JP2014014615A - 下肢用マッサージ装置、及び下肢用マッサージ装置の制御方法 - Google Patents

Abstract

【課題】下肢に対して快適な押しマッサージを実施することができる下肢用マッサージ装置を提供する。
【解決手段】本発明の下肢用マッサージ装置１は、左右一対に設けられ且つ使用者の下肢を挿入可能となっている挿入凹部７，７と、この挿入凹部７，７の内部に設けられ且つ挿入された下肢をマッサージする下肢用マッサージ機構１０と、を備えている下肢用マッサージ装置１において、下肢用マッサージ機構１０は、挿入凹部７の内側壁に上下方向に沿って配備された左右一対の第１の空気袋２０と、挿入凹部７の内側壁であって左右一対の第１の空気袋２０の間に配備された左右一対の第２の空気袋２１と、を有する。
【選択図】図２

Description

本発明は、下肢用マッサージ装置、及び下肢用マッサージ装置の制御方法に関する。

従来より、下肢をマッサージするための下肢用マッサージ装置が開発されており、このような下肢用マッサージ装置は、例えば、椅子型マッサージ機の座部の前側に取り付けられている。
特許文献１は、座部の前方に上下に回動自在に配されて座部への着座者の下肢を保持するレッグレストと、レッグレストの先端に上下に回動自在に配されて着座者の足先部を保持するフットレストとを備えるとともに、これらレッグレスト及びフットレストは着座者の下肢や足先部に対するマッサージのためのマッサージ手段を備えている椅子式マッサージ機を開示する。

また、特許文献２は、被施療者が着座する座部と、該座部前方に配されるフットレストとを備える椅子型マッサージ機であって、前記フットレストは、被施療者の足底を支持する足底支持面と、該足底支持面の後側に立設されて被施療者の踵の後部を支持する踵支持面と、該踵支持面に設けられて被施療者の踵の後部に押圧刺激を与える踵施療部とを有している椅子型マッサージ装置を開示する。

特開２００２−２３８９６３号公報 特開２００６−８７９４５号公報

これら特許文献１，２に開示された下肢用マッサージ装置は、空気袋（エアバッグ）を複数個備え、これら空気袋を膨張、収縮させることで、下肢に対して押圧マッサージを行うものとされている。
しかしながら、使用者からの要望として、このような下肢用マッサージ装置において、「下肢を押圧するだけのマッサージではなく、下肢を揉んだりさすったりするようなマッサージを施術して欲しい」等の要望が挙がってきている。つまり、使用者の希望に応える多様な揉み感を与えるマッサージを実現可能な技術は開発されるに至ってはいなかった。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、下肢に対して快適な押しマッサージを実施可能とする下肢用マッサージ装置、及び下肢用マッサージ装置の制御方法を提供することを目的とする。

前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の下肢用マッサージ装置は、左右一対に設けられ且つ使用者の下肢を挿入可能となっている挿入凹部と、この挿入凹部の内部に設けられ且つ挿入された下肢をマッサージする下肢用マッサージ機構と、を備えた下肢用マッサージ装置において、前記下肢用マッサージ機構は、挿入凹部の内側壁に配備された左右一対の第１の空気袋と、挿入凹部の内側壁であって前記左右一対の第１の空気袋の間に配備された左右一対の第２の空気袋と、を有することを特徴とする。

好ましくは、前記左右一対の第１の空気袋は、挿入凹部に嵌入された使用者の脚部の側面に沿うように配備され、左右一対の第２の空気袋は、挿入凹部に嵌入された使用者の脚部の背面に沿うように配備されているとよい。
好ましくは、前記挿入凹部の内壁部は、左右方向で対面するように形成された左右一対の側壁部と、左右一対の側壁部の後端辺を左右方向に連結する底壁部とを有しており、前記挿入凹部の側壁部には、左右一対の第１の空気袋が上下方向に沿うように配設され、前記挿入凹部の底壁部には、左右一対の第２の空気袋が上下方向に沿うように配設されているとよい。

好ましくは、前記左右一対の第２の空気袋の間には、上下方向に延びるように形成された凸条部が設けられていることを特徴とする請求項３に記載の下肢用マッサージ装置。
好ましくは、前記第２の空気袋は、その一方側が挿入凹部の内壁部に対してヒンジ構造によって取り付けられており、左右一対の第２の空気袋は、前記ヒンジ構造のヒンジ部が左右方向で対面するように配備されているとよい。

好ましくは、前記挿入凹部の内壁部は、挿入凹部の下部から前方へ張り出すように形成された張出壁部を有し、前記張出壁部には、挿入凹部に挿入された使用者の足部に対応するように前後方向に沿った左右一対の第３の空気袋が配設されているとよい。
好ましくは、前記左右一対の第３の空気袋の間であって、挿入凹部に嵌入された使用者の足部の底面に対応する位置には、第４の空気袋が配設されているとよい。

本発明の下肢用マッサージ装置の制御方法は、上記した下肢用マッサージ装置を制御する方法であって、以下の工程Ａ、工程Ｂにより、空気袋の膨張、収縮を行うことを特徴とする。
（工程Ａ） 第１の空気袋が膨張した状態で、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる。
（工程Ｂ） 第２の空気袋が膨張した状態で、第１の空気袋から空気を抜き収縮させる。

また、本発明の下肢用マッサージ装置の制御方法は、上記した下肢用マッサージ装置を制御する方法であって、以下の工程１〜工程４により、空気袋の膨張、収縮を行うことを特徴とする。

（工程１） 第１の空気袋及び第２の空気袋へ空気を供給し、第１の空気袋及び第２の空気袋を膨張させる。
（工程２） 第１の空気袋へ空気を供給し膨張させると共に、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる。
（工程３） 第１の空気袋から空気を抜き収縮させると共に、第２の空気袋へ空気を供給し膨張させる。
（工程４） 第１の空気袋から空気を抜き収縮させると共に、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる。

好ましくは、（工程１）→（工程２）→（工程３）→（工程２）→（工程４）の順番で、各工程を実施、再び（工程１）へ戻るように、空気袋の膨張、収縮を行うとよい。

本発明に係る下肢用マッサージ技術によれば、下肢に対して快適な押しマッサージを実施することができる。

本発明の下肢用マッサージ機構が備えられた椅子型マッサージ機の外観斜視図である。 下肢用マッサージ装置の内部構造を示す左斜視図である。 下肢用マッサージ装置の外観を示す右斜視図である。 下肢用マッサージ装置の内部構造を示す左斜視図であって、左側の挿入凹部に設けられた第１の空気袋及び第３の空気袋を省略して描いた図である。 （ａ）は、下肢用マッサージ装置の水平断面を示した図であり、（ｂ）は、下肢が挿入された状態での下肢用マッサージ装置の水平断面を示した模式図である。 下肢用マッサージ装置の制御方法を説明するための図である。 側部揉み部の姿勢が変わることを示した図であり、（ａ）は側部揉み部の使用姿勢を示し、（ｂ）は側部揉み部の屈曲姿勢を示している。 屈曲姿勢にある側部揉み部を後方から見た斜視図である。

以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
図１は、本発明に係る下肢用マッサージ装置１を備えた椅子型マッサージ機２を示している。
この椅子型マッサージ機２は、使用者が着座する座部３と、この座部３の後部に設けられた背もたれ部４と、座部３の前部に設けられたフットレスト部５を有している。本実施形態の場合、このフットレスト部５が下肢用マッサージ装置１となっている。

以下、椅子型マッサージ機２に座った使用者から見た方向を基準として、椅子型マッサージ機２を説明する。すなわち、図１，図５において紙面に記載された方向に従って、装置の説明を進める。
椅子型マッサージ機２の座部３は、上面に使用者が腰を下ろして着座できるように略水平に配備されている。座部３は、枠体と、この枠体の上に配備されたクッションと、枠体とクッションとを外側から覆うカバーとを備えている。座部３の下部には、この椅子型マッサージ機２を床面へ設置するための脚体（基礎フレーム）が設けられており、この脚体によって座部３が所定高さに支持されるようになっている。

座部３の左右両側には、肘掛部６がそれぞれ設けられている。肘掛部６は、底辺を床面に着けて起立するように設けられた板状の部材である。肘掛部６の上側は丸く湾曲した形状となっており、使用者が肘を載せやすいようになっている。
背もたれ部４は、使用者が背中からもたれられるように座部３の後側に配備された部材である。背もたれ部４は、座部３の後側に設けられた左右方向を向く軸回りに揺動自在に枢支されており、脚体内に配設されたリニアアクチュエータで構成されたリクライニング機構により、垂直に起立した状態から水平に倒れた状態にまでリクライニング可能となっている。また、背もたれ部４の内部には、揉みや叩きなどのマッサージ動作を行う背部用マッサージ機構（図示せず）が設けられている。

フットレスト部５、すなわち、椅子型マッサージ機２に取り付けられた下肢用マッサージ装置１は、座部３の下側に収納可能とされ、座部３の下側の収納位置から座部３の前方に進出することで使用者の下肢（くるぶしより上の脚部Ｃ、及びくるぶしより下の足部Ｆ）をマッサージ可能となっている。この下肢用マッサージ装置１の内部には、使用者の下肢に対して空気袋（エアバッグ）により押圧マッサージを行う下肢用マッサージ機構１０が搭載されている。

図１，図３に示すように、下肢用マッサージ装置１は、その前面に、使用者の下肢が挿入可能となっている左右一対の挿入凹部７，７が形成されている。即ち、下肢用マッサージ装置１の前面には、上下方向を向く挿入凹部７，７が２つ形成され、左右に所定間隔を開けて設けられている。この挿入凹部７，７は、互いが左右方向で対面するように形成された左右一対の側壁部８，８と、この左右一対の側壁部８，８の後端辺を左右方向に連結する底壁部９とから構成されている。

この挿入凹部７，７に下肢を挿入すると、内蔵された下肢用マッサージ機構１０によって、使用者の下肢（くるぶしより上の脚部Ｃ、及びくるぶしより下の足部Ｆ）が挟み込み押圧され、マッサージが施される。なお、この挿入凹部７，７は、布などのカバーにより覆われている。
図２，図４には、下肢用マッサージ装置１内に搭載された下肢用マッサージ機構１０が示されている。

下肢用マッサージ機構１０は、使用者の下肢を押圧マッサージ可能な複数の空気袋（エアバッグ）を有しており、エアコンプレッサ、弁などを含む空気供給部（図示しない）から空気を供給されることで膨張し、空気が抜かれることで収縮する。
具体的には、下肢用マッサージ機構１０は、挿入凹部７，７に嵌入された脚部Ｃ（ふくらはぎ）の側面側に上下方向に沿って配備された左右一対の第１の空気袋２０と、挿入凹部７，７に嵌入された脚部Ｃの背面側に上下方向に沿って配備された左右一対の第２の空気袋２１とを有する。

具体的には、第１の空気袋２０及び第２の空気袋２１は、加圧された空気を貯留可能に形成された「長方形状の袋体」乃至は「楕円形状の袋体」であり、大きく膨張できるように蛇腹状に形成されている。
第１の空気袋２０は、左右一対の側壁部８，８のそれぞれに、その長手方向が上下方向となるように取り付けられている。この第１の空気袋２０内に空気が流入し膨張すること
で、挿入凹部７に差し込まれた下肢の脚部Ｃの左右側方が押圧マッサージされることとなる。一方、図３，図５に示されるように、挿入凹部７，７の底壁部９には、上下方向に長細く形成され且つ前方へ向けて突出した凸条部２２が設けられている。さらに、この凸条部２２を挟み且つ前方突出状に左右一対の第２の空気袋２１が配備されている。すなわち、挿入凹部７の底壁部９であって、左右一対の第２の空気袋２１の間には、上下方向に延びた凸条部２２が形成されている。

詳しくは、図５に示すように、上下方向に延びるように形成された第２の空気袋２１の後端辺が、凸条部２２の左右両側に隣接するように２つの突出片２３を介して取り付けられており、第２の空気袋２１の前端辺は、挿入凹部７の側壁部８に向けて前方広がりとなるように配備されている。つまり、第２の空気袋２１の前端部は、後端側の開口幅よりも幅広となるように逆ハの字型となっている。

第２の空気袋２１を取り付けるための突出片２３は可撓性を有しているため、第２の空気袋２１は若干ながら左右方向に揺動自在な構造となっている。すなわち第２の空気袋２１は、突出片２３により挿入凹部７，７の内壁部（底壁部９）に対してヒンジ構造で取り付けられていることになる。左右一対の第２の空気袋２１，２１は、突出片２３（ヒンジ部）が左右方向に対面するように配備されているので、第２の空気袋２１が膨張するにつれて、対面する第２の空気袋２１は離反方向に移動しさらに前方広がりとなることが可能である。

また、側面視で、第１の空気袋２０の後部と第２の空気袋２１の前部とはオーバラップする（重なる）ように配備されている。
一方、図２，図３から明らかなように、左右一対の挿入凹部７，７の下端部は前方側に張り出しており、この挿入凹部７，７は、側面視で略ブーツ状となっている。挿入凹部７，７の前方側に張り出した部分（前方張出部２４）の内側には、挿入凹部７，７に嵌入された足部Ｆの側面側に沿って前後方向を向くように配備された左右一対の第３の空気袋２５が備えられている。第３の空気袋２５は、空気を貯留可能に形成された長方形状の袋体であり、大きく膨張できるように蛇腹状に形成されている。図示しない空気供給部（エアコンプレッサ、弁などを含む）から空気を供給されることで膨張し、空気が抜かれることで収縮する。この第３の空気袋２５は、挿入凹部７の前方張出部２４において左右方向で対面する内側壁３０，３０のそれぞれに配備されている。

また、図２〜図４などに示すように、挿入凹部７の前方張出部２４の下側壁３１には、挿入凹部７に嵌入された足部Ｆの底面を押圧する第４の空気袋２７が備えられている。第４の空気袋２７は、空気を貯留可能に形成された矩形状の袋体であり、大きく膨張できるように蛇腹状に形成されている。第４の空気袋２７は、左右一対に配備された第３の空気袋２５，２５の間に位置づけられる。この第４の空気袋２７の上方には、第４の空気袋２７に接するように押厚板２８が配備されいる。押厚板２８の上表面に複数の突起２９が形成されている。

図４から明らかなように、押厚板２８の前部は、挿入凹部７の前方張出部２４の下側壁に対してヒンジ連結されている。それ故、第４の空気袋２７へ空気が供給され、大きく膨張した際に、押厚板２８はその後方が上昇し、押厚板２８の上表面に形成された突起２９で、使用者の足の裏を下側から押しマッサージすることができるようになる。
以上述べた構成の下肢用マッサージ装置１によれば、第１の空気袋２０及び第２の空気袋２１を膨張、収縮することで、脚部Ｃに対する効果的なマッサージを行うことができるようになる。特に、挿入凹部７，７に使用者の下肢を嵌め入れた場合、脚部Ｃの後側が凸条部２２に当接し、それ以上後方へ行かなくなる。その状態において、第２の空気袋２１が脚部Ｃの後側を左右から押圧するために、使用者は、脚部Ｃの後側を左右から摘まれるような心地よいマッサージを受けることが可能となる。

また、左右一対に配備された第３の空気袋２５，２５を膨張、収縮することで、足部Ｆを側方から挟み込まれるような心地よいマッサージを受けることができる。この第３の空気袋２５の膨張と協働して、第４の空気袋２７を膨張させることで、足部Ｆの裏側の押しマッサージを行うことができるようになる。
なお、本実施形態の場合、各挿入凹部７，７が上下方向で２分割されていて、挿入凹部７の下側部分３３が上側部分３２に対して、上下方向にスライド自在な構成とされている。加えて、図示しない付勢手段（バネ手段）により、下側部分３３が上側部分３２に近接するように付勢されている。この構成であれば、使用者が足部Ｆを蹴り出すようにし、付勢手段による付勢力に抗して下側部分３３を上側部分３２から引き離す（挿入凹部７を引き延ばす）ことができる。このようにすることで、様々な体格の使用者の下肢に対応することが可能となる。

本実施形態の場合、挿入凹部７の上側部分３２に、第１の空気袋２０と第２の空気袋２１とが配備され、挿入凹部７の下側部分３３に、第３の空気袋２５と第４の空気袋２７とが配備されるものとなっている。
以上述べた、下肢用マッサージ装置１においては、第１の空気袋２０〜第４の空気袋２７を膨張、収縮することで、脚部Ｃに対する効果的なマッサージを行うことが可能となる。

以下、本発明の下肢用マッサージ装置１において、効果的なマッサージを実現するための、下肢用マッサージ機構１０の制御方法について述べる。
この制御は、下肢用マッサージ装置１を制御する制御部（図示せず）内にプログラムの形で実装されており、制御部を通じて、空気供給部に対して制御指令を出し、各空気袋（特に、第１の空気袋２０、第２の空気袋２１）の膨張、収縮を制御する。

図６には、第１の空気袋２０、第２の空気袋２１の膨張、収縮のやり方、言い換えれば、下肢用マッサージ装置１の制御方法が模式的に示されている。
まず、脚部Ｃをマッサージするに際しては、図６（ａ）に示すように、左右一対の第１の空気袋２０、左右一対の第２の空気袋２１のそれぞれに、空気を供給して、各空気袋２０，２１を膨張させる（工程１）。

その後、図６（ｂ）に示すように、左右一対の第１の空気袋２０への空気の供給は続行しつつ、左右一対の第２の空気袋２１から空気を抜きつつ収縮させるようにする（工程２）。このようにすることで、脚部Ｃが前から後ろに押されるようにマッサージをされることとなる（図６（ｂ）の黒矢印）。空気袋は脚部Ｃを側面から包み込むように膨張しているため、図６（ｂ）の状況下において、使用者は脚部Ｃを「手で前側から後側へ向けて押されつつ、さすられる」といった心地よいマッサージ感を感じることとなる。この工程２は、第１の空気袋が膨張した状態で、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる工程の１つの実施形態と考えることができる(工程Ａ）。

次に、図６（ｃ）に示すように、左右一対の第１の空気袋２０から空気を抜きつつ収縮させると共に、左右一対の第２の空気袋２１へ空気を供給し膨張させるようにする（工程３）。こうすることで、脚部Ｃが後ろから前に押されるようにマッサージをされることとなる（図６（ｃ）の黒矢印）。空気袋は脚部Ｃを側面から包み込むように膨張しているため、図６（ｃ）の状況下において、使用者は脚部Ｃを「手で後側から前側へ向けて押されつつ、さすられる」といった心地よいマッサージ感を感じることとなる。この工程３は、第２の空気袋が膨張した状態で、第１の空気袋から空気を抜き収縮させる工程の１つの実施形態と考えることができる(工程Ｂ）。

再び、図６（ｄ）に示すように、左右一対の第１の空気袋２０への空気の供給は続行し、左右一対の第２の空気袋２１から空気を抜きつつ収縮させるようにする。この工程は、図６（ｂ）に示す工程２と同様であるため、奏する作用効果は、図６（ｂ）の状況と略同じである。
その後、第１の空気袋２０から空気を抜き収縮させると共に、第２の空気袋２１から空気を抜き収縮させる（工程４）。

以上述べたように、第１の空気袋２０及び第２の空気袋２１を（工程１）→（工程２）→（工程３）→（工程２）→（工程４）の順番で、膨張、収縮させ、再び（工程１）へ戻るようにすることで、使用者は、脚部Ｃに対する「手で後側から前側へ乃至は後側から前側へ向けて押されつつ、さすられる」といった、今までにない心地よいマッサージを受けることが可能となる。

以上述べたように、本発明に係る下肢用マッサージ技術によれば、下肢に対して快適な押しマッサージを実施することができるようになる。
なお、第１の空気袋２０及び第２の空気袋２１を、（工程１）→（工程２）→（工程３）→（工程２）→（工程４）の順番で、膨張、収縮させるに際しては、（工程１）〜（工程４）の間に（別の工程）が存在していても何ら問題はない。

例えば、「第１の空気袋へ空気を供給し膨張させると共に、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる（工程２）」の後で、短時間ではあるが、「第１の空気袋へ空気を供給し膨張させる状態を維持しつつも、第２の空気袋への空気供給が始まり（別の工程）」、その後、「第１の空気袋から空気を抜き収縮させると共に、第２の空気袋へ空気を供給し膨張させる（工程３）」といったように、空気袋２０、２１の動作を行ってもよい。

ところで、図１に示すように、本実施形態で開示した椅子型マッサージ機１には、座部３に着座した使用者の施療部（肩から腕部の側方）を押圧する側部揉み部４０が備えられている。この側部揉み部４０には、膨張して施療部に対して押圧マッサージを施す空気袋４１が備えられている。すなわち、椅子型マッサージ機１において、背もたれ部４の左右両側には、前方突出状のエアバッグケース４２が設けられ、これらエアバッグケース４２の互いに対向する内側面には、それぞれ空気袋４１が埋め込み状に設けられている。この空気袋４１とエアバッグケース４２とで側部揉み部４０が構成されている。

左右で対を成している空気袋４１，４１は、使用者の両肩、両腕の位置を挟んで対向する配置であり、空気供給部（図示しない）から空気が供給されることで膨出し、空気を排気すれば収縮するようになっている。この膨出と収縮とを所定リズムに合わせて脈動的に繰り返せば、背もたれ部４にもたれ掛かった使用者の肩などを、左右両側から対向状に押圧マッサージすることができる。

以上のような構成を有する側部揉み部４０により、使用者に快適なマッサージを付与できるが、この側部揉み部４０は、前方に大きく張り出す構成となっているため、椅子型マッサージ機１の梱包出荷時、移動時に邪魔になったり、梱包後の大きさが嵩高いものとなるといった欠点を有していた。
そこで、本実施形態で開示した椅子型マッサージ機１は、図７（ｂ)に示す如く、側部揉み部４０が幅方向内側に倒れ込み、背もたれ部の表面（前方面）に接するように屈曲可能な構成となっている（側部揉み部４０の屈曲姿勢）。これにより、椅子型マッサージ機１の梱包出荷時、移動時に、背もたれ部を倒れ込ませることで、嵩を減らすことができ、梱包後の大きさが可及的に小さなものとすることができるようになる。

図８に示すように、側部揉み部４０を倒れ込み可能とする構成としては、エアバッグケース４２の基端側を、背もたれ部４の側部に対してヒンジ結合で連結する。すなわち、エアバッグケース４２の基端側を背もたれ部４の側部に対して上下軸４５の軸心回りに回動自在に枢支する。また、エアバッグケース４２の基端側から係合突出片４３を付きだすように設けておく。この係合突出片４３は、エアバッグケース４２の内側壁４６にほぼ垂直に立設するように形成されている。一方で、背もたれ部４の側部に、エアバッグケースが前方突出状態（側部揉み部４０の使用姿勢）になったときに、係合突出片４３が入り込んだ上で、当該係合突出片４３と係合する係合嵌合孔４４が設けられている。

エアバッグケース４２を前方突出状態とした際には、係合突出片４３が係合嵌合孔４４に嵌り込み、容易には、側部揉み部４０が倒れ込まないようになっている。それ故、側部揉み部４０を使用している際に、側部揉み部４０が倒れ込んで、屈曲姿勢になることはない。
なお、例えば、大人がある程度の力を持って側部揉み部４０を幅方向内側（左右方向内側）に倒れ込むように動作させることで、係合突出片４３と係合嵌合孔４４との係合状態は、解除可能なものとするとよい。このようにすることで、例えば、引っ越しなどの際に、椅子型マッサージ機１を再び梱包状態とするに際しても、側部揉み部４０を屈曲姿勢とし、背もたれ部４をコンパクトな荷物へと梱包できるようになる。

今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、下肢用マッサージ装置１が、椅子型マッサージ機２にフットレスト部５として取り付けられた場合を例示して説明を行ったが、本発明の下肢用マッサージ装置１は、単体の製品（載置型のマッサージ機）として使用することも可能である。

１ 下肢用マッサージ装置
２ 椅子型マッサージ機
３ 座部
４ 背もたれ部
５ フットレスト部
６ 肘掛部
７ 挿入凹部
８ 側壁部
９ 底壁部
１０ 下肢用マッサージ機構
２０ 第１の空気袋
２１ 第２の空気袋
２２ 凸条部
２３ 突出片
２４ 前方張出部
２５ 第３の空気袋
２７ 第４の空気袋
２８ 押厚板
２９ 突起
３０ 内側壁
３１ 下側壁
３２ 上側部分
３３ 下側部分
４０ 側部揉み部
４１ （側部揉み部の）空気袋
４２ エアバッグケース
４３ 係合突出片
４４ 係合嵌合孔
４５ 上下軸
４６ 内側壁
Ｃ 脚部
Ｆ 足部

Claims (10)

1. 左右一対に設けられ且つ使用者の下肢を挿入可能となっている挿入凹部と、この挿入凹部の内部に設けられ且つ挿入された下肢をマッサージする下肢用マッサージ機構と、を備えた下肢用マッサージ装置において、
   前記下肢用マッサージ機構は、挿入凹部の内側壁に配備された左右一対の第１の空気袋と、挿入凹部の内側壁であって前記左右一対の第１の空気袋の間に配備された左右一対の第２の空気袋と、を有することを特徴とする下肢用マッサージ装置。
2. 前記左右一対の第１の空気袋は、挿入凹部に嵌入された使用者の脚部の側面に沿うように配備され、左右一対の第２の空気袋は、挿入凹部に嵌入された使用者の脚部の背面に沿うように配備されていることを特徴とする請求項１に記載の下肢用マッサージ装置。
3. 前記挿入凹部の内壁部は、左右方向で対面するように形成された左右一対の側壁部と、左右一対の側壁部の後端辺を左右方向に連結する底壁部とを有しており、
   前記挿入凹部の側壁部には、左右一対の第１の空気袋が上下方向に沿うように配設され、
   前記挿入凹部の底壁部には、左右一対の第２の空気袋が上下方向に沿うように配設されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の下肢用マッサージ装置。
4. 前記左右一対の第２の空気袋の間には、上下方向に延びるように形成された凸条部が設けられていることを特徴とする請求項３に記載の下肢用マッサージ装置。
5. 前記第２の空気袋は、その一方側が挿入凹部の内壁部に対してヒンジ構造によって取り付けられており、左右一対の第２の空気袋は、前記ヒンジ構造のヒンジ部が左右方向で対向するように配備されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の下肢用マッサージ装置。
6. 前記挿入凹部の内壁部は、挿入凹部の下部から前方へ張り出すように形成された張出壁部を有し、
   前記張出壁部には、挿入凹部に挿入された使用者の足部に対応するように前後方向に沿った左右一対の第３の空気袋が配設されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の下肢用マッサージ装置。
7. 前記左右一対の第３の空気袋の間であって、挿入凹部に嵌入された使用者の足部の底面に対応する位置には、第４の空気袋が配設されていることを特徴とする請求項６に記載の下肢用マッサージ装置。
8. 請求項１〜７のいずれかに記載された下肢用マッサージ装置の制御方法であって、以下の工程Ａ、工程Ｂにより、空気袋の膨張、収縮を行うことを特徴とするの下肢用マッサージ装置の制御方法。
   （工程Ａ） 第１の空気袋が膨張した状態で、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる。
   （工程Ｂ） 第２の空気袋が膨張した状態で、第１の空気袋から空気を抜き収縮させる。
9. 請求項１〜７のいずれかに記載された下肢用マッサージ装置の制御方法であって、以下の工程１〜工程４により、空気袋の膨張、収縮を行うことを特徴とする下肢用マッサージ装置の制御方法。
   （工程１） 第１の空気袋及び第２の空気袋へ空気を供給し、第１の空気袋及び第２の
   空気袋を膨張させる。
   （工程２） 第１の空気袋へ空気を供給し膨張させると共に、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる。
   （工程３） 第１の空気袋から空気を抜き収縮させると共に、第２の空気袋へ空気を供給し膨張させる。
   （工程４） 第１の空気袋から空気を抜き収縮させると共に、第２の空気袋から空気を抜き収縮させる。
10. （工程１）→（工程２）→（工程３）→（工程２）→（工程４）の順番で、各工程を実施、再び（工程１）へ戻るように、空気袋の膨張、収縮を行うことを特徴とする請求項９に記載の下肢用マッサージ装置の制御方法。