JP2014017392A - インプリント方法、及びインプリント装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスシートの破損を抑制でき、凹凸パターンを精度良く転写できるインプリント方法を提供すること。
【解決手段】インプリント方法は、ガラスシート11と樹脂フィルム12とを接合する接合工程と、該接合工程後に、ガラスシート11とモールド33との間に成形材料の層15を挟み、固化することにより、モールド33の凹凸パターンが転写した凹凸層17を、ガラスシート11を挟んで樹脂フィルム12と反対側に形成する転写工程とを有する。ガラスシート11は、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部11−1、11−2を有し、肉厚部11−1、11−2同士の間に該肉厚部11−1、11−2よりも薄く、厚みの均一な肉薄部11−3を有する。樹脂フィルム12は、帯状であって、ガラスシート11よりも狭い幅を有し、ガラスシート11のうち、肉薄部11−3のみと接合される。
【選択図】図3
【解決手段】インプリント方法は、ガラスシート11と樹脂フィルム12とを接合する接合工程と、該接合工程後に、ガラスシート11とモールド33との間に成形材料の層15を挟み、固化することにより、モールド33の凹凸パターンが転写した凹凸層17を、ガラスシート11を挟んで樹脂フィルム12と反対側に形成する転写工程とを有する。ガラスシート11は、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部11−1、11−2を有し、肉厚部11−1、11−2同士の間に該肉厚部11−1、11−2よりも薄く、厚みの均一な肉薄部11−3を有する。樹脂フィルム12は、帯状であって、ガラスシート11よりも狭い幅を有し、ガラスシート11のうち、肉薄部11−3のみと接合される。
【選択図】図3
Description
本発明は、インプリント方法、及びインプリント装置に関する。
微細な凹凸構造を安価に且つ大量に製造できる技術として、インプリント法が注目されている。インプリント法では、例えば凹凸パターンを外周に有するロール状のモールド(所謂グラビアロール)を回転させながら、グラビアロールの凹凸パターンを成形材料の層の表面に連続的に転写する(例えば、特許文献1参照)。
図13は、従来のインプリント装置の側面図である。ガラスシート1及び成形材料の層が転写ロール3とグラビアロール4とで挟んで送り出され、グラビアロール4の凹凸パターンが成形材料の層に転写する。成形材料の層は、ガラスシート1に加わる張力でグラビアロール4に抱き付き、グラビアロール4と共に回転しながら徐々に硬化し、凹凸層となる。凹凸層は、分離ロール5とグラビアロール4との間を通過することにより、グラビアロール4から分離する。そうして、ガラスシート及び凹凸層で構成される積層シートが得られる。
ガラスシートがロールの間を通過するとき、ガラスシートが破損することがあった。また、ガラスシートの厚みムラの影響で、凹凸パターンの転写精度が悪くなることがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ガラスシートの破損を抑制でき、凹凸パターンを精度良く転写できるインプリント方法、及びインプリント装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によるインプリント方法は、
ガラスシートと樹脂フィルムとを接合する接合工程と、
該接合工程後に、前記ガラスシートとモールドとの間に成形材料の層を挟み、固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層を、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成する転写工程とを有し、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記樹脂フィルムは、帯状であって、前記ガラスシートよりも狭い幅を有し、前記ガラスシートのうち、前記肉薄部のみと接合される。
ガラスシートと樹脂フィルムとを接合する接合工程と、
該接合工程後に、前記ガラスシートとモールドとの間に成形材料の層を挟み、固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層を、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成する転写工程とを有し、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記樹脂フィルムは、帯状であって、前記ガラスシートよりも狭い幅を有し、前記ガラスシートのうち、前記肉薄部のみと接合される。
また、本発明の他の一態様によるインプリント装置は、
ガラスシートと樹脂フィルムとを挟んで送り出すことにより接合する複数の接合ロールと、
成形材料の層に転写される凹凸パターンを有するモールドとを備え、
前記ガラスシートと前記モールドとの間に挟まれる前記成形材料の層が固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層が、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成され、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記樹脂フィルムは、帯状であって、前記ガラスシートよりも狭い幅を有し、前記ガラスシートのうち、前記肉薄部のみと接合される。
ガラスシートと樹脂フィルムとを挟んで送り出すことにより接合する複数の接合ロールと、
成形材料の層に転写される凹凸パターンを有するモールドとを備え、
前記ガラスシートと前記モールドとの間に挟まれる前記成形材料の層が固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層が、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成され、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記樹脂フィルムは、帯状であって、前記ガラスシートよりも狭い幅を有し、前記ガラスシートのうち、前記肉薄部のみと接合される。
本発明によれば、ガラスシートの破損を抑制でき、凹凸パターンを精度良く転写できるインプリント方法、及びインプリント装置が提供される。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して、説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態によるインプリント装置の側面図である。図2〜図5は本発明の第1実施形態によるインプリント方法の説明図である。図2は図1のII−II線に沿った断面図、図3は図1のIII−III線に沿った断面図、図4は図1のIV−IVに沿った断面図、図5は図1のV−V線に沿った断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態によるインプリント装置の側面図である。図2〜図5は本発明の第1実施形態によるインプリント方法の説明図である。図2は図1のII−II線に沿った断面図、図3は図1のIII−III線に沿った断面図、図4は図1のIV−IVに沿った断面図、図5は図1のV−V線に沿った断面図である。
インプリント装置10は、帯状のガラスシート11を帯状の樹脂フィルム12で補強し、ガラスシート11上に凹凸層17(図5参照)を連続的又は間欠的に形成する。ガラスシート11及び凹凸層17で積層シート19が構成される。凹凸層17は、凸部が周期的に配列される凹凸パターンを有する。
ガラスシート11のガラスとしては、例えば無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラス等が挙げられる。
ガラスシート11の成形方法は、一般的なものであってよく、例えばフロート法、フュージョン法、リドロー法のいずれでもよい。これらの成形方法では、加熱により軟化した帯状ガラスの幅方向両端部をつかみ、帯状ガラスの幅方向に張力を加えることで、帯状ガラスを所望の厚さに成形する。成形されたガラスシート11は、幅方向両端部(図2〜図5において左右方向両端部)に肉厚部11−1、11−2を有し、肉厚部11−1、11−2同士の間に肉厚部11−1、11−2よりも薄く、厚みの均一な肉薄部11−3を有する。肉厚部11−1、11−2は、最終的には切除される。肉薄部11−3における最大厚み及び最小厚みは、肉薄部11−3の厚さの平均値から±10μm以内であることが好ましい。
ガラスシート11の肉薄部11−3の厚さは、フレキシブル性の観点から、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下、より好ましくは0.05mm以下である。また、ガラスシート11の厚さは、ガラス成形性の観点から、好ましくは0.001mm以上である。
インプリント装置10は、例えば光インプリント装置であって、塗布器31、光源35、ロール状のモールド(グラビアロール)33、転写ロール43、分離ロール44、繰り出しロール45、2本の重ね合わせロール46、47、及び巻き取りロール48を備える。
塗布器31は、ガラスシート11が樹脂フィルム12で補強された状態で、ガラスシート11上に成形材料を塗布し、成形材料の層15を形成する。塗布器31としては、ダイコータ、ロールコータ、グラビアコータ、スプレーコータ、フローコータ、ブレードコータ等が挙げられる。
ガラスシート11は、ガラス面と成形材料との密着性を高めるため、予め表面処理が施されたものであってよい。表面処理としては、プライマー処理、オゾン処理、プラズマエッチング処理等が挙げられる。プライマーとしては、シランカップリング剤、シラザン等が用いられる。
成形材料の層15は、ガラスシート11のうち、厚みの均一な肉薄部11−3に形成される。尚、成形材料の層15は、肉薄部11−3と肉厚部11−1、11−2の両方に形成されてもよい。成形材料の層15は、樹脂フィルム12と異なり、転写工程で、肉厚部11−1、11−2と肉薄部11−3との段差D(図3)を吸収するように流動可能である。
成形材料は、例えば光硬化性樹脂を含む。光硬化性樹脂としては、光インプリント法に用いられる一般的なものが使用できる。光硬化性樹脂は、モノマー、光重合開始剤等で構成される。モノマーとしては、ラジカル重合タイプの場合、アクリルモノマー、ビニルモノマー等があり、イオン重合タイプの場合、エポキシモノマー、ビニルエーテルモノマー等がある。光硬化性樹脂は、液状の状態で用意され、例えば図2に示すようにガラスシート11上に塗布される。成形材料は、金属酸化物の粒子等を含んでもよい。
グラビアロール33は、例えば図3等に示すように、金属ロール33−1、及び金属ロール33−1の外周に固定される帯状シート33−2で構成され、帯状シート33−2が凹凸パターンを有する。帯状シート33−2は、製造コスト削減のため、マスターモールドを用いて成型され、何度も複製可能となっている。複製方法には、例えばインプリント法、電鋳法などがある。マスターモールドは、例えばフォトリソグラフィ法又は電子線描画法で基材を加工して作製される。帯状シート33−2は、例えば金属(例えばニッケル、クロム)、又は樹脂(例えばポリカーボネート、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂)で構成され、フレキシブル性を有する。
尚、グラビアロール33は、フォトリソグラフィ法、電子線描画法等で金属ロールの表面に凹凸パターンを形成してなるものであってもよい。
グラビアロール33は、モールド表面と成形材料との離型性を高めるため、離型処理が施されたものであってよい。離型処理としては、例えばフッ素コート処理、シリコーンコート処理等が挙げられる。
光源35は、図1及び図4等に示すように、ガラスシート11とグラビアロール33との間に挟み込まれた成形材料の層15に光を照射し、成形材料の層15を固化(硬化)させる。成形材料の層15を硬化してなる凹凸層17は、グラビアロール33の凹凸パターンが略反転した凹凸パターンを有する。
光硬化性樹脂を硬化させる光としては、例えば紫外光、可視光、赤外光等が挙げられる。紫外光の光源としては、紫外線蛍光灯、紫外線LED、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯等が挙げられる。可視光の光源としては、可視光蛍光灯、可視光白熱灯、可視光LED等が用いられる。
光インプリント法では、ガラスシート11及びグラビアロール33の少なくとも一方が光透過性の材料で構成されてよい。光源35から出射した光は、例えば、透明な樹脂フィルム12、及び透明なガラスシート11を透過して、成形材料の層15に入射する。尚、円筒状のグラビアロール33の内部に光源35が設けられ、光源35から出射した光は、透明なグラビアロール33を透過して成形材料の層15に入射してもよい。
光インプリント法では、室温での成型が可能であり、グラビアロール33とガラスシート11との線膨張係数差による歪みが発生しにくく、転写精度が良い。尚、硬化反応の促進のため、成形材料の層15は加熱されてもよい。
グラビアロール33及び転写ロール43は、図3に示すように、転写ロール43側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、及び成形材料の層15をこの順で挟んで送り出す。グラビアロール33及び転写ロール43は相対的に接離可能であって、いずれか一方は他方に向けて流体圧シリンダ等で押圧されてよい。転写ロール43は金属ロールの外周をゴムで被覆したロールであってよい。ゴムが弾性変形することで、埃などの異物の噛み込みやガラスシート11の厚さのばらつき等による応力集中を抑制できる。グラビアロール33及び転写ロール43のいずれか一方は、回転モータ等で回転駆動される他方の回転に伴って従動的に回転してよい。グラビアロール33と、転写ロール43との間の周速差が小さく、せん断応力が小さい。
成形材料の層15は、図4に示すように、グラビアロール33と転写ロール43との間に挿入されてから、グラビアロール33と分離ロール44との間から引き出されるまでの間、ガラスシート11に加わる張力でグラビアロール33に抱き付き、グラビアロール33と共に回転する。成形材料の層15は、グラビアロール33と共に回転する間に徐々に硬化し、凹凸層17となる。ガラスシート11の張力の方向は、ガラスシートの移動方向である。
グラビアロール33及び分離ロール44は、分離ロール44側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、及び凹凸層17をこの順で挟んで送り出す。グラビアロール33及び分離ロール44は相対的に接離可能であって、いずれか一方は他方に向けて流体圧シリンダ等で押圧されてよい。分離ロール44は金属ロールの外周をゴムで被覆したロールであってよい。グラビアロール33及び分離ロール44のいずれか一方は、回転モータ等で回転駆動される他方の回転に伴って従動的に回転してよい。グラビアロール33と、分離ロール44との間の周速差が小さく、せん断応力が小さい。
グラビアロール33の軸方向、転写ロール43の軸方向、及び分離ロール44の軸方向は、ガラスシート11の幅方向と平行となっている。グラビアロール33の軸方向長さ、転写ロール43の軸方向長さL(図3)、及び分離ロール44の軸方向長さは、それぞれ、ガラスシート11の幅W(図3)よりも大きくてよい。
繰り出しロール45には、凹凸保護シート13を渦巻き状に巻回してなる保護シートロールが装着される。繰り出しロール45が回転すると、保護シートロールから凹凸保護シート13が繰り出される。凹凸保護シート13は、樹脂フィルム、紙等で構成される。
2本の重ね合わせロール46、47は、保護シートロールから繰り出される凹凸保護シート13と、積層シート19(図5参照)とを重ね合わせる。積層シート19は、ガラスシート11及び凹凸層17で構成される。
凹凸保護シート13は、一方の重ね合わせロール47に沿って曲げ変形される。これにより、凹凸保護シート13と、積層シート19とが徐々に合流し、重ね合わせ時のしわの発生や空気の噛み込みなどが抑制できる。
凹凸保護シート13は、粘着剤付きであって積層シート19と接合されてもよいし、接合されずに単に接触するだけでもよい。
凹凸保護シート13は、積層シート19の凹凸層17を覆い、凹凸層17に異物(例えばホコリ)や傷が付くのを防止する。
巻き取りロール48は、積層シート19、樹脂フィルム12、及び凹凸保護シート13を重ねて巻き取り、製品ロールを作製する。製品ロールの最外層は、樹脂フィルム12、凹凸保護シート13のいずれでもよい。いずれでも、製品ロールの保管時に、積層シート19に異物や傷が付きにくい。
ガラスシート11の肉厚部11−1、11−2は、巻き取りロール48で巻き取られる前に切除されてよく、ガラスシート11の肉薄部11−3のみが巻き取りロール48で巻き取られてよい。
インプリント装置10は、送り出しロール51、2本の接合ロール52、53、ガラスシート厚さ分布測定器54、及び樹脂フィルム切断器55をさらに備える。
送り出しロール51には、樹脂フィルム12を渦巻き状に巻回してなるフィルムロールが装着される。送り出しロール51が回転すると、フィルムロールから樹脂フィルム12が繰り出される。
樹脂フィルム12は、例えば図2等に示すように、基材12−1及び基材12−1上に形成される粘着層12−2で構成され、粘着層12−2の粘着力でガラスシート11と接合される。
基材12−1としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド等のホモポリマー、コポリマー等が使用できる。
粘着層12−2の粘着剤としては、例えば、酢酸ビニル系、アセタール系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系等が使用できる。
尚、樹脂フィルム12は、熱圧着でガラスシート11と接合されてもよく、粘着層12−2を有さなくてもよい。ガラス成形装置から供給されるガラスシート11の温度は室温よりも高く、熱圧着が可能である。このように、接合方法は特に限定されない。
2本の接合ロール52、53は、フィルムロールから繰り出される樹脂フィルム12とガラスシート11とを挟み込んで送り出すことにより、ガラスシート11における成形材料の層15を形成する面と反対側の面に樹脂フィルム12を接合する。樹脂フィルム12は、脆いガラスシート11を補強し、ガラスシート11の破損を抑制する。
ガラスシート11は、ガラス成形装置から連続的に供給される。ガラスシート11は、幅方向両端部(図2〜図5において左右方向両端部)に肉厚部11−1、11−2を有し、肉厚部11−1、11−2同士の間に肉厚部11−1、11−2よりも薄く、厚みの均一な肉薄部11−3を有する。
そこで、2本の接合ロール52、53は、ガラスシート11よりも狭い幅の樹脂フィルム12を、ガラスシート11のうち、肉厚部11−1、11−2と接合せずに、厚みの均一な肉薄部11−3と接合する。樹脂フィルム12は、図3に示すように転写工程で、ガラスシート11の肉薄部11−3と転写ロール43との隙間を埋める。肉薄部11−3上の成形材料に作用する圧力が高くなると共に、その圧力分布が均一になり、グラビアロール33の凹凸パターンが成形材料の層15に精度良く転写できる。
樹脂フィルム12の厚さT(図3)は、肉厚部11−1、11−2と、肉薄部11−3との段差D(図3)よりも大きいことが好ましく(T>D)、段差Dの2倍よりも大きいことがより好ましい(T>2×D)。T>2×Dの式が成立すれば、肉薄部11−3とグラビアロール33との間の成形材料に作用する圧力を確実に高めることができる。グラビアロール33の帯状シート33−2の幅が肉薄部11−3の幅よりも狭い場合、T>Dの式が成立すればよい。
ガラスシート厚さ分布測定器54は、ガラスシート11の幅方向における厚さ分布を測定する。ガラスシート厚さ分布測定器54は、例えばガラスシート11の厚さを測定する厚さ測定器54−1と、厚さ測定器54−1をガラスシート11の幅方向に移動させる駆動部54−2とで構成される。厚さ測定器54−1としては、例えば干渉膜厚計、β線厚み計等が使用可能である。
尚、ガラスシート厚さ分布測定器54は、ガラスシート11の幅方向に配列される複数の厚さ測定器54−1で構成されてもよく、この場合、駆動部54−2を含まなくてよい。
樹脂フィルム切断器55は、樹脂フィルム12を切断するカッター55−1、及びカッター55−1を樹脂フィルム12の幅方向に移動させるモータ55−2等で構成される。カッター55−1の代わりに、レーザが用いられてもよい。
樹脂フィルム切断器55は、ガラスシート厚さ分布測定器54の測定結果に基づいて、ガラスシート11と接合される樹脂フィルム12を切断加工し、樹脂フィルム12の幅M(図2参照)を調整する。例えば、樹脂フィルム切断器55は、ガラスシート厚さ分布測定器54の測定結果に基づいてガラスシート11の肉薄部11−3の幅N(図2参照)を算出し、算出結果に基づいて樹脂フィルム12の幅Mを調整する。これにより、肉薄部11−3の幅Nが変化するときに、肉薄部11−3のみに樹脂フィルム12を接合することができる。
インプリント装置10は、ガラスシート11と樹脂フィルム12との接合前に、ガラスシート11又は樹脂フィルム12を幅方向に移動させる位置調整機構をさらに備えてもよい。
次に、上記構成のインプリント装置10の動作(インプリント方法)について説明する。インプリント装置10の各種動作は、マイクロコンピュータ等で構成されるコントローラによる制御下で行われる。以下の説明では、便宜上、主にガラスシート11の一部分に着目して、インプリント装置10の各種動作を説明する。
先ず、ガラスシート厚さ分布測定器54が、ガラス成形装置から連続的に供給されるガラスシート11の幅Wを測定する。その測定結果に基づいて、樹脂フィルム切断器55がフィルムロールから繰り出される樹脂フィルム12を切断加工し、樹脂フィルム12の幅Mを調整する。ガラスシート11の肉薄部11−3の幅Nの変動に対応できる。
次いで、2本の接合ロール52、53が、樹脂フィルム12とガラスシート11とを挟み込んで送り出すことにより、ガラスシート11における成形材料の層15を形成する面と反対側の面に樹脂フィルム12を接合する。樹脂フィルム12は、脆いガラスシート11を補強し、ガラスシート11の破損を抑制する。2本の接合ロール52、53は、ガラスシート11のうち、厚みの均一な肉薄部11−3に樹脂フィルム12を接合する。
次いで、図2に示すように、塗布器31がガラスシート11上に成形材料を塗布し、成形材料の層15を形成する。成形材料の層15は、ガラスシート11における樹脂フィルム12を接合する面とは反対側の面に設けられる。
次いで、図3に示すように、グラビアロール33及び転写ロール43が、転写ロール43側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、及び成形材料の層15をこの順で挟んで送り出す。このとき、樹脂フィルム12がガラスシート11の肉薄部11−3と転写ロール43との隙間を埋める。肉薄部11−3上の成形材料に作用する圧力が高くなると共に、その圧力分布が均一になり、グラビアロール33の凹凸パターンが成形材料の層15に精度良く転写できる。
図4に示すように、成形材料の層15は、グラビアロール33と転写ロール43との間に挿入されてから、グラビアロール33と分離ロール44との間から引き出されるまでの間、ガラスシート11に加わる張力でグラビアロール33に抱き付き、グラビアロール33と共に回転する。成形材料の層15は、グラビアロール33と共に回転する間に光源35からの光を受けて徐々に硬化し、凹凸層17となる。
次いで、グラビアロール33及び分離ロール44は、分離ロール44側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、及び凹凸層17をこの順で挟んで送り出す。
図1に示すように、樹脂フィルム12、ガラスシート11、及び凹凸層17は、分離ロール44に沿って曲げ変形され、グラビアロール33から分離する。
このようにして、図5に示すように、ガラスシート11及び凹凸層17を含む積層シート19が得られる。
次いで、2本の重ね合わせロール46、47は、保護シートロールから繰り出された凹凸保護シート13と、積層シート19とを重ね合わせる。凹凸保護シート13は、樹脂フィルム、紙等で構成される。凹凸保護シート13は、積層シート19の凹凸層17を覆い、凹凸層17に異物(例えばホコリ)や傷が付くのを防止する。
次いで、巻き取りロール48が、積層シート19、樹脂フィルム12、及び凹凸保護シート13を重ねて巻き取り、製品ロールを作製する。
積層シート19は、使用時に製品ロールから繰り出され、所定のサイズに切断され、例えば液晶パネルや有機ELパネル等の光学パネルの製造に用いられる。樹脂フィルム12及び凹凸保護シート13は、光学パネルの製造工程の途中で積層シート19から剥離されてよく、光学パネルの構成部品とはならなくてよい。
積層シート19は、光学パネルの製造に用いられる場合、モスアイ型の反射防止シート、偏光シート、マイクロレンズアレイシート等として使用できる。尚、積層フィルム19は、免疫分析チップ、DNA分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター等の製造に用いられてもよく、積層フィルム19の用途は特に限定されない。
以上説明したように、本実施形態によれば、ガラスシート11が樹脂フィルム12で補強された状態で、グラビアロール33と転写ロール43との間を通過する。このとき、樹脂フィルム12は、図3に示すように、ガラスシート11の肉薄部11−3と転写ロール43との隙間を埋める。肉薄部11−3上の成形材料に作用する圧力が高くなると共に、その圧力分布が均一になり、グラビアロール33の凹凸パターンが成形材料の層15に精度良く転写できる。
また、本実施形態によれば、ガラスシート厚さ分布測定器54がガラスシート11の幅方向における厚さ分布を測定し、その測定結果に基づいて樹脂フィルム切断器55が樹脂フィルム12を切断加工し、樹脂フィルム12の幅Mを調整する。樹脂フィルム12の幅Mは、ガラスシート11の肉薄部11−3の幅Nに基づいて調整される。これにより、肉薄部11−3の幅Nが変化するときに、肉薄部11−3のみに樹脂フィルム12を接合することができる。
尚、転写工程で樹脂フィルム12と接触する接触ロール(転写ロール43、分離ロール44)の軸方向長さLは、図6に示すようにガラスシート11の幅Wよりも小さくてもよい。つまり、転写ロール43や分離ロール44は、ガラスシート11の厚さ方向から見て肉厚部11−1、11−2の間に配設され、肉薄部11−3からはみ出ないように配設されてもよい。樹脂フィルム12の幅に関係なく、肉厚部11−1、11−2と接触ロールとの接触を確実に防止でき、肉薄部11−3と接触ロールとの間の隙間を確実に埋めることができる。この場合、樹脂フィルム12の幅が関係なくなるので、図7に示すように、樹脂フィルム12は、肉厚部11−1、11−2、及び肉薄部11−3の両方と接合されてよい。
[第2実施形態]
上記実施形態は、ロール状のモールド(グラビアロール)33を用いてインプリントを行う。
上記実施形態は、ロール状のモールド(グラビアロール)33を用いてインプリントを行う。
これに対し、本実施形態は、エンドレスベルト状のモールドを用いてインプリントを行う点で相違する。以下、相違点について主に説明する。
図8は、本発明の第2実施形態によるインプリント装置の側面図である。図9〜図12は、本発明の第2実施形態によるインプリント方法の説明図である。図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図、図10は図8のX−X線に沿った断面図、図11は図8のXI−XI線に沿った断面図、図12は図8のXII−XII線に沿った断面図である。
インプリント装置10Aは、ガラスシート11上に凹凸層17(図12参照)を連続的又は間欠的に形成する。ガラスシート11及び凹凸層17で積層シート19が構成される。凹凸層17は、凸部が周期的に配列される凹凸パターンを有する。
インプリント装置10Aは、第1実施形態と同様に、塗布器31、光源35、繰り出しロール45、2本の重ね合わせロール46、47、巻き取りロール48、送り出しロール51、2本の接合ロール52、53、ガラスシート厚さ分布測定器54、及び樹脂フィルム切断器55を備える。
インプリント装置10Aは、第1実施形態と異なり、エンドレスベルト状のモールド33A、複数(例えば2本)の回転ロール41A、42A、及び複数(例えば2本)のニップロール43A、44Aを備える。
モールド33Aは、成形材料の層15の表面に転写される凹凸パターンを外周に有する。モールド33Aは、モールド表面と成形材料との離型性を高めるため、離型処理が施されたものであってよい。離型処理としては、例えばフッ素コート処理、シリコーンコート処理等が挙げられる。
モールド33Aは、複数の回転ロール41A、42A、及び複数の補助ロール61A、62Aに架け回され、輪転される。モールド33Aは、例えば金属(例えばニッケル、クロム)、又は樹脂(例えばポリカーボネート、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂)で構成され、フレキシブル性を有する。尚、複数の補助ロール61A、62Aの全部又は一部が無くてもよい。
モールド33Aは、マスターモールドを用いて成型される帯状シートの両端部を溶着して作製され、何度も複製可能となっている。複製方法には、例えばインプリント法、電鋳法などがある。マスターモールドは、例えばフォトリソグラフィ法又は電子線描画法で基材を加工して作製される。
一組の回転ロール41A及びニップロール43Aは、ニップロール43A側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、成形材料の層15、及びモールド33Aをこの順で挟んで送り出す。回転ロール41A及びニップロール43Aは相対的に接離可能であって、いずれか一方は他方に向けて流体圧シリンダ等で押圧されてよい。回転ロール41A及びニップロール43Aの少なくとも一方は金属ロールの外周をゴムで被覆したロールであってよい。ゴムが弾性変形することで、ホコリなどの異物の噛み込みによる応力集中やガラスシート11の厚さのばらつき等による応力集中を抑制できる。回転ロール41A及びニップロール43Aのいずれか一方は、回転モータ等で回転駆動される他方の回転に伴って従動的に回転してよい。回転ロール41Aと、ニップロール43Aとの間の周速差が小さく、せん断応力が小さい。
ガラスシート11及びモールド33Aは、一組の回転ロール41Aとニップロール43Aとの間に挿入された後、他の一組の回転ロール42Aとニップロール44Aとの間から引き出されるまでの間、ガラスシート11の張力及びモールド33Aの張力で成形材料の層15を挟み込み、成形材料の層15と一体的に移動する。その間に、成形材料の層15は光源35からの光を受けて徐々に硬化し、凹凸層17となる。凹凸層17は、モールド33Aの凹凸パターンが略反転したパターンを有する。ガラスシート11の張力の方向は、ガラスシート11の移動方向である。また、モールド33Aの張力の方向は、モールド33Aの移動方向(輪転方向)である。
光インプリント法では、モールド33A及びガラスシート11の少なくとも一方が光透過性の材料で構成される。光源35から出射した光は、例えば図1及び図4に示すように透明な樹脂フィルム12、及び透明なガラスシート11を透過して、成形材料の層15に入射する。尚、光源35から出射した光は、透明なモールド33Aを透過して、成形材料の層15に入射してもよい。
他の一組の回転ロール42A及びニップロール44Aは、ニップロール44A側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、凹凸層17、及びモールド33Aを挟んで送り出す。回転ロール42A及びニップロール44Aは相対的に接離可能であって、いずれか一方は他方に向けて流体圧シリンダ等で押圧されてよい。回転ロール42A及びニップロール44Aの少なくとも一方は金属ロールの外周をゴムで被覆したロールであってよい。回転ロール42A及びニップロール44Aのいずれか一方は、回転モータ等で回転駆動される他方の回転に伴って従動的に回転してよい。回転ロール42Aと、ニップロール44Aとの間の周速差が小さく、せん断応力が小さい。
複数の回転ロール41A、42A及び複数のニップロール43A、44Aは、同じ外径でも異なる外径でもよい。
次に、上記構成のインプリント装置10Aの動作(インプリント方法)について説明する。インプリント装置10Aの各種動作は、マイクロコンピュータ等で構成されるコントローラによる制御下で行われる。以下の説明では、便宜上、主にガラスシート11の一部分に着目して、インプリント装置10Aの各種動作を説明する。
先ず、ガラスシート厚さ分布測定器54が、ガラス成形装置から連続的に供給されるガラスシート11の幅方向における厚さ分布を測定する。その測定結果に基づいて、樹脂フィルム切断器55がフィルムロールから繰り出される樹脂フィルム12を切断加工し、樹脂フィルム12の幅M(図9参照)を調整する。樹脂フィルム12の幅Mは、ガラスシート11の肉薄部11−3の幅N(図9参照)に基づいて調整される。これにより、肉薄部11−3の幅Nが変化するときに、肉薄部11−3のみに樹脂フィルム12を接合することができる。
次いで、2本の接合ロール52、53が、樹脂フィルム12とガラスシート11とを挟み込んで送り出すことにより、ガラスシート11における成形材料の層15を形成する面と反対側の面に樹脂フィルム12を接合する。樹脂フィルム12は、脆いガラスシート11を補強し、ガラスシート11の破損を抑制する。2本の接合ロール52、53は、ガラスシート11の肉薄部11−3に樹脂フィルム12を接合する。
次いで、図9に示すように、塗布器31がガラスシート11上に成形材料を塗布し、成形材料の層15を形成する。成形材料の層15は、ガラスシート11における樹脂フィルム12を接合する面とは反対側の面に設けられる。
次いで、図10に示すように、一組の回転ロール41A及びニップロール43Aが、ニップロール43A側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、成形材料の層15、及びモールド33Aをこの順で挟んで送り出す。このとき、樹脂フィルム12は、ガラスシート11の肉薄部11−3とニップロール43Aとの隙間を埋める。肉薄部11−3上の成形材料に作用する圧力が高くなると共に、その圧力分布が均一になり、モールド33Aの凹凸パターンが成形材料の層15に精度良く転写できる。
図8に示すように、樹脂フィルム12、ガラスシート11、及び成形材料の層15は、平坦な状態で、一組の回転ロール41Aとニップロール43Aとの間に挿入される。一方、モールド33Aは、成形材料の層15との間に空気が噛み込まないように回転ロール41Aに沿って曲げ変形されながら、回転ロール41Aとニップロール43Aとの間に挿入され、成形材料の層15と密接する。
図11に示すように、ガラスシート11及びモールド33Aは、一組の回転ロール41Aとニップロール43Aとの間に挿入された後、他の一組の回転ロール42Aとニップロール44Aとの間から引き出されるまでの間、ガラスシート11の張力及びモールド33Aの張力で成形材料の層15を挟み込み、成形材料の層15と一体的に移動する。その間に、成形材料の層15は光源35からの光を受けて徐々に硬化し、凹凸層17となる。
次いで、回転ロール42A及びニップロール44Aは、ニップロール44A側から、樹脂フィルム12、ガラスシート11、凹凸層17、及びモールド33Aをこの順で挟んで送り出す。
図8に示すように、樹脂フィルム12、ガラスシート11、及び凹凸層17は、平坦な状態のまま、回転ロール42Aとニップロール44Aとの間から引き出される。一方、モールド33Aは、凹凸層17と円滑に分離するように回転ロール42Aに沿って曲げ変形される。
このようにして、図12に示すように、ガラスシート11及び凹凸層17を含む積層シート19が得られる。
次いで、2本の重ね合わせロール46、47は、樹脂フィルム12で補強される積層シート19と、凹凸保護シート13とを重ね合わせる。凹凸保護シート13は、樹脂フィルム、紙等で構成される。凹凸保護シート13は、積層シート19の凹凸層17と重ねられ、凹凸層17に異物(例えばホコリ)や傷が付くのを防止する。
一方の重ね合わせロール46は、製品ロールのロール径に応じて積層シート19を方向転換する役割を兼ねる。積層シート19の方向転換は、積層シート19を引き出しロール46に沿って曲げ変形させることで行われる。
次いで、巻き取りロール48が積層シート19、樹脂フィルム12、及び凹凸保護シート13を重ねて巻き取り、製品ロールを作製する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ガラスシート11が樹脂フィルム12で補強された状態で、回転ロール41Aとニップロール43Aとの間を通過する。このとき、樹脂フィルム12は、ガラスシート11の肉薄部11−3とニップロール43Aとの隙間を埋める。肉薄部11−3上の成形材料に作用する圧力が高くなると共に、その圧力分布が均一になり、モールド33Aの凹凸パターンが成形材料の層15に精度良く転写できる。
また、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、ガラスシート厚さ分布測定器54がガラスシート11の幅方向における厚さ分布を測定し、その測定結果に基づいて樹脂フィルム切断器55が樹脂フィルム12を切断加工し、樹脂フィルム12の幅Mを調整する。樹脂フィルム12の幅Mは、ガラスシート11の肉薄部11−3の幅Nに基づいて調整される。これにより、肉薄部11−3の幅Nが変化するときに、肉薄部11−3のみに樹脂フィルム12を接合することができる。
さらに、本実施形態によれば、ガラスシート11が平坦な状態のまま複数組の回転ロール41A、42Aとニップロール43A、44Aとの間を通過する。そのため、モールド33Aの凹凸パターン転写時や、モールド33Aと凹凸層17との分離時に、脆いガラスシート11が平坦に保持されているので、ガラスシート11の破損をさらに抑制できる。
尚、転写工程で樹脂フィルム12と接触する接触ロール(ニップロール43A、44A)の軸方向長さLは、図10に示すようにガラスシート11の幅Wよりも大きくてもよいし、小さくてもよい。つまり、接触ロールは、ガラスシート11の厚さ方向から見て肉厚部11−1、11−2の間に配設され、肉薄部11−3からはみ出ないように配設されてもよい。樹脂フィルム12の幅に関係なく、肉厚部11−1、11−2と接触ロールとの接触を確実に防止でき、肉薄部11−3と接触ロールとの間の隙間を確実に埋めることができる。この場合、樹脂フィルム12の幅が関係なくなるので、図7に示すように、樹脂フィルム12は、肉厚部11−1、11−2、及び肉薄部11−3の両方と接合されてよい。
以上、インプリント方法、及びインプリント装置を第1〜第2実施形態で説明したが、本発明は上記実施形態に制限されない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施形態のインプリント装置は、ガラス成形装置から連続的に供給されるガラスシート上に凹凸層を形成するが、ガラスシートを渦巻き状に巻回してなるガラスロールから繰り出されるガラスシート上に凹凸層を形成してもよい。ガラスシートが幅方向両端部に肉厚部を有していればよい。
また、上記実施形態のインプリント装置は、ガラスシート及び凹凸層を含む積層シートを巻き取りロール48で巻き取るが、積層シートを巻き取らずに切断機で所定のサイズに切断してもよい。
また、上記実施形態のインプリント装置は、光インプリント装置であるが、熱インプリント装置であってもよい。この場合、成形材料は、光硬化性樹脂の代わりに、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂には、熱インプリント法に用いられる一般的なものが使用でき、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、シートの形態で用意されガラスシート上に貼り付けてもよいし、溶液の形態で用意されガラスシート上に塗布し、乾燥してもよい。また、熱可塑性樹脂は、加熱軟化したうえでガラスシート上に塗布して冷却してもよい。熱インプリント法では、熱可塑性樹脂を含む成形材料の層を加熱により軟化し、軟化した成形材料の層の表面にモールドを押し付け、成形材料の層を冷却して固化させることで、凹凸層を形成する。加熱源としては、加熱光を照射する光源(例えばハロゲンランプ、レーザ)、ヒータ等が用いられる。加熱温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上である。モールドを押し付ける工程と、成形材料の層を加熱する工程とは、どちらの工程が先であってもよく、同時に行ってもよい。モールドを加熱することで成形材料の層を加熱してもよい。
また、上記実施形態の塗布器は、ガラスシート上に成形材料を塗布するが、モールド上に成形材料を塗布してもよい。成形材料の層は、転写工程でガラスシートとモールドとの間に挟み込まれ、モールドの凹凸パターンが成形材料の層の表面に転写する。
10 インプリント装置
11 ガラスシート
11−1、11−2 肉厚部
11−3 肉薄部
12 樹脂フィルム
15 成形材料の層
17 凹凸層
33 グラビアロール(ロール状のモールド)
43 転写ロール
44 分離ロール
33A エンドレスベルト状のモールド
41A、42A 回転ロール
43A、44A ニップロール
54 ガラスシート厚さ分布測定器
55 樹脂フィルム切断器
11 ガラスシート
11−1、11−2 肉厚部
11−3 肉薄部
12 樹脂フィルム
15 成形材料の層
17 凹凸層
33 グラビアロール(ロール状のモールド)
43 転写ロール
44 分離ロール
33A エンドレスベルト状のモールド
41A、42A 回転ロール
43A、44A ニップロール
54 ガラスシート厚さ分布測定器
55 樹脂フィルム切断器
Claims (10)
- ガラスシートと樹脂フィルムとを接合する接合工程と、
該接合工程後に、前記ガラスシートとモールドとの間に成形材料の層を挟み、固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層を、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成する転写工程とを有し、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記樹脂フィルムは、帯状であって、前記ガラスシートよりも狭い幅を有し、前記ガラスシートのうち、前記肉薄部のみと接合される、インプリント方法。 - 前記ガラスシートの幅方向における厚さ分布を測定し、測定結果に基づいて、前記ガラスシートと接合される前記樹脂フィルムを切断加工し、前記樹脂フィルムの幅を調整する調整工程をさらに有する、請求項1に記載のインプリント方法。
- 前記転写工程は、前記ガラスシート及び前記樹脂フィルムを平坦な状態で複数組の回転ロールとニップロールとの間を通過させると共に、複数の前記回転ロールに架け回されるエンドレスベルト状の前記モールドを輪転させ、
前記ガラスシート及び前記モールドは、一組の回転ロールとニップロールとの間に挿入されてから、他の一組の回転ロールとニップロールとの間から引き出されるまでの間、前記成形材料の層を挟み込み、前記成形材料の層に前記モールドの凹凸パターンが転写する請求項1又は2に記載のインプリント方法。 - 前記モールドは、ロール状であって、前記成形材料の層の表面に転写される凹凸パターンを外周に有する請求項1又は2に記載のインプリント方法。
- ガラスシートと樹脂フィルムとを接合する接合工程と、
該接合工程後に、前記ガラスシートとモールドとの間に成形材料の層を挟み、固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層を、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成する転写工程とを有し、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記転写工程で前記樹脂フィルムと接触する接触ロールが、前記ガラスシートの厚さ方向から見て、前記ガラスシートの前記肉厚部同士の間に配設される、インプリント方法。 - ガラスシートと樹脂フィルムとを挟んで送り出すことにより接合する複数の接合ロールと、
成形材料の層に転写される凹凸パターンを有するモールドとを備え、
前記ガラスシートと前記モールドとの間に挟まれる前記成形材料の層が固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層が、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成され、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記樹脂フィルムは、帯状であって、前記ガラスシートよりも狭い幅を有し、前記ガラスシートのうち、前記肉薄部のみと接合される、インプリント装置。 - 前記ガラスシートの幅方向における厚さ分布を測定するガラスシート厚さ分布測定器と、
該ガラスシート厚さ分布測定器の測定結果に基づいて、前記ガラスシートと接合される前記樹脂フィルムの幅を調整する樹脂フィルム切断器とをさらに備える請求項6に記載のインプリント装置。 - 前記ガラスシート及び前記樹脂フィルムを平坦な状態で通過させる回転ロール及びニップロールの組を複数組さらに備え、複数の前記回転ロールにはエンドレスベルト状の前記モールドが架け回され、
前記ガラスシート及び前記モールドは、一組の回転ロールとニップロールとの間に挿入されてから、他の一組の回転ロールとニップロールとの間から引き出されるまでの間、前記成形材料の層を挟み込み、前記成形材料の層に前記モールドの凹凸パターンが転写する請求項6又は7に記載のインプリント装置。 - 前記モールドは、ロール状であって、前記成形材料の層の表面に転写される凹凸パターンを外周に有する請求項6又は7に記載のインプリント装置。
- ガラスシートと樹脂フィルムとを挟んで送り出すことにより接合する複数の接合ロールと、
成形材料の層に転写される凹凸パターンを有するモールドとを備え、
前記ガラスシートと前記モールドとの間に挟まれる前記成形材料の層が固化することにより、前記モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層が、前記ガラスシートを挟んで前記樹脂フィルムと反対側に形成され、
前記ガラスシートは、帯状であって、幅方向両端部に肉厚部を有し、該肉厚部同士の間に該肉厚部よりも薄く、厚みの均一な肉薄部を有し、
前記モールドの凹凸パターンの転写時に前記樹脂フィルムと接触する接触ロールは、前記ガラスシートの厚さ方向から見て、前記ガラスシートの前記肉厚部同士の間に配設される、インプリント装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012154510A JP2014017392A (ja) | 2012-07-10 | 2012-07-10 | インプリント方法、及びインプリント装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012154510A JP2014017392A (ja) | 2012-07-10 | 2012-07-10 | インプリント方法、及びインプリント装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012154510A Pending JP2014017392A (ja) | 2012-07-10 | 2012-07-10 | インプリント方法、及びインプリント装置 |
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Country | Link |
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