JP2014015962A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用駆動装置の運転状態に応じて、遊星歯車機構への油の供給量を変化させることができることが求められる。
【解決手段】サンギヤSと一体回転し回転電機に駆動連結される第一回転軸AX1と、キャリヤCAと一体回転し内燃機関に駆動連結される第二回転軸AX2と、リングギヤRと一体回転し車輪に駆動連結される出力部材Oと、を備えた車両用駆動装置であって、第一回転軸AX1は筒状部22を備え、第二回転軸AX2は挿入部23を備え、筒状部22の内周面72と挿入部23の外周面73との少なくとも一方に螺旋状の溝SPが形成され、螺旋状の溝SPは、第一回転軸AX1の回転速度が第二回転軸AX2の回転速度より高い場合に、遊星歯車機構へ供給するための第一排出油路EX1へ流れる油が多くなり、第二回転軸AX2の回転速度が第一回転軸AX1の回転速度より高い場合に、第二排出油路EX2へ流れる油が多くなる向きに形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、サンギヤとキャリヤとリングギヤとを備えた遊星歯車機構と、前記サンギヤと一体回転し、回転電機に駆動連結される第一回転軸と、前記キャリヤと一体回転し、内燃機関に駆動連結される第二回転軸と、前記リングギヤと一体回転し、車輪に駆動連結される出力部材と、を備えた車両用駆動装置に関する。
上記のような車両用駆動装置として、例えば、下記の特許文献1に記載された装置が既に知られている。特許文献1の技術では、第二回転軸の内部に形成された内部油路に連通すると共に第二回転軸の外周面に開口する供給孔が備えられ、供給孔から遊星歯車機構に油が供給されるように構成されている。
特開2011−183946号公報
遊星歯車機構に供給された油は、潤滑のためには有用であるが、遊星歯車機構の各回転要素の回転に対して粘性抵抗を生じる。この粘性抵抗により車輪に伝達されるトルクに損失が生じ、燃費向上の妨げとなる。
上記のような車両駆動装置では、内燃機関の出力トルクが大きい場合は、遊星歯車機構を伝わるトルクが大きくなり、遊星歯車機構の潤滑のために必要とされる供給油量も多くなる。一方、内燃機関の出力トルクが小さい場合は、遊星歯車機構を伝わるトルクが小さくなり、遊星歯車機構の潤滑のために必要とされる供給油量も少なくなる。
そこで、車両用駆動装置の運転状態に応じて、遊星歯車機構への油の供給量を変化させることができる車両用駆動装置が望まれる。
本発明に係る、サンギヤとキャリヤとリングギヤとを備えた遊星歯車機構と、前記サンギヤと一体回転し、回転電機に駆動連結される第一回転軸と、前記キャリヤと一体回転し、内燃機関に駆動連結される第二回転軸と、前記リングギヤと一体回転し、車輪に駆動連結される出力部材と、を備えた車両用駆動装置の特徴構成は、前記第一回転軸及び前記サンギヤを含んで一体回転する部材であるサンギヤ回転部材は、当該サンギヤ回転部材の軸方向における第一方向側の端部である第一端部が開口している筒状部を備え、前記第二回転軸は、前記第一端部を通って前記筒状部の径方向内側に配置される挿入部と、当該第二回転軸の内部に形成された内部油路に連通すると共に前記挿入部の外周面に開口する供給孔と、を備え、前記筒状部の内周面と前記挿入部の外周面との隙間より前記第一方向側には第一排出油路が形成され、前記隙間より前記第一方向の反対方向側には第二排出油路が形成され、前記第一排出油路は、前記供給孔からの油を前記遊星歯車機構へ供給するための油路であり、互いに対向する前記筒状部の内周面と前記挿入部の外周面との少なくとも一方に螺旋状の溝が形成され、前記螺旋状の溝は、前記第一回転軸の回転速度が前記第二回転軸の回転速度より高い場合に、前記第一排出油路へ流れる油が前記第二排出油路へ流れる油よりも多くなり、前記第二回転軸の回転速度が前記第一回転軸の回転速度より高い場合に、前記第二排出油路へ流れる油が前記第一排出油路へ流れる油よりも多くなる向きに形成されている点にある。
なお、本願において「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
また、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が一又は二以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いている。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材が含まれ、例えば、軸、歯車機構、摩擦係合要素、ベルト、チェーン等が含まれる。
上記のような遊星歯車機構を備えた車両駆動装置では、内燃機関の出力トルクが増加される場合に、内燃機関の回転速度も上昇される。このため、内燃機関に駆動連結されるキャリヤの回転速度は、出力部材に駆動連結されるリングギヤの回転速度に対して上昇する。この結果、遊星歯車機構における各回転要素の回転速度の関係から、キャリヤの回転速度よりもサンギヤの回転速度が高くなり、サンギヤと一体回転する第一回転軸の回転速度が、キャリヤと一体回転する第二回転軸の回転速度より高くなる。よって、第一回転軸の回転速度が、第二回転軸の回転速度より高い場合に、内燃機関の出力トルクの増加により遊星歯車機構を伝わるトルクが大きくなり、遊星歯車機構への潤滑油の供給量を多くする必要がある。
一方、内燃機関の出力トルクが減少される場合に、内燃機関の回転速度も低下される。このため、キャリヤの回転速度は、リングギヤの回転速度に対して低下する。この結果、キャリヤの回転速度よりもサンギヤの回転速度が低くなり、キャリヤと一体回転する第二回転軸の回転速度が、サンギヤと一体回転する第一回転軸の回転速度より高くなる。よって、第二回転軸の回転速度が、第一回転軸の回転速度より高い場合に、内燃機関の出力トルクの減少により遊星歯車機構を伝わるトルクが小さくなり、遊星歯車機構への潤滑油の供給量を減少させることができる。
上記のように螺旋状の溝の向きが形成されているので、第一回転軸の回転速度が第二回転軸の回転速度より高い場合に、供給孔からの油を遊星歯車機構へ供給するための第一排出油路へ流れる油が第二排出油路に流れる油よりも多くなる。よって、遊星歯車機構に供給される油量を増加させることができ、内燃機関の出力トルクの増加により伝達トルクの大きくなった遊星歯車機構への油の供給量を増加させて適切に潤滑させることができる。
一方、第二回転軸の回転速度が第一回転軸の回転速度より高い場合に、第二排出油路へ流れる油が第一排出油路へ流れる油よりも多くなる。よって、内燃機関の出力トルクの減少により潤滑の必要性の低くなった遊星歯車機構へ供給される油量を減少させることができ、供給された油の粘性抵抗による遊星歯車機構のトルク損失を減少させることができる。
また、上記の構成によれば、筒状部の内周面と挿入部の外周面との隙間より第一方向側には第一排出油路が形成され、隙間より第一方向の反対方向側には第二排出油路が形成されている。このため、螺旋状の溝により、回転速度の相対関係に応じて隙間を流れる油の流れ方向を変化させることで、供給孔から隙間に供給された油を、選択的に第一排出油路又は第二排出油路に排出させることができる。よって、螺旋状の溝の形成というメカニカルな構成により、潤滑の必要性と相関のある回転速度の相対関係に応じて、遊星歯車機構への油の供給量を制御することができる。
ここで、前記第二排出油路は、前記供給孔からの油を前記回転電機へ供給するための油路であると好適である。
この構成によれば、遊星歯車機構に供給するための第一排出油路へ流れずに、第二排出油路に流れた油を、回転電機に供給することができ、回転電機の冷却に有効利用することができる。
ここで、前記第一回転軸は、前記サンギヤから前記軸方向に沿って前記第一端部側とは反対側へ向かって延びるように配置され、前記キャリヤと前記第二回転軸とを連結する連結部材が、前記第一端部よりも前記第一方向側において前記サンギヤ回転部材の径方向に延びるように配置されていると好適である。
この構成によれば、サンギヤと一体回転する第一回転軸は、軸方向に沿って第一端部側とは反対側へ向かって延びるように配置されているので、サンギヤ回転部材の第一端部の第一方向側には、第一回転軸は配置されない。よって、上記の構成のように、第一端部よりも第一方向側において、連結部材をサンギヤ回転部材の径方向に延びるように配置することが容易となる。
また、隙間から第一排出油路へ流れた油を、第一端部と連結部材との間を通って径方向外側に導くことができ、サンギヤ回転部材の径方向外側に配置された遊星歯車機構に供給することができる。
ここで、前記出力部材は、筒状に形成された出力筒状部を有し、前記出力筒状部の径方向内側に前記遊星歯車機構が配置されていると共に前記出力筒状部の内周面に前記リングギヤが一体的に形成され、前記遊星歯車機構の軸方向両側にそれぞれ前記出力筒状部を径方向内側から回転可能に支持する支持機構が配置されていると好適である。
この構成によれば、遊星歯車機構は、出力部材の出力筒状部と、出力筒状部の軸方向両側端部をそれぞれ支持する支持機構と、により囲まれた収容空間に収容される。このため、遊星歯車機構に供給された油は収容空間内に溜まり易くなる。収容空間内に溜まった油は、遊星歯車機構及び支持機構に供給され潤滑に用いられる。すなわち、収容空間内に油を溜めることにより、遊星歯車機構及び支持機構を効率よく潤滑できる。一方、収容空間内に溜まった油は、潤滑のためには有用であるが、遊星歯車機構の各回転要素の回転により生じる粘性抵抗が大きくなる。このような収容空間を有する構成でも、上記のように、螺旋状の溝が形成されているので、収容空間内に溜まる油を適切に制御することができる。すなわち、内燃機関の出力トルクが増加した場合に、収容空間に溜まる油量を増加させることができ、潤滑の必要性の高くなった遊星歯車機構及び支持機構に効率よく油を供給することができる。一方、内燃機関の出力トルクが減少した場合に、収容空間内に溜まる油量を減少させることができ、収容空間内に溜まった油の粘性抵抗によるトルク損失を大幅に減少させることができる。
本発明の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図である。 本発明の実施形態に係る車両用駆動装置の軸方向に直交する面における要部断面図である。 本発明の実施形態に係るサンギヤ回転部材の筒状部の内周面に形成される螺旋状の溝を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る第二回転軸の挿入部の外周面に形成される螺旋状の溝を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る筒状部の内周面に形成される螺旋状の溝の作用を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る挿入部の外周面に形成される螺旋状の溝の作用を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る遊星歯車機構の速度線図である。 本発明のその他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図である。
本発明に係る車両用駆動装置1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両用駆動装置1の概略構成を示すスケルトン図である。
本実施形態では、図1に示すように、車両用駆動装置1は、サンギヤSとキャリヤCAとリングギヤRとを備えた遊星歯車機構PGと、サンギヤSと一体回転し、第一回転電機MG1に駆動連結される第一回転軸AX1と、キャリヤCAと一体回転し、エンジンEに駆動連結される第二回転軸AX2と、リングギヤRと一体回転し、車輪Wに駆動連結される出力部材Oと、を備えている。なお、第一回転電機MG1が、本発明における「回転電機」に相当する。
このような構成において、図1及び図2に示すように、第一回転軸AX1及びサンギヤSを含んで一体回転する部材であるサンギヤ回転部材20は、当該サンギヤ回転部材20の軸方向における第一方向X1(以下、軸第一方向X1と称す)側の端部である第一端部21が開口している筒状部22を備えている。
また、図2に示すように、第二回転軸AX2は、第一端部21を通って筒状部22の径方向内側に配置される挿入部23と、当該第二回転軸AX2の内部に形成された内部油路L1に連通すると共に挿入部23の外周面73に開口する供給孔H1と、を備えている。筒状部22の内周面72と挿入部23の外周面73との隙間GPより軸第一方向X1側には第一排出油路EX1が形成され、隙間GPより軸第一方向X1の反対方向である軸第二方向X2側には第二排出油路EX2が形成されている。ここで、第一排出油路EX1は、供給孔H1からの油を遊星歯車機構PGへ供給するための油路である。
そして、図2及び図3に示すように、互いに対向する筒状部22の内周面72と挿入部23の外周面73との少なくとも一方に螺旋状の溝SPが形成されている。
螺旋状の溝SPは、第一回転軸AX1の回転速度が第二回転軸AX2の回転速度より高い場合に、第一排出油路EX1へ流れる油が第二排出油路EX2へ流れる油よりも多くなり、第二回転軸AX2の回転速度が第一回転軸AX1の回転速度より高い場合に、第二排出油路EX2へ流れる油が第一排出油路EX1へ流れる油よりも多くなる向きに形成されている点に特徴を有している。
以下、本実施形態に係る車両用駆動装置1について、詳細に説明する。
1.車両用駆動装置1の概略構成
本実施形態では、図1に示すように、車両用駆動装置1は、第一回転電機MG1に加えて第二回転電機MG2を備えている。第二回転電機MG2は、出力部材Oと車輪Wとの間の動力伝達経路に駆動連結されている。車両用駆動装置1は、いわゆる2モータスプリットタイプのハイブリッド車両の駆動装置とされている。
本実施形態では、出力部材Oは、カウンタギヤ機構Ct、出力用差動歯車装置DFなどを介して車輪Wに駆動連結されており、第二回転電機MG2は、カウンタギヤ機構Ctに駆動連結されている。
まず、本実施形態に係る車両用駆動装置1の全体構成について説明する。図1に示すように、第二回転軸AX2はエンジンEに駆動連結されている。ここで、エンジンEは燃料の燃焼により駆動される内燃機関であり、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの公知の各種エンジンを用いることができる。本例では、第二回転軸AX2は、ダンパDPを介して、エンジンEのクランクシャフト等のエンジン出力軸Eoに駆動連結されている。なお、第二回転軸AX2がダンパDPに加えてクラッチ等を介して、或いは、ダンパDPやクラッチ等を介さずに直接エンジン出力軸Eoに駆動連結された構成としても好適である。
第一回転電機MG1は、ケース2に固定された第一ステータSt1と、当該第一ステータSt1の径方向内側に回転自在に支持された第一ロータRo1と、を有している。第一ロータRo1は、第一回転軸AX1を介して遊星歯車機構PGのサンギヤSと一体回転するように駆動連結されている。第一ステータSt1には、コイルCo1が取り付けられており、第一ステータSt1の軸方向両側にコイルCo1のコイルエンド部が突出している。第一回転電機MG1は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能とされている。そのため、第一回転電機MG1は、不図示の蓄電装置と電気的に接続されている。本例では、第一回転電機MG1は、主に遊星歯車機構PGを介して入力される第二回転軸AX2(エンジンE)のトルクにより発電を行い、蓄電装置に充電し、或いは第二回転電機MG2を駆動するための電力を供給するジェネレータとして機能する。但し、車両の高速走行時やエンジンEの始動時等には第一回転電機MG1は力行して駆動力を出力するモータとして機能する場合もある。
第二回転電機MG2は、ケース2に固定された第二ステータSt2と、当該第二ステータSt2の径方向内側に回転自在に支持された第二ロータRo2と、を有している。第二ロータRo2は、第二ロータ軸36を介して出力ギヤ37と一体回転するように駆動連結されている。第二回転電機MG2は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを果たすことが可能とされている。そのため、第二回転電機MG2も、蓄電装置と電気的に接続されている。本例では、第二回転電機MG2は、主に車両を走行させるための駆動力を補助するモータとして機能する。ただし、車両の減速時等には、第二回転電機MG2は車両の慣性力を電気エネルギとして回生するジェネレータとして機能する場合もある。
本実施形態においては、遊星歯車機構PGは、第二回転軸AX2と同軸上に配置されたシングルピニオン型の遊星歯車機構とされている。すなわち、遊星歯車機構PGは、複数のピニオンギヤPを支持するキャリヤCAと、ピニオンギヤPにそれぞれ噛み合うサンギヤS及びリングギヤRと、の3つの回転要素を有している。
図7は、遊星歯車機構PGの速度線図である。この速度線図において、縦軸は、各回転要素の回転速度に対応している。回転速度がゼロより上側が正回転(回転速度が正)、下側が負回転(回転速度が負)である。そして、並列配置された複数本の縦線のそれぞれが、遊星歯車機構PGのリングギヤR、キャリヤCA、及びサンギヤSに対応している。並列配置された複数本の縦線間の間隔は、遊星歯車機構PGのギヤ比λ(サンギヤとリングギヤとの歯数比=〔サンギヤの歯数〕/〔リングギヤの歯数〕)に基づいて定まっている。図7に示すように、遊星歯車機構PGが有するこれら3つの回転要素は、回転速度の順にサンギヤS、キャリヤCA、及びリングギヤRとなっている。なお、「回転速度の順」は、高速側から低速側に向かう順、又は、低速側から高速側に向かう順のいずれかであり、遊星歯車機構PGの回転状態によりいずれともなり得るが、いずれの場合にも回転要素の順は変わらない。
サンギヤSは、第一回転軸AX1と一体回転し、第一回転軸AX1は、第一回転電機MG1と一体回転するように駆動連結されている。キャリヤCAは、第二回転軸AX2と一体回転し、第二回転軸AX2は、エンジンEと一体回転するように駆動連結されている。リングギヤRは、出力部材Oと一体回転するように連結され、出力部材Oは、車輪Wに駆動連結されている。
カウンタギヤ機構Ctは、出力部材Oの回転方向を逆転させると共に当該出力部材Oから伝達されるトルクを車輪W側へ伝達する。このカウンタギヤ機構Ctは、カウンタ軸41と第一ギヤ42と第二ギヤ43とを有して構成されている。第一ギヤ42は、出力部材Oと一体回転する出力ギヤ40に噛み合っている。また、第一ギヤ42は、出力ギヤ40とは周方向の異なる位置で第二回転電機MG2の出力ギヤ37にも噛み合っている。第二ギヤ43は、後述する出力用差動歯車装置DFが有する差動入力ギヤ46に噛み合っている。従って、カウンタギヤ機構Ctは、出力部材Oの出力ギヤ40及び第二回転電機MG2の出力ギヤ37の回転方向を逆転させると共に、出力部材Oの出力ギヤ40に伝達されるトルク及び第二回転電機MG2のトルクを出力用差動歯車装置DFへ伝達させる。
出力用差動歯車装置DFは、差動入力ギヤ46を有し、当該差動入力ギヤ46に伝達されるトルクを複数の車輪Wに分配して伝達する。本例では、出力用差動歯車装置DFは、互いに噛み合う複数の傘歯車を用いた差動歯車機構とされており、カウンタギヤ機構Ctの第二ギヤ43を介して差動入力ギヤ46に伝達されるトルクを分配して、それぞれ車軸38を介して左右2つの車輪Wに伝達する。
本実施形態に係る車両用駆動装置1は、遊星歯車機構PG、第一回転軸AX1、第二回転軸AX2、第一回転電機MG1、及びエンジンEが同軸上に配置され、第二回転電機MG2は、第一回転電機MG1等とは異なる軸上に配置されている。
2.車両用駆動装置1の要部構成
次に、本実施形態に係る車両用駆動装置1の要部構成について説明する。
<ケース2>
図2に示すように、遊星歯車機構PG及び出力部材O等の車両用駆動装置1の各構成部品は、ケース2の歯車収容室25内に収容されている。
ケース2は、遊星歯車機構PG及び出力部材Oの外周を覆うように形成された周壁10を備えている。また、ケース2は、周壁10の軸第一方向X1側の端部開口を塞ぐように、遊星歯車機構PG及び出力部材Oの軸第一方向X1側において径方向に延在する第一径方向延在壁4を備えている。ケース2は、周壁10の軸第二方向X2側の端部開口を塞ぐように、遊星歯車機構PG及び出力部材Oの軸第二方向X2側において径方向に延在する第二径方向延在壁7を備えている。これら周壁10、第一径方向延在壁4、及び第二径方向延在壁7に囲まれて、歯車収容室25が形成されている。
第一径方向延在壁4の径方向内側(中心部)には、軸方向の貫通孔が形成されており、この貫通孔に挿通される第二回転軸AX2が第一径方向延在壁4を貫通して歯車収容室25内に挿入されている。第一径方向延在壁4の径方向内側端部は、第一入力支持軸受64を介して、第二回転軸AX2を径方向外側から回転可能に支持している。
第一径方向延在壁4は、出力部材Oの径方向内側まで、軸第二方向X2に突出している第一出力突出部6を備えている。第一出力突出部6の外周面6aは、第一出力支持軸受61を介して、出力部材Oを径方向内側から回転可能に支持している。
第二径方向延在壁7の径方向内側(中心部)には、軸方向の貫通孔が形成されており、この貫通孔に挿通される第一回転軸AX1が第二径方向延在壁7を貫通して歯車収容室25内に挿入されている。第二径方向延在壁7の径方向内側端部は、第一回転電機軸受63を介して、第一回転軸AX1を径方向外側から回転可能に支持している。
第二径方向延在壁7は、出力部材Oの径方向内側まで、軸第一方向X1に突出している第二出力突出部8を備えている。第二出力突出部8の外周面8aは、第二出力支持軸受62を介して、出力部材Oを径方向内側から回転可能に支持している。
<第一回転軸AX1>
第一回転軸AX1は、サンギヤSと一体回転し、第一回転電機MG1に駆動連結されている。第一回転軸AX1及びサンギヤSを含んで一体回転する部材であるサンギヤ回転部材20は、当該サンギヤ回転部材20の軸第一方向X1側の端部である第一端部21が開口している筒状部22を備えている。
本実施形態では、サンギヤSは、歯の部分(以下、歯部と称す)から軸第二方向X2に延出している円筒状の部材である延出筒状部70を備えている。また、歯部の内周側も円筒状に形成された部材(歯部筒状部71)を備えている。そして、サンギヤSの延出筒状部70及び歯部筒状部71は、サンギヤ回転部材20の筒状部22を構成しており、歯部筒状部71の軸第一方向X1側の端部が、サンギヤ回転部材20の第一端部21となっている。
また、第一回転軸AX1も、軸第一方向X1側の端部が開口した円筒状の軸筒状部14を備えており、軸筒状部14の軸第一方向X1側の内周面に、サンギヤSの延出筒状部70の外周面が、一体回転するようにスプライン連結されている。このスプライン連結された部分では、サンギヤSの延出筒状部70の内周面が、サンギヤ回転部材20の筒状部22の内周面72を構成している。
第一回転軸AX1は、サンギヤSから軸方向に沿って軸第二方向X2側へ向かって延びるように配置されている。本実施形態では、第一回転軸AX1は、軸方向全体に亘って円筒状に形成されている(図1参照)。第一回転軸AX1の軸筒状部14の径方向内側にポンプ駆動軸54及び第二回転軸AX2が配置されている。
第一回転軸AX1は、第二径方向延在壁7の径方向内側端部に、第一回転電機軸受63を介して回転可能な状態で支持されている。
<第二回転軸AX2>
第二回転軸AX2は、キャリヤCAと一体回転し、エンジンEに駆動連結されている。
本実施形態では、キャリヤCAと第二回転軸AX2とを連結する連結部材51が、サンギヤ回転部材20の第一端部21よりも軸第一方向X1側においてサンギヤ回転部材20の径方向に延びるように配置されている。
本実施形態では、連結部材51は、第二回転軸AX2と一体的に形成されている。具体的には、連結部材51は、第一端部21と第一径方向延在壁4との間を通って、第二回転軸AX2の軸体部から径方向外側に延出するフランジ状に形成されている。連結部材51の径方向外側端部は、ピニオンギヤPの軸第一方向X1側に配置されているキャリヤCAの円環板状部90の径方向内側端部に連結されている。
連結部材51の軸第一方向X1側の面は、第一スラスト軸受67を介して第一径方向延在壁4に当接している。連結部材51の軸第二方向X2側の面は、第二スラスト軸受68を介してサンギヤ回転部材20の第一端部21に当接している。
また、本実施形態では、第二回転軸AX2は、ダンパDPを介してエンジンEに駆動連結されている。具体的には、第二回転軸AX2の軸第一方向X1側の端部は、ダンパDPの出力部材に連結されており、ダンパDPの入力部材は、エンジン出力軸Eoに連結されている(図1参照)。なお、ダンパDPの出力部材と入力部材との間には、軸の回転振動を減衰するばねが備えられている。
第二回転軸AX2は、サンギヤ回転部材20の第一端部21を通って、サンギヤ回転部材20の筒状部22の径方向内側に配置される挿入部23を備えている。
本実施形態では、挿入部23は、連結部材51よりも軸第二方向X2に延出した円筒状の部材である。挿入部23は、連結部材51及びサンギヤ回転部材20の第一端部21から第二径方向延在壁7の径方向内側付近まで軸第二方向X2に延出している。そして、挿入部23の軸第二方向X2側の端部は、第二入力支持軸受65を介して回転可能な状態で、第一回転軸AX1の軸筒状部14の内周面に支持されている。また、第一回転軸AX1の軸筒状部14の外周面は、第一回転電機軸受63を介して回転可能な状態で、第二径方向延在壁7の径方向内側端部に支持されている。よって、挿入部23(第二回転軸AX2)は、第二入力支持軸受65、第一回転軸AX1の軸筒状部14、及び第一回転電機軸受63を介して回転可能な状態で、第二径方向延在壁7の径方向内側端部に支持されている。よって、挿入部23(第二回転軸AX2)は、第一回転軸AX1(軸筒状部14)と相対回転可能な状態で支持されている。
また、第二回転軸AX2は、第一入力支持軸受64を介して回転可能な状態で、第一径方向延在壁4の径方向内側端部に支持されている。第一径方向延在壁4と第二回転軸AX2との間には、第一入力支持軸受64の軸第一方向X1側に、歯車収容室25内から軸第一方向X1側への油の漏出を抑制するためのオイルシール59が配置されている。
第二回転軸AX2の内部には、軸方向に延びる内部油路L1が形成されている。第二回転軸AX2は、第二回転軸AX2の内部に形成された内部油路L1に連通すると共に挿入部23の外周面73に開口する供給孔H1を備えている。供給孔H1は、内部油路L1から外周面73まで径方向に延びた円柱状の孔とされている。
本実施形態では、内部油路L1は、挿入部23の軸第二方向X2端部から、軸第一方向X1に、挿入部23の内部を通って連結部材51の軸第一方向X1側まで延びている。第二回転軸AX2は、連結部材51の軸第一方向X1側において、内部油路L1に連通する共に、第二回転軸AX2の外周面に開口する第二供給孔H2を備えている。第二供給孔H2は、内部油路L1から外周面まで径方向に延びた円柱状の孔とされている。
本実施形態では、オイルポンプOPは、第一回転軸AX1の軸第二方向X2側に配置されており、第二回転軸AX2と一体回転するように連結されたポンプ駆動軸54の回転により駆動される(図1参照)。ポンプ駆動軸54は、筒状に形成された第一回転軸AX1の径方向内側の空間を、オイルポンプOPから第二回転軸AX2の軸第二方向X2側端部まで軸方向に延びるように配置されている。第二回転軸AX2の挿入部23は、挿入部23の軸第二方向X2側の端部が開口している軸連結筒状部91を備えている。軸連結筒状部91の内周面に、ポンプ駆動軸54の軸第一方向X1側端部の外周面が一体回転するようにスプライン連結されている。ポンプ駆動軸54の内部には、軸方向両端部間を軸方向に連通する駆動軸油路L2が形成されている。オイルポンプOPから吐出された油は、ポンプ駆動軸54の駆動軸油路L2、第二回転軸AX2の内部油路L1を通って供給孔H1及び第二供給孔H2に送られる。そして、供給孔H1及び第二供給孔H2から供給された油は、後述するように、遊星歯車機構PG、各軸受、及び第一回転電機MG1等に供給され、これらの潤滑及び冷却を行う。
<出力部材O>
出力部材Oは、リングギヤRと一体回転し、車輪Wに駆動連結される。
出力部材Oは、筒状に形成された出力筒状部26を有し、出力筒状部26の径方向内側に遊星歯車機構PGが配置されていると共に出力筒状部26の内周面にリングギヤRが一体的に形成されている。遊星歯車機構PGの軸方向両側にそれぞれ出力筒状部26を径方向内側から回転可能に支持する第一支持機構80、第二支持機構81が配置されている。
本実施形態では、出力部材Oは、軸方向全域に亘って円筒状に形成されている。出力部材O(出力筒状部26)は、遊星歯車機構PGを取り囲むように、その径方向外側に配置されている。リングギヤR及び出力ギヤ40は、出力部材Oと一体的に形成されている。リングギヤRは、出力部材O(出力筒状部26)の内周面26bの軸方向中央付近に形成されている。リングギヤRの径方向内側にピニオンギヤP、キャリヤCA、及びサンギヤSなどの遊星歯車機構PGの構成要素が配置されている。すなわち、遊星歯車機構PGは、その全体が出力部材Oの径方向内側であって、その全体が当該出力部材Oと径方向視で重複する位置に配置されている。
出力部材O(出力筒状部26)の内周面26bは、軸第一方向X1端部付近において、第一出力支持軸受61を介して第一出力突出部6の外周面6aにより径方向内側から回転可能に支持され、軸第二方向X2端部付近において、第二出力支持軸受62を介して第二出力突出部8の外周面8aにより径方向内側から回転可能に支持されている。よって、出力筒状部26の第一支持機構80は、第一出力支持軸受61及び第一径方向延在壁4(第一出力突出部6)により構成されており、出力筒状部26の第二支持機構81は、第二出力支持軸受62及び第二径方向延在壁7(第二出力突出部8)により構成されている。
遊星歯車機構PGは、径方向外側を出力部材Oにより覆われ、軸第一方向X1側を第一出力支持軸受61及び第一径方向延在壁4より構成される第一支持機構80により覆われ、軸第二方向X2側を第二出力支持軸受62及び第二径方向延在壁7により構成される第二支持機構81に覆われている。すなわち、遊星歯車機構PGの周囲は、出力部材O、第一支持機構80、及び第二支持機構81に囲まれた収容室(以下、遊星収容室24と称す)となっており、遊星歯車機構PGに供給された油が遊星収容室24内に溜まり易い構造となっている。出力部材Oの回転中は、供給された油は遠心力により遊星収容室24内を径方向外側に移動する。
また、第一径方向延在壁4の径方向内側端部と第二回転軸AX2の外周面との間には、オイルシール59が配置され、第二径方向延在壁7の径方向内側端部と第一回転軸AX1の外周面との間には、第一回転電機軸受63が配置されており、遊星収容室24の径方向内側付近もこれらによって覆われている。
遊星収容室24内に油が溜まることによっても、遊星歯車機構PGに油が供給されると共に、遊星収容室24の外縁を構成する第一出力支持軸受61、第二出力支持軸受62、及び第一回転電機軸受63などに油が供給されて、潤滑に用いられるように構成されている。
本実施形態では、出力筒状部26に、出力筒状部26を径方向に貫通する油抜孔28が形成されている。この油抜孔28は、遊星収容室24内に溜まった油を適度に排出するように孔の大きさが調整されている。
<遊星歯車機構PGへの油の供給>
エンジンEの出力トルクが大きく、遊星歯車機構PGを伝わるトルクが大きい場合は、遊星歯車機構PGへの潤滑油の供給量を多くする必要がある。一方、エンジンEの出力トルクが小さく、遊星歯車機構PGを伝わるトルクが小さい場合は、遊星歯車機構PGへの潤滑油の供給量を少なくすることができる。
供給孔H1、H2から供給される油の供給量は、遊星歯車機構PGの潤滑のために必要とされる最大量に合わせて設定されている。すなわち、遊星歯車機構PGを伝わるトルクが最も大きくなり、必要とされる遊星歯車機構PGへの潤滑油の供給量が最も大きくなる場合に合わせて、供給孔H1、H2から供給される油の供給量が設定されている。
本実施形態とは異なり、螺旋状の溝SPが形成されていない場合は、必要性に合わせて遊星歯車機構PGへの油の供給量を変化させることが難しく、遊星歯車機構PGへ供給される油の供給量は、遊星歯車機構PGを伝わるトルクの増減に関わらず、必要最大量になる。必要最大量で遊星歯車機構PGへ供給された油は、遊星収容室24内に溜まり、遊星歯車機構PG及び各軸受に供給される。
遊星収容室24内に溜まった油は、潤滑のためには有用であるが、遊星歯車機構PGの各回転要素の回転に対して粘性抵抗を生じる。この粘性抵抗により車輪Wに伝達されるトルクに損失が生じ、燃費の悪化要因となる。このため、エンジンEの出力トルクが小さく、遊星歯車機構PGへの油の供給量を少なくすることができる場合は、供給孔H1、H2から遊星歯車機構PGへの油の供給量を減少させて、遊星収容室24に溜まる油量を減少させ、粘性抵抗によるトルク損失を減少させることが求められる。
本実施形態に係る車両用駆動装置1は、図7の速度線図に示すように、エンジンEの出力トルク(出力)が増加される場合は、エンジンEの回転速度も上昇されるポジティブスプリットモードPSMに制御される。エンジンEの回転速度が上昇されるのは、エンジンEの熱効率のよい回転速度域を使用するためや、エンジンEの反力受けとなる第一回転電機MG1の発電量を増加させ、蓄電装置への充電量を増加させたり、発電した電力により第二回転電機MG2の出力トルクを増加させて車輪Wの駆動力を増加させたりするため等による。図7に示すように、エンジンEの出力トルクが増加されると、出力トルクに応じて、エンジンEの出力トルクの反力受けとなる第一回転電機MG1の負トルクの大きさも増加される。また、エンジンEの回転速度が増加されると、第一回転電機MG1の回転速度も上昇する。これにより、エンジンEの出力が増加すると共に、第一回転電機MG1の発電量が増加する。
このため、図7に示すように、ポジティブスプリットモードPSMでは、典型的に、エンジンEに駆動連結されるキャリヤCA(第二回転軸AX2)の回転速度が、車輪Wに駆動連結されるリングギヤR(出力部材O)の回転速度よりも高くなる。この結果、第一回転電機MG1に駆動連結されるサンギヤS(第一回転軸AX1)の回転速度が、キャリヤCA(第二回転軸AX2)の回転速度よりも高くなる。よって、第一回転軸AX1の回転速度が、第二回転軸AX2の回転速度より高い場合に、遊星歯車機構PGを伝わるトルクが大きくなり、遊星歯車機構PGへの油の供給量を多くする必要がある。
一方、エンジンEの出力トルク(出力)が小さい場合は、エンジンEの回転速度も低下されるネガティブスプリットモードNSMに制御される。エンジンEの回転速度が低下されるのは、エンジンEの燃料消費量を低減させるためである。エンジンEの回転速度は、アイドリング回転速度や、ゼロ等まで低下される。図7に示すように、エンジンEの回転速度がゼロ付近まで低下されると、第一回転電機MG1の回転速度はゼロ以下まで低下される。
このため、図7に示すように、ネガティブスプリットモードNSMでは、典型的に、エンジンEに駆動連結されるキャリヤCA(第二回転軸AX2)の回転速度が、車輪Wに駆動連結されるリングギヤR(出力部材O)の回転速度よりも低くなる。この結果、キャリヤCA(第二回転軸AX2)の回転速度が、サンギヤS(第一回転軸AX1)の回転速度よりも高くなる。よって、第二回転軸AX2の回転速度が、第一回転軸AX1の回転速度より高い場合に、遊星歯車機構PGを伝わるトルクが小さくなり、遊星歯車機構PGへの油の供給量を減少させることができる。
以上のように、第一回転軸AX1の回転速度と第二回転軸AX2の回転速度との大小関係と、必要とされる遊星歯車機構PGへの油の供給量の大小関係とに相関があることがわかる。すなわち、第一回転軸AX1の回転速度が第二回転軸AX2の回転速度より高い場合に、遊星歯車機構PGへの油の供給量を増加させ、第二回転軸AX2の回転速度が第一回転軸AX1の回転速度より高い場合に、遊星歯車機構PGへの油の供給量を減少させればよい。本実施形態では、以下で説明するように、螺旋状の溝SPの形成により、遊星歯車機構PGへの油の供給量を増減可能に構成されている。
なお、車両用駆動装置1に備えられた制御装置が、第一回転電機MG1、第二回転電機MG2、及びエンジンEの出力トルク、回転速度などを制御するように構成されている。
<排出油路>
図2に示すように、内部油路L1から供給孔H1に送られた油は、供給孔H1から筒状部22の内周面72と挿入部23の外周面73と間の隙間GPに供給される。本実施形態では、供給孔H1は、隙間GPの軸方向中央付近に形成されている。隙間GPより軸第一方向X1側には第一排出油路EX1が形成され、隙間GPより軸第一方向X1の反対方向である軸第二方向X2側には第二排出油路EX2が形成されている。第一排出油路EX1は、供給孔H1からの油を遊星歯車機構PGへ供給するための油路である。本実施形態では、第二排出油路EX2は、第一回転電機MG1に油を供給する回転電機供給孔82を備えており、第二排出油路EX2は、供給孔H1からの油を第一回転電機MG1へ供給するための油路になっている。
本実施形態では、図2に示すように、隙間GPから第一排出油路EX1に流れた油は、サンギヤ回転部材20の軸第一方向X1側の第一端部21と連結部材51との間を通って径方向外側に流れる。この際、第一端部21と連結部材51との間に配置されている第二スラスト軸受68に油が供給される。そして、油は、サンギヤSとピニオンギヤPとに供給された後、歯車収容室25内に流れ出し、歯車収容室25内に溜まる。
一方、隙間GPから第二排出油路EX2に流れた油は、第二入力支持軸受65に供給される。そして、油は、第一回転軸AX1の筒状部22の径方向内側の空間を軸第二方向X2に流れる。本実施形態では、回転電機供給孔82は、筒状部22の内周面と外周面とを連通するように備えられている。回転電機供給孔82は、第一回転電機MG1の軸第一方向X1側のコイルエンド部の径方向内側に配置されている。回転電機供給孔82を通って径方向外側に流れた油は、遠心力により径方向外側に向って飛び、コイルエンド部に供給される。なお、図2には示していないが、第一回転電機MG1の軸第二方向X2側のコイルエンド部の径方向内側にも、筒状部22の内周面と外周面とを連通する供給孔が備えられてもよい。供給された油により、第一回転電機MG1のコイルCo1が冷却される。また、第一ロータRo1の径方向内側付近に筒状部22の内周面と外周面とを連通する供給孔が備えられてもよい。供給された油により、第一ロータRo1が冷却される。
<螺旋状の溝SP及び隙間GP>
互いに対向するサンギヤ回転部材20の筒状部22の内周面72と、第二回転軸AX2の挿入部23の外周面73との少なくとも一方に螺旋状の溝SP(以下、螺旋溝SPとも称す)が形成されている。なお、図2には、筒状部22の内周面72に螺旋溝SPが形成されている場合の例を示している。
螺旋溝SPは、第一回転軸AX1の回転速度が第二回転軸AX2の回転速度より高い場合に、第一排出油路EX1へ流れる油が第二排出油路EX2へ流れる油よりも多くなり、第二回転軸AX2の回転速度が第一回転軸AX1の回転速度より高い場合に、第二排出油路EX2へ流れる油が第一排出油路EX1へ流れる油よりも多くなる向きに形成されている。
具体的には、図3に示すように、筒状部22の内周面72に形成される螺旋溝SP(以下、内周面螺旋溝SP1と称す)の螺旋は、正の回転方向に回転しながら、第二排出油路EX2(軸第二方向X2)に向かう曲線とされている。言い換えると、内周面螺旋溝SP1の螺旋は、筒状部22が回転停止している状態で、内周面螺旋溝SP1に沿って正の回転方向に回転させた場合に、軸第二方向X2に向かう曲線とされている。ここで、正の回転方向とは、エンジンEが運転(燃焼)している状態での回転方向(エンジンEの正回転方向)である。
一方、図4に示すように、挿入部23の外周面73に形成される螺旋溝SP(以下、外周面螺旋溝SP2と称す)の螺旋は、正の回転方向に回転しながら、第一排出油路EX1(軸第一方向X1)に向かう曲線とされている。言い換えると、外周面螺旋溝SP2の螺旋は、挿入部23が回転停止している状態で、外周面螺旋溝SP2に沿って正の回転方向に回転させた場合に、軸第一方向X1に向かう曲線とされている。
よって、内周面72に形成される内周面螺旋溝SP1の螺旋と、外周面73に形成される外周面螺旋溝SP2の螺旋とは、正の回転方向に回転しながら向かう方向が、第二排出油路EX2に向かう方向(軸第二方向X2)と第一排出油路EX1に向かう方向(軸第一方向X1)とで逆の方向になる。
内周面螺旋溝SP1は、内周面72に対して径方向外側に窪むように形成されている。外周面螺旋溝SP2は、外周面73に対して径方向内側に窪むように形成されている。本実施形態では、螺旋溝SP1、SP2の断面形状は、円弧状に形成されている。なお、螺旋溝SP1、SP2の断面形状は、矩形状など他の形状に形成されてもよい。
図2に示すように、筒状部22の内周面72と挿入部23の外周面73とは接触しないように配置されており、内周面72と外周面73との間に円筒状の空間が形成されている。この円筒状の空間の内、螺旋状の溝SPが配置されている軸方向の区間が隙間GPである。
本実施形態では、隙間GPは、他の円筒状の空間より内周面72と外周面73との間隔が狭くなるように構成されている。また、隙間GPに対して軸第一方向X1側の円筒状の空間が、第一排出油路EX1とされており、また、隙間GPに対して軸第二方向X2側の円筒状の空間が、第二排出油路EX2とされている。
隙間GPの間隔は、隙間GPに供給された油が、内周面72又は外周面73の回転による遠心力により、外周面73に偏らず、隙間GP内を満たすように狭められている。また、内周面72と外周面73との間に回転速度差が生じた場合に、内周面72の回転により生じた油の粘性による摩擦力が、外周面73付近の油まで影響し、一方、外周面73の回転により生じた油の粘性による摩擦力が、内周面72付近の油まで影響するように、隙間GPの間隔が狭められている。すなわち、内周面72と外周面73との回転速度差が生じた場合に、内周面72及び外周面73の回転により生じた粘性による摩擦力が相互に打ち消しあうように作用し、隙間GP内の油に、内周面72の回転速度と外周面73の回転速度との中間速度付近に留まるような摩擦力が作用するように、隙間GPの間隔が狭められている。
よって、内周面72又は外周面73付近の油には、内周面72及び外周面73の中間速度付近に留まろうとするような摩擦力が作用する。同様に、螺旋溝SP内の油にも、図5、図6に示すように、内周面72及び外周面73の中間速度付近に留まるような摩擦力が作用する。この摩擦力の方向は、内周面72又は外周面73の相対回転方向とは反対方向(周方向)となる。ここで、内周面72又は外周面73の相対回転方向とは、内周面72の回転速度と外周面73の回転速度の中間速度を基準にした場合の、相対的な内周面72又は外周面73の回転方向である。また、内周面72又は外周面73の相対回転速度とは、中間速度を基準にした場合の、相対的な内周面72又は外周面73の回転速度である。
図5に示すように、内周面螺旋溝SP1内の油には、内周面72の相対回転方向とは反対方向の摩擦力が作用する。この摩擦力は、内周面螺旋溝SP1の壁により、螺旋溝SP1(螺旋曲線)に沿った力(溝内流れ力と称す)と、螺旋溝SP1の壁に向かう方向の力と、に分解される。図5に示す例では、内周面72(第一回転軸AX1)の相対回転方向は、正の回転方向となっており、内周面72(第一回転軸AX1)の回転速度は、外周面73(第二回転軸AX2)の回転速度より高くなっている。上記のように、内周面螺旋溝SP1の螺旋の向きが形成されているので、内周面螺旋溝SP1内の油には、軸第一方向X1に向かう溝内流れ力が作用し、隙間GPを軸第一方向X1に流れる油の量が多くなる。よって、第一排出油路EX1へ流れる油が第二排出油路EX2へ流れる油よりも多くなるため、遊星歯車機構PGに供給される油が多くなり、第一回転電機MG1に供給される油量が少なくなる。
一方、図5に示す例とは反対に、内周面72(第一回転軸AX1)の回転速度が、外周面73(第二回転軸AX2)の回転速度より低くなり、内周面72の相対回転方向が負の回転方向である場合は、内周面螺旋溝SP1内の油には、図5に示す例とは反対方向の摩擦力が作用する。そして、内周面螺旋溝SP1内の油には、軸第二方向X2に向かう溝内流れ力が作用し、隙間GPを軸第二方向X2に流れる油の量が多くなる。よって、第二排出油路EX2へ流れる油が第一排出油路EX1へ流れる油よりも多くなるため、遊星歯車機構PGに供給される油量が少なくなり、第一回転電機MG1に供給される油量が多くなる。
図6に示すように、外周面螺旋溝SP2内の油には、外周面73の相対回転方向とは反対方向の摩擦力が作用する。この摩擦力は、外周面螺旋溝SP2の壁により、螺旋溝SP2(螺旋曲線)に沿った力(溝内流れ力)と、螺旋溝SP2の壁に向かう方向の力と、に分解される。図6に示す例では、外周面73(第二回転軸AX2)の相対回転方向は、負の回転方向となっており、外周面73(第二回転軸AX2)の回転速度は、内周面72(第一回転軸AX1)の回転速度より低くなっている。上記のように、外周面螺旋溝SP2の螺旋の向きが形成されているので、外周面螺旋溝SP2内の油には、軸第一方向X1に向かう溝内流れ力が作用し、隙間GPを軸第一方向X1に流れる油の量が多くなる。よって、第一排出油路EX1へ流れる油が第二排出油路EX2へ流れる油よりも多くなるため、遊星歯車機構PGに供給される油量が多くなり、第一回転電機MG1に供給される油量が少なくなる。
一方、図6に示す例とは反対に、外周面73(第二回転軸AX2)の回転速度が、内周面72(第一回転軸AX1)の回転速度より高くなり、外周面73の相対回転方向が正の回転方向である場合は、外周面螺旋溝SP2内の油には、図6に示す例とは反対方向の摩擦力が作用する。そして、外周面螺旋溝SP2内の油には、軸第二方向X2に向かう溝内流れ力が作用し、隙間GPを軸第二方向X2に流れる油の量が多くなる。よって、第二排出油路EX2へ流れる油が第一排出油路EX1へ流れる油よりも多くなるため、遊星歯車機構PGに供給される油が少なくなり、第一回転電機MG1に供給される油量が多くなる。
従って、第一回転軸AX1の回転速度が第二回転軸AX2の回転速度より高い場合に、遊星歯車機構PGに供給される油量を増加させることができ、エンジンEの出力トルクの増加により伝達トルクの大きくなった遊星歯車機構PGへの油の供給量を増加させて適切に潤滑させることができる。
一方、第二回転軸AX2の回転速度が第一回転軸AX1の回転速度より高い場合に、遊星歯車機構PGに供給される油量を減少させることができ、遊星収容室24内に溜まる油量を減少させ、粘性抵抗による遊星歯車機構PGのトルク損失を減少させることができる。この場合は、エンジンの出力トルクの減少により、遊星歯車機構PGの伝達トルクが小さくなっているので、遊星歯車機構PGへの油の供給量が減少されても問題ない。本実施形態では、代わりに、第一回転電機MG1への油の供給量を増加させることができ、第一回転電機MG1の冷却に有効利用される。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態において、エンジンEが、遊星歯車機構PGの軸第一方向X1側に配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、図8に示すように、エンジンEが、遊星歯車機構PG及び第一回転電機MG1の軸第二方向X2側に配置されるように構成されてもよい。この場合は、第一回転軸AX1の筒状部22は、第一回転軸AX1の軸方向全体に亘って形成されている。そして、第二回転軸AX2の挿入部23は、筒状部22の径方向内側を、筒状部22の軸方向全体に亘って延出している。挿入部23は、筒状部22の径方向内側を、キャリヤCAに連結される連結部材51からエンジンE(ダンパDP)まで軸第二方向X2に延出している。そして、第二回転軸AX2の軸第二方向X2側端部は、ダンパDPを介してエンジン出力軸Eoに駆動連結されている。
この場合でも、上記の実施形態と遊星歯車機構PG付近の構成が類似しており、上記の実施形態と同様の隙間GP、螺旋溝SP、及び排出油路EX1、EX2等が形成される。
また、上記の実施形態において、第二回転電機MG2が、第一回転電機MG1等とは別軸上に配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、図8に示すように、第二回転電機MG2は、第一回転電機MG1、遊星歯車機構PG、及びエンジンE等と同軸上に配置されてもよい。この場合は、第二回転電機MG2は、遊星歯車機構PGの軸第一方向X1側に配置される。そして、遊星歯車機構PGのリングギヤRと一体回転する出力部材Oは、筒状に形成された第二回転電機MG2の第二ロータ軸36の径方向内側を軸第一方向X1側に延出する出力軸92と一体回転するように連結されている。出力軸92の軸第一方向X1側端部は、第二回転電機MG2の軸第一方向X1側に配置された出力用差動歯車装置DFに駆動連結されている。第二回転電機MG2の第二ロータ軸36は、第二遊星歯車機構PG2を介して出力軸92に駆動連結されている。具体的には、第二遊星歯車機構PG2は、サンギヤS2、キャリヤCA2、及びリングギヤR2を有している。第二ロータ軸36は、サンギヤS2と一体回転するように連結され、キャリヤCA2は、出力軸92と一体回転するように連結され、リングギヤR2は、ケース2に固定されている。図8に示す例では、第二遊星歯車機構PG2は、第二回転電機MG2の軸第一方向X1側に配置されているが、第二回転電機MG2の軸第二方向X2側であって、遊星歯車機構PGの軸第一方向X1側に配置されてもよい。オイルポンプOPは、出力部材Oの回転により駆動されて、第二回転軸AX2の内部油路L1に油を供給するように構成されている。
なお、出力部材O(出力軸92)、第二回転電機MG2、及び出力用差動歯車装置DFとの間は、第二遊星歯車機構PG2以外の歯車機構、変速機構などで駆動連結されるように構成されてもよい。
(2)上記の実施形態において、図2に、筒状部22の内周面72にのみ螺旋状の溝SP(内周面螺旋溝SP1)が形成されている場合の例を示した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、互いに対向する筒状部22の内周面72と挿入部23の外周面73との少なくとも一方に螺旋状の溝SPが形成されていればよい。すなわち、図3から図6に示したように、螺旋状の溝SPは、内周面72及び外周面73のいずれか一方又は双方に形成されていてもよい。
(3)上記の実施形態において、サンギヤSは軸第二方向X2に延出している延出筒状部70を備え、延出筒状部70の内周面が、サンギヤ回転部材20の筒状部22の内周面72を構成している場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、サンギヤ回転部材20の筒状部22は、第一回転軸AX1及びサンギヤSを含んで一体回転する部材であれば、いずれの部材により構成されてもよく、筒状部22の内周面72は、いずれの部材の内周面であってもよい。例えば、第一回転軸AX1の軸筒状部14の外周面にサンギヤSの歯部がスプライン結合される、或いは、第一回転軸AX1の外周面にサンギヤSの歯部が一体的に形成されるように構成されてもよい。この場合は、第一回転軸AX1の軸筒状部14の内周面が、サンギヤ回転部材20の筒状部22の内周面72を構成する。そして、第一回転軸AX1の軸筒状部14の内周面に、螺旋状の溝SPが形成されてもよい。
(4)上記の実施形態において、第二排出油路EX2は、供給孔H1からの油を第一回転電機MG1へ供給する油路となっている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二排出油路EX2は、供給孔H1からの油を、第一回転電機MG1に供給せずに、排出するように構成されてもよい。
(5)上記の実施形態において、第二回転軸AX2の内部油路L1に油を供給するオイルポンプOPは、エンジンEの駆動力により駆動されるように構成されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。第二回転軸AX2の内部油路L1に油を供給するオイルポンプは、電動モータの駆動力により駆動されるように構成されてもよい。
(6)上記の実施形態において、隙間GPを介して遊星歯車機構PGへ油を供給する供給孔H1に加えて、隙間GPを介さずに遊星歯車機構PGへ油を供給する第二供給孔H2が備えられている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、第二供給孔H2が備えられず、供給孔H1のみにより遊星歯車機構PGへ油を供給するように構成されてもよい。
本発明は、サンギヤとキャリヤとリングギヤとを備えた遊星歯車機構と、前記サンギヤと一体回転し、回転電機に駆動連結される第一回転軸と、前記キャリヤと一体回転し、内燃機関に駆動連結される第二回転軸と、前記リングギヤと一体回転し、車輪に駆動連結される出力部材と、を備えた車両用駆動装置に好適に利用することができる。
λ :ギヤ比
1 :車両用駆動装置
4 :第一径方向延在壁
6 :第一出力突出部
7 :第二径方向延在壁
8 :第二出力突出部
14 :第一回転軸の軸筒状部
20 :サンギヤ回転部材
21 :サンギヤ回転部材の第一端部
22 :サンギヤ回転部材の筒状部
23 :第二回転軸の挿入部
24 :遊星収容室
25 :歯車収容室
26 :出力筒状部
28 :油抜孔
51 :連結部材
54 :ポンプ駆動軸
59 :オイルシール
61 :第一出力支持軸受
62 :第二出力支持軸受
63 :第一回転電機軸受
64 :第一入力支持軸受
65 :第二入力支持軸受
67 :第一スラスト軸受
68 :第二スラスト軸受
70 :延出筒状部
71 :歯部筒状部
72 :サンギヤ回転部材の筒状部の内周面
73 :第二回転軸の挿入部の外周面
80 :第一支持機構
81 :第二支持機構
82 :回転電機供給孔
AX1 :第一回転軸
AX2 :第二回転軸
CA :キャリヤ
Ct :カウンタギヤ機構
DF :出力用差動歯車装置
DP :ダンパ
E :エンジン(内燃機関)
Eo :エンジン出力軸
EX1 :第一排出油路
EX2 :第二排出油路
GP :隙間
H1 :供給孔
H2 :第二供給孔
L1 :内部油路
MG1 :第一回転電機(回転電機)
MG2 :第二回転電機
NSM :ネガティブスプリットモード
PSM :ポジティブスプリットモード
O :出力部材
OP :オイルポンプ
PG :遊星歯車機構
P :ピニオンギヤ
R :リングギヤ
S :サンギヤ
SP :螺旋状の溝(螺旋溝)
SP1 :内周面螺旋溝(螺旋状の溝)
SP2 :外周面螺旋溝(螺旋状の溝)
W :車輪
X1 :軸第一方向(軸方向における第一方向)
X2 :軸第二方向

Claims (4)

  1. サンギヤとキャリヤとリングギヤとを備えた遊星歯車機構と、
    前記サンギヤと一体回転し、回転電機に駆動連結される第一回転軸と、
    前記キャリヤと一体回転し、内燃機関に駆動連結される第二回転軸と、
    前記リングギヤと一体回転し、車輪に駆動連結される出力部材と、
    を備えた車両用駆動装置であって、
    前記第一回転軸及び前記サンギヤを含んで一体回転する部材であるサンギヤ回転部材は、当該サンギヤ回転部材の軸方向における第一方向側の端部である第一端部が開口している筒状部を備え、
    前記第二回転軸は、前記第一端部を通って前記筒状部の径方向内側に配置される挿入部と、当該第二回転軸の内部に形成された内部油路に連通すると共に前記挿入部の外周面に開口する供給孔と、を備え、
    前記筒状部の内周面と前記挿入部の外周面との隙間より前記第一方向側には第一排出油路が形成され、前記隙間より前記第一方向の反対方向側には第二排出油路が形成され、
    前記第一排出油路は、前記供給孔からの油を前記遊星歯車機構へ供給するための油路であり、
    互いに対向する前記筒状部の内周面と前記挿入部の外周面との少なくとも一方に螺旋状の溝が形成され、
    前記螺旋状の溝は、前記第一回転軸の回転速度が前記第二回転軸の回転速度より高い場合に、前記第一排出油路へ流れる油が前記第二排出油路へ流れる油よりも多くなり、前記第二回転軸の回転速度が前記第一回転軸の回転速度より高い場合に、前記第二排出油路へ流れる油が前記第一排出油路へ流れる油よりも多くなる向きに形成されている車両用駆動装置。
  2. 前記第二排出油路は、前記供給孔からの油を前記回転電機へ供給するための油路である請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記第一回転軸は、前記サンギヤから前記軸方向に沿って前記第一端部側とは反対側へ向かって延びるように配置され、
    前記キャリヤと前記第二回転軸とを連結する連結部材が、前記第一端部よりも前記第一方向側において前記サンギヤ回転部材の径方向に延びるように配置されている請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記出力部材は、筒状に形成された出力筒状部を有し、前記出力筒状部の径方向内側に前記遊星歯車機構が配置されていると共に前記出力筒状部の内周面に前記リングギヤが一体的に形成され、前記遊星歯車機構の軸方向両側にそれぞれ前記出力筒状部を径方向内側から回転可能に支持する支持機構が配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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