JP2014013068A - 無段変速装置 - Google Patents

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Shinji Yasuhara
伸二 安原
Keisuke Mori
敬祐 森
Yasuzo Wakayama
泰三 若山
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Abstract

【課題】巻き掛け伝動部材がチェーンである場合に効率よく冷却及び潤滑を行うことができる無段変速装置を提供する。
【解決手段】互いに平行に配置された一対の回転軸13,14と、各回転軸13,14に設けられ、溝幅を変更可能な一対のプーリ16,17と、一対のプーリ16,17に巻き掛けられたチェーンからなる巻き掛け伝動部材18と、プーリ16,17及び巻き掛け伝動部材18を潤滑する潤滑手段とを備えている無段変速装置であって、潤滑手段は、各プーリ16,17の溝内に潤滑油を噴射する噴射部41,42と、各プーリ16,17の溝内に噴射された潤滑油を各プーリ16,17の内側面へ向けて軸方向外側へ誘導する誘導面を有するガイド部材51,52と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両に適用することができる無段変速装置に関する。
従来、自動車用の無段変速装置として、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、両プーリ間に巻き掛けられた巻き掛け伝動部材とを備えたものが知られている。この無段変速装置は、プライマリプーリ及びセカンダリプーリがいずれも固定シーブと可動シーブとを備えており、可動シーブを軸方向に移動させることによって固定シーブとの間隔(溝幅)を調整し、巻き掛け伝動部材の巻き掛け径を変更することによって無段階の変速が可能である。
上記のような無段変速装置は、各プーリ及び巻き掛け伝動部材が互いに接触しながら高速で回転するため、発熱や摩耗を生じやすい。このため、従来は、各プーリの溝内に向けて潤滑油を噴霧することによってプーリや巻き掛け伝導部材を冷却及び潤滑し、耐久性を高めることが行われていた(例えば、特許文献1〜3参照)。
実開平4−119655号公報 特開平6−50400号公報 特開2009−68681号公報
一般に、無段変速装置に用いられる巻き掛け伝動部材は、金属ベルトとチェーンとに大別される。金属ベルトは、専ら金属ベルトを構成する部材間で発生する発熱や摩耗が問題となり、チェーンは、専らプーリとの接触面における発熱や摩耗が問題となる。
上記特許文献1〜3に記載の無段変速装置は、いずれも巻き掛け伝動部材として金属ベルトが用いられている。そして、プーリの溝内に噴射された潤滑油は、その多くが拡散されることによってプーリの内側面だけでなく金属ベルトの内周面にも直接的に付着するため、金属ベルトの冷却及び潤滑を行うことが可能である。しかしながら、巻き掛け伝動部材がチェーンである場合、チェーンの内周面に直接的に付着した潤滑油は、発熱と摩耗が大きくなるチェーンとプーリとの接触部分に対する冷却及び潤滑のためにあまり寄与しないので、効率よく潤滑油を使用することができなかった。
また、この種の無段変速装置においては、変速比を変化させることによって一対のプーリの溝幅中心が相互に軸方向に位置ずれする「ミスアライメント」の発生が避けられない。このようなミスアライメントによって、チェーンの軸方向一端部が他端部よりもプーリの内側面に強く圧接し、発熱や摩耗がより生じやすくなるという欠点もある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、チェーンからなる巻き掛け伝動部材に対して効率よく冷却及び潤滑を行うことができる無段変速装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る無段変速装置は、互いに平行に配置された一対の回転軸と、各回転軸に設けられ、溝幅を変更可能な一対のプーリと、一対のプーリに巻き掛けられたチェーンからなる巻き掛け伝動部材と、前記プーリ及び前記巻き掛け伝動部材を潤滑する潤滑手段とを備えている無段変速装置であって、前記潤滑手段は、各プーリの溝内に潤滑油を噴射する噴射部と、各プーリの溝内に噴射された潤滑油を各プーリの内側面へ向けて軸方向外側へ誘導する誘導面を有するガイド部材と、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、噴射部から噴射された潤滑油は、ガイド部材における誘導面によってプーリの溝内で軸方向外側へ誘導される。これにより、潤滑油の多くをプーリの内側面に向けて供給することができ、巻き掛け伝動部材とプーリの内側面との接触部分における冷却及び潤滑を促進することができる。
(2)前記噴射部は、前記回転軸の外周面における、前記プーリに対する前記巻き掛け伝動部材の噛み込み側に向けて潤滑油を噴射することが好ましい。
このような構成によって、回転軸の外周面に吹き付けられた潤滑油は、巻き掛け伝動部材の噛み込み側へ拡散しやすくなり、効率よくプーリと巻き掛け伝動部材との接触部分を冷却及び潤滑を行うことができる。
(3)前記ガイド部材は、前記噴射部と前記プーリとの間において、前記噴射部から噴射された潤滑油を前記巻き掛け伝動部材の噛み込み側から覆っていることが好ましい。
このような構成によって、噴射部から噴射された潤滑油が、プーリの溝内に入る前に巻き掛け伝動部材の噛み込み側(プーリの回転方向)に拡散してしまうのを抑制し、潤滑油を無駄なくプーリの溝内に供給することができる。
(4)本発明に係る無段変速装置は、互いに平行に配置された一対の回転軸と、各回転軸に設けられ、溝幅を変更可能な一対のプーリと、一対のプーリに巻き掛けられたチェーンからなる巻き掛け伝動部材と、前記プーリ及び前記巻き掛け伝動部材を潤滑する潤滑手段とを備えている無段変速装置であって、前記潤滑手段は、各プーリの溝内に潤滑油を噴射する噴射部を備えており、前記噴射部は、高負荷時又は高回転時において前記巻き掛け伝動部材の軸方向両端部のうち前記プーリとの接触面圧が高い方へ偏心させて潤滑油を噴射することを特徴とする。
この種の無段変速装置においては、一対のプーリの溝幅中心が相互に軸方向に位置ずれする「ミスアライメント」によって、巻き掛け伝動部材の軸方向一端部が他端部よりもプーリの内側面により強く圧接し、より発熱や摩耗が生じやすくなる。一方、この種の無段変速装置においては、高負荷時や高速回転時に最も発熱が大きく、摩耗も顕著となる。
本発明では、高負荷時又は高回転時において巻き掛け伝動部材の軸方向両端部のうちプーリとの接触面圧が高い方へ偏心させて噴射部が潤滑油を噴射するので、より発熱や摩耗が生じやすくなる部分の冷却及び潤滑を効率的に行うことができ、巻き掛け伝動部材の耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、チェーンからなる巻き掛け伝動部材に対して効率よく冷却及び潤滑を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る、アンダードライブの変速状態にある無段変速装置を示す正面図である。 同オーバードライブの変速状態にある無段変速装置を示す正面図である。 無段変速装置の断面説明図である。 ガイド部材の作用を説明する断面図である。 ガイド部材の作用を説明する断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る無段変速装置の変速比ごとのミスアライメントの発生状態を示す説明図である。 変速比とミスアライメントとの関係を例示するグラフである。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、アンダードライブの変速状態にある無段変速装置を示す正面図、図2は、同オーバードライブの変速状態にある無段変速装置を示す正面図である。また、図3は、無段変速装置の断面説明図である。
本実施形態の無段変速装置10は、エンジン等の駆動源11の回転が伝達される駆動側のプライマリ軸13と、このプライマリ軸13と平行に配置された従動側のセカンダリ軸14と、プライマリ軸13に設けられたプライマリプーリ16と、セカンダリ軸14に設けられたセカンダリプーリ17と、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17に巻き掛けられた巻き掛け伝動部材18と、を備えている。
図3に示されるように、プライマリプーリ16は、プライマリ軸13に固定された固定シーブ21と、この固定シーブ21に対向し、プライマリ軸13の軸心方向に移動可能に設けられた可動シーブ22とを備えている。固定シーブ21及び可動シーブ22との対向面間には略V字形状のプーリ溝23が形成され、このプーリ溝23に巻き掛け伝動部材18が巻き掛けられている。
同様に、セカンダリプーリ17は、セカンダリ軸14に固定された固定シーブ25と、この固定シーブ25に対向し、セカンダリ軸14の軸心方向に移動可能に設けられた可動シーブ26とを備えている。固定シーブ25及び可動シーブ26との対向面間には略V字形状のプーリ溝27が形成され、このプーリ溝27に巻き掛け伝動部材18が巻き掛けられている。
プライマリプーリ16とセカンダリプーリ17とは、固定シーブ21,25と可動シーブ22,26とが軸方向に関して逆の配置とされている。すなわち、図3に示す例では、プライマリプーリ16の固定シーブ21が上側、可動シーブ22が下側に配置されているのに対して、セカンダリプーリ17の固定シーブ25が下側、可動シーブ26が上側に配置されている。
また、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17は、図1及び図2における矢印A方向に回転する。したがって、巻き掛け伝動部材18は、プライマリプーリ16の上部側でプーリ溝23内に導入されて噛み込み、プライマリプーリ16の下部側でプーリ溝23から排出される。また、巻き掛け伝動部材18は、セカンダリプーリ17の下部側でプーリ溝27内に導入されて噛み込み、セカンダリプーリ17の上部側でプーリ溝27から排出される。
プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17の可動シーブ22,26は、油圧シリンダ等の油圧アクチュエータ31,32の作動によって軸方向に移動する。そして、可動シーブ22,26の移動によってプーリ溝23,27の幅が調整されると、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17に対する巻き掛け伝動部材18の巻き掛け径が変化し、プライマリ軸13の回転に対するセカンダリ軸14の回転が変速される。また、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17に対する巻き掛け伝動部材18の巻き掛け径の変化によって、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ17との間の巻き掛け伝動部材18の弦部18A,18Bの傾きが変化する(図1及び図2参照)。
図1は、プライマリプーリ16に対する巻き掛け伝動部材18の巻き掛け径が最も小さく、セカンダリプーリ17に対する巻き掛け伝動部材18の巻き掛け径が最も大きい状態、すなわち変速比が最も大きいアンダードライブの変速状態を示している。なお、以下の説明においては、アンダードライブの変速状態のことを「U/D状態」ともいう。
また、図2は、プライマリプーリ16に対する巻き掛け伝動部材18の巻き掛け径が最も大きく、セカンダリプーリ17に対する巻き掛け伝動部材18の巻き掛け径が最も小さい状態、すなわち変速比が最も小さいオーバードライブの変速状態を示している。なお、以下の説明においては、オーバードライブの変速状態ことを「O/D状態」ともいう。
本実施形態の巻き掛け伝動部材18は、従来から公知のチェーンによって構成されている。このチェーンは、複数のリンク34と、複数のリンク34を互いに屈曲可能に連結する複数の連結ピン35とを備えている。各リンク34は、鋼板製の薄板材を幅方向に並べることによって構成され、前後の2箇所には貫通孔36が形成されている。各連結ピン35は、各リンク34の貫通孔36に嵌合され、隣接するリンク34同士を屈曲可能に連結している。
図3に示されるように、各連結ピン35は、軸受用鋼等の高強度耐摩耗材料で形成されており、リンク34の幅方向両側から突出している。そして、連結ピン35の両端部は、プーリ溝23,27の対向面であるシーブ面に挟持され、当該シーブ面に摩擦により係合している。したがって、巻き掛け伝動部材18は、プライマリプーリ16のシーブ面との摩擦係合によって動力が伝達され、セカンダリプーリ17のシーブ面との摩擦係合によって動力を伝達するように構成されている。
本実施形態の無段変速装置10は、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17と巻き掛け伝動部材18とを潤滑する潤滑手段を備えている。この潤滑手段は、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ17との間に配置され、潤滑油の供給源39から潤滑油が供給される給油管40を備え、この給油管40には潤滑油を噴射する噴射口(噴射部)41,42が設けられている。給油管40は、プライマリ軸13とセカンダリ軸14との軸心を繋ぐラインよりも下側に配置されている。噴射口41,42は、給油管40からプライマリプーリ16のプーリ溝23内に向けて開口する第1の噴射口41と、セカンダリプーリ17のプーリ溝27に向けて開口する第2の噴射口42とからなる。
図1及び図2に示されるように第1の噴射口41は、プライマリ軸13の外周面における当該プライマリ軸13の中心よりも上側(プライマリプーリ16に対する巻き掛け伝動部材18の導入側(噛み込み側))に向けて潤滑油を噴射するように形成されている。図1及び図2には、第1の噴射口41から噴射される潤滑油の中心線(噴射軸線)が符号α1で示されている。
同様に、第2の噴射口42は、セカンダリ軸14の外周面における当該セカンダリ軸14の中心よりも下側(セカンダリプーリ17に対する巻き掛け伝動部材18の導入側(噛み込み側))に向けて潤滑油を噴射するように形成されている。図1及び図2には、第2の噴射口42から噴射される潤滑油の中心線(噴射軸線)が符号α2で示されている。
第1の噴射口41から噴射された潤滑油は、軸線α1から径方向に拡がりつつプライマリ軸13の外周面に吹き付けられ、当該外周面から上方へさらに拡散し、プライマリプーリ16の内側面(シーブ面)と巻き掛け伝動部材18とを潤滑及び冷却する。また、第2の噴射口42から噴射された潤滑油は、軸線α2から径方向に拡がりつつセカンダリ軸14の外周面に吹き付けられ、当該外周面から下方へさらに拡散し、セカンダリプーリ17の内側面(シーブ面)と巻き掛け伝動部材18とを潤滑及び冷却する。
第1の噴射口41の上側(プライマリプーリ16に対する巻き掛け伝動部材18の噛み込み側)には、給油管40からプライマリプーリ16に向けて延びる第1のガイド部材51が設けられている。また、第2の噴射口42の下側(セカンダリプーリ17に対する巻き掛け伝動部材18の噛み込み側)には、給油管40からセカンダリプーリ17に向けて延びる第2のガイド部材52が設けられている。
第1,第2のガイド部材51,52は、それぞれ噴射軸線α1,α2と略平行に配置されている。また、第1,第2のガイド部材51,52は、先端部がプーリ溝23,27内に挿入されている。図3に示されるように、第1,第2のガイド部材51,52は、平面視で略長方形状に形成されており、プーリ溝23,27の溝幅が調整されたとしても固定シーブ21,25及び可動シーブ22,26に干渉しない軸方向の幅を有している。
図1及び図2に示されるように、第1の噴射口41から噴射された潤滑油は、軸線α1に沿って径方向に拡がりつつプライマリ軸13に到達するが、矢印Bで示すようにプライマリプーリ16内に入る前に上方へ拡がり、直接的に巻き掛け伝動部材18の内周面に付着したり、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ17との間から側方へ排出されたりすると、プライマリプーリ16の内側面と巻き掛け伝動部材18との接触部分の潤滑及び冷却のために有効に潤滑油が使用されなくなる。本実施形態では、第1の噴射口41から噴射された潤滑油がプライマリプーリ16の外側で上方へ拡がってしまうことを第1のガイド部材51によって制限している。そのため、効率よくプライマリプーリ16内に潤滑油を供給することが可能となっている。
同様に、第2の噴射口42から噴射された潤滑油が、矢印Cで示すようにセカンダリプーリ17内に入る前に下方に拡がって直接的に巻き掛け伝動部材18の内周面に付着したり、セカンダリプーリ17とプライマリプーリ16との間から側方へ排出されたりすると、セカンダリプーリ17の内側面と巻き掛け伝動部材18との接触部分の冷却及び潤滑のために有効に潤滑油が使用されなくなる。本実施形態では、第2の噴射口42から噴射された潤滑油がセカンダリプーリ17の外側で下方へ拡がってしまうことを第2のガイド部材52によって制限している。そのため、効率よくセカンダリプーリ17内に潤滑油を供給することが可能となっている。
図4及び図5は、ガイド部材の作用を説明する断面図である。
図4に示されるように、第1のガイド部材51は、その下面51Aが下方に凸となるように円弧状に湾曲した形状となっている。そのため、第1の噴射口41から噴射され、第1のガイド部材51の下面(誘導面)51Aに当たった潤滑油はプライマリプーリ16の内側面に向けて軸方向外側へ誘導される。これにより、最も発熱や摩耗が大きくなるプライマリプーリ16の内側面と巻き掛け伝動部材18との接触部分P1,P2へ効率よく潤滑油を供給することができる。
図5に示されるように、第2のガイド部材52は、その上面52Aが上方に凸となるように円弧状に湾曲した形状となっている。そのため、第2の噴射口42から噴射され、第2のガイド部材52の上面(誘導面)52Aに当たった潤滑油はセカンダリプーリ17の内側面へ向けて軸方向外側へ誘導される。これにより、最も発熱や摩耗が大きくなるセカンダリプーリ17の内側面と巻き掛け伝動部材18との接触部分P1,P2へ効率よく潤滑油を供給することができる。
したがって、本実施形態の潤滑手段は、最も発熱や摩耗が大きくなる各プーリ16,17の内側面と巻き掛け伝動部材18との接触部分P1,P2に対して効率よく潤滑油を供給することができ、より少ない潤滑油で冷却及び潤滑を行うことが可能となる。そのため、潤滑油ポンプの容量を小さくすることができ、コストの低減を図ることができる。また、本実施形態の潤滑手段は、潤滑油量を従来と同等とした場合には、より耐熱性が向上することになるため、より高負荷、高回転の領域まで無段変速装置10の適用範囲を拡大し、性能の向上を図ることができる。
〔第2の実施形態〕
図6は、本発明の第2の実施形態に係る無段変速装置の変速比ごとのミスアライメントの発生状態を示す説明図である。
本発明のような無段変速装置10は、プライマリプーリ16及びセカンダリプーリ17の一方のシーブ(可動シーブ)22,26が軸方向に移動する構成であるため、両プーリ16,17の軸方向中心位置C1,C2が互いに軸方向に位置ずれする「ミスアライメント」が発生する(図6(b),(c)参照)。このようなミスアライメントが発生すると、各プーリ16,17に対して巻き掛け伝動部材18が斜めに巻き掛けられ、巻き掛け伝動部材18の軸方向一端部が軸方向他端部よりも各プーリ16,17の内側面に強く圧接し、より発熱や摩耗が大きくなり、耐久性が低下してしまう。
また、無段変速装置10は、これが搭載された車両等が停止状態から加速するときに高負荷となり、当該車両等が高速で走行するときに高回転となり、いずれの場合にも巻き掛け伝動部材18とプーリ16,17との接触部分における発熱や摩耗が大きくなる。したがって、ミスアライメントによる接触面圧のアンバランスに上記のような高負荷、高回転の条件が加わることによって、巻き掛け伝動部材18の一方の軸方向端部の発熱や摩耗が極めて大きくなり、より耐久性を低下させる原因になる。
本発明の第2実施形態は、このような巻き掛け伝動部材18の接触面圧のアンバランスと、高負荷又は高回転の条件とによる発熱や摩耗を抑制するため、潤滑手段による潤滑油の供給位置に工夫を施したものとなっている。具体的には、高負荷、高回転の条件下で、巻き掛け伝動部材18の軸方向両端部のうち、プーリ16,17との接触面圧がより高い方に偏心して潤滑油を吹き付けるように噴射口41,42が形成されている。
図7は、変速比とミスアライメントとの関係を例示するグラフである。
一般に、無段変速装置10のミスアライメントは、変速比の変化によって図7に示される曲線のように変動する。そして、本実施形態においては、例えば図6(a)に示されるように、変速比が1.0のときにミスアライメントが0となるように設定されている。この場合、無段変速装置10の変速比がU/D状態のとき(図6(b)参照)と、O/D状態のとき(図6(c)参照)とでは、同一の方向(正方向)にミスアライメントt1,t2が発生する。ここでは、プライマリプーリ16の中心位置C1に対してセカンダリプーリ17の中心位置C2が、プライマリプーリ16の可動シーブ22側に位置ずれする方向を「正方向」としている。
以上のように、U/D状態及びO/D状態でミスアライメントが発生していると、巻き掛け伝動部材18と各プーリ16,17における可動シーブ22,26との接触面圧が偏って高まり、この接触部分における発熱と摩耗とが極めて大きくなる。そのため、本実施形態では、U/D状態及びO/D状態におけるプーリ16,17の中心位置C1,C2よりも可動シーブ22,25側へ偏心した位置(H1,H2)に向けて潤滑油を供給するように噴射口41,42を形成する。このような構成によって、巻き掛け伝動部材18に生じる最も大きな発熱や摩耗を抑制することが可能となり、巻き掛け伝動部材18の耐久性を効果的に向上させることができる。
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上記第1の実施形態において、ガイド部材の段面形状は、円弧状に湾曲した形状(図4及び図5参照)に限らず、V字形状に屈曲した形状とすることができる。
上記第2の実施形態においては、図6及び図7に示されるように変速比が1.0のときにミスアライメントが0となっているが、これに限定されるものではない。また、上記第2の実施形態では、O/D状態及びU/D状態のいずれにおいてもミスアライメントが正方向に生じているが、一方又は双方が負方向に生じていてもよい。
10:無段変速装置、13:プライマリ軸(回転軸)、14:セカンダリ軸(回転軸)、16:プライマリプーリ、17:セカンダリプーリ、18:巻き掛け伝動部材、41:第1の噴射口(噴射部)、42:第2の噴射口(噴射部)、51:第1のガイド部材、51A:下面(誘導面)、52:第2のガイド部材、52A:上面(誘導面)

Claims (4)

  1. 互いに平行に配置された一対の回転軸と、各回転軸に設けられ、溝幅を変更可能な一対のプーリと、一対のプーリに巻き掛けられたチェーンからなる巻き掛け伝動部材と、前記プーリ及び前記巻き掛け伝動部材を潤滑する潤滑手段とを備えている無段変速装置であって、
    前記潤滑手段は、各プーリの溝内に潤滑油を噴射する噴射部と、
    各プーリの溝内に噴射された潤滑油を各プーリの内側面へ向けて軸方向外側へ誘導する誘導面を有するガイド部材と、を備えていることを特徴とする無段変速装置。
  2. 前記噴射部は、前記回転軸の外周面における、前記プーリに対する前記巻き掛け伝動部材の噛み込み側に向けて潤滑油を噴射する、請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 前記ガイド部材は、前記噴射部と前記プーリとの間において、前記噴射部から噴射された潤滑油を前記巻き掛け伝動部材の噛み込み側から覆っている、請求項2に記載の無段変速装置。
  4. 互いに平行に配置された一対の回転軸と、各回転軸に設けられ、溝幅を変更可能な一対のプーリと、一対のプーリに巻き掛けられたチェーンからなる巻き掛け伝動部材と、前記プーリ及び前記巻き掛け伝動部材を潤滑する潤滑手段とを備えている無段変速装置であって、
    前記潤滑手段は、各プーリの溝内に潤滑油を噴射する噴射部を備えており、
    前記噴射部は、高負荷時又は高回転時において前記巻き掛け伝動部材の軸方向両端部のうち前記プーリとの接触面圧が高い方へ偏心させて潤滑油を噴射することを特徴とする無段変速装置。
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