JP2014011182A - コンデンサ用フィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサ - Google Patents

コンデンサ用フィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】高温、長期課電時に静電容量低下率が小さくかつ誘電損失(以下、tanδともいう)特性の安定した電気特性を有するコンデンサ用フィルムを提供すること。
【解決手段】特定の物性を有する4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を含むフィルムを二軸延伸させて得られ、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)との比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上である、コンデンサ用フィルムは耐電性が良好であり、上記課題を解決できる。
【選択図】なし

Description

本発明はコンデンサ用フィルムに関し、さらに詳しくは、4−メチル−1−ペンテン共重合体を含有し、高い耐電性を有するコンデンサ用フィルムに関する。
一般的にポリプロピレン樹脂は耐電圧特性に優れ、誘電損失が小さいことから電気絶縁用途に広く用いられている。中でもポリプロピレン樹脂を二軸延伸して得られる、厚みが2〜30μmである二軸延伸ポリプロピレンフィルムは耐電圧特性、熱寸法安定性、機械特性に優れているので、フィルムコンデンサ用途における誘電フィルムとして好ましく用いられている。
近年、コンデンサに対して小型化の要求が強くなり、これに伴い誘電フィルムの薄膜化の要求が強まってきている。また、誘電フィルムに対しては、更なる高温、長期課電時における耐久性の向上、特に静電容量変化の低減および誘電損失特性の維持等の要求が厳しくなってきている。このような要求に対しては、ポリプロピレンフィルムが有する電気特性でも不十分となる場合が多くなっている。
そこで、このような要求に応えるべく様々な研究が行われている。特許文献1には、特定の非晶成分を含有するポリプロピレン樹脂からなる二軸延伸フィルムを用いることで、高温、長期課電時に静電容量低下率が小さく、かつ誘電損失特性を安定させたコンデンサ用ポリプロピレンフィルムが開示されている。特許文献2には、特定のメソペンタッド分率を有するポリプロピレンフィルムを用い、長手方向の120℃の熱収縮応力値を最適化することで、高温、長期課電時に静電容量低下率が小さく、かつ誘電損失特性を安定させたコンデンサ用ポリプロピレンフィルムが開示されている。特許文献3には、熱収縮率および伸応力を好適化させることにより、高温使用におけるtanδの上昇および静電容量の変化の抑制を図った二軸延伸ポリプロピレンフィルムが開示されている。
しかし、これらのフィルムも前記要求には応えるのは不十分であり、高温、長期課電時における静電容量変化の低減および誘電損失特性の維持を実現することはできていないのが現状であった。
特開2010−129560号公報 特開2009−88492号公報 特開平11−67580号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高温、長期課電時に静電容量低下率が小さくかつ誘電損失(以下、tanδともいう)特性の安定した電気特性を有するコンデンサ用フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の物性を有する4−メチル−1−ペンテン共重合体から得られるフィルムによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[10]に関する。
[1]下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を含むフィルムを二軸延伸させて得られ、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)との比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上である、コンデンサ用フィルム。
(a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜40モル%である。
(b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d)密度が825〜860kg/m3である。
[2]下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)95〜5重量部と、下記要件(a1)〜(e1)を満たす4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)5〜95重量部(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)、とを含んでなる4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)からなるフィルムを二軸延伸させて得られ、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)との比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上である、コンデンサ用フィルム。
(a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜40モル%である。
(b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d)密度が825〜860kg/m3である。
(a1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が100〜90モル%であり、炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が0〜10モル%である。
(b1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c1)DSCで測定した融点(Tm)が200〜250℃の範囲にある。
(d1)DSCで測定した結晶化温度(Tc)が150〜220℃の範囲にある。
(e1)密度が820〜850kg/m3である。
[3]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a2)〜(e2)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)である、[1]または[2]に記載のコンデンサ用フィルム。
(a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
(b2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d2)密度が825〜860kg/m3である。
(e2)DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
[4]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a3)〜(e3)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)である、[2]に記載のコンデンサ用フィルム。
(a3)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が21〜40モル%である。
(b3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d3)密度が830〜860(kg/m3)である。
(e3)DSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、またはDSCで融点が観測されない。
[5]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a2)〜(e2)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)1〜99重量部と下記要件(a3)〜(e3)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)99〜1重量部とからなる、[1]または[2]に記載のコンデンサ用フィルム。
(a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
(b2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d2)密度が825〜860kg/m3である。
(e2)DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
(a3)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が21〜40モル%である。
(b3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d3)密度が830〜860(kg/m3)である。
(e3)DSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、またはDSCで融点が観測されない。
[6]4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)が、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)50〜5重量部と、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)50〜95重量部(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)とを含んでなり、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a2)〜(e2)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)10〜50重量部と、下記要件(a3)〜(e3)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)90〜50重量部(ただし(A1)成分と(A2)成分との合計を100重量部とする)とからなる、[2]に記載のコンデンサ用フィルム。
(a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
(b2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d2)密度が825〜860kg/m3である。
(e2)DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
(a3)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が21〜40モル%である。
(b3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d3)密度が830〜860(kg/m3)である。
(e3)DSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、またはDSCで融点が観測されない。
[7]延伸倍率が面積換算で1.1〜100倍の間にある、[1]〜[6]のいずれかに記載のコンデンサ用フィルム。
[8]フィルムの厚みが1〜20μmの間にある、[1]〜[7]のいずれかに記載のコンデンサ用フィルム。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載のコンデンサ用フィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
[10][9]に記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
本発明のコンデンサ用フィルムは、高温、長期課電時に静電容量の低下率が小さくかつ誘電損失特性の安定した電気特性を有する。
[コンデンサ用フィルム]
以下、本発明にかかるコンデンサ用フィルムについて詳細に説明する。
なお、本願では共重合のことを重合ということあり、共重合体のことを重合体ということがある。
また、本発明において、「フィルム」とは平面上の成形物の総称であり、シート、膜(メンブレン)、テープなども含む概念である。
本発明のコンデンサ用フィルムは、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)の比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上である。比V(130℃)/V(23℃)が0.5より小さいと、長期課電時の電気特性が不安定となり、コンデンサとして実用上問題がある。比V(130℃)/V(23℃)は、好ましくは0.55以上であり、より好ましくは0.6以上である。比V(130℃)/V(23℃)が前記範囲であると、長期課電時にも電気特性が安定するため望ましい。
上記比V(130℃)/V(23℃)の求め方は実施例において詳述する。
本発明のコンデンサ用フィルムは、厚みが1〜20μmの間にあることが好ましい。厚みが前記範囲内であると、本発明の効果がより大きくなる。厚みは、より好ましくは
2〜15μmであり、さらに好ましくは2.5〜10μmである。
本発明のコンデンサ用フィルムは、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を含むフィルムを二軸延伸させて得られる第1の態様、および4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)からなるフィルムを二軸延伸させて得られる第2の態様を含む。
〔第1の態様〕
本発明にかかるコンデンサ用フィルムの第1の態様は、下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を含むフィルムを二軸延伸させて得られ、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)との比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上であるコンデンサ用フィルムである。
(a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜40モル%である。
(b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d)密度が825〜860kg/m3である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、前記要件(a)〜(d)を満たす1種類の4−メチル−1−ペンテン共重合体であってもよく、前記要件(a)〜(d)を満たす2種類以上の4−メチル−1−ペンテン共重合体であってもよい。
以下、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が満たす要件(a)〜(d)について説明する。
・要件(a)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜40モル%である。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は好ましくは96モル%、より好ましくは95モル%であり、下限は好ましくは80モル%、より好ましくは82モル%である。炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位の上限は好ましくは20モル%、より好ましくは18モル%であり、下限は好ましくは4モル%、より好ましくは5モル%である。
各構成単位が上記範囲にあると、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。それだけでなく、延伸性が良好になると、絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)に含まれる炭素原子数2〜4のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンが好適な例として挙げられる。
これらのうち、共重合性の観点からプロピレンが好ましい。
これらの炭素原子数2〜4のα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の重合性化合物由来の構造単位を含んでいてもよい。
このような他の重合性化合物としては、例えばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等の環状構造を有するビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;無水マレイン酸等の不飽和有機酸またはその誘導体;ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等の共役ジエン類;1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペンル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等の非共役ポリエン類などが挙げられる。
本発明における4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、このような他の重合性化合物から導かれる単位を、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)に含まれる全ての重合性化合物構造単位に対して、10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下の量で含有することができる。
・要件(b)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。極限粘度[η]は、好ましくは1.0〜4.0dL/gであり、さらに好ましくは1.2〜3.5dL/gである。
上記極限粘度[η]は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を製造する際の、重合時の水素の添加量により調整することが可能である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の極限粘度[η]が上記範囲にあると、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。さらには延伸性が良好になると、絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
・要件(c)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.0〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.5である。
上記分子量分布(Mw/Mn)は、後述するオレフィン重合用触媒の種類によって制御調整することが可能である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲にあると、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。また延伸性が良好になると絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
・要件(d)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、密度が825〜860kg/m3である。
密度は、好ましくは830〜855kg/m3であり、より好ましくは830〜850kg/m3、さらに好ましくは830〜845kg/m3である。
上記密度の値は、4−メチル−1−ペンテンと共に重合する他のα−オレフィンの種類や配合量を選択することにより調整することが可能である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(B1)の密度が上記範囲にあると、フィルムの結晶化度や共重合体の結晶の大きさが適切な範囲になるため、延伸時に発生する空隙状のボイドを格段に減らすことができる。その結果、フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることができる。
<4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の好適例1>
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の中でも、下記要件(a2)〜(e2)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)が、フィルム表面粗さを適切に制御できるコンデンサ用フィルムを得やすい点で特に好ましい。
(a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
(b2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d2)密度が825〜860kg/m3である。
(e2)DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)は、前記要件(a2)〜(e2)を満たす1種類の4−メチル−1−ペンテン共重合体であってもよく、前記要件(a2)〜(e2)を満たす2種類以上の4−メチル−1−ペンテン共重合体であってもよい。
要件(b2)、(c2)および(d2)については、前記要件(b)、(c)および(d)とそれぞれ同様である。
以下、要件(a2)および(e2)について説明する。
・要件(a2)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は好ましくは96モル%、より好ましくは95モル%であり、下限は好ましくは82モル%、より好ましくは83モル%である。炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位の上限は好ましくは18モル%、より好ましくは17モル%であり、下限は好ましくは4モル%、より好ましくは5モル%である。
要件(a2)の他の条件等については、前記要件(a)と同様である。
・要件(e2)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)は、DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
融点(Tm)は、好ましくは210〜240℃であり、さらに好ましくは215〜240℃である。
上記、融点(Tm)の値は、重合体の立体規則性ならびに炭素原子数5〜20のα−オレフィン構造単位の含有率に依存する傾向があり、後述するオレフィン重合用触媒を用い、さらには炭素原子数5〜20のα−オレフィン構造単位の含有率を制御することにより、前記融点(Tm)を有する4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)を得ることができる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)の融点(Tm)が上記範囲にあると、フィルムの結晶化度が高くフィルムの弾性率が大きくなる。その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。また弾性率が高いと絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
<4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の好適例2>
前述のとおり、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として、前記要件(a)〜(d)を満たす2種類以上の4−メチル−1−ペンテン共重合体を併用することができる。たとえば、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)と、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)以外の前記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体とを併用することができる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)とともに併用される、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)以外の前記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体としては、下記要件(a3)〜(e3)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)が好ましい。4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)と4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)とを併用すると、フィルムの延伸性が格段に良化し、その結果フィルムの絶縁破壊電圧が向上する。それだけでなく、延伸性が良好になると絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)は、前記要件(a3)〜(e3)を満たす1種類の4−メチル−1−ペンテン共重合体であってもよく、前記要件(a3)〜(e3)を満たす2種類以上の4−メチル−1−ペンテン共重合体であってもよい。
要件(b3)および(c3)については、前記要件(b)および(c)とそれぞれ同様である。
以下、要件(a3)、(d3)および(e3)について説明する。
・要件(a3)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が21〜40モル%である。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は好ましくは78モル%、より好ましくは77 モル%であり、下限は好ましくは62モル%、より好ましくは64モル%である。炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位の上限は好ましくは38モル%、より好ましくは36モル%であり、下限は好ましくは22モル%、より好ましくは23モル%である。
各構成単位が上記範囲にあると、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。
要件(a3)の他の条件等については、前記要件(a)と同様である。
・要件(d3)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)は、密度が830〜860(kg/m3)である。
密度は、好ましくは830〜855kg/m3であり、より好ましくは830〜850kg/m3、さらに好ましくは830〜845kg/m3である。
上記密度は、4−メチル−1−ペンテンと共に重合する他のα−オレフィンの種類や配合量を選択することにより、調整することが可能である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)の密度が上記範囲にあると、フィルム中の共重合体の結晶の大きさを適切な範囲に制御することが可能となるため、延伸時に発生する空隙状のボイドを格段に減らすことができ、結果としてフィルムの絶縁破壊電圧を向上させることができる。
・要件(e3)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)は、DSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、またはDSCで融点が観測されない。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)は融点を観測しないことが特に好ましい。4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)が融点(Tm)を有する場合には、その上限は好ましくは99℃、より好ましくは95℃である。
上記、融点(Tm)の値は、重合体の立体規則性ならびに共に重合するα−オレフィン量に依存して変化する値であり、後述するオレフィン重合用触媒を用いて所望の組成に制御調整することが可能である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)のDSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)の融点がDSCで観測されないと、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。
(4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)と4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)との比率)
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)と4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)とを併用する場合、両者の比率は、好ましくは4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)1〜99重量部、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)99〜1重量部であり、より好ましくは4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)10〜90重量部、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)90〜10重量部であり、さらに好ましくは4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)15〜85重量部、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)85〜15重量部である。両者の比率が前記範囲内であると、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊強さを向上させることが可能となる。
<4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造方法>
本発明における4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、従来公知のオレフィン重合用触媒、例えば、バナジウム系触媒、チタン系触媒、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報あるいは特開平02−41303号公報中に記載のメタロセン触媒などを用いて、4−メチル−1−ペンテンと炭素原子数2〜4のα−オレフィン、さらに必要に応じて前記その他の重合性化合物とを重合することにより得ることができる。
また、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として一般的な市販の4−メチル−1−ペンテン系の重合体を用いることができ、たとえば三井化学株式会社製のTPX(登録商標)を用いることができる。
上述のオレフィン重合用触媒のうち、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を製造するに当たり、好ましい触媒の態様として、メタロセン触媒を挙げることができる。
好ましいメタロセン触媒としては、上記のとおり、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報、特開平02−41303号公報中あるいは国際公開第06/025540号パンフレット中に記載のメタロセン触媒が挙げられる。
本発明において、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を、メタロセン触媒の存在下、4−メチル−1−ペンテンと、上述した特定のα−オレフィンとを用いて製造すると、分子内に導入されるα−オレフィンが、比較的ランダムに導入される傾向がある。そのような場合、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は少量のα−オレフィンで融点が下がるため、4−メチル−1−ペンテン単位の連鎖が長くなり、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)との相溶性がよいと考えられる。さらには4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)と組み合わせた場合に、良い相溶性に由来すると考えられる透明性に優れることに加えて、剛性と融点とのバランスに優れる。また、前記の相溶性の良さに由来すると考えられる伸びの向上もあり、剛性と伸びとのバランスも良好となる傾向があるので好ましい。この特性は、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)と4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)とは相溶性に優れてはいるが、完全に相溶はしていないためと推測される。このような相溶状態を有する組成物は、各成分の特性をスポイルすることなく高いレベルで両立できるものと考えられる。
以下、本発明における4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造に好ましく用いられるメタロセン触媒について説明する。
本発明における4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造には、
(α)下記一般式(1)または(2)で表されるメタロセン化合物と、
(β)(β−1)有機金属化合物
(β−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(β−3)メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物、
さらに必要に応じて、
(γ)微粒子状担体
から構成されるメタロセン触媒が好適に用いられる。
〔(α)メタロセン化合物〕
本発明において、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造に用いられ得るメタロセン化合物としては、下記一般式(1)または(2)で表される化合物が例示できる。
Figure 2014011182
Figure 2014011182
(上記一般式(1)または(2)中、R1〜R14で表される置換基は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1からR4までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R5からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、Aは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基であり、AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Mは周期表第4族から選ばれた金属であり、Yは炭素またはケイ素であり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
上記一般式(1)または(2)のR1〜R14中、炭化水素基としては、好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、または炭素原子数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。また、炭化水素基の一部または全部に水酸基、アミノ基、ハロゲン基、フッ素含有炭化水素基などの官能基で置換されていても良い。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、トリル、クロロフェニル、クロロビフェニル、クロロナフチル等が挙げられる。
上記一般式(1)または(2)のR1〜R14中、ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素原子数1〜4かつ炭素原子数3〜20のアルキルシリル基またはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
フルオレン環上のR5からR12までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換フルオレニル基として、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。
また、フルオレン環上のR5からR12の置換基は、合成上の容易さから左右対称、すなわちR5=R12、R6=R11、R7=R10、R8=R9であることが好ましく、無置換フルオレン、3,6−二置換フルオレン、2,7−二置換フルオレンまたは2,3,6,7−四置換フルオレンであることがより好ましい。ここでフルオレン環上の3位、6位、2位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
上記一般式(1)のR13とR14は、水素原子または炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基の具体例としては、上記R1〜R14と同様のものを挙げることができる。
Yは炭素原子またはケイ素原子である。一般式(1)の場合は、R13とR14はYと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シリレン基を構成する。好ましい具体例として、例えば、メチレン、ジメチルメチレン、ジイソプロピルメチレン、メチルtert−ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、フルオロメチルフェニルメチレン、クロロメチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレン、ジクロロフェニルメチレン、ジフルオロフェニルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジビフェニルメチレン、ジp−メチルフェニルメチレン、メチル−p−メチルフェニルメチレン、エチル−p−メチルフェニルメチレン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、メチル−tert−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレン、フルオロメチルフェニルシリレン、クロロメチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジp−メチルフェニルシリレン、メチル−p−メチルフェニルシリレン、エチル−p−メチルフェニルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン等を挙げることができる。
一般式(2)の場合は、Yは一部不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基Aと結合し、シクロアルキリデン基またはシクロメチレンシリレン基等を構成する。好ましい具体例として、例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレン、シクロヘプタメチレンシリレン等を挙げることができる。
一般式(1)および(2)のMは、周期表第4族から選ばれる金属であり、Mとしてはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。
Qはハロゲン、炭素原子数1〜20の炭化水素基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Qは同一でも異なった組み合わせでもよいが、少なくとも一つはハロゲンまたはアルキル基であるのが好ましい。
〔化合物(β)〕
化合物(β)は、有機アルミニウム化合物(β−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(β−2)、および前記メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物(β−3)から選ばれる少なくとも1種の化合物から構成される。
以下、各成分について具体的に説明する。
・(β−1)有機金属化合物
本発明で必要に応じて用いられる(β−1)有機金属化合物として、具体的には下記のような周期律表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物を挙げることができ、例えば以下に説明する(β−1a)、(β−1b)、(β−1c)等が挙げられる。なお、本発明においては、(β−1)有機金属化合物には後述する(β−2)有機アルミニウムオキシ化合物は含まれないものとする。
(β−1a)一般式Ra mAl(ORbnpqで表される有機アルミニウム化合物。
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である)
(β−1b)一般式M2AlRa 4で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
(式中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す)
(β−1c)一般式Rab3で表される周期律表第2族または12族金属のジアルキル化合物。
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである)
前記の(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物を例示できる。
一般式Ra mAl(ORb3-m(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは、好ましくは1.5≦m≦3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、一般式Ra mAlX3-m(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミニウム化合物、一般式Ra mAlH3-m(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である)で表される有機アルミニウム化合物、一般式Ra mAl(ORbnq(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である)で表される有機アルミニウム化合物。
(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物として、より具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ(n−ブチル)アルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリ(n−アルキル)アルミニウム; トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ(sec−ブチル)アルミニウム、トリ(tert−ブチル)アルミニウム、トリ(2−メチルブチル)アルミニウム、トリ(3−メチルブチル)アルミニウム、トリ(2−メチルペンチル)アルミニウム、トリ(3−メチルペンチル)アルミニウム、トリ(4−メチルペンチル)アルミニウム、トリ(2−メチルヘキシル)アルミニウム、トリ(3−メチルヘキシル)アルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム; トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム; トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム; ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド; (iC49xAly(C510z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。iC49はイソブチル基を表す。)などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム; イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド; ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド; エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド; Ra 2.5Al(ORb0.5(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム; ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド; ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド; エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム; エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチル アルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどが挙げられる。
また(β−1a)に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物も挙げられる。このような化合物として、具体的には、(C252AlN(C25)Al(C252などが挙げられる。
前記(β−1b)に属する化合物としては、LiAl(C254、LiAl(C7154などが挙げられる。
また、前記(β−1c)に属する化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム等が挙げられる。
上記(β−1a)〜(β−1c)以外の(β−1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリドなどを使用することもできる。
また多量化反応系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなどを使用することもできる。
(β−1)有機金属化合物のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。上記のような(β−1)有機金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
・(β−2)有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で必要に応じて用いられる(β−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物が挙げられる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらに、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわちベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物の例としては、下記一般式(i)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物も挙げられる。
Figure 2014011182
式(i)中、R15は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。R16は、互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
前記一般式(i)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(ii)で表されるアルキルボロン酸と、有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
Figure 2014011182
(式(ii)中、R15は上記式(i)と同じ基から選ばれる。)
前記一般式(ii)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸等が挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。
これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(β−1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物が挙げられる。これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
上記のような(β−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
・(β−3)メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物
本発明で必要に応じて用いられる、(β−3)メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物は、メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物である。従って、少なくともメタロセン化合物(α)と接触させてイオン対を形成するものは、この化合物に含まれる。
このような化合物としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などが挙げられる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物もあげることができる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である)で示される化合物が挙げられ、例えば、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、例えば下記一般式(iii)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014011182
式(iii)中、R17+としては、H+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
18〜R21は、互いに同一でも異なっていてもよい有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン; N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン; ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
17+としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩なども挙げられる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−プロピル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−プロピル)アンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ボレートなどが挙げられる。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N,2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(n−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(iv)または(v)で表されるホウ素化合物なども挙げられる。
Figure 2014011182

(式(iv)中、Etはエチル基を示す。)
Figure 2014011182
ボラン化合物として具体的には、例えばデカボラン(14); ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩; トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、例えば、4−カルバノナボラン(14)、1,3−ジカルバノナボラン(13)、6,9−ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン (13)、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩; トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素もしくは錫からなる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、これらの酸の塩、例えば周期律表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、およびトリフェニルエチル塩等の有機塩、およびイソポリ化合物を使用できるが、この限りではない。
ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物としては、上記の化合物の中の1種に限らず、2種以上用いることができる。
上記のような(β−3)メタロセン化合物(α)と反応してイオン対を形成する化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
(重合条件)
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法いずれにおいても実施できる。液相重合法においては、不活性炭化水素溶媒を用いてもよく、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、リクロロメタン、テトラクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができる。また4−メチル−1−ペンテンを含んだオレフィン類自身を溶媒とする塊状重合を実施することもできる。
また、重合条件を段階的に変えて製造する所謂多段重合を行うこともできる。例えば、水素使用量、または4−メチル−1−ペンテンとオレフィンとの比率の異なる2種の条件で段階的に重合を実施することにより所望の広い分子量分布、または広い組成分布の4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を得ることも可能である。また、4−メチル−1−ペンテンの単独重合と4−メチル−1−ペンテンと他のオレフィンとの共重合を段階的に行うことにより、組成分布が制御された4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を得ることも可能である。
重合を行うに際して、成分(α)は、反応容積1リットル当り、周期律表第4族金属原子換算で通常10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モルとなるような量で用いられる。
また、成分(β)を用いる場合、成分(β−1)は、成分(β−1)と、成分(α)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(β−1)/M〕が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。
成分(β−2)は、成分(β−2)中のアルミニウム原子と、成分(α)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(β−2)/M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。
成分(β−3)は、成分(β−3)と、成分(α)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(β−3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
重合温度は、通常−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは20〜100℃の範囲である。重合温度が低すぎると単位触媒あたりの重合活性や熱回収効率などの面で、工業的には不利な傾向がある。
重合圧力は、通常常圧〜10MPaゲージ圧、好ましくは常圧〜5MPaゲージ圧の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
重合に際して生成ポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加することができ、その量はオレフィン1kgあたり0.001〜100NL程度が適当である。
〔第2の態様〕
本発明にかかるコンデンサ用フィルムの第2の態様は、下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)95〜5重量部と、下記要件(a1)〜(e1)を満たす4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)5〜95重量部(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)、とを含んでなる4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)からなるフィルムを二軸延伸させて得られ、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)の比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上であるコンデンサ用フィルムである。
(a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜40モル%である。
(b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
(d)密度が825〜860kg/m3である。
(a1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が100〜90モル%、炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が0〜10モル%である
(b1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(c1)DSCで測定した融点(Tm)が200〜250℃の範囲にある。
(d1)DSCで測定した結晶化温度(Tc)が150〜220℃の範囲にある。
(e1)密度が820〜850kg/m3である。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)については前記第1の態様において述べたとおりである。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、前記要件(a1)〜(e1)を満たす1種類の4−メチル−1−ペンテン(共)重合体であってもよく、前記要件(a1)〜(e1)を満たす2種類以上の4−メチル−1−ペンテン(共)重合体であってもよい。
以下、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)が満たす要件(a1)〜(e1)について説明する。
・要件(a1)
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が100〜90モル%であり、炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が0〜10モル%である。
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位の上限は好ましくは99モル%、より好ましくは98モル%であり、下限は好ましくは91モル%、より好ましくは93モル%、さらに好ましくは94モル%である。炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位の上限は好ましくは9モル%、より好ましくは7モル%、さらに好ましくは6モル%であり、下限は好ましくは1モル%、より好ましくは2モル%である。ここで、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が100モル%(炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が0モル%)とは、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)が、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体であることを示す。
各構成単位が上記範囲にあると、フィルムの結晶化度が高くフィルムの弾性率が大きくなる。その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。また弾性率が高いと絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)が炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)を包含する場合、炭素原子数5〜20のα−オレフィンとしては、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが好適な例として挙げられる。
これらのうち、共重合性および得られる共重合体の物性の観点から好ましくは、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンが挙げられ、より好ましくは、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンであり、さらに好ましくは、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンである。
これらの炭素原子数5〜20のα−オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の重合性化合物由来の構造単位を含んでいてもよい。
このような他の重合性化合物としては、上述した4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の説明で挙げたものと同様であり、その構造単位の割合も4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)と同様の範囲である。
・要件(b1)
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dL/gである。
ここで、極限粘度[η]は、好ましくは1.0〜4.0dL/gであり、さらに好ましくは1.2〜3.5dL/gである。
上記極限粘度[η]の値は、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)を製造する際の、重合時の水素の添加量により調整することが可能である。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の前記極限粘度[η]が上記範囲であると、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。さらには延伸性が良好になると、絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
・要件(c1)
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、DSCで測定した融点(Tm)が200〜250℃である。
融点(Tm)は、好ましくは210〜240℃であり、さらに好ましくは215〜240℃である。
上記融点(Tm)を有する4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、重合体の立体規則性ならびに炭素原子数5〜20のα−オレフィン構造単位の含有率に依存する傾向があり、後述するオレフィン重合用触媒を用い、さらには炭素原子数5〜20のα−オレフィン構造単位の含有率を制御することにより得ることができる。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の融点(Tm)が上記範囲であると、フィルムの結晶化度が高くフィルムの弾性率が大きくなる。その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。また弾性率が高いと絶縁破壊電圧の温度変化を小さくすることも可能となり、コンデンサフィルムに求められる安定した電気特性を発現しやすくなる。
・要件(d1)
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、DSCで測定した結晶化温度(Tc)が150〜220℃である。
結晶化温度(Tc)は、好ましくは160〜220℃であり、さらに好ましくは170〜220℃である。
上記結晶化温度(Tc)を有する4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、重合体の立体規則性ならびに炭素原子数5〜20のα−オレフィン構造単位の含有率に依存する傾向があり、後述するオレフィン重合用触媒を用い、さらには炭素原子数5〜20のα−オレフィン構造単位の含有率を制御することにより得ることができる。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の結晶化温度(Tc)が上記範囲であると、フィルム成形時にフィルムの結晶化度を制御しやすくなる。その結果フィルムの延伸性を向上させやすくなり、フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。
・要件(e1)
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、密度が820〜850kg/m3である。密度は、好ましくは825〜850kg/m3であり、より好ましくは825〜845kg/m3、さらに好ましくは825〜840kg/m3である。
上記密度の値は、4−メチル−1−ペンテンと共に重合する他のα−オレフィンの種類や含有率を選択することにより、調整することが可能である。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の密度が上記範囲であると、フィルムの結晶化度や共重合体の結晶の大きさが適切な範囲になるため、延伸時に発生する空隙状のボイドを格段に減らすことができる。その結果、フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることができる。
<4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の製造方法>
本発明における4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、従来公知のオレフィン重合用触媒、例えば、バナジウム系触媒、チタン系触媒、マグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報あるいは特開平02−41303号公報中に記載のメタロセン触媒などを用いて、4−メチル−1−ペンテンと、必要に応じて前記炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)や前記その他の重合性化合物を重合することにより得ることができる。
また、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)は、一般的な市販の4−メチル−1−ペンテン系の重合体を用いることができ、例示としては、三井化学株式会社製のTPX(登録商標)を用いることができる。
<4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)>
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)95〜5重量部と4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)5〜95重量部(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)とを含む。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)における4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の含有割合は、好ましくは90〜10重量部、より好ましくは80〜20重量部であり、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の含有割合は、好ましくは10〜90重量部、より好ましくは20〜80重量部である(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)。4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)における4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の含有割合が前記範囲内であると、フィルムの延伸性が良好となり、その結果フィルムの絶縁破壊電圧を向上させることが可能となる。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)に含まれる4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)に含まれる4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)としては、高温、長期課電時の静電容量の低下率および誘電損失が小さいコンデンサ用フィルムを得やすい点で、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)が好ましく、特に4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)が好ましい。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)に含まれる4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)と4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)とを併用することもできる。この場合、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)および4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)の含有割合は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)10〜50重量部、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)90〜50重量部(ただし、前記(A1)成分と(A2)成分との合計を100重量部とする)であることが好ましい。4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)の含有割合は、より好ましくは10〜90重量部、さらに好ましくは15〜85重量部であり、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)の含有割合は、より好ましくは90〜10重量部、さらに好ましくは85〜15重量部である(ただし、(A1)成分と(A2)成分との合計を100重量部とする)。
また、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)として4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)と4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)とを併用する場合、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)中の4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)および4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の含有割合は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)50〜5重量部、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)50〜95重量部(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)であることが好ましい。この場合、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)における4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の含有割合は、より好ましくは50〜10重量部、さらに好ましくは50〜20重量部であり、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)の含有割合は、より好ましくは50〜90重量部、さらに好ましくは50〜80重量部である(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)は、上記成分以外に必要に応じて添加剤を含有することができる。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)には、その成形性をさらに改善させる、すなわち結晶化温度を高め結晶化速度を速めるために、特定の任意成分である核剤が配合されていてもよい。核剤としては、たとえばジベンジリデンソルビトール系核剤、リン酸エステル塩系核剤、ロジン系核剤、安息香酸金属塩系核剤、フッ素化ポリエチレン、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸ナトリウム、ピメリン酸やその塩、2,6−ナフタレン酸ジカルボン酸ジシクロヘキシルアミド等を挙げることができ、配合量は特に制限はないが、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)100重量部に対して0.1〜1重量部程度があることが好ましい。核剤を配合するタイミングに特に制限は無く、たとえば重合中、重合後、または成形加工時に添加することが可能である。
本発明の4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに必要に応じて、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤などを配合することができる。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤が使用可能である。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、イオウ系酸化防止剤、ラクトーン系酸化防止剤、有機ホスファイト化合物、有機ホスフォナイト化合物、またはこれらを数種類組み合わせて使用できる。
滑剤としては、例えばラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、マグネシウム塩などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。またかかる滑剤の配合量は、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)100重量部に対して通常0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部程度である。
スリップ剤としては、ラウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ヘベニン酸などの飽和または不飽和脂肪酸のアミド、あるいはこれらの飽和または不飽和脂肪酸のビスアマイドを用いることが好ましい。これらのうちでは、エルカ酸アミドおよびエチレンビスステアロアマイドが特に好ましい。これらの脂肪酸アミドは、4−メチル−1−ペンテン重合体100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。
アンチブロッキング剤としては、微粉末シリカ、微粉末酸化アルミニウム、微粉末クレー、粉末状、もしくは液状のシリコン樹脂、テトラフロロエチレン樹脂、微粉末架橋樹脂、例えば架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末等を挙げることができる。これらのうちでは、微粉末シリカおよび架橋されたアクリル、メタクリル樹脂粉末が好ましい。
<4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)の製造方法>
4−メチル−1−ペンテン重合体(共)組成物(X)は、上述の(A)、(B)の各成分を特定の量で配合し、さらに必要に応じて、前記添加剤を配合、混合することにより得ることができる。
各成分の混合方法としては、種々公知の方法、例えば、多段重合法、プラストミル、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラー、ブレンダー、ニーダールーダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用することができる。この方法により、各成分および添加剤が均一に分散混合された高品質の4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)を得ることができる。
〔4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の変性体および4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)の変性体〕
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)を極性樹脂と混合、積層する場合や金属と積層、接着する場合は、上述の4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が変性されているか、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)の少なくとも一部が極性化合物によりグラフト変性されていることが好ましい。なお前記要件(a)〜(d)を満たす限り、前記変性体も4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)に包含される。この際、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)の変性体とは、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)が直接変性されたもののほか、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)や4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)がグラフト変性されたものを当該重合体組成物の構成要素として有するものも包含する概念である。また前記要件(a1)〜(e1)を満たす限り、前記変性体も4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)に包含される。
グラフト変性に用いる極性化合物としては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸またはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、ビニル基含有有機ケイ素化合物、カルボジイミド化合物などが挙げられる。これらのうち、不飽和カルボン酸またはその誘導体およびビニル基含有有機ケイ素化合物が特に好ましい。
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物、カルボン酸基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボン酸基を1以上有する不飽和化合物等を挙げることができ、不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。これらの化合物は従来公知のものが使用でき、特に制限はないが具体的な化合物としては、例えばアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸〔登録商標〕(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)等の不飽和カルボン酸;またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、例えば塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。これらの不飽和カルボン酸および/またはその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。これらの中では、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸〔登録商標〕またはこれらの酸無水物が好ましく用いられる。
ビニル基含有有機ケイ素化合物としては、従来公知のものが使用でき、特に制限はないが具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシーエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジメメトキシシラン、3−メタクロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが使用できる。好ましくは、γ−グリシドキシプロピルトリピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシラン、さらに好ましくは、立体障害が小さくグラフト変性効率の高いビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アクロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の変性体は、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)100重量部に対して、極性化合物を通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部の量でグラフト反応させることにより得ることができる。このグラフト反応は、通常ラジカル開始剤の存在下に行なわれる。
4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)の変性体は、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)100重量部に対して、極性化合物を通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部の量でグラフト反応させることにより得ることができる。このグラフト反応は、通常ラジカル開始剤の存在下に行なわれる。
グラフト重合に用いられるラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などが挙げられる。ラジカル開始剤は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)、および極性化合物にそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができる。
また、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)に極性化合物をグラフト反応させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性化合物のグラフト量を向上させることができる場合がある。
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)の極性化合物によるグラフト変性反応は、従来公知の方法で行うことができる。例えば4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)を有機溶媒に溶解し、次いで極性化合物およびラジカル開始剤などを溶液に加え、70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させる方法を挙げることができる。
また、押出機などを用いて、無溶媒で、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)と極性化合物とを反応させることもできる。この反応は、通常4−メチル−1−ペンテン重合体の融点以上、具体的には160〜290℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。
このようにして得られる4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)の変性体の変性量(極性化合物のグラフト量)は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
〔コンデンサ用フィルムの製造方法〕
本発明のコンデンサ用フィルムは、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)からなるフィルムを二軸延伸して得られる。より具体的には、コンデンサ用フィルムは、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)を、たとえば180〜300℃の範囲でTダイ押出成形法などによりフィルムを形成し、このフィルムを二軸延伸して製造される。
延伸倍率は、面積換算で1.1〜100倍の間にあることが好ましく、より好ましくは
2〜90倍の間であり、さらに好ましくは4〜80倍の間である。延伸倍率が前記範囲内であると、コンデンサフィルムとして必要な絶縁破壊電圧が発現しやすくなる。
延伸方法としては、逐次二軸延伸法と同時二軸延伸法のいずれの方法であってもよいが、特に製膜安定性および厚み均一性の点から、逐次二軸延伸法が好ましい。
逐次二軸延伸法の場合、たとえば、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)または4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)をTダイ押し出し法によって冷却ロール上に押し出すことによって未延伸フィルムとし、次いでこの未延伸フィルムを、所定の延伸温度に設定された予熱ロールを経てフィルム長手方向(MD方向)に延伸し(縦延伸)、その後所定の延伸温度に設定された加熱オーブン内を通過させながらフィルム幅方向(TD方向)に延伸する(横延伸)。縦延伸、横延伸ともに延伸温度は、延伸に用いる4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)等のガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)の間であることが好ましい。特に、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を単独で使用する場合は、延伸温度が30〜100℃の間で延伸すると所望の絶縁破壊電圧を示すフィルムを得やすい。また、4−メチル−1−ペンテン共重合体(共)重合体組成物(X)を使用する場合は、延伸温度が100〜210℃の間で延伸すると、所望の絶縁破壊電圧を示すフィルムを得やすい。好ましい延伸倍率はフィルム長手方向とフィルム幅方向にそれぞれ1.4〜9.5倍であり、より好ましくは2〜9倍が適当である。また、二軸延伸後、フィルム長手方向またはフィルム幅方向、あるいはフィルム長手方向とフィルム幅方向に再延伸してもよい。
〔本発明のコンデンサ用フィルムの特性〕
本発明のコンデンサ用フィルムは、高温、長期課電時に静電容量の低下率が小さくかつ誘電損失特性の安定した電気特性を有する。
本発明のコンデンサ用フィルムに含まれる4−メチル−1−ペンテン共重合体は、ポリプロピレンよりも球晶サイズが小さくまたそのサイズも均一である。また4−メチル−1−ペンテン共重合体は結晶部分と非晶部分の密度差が小さいため、結晶性樹脂でありながらその内部構造は非常に均質である。このことから、4−メチル−1−ペンテン共重合体フィルムは延伸性に優れる。4−メチル−1−ペンテン共重合体フィルムにおいては、特に延伸時に発生する空孔(ボイド)の数がポリプロピレンの延伸フィルムに比べて非常に少なくなる。延伸フィルム内部のボイドが低減することにより、4−メチル−1−ペンテン共重合体フィルムの電気特性、特に耐電圧、損失正接の安定性がポリプロピレン延伸フィルムに比べて著しく良好なものとなる。
[金属化フィルム]
本発明の金属化フィルムは、前記コンデンサ用フィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる。
コンデンサ用フィルムに金属膜を設けて金属化フィルムとする方法は特に限定されないが、例えば、コンデンサ用フィルムの少なくとも片面に、アルミニウムを蒸着してフィルムコンデンサの内部電極となるアルミニウム蒸着膜等の金属膜を設ける方法が好ましく用いられる。このとき、アルミニウムと同時あるいは逐次に、例えば、ニッケル、銅、金、銀、クロムおよび亜鉛などの他の金属成分を蒸着することもできる。また、蒸着膜上にオイルなどで保護層を設けることもできる。
金属膜の厚さは、フィルムコンデンサの電気特性およびセルフヒール性の点から20〜100nmの範囲であることが好ましい。また、同様の理由により、金属膜の表面電気抵抗値が1〜20Ω/□の範囲であることが好ましい。表面電気抵抗値は、使用する金属種と膜厚で制御可能である。
金属膜を形成した後、必要に応じて、金属化フィルムを特定の温度でエージング処理を行なったり、熱処理を行なったりすることができる。また、絶縁もしくは他の目的で、金属化フィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンオキサイドなどのコーティングを施すこともできる。
[フィルムコンデンサ]
本発明のフィルムコンデンサは前記金属化フィルムを用いてなる。より具体的には、本発明のフィルムコンデンサは、前記金属化フィルムを種々の方法で積層もしくは巻回することにより製造される。巻回型フィルムコンデンサの好ましい製造方法を例示すると、次のとおりである。
コンデンサ用フィルムの片面にアルミニウムを真空蒸着する。その際、フィルム長手方向に走るマージン部が形成されるようにストライプ状に蒸着する。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージンを有した、テープ状の巻取リールを作成する。左にマージンを有するテープ状の巻取リール、右にマージンを有するテープ状の巻取リールの1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回し、巻回体を得る。この巻回体から芯材を抜いてプレスし、両端面にメタリコンを溶射して外部電極とし、メタリコンにリード線を溶接して巻回型フィルムコンデンサを得ることができる。フィルムコンデンサの用途は、車両用、家電用(テレビや冷蔵庫など)、一般雑防用、自動車用(ハイブリットカー、パワーウインドウやワイパーなど)および電源用等、多岐に渡っており、本発明のフィルムコンデンサもこれら用途に好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)重合体の物性および組成の測定
実施例および比較例で使用した4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)およびプロピレン系重合体の各物性および組成は以下の測定方法により求めた。
[各種測定用シートの作製法]
[各種測定用シートの作製法]
4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)またはプロピレン系重合体(C)を、神藤金属工業社製のプレス成形機を用いてシート状に成形した。プレス成形機は加熱用と冷却用の2台を使用した。加熱用プレス成形機の温度は230〜290℃、圧力は10MPaとし、5分間加熱加圧して一旦樹脂を溶融させた。次いでこの溶融した樹脂を冷却用プレス成形機によって冷却固化させた。冷却用プレス成形機の温度は20℃、圧力は10MPaとし、3分間加圧して樹脂を冷却固化させることで測定用試料を得た。上記方法により得たサンプルを用いて各種物性評価試料に供した。
[極限粘度[η]]
極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。すなわち測定用試料約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
Figure 2014011182
[数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
[ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン、α−オレフィン含量]
ポリマー中の4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン含量の定量化は、以下の装置および条件により13C−NMRにより測定した結果から行った。
日本電子株式会社製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。得られた13C−NMRスペクトルにより、4−メチル−1−ペンテン、α−オレフィンの組成を定量化した。
[融点(Tm)、結晶化温度(Tc))]
セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの測定用試料をつめて、100℃/minで290℃まで昇温し、290℃で5分間保持した後、10℃/minで−100℃まで降温させた時の結晶化ピークのピーク頂点から結晶化温度(Tc)、結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(Tm)を算出した。
[密度]
密度測定は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを30mm角に切り取り、JIS K6268に準拠して、電子比重計を用いて水中置換方法で測定した。
[MFR]
MFRは、JIS K7210に準拠して、260℃で5kgの荷重、または230℃で2.16kgの荷重にて測定した。
[ヤング率(引張弾性率)(YM)]
引張特性であるヤング率(YM)の評価は、JIS K6781に準拠して上記測定用試料を試験片として、インストロン社製万能引張試験機3380を用いて、引張速度=200mm/minで実施した。
(2)実施例および比較例で使用した重合体
実施例および比較例で使用した4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)である重合体(A1−1)〜(A1−4)、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)である重合体(A2)、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)である重合体(B−1)および(B−2)、ならびにポリプロピレン系重合体である重合体(C)の上記物性値および組成を表1に示した。
Figure 2014011182
[実施例1]
重合体(A1−2)100重量部を表2に示す製膜条件で成形して二軸延伸フィルムを得た。具体的には重合体(A1−2)100重量部を単軸押出機に供給し230℃で溶融混練してT型スリットダイよりフィルム状に溶融押出した。次いで該溶融フィルムを30℃に制御した金属冷却ロール上にエアー圧で密着させながら冷却固化して厚さ100μmの未延伸フィルムを得た。ここで得られた未延伸フィルムを加熱金属ロールにより予熱してフィルム温度を50℃まで昇温し、周速差をつけた1対のロール間で4倍に縦延伸して一軸延伸フィルムとした。次いで該一軸延伸フィルムの幅方向の両端をクリップで把持して加熱オーブンへと導き、50℃に予熱したあと、幅方向に4倍延伸し二軸延伸フィルムとした。この後、フィルムを160℃に加熱してアニール処理した。このようにして得られた二軸延伸フィルムの両端部を切断したのち、コロナ放電処理を施した後、ロール状に巻き取った。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例2]
重合体(A1−1)10重量部、重合体(A1−4)30重量部および重合体(B−2)60重量部を混合し、さらにこの混合物100重量部に対して、二次抗酸化剤としてのトリ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートを0.1重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピネートを0.1重量部、塩酸吸収剤としてのステアリン酸カルシウムを0.1重量部配合して4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物を作製した。この組成物を、株式会社プラスチック工学研究所社製2軸押出機BT−30(スクリュー系30mmφ、L/D=46)を用い、設定温度280℃、樹脂押出量60g/minおよび200rpmの条件で造粒してペレットを得た。
上記ペレットを、製膜条件を表2のとおり変更したこと以外は実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例3]
重合体(A1−1)10重量部、重合体(A1−4)30重量部および重合体(B−2)60重量部の替わりに、重合体(A1−1)10重量部、重合体(A2)30重量部および重合体(B−2)60重量部を使用し、製膜条件を表2のとおり変更したこと以外は実施例2と同様にして二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例4]
重合体(A1−1)10重量部、重合体(A1−4)30重量部および重合体(B−2)60重量部の替わりに、重合体(A1−2)10重量部、重合体(A1−4)20重量部および重合体(B−2)70重量部を使用したこと以外は実施例2と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破断電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例5]
重合体(A1−1)10重量部、重合体(A1−4)30重量部および重合体(B−2)60重量部の替わりに、重合体(A1−2)10重量部、重合体(A2)30重量部および重合体(B−2)60重量部を使用したこと以外は実施例2と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例6]
重合体(A1−1)20重量部、重合体(A1−4)50重量部および重合体(B−2)30重量部の替わりに、重合体(A1−2)10重量部、重合体(A1−4)10重量部、重合体(A2)20重量部および重合体(B−2)60重量部を使用したこと以外は実施例2と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例7]
重合体(A1−1)10重量部、重合体(A1−4)30重量部および重合体(B−2)60重量部の替わりに、重合体(A1−4)10重量部、重合体(A2)20重量部および重合体(B−1)70重量部を使用し、表2に示す製膜条件で二軸延伸したこと以外は実施例2と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例8]
重合体(A1−1)10重量部、重合体(A1−4)30重量部および重合体(B−2)60重量部の替わりに、重合体(A1−2)10重量部、重合体(A1−4)10重量部、重合体(A2)30重量部および重合体(B−1)50重量部を使用し、表2に示す製膜条件で二軸延伸したこと以外は実施例2と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[実施例9]
重合体(A1−1)10重量部、重合体(A1−4)30重量部および重合体(B−2)60重量部の替わりに、重合体(A1−3)10重量部、重合体(A2)20重量部および重合体(B−2)70重量部を使用し、表2に示す製膜条件で二軸延伸したこと以外は実施例2と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[比較例1]
重合体(A1−2)100重量部の替わりに、重合体(C)100重量部を使用し、表2に示す製膜条件で二軸延伸したこと以外は実施例1と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[比較例2]
重合体(A1−2)100重量部の替わりに、重合体(B−2)100重量部を使用し表2に示す製膜条件で実施例1と同様に二軸延伸を試みたが、縦延伸倍率が2倍以上となるとフィルムが破断したり、フィルムの厚みムラが大きくなったりして、均一な延伸ができなかった。このように均一に延伸できなかったため、上記製膜条件で20μmの未延伸フィルムを作成し、その厚みおよびコンデンサ特性(絶縁破壊電圧、比V(130℃)/V(23℃)、静電容量低下率、誘電損失)を下記評価方法により求めた。結果を表3に示した。
[厚み]
マイクロメーターを用いて、二軸延伸フィルムまたは未延伸フィルムの厚みを幅方向に10点および長さ方向に10点測定し、その平均値を二軸延伸フィルムまたは未延伸フィルムの厚みとした。
[絶縁破壊電圧(BDV)]
絶縁破壊電圧(V/μm)測定は、ASTM−D149に準じ、ヤマヨ試験器有限会社製絶縁破壊試験機を用いて測定した。上記二軸延伸フィルムまたは未延伸フィルムについて、23℃および130℃において昇圧速度500V/secにて電圧を印加して破壊耐電圧を測定し、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)および130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)を求め、比V(130℃)/V(23℃)を算出した。
[静電容量低下率]
二軸延伸フィルムまたは未延伸フィルムを真空蒸着機にて、金属アルミニウムと金属亜鉛の蒸着を施し、膜抵抗18Ω/□のアロイ金属蒸着膜(アルミニウム:亜鉛=5:95(質量比)、パターン無しのベタ蒸着)を形成した。この際、フィルム長手方向に走るマージン部が形成されるようにストライプ状に蒸着した。次に、表面の各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、表面が一方にマージンを有した、テープ状の巻取リールを作成した。左にマージンを有するテープ状の巻取リール、右にマージンを有するテープ状の巻取リールの1本ずつを、幅方向に蒸着部分がマージン部よりはみ出すように2枚重ね合わせて巻回しコンデンサ素子を作製した。
コンデンサ素子に120℃の温度および30kg/cm2の圧力で6分間のプレス処理を行い、メタリコンおよびリード端子付けを行った。この素子をウレタン樹脂で外装し、静電容量0.47μFのコンデンサを作製した。このコンデンサに85℃の雰囲気下でAC413Vの電圧を印加して、課電時間1,000時間での静電容量低下率を測定した。容量測定は安藤電気株式会社製LCRメータ AG−4311を用いて1V、1kHzの条件で測定した。その結果を下記基準にて評価した。なお評価○は実用特性に優れることを、△は使用可能であるが性能がやや劣ることを、×は実用上問題があることを意味する。
○:容量減少率が2%未満である
△:容量減少率が2%以上5%未満である
×:容量減少率が5%以上である
[誘電損失(tanδ)]
上記と同様にコンデンサを作製した。このコンデンサに85℃の雰囲気下でAC413Vの電圧を印加して、課電時間1,000時間でのtanδを測定した。測定は安藤電気株式会社製LCRメータ AG−4311を用いて1V、1kHzの条件で測定した。その結果を下記基準にて評価判定した。なお評価○は実用特性に優れることを、△は使用可能であるが性能がやや劣ることを、×は実用上問題があることを意味する。
○:tanδ が2%未満である
△:tanδ が2%以上5%未満である
×:tanδ が5%以上である
Figure 2014011182
Figure 2014011182

Claims (10)

  1. 下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)を含むフィルムを二軸延伸させて得られ、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)との比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上である、コンデンサ用フィルム。
    (a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜40モル%である。
    (b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d)密度が825〜860kg/m3である。
  2. 下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)95〜5重量部と、下記要件(a1)〜(e1)を満たす4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)5〜95重量部(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)、とを含んでなる4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)からなるフィルムを二軸延伸させて得られ、23℃における絶縁破壊電圧V(23℃)と、130℃における絶縁破壊電圧V(130℃)との比V(130℃)/V(23℃)が0.5以上である、コンデンサ用フィルム。
    (a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜40モル%である。
    (b)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d)密度が825〜860kg/m3である。
    (a1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が100〜90モル%であり、炭素原子数5〜20のα−オレフィン(4−メチル−1−ペンテンを除く)から選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が0〜10モル%である。
    (b1)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c1)DSCで測定した融点(Tm)が200〜250℃の範囲にある。
    (d1)DSCで測定した結晶化温度(Tc)が150〜220℃の範囲にある。
    (e1)密度が820〜850kg/m3である。
  3. 4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a2)〜(e2)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)である、請求項1または2に記載のコンデンサ用フィルム。
    (a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
    (b2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d2)密度が825〜860kg/m3である。
    (e2)DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
  4. 4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a3)〜(e3)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)である、請求項2に記載のコンデンサ用フィルム。
    (a3)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が21〜40モル%である。
    (b3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d3)密度が830〜860(kg/m3)である。
    (e3)DSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、またはDSCで融点が観測されない。
  5. 4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a2)〜(e2)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)1〜99重量部と下記要件(a3)〜(e3)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)99〜1重量部とからなる、請求項1または2に記載のコンデンサ用フィルム。
    (a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
    (b2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d2)密度が825〜860kg/m3である。
    (e2)DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
    (a3)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が21〜40モル%である。
    (b3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d3)密度が830〜860(kg/m3)である。
    (e3)DSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、またはDSCで融点が観測されない。
  6. 4−メチル−1−ペンテン(共)重合体組成物(X)が、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)50〜5重量部と、4−メチル−1−ペンテン(共)重合体(B)50〜95重量部(ただし(A)成分と(B)成分との合計を100重量部とする)とを含んでなり、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)が、下記要件(a2)〜(e2)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A1)10〜50重量部と、下記要件(a3)〜(e3)を満たす4−メチル−1−ペンテン共重合体(A2)90〜50重量部(ただし(A1)成分と(A2)成分との合計を100重量部とする)とからなる、請求項2に記載のコンデンサ用フィルム。
    (a2)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が97〜80モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が3〜20モル%である。
    (b2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d2)密度が825〜860kg/m3である。
    (e2)DSCで測定した融点(Tm)が100℃〜210℃の範囲にある。
    (a3)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位が79〜60モル%であり、炭素原子数2〜4のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位が21〜40モル%である。
    (b3)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
    (c3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が1.0〜3.5である。
    (d3)密度が830〜860(kg/m3)である。
    (e3)DSCで測定した融点(Tm)が100℃未満であるか、またはDSCで融点が観測されない。
  7. 延伸倍率が面積換算で1.1〜100倍の間にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンデンサ用フィルム。
  8. フィルムの厚みが1〜20μmの間にある、請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンデンサ用フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンデンサ用フィルムの少なくとも片面に金属膜が設けられてなる金属化フィルム。
  10. 請求項9に記載の金属化フィルムを用いてなるフィルムコンデンサ。
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