されてから予め定められた時間経過したとの条件や本画像調整支援処理の終了指示をタッチパネル・ディスプレイ38が受け付けたとの条件などが挙げられる。
ステップ238では、制御部20が、画像形成部68に対して、メモリ44に現在記憶されている読取画像情報により示される読取画像に基づく画像を用紙に形成させる。
次のステップ242では、制御部20により、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信を切断する条件(通信切断条件)を満足したか否かが判定される。通信切断条件としては、例えば上記ステップ238が実行されてから予め定められた時間経過したとの条件やスマートフォンとのアドホック通信を切断する指示をタッチパネル・ディスプレイ38が受け付けたとの条件などが挙げられる。本ステップ242において、通信切断条件を満足した場合は判定が肯定されてステップ244へ移行する一方、通信切断条件を満足しなかった場合は判定が否定されてステップ246へ移行する。
ステップ244では、制御部20により、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が切断される。続いて、ステップ246では、制御部20により、メモリ44に記憶されている画像情報がメモリ44から消去され、本画像調整支援処理を終了する。
一方、ステップ110において、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が確立されていない場合は判定が否定されてステップ114へ移行する。ステップ114では、制御部20により、後述する第2画像処理のステップ306が実行されることによって送信される応答信号を未だに受信していないか否かが判定される。本ステップ114において、応答信号を受信した場合は判定が否定されてステップ110へ戻る一方、応答信号を受信していない場合は判定が肯定されてステップ116へ移行する。
ステップ116では、制御部20により、スマートフォン14に対して、画像処理装置12との間の通信の確立を要求する通信確立要求信号が送信される。続いて、ステップ118では、制御部20により、上記ステップ116が最初に実行されてから予め定められた時間が経過したか否かが判定される。本ステップ118において、上記ステップ116が最初に実行されてから予め定められた時間が経過した場合は判定が肯定されてステップ120へ移行する一方、予め定められた時間が経過していない場合は判定が否定されてステップ114へ移行する。
ステップ120では、制御部20により、時間切れ対応処理が実行され、その後、本第1画像処理を終了する。なお、時間切れ対応処理の一例としては、上記ステップ108の画像調整非支援処理又はエラーが発生した旨(例えば通信確立が成立しなかった旨)を表示部66により報知する処理などが挙げられる。この他にも、例えば、エラーが発生した旨の報知を一定時間行っている間に画像形成指示の受け付けを待ちつつも、画像形成指示を受け付けた場合に画像形成部68に対して読取画像を用紙に形成させる処理が時間切れ対応処理の一例として挙げられる。
次に、スマートフォン14におけるCPU74が第2画像処理プログラム82を実行することによりスマートフォン14で行われる第2画像処理について、図9を参照して説明する。図9に示す第2画像処理では、先ず、ステップ300において、受信部26により、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が確立されているか否かが判定される。本ステップ300において、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が確立されている場合は判定が肯定されてステップ302へ移行する。本ステップ300において、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が確立されていない場合は判定が否定されてステップ304へ移行する。
ステップ304では、受信部26により、第1画像処理プログラム50のステップ116が制御部20によって実行されることによって画像処理装置12から送信された通信確立要求信号を受信したか否かが判定される。本ステップ304において、通信確立要求信号を受信していない場合は判定が否定されてステップ300へ戻る。本ステップ304において、通信確立要求信号を受信した場合は判定が肯定されてステップ306へ移行する。ステップ306では、受信部26により、応答信号が画像処理装置12に送信され、その後、ステップ300へ戻る。
ステップ302では、受信部26により、図7に示すステップ200が実行されることによって画像処理装置12から送信された提供要求信号を受信したか否かが判定される。本ステップ302において、提供要求信号を受信していない場合は判定が否定されてステップ305へ移行する。本ステップ302において、提供要求信号を受信した場合は判定が肯定されてステップ308へ移行する。
ステップ305では、受信部26により、上記のステップ300が実行されてから予め定められた時間経過したか否かが判定される。本ステップ305において、予め定められた時間経過していない場合は判定が否定されてステップ302へ戻る。本ステップ305において、予め定められた時間経過した場合は判定が肯定されて図14に示すステップ342へ移行する。
ステップ308では、受信部26により、表示能力情報が画像処理装置12に送信される。続いて、ステップ310では、受信部26により、画像処理装置12から送信された読取画像情報を受信したか否かが判定される。本ステップ310において、読取画像情報を受信しなかった場合は判定が否定されて図14に示すステップ330へ移行する。本ステップ310において、読取画像情報を受信した場合は判定が肯定されてステップ312へ移行する。
ステップ312では、表示制御部28により、上記のステップ310で受信された読取画像情報により示される読取画像に基づく画像がタッチパネル・ディスプレイ39に表示される。続いて、ステップ314では、受信部26により、調整受付用画像情報を受信したか否かが判定される。本ステップ314において、調整受付用画像情報を受信していない場合は判定が否定されてステップ316へ移行する。ステップ316では、受信部26により、本第2画像処理を終了する条件として予め定められた条件(第2画像処理終了条件)を満足したか否かが判定される。本ステップ316において、第2画像処理終了条件を満足した場合は判定が肯定されて図14に示すステップ342へ移行する一方、第2画像処理終了条件を満足していない場合はステップ314へ戻る。第2画像処理終了条件としては、例えば上記ステップ312が実行されてから予め定められた時間経過したとの条件や本第2画像処理の終了指示をタッチパネル・ディスプレイ39が受け付けたとの条件などが挙げられる。
一方、ステップ314において、調整受付用画像情報を受信した場合は判定が肯定されてステップ318へ移行する。ステップ318では、表示制御部28により、上記のステップ314で受信された調整受付用画像情報により示される調整受付用画像が、現時点でタッチパネル・ディスプレイ39に表示されている読取画像に基づく画像と相違しない画面内に読取画像に基づく画像と共に表示される。
図10には、スマートフォン14におけるタッチパネル・ディスプレイ39の相違しない画面内に表示された読取画像に基づく画像及び調整受付用画像の一例、並びに画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38に表示された簡素化画像の一例が示されている。図10に示す例には、タッチパネル・ディスプレイ39の一部に上記のステップ310で受信された読取画像情報により示される読取画像に基づく画像として読取画像の概略全体像が表示された態様が示されている。また、図10に示す例には、タッチパネル・ディスプレイ39の読取画像に基づく画像以外の領域に調整受付用画像が表示された態様が示されている。図10に示す調整受付用画像には、画像処理装置12に対して画像形成の開始を指示する際に押圧操作されるスタートボタン及び画像処理装置12に対する画像形成の中止を指示する中止ボタンが含まれている。また、図10に示す調整受付用画像には、画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38に表示させる領域を指示する際に操作される領域指定ボタンが含まれている。また、図10に示す調整受付用画像には、中消し処理を指示する際に操作される中消しボタンが含まれている。更に、図10に示す調整受付用画像には、読取画像の画面上の傾きを補正する処理を指示する際に操作される傾き補正ボタンが含まれている。
これに対し、図10に示すタッチパネル・ディスプレイ38には、現時点で画像処理装置12に対して設定されている調整内容に従って調整された簡素化画像が表示されている。なお、図10には、読取画像に基づく画像のうちのスマートフォン14の領域指定ボタンで指定された領域に対応する領域の簡素化画像が表示された例が示されている。
ステップ320では、表示制御部28により、タッチパネル・ディスプレイ39によって読取画像の調整内容が受け付けられたか否かが判定される。本ステップ320において、調整内容が受け付けられなかった場合は判定が否定されてステップ324へ移行する。本ステップ320において、調整内容が受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ322へ移行する。ステップ322では、表示制御部28により、上記のステップ320で受け付けた調整内容を示すと共に、読取画像表示画面の画面解像度、縦横比及び検出部33により得た向き情報を含む調整内容情報が、図7に示すステップ228で受信されるように、画像処理装置12に送信される。
ステップ324では、受信部26により、図7に示すステップ232が制御部20によって実行されることで画像処理装置12から送信された調整後の読取画像情報を受信したか否かが判定される。本ステップ324において、調整後の読取画像情報を受信しなかった場合は判定が否定されてステップ328へ移行する。本ステップ324において、調整後の読取画像情報を受信した場合は判定が肯定されてステップ326へ移行する。
ステップ326では、表示制御部28により、現時点でタッチパネル・ディスプレイ39に表示されている読取画像に基づく画像に代えて、上記ステップ324で受信された調整後の読取画像情報により示される読取画像に基づく画像がタッチパネル・ディスプレイ39に表示される。
図11には、画像処理装置12のタッチパネル・ディスプレイ38に表示された調整後の簡素化画像の一例、並びにスマートフォン14のタッチパネル・ディスプレイ39に表示された調整後の読取画像に基づく画像及び調整受付用画像の一例が示されている。図11に示す例では、スマートフォン14において中消しボタンが操作されることによって中消し量を調整するスライダが表示された状態が示されている。スライダを操作することによって指定された中消し量は上記のステップ322が実行されることで画像処理装置12に送信される。画像処理装置12では、スマートフォン14から送信された中消し量が受信され、受信された中消し量に従って読取画像に対して中消し処理が施される。そして、中消し処理が施された読取画像を簡素化した簡素化画像が一例として図11に示すようにタッチパネル・ディスプレイ38に表示される。中消し処理が施された読取画像を示す読取画像情報は、画像処理装置12によってスマートフォン14に送信され、スマートフォン14では、上記のステップ324が実行されることで読取画像情報が受信される。受信された読取画像情報により示される読取画像に基づく画像は、一例として図11に示すようにタッチパネル・ディスプレイ39に表示される。
また、スマートフォン14から画像処理装置12に送信される調整内容情報には読取画像表示画面の画面解像度、縦横比及び向き情報が含まれている。そこで、画像処理装置12では、読取画像表示画面の画面解像度、縦横比及び向き情報に基づいて、スマートフォン14への送信対象とする読取画像情報が調整される。すなわち、制御部20により図7に示すステップ230が実行されることで、タッチパネル・ディスプレイ39に表示される読取画像に基づく画像の向きがスマートフォン14の向きに対して予め定められた向きとなるようにスマートフォン14への送信対象とする読取画像情報が調整される。
この場合、例えば、図12及び図13に示すようにタッチパネル・ディスプレイ39に読取画像に基づく画像が表示されているスマートフォン14の向きを変えると、上記のステップ322が実行されることにより、向き情報並びにタッチパネル・ディスプレイ39における読取画像に基づく画像が表示される読取画像表示画面の画面解像度及び縦横比がスマートフォン14から画像処理装置12に送信される。なお、ここでは、画像処理装置12が向き情報、画面解像度及び縦横比をスマートフォン14から送信されることにより取得する場合を例示しているが、これに限らず、向き情報、画面解像度及び縦横比の少なくとも1つについては、タッチパネル・ディスプレイ38で受け付けてもよい。また、向き情報、画面解像度及び縦横比の少なくとも1つについては、スマートフォン14のタッチパネル・ディスプレイ39で受け付け、受け付けた情報を画像処理装置12へ送信するようにしてもよい。また、通信先のスマートフォン14が固定されているのであれば、向き情報、画面解像度及び縦横比の少なくとも1つを事前に記憶部46に記憶しておき、記憶部46から向き情報、画面解像度及び縦横比の少なくとも1つを取得するようにしてもよい。
スマートフォン14から向き情報、読取画像表示画面の画面解像度及び縦横比が送信されると(ステップ322)、画像処理装置12は、向き情報、画面解像度及び縦横比を受信し(ステップ228)、受信した向き情報、画面解像度及び縦横比に基づいて読取画像情報を調整する(ステップ230)。例えば図13に示すようにスマートフォン14の向きが縦向きから横向きに変更された場合、メモリ44に記憶されている読取画像情報により示される読取画像が縦長であれば読取画像表示画面の短手方向の画素数(横画素数)に合わせて(読取画像表示画面の短手方向に最大限度で収まるように)送信対象とする読取画像情報を調整する。また、図12に示すようにスマートフォン14の向きが横向きから縦向きに変更された場合、メモリ44に記憶されている読取画像情報により示される読取画像が横長であれば読取画像表示画面の長手方向の画素数(縦画素数)に合わせて(読取画像表示画面の長手方向に最大限度で収まるように)読取画像情報を調整する。そして、画像処理装置12は、調整された読取画像情報をスマートフォン14へ送信する(ステップ232)。
スマートフォン14では、上記のステップ324が受信部26によって実行されることで、画像処理装置12から送信された最新の読取画像情報が受信される。受信された読取画像情報により示される読取画像に基づく画像は、上記のステップ326が表示制御部28によって実行されることで、スマートフォン14の向きが縦向きから横向きに変更された場合は一例として図13に示すように表示される。また、スマートフォン14の向きが横向きから縦向きに変更された場合は一例として図12に示すように表示される。なお、ここでは、向き情報、画面解像度及び縦横比が調整内容情報に含まれる場合を例示したが、向き情報、画面解像度及び縦横比を調整内容情報に含めずに、スマートフォン14の向きが変更された場合に向き情報、画面解像度及び縦横比を画像処理装置12へ送信し、画像処理装置12が向き情報、画面解像度及び縦横比に基づいて読取画像情報を調整し、調整後の読取画像情報をスマートフォン14へ送信するようにしてもよい。また、ここでは、スマートフォン14の向きの変更に応じて、スマートフォン14に表示される読取画像に基づく画像の向きを調整する場合を例示したが、スマートフォン14の向きの変更に応じて、スマートフォン14に表示される簡素化画像の向きを調整しても良く、この場合も上述した方法を用いれば良い。
ステップ328では、表示制御部28により、読取画像に基づく画像の表示に係る調整を終了する条件として予め定められた条件(調整終了条件)を満足したか否かが判定される。本ステップ328において、読取終了条件を満足した場合は判定が肯定されて図14に示すステップ342へ移行する一方、調整終了条件を満足していない場合はステップ320へ戻る。調整終了条件としては、例えば上記ステップ318が実行されてから予め定められた時間経過したとの条件や調整の終了指示を受付部92が受け付けたとの条件などが挙げられる。
一方、図14に示すステップ330では、受信部26により、図8に示すステップ218がCPU42によって実行されることで画像処理装置12から送信された簡素化画像情報を受信したか否かが判定される。本ステップ330において、簡素化画像情報を受信していない場合は判定が否定されてステップ332へ移行する。本ステップ330において簡素化画像情報を受信した場合は判定が肯定されてステップ334へ移行する。
ステップ332では、受信部26により、上記のステップ308が実行されてから予め定められた時間経過したか否かが判定される。本ステップ332において、予め定められた時間経過していない場合は判定が否定されてステップ310へ戻る。本ステップ332において、予め定められた時間経過した場合は判定が肯定されてステップ342へ移行する。
ステップ334では、表示制御部28により、上記のステップ330で受信された簡素化画像情報により示される簡素化画像がタッチパネル・ディスプレイ39に表示される。続いて、ステップ336では、受信部26により、図8に示すステップ208が制御部20によって実行されることで画像処理装置12から送信された調整後の簡素化画像情報を受信したか否かが判定される。本ステップ336において、調整後の簡素化画像情報を受信していない場合は判定が否定されてステップ340へ移行する。本ステップ338において、調整後の簡素化画像情報を受信した場合は判定が肯定されてステップ338へ移行する。ステップ338では、表示制御部28により、上記のステップ336で受信された調整後の簡素化画像情報により示される簡素化画像がタッチパネル・ディスプレイ39に表示される。
ステップ340では、表示制御部28により、第2画像処理終了条件を満足したか否かが判定される。本ステップ316において、第2画像処理終了条件を満足した場合は判定が肯定されてステップ342へ移行する一方、第2画像処理終了条件を満足していない場合はステップ336へ戻る。続いて、ステップ342では、表示制御部28により、通信切断条件を満足したか否かが判定される。本ステップ342において、通信切断条件を満足した場合は判定が肯定されてステップ344へ移行する一方、通信切断条件を満足しなかった場合は判定が否定されて本第2画像処理を終了する。ステップ344では、表示制御部28により、画像処理装置12とスマートフォン14との間のアドホック通信が切断され、その後、本第2画像処理を終了する。
このように本実施形態に係る画像処理システム10では、表示部18の表示能力がスマートフォン14の表示領域30の表示能力よりも高い場合、読取画像に基づく画像を表示部18に表示し、簡素化画像を表示領域30に表示している。また、表示部18の表示能力がスマートフォン14の表示領域30の表示能力よりも高くない場合、簡素化画像を表示部18に表示し、読取画像に基づく画像を表示領域30に表示している。従って、本実施形態に係る画像処理システム10では、図15に示す操作パネル500に比べ、読取画像に対する高精度な調整が容易に行われることとなる。
なお、上記実施形態では、画像処理装置12が予め定められた時間内に表示能力情報を受信しなかった場合(図7に示すステップ206:Y)に簡素化画像をスマートフォン14のタッチパネル・ディスプレイ39に表示させる処理を例に挙げて説明したが、これに限らず、エラー処理を行ってもよい。ここで言う「エラー処理」の一例としては、表示能力情報を予め定められた時間内に受信しなかった旨を示す表示を行うと共に、本第1画像処理を強制的に終了するという処理が挙げられる。
また、上記実施形態では、読取画像に基づく画像と相違しない画面内に調整受付用画像を読取画像に基づく画像と共に表示させる場合を例示したが、これに限らず、簡素化画像と相違しない画面内に調整受付用画像を簡素化画像と共に表示させてもよい。また、読取画像に基づく画像と相違しない画面内に調整受付用画像を読取画像と共に表示させ、かつ、簡素化画像と相違しない画面内にも調整受付用画像を簡素化画像と共に表示させてもよい。