JP2014011554A - 光線路監視方法、および光線路監視システム - Google Patents

光線路監視方法、および光線路監視システム Download PDF

Info

Publication number
JP2014011554A
JP2014011554A JP2012145553A JP2012145553A JP2014011554A JP 2014011554 A JP2014011554 A JP 2014011554A JP 2012145553 A JP2012145553 A JP 2012145553A JP 2012145553 A JP2012145553 A JP 2012145553A JP 2014011554 A JP2014011554 A JP 2014011554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
line
otdr
loss
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012145553A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Onoda
誠一 斧田
Nobuo Tsukamoto
信夫 塚本
Keiichi Inoue
恵一 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2012145553A priority Critical patent/JP2014011554A/ja
Priority to PCT/JP2013/065937 priority patent/WO2014002741A1/ja
Publication of JP2014011554A publication Critical patent/JP2014011554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/07Arrangements for monitoring or testing transmission systems; Arrangements for fault measurement of transmission systems
    • H04B10/071Arrangements for monitoring or testing transmission systems; Arrangements for fault measurement of transmission systems using a reflected signal, e.g. using optical time domain reflectometers [OTDR]
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/27Arrangements for networking
    • H04B10/272Star-type networks or tree-type networks

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Computing Systems (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Abstract

【課題】光アクセス系を改変することなく、経路途中でのfault locationを実時間で自動的に行うこと。
【解決手段】1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、1本の光ファイバによる光路と複数の支線とからなる複数の経路が構成されてなる光線路系において、各経路の途中における損失特性変化をOTDRで監視する光線路監視方法であって、現在の反射インパルス応答波形と一定時間前からの反射インパルス応答波形を常時比較監視し、減分応答が検出されたとき、前記減分応答の波形の立下がり位置によって損失発生経路を特定し、前記減分応答の波形の立ち上がり位置によって損失発生箇所を特定する。擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバによる光路を複数の分岐光路に分岐させて構成された光路群を含んだ光線路系において、光路上で発生した伝送損失の変化検出する技術に関するものである。
光ファイバを伝送媒体とするFTTH(Fiber To The Home )サービスの普及は目覚しく( Passive Optical Network:PONと総称される) 、我が国の光加入者数は、2012年4月現在2190万加入にのぼる。こうしたFTTHの普及とともに、光ネットワークに対する保守サービスの技術向上とコスト削減が急務になっている。
PONでは、局からの出線が加入者宅近傍の光分岐器(スプリッタ)で複数本に分岐されるが(通常8分岐) 、局からOTDR(Optical Time Domain Reflectometer、時間領域光反射計測器(通称光パルス試験器))の反射インパルス応答波形を見ると、スプリッタ下部の支線全部の反射が重畳されてしまうため、支線個別の反射応答を求めることが困難である。これを克服する試みがいくつかなされているが、現在までのところ現実的な解は得られていないようである。
ネットワーク上では種々故障が起こり得る。強風などの影響によって、ファイバケーブルが急曲されて局所的に大きな曲げ損失が発生したり、破断に至る場合も少なくない。
このようなトラブルが発生した場合には、加入者からのクレームによって通信事業者の要員が加入者宅に赴き、OTDRによってトラブルが発生した光路上の位置(光故障点)を検知した上で、対策を施すのが通常であり、監視の自動化はできていない。
このような従来の保守サービスでは、通信サービス運用上の問題も多く、保守のために膨大な手間とコストを要しているのが現状である。
そのため、加入者側からではなく、局側から通信サービスを継続した状態で前記光故障点を切り分けられる線路監視方式が渇望されている。
高橋央他 「パルス光ブリルアン利得解析によるスプリッタ 下部測定技術」、電子情報通信学会技術研究報告、 OFT2011-76、2012年3月2日
光故障を切り分けるもっとも基本的な手段は上記のOTDRであるが、これを局から加入側に対して用いると、スプリッタ以遠の複数加入者線からのレーリ後方散乱光が重畳されてしまうため、加入者線ごとの故障切り分けは不可能とされている。
また、非特許文献1に記載の技術は、局側からブリルアンポンプ光パルスと時間遅れをもたせたプローブ光パルスを発出し、支線の高反射終端から折り返されたポンプ光がプローブ光と逆向きに衝突するときに発生するブリルアン増幅光を選択的に受光して解析するものであるが、系の構成が非常に複雑である。
従って、本発明の目的とするところは、光アクセス系を改変することなく、シンプルなハード構成によって光分岐器以遠を含めた光アクセス系のfault locationを実時間で自動的に行う方式を実現することにある。すなわち、線路系を対象に、ファイバ線路の破断もしくは急曲などによる局部的な挿入損失の変化を「線路故障」として、その故障発生時刻、その故障位置(どの支線のどの位置か)、および故障内容(破断か挿入損か、挿入損なら定量的に何デシベルか)を実時間で検出することである。
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成を備えている。
請求項1に係る光線路監視方法の発明は、
1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とからなる複数の経路が構成されてなる光線路系において、各経路の途中における損失特性変化をOTDRで監視する光線路監視方法であって、
現在の反射インパルス応答波形と一定時間前からの反射インパルス応答波形を常時比較監視し、減分応答が検出されたとき、前記減分応答の波形の立ち下がり位置によって損失が発生した経路を特定し、前記減分応答の波形の立ち上がり位置によって損失が発生した箇所を特定することを特徴としている。
請求項2では、
前記減分応答が検出された時点に基づいて前記損失が発生した時刻を特定する処理か、もしくは、
前記減分応答波形のレベルに基づいて挿入損を求めて前記損失発生の内容を特定する処理か、
の少なくとも何れか一つの処理を行うことを特徴としている。
請求項3では、
前記光線路系が正常な時にあらかじめ取得した正常時の反射インパルス応答波形に基づいて、各支線のレーリ後方散乱光レベルの分布と、各支線の終端位置に対応した終端位置情報とを含んだ支線終端マップを得ておき、
前記損失が発生した支線として特定する際には、
前記減分応答波形の立下り位置を前記支線終端マップと対比させ、前記立ち下がり位置と一致する終端位置情報を含んだ支線を、前記損失が発生した支線として特定し、
前記損失が発生した支線上の位置として特定する際には、
前記減分応答波形の立ち上がり位置を、前記特定した支線の支線終端マップと対比させ、前記立ち上がり位置に対応した位置を、前記損失が発生した支線上の位置として特定し、
前記損失発生の内容を特定する際には、
前記減分応答の減分レベルと前記支線終端マップにおけるレーリ後方散乱光レベル分布との比較によって挿入損失値を特定することを特徴としている。
請求項4では、
前記各経路の途中における損失特性変化を監視するOTDRとしては、
擬似ランダム符号で変調された光を前記光線路系へ出射し、前記光線路系からの反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項5では、
1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とから構成されてなる光線路系を複数含んだ光伝送システムにおける複数の光線路系を対象にした時分割多重の光線路監視方法であって、
前記複数の光線路系の内の何れか1つの光線路系を順次選択し、
擬似ランダム符号で変調された光は、前記選択した光線路系に対して出射し、
前記光線路系からの反射光は受光して加算し、
該加算出力と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項6では、
前記前記1本の光ファイバによる光路には、光通信手段から出力された通信光と、前記通信光とは異なる波長の光を擬似ランダム符号で変調した監視光とを、波長分割多重させて出射し、
前記光線路系から、波長選択性カプラによって前記監視光に基づいた反射光を分離して受光し、
受光した反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項7では、
前記1本の光ファイバによる光路には擬似ランダム符号で変調した監視光を出射し、
前記光線路系から、波長選択性カプラによって前記監視光に基づいた反射光を分離して受光し、
受光した反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項8に係る監視システムは、
1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とからなる複数の経路が構成されてなる光線路系において、各経路の途中における損失特性変化をOTDRで監視するために用いる光線路監視システムであって、
現在の反射インパルス応答波形と一定時間前からの反射インパルス応答波形を常時比較監視して、減分応答が検出されたとき、前記減分応答の波形の立ち下がり位置と、前記減分応答の波形の立ち上がり位置に関する情報を出力する減分応答監視手段を備えていることを特徴としている。
上述した解決手段を備えた本発明の基本要素を一言ずつで言うなら、「PNCR/OTDR(Pseudorandom noise-code Correlation Reflectometry/OTDR)」、「DRA(Decremental Reflection Analysis:反射減分解析)」、「デジタルポーリング」の3点である。
なお、
PNCR/OTDRとは、擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRであり、従来のアナログ式のパルス方式に代わるOTDRのことであり、例えば、以下の参考文献1に開示されている。
参考文献1:<論文> 斧田他「擬似ランダム符号相関方式によるファイバレーリ散乱の検出」2006.3 ¥電子情報通信学会総合大会予稿C-5-12
また、
DRAは、本発明の骨子をなすもので、OTDRによるネットワークからの反射インパルス応答の一定時間前からのDecremental Reflection、すなわち「反射減分」もしくは「DR応答」を常時監視し、故障発生で生じた減分応答を解析することによって、上述の目的であるすべての故障情報を得る方式のことである。
また、
デジタルポーリングは、局内の出線ごとに線路監視用波長の送受光モジュールを設け、サイクリックに順次送光系をイネーブルにすることによって、複数の出線を時分割で多重化する方式のことである。
以下に、それぞれを詳細に説明する。
1)PNCR/OTDR
OTDRは光線路上の光損失分布、すなわち反射インパルス応答を得るための試験器の一般名称で、従来、アナログ式のパルス方式のものが用いられている。シャープな光パルスを対象に向かって発出したときの反射光の時間応答波形を以ってそのまま出力とするものである。
この方式は原理は簡単ながら、本発明の目的からするといくつかの短所を持つ。
1つには、単独パルスショットに対する波形応答であるために、線路系の最遠端からの反射が戻るまで、次のショットを待たなくてはならない。線路上の異なる区間からの反射戻りが重なってしまうからである。これは時間的な無駄である。
2つには、パルス方式であるために、光源のピークパワを高くしなくてはならないことである。ハイパワ光源は一般的でないため、コスト高につくだけでなく、ショット時に通信伝送系に対して影響をあたえるおそれがある。
3つには、光源をハイパワにしてもショットあたりの光エネルギが小さいため、単独パルスでは受光S/N比が十分でない。そのため多数回ショットによる平均化処理でS/N比を稼ぐことが必要となる。ショット間隔は線路長に制限されるから、結果、計測時間が長くならざるを得ない。
そこで本発明では、アナログ式のパルス方式に代わって、発明者によって開発されたデジタル式の擬似ランダム符号相関方式(PNCR方式と略称)を採用する。
図3に、デジタル式の擬似ランダム符号相関方式の原理構成を示した。
PNCR方式では前述した従来方式の欠点をほぼクリアすることができるので、本発明の回線監視システムのためのOTDR方式としては最適なのである。
2)DRAを図1を参照して説明する。
図1(a)には、局側のOTDRからの出線が光分岐器で3つの支線L1、L2、L3に分岐され、前記支線2の途中で損失が発生した例を示している。
(1)光分岐器以遠の支線長にはOTDRの距離分解能以上の距離差があるものとする(ない場合は終端にダミーファイバを追加して差を付与する)。
(2)正常時における局側からのOTDR反射応答(NR/BF(Network Reflection/Before the Fault),図1(b)参照。)により、加入者線の終端位置マップ(図1(c)参照。)を作成する。
(3)各支線に対応するレーリ後方散乱レベル(レーリレベルと仮称)R1,R2,R3を求めておく。
(4)観測点から見た光線路系の反射インパルス応答(OTDR反射波形)の一定時間前からの減分応答(DR応答)を常時監視する。
(5)線路上に曲げによる挿入損や破断などの光学的故障がない場合、DR応答はつねにゼロである。
(6)故障発生と同時にOTDR反射応答が図1(d)に示したNR/AF(Network Reflection/After the Fault)のように変化し、前記NR/BFとの減分としてDR応答(図1(e)参照。)が出現する。これにより故障発生時刻がわかる。
(7)発生したDR応答波形の立下り位置P2と、支線終端マップ上での終端位置が一致する支線L2が故障線路である。
(8)DR応答波形の立ち上がり時点P1に相当する地点が損失が発生した損失点の位置、すなわち故障位置である
(9)上記立上がり幅D2を支線L2に対応するレーリレベルR2と比較し、ほぼ等しければ「破断」、レーリレベルよりも低ければ曲げなどによる挿入損である。挿入損の大きさは、前記レーリレベルとの比D2/R2として求めることができる。
3)デジタルポーリング
(1)従来技術
出線ごとにOTDRを設けるのはコスト高につくため、従来は、OTDRの出口に光スイッチを設け、複数の出線を順次選択接続する方式が採られている。
しかし光スイッチは機械的な可動部をもつものが多く、応答性と信頼性の点で課題がある上、コストも高い。
また通常1×2のものが基本となるため、選択段数が増えると多数個の光スイッチを要するなど極めて面倒かつ高価につく。
従って光スイッチによらない電気回路的手法によって実現したデジタルポーリングでは、シンプル、高速かつ安価な出線選択手段を提供することができる。
(2)系の構成と動作手順
本発明が採用するデジタルポーリングを、図5に示した構成を参照して説明する。
光線路監視装置12からの出線21〜24・・・ごとに、双方向の送受光手段(BIDIと略称;Bi-directional tranceiver)161〜164・・・を設ける。なお、図5においては、複数の光線路系の内4本の出線21〜24を含んだ光線路系を図示して、他の光線路系は省略している。
各BIDI161〜164の光源を、PN符号発生部1212にて発生させた共通の擬似ランダム符号(PN符号)でデジタル変調する。
タイミング発生部122から出力される位相のずれたイネーブル信号(図6のイネーブル信号φ1〜φ8参照)によりにて上記各BIDI161〜164の送光回路をPN符号フレームの整数倍の時間長ずつサイクリックに順次イネーブルにするのが望ましい。
各BIDIの受光器のアナログ加算出力をAD変換後、上記PN符号との相関処理を施し、出線ごとの反射インパルス応答を順次求める。
上記反射インパルス応答にもとづいた反射減分応答解析により、出線ごとの光故障の切り分けを行なう。
以下においては、本明細書において使用する用語と記号を、図1と対応させて説明する。
<OTDR>光パルス試験器の一般名称。従来、OTDRはアナログ式のパルス方式のものしか普及していないので、普通はこの方式のものを指す。本発明では、方式にかかわらず、線路系の反射応答(反射インパルス応答)を求める計測器として用いる。
<出線、光路>光アクセス系の場合は電話局、光計測系の場合はインタロゲータから出る一本の光ファイバ幹線のこと。
<支線>出線の途中、光アクセス系の場合は加入者域、後述する光計測系の場合は観測域近傍において、光分岐器によって分岐された支線光ファイバ。
(光計測系:光センサにおける、あるいはファイバそのものにおける挿入損失の発生もしくは変化によってセンシングするシステム。光伸長計のように、変位をファイバ曲げに変換するものが普及している)
<光分岐器、光分岐手段、スプリッタ>一本のファイバを複数本のファイバに受動的に分岐する機器。ファイバを撚り合わせて延伸するタイプと光の平面回路(PLC:Planar Light Circuit)で構成するタイプがある。本発明の場合はどちらでも可。
<損失点>ファイバの破断や急曲によって、伝送損失が増加する。曲げ損の場合は数dBから10数dB、破断の場合は損失無限大。局所的な損失増は、線路監視の観点からすると「故障」であり、光計測系の場合は「計測情報」である。ここでは両方の場合を想定して、「損失点」とした。
<NR/BF応答>Network Reflection/Before the Fault。ファイバ線路系からのOTDRによる反射(インパルス)応答で、損失発生前のもの。
<NR/AF応答>Network Reflection/After the Fault。ファイバ線路系からのOTDRによる反射(インパルス)応答で、損失発生後のもの。
<DR応答>Decremental Reflection(反射減分)応答。NR応答の一定時間前からの「減分応答」(NR/BF−NR/AF)。応答差分。
<L1〜L3>支線番号。簡単のため光分岐後の支線数を3としたが、PONのような光アクセス系では、8あるいは32が通常である。光計測系の場合は、状況によってまちまちである。
<R0>光分岐器直後のOTDR反射レベル段差。分岐損失に応じて大きくなる。すべての支線からのレーリ反射が重畳されるため、分岐数をNとし、分岐器の過剰損失がないものとすれば、分岐による反射減衰量は10logN (dB)であたえられる(分岐損そのものは本発明では直接関係しない)。
<Ri,R1〜R3>損失発生前のNR/BF応答における各支線終端点のレーリ反射レベル段差。
<Di,D1〜D3>支線に対応したDRレベル。Riとの比較で損失αiがわかる。すなわち、αi=10log(1−Di/Ri) (dB)。
<DR立下り>DR応答波形における立下りタイミング。支線終端マップでタイミングがこれと合致する支線が「損失」発生支線である。
<DR立ち上がり>同じく立ち上がりタイミング。支線終端マップでタイミングがこれと合致する位置から、損失発生支線内の発生箇所が同定される。
本発明によれば、上記3つの基本要素によって以下の効果が得られる。
1)PNCR方式による効果
1つ目には、PNCR方式は、プローブ光として、孤立パルスの代わりにPN符号でデジタル変調された連続光を用いるが、線路最遠端からの反射戻りを待つ必要がなく、発出と受光を同時に行なうことができる。時間的な空白を要せず、計測上の時間効率が非常に高い。
2つ目には、同じ理由から、ショットあたりの(PNCR方式の場合は符号長あたりの)発出光エネルギを、符号長に比例して大きくできることから、プローブ光のピークパワを大きくする必要がない。
3つ目には、相関方式の利得が大きいため、高S/N比を得ることが容易である。従来方式のような夥しい回数の平均化処理が不要なため、計測時間が短縮される。
4つ目には、デジタル式であるために、チップ速度や、符号長などのOTDR動作の条件設定が非常に簡単である。従来方式では回路定数のようなハード要素を制御しなくてはならないが、PNCR方式ではソフト的に制御できる。
PNCR方式は、以上のような特長を備えているため、本発明の光線路監視システムのためのOTDR方式としては最適なのである。
2)DRAによる効果
反射インパルス応答(OTDR反射波形)の一定時間前からの減分応答(DR応答)を常時監視することにより、故障発生時刻の同定、故障線の同定、故障位置の同定が可能である。
また、DR応答の立上がり幅に基づいて、「破断」の発生か、もしくは破断ではないが損失の発生かを識別でき、損失の発生の場合にはどの程度の損失発生かを判断することができる。
3)デジタルポーリングによる効果
本発明ではBIDIと電気的なデジタル回路でデジタルポーリングを行うため、従来の光スイッチを用いた方式に比較して、安価、省スペース、高速応答(PN符号のフレーム単位でのポーリングであるため)といった特長のほかに、可動部をもつ光スイッチによらないため、長期信頼性の面でも非常に有利である。
本発明の特徴である反射減分応答と支線終端マップの説明図である。 本発明が対象とするシステムの概要 PNCRによるOTDRの基本構成の説明図である。 光線路系のトポロジーと支線終端マップの説明図である。 デジタルポーリングの説明図である。 デジタルポーリングの説明図である。 DRAによる故障点切り分けの基本アルゴリズムの説明図である。 シミュレーション条件を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。
図2には、本発明が対象とするシステムの概要を2通りの場合について図示した。
図2(a)は、PONと呼ばれる光加入者線路の場合である。下り1.55μm、上り1.31μmの通信光は、波長分割多重によって一本の共通線路を双方向に行き来する。線路監視のための監視光は1.65μmが用いられており、同様に波長分割多重によって通信光とは別階層となっている。
光線路監視装置12から出力されるPN符号で変調されて光源13から出力される前記監視光は、波長選択性カプラ16を介して出線2に送出される。そして、出線2、分岐器3、および各支線L1〜L8からの反射インパル応答光は、前記波長選択性カプラ16によって選択的に取り出され、さらにカプラ15を介して受光器14にて受光される。
光加入者系のネットワーク構成としては、電話局1内の光端局装置(OLT:Optical Line Terminal)11ごとに分岐器で4分岐された出線2が、加入者域で分岐器3によってさらに8分岐されて、支線L1〜L8で加入者宅に分配され、光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)にONU1〜ONU8において終端される形となっている。よって光終端装置ごとに32加入分収容されることになるが、光端局装置11から加入者宅までパッシブな分岐が2段階入ることから、こうしたネットワーク形式をPDS(Passive Double Star)と呼んでいる。
本発明では出線ごとの故障監視を基本とするので、簡単のため局内での分岐は略記し、上図のように光端局装置からの出線を1本とみなすことにする。なお、特許請求の範囲に記載した「経路」は、図2においては、出線2、分岐器3、および支線L1を含み光回線終端装置ONU1までの経路1から、出線2、分岐器3、および支線L8を含み光回線終端装置ONU8までの経路8までの8本の経路に対応している。
図2(b)は、通信分野でなく、敷設された光ファイバ上の任意箇所における挿入損の変化としてとらえる光センシング系の場合である。この場合はセンシングが目的であるから、用いる光源波長は1種類でよい。
次に、図1、2、3を参照して、本発明の特徴的な技術要素を構成するPNCR方式によるOTDRの基本構成を説明する。
本発明では出線元から見たOTDR波形、すなわち反射インパルス応答波形が基本となるが、局外分岐器の挿入損が大きいため、以遠の反射応答を正確に求めるにはOTDRの高感度化が必須となる。従来のOTDRはパルス方式によるものがほとんどであるが、アナログ式であるために、下記のような制約が多いものになっている。
1)対象とする線路系に光パルスを発出してから、最遠端からの反射光が戻るまで、次のパルスを発出できないため、計測応答が遅くなる。
2)1ショットあたりの光パルスエネルギはパルス幅と光源のピークパワ値の積であたえられるが、パルス幅を長くすると距離分解能が落ちる。ピークパワを大きくするにも光源デバイスに限界がある。また無理に大きくできたとしても、光ファイバのコア内のエネルギ密度が高くなると光ファイバのコアがダメージを受けたり、誘導ラマン散乱などの非線形現象によるよけいな反射が起こり得る。従ってOTDRの感度に制約が生ずる。
3)感度を上げようとすると、受光S/N比を大きくしなければならない。そのために従来はショット数を多くして(しばしば数10万回にも達する)平均化処理を施すことが行なわれるが、上記1)の理由により、ますます計測時間が長くならざるを得ない。
4)アナログ式であるために、OTDR動作の条件制御が簡単でない。たとえばパルス幅やピークパワを変えようとしても、電気回路的な措置が必要となるため、制御が面倒である。
そこで本発明では図3のようなデジタル式のPN符号相関方式(PNCR方式)を採用する。これは、デジタルエンジン121において、光源のLD13をPN符号発生部1212で発生したPN符号でデジタル変調して、対象線路系に発出したときの反射光をPD14で受光して、A/D変換部1213でA/D変換を施し、相関処理部1211にて前記PN符号で相関処理するもので、出力には線路系の反射インパルス応答が得られる(参考文献1)。
PNCR方式によるOTDRの特長は上記と対比してすべてその逆である。すなわち
1)相関方式であるため、最遠端からの反射戻りを待つ必要はなく、プローブ光発出と反射光受光が時間的に重なっても差し支えない。従って発出するとともに受光もできるわけで、無駄時間を要しない。そのため、計測応答が速くなる。
2)PN符号長(PNフレーム長)を長くすることで、それに比例して相関利得を大きくできるため、あえてプローブ光のピークパワを大きくする必要がない。ローパワで済むことから、ピークパワの大きなプローブ光を嫌う用途にも適用できる。また光通信分野で普及している通常パワの光源がそのまま利用可能であることから、デバイスコストが抑えられる。
3)計測応答が速くなるため、計測対象の動きの速い光学的変化にも対応できる。
4)デジタル式であるために、OTDR動作条件の変更は、電気回路的なハード領域で行なう必要がなく、ソフト領域で容易に可能である。
次に、図4、5、6を参照して、本発明における光線路系のトポロジーと支線終端マップとデジタルポーリングを説明する。
光アクセス系のトポロジーとしては図4(a)に示すように、局内から1本の光ファイバで局外に出線し、それぞれ加入者地域付近から光分岐器(SPL:スプリッタ)により8分岐される形態があるが、我が国では、図5に示すように、PDS(パッシブダブルスター)が普及しており、図のように局内から4本の出線で局外に出線し、それぞれ加入者地域付近から光分岐器(SPL:スプリッタ)により8分岐されるのが通常である。
ここで本発明の前提として、SPL以遠の加入者線は一定以上の、すなわち後述するPNCR/OTDR(PN符号相関方式によるOTDR)の距離分解能L以上の距離差をもつものとする。
距離分解能Lは、L=c/2nf であたえられる。ここにcは真空光速、nは光ファイバのモード屈折率、fはPN符号のチップ速度である。
数値例でいうと、c=3×108m/s、n =1.5(石英系のファイバ)であるから、f=100MHzとすると、L=1mとなる。f=25MHzならL=4m、f=10MHzならL=10m となる。
本発明の目的は、上記のような線路系を対象に、ファイバ線路の破断もしくは急曲などによる局部的な挿入損失の変化を「線路故障」として、その故障位置(どの支線のどの位置か)と故障内容(破断か挿入損か、挿入損なら定量的に何デシベルか)を実時間で検出することである。
なお、各支線の光学的終端条件はとくにはない。つまり、高反射終端であってもよいし、無反射終端であってもかまわない。
また破断故障時における破断面の反射減衰量は、いくら以下でなくてはならないという条件もない。実際、ファイバ破断の反射減衰量は、約40dBを平均値として±20数dBの広い範囲で分布するから、これを当てにした線路監視は実際的でないからである。
次に、本発明に用いる支線終端マップについて述べる。
図4(b)は、正常時の局内出線元から見たOTDR波形である。煩雑を避けるため、線路損失はゼロとし、支線終端は無反射であるとした。
図4(c)は、図4(b)をもとに作成する支線終端マップで、各支線の終端位置(特許請求の範囲に記載された「終端位置情報」に対応。)とレーリ後方散乱レベル段差(図ではR1〜R8で表示している)を距離順に線上表示したものである。これをまず準備する。
次に、本発明の特徴的な技術要素を構成する「デジタルポーリング」について図5、6を参照して説明する。なお、図5においては前述したように4本の出線を含んだ光線路系を図示して他の光線路系は省略し、図6においては8本の出線を含んだ光線路系に対するデジタルポーリングによる選択動作を説明している。
本発明における「デジタルポーリング」とは、複数の出線をひとつの線路監視システム内で時分割に多重化する方式で、従来例のシステムにあっては光スイッチバンクで行っている機能を、上図のように出線ごとのBIDIモジュール(Bi-directional (双方向性の)送光回路および受光回路)とタイミング発生部122で行なうものである。
1)各BIDIモジュールの送光回路を同一のPN符号で駆動する。
2)PN符号の一定整数倍フレーム毎に、順次各BIDIモジュールの上記送光回路をイネーブルにする(図6参照)。
3)出線ごとの反射受光出力をアナログ加算してA/D変換後、もとのPN符号と相関処理することによって、順次出線ごとの反射応答を得る
4)出線ごとにDRAによって故障切分けを行なう。
図6は、デジタルポーリングによる各BIDIモジュール1〜8の送光回路に対するイネーブルタイミングを示す図である。図6に示されているように、イネーブル信号φ1〜φ8によって、各BIDIモジュールごとに一定のイネーブル時間(T)ごとにサイクリックにイネーブル化する。前記イネーブル時間(T)は、符号フレーム(符号長)の整数倍に選ぶのが望ましい。
次に、本発明の特徴的な技術要素であるDRAについて、図7を参照して説明する。
図7は、DRAによる故障点切り分けの基本アルゴリズムを説明する説明図である。
図7(a)においては、3つの支線1、2、3の内の支線2の途中において曲げ損が発生した状況を示している。
図7(b)においては、支線1、2、3の終端のレーリ反射レベル段差R1、R2、R3を示している。
図7(c)においては、支線3の終端までのレーリ反射レベルを示している。
図7(d)においては、反射減分(DR応答)波形を示している。
<DRAの考え方>
1)故障時刻
DR応答の発生時刻が故障時刻である。
2)故障線路
反射減分応答波形の立ち下り位置P2と終端マップ位置が一致する線路が故障線路である。この図例では、反射減分応答波形の立ち下り位置P2は、支線2の終端マップと一致するので、故障線路は支線2であると同定できる。
3)故障位置
反射減分応答波形の立ち上がり位置P1が故障位置をあたえる。この図例では、反射減分応答波形の立ち上がり位置P1に一致する前記支線2の終端マップと一致する位置が、支線2上の故障位置として同定できる。
4)挿入損の大きさ
故障線路に対応するレーリレベルをR2、反射減分応答波形の反射減分レベルをD2とすると、
挿入損α2は、
α2=10log(1−R2/D2) (dB)
として求めることができる。
一般化すると、支線iに対応するレーリレベルをRi、反射減分応答波形の反射減分レベルをDiとしたとき、挿入損αiは、
αi=10log(1−Ri/Di) (dB)
として求めることができる。
5)故障内容の判断
故障が「破断」であるか急曲などによる「挿入損」であるかは、反射減分レベルとレーリレベルの比較により容易に判別できる。すなわち、
D<R の場合には「挿入損」であると判別でき、
D≒R の場合には「破断」の発生と判断できる。
以上のように、反射減分レベルを終端マップと比較することによって、図2(a)に示したような複数の支線を備えた光加入者系の場合にも、故障線路(支線)の同定と、同定された故障線路上の故障位置の同定が可能である。
さらに、上述したように、故障内容も判断することができる。
次に、図5に示したように、1本の出線と分岐器と8本の分岐された支線L1〜L8とで構成された1つの光線路系(図2、図4参照)を複数含んだ光加入者系の線路構成の場合について説明する。
これは、PDS(パッシブダブルスター)と呼ばれ、図のように局内から複数(例えば4本)の光ファイバ21〜24で局外に出線し、それぞれ加入者地域付近から光分岐器(SPL:スプリッタ)31〜34により8分岐されるのが通常である。この場合も、SPL以遠の加入者線は一定以上の、すなわち前述したPNCR/OTDR(PNCR方式によるOTDR)の距離分解能L以上の距離差をもつものとする。前記距離差が無い場合にはダミーファイバを挿入して距離差を与える。
この場合には、光線路監視装置12では、複数の光線路系を順次選択切り替えながら、選択切り替えした1つの光線路系においては、図2、4、7を参照した説明と同様に、故障発生の支線を特定し、さらに、故障発生位置と、損失値を特定していく。
複数の光線路系の選択切り替えは、前述したように、複数の出線をひとつの線路監視システム内で時分割に多重化する方式で、図示したように出線ごとのBIDIモジュール(Bi-directional(双方向性の)送光回路および受光回路)と、タイミング発生部等のデジタル回路で行なうものである。
この際に、各BIDIモジュール161〜164の送光回路は、PN符号発生部1212から出力される同一のPN符号で駆動し、各BIDIモジュール161〜164の切り替えタイミングは、タイミング発生部122から出力されるタイミング信号φ1〜φ4(図6参照)によって、PN符号の一定整数倍フレーム毎に、順次各BIDIモジュールの送光回路をイネーブル化することによって行う。
受光に際しては、各出線21〜24ごとの反射受光出力をアナログ加算部124でアナログ加算して、A/D変換部1213でA/D変換した後、相関処理部1211で前記PN符号と相関処理することによって、順次、各出線ごとの反射応答を得る。
なお、複数の光線路系からの反射光は系毎のBIDIモジュールの受光回路でそれぞれ受光して加算するが、時分割多重化されているため、時間的には系毎にずれており、ある時間で見ると、ただ1系統の反射光しか受光されないので、アナログ加算することで不都合は発生しない。
そして、DR信号処理部123においては、各出線ごとに前述したDRAによって、故障切分けを行なうことにより、故障発生時刻を特定し、故障発生の支線を特定し、故障発生位置を特定し、さらに損失値を特定することができる。なお、前記DR信号処理部123は、特許請求の範囲に記載された減分応答監視手段に対応している。
次に、図2(b)に示したようなトポロジーを持つ挿入損失型の光センシング系の場合にも、
敷設された各支線を含む光路上の任意箇所において挿入損が発生した場合に、その発生時刻の特定と、その支線の特定と、特定された支線上の発生位置の特定と、発生した損失値を特定することができる。この場合はセンシングが目的であるから、用いる光源波長は1種類でよい。
次に、本発明による作用効果を、以下のシミュレーション実験によって確認した。
シミュレーションの条件は図8に示した表の通りである。
ファイバの伝送損失はすべてレーリ散乱によるものとし、0.2dB/kmとした。
PONのトポロジーとしては、光端局からの出線を、4,000m地点で分岐器によって100〜3,000m長の8本の加入者線に分岐した。加入者線長はランダム設定した。
光故障位置は、簡単のため加入者線の中央とし、イベントとしてはファイバ破断あるいは急曲による挿入損増を想定した。
PNCR/OTDRとしては、M系列符号のチップ速度を100MHzとした。よって距離分解能は1mである。
プローブ光の出力パワは5mW (p-p)とし、計測時間を10秒とした。
図9、10、11は、故障点の挿入損をそれぞれ20dB、3dB、1dBとしたときのシミュレーション結果である。
各図において(a)は線路系の故障前後の反射応答(破線は故障前、実は故障後、下部の線はノイズ)、(b)は両者の差より求まるDR応答である。
このシミュレーション結果において、DRレベルの大きさは、与えた挿入損の大きさに対応して変化していることが示されている。
以上のシミュレーションによって、反射応答波形の立ち下がりから故障発生の支線を特定でき、支反射応答波形の立ち上がり位置から支線上の故障発生位置を特定し、DRレベルの大きさから挿入損を求めることが可能であることが検証された。
1 電話局
11 光端局装置
12 光線路監視装置、OTDR
121 デジタルエンジン
1211 相関処理部
1212 PN符号発生部
1213 A/D変換部
122 タイミング発生部
123 DR信号処理部
124 アナログ加算部
13 LD、光源
14 PD、受光器
16 波長選択性カプラ
161〜164 BIDIモジュール
2、21〜24 出線
3、31〜34 分岐器
L1〜L8 支線
ONU1〜ONU8 光回線終端装置
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成を備えている。
請求項1に係る光線路監視方法の発明は、
1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、
前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とからなる複数の経路が構成されてなる光線路系において、各経路の途中における損失特性変化をOTDRで監視する光線路監視方法であって、
現在の反射インパルス応答波形と一定時間前からの反射インパルス応答波形を常時比較監視し、減分応答が検出されたとき、前記減分応答の波形の立ち下がり位置によって損失が発生した経路を特定し、前記減分応答の波形の立ち上がり位置によって損失が発生した箇所を特定することを特徴としている。
請求項2では、
前記減分応答が検出された時点に基づいて前記損失が発生した時刻を特定する処理か、もしくは、
前記減分応答波形のレベルに基づいて挿入損を求めて前記損失発生の内容を特定する処理か、
の少なくとも何れか一つの処理を行うことを特徴としている。
請求項3では、
前記光線路系が正常な時にあらかじめ取得した正常時の反射インパルス応答波形に基づいて、各支線のレーリ後方散乱光レベルの分布と、各支線の終端位置に対応した終端位置情報とを含んだ支線終端マップを得ておき、
前記損失が発生した支線として特定する際には、
前記減分応答波形の立下り位置を前記支線終端マップと対比させ、前記立ち下がり位置と一致する終端位置情報を含んだ支線を、前記損失が発生した支線として特定し、
前記損失が発生した支線上の位置として特定する際には、
前記減分応答波形の立ち上がり位置を、前記特定した支線の支線終端マップと対比させ、
前記立ち上がり位置に対応した位置を、前記損失が発生した支線上の位置として特定し、
前記損失発生の内容を特定する際には、
前記減分応答の減分レベルと前記支線終端マップにおけるレーリ後方散乱光レベル分布との比較によって挿入損失値を特定することを特徴としている。
請求項4では、
前記各経路の途中における損失特性変化を監視するOTDRとしては、
擬似ランダム符号で変調された光を前記光線路系へ出射し、前記光線路系からの反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項5では、
1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、
前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とから構成されてなる光線路系を複数含んだ光伝送システムにおける複数の光線路系を対象にした時分割多重の光線路監視方法であって、
前記複数の光線路系の内の何れか1つの光線路系を順次選択し、
擬似ランダム符号で変調された光は、前記選択した光線路系に対して出射し、
前記光線路系からの反射光は受光して加算し、
該加算出力と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項6では、
前記1本の光ファイバによる光路には、光通信手段から出力された通信光と、前記通信光とは異なる波長の光を擬似ランダム符号で変調した監視光とを、波長分割多重させて出射し、
前記光線路系から、波長選択性カプラによって前記監視光に基づいた反射光を分離して受光し、
受光した反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項7では、
前記1本の光ファイバによる光路には擬似ランダム符号で変調した監視光を出射し、
前記光線路系から、波長選択性カプラによって前記監視光に基づいた反射光を分離して受光し、
受光した反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴としている。
請求項8に係る監視システムは、
1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、
前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とからなる複数の経路が構成されてなる光線路系において、各経路の途中における損失特性変化をOTDRで監視するために用いる光線路監視システムであって、
現在の反射インパルス応答波形と一定時間前からの反射インパルス応答波形を常時比較監視して、減分応答が検出されたとき、前記減分応答の波形の立ち下がり位置と、前記減分応答の波形の立ち上がり位置に関する情報を出力する減分応答監視手段を備えていることを特徴としている。

Claims (8)

  1. 1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とからなる複数の経路が構成されてなる光線路系において、各経路の途中における損失特性変化をOTDRで監視する光線路監視方法であって、
    現在の反射インパルス応答波形と一定時間前からの反射インパルス応答波形を常時比較監視し、減分応答が検出されたとき、前記減分応答の波形の立下がり位置によって損失が発生した経路を特定し、前記減分応答の波形の立ち上がり位置によって損失が発生した箇所を特定することを特徴とする光線路監視方法。
  2. 前記減分応答が検出された時点に基づいて前記損失が発生した時刻を特定する処理か、もしくは、
    前記減分応答波形のレベルに基づいて挿入損を求めて前記損失発生の内容を特定する処理か、
    の少なくとも何れか一つの処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の光線路監視方法。
  3. 前記光線路系が正常な時にあらかじめ取得した正常時の反射インパルス応答波形に基づいて、各支線のレーリ後方散乱光レベルの分布と、各支線の終端位置に対応した終端位置情報とを含んだ支線終端マップを得ておき、
    前記損失が発生した支線として特定する際には、
    前記減分応答波形の立下り位置を前記支線終端マップと対比させ、前記立ち下がり位置と一致する終端位置情報を含んだ支線を、前記損失が発生した支線として特定し、
    前記損失が発生した支線上の位置として特定する際には、
    前記減分応答波形の立ち上がり位置を、前記特定した支線の支線終端マップと対比させ、前記立ち上がり位置に対応した位置を、前記損失が発生した支線上の位置として特定し、
    前記損失発生の内容を特定する際には、
    前記減分応答の減分レベルと前記支線終端マップにおけるレーリ後方散乱光レベル分布との比較によって挿入損失値を特定することを特徴とする請求項2に記載の光線路監視方法。
  4. 前記各経路の途中における損失特性変化を監視するOTDRとしては、
    擬似ランダム符号で変調された光を前記光線路系へ出射し、前記光線路系からの反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴とする請求項1に記載の光線路監視方法。
  5. 1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とから構成されてなる光線路系を複数含んだ光伝送システムにおける複数の光線路系を対象にした時分割多重の光線路監視方法であって、
    前記複数の光線路系の内の何れか1つの光線路系を順次選択し、
    擬似ランダム符号で変調された光は、前記選択した光線路系に対して出射し、
    前記光線路系からの反射光は受光して加算し、
    該加算出力と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴とする請求項4に記載の光線路監視方法。
  6. 前記前記1本の光ファイバによる光路には、光通信手段から出力された通信光と、前記通信光とは異なる波長の光を擬似ランダム符号で変調した監視光とを、波長分割多重させて出射し、
    前記光線路系から、波長選択性カプラによって前記監視光に基づいた反射光を分離して受光し、
    受光した反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴とする請求項4に記載の光線路監視方法。
  7. 前記1本の光ファイバによる光路には擬似ランダム符号で変調した監視光を出射し、
    前記光線路系から、波長選択性カプラによって前記監視光に基づいた反射光を分離して受光し、
    受光した反射光と前記擬似ランダム符号との相関処理によって反射インパルス応答波形を得る擬似ランダム符号相関方式によるデジタル式のOTDRを用いることを特徴とする請求項4に記載の光線路監視方法。
  8. 1本の光ファイバによる光路を、受動的な光分岐手段により複数の支線に分岐させ、前記複数の支線は、用いるOTDRの距離分解能以上の距離差をもつ光ファイバで構成して、前記1本の光ファイバによる光路と前記複数の支線とからなる複数の経路が構成されてなる光線路系において、各経路の途中における損失特性変化をOTDRで監視するために用いる光線路監視システムであって、
    現在の反射インパルス応答波形と一定時間前からの反射インパルス応答波形を常時比較監視して、減分応答が検出されたとき、前記減分応答の波形の立下がり位置と、前記減分応答の波形の立ち上がり位置に関する情報を出力する減分応答監視手段を備えていることを特徴とする光線路監視システム。
JP2012145553A 2012-06-28 2012-06-28 光線路監視方法、および光線路監視システム Pending JP2014011554A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012145553A JP2014011554A (ja) 2012-06-28 2012-06-28 光線路監視方法、および光線路監視システム
PCT/JP2013/065937 WO2014002741A1 (ja) 2012-06-28 2013-06-10 光線路監視方法、および光線路監視システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012145553A JP2014011554A (ja) 2012-06-28 2012-06-28 光線路監視方法、および光線路監視システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014011554A true JP2014011554A (ja) 2014-01-20

Family

ID=49782906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012145553A Pending JP2014011554A (ja) 2012-06-28 2012-06-28 光線路監視方法、および光線路監視システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2014011554A (ja)
WO (1) WO2014002741A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150088294A (ko) * 2012-11-20 2015-07-31 메더리스 다이어비티즈, 엘엘씨 인슐린 저항성에 대한 개선된 펩티드 약제
KR20160007925A (ko) * 2014-07-10 2016-01-21 경북대학교 산학협력단 다채널 광선로 감시 장치
WO2020044659A1 (ja) * 2018-08-30 2020-03-05 日本電気株式会社 光パルス試験器、光伝送路の試験方法及び光伝送路の試験システム
WO2020044661A1 (ja) * 2018-08-30 2020-03-05 日本電気株式会社 光パルス試験器、光伝送路の試験方法及び光伝送路の試験システム
US11953944B2 (en) 2014-09-02 2024-04-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Curved display, display case, and electronic device including the same

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112187349A (zh) * 2020-10-15 2021-01-05 上海欣诺通信技术股份有限公司 一种基于光时域反射的光纤的数据识别方法及存储介质

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4160939B2 (ja) * 2003-07-28 2008-10-08 アンリツ株式会社 光線路の障害探索方法
JP2006042063A (ja) * 2004-07-28 2006-02-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 分岐光線路監視システムおよび方法
US8406620B2 (en) * 2009-07-15 2013-03-26 Pmc Sierra Israel Ltd. Passive optical network (PON) in-band optical time domain reflectometer (OTDR)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150088294A (ko) * 2012-11-20 2015-07-31 메더리스 다이어비티즈, 엘엘씨 인슐린 저항성에 대한 개선된 펩티드 약제
KR102213907B1 (ko) 2012-11-20 2021-02-09 메더리스 다이어비티즈, 엘엘씨 인슐린 저항성에 대한 개선된 펩티드 약제
KR20210016083A (ko) * 2012-11-20 2021-02-10 메더리스 다이어비티즈, 엘엘씨 인슐린 저항성에 대한 개선된 펩티드 약제
KR102365582B1 (ko) 2012-11-20 2022-02-18 메더리스 다이어비티즈, 엘엘씨 인슐린 저항성에 대한 개선된 펩티드 약제
KR20160007925A (ko) * 2014-07-10 2016-01-21 경북대학교 산학협력단 다채널 광선로 감시 장치
KR101598386B1 (ko) * 2014-07-10 2016-03-02 경북대학교 산학협력단 다채널 광선로 감시 장치
US11953944B2 (en) 2014-09-02 2024-04-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Curved display, display case, and electronic device including the same
WO2020044659A1 (ja) * 2018-08-30 2020-03-05 日本電気株式会社 光パルス試験器、光伝送路の試験方法及び光伝送路の試験システム
WO2020044661A1 (ja) * 2018-08-30 2020-03-05 日本電気株式会社 光パルス試験器、光伝送路の試験方法及び光伝送路の試験システム
US11476930B2 (en) 2018-08-30 2022-10-18 Nec Corporation Optical time domain reflectometer, method of testing optical transmission line, and test system of optical transmission line
US11483067B2 (en) 2018-08-30 2022-10-25 Nec Corporation Optical time domain reflectometer, test method of optical transmission line, and test system of optical transmission line

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014002741A1 (ja) 2014-01-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100687710B1 (ko) 수동형 광가입자망 시스템에서의 광선로 감시 방법 및 장치
EP1098458B1 (en) An apparatus and a method for locating a fault of a transmission line
CN103582808B (zh) 光线路特性分析装置及其分析方法
CN104202084B (zh) 一种监测时分复用光网络链路故障的装置及方法
WO2014002741A1 (ja) 光線路監視方法、および光線路監視システム
US20110013904A1 (en) Passive optical network (pon) in-band optical time domain reflectometer (otdr)
US20150139637A1 (en) Monitoring of a passive optical network (pon)
EP2337240A1 (en) Multichannel WDM-PON module with integrated OTDR function
Toge et al. Recent research and development of optical fiber monitoring in communication systems
JP2014121009A (ja) 通信監視装置、通信監視方法及び光線路試験システム
KR20110061254A (ko) 수동형 광가입자 망에서의 광선로 감시장치 및 감시방법
Ehrhardt et al. PON measurements and monitoring solutions for FTTH networks during deployment and operation
JP2011069721A (ja) スプリッタモジュール、及び、それを用いた残置光コネクタの検出方法、出力ポート数の検出方法及び光伝送損失測定システム
Cen et al. Advanced fault-monitoring scheme for ring-based long-reach optical access networks
CN105743568B (zh) 一种pon***中光纤链路检测方法及其装置
Ab-Rahman et al. The overview of fiber fault localization technology in TDM-PON network
Liu et al. Fault localization in passive optical networks using OTDR trace correlation analysis
JP5907907B2 (ja) 光線路特性解析装置及びその解析方法
Montalvo et al. New fiber supervision technique for passive optical networks supporting mobile services
KR101053057B1 (ko) 광 전송 시스템의 인서비스 모니터링 방법 및 장치
CN103297127A (zh) 一种onu光模块
JP2012173184A (ja) 光多重反射点特定装置及び方法
Sandstrom et al. High performance, in-service correlation OTDR
Honda Advanced optical monitoring technologies for passive optical network architecture and the future
Temporão et al. Feasibility of centralized PON monitoring using PON-tuned OTDR

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131031