JP2014016069A - 被加熱物載置手段とそれを用いたマイクロ波加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱手段がマイクロ波照射のための構成と干渉せず、誘電加熱運転のマイクロ波の損失を防止し誘電加熱の効率向上を図り、食材の両面に焼き色や焦げ目をつけて食感や風味を食材に与える加熱を可能にすること。
【解決手段】加熱室15内に上下からマイクロ波を照射する第一の給電口19、第二の給電口28を設け、加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体の第一のグリル皿34と第二のグリル皿35とを備え、第一のグリル皿34、第二のグリル皿35はマイクロ波発熱体によって構成される発熱体加熱手段36を下面の一部に有し、それ以外の下面部分に金属製カバーを設ける。これにより、二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35で食品14を挟んで加熱することになり、マイクロ波により誘電加熱するマイクロ波加熱装置でも、簡単構成で食品14の両面に焼き色や焦げ目をつけることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、輻射熱や対流熱を組み合わせた非加熱物の加熱方法について、加熱手段の一つとしてマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体を用いたもので、特に被加熱物である食品をオーブンやグリル調理することが可能な被加熱物載置手段とそれを用いたマイクロ波加熱装置に関する。
電子レンジの普及に伴い、その利便性から電子レンジを用いて食品を加熱調理することが広く行われている。電子レンジは、マグネトロンから発生するマイクロ波を食品全体に照射することで、食品に含まれている水分子に振動を与えて共振させ、水分子同士の振動摩擦によって発生する熱により、食品を内部より加熱するものである。ただ、電子レンジを用いて食品を単に加熱するだけでは、例えば、焼いたり焦がしたりすることによって生ずる香ばしさや焦げ目、サクサク感(いわゆるクリスピー性)を食品に与えることができない。
そこで近年、電子レンジとヒータ加熱装置を一体化したマイクロ波加熱装置が実用化されている。
これらのマイクロ波加熱装置では、加熱室内にヒータを備え、ヒータからの輻射熱で被加熱物である食品を直接加熱し、あるいは加熱室内の空気を加熱して加熱室内雰囲気温度を高温にすることで、加熱室内に載置された食品に焼き色および焦げ目をつける加熱調理をする。
このように従来のマイクロ波加熱装置には、加熱室内の上面と底面にヒータを設置し、内部に配置される食品を加熱する構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−308114号公報
しかしながら、従来の上下ヒータを備えたマイクロ波加熱装置では、ヒータが加熱室内の上部と底部に配置される必要があるため、マイクロ波照射のための構成と干渉することになる。
図6は特許文献1に記載された従来の上下ヒータを備えたマイクロ波加熱装置の断面図である。
図6に示すように、マイクロ波加熱装置は上ヒータ67、下ヒータ65a、65b、回転アンテナ66、受け皿63、金属製のヒータカバー64、加熱室62およびサーミスタ61から構成されている。この加熱室62内に被加熱物となる食品をいれ、下ヒータ65a、65b及び上ヒータ67を通電させることにより、上ヒータ67、下ヒータ65a、65bから放射される輻射熱や、加熱室62内の空気温度を上昇させることにより、食品の加熱調理を行う。また、サーミスタ61により温度を検知し、加熱室62内の温度情報を得ることにより電力制御を行うことができる。
このように構成された従来のマイクロ波加熱装置においては、加熱室62内でマイクロ波の照射を受ける場所に上ヒータ67が配置されていると、上ヒータ67の構成部材にマイクロ波の一部が吸収されて発熱損失になったり、上ヒータ67の種類や構成によってマイクロ波が上ヒータ67を介して加熱室62の外へ漏れやすくなるので、漏洩防止のためのマイクロ波遮蔽構造が複雑になったりする課題があった。
また、マイクロ波を照射する構成として一般的に加熱室壁面の近くにターンテーブル、回転アンテナ、回転スタラなど回転する部品を配しており、かなり広いスペースを占めている。図6の従来のマイクロ波加熱装置においても、回転アンテナ66を備えており、回転スペースが邪魔になり、下ヒータ65a、65bを最適な位置に配置することが難しい。
このように、マイクロ波照射構成の邪魔にならないように下ヒータ65a、65bの配置を考慮する必要があり、上下ヒータの配置が制限されて、加熱分布を均一にすることが難しくなるという課題も有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加熱室内での配置が制限されるヒータに代わる加熱手段を設けることにより、誘電加熱のみで食品のあたためを行う場合のマイクロ波の損失を防止し、食品の両面に焼き色や焦げ目をつけて食感や風味を食品に与える加熱ができる、誘電加熱の効率向上と被加熱物の表面色や表面状態含む加熱性能の向上を図った被加熱物載置手段とそれを用いたマイクロ波加熱装置の提供を目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の被加熱物載置手段は、被加熱物を収納した状態でマイクロ波加熱手段によってマイクロ波が照射される加熱室で用いるための、被加熱物を載置可能な被加熱物載置手段であって、前記加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され、前記基体の下面の一部に形成され、前記マイクロ波加熱手段によって照射されたマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段と、前記基体の下面において前記発熱体加熱手段が形成された以外の下面部分に形成された金属製カバーを備えたものである。
また、上記従来の課題を解決するために、本発明のマイクロ波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に収納された被加熱物へマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段と、前記加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され、前記基体の下面の一部に形成され、前記マイクロ波加熱手段によって照射されたマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段と、前記基体の下面において前記発熱体加熱手段が形成された以外の下面部分に形成された金属製カバーを備えた第一と第二の被加熱物載置手段と、前記マイクロ波加熱手段からのマイクロ波を前記加熱室内に導入するために前記加熱室の壁面に設けた第一と第二の給電口とを備え、前記第一の被加熱物載置手段は前記加熱室の上方に配置され、前記第二の被加熱物載置手段は前記加熱室の下方に配置され、前記第一の給電口は前記第一の被加熱物載置手段よりも上方の前記加熱室の壁面に設け、前記第二の給電口は前記第二の被加熱物載置手段よりも下方の前記加熱室の壁面に設けたものである。
上記構成により、マイクロ波発熱体によって構成される発熱体加熱手段を有する二つの被加熱物載置手段で、被加熱物を挟んで加熱することにより、マイクロ波により誘電加熱するマイクロ波加熱装置でも簡単構成で被加熱物の両面に焼き色や焦げ目をつけることができるようになる。また、マイクロ波単独での誘電加熱のみで加熱を行う場合は、二つの被加熱物載置手段を取り外しマイクロ波の損失を防止して効率的に誘電加熱できる。そして、配置が制限されることなく被加熱物上下に発熱体加熱手段を取り付けることで焼き色
や焦げ目をつける加熱が可能となり、加熱分布を均一にできる。このように、誘電加熱の効率向上と被加熱物の表面色や表面状態含む加熱性能の向上を図ることができる。
さらに、それぞれの被加熱物載置手段は下方からのマイクロ波はもちろん、上方からのマイクロ波であっても基体をマイクロ波が透過してくるので、マイクロ波発熱体が確実にマイクロ波を吸収する。また、発熱体加熱手段を外れたマイクロ波は被加熱物載置手段の金属カバーで反射されるうちに発熱体加熱手段に届くことになるので、十分な発熱量を得ることができる。
本発明の被加熱物載置手段とそれを用いたマイクロ波加熱装置は、加熱室内での配置が制限されるヒータに代わる加熱手段を設けることにより、誘電加熱のみで食品のあたためを行う場合のマイクロ波の損失を防止し、食品の両面に焼き色や焦げ目をつけて食感や風味を食品に与える加熱ができる、誘電加熱の効率向上と被加熱物の表面色や表面状態含む加熱性能の向上を図ることができる。
本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置における概略構成を示す側面断面図 本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置における図1のA−A部での正面断面図 本発明に係る実施の形態1の被加熱物載置手段を示す詳細断面図 本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置における表示操作パネルの外観図 本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置における運転時の使用者と制御部の動作を示すフローチャート 従来の上下ヒータを備えたマイクロ波加熱装置の断面図
第1の発明は、被加熱物を収納した状態でマイクロ波加熱手段によってマイクロ波が照射される加熱室で用いるための、被加熱物を載置可能な被加熱物載置手段であって、前記加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され、前記基体の下面の一部に形成され、前記マイクロ波加熱手段によって照射されたマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段と、前記基体の下面において前記発熱体加熱手段が形成された以外の下面部分に形成された金属製カバーを備えたものである。
本発明によれば、被加熱物載置手段の下方から照射されたマイクロ波のうち、発熱体加熱手段に直接届いたものは発熱体加熱手段がマイクロ波を吸収し発熱する。一方、被加熱物載置手段下面の発熱体加熱手段を除く部分は金属製カバーが設けられているので、発熱体加熱手段を外れたマイクロ波は金属性カバーと加熱室の壁面の間で反射されて発熱体加熱手段に届くことになり、発熱体加熱手段が確実にマイクロ波を吸収し、十分な発熱量を得ることができる。また、マイクロ波を被加熱物載置手段の上方から照射した場合は、電波透過性の板状または基体の下面にマイクロ波発熱体を有するように構成されているので、被加熱物載置手段の上方からのマイクロ波であっても基体をマイクロ波が透過してくる。そして、透過してきたマイクロ波の発熱体加熱手段を外れたものも金属性カバーで反射されて、下方からの場合と同様に発熱体加熱手段に届くことになるので、マイクロ波発熱体が確実にマイクロ波を吸収し、十分な発熱量を得ることができる。したがって、被加熱物載置手段を取り付けることで焼き色や焦げ目をつけるグリル調理が実現できる。
第2の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内に収納された被加熱物へマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段と、前記加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され、前記基体の下面の一部に形成され、前記マイクロ波加熱手段によって照射されたマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段と、前記基体の下面において前記発熱体加熱手段が形成された以外の下面部分に形成された金属製カバーを備えた第一と第二の被加熱物載置手段と、前記マイクロ波加熱手段からのマイクロ波を前記加熱室内に導入するために前記加熱室の壁面に設けた第一と第二の給電口とを備え、前記第一の被加熱物載置手段は前記加熱室の上方に配置され、前記第二の被加熱物載置手段は前記加熱室の下方に配置され、前記第一の給電口は前記第一の被加熱物載置手段よりも上方の前記加熱室の壁面に設け、前記第二の給電口は前記第二の被加熱物載置手段よりも下方の前記加熱室の壁面に設けたものである。
本発明によれば、マイクロ波発熱体によって構成される発熱体加熱手段を有する二つの被加熱物載置手段で、被加熱物である食品を挟んで加熱することにより、マイクロ波により誘電加熱するマイクロ波加熱装置でも簡単構成で食品の両面に焼き色や焦げ目をつけることができ、クリスピー感などの食感や風味を食品に与えることができるようになる。また、マイクロ波単独での誘電加熱のみで食品のあたためを行う場合は、二つの被加熱物載置手段を取り外すことで、マイクロ波の損失を生じやすいヒータなどの高温発熱体が加熱室内に配されることが無いので効率的に誘電加熱でき、逆にマイクロ波の供給部品によって加熱室内の上下ヒータの配置が制限されるようなことなく、二つの被加熱物載置手段を取り付けることで焼き色や焦げ目をつけるグリル調理ができ、配置制限されない発熱体加熱手段によって加熱分布を均一にできる。
さらに、二つの被加熱物載置手段は、電波透過性の基体の下面にマイクロ波発熱体を有するように構成されているので、それぞれの被加熱物載置手段は下方からのマイクロ波はもちろん、上方からのマイクロ波であっても基体をマイクロ波が透過してくるので、マイクロ波発熱体が確実にマイクロ波を吸収し、十分な発熱量を得ることができる。そして、加熱室平面の略全面積を占める被加熱物載置手段の下面のうち、発熱体加熱手段を除く部分は金属製カバーが設けられて加熱室平面の略全面積を覆っているので、発熱体加熱手段を外れたマイクロ波は、被加熱物載置手段に設けた金属製カバーと加熱室の壁面で反射されて発熱体加熱手段に届くことになる。したがって、発熱体加熱手段で吸収されずに裏面に回り込んで食品に吸収されるマイクロ波を防止し抑制できるので、マイクロ波の入りすぎで食品のサクサク感がなくなったり、水分がなくなるなどの食感や風味を損なうことを防ぎ、被加熱物の加熱性能や食品の調理性能が向上する。
第3の発明は、特に、第2の発明のマイクロ波加熱手段を複数個有し、前記第一の給電口からマイクロ波を照射できるように接続された第一のマイクロ波加熱手段と、前記第二の給電口からマイクロ波を照射できるように接続された第二のマイクロ波加熱手段とを備えたことにより、被加熱物上方の第一の被加熱物載置手段と下方の第二の被加熱物載置手段のそれぞれの発熱体加熱手段に確実にマイクロ波を照射して発熱させ、それぞれの発熱量を個別に設定制御することが可能となり、所望の焼き色や焦げ目をつける精緻な加熱制御ができるので被加熱物の加熱性能や食材の調理性能が向上する。
第4の発明は、特に、第2または第3のいずれか1つの発明において、前記第一の被加熱物載置手段および前記第二の被加熱物載置手段のうちの少なくとも一方の配置有無を検出する配置検出手段を備えたことにより、制御手段が配置検出手段の出力信号に基づき発熱体加熱手段の有無を判別できるので、発熱体加熱手段が有ると判断したときに発熱体加熱手段が加熱室内に有ることや、発熱体加熱手段によって可能なグリル調理といった焼き色を付ける加熱パターンを、表示手段や音声手段といった報知手段によって使用者に知ら
せることができる。これにより、食感や焼き色の異なる調理モードを好みに応じて使用者が分かり易く選択できる。
第5の発明は、特に第4の発明において、前記被加熱物を加熱するパターンを複数の中から選択設定できる加熱モード選択手段と、前記加熱モード選択手段の設定に基づき加熱制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記配置検出手段の出力信号に基づき、前記第一の被加熱物載置手段及び前記第二の被加熱物載置手段のうちの少なくとも一つの被加熱物載置手段が有ると判断したときは被加熱物への誘電加熱単独加熱モードの選択を禁止するようにしたことにより、使用者が誘電加熱単独加熱を意味するあたため加熱で加熱したいときに誤って発熱体加熱手段が加熱室内に入れられていても、制御手段が発熱体加熱手段の有無を判別して、加熱室内に少なくとも一つの被加熱物載置手段が有る場合はあたため加熱の選択を禁止するので、誤った加熱パターンが進行して調理に失敗するなどの使用者の誤使用を防止できる。
以下、本発明の被加熱物載置手段とそれを用いたマイクロ波加熱装置に係る好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態のマイクロ波加熱装置においては加熱調理器を用いて説明するが、加熱調理器は例示であり、本発明のマイクロ波加熱装置としては加熱調理器に限定されるものではなく、マイクロ波加熱である誘電加熱を利用した加熱装置を含むものである。したがって、本発明は、以下の実施の形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成を含むものである。
(実施の形態1)
本発明に係る実施の形態1としては、被加熱物載置手段とそれを用いたマイクロ波加熱装置における加熱調理器について説明する。
図1は、本発明に係る実施の形態1のマイクロ波加熱装置としての加熱調理器における概略構成を示す側面断面図である。
図1において、本実施の形態1の加熱調理器は筐体10、ドア11、表示操作パネル12から構成され、加熱調理器の外観を構成する筐体10の内部には被加熱物である食品14を誘電加熱(マイクロ波加熱)と、あるいは焼き色や焦げ目をつける加熱調理をするための加熱室15が設けられている。即ち、加熱室15においては、被加熱物である食品14が収納されて、食品14にマイクロ波を放射してマイクロ波加熱している。
鋼鈑により形成された加熱室15の天井壁面における中央付近には給電室16が設けられており、給電室16の内部には電波撹拌手段としての回転アンテナの上給電部17が配置されている。給電室16の壁面は、上給電部17から放射されたマイクロ波を反射する材料で構成されており、給電室16の外側へマイクロ波が漏洩しないよう遮蔽構造を有している。回転アンテナの上給電部17は、上導波管18に形成され結合孔である第一の給電口19から導出するよう設けられている。上導波管18は、マイクロ波加熱手段である上マグネトロン20からのマイクロ波を上給電部17に伝送する。上マグネトロン20は、加熱室15において被加熱物である食品14をマイクロ波加熱するためのマイクロ波を生成している。上給電部17に伝送されたマイクロ波は、加熱室15内に放射される。上マグネトロン20は、加熱室15の天面側に配置された上導波管18おける右側端部(図1参照)に配置されており、上導波管18に対して上マグネトロン20の発振アンテナである上マグネトロン出力部21が上向きに挿入されている。上導波管18の水平部に形成された第一の給電口19には、回転アンテナである上給電部17が設けられている。上給電部17は、平板素子22aと垂直軸素子22bで構成されている。上給電部17の垂直軸素子22bはモータ23に接続されている。モータ23の駆動により垂直軸素子22b
が回動されて、平板素子22aが回転する構成である。上給電部17は、上導波管18の水平伝送路に結合されており、上導波管18を伝送したマイクロ波が上給電部17の平板素子22aにより加熱室15内に放射される。
加熱室15の天井壁面の略中央には、回転する平板素子22aを収納する円筒形状の給電室16が設けられている。上導波管18の水平部の下面に形成された第一の給電口19は、給電室16の上端部に形成された開口に接続されて結合孔として一体となって機能しており、上導波管18と上給電部17との結合部分は、給電口として所定の直径が確保されている。
図1に示すように、加熱室15の天井壁面において、給電室16の下端となる開口部分にカバー24が設けられている。カバー24は、マイカ製であり、上給電部17の平板素子22a等に対して加熱室15内の食品から飛び散った汚れ等が付着しないように設けられている。なお、カバー24は低損失誘電材料であるマイカを用いた例で説明したが、マイカに限定されるものではなく、セラミックやガラス等の材料を用いても同様の効果を奏する。
一方、加熱室15の底面における中央付近には電波撹拌手段としての回転アンテナの下給電部26が配置されている。回転アンテナの下給電部26は下導波管27に形成され結合孔である第二の給電口28から導出するよう設けられている。下導波管27は、マイクロ波加熱手段である下マグネトロン29からのマイクロ波を下給電部26に伝送する。下マグネトロン29は、加熱室15において被加熱物である食品14をマイクロ波加熱するためのマイクロ波を生成している。下給電部26に伝送されたマイクロ波は、加熱室15内に放射される。下マグネトロン29は、加熱室15の底面側に配置された下導波管27おける右側端部(図1参照)に配置されており、下導波管27に対して下マグネトロン29の発振アンテナである下マグネトロン出力部30が下向きに挿入されている。そして加熱室15内部の下給電部26のすぐ上方には、マイクロ波透過材料の板材で加熱室の下面全面に設けた皿受台31が、回転アンテナとのクリアランスを設けて設置され、食品14をマイクロ波の誘電加熱だけで加熱調理する場合は皿受台31に食品14を直接載せることができるようになっている。
図2は実施の形態1の加熱調理器における図1のA−A部での正面断面図、図3は本発明に係る実施の形態1の被加熱物載置手段を示す詳細断面図である。
図1から図3に示すように、加熱室15の内部には、電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され、加熱室15を水平面で切断した断面積の略全面積を占めるように形成された第一の被加熱物載置手段である第一のグリル皿34と、同様に構成された第二の被加熱物載置手段である第二のグリル皿35とが設けられている。
この二つの第一のグリル皿34と第二のグリル皿35の基体は、板状または皿状体で構成され、誘電損失の小さいセラミックでできた縁有りの角皿として形成されることで電波透過性を有し、その下面に加熱室15内部に照射されるマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成される発熱体加熱手段36が設けられている。
この二つの第一のグリル皿34と第二のグリル皿35の各々の下面の発熱体加熱手段36以外のセラミックが露出する部分には、金属板を絞り加工して形成された金属製カバー39がビス40により固定されて、下面のセラミック部分を覆い電波反射性を有している。上方に配置された第一の被加熱物載置手段である第一のグリル皿34は、加熱室15の左右両側の側壁面を棚形状に成形した第一の配置手段37に載せられて、加熱室15の天井壁面側(上側)に脱着可能に配置されている。
他方、下方に配置された第二の被加熱物載置手段である第二のグリル皿35は、第一の配置手段37と同様に加熱室15の左右側壁面を棚形状に成形した第二の配置手段38に載せられて加熱室15の底面側(下側)に脱着可能に配置されている。
そして、二つの第一のグリル皿34と第二のグリル皿35は同一構成・同一形状で、二つを入れ替えることが可能な全く同じ被加熱物載置手段となっている。この角皿形状の第一のグリル皿34または第二のグリル皿35の上に被加熱物である食品14を載せることで、加熱室15内の所望の高さに食品を配置することができる。
第一のグリル皿34、第二のグリル皿35に設けられた発熱体加熱手段36は磁性材料としてフェライト粉末などを用い、この磁性材料を、シリコーンゴムなどの有機化合物によるバインダーに含有させ複合組成物としたものを用いている。
シリコーンゴムはフェライト粉末との分散性に優れているため、多量のフェライト粉末を含有させ、高い発熱性能を実現させている。また、シリコーンゴムを架橋剤によって架橋させることにより、高い耐熱性や優れた耐化学薬品性を発現させている。
そして、このように構成したマイクロ波発熱材料を用いてプレス機などによる熱プレスにより、発熱体加熱手段36は第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の下面にマイクロ波発熱材料を接着した一体構成で配置している。
第二のグリル皿35の上に載せられた、被加熱物である食品14は、すぐ裏面の発熱体加熱手段36と、上方にある第一のグリル皿34下面の発熱体加熱手段36とにより挟まれて上下方向から加熱される。
第二のグリル皿35裏面からは伝導熱により食品14が加熱され、第一のグリル皿34下面からは主として発熱体加熱手段36による輻射熱により食品14が加熱される。
なお、実施の形態1の加熱調理器においては、第一のグリル皿34と第二のグリル皿35は、加熱室15において複数の棚形状を設けて複数段の配置手段を形成し、二つの上下の間隔を所望の位置に装着できる構成にしてもよい。
上記のように構成された実施の形態1の加熱調理器においては、1つの加熱手段としてマイクロ波による誘電加熱部を上下に有し、他の加熱手段として装着配置した第一のグリル皿34下面の発熱体加熱手段36と、第二のグリル皿35下面の発熱体加熱手段36による輻射熱・伝導熱・対流熱の高温加熱部を有している。
このように、実施の形態1の加熱調理器は、誘電加熱部と脱着可能な高温加熱部とを備えることにより、加熱室15内の被加熱物である食品14に対する所望の加熱調理を行う構成である。
加熱室15の内部において、被加熱物である食品14に対して上方から加熱する第一のグリル皿34下面の発熱体加熱手段36は、加熱室15の天井壁面の給電室16天面に開口する第一の給電口19の下方に配置されている。
即ち、給電室16内の回転アンテナである上給電部17から放射されたマイクロ波により、第一のグリル皿34の発熱体加熱手段36は第一のグリル皿34のセラミック材料を透過してきたマイクロ波を吸収し、発熱する。
他方、加熱室15の内部で食品14に対し下方から加熱する第二のグリル皿35下面の発熱体加熱手段36は、加熱室15の底面に開口する第二の給電口28の上方の皿受台31のさらに上に配置されている。即ち、加熱室15の底部の回転アンテナである下給電部26から放射されたマイクロ波により、第二のグリル皿35下面の発熱体加熱手段36は直接的に照射されてマイクロ波を吸収し、発熱する。
図2において、加熱室15の左側壁の第一の配置手段37および第二の配置手段38の近傍には、第一のグリル皿34と第二のグリル皿35の縁の高さにそれぞれ、絶縁材料でできた細い棒状の検出ピン41が配置されている。検出ピン41はバネ(図示せず)で付勢されて加熱室15の側壁から突出しているが、第一の配置手段37または第二の配置手段38のいずれかに、それぞれ第一のグリル皿34または第二のグリル皿35が載せられて所定位置に配置されると、検出ピン41が加熱室15から外側に押し出されるようになっている。
このように検出ピン41が押し出されることで接点が閉じて、第一のグリル皿34と第二のグリル皿35のそれぞれの配置の有無を検出できる2個の配置検出スイッチ42が、加熱室15の左側壁外側に配置検出手段として設けられている。
この配置検出スイッチ42は、図1に示した表示操作パネル12の近傍の制御手段である制御部46に、表示操作パネル12とともに電気的に接続されている。したがって、制御部46は、配置検出スイッチ42の信号出力を受けて二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の有無を判断し、グリル皿が有りの場合はグリル皿が加熱室15内に有ることを、後述する表示部51や音声発生部47を利用して報知するように構成している。
さらに、制御部46は被加熱物である食品14の加熱モードを表示操作パネル12によって選択設定し、加熱時間や加熱出力を制御する構成となっており、グリル皿が有りの場合に、誘電加熱による単独加熱運転の選択設定を禁止するとともに、使用者になぜ誘電加熱運転の選択設定禁止なのか、および、どのように対処すれば良いのかを知らせるように構成している。
図4は、実施の形態1の加熱調理器における表示操作パネル12の外観図である。図4において、表示操作パネル12には、液晶等を使用した表示部51、加熱モードの選択や加熱時間の選択などを行う加熱モード選択手段であるダイヤル操作部52、加熱運転を開始させるスタートキー53、加熱運転を停止させる取り消しキー54などが設けられている。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その基本動作、作用について説明する。図5は、実施の形態1の加熱調理器を運転するときの使用者と制御部46の動作を示すフローチャートである。
以下、図5を参照しながら、使用者が本実施の形態の加熱調理器を用いて食品の加熱調理を行うときの制御部46の動作について説明する。
まず、使用者は誘電加熱単独による食品14のあたため加熱をする場合、ドア11を開け、第一のグリル皿34および第二のグリル皿35が加熱室15の中に入っている場合は取り出して、食品14を皿受台31に直接載せた後、表示操作パネル12の操作を開始する。
制御部46はその運転開始とともに使用者がダイヤル操作部52やその他のキーなどを操作するまで待機する(ステップS101)。ここで、ドアの開閉検出手段を設けて使用
者のドア操作を検出し使用開始判定することを加えてもよい。
そして、このステップS101で使用者が何らかの操作入力を行い、加熱調理器の使用が開始されたことを判断すると、配置検出スイッチ42により二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の有無を検出する(S102)。
そして、制御部46が配置検出スイッチ42の出力信号に基づき、第一のグリル皿34および第二のグリル皿35の両方が加熱室15に無いことを判定する(S103)。
使用者がダイヤル操作部52を回して、複数の加熱モードの中からあたため加熱を選択した後に加熱時間を設定(S104)すると、制御部46は加熱モードや条件を決定し(S105)、使用者がスタートキー53を押す(S106)ことで、制御部46で所定の条件に運転制御されながらあたため加熱が開始する(S107)。
そして設定時間が経過すると、表示部51や音声発生部47などを利用して加熱が終了したことを使用者に報知し(S108)、運転が終了する。
一方、使用者が第一のグリル皿34と第二のグリル皿35のどちらか一方でも加熱室15の中から取り出すことを忘れていると、ステップS103で制御部46が配置検出スイッチ42の出力信号に基づき、二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の一方または両方が加熱室15に有ると判定する。すると制御部46は誘電加熱単独の加熱モードであるあたため加熱の選択を禁止に設定する(S109)。
したがって、使用者がダイヤル操作部52を回して、複数の加熱モードの中からあたため加熱を選択しようとしても(S110)、選択禁止に設定されているので、選択設定できずに次の加熱時間設定に進むことができない(S111)。
この被加熱物載置手段である第一のグリル皿34と第二のグリル皿35のどちらか一方が有りの場合に、使用者があたため加熱をダイヤル操作部52で選択しようとすると、制御手段である制御部46はグリル皿が加熱室15内に有ることを、表示部51や音声発生部47を利用して報知する(S112)。
これにより、使用者はなぜ誘電加熱単独加熱を意味するあたため加熱運転の選択が不可能なのか、およびどのように対処すれば良いのかが分かるようになっている。
次に、使用者が高温加熱のひとつである、発熱体加熱手段36による食品14のグリル加熱をする場合を説明する。使用者は食品14に焼き色や焦げ目をつけるためグリル加熱をする場合、ドア11を開け、発熱体加熱手段36が接着されて一体になっている第二のグリル皿35の上に食品14を載せて加熱室15の中に入れる。食品14の片面に焼き色を付ければ十分なときは第一のグリル皿34を使用しない。
一方、食品14の両面に同時に焼き色を付けたいときは、食品14を載せた第二のグリル皿35を加熱室15内の第二の配置手段38にセットするとともに第一のグリル皿34も第一の配置手段37に載るよう加熱室15の中にセットした後、表示操作パネル12の操作を開始する。
制御部46はその運転開始とともに使用者がダイヤル操作部52やその他のキーなどを操作するまで待機する(S101)。このステップS101で使用者が何らかの操作入力を行い、加熱調理器の使用が開始されたことを判断すると、配置検出スイッチ42により二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の有無を検出する(S102)。
そして、制御部46が配置検出スイッチ42の出力信号に基づき、第一のグリル皿34または第二のグリル皿35のどちらか一方でも加熱室15に有ることを判定する(S103)。すると制御部46は誘電加熱単独の加熱モードであるあたため加熱の選択を禁止に設定する(S109)。
使用者がダイヤル操作部52を回して、複数の加熱モードの中からグリル加熱を選択する(S110)と、あたため加熱ではないので(S111)、そのまま加熱時間を設定することができる。
すると、制御部46は加熱モードや条件を決定し(S105)、使用者がスタートキー53を押す(S106)ことで、制御部46で所定の条件に運転制御されながらグリル加熱が開始する(S107)。
そして設定時間が経過すると、表示部51や音声発生部47などを利用して加熱が終了したことを使用者に報知し(S108)、運転が終了する。
実施の形態1の加熱調理器においては、このように使用者が誘電加熱単独加熱を意味するあたため加熱したいときに誤って第一のグリル皿34または第二のグリル皿35が加熱室15内に入れられていると、マイクロ波加熱手段である上マグネトロン20と下マグネトロン29から照射されたマイクロ波がマイクロ波発熱体に吸収されるので、所定の加熱時間では必要な温度まで十分に加熱することができなくなる。
加えて、第一のグリル皿34や第二のグリル皿35下面の発熱体加熱手段36により不要な焼き色や焦げが生じることもある。しかしながら配置検出手段である配置検出スイッチ42を備えたことにより、制御手段である制御部46が、配置検出スイッチ42の出力信号に基づき第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の有無を判別できるので、グリル皿が有ると判断したときにグリル皿が加熱室15内に有ることや、第一のグリル皿34、第二のグリル皿35によって可能なグリル調理といった焼き色を付ける加熱パターンを、表示部51や音声発生部47といった報知手段によって使用者に知らせることができる。
これにより、食感や焼き色の異なる調理モードを好みに応じて使用者が分かり易く選択できる。
また、実施の形態1の加熱調理器においては、使用者があたため加熱で加熱したいときに誤って被加熱物載置手段である第一のグリル皿34、第二のグリル皿35が加熱室15内に入れられていても、制御部46が第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の有無を判別して、加熱室15内に少なくとも一つのグリル皿が有る場合はあたため加熱の選択を禁止するので、誤った加熱パターンが進行して調理に失敗するなどの使用者の誤使用を防止できる。
実施の形態1の加熱調理器においては、加熱室15内にマイクロ波を照射する上マグネトロン20と下マグネトロン29と、加熱室15内で照射されるマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段36を接着した被加熱物載置手段である第一のグリル皿34、第二のグリル皿35とを備え、第一の配置手段37によって加熱室15の上方に第一の被加熱物載置手段である第一のグリル皿34を配置し、第二の配置手段38によって加熱室15の下方に第二の被加熱物載置手段である第二のグリル皿35を配置するとともに、第一のグリル皿34よりも上方の第一の給電口19から上マグネトロン20のマイクロ波を照射し、第二のグリル皿35よりも下方の第二の給電口28から下マグネトロン29のマイクロ波を照射するよう構成したことにより、マイクロ
波発熱体によって構成された発熱体加熱手段36を有する二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35で食品14を挟んで加熱することになる。
したがって、マイクロ波の照射により誘電加熱するだけのマイクロ波加熱装置であっても、マイクロ波の照射により高温になったマイクロ波発熱体を有する二つの被加熱物載置手段で、簡単構成で食品14の両面に焼き色や焦げ目をつけることができ、クリスピー感などの食感や風味を食品に与えることができるようになる。
また、マイクロ波単独での誘電加熱のみで食品14のあたためを行う場合は、二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35を取り外すことで、マイクロ波の損失を生じやすいヒータなどの高温発熱体が加熱室15内に配されることが無いので効率的に誘電加熱でき、逆にマイクロ波の供給部品によって加熱室内の上下ヒータの配置が制限されるといったことがない。
そして、二つの第一のグリル皿34、第二のグリル皿35を取り付けることで焼き色や焦げ目をつけるグリル調理が実現でき、配置制限されない発熱体加熱手段によって加熱分布を均一にできる。
そして、被加熱物載置手段である第一のグリル皿34、第二のグリル皿35においては、下方から照射されたマイクロ波のうち、発熱体加熱手段36に直接届いたものは発熱体加熱手段36がマイクロ波を吸収し発熱する。
一方、第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の発熱体加熱手段36を除く部分は金属製カバーが設けられているので、発熱体加熱手段36を外れたマイクロ波は金属性カバーと加熱室の壁面の間で反射されて発熱体加熱手段36に届くことになり、発熱体加熱手段36が確実にマイクロ波を吸収し、十分な発熱量を得ることができる。
また、マイクロ波を被加熱物載置手段(グリル皿)の上方から照射した場合は、誘電損失の小さい電波透過性の基体の下面にマイクロ波発熱体を有するように構成されているので、被加熱物載置手段の上方からのマイクロ波であっても基体をマイクロ波が透過してくる。
そして、透過してきたマイクロ波の発熱体加熱手段36を外れたものも金属性カバーで反射されて、下方からの場合と同様に発熱体加熱手段36に届くことになるので、マイクロ波発熱体が確実にマイクロ波を吸収し、十分な発熱量を得ることができる。
したがって、被加熱物載置手段を取り付けることで焼き色や焦げ目をつけるグリル調理が実現できる。
さらに、二つの被加熱物載置手段である第一のグリル皿34、第二のグリル皿35は、電波透過性の基体の下面にマイクロ波発熱体を有するように構成されているので、それぞれの被加熱物載置手段は下方からのマイクロ波はもちろん、上方からのマイクロ波であっても基体をマイクロ波が透過してくるので、マイクロ波発熱体が確実にマイクロ波を吸収し、十分な発熱量を得ることができる。
そして、加熱室平面の略全面積を占める第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の下面のうち、発熱体加熱手段36を除く部分は金属製カバーが設けられて加熱室平面の略全面積を覆っているので、発熱体加熱手段36を外れたマイクロ波は第一のグリル皿34、第二のグリル皿35の金属製カバーと加熱室の壁面で反射されて発熱体加熱手段36に届くことになる。
したがって、発熱体加熱手段36で吸収されずに裏面に回り込んで食品14に吸収されるマイクロ波を防止し抑制できるので、マイクロ波の入りすぎで食品14のサクサク感がなくなったり、水分がなくなるなどの食感や風味を損なうことを防ぎ、被加熱物の加熱性能や食品の調理性能が向上する。
下方に配した第二のグリル皿35は、発熱体加熱手段を有する皿状の加熱トレーを形成できるので、被加熱物から滴下する油でマイクロ波加熱装置内に汚れが飛び散ったり、下ヒータに滴下して発煙や発火が生じることを防止可能となる。
また、第一のグリル皿34、第二のグリル皿35は上下同じものを用いるので、製造する際には部品点数が減り管理が容易になってコストダウンが可能になるとともに、使用者にとっても上下同じものなので、上下グリル皿の取り違えによる誤装着を防止するとともに、万一使用者が上下を逆に使用しても基体を透過してマイクロ波が発熱体加熱手段に吸収されるので発熱量を確保したグリル調理が可能となり、使いやすさを向上できる。
実施の形態1の加熱調理器においては、マイクロ波加熱手段として上マグネトロン20と下マグネトロン29の二つを有し、上マグネトロン20は第一の給電口19からマイクロ波を照射できるように接続され、下マグネトロン29は第二の給電口28からマイクロ波を照射できるように接続されているので、被加熱物である食品14の上方にある第一のグリル皿34と下方の第二のグリル皿35のそれぞれの発熱体加熱手段36の発熱量を、制御部46において個別に設定制御することが可能となり、所望の焼き色や焦げ目をつける精緻な加熱制御ができるので被加熱物の加熱性能や食品の調理性能が向上する。
なお、実施の形態1の加熱調理器においては、二つの第一の給電口19、第二の給電口28と二つの上マグネトロン20、下マグネトロン29を有する構成について説明したが、上下二つの給電口と一つのマグネトロンの組合せで、マグネトロンが設けられた導波管から上導波管と下導波管が分岐する構成(図示せず)であってもよい。
この場合、第一のグリル皿34と第二のグリル皿35とが有する発熱体加熱手段36のサイズや量をそれぞれ最適化することで、上下の発熱量を好適な比率に設定することもできるので、本実施の形態1と同様の効果を奏する。
以上のように、実施の形態1において説明したように、本発明のマイクロ波加熱装置においては、加熱室内に上下からマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段と第一と第二の給電口を設け、加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され被加熱物を載置可能な第一と第二の被加熱物載置手段であるグリル皿を加熱室内の上下に配置し、加熱室内で照射されるマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段を上下二つのグリル皿の下面の一部に設け、発熱体加熱手段以外のグリル皿の下面部分に金属製カバーを設けて、上下の給電口から発熱体加熱手段にマイクロ波を照射できるよう構成したことにより、マイクロ波によって高温になった二つの被加熱物載置手段で被加熱物を挟んで加熱することになり、マイクロ波により誘電加熱するマイクロ波加熱装置でも、簡単構成で被加熱物の両面に焼き色や焦げ目をつけることができるようになる。
また、マイクロ波単独での誘電加熱のみで加熱を行う場合は、二つの被加熱物載置手段を取り外しマイクロ波の損失を防止して効率的に誘電加熱できる。そして、配置が制限されることなく二つの被加熱物載置手段を取り付けることで焼き色や焦げ目をつける加熱が可能となり、加熱分布を均一にできる。このように、誘電加熱の効率向上と被加熱物の表面色や表面状態含む加熱性能の向上を図ることができる。
以上のように、本発明にかかる被加熱物載置手段とそれを用いたマイクロ波加熱装置は、食品にマイクロ波を放射して誘電加熱する加熱調理器、特にオーブン、グリル、過熱スチームなどのその他の加熱と併用する加熱調理器の他に、乾燥装置、陶芸用加熱装置などの各種工業用途におけるマイクロ波加熱装置等の用途に有用である。
14 食品(被加熱物)
15 加熱室
19 第一の給電口
20 上マグネトロン(マイクロ波加熱手段)
28 第二の給電口
29 下マグネトロン(マイクロ波加熱手段)
34 第一のグリル皿(第一の被加熱物載置手段)
35 第二のグリル皿(第二の被加熱物載置手段)
36 発熱体加熱手段
39 金属製カバー
42 配置検出スイッチ(配置検出手段)
46 制御部(制御手段)
52 ダイヤル操作部(加熱モード選択手段)

Claims (5)

  1. 被加熱物を収納した状態でマイクロ波加熱手段によってマイクロ波が照射される加熱室で用いるための、被加熱物を載置可能な被加熱物載置手段であって、
    前記加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され、前記基体の下面の一部に形成され、前記マイクロ波加熱手段によって照射されたマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段と、
    前記基体の下面において前記発熱体加熱手段が形成された以外の下面部分に形成された金属製カバーを備えた被加熱物載置手段。
  2. 被加熱物を収納する加熱室と、
    前記加熱室内に収納された被加熱物へマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段と、
    前記加熱室平面の略全面積を占める電波透過性の非金属材料を使用した基体で構成され、前記基体の下面の一部に形成され、前記マイクロ波加熱手段によって照射されたマイクロ波を吸収して発熱するマイクロ波発熱体によって構成された発熱体加熱手段と、前記基体の下面において前記発熱体加熱手段が形成された以外の下面部分に形成された金属製カバーを備えた第一と第二の被加熱物載置手段と、
    前記マイクロ波加熱手段からのマイクロ波を前記加熱室内に導入するために前記加熱室の壁面に設けた第一と第二の給電口とを備え、
    前記第一の被加熱物載置手段は前記加熱室の上方に配置され、
    前記第二の被加熱物載置手段は前記加熱室の下方に配置され、
    前記第一の給電口は前記第一の被加熱物載置手段よりも上方の前記加熱室の壁面に設け、前記第二の給電口は前記第二の被加熱物載置手段よりも下方の前記加熱室の壁面に設けたマイクロ波加熱装置。
  3. 前記マイクロ波加熱手段を複数個有し、前記第一の給電口からマイクロ波を照射できるように接続された第一のマイクロ波加熱手段と、前記第二の給電口からマイクロ波を照射できるように接続された第二のマイクロ波加熱手段とを備えた請求項2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 前記第一の被加熱物載置手段および前記第二の被加熱物載置手段のうちの少なくとも一方の配置有無を検出する配置検出手段を備えた請求項2または請求項3に項記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 前記被加熱物を加熱するパターンを複数の中から選択設定できる加熱モード選択手段と、前記加熱モード選択手段の設定に基づき加熱制御する制御手段とを備え、前記制御手段は前記配置検出手段の出力信号に基づき、前記第一の被加熱物載置手段及び前記第二の被加熱物載置手段のうちの少なくとも一つの被加熱物載置手段が有ると判断したときは被加熱物への誘電加熱単独加熱モードの選択を禁止するようにした請求項4に記載のマイクロ波加熱装置。
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