JP2014011061A - 溶融塩電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電気自動車等の移動体に搭載される溶融塩電池システムにおいて、電解質が固化した溶融塩電池の予備的な加熱のために要する電池の容量負担を軽減する。
【解決手段】本発明の溶融塩電池システムは、電気自動車等に搭載された溶融塩電池100と、充電器110と、充電器110の出力電圧を所定の電圧に変換するコンバータ120と、溶融塩電池100を加熱する加熱装置140と、溶融塩電池100の温度を検知する温度センサ153と、制御装置150とを備えている。制御装置150は、温度センサ153が検知する温度が所定値より低い場合は、充電器110からコンバータ120を経て加熱装置140に給電することにより溶融塩電池100を加熱する回路を構成可能であり、当該温度が所定値より高い場合は、充電器110により溶融塩電池100を充電する回路を構成可能である。
【選択図】図7

Description

本発明は、電気自動車等の移動体に搭載され、溶融塩を電解質とする溶融塩電池を含んで構成される溶融塩電池システムに関する。
現在、実用化されている電気自動車(EV)に搭載する二次電池としては、例えばリチウムイオン電池が使用されている。リチウムイオン電池は、多数の素電池が直並列に接続された組電池の状態で使用され、組電池全体としての電圧は、例えば300V以上となっている。このリチウムイオン電池は、高いエネルギー密度を有する点で優れているが、電解液が可燃性であるという点には注意を要する。
これに対して、近年、高いエネルギー密度に加えて、不燃性という強力な利点を持つ二次電池として、溶融塩を電解質とする溶融塩電池が開発され、注目されている(特許文献1及び非特許文献1参照。)。溶融塩電池の稼働温度領域は57℃〜190℃であり、リチウムイオン電池の稼働温度領域(−20℃〜80℃)と比べると、特に高温領域での使用が可能である点で優れている。
従って、不燃性で、高温領域でも使用できる溶融塩電池によって構成される溶融塩電池システムは、排熱スペースや防火等の装備が不要であり、素電池を高密度に集めて組電池を構成しても、全体としては比較的軽量でコンパクトである。そのため、軽量・コンパクト性が求められる電気自動車への搭載にも好適である。
特開2009−67644号公報
「SEI WORLD」2011年3月号(VOL.402)、住友電気工業株式会社
上記溶融塩電池は、電解質が溶融状態でなければ充電することも放電させることもできない。電解質を溶融させるには、常温では得られない57℃以上の温度が必要であり、また、より安定して動作させるためには、90℃以上が望ましい。そこで、溶融塩電池を主電源として電気自動車に搭載する場合には、溶融塩電池を90℃以上に加熱する加熱装置(電気ヒータ)が必要であり、また、電解質が固化している溶融塩電池を加熱するには、溶融塩電池とは別の電池(例えば鉛蓄電池)から加熱装置に電力を供給する必要がある。
しかし、車庫入れして長時間駐車する電気自動車の加熱装置に常時電力を供給し続けるのは電力の無駄になるため、通常は、加熱を停止することになる。加熱の停止により、溶融塩電池の温度は徐々に低下し、やがて温度が融点より下がると電解質は固化する。従って、次に電気自動車を動かそうとするときは、まず、溶融塩電池の温度を90℃にする予備的な加熱が必要である。
ここで、加熱装置の消費電力は相応に大きく、また、予備的な加熱に要する熱量も大きい。従って、加熱用として別に設けられる電池には十分な容量が必要であり、その結果として当該電池は肥大化する。容積が制限され、軽量化が求められる電気自動車において、このような電池の肥大化は好ましくない。
かかる課題に鑑み、本発明は、電気自動車等の移動体に搭載される溶融塩電池システムにおいて、電解質が固化した溶融塩電池の予備的な加熱のために要する電池の容量負担を軽減することを目的とする。
(1)本発明の溶融塩電池システムは、移動体に搭載された溶融塩電池と、外部電源から与えられた電圧を、前記溶融塩電池の充電に適した電圧に変換する充電器と、前記充電器の出力電圧を所定の電圧に変換するコンバータと、前記溶融塩電池を加熱する加熱装置と、前記溶融塩電池の温度を検知する温度センサと、前記温度センサが検知する温度が所定値より低い場合は、前記充電器から前記コンバータを経て前記加熱装置に給電することにより前記溶融塩電池を加熱する回路を構成可能であり、当該温度が前記所定値より高い場合は、前記充電器により前記溶融塩電池を充電する回路を構成可能である制御装置と、を備えたものである。
上記のように構成された溶融塩電池システムでは、外部電源により溶融塩電池を充電する際に、溶融塩電池の温度が所定値より低い場合は、充電器からコンバータを経て加熱装置を動作させ、溶融塩電池を加熱する。加熱の結果、所定値より温度が高くなれば、充電器により溶融塩電池を充電することができる。このようにして、溶融塩電池に特有の稼働条件である温度の確保を、外部電源からの充電機能を利用して容易に実現することができる。その結果、溶融塩電池を稼働させるための予備的な電力を蓄える加熱用電池(バッテリ)を、移動体に搭載しなくてよいか又は搭載するとしても小容量で足りるシステムを実現することができる。さらに、充電機能を利用することにより、外部電源から十分な電源容量が得られるので、電圧降下を抑制しつつ加熱装置に給電することができる。
(2)また、上記(1)の溶融塩電池システムにおいて、移動体の移動中において制御装置は、溶融塩電池からコンバータを経て加熱装置に給電する回路を構成可能であってもよい。
この場合、溶融塩電池は、自己の保有する電力により、稼働に必要な温度を維持することができる。
(3)また、上記(1)又は(2)の溶融塩電池システムは、コンバータの出力により充電され、加熱装置に給電可能な加熱用電池が、移動体に搭載されている構成であってもよい。
この場合、もし、外部電源が無い状態で溶融塩電池の加熱が必要な状態となったときにでも、加熱用電池から加熱装置に給電して加熱を行うことができる。
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれかの溶融塩電池システムにおいて移動体とは電気自動車であり、コンバータは、補機用のコンバータであってもよい。
この場合、電気自動車における補機用のコンバータの出力を、加熱装置への給電にも利用することができるので、専用のコンバータを設ける必要が無い。
本発明の溶融塩電池システムによれば、溶融塩電池の予備的な加熱のための加熱用電池の小型化又は省略が可能となり、このことがシステムのコンパクト化に寄与する。また、加熱用電池を搭載した場合でも、当該電池の負担が少ないため、当該電池が長期間使用可能となる。さらに、充電機能を利用することにより、外部電源から十分な電源容量が得られるので、電圧降下を抑制しつつ加熱装置に給電することができる結果、電解質を溶融させるまでの所要時間が短縮されるという利点もある。
溶融塩電池における発電要素の基本構造を原理的に示す略図である。 溶融塩電池本体(電池としての本体部分)の積層構造を簡略に示す斜視図である。 図2と同様の構造についての横断面図である。 電池容器に収容された状態の溶融塩電池の外観の概略を示す斜視図である。 素電池としての溶融塩電池を外箱内に複数個並べて、組電池としての溶融塩電池を構成した状態の一例を示す斜視図(一部断面を含む。)である。 溶融塩電池システムを搭載した電気自動車を示す略図である。 溶融塩電池システムの内部構成の一例を示すブロック図である。 外部電源からのプラグをコネクタに接続して外部から給電可能とした状態のブロック図である。 図8の状態から電解質が溶融したときの回路の状態を示す図である。 走行させるためにプラグを取り外した状態の溶融塩電池システムを示すブロック図である。 走行途上での長時間駐車により溶融塩電池が固化した状態の溶融塩電池システムを示すブロック図である。
《溶融塩電池の基本構造》
図1は、溶融塩電池における発電要素の基本構造を原理的に示す略図である。図において、発電要素は、正極1、負極2及びそれらの間に介在するセパレータ3を備えている。正極1は、正極集電体1aと、正極材1bとによって構成されている。負極2は、負極集電体2aと、負極材2bとによって構成されている。
正極集電体1aの素材は、例えば、アルミニウム不織布(線径100μm、気孔率80%)である。正極材1bは、正極活物質としての例えばNaCrOと、アセチレンブラックと、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)と、N−メチル−2−ピロリドンとを、質量比85:10:5:100の割合で混練したものである。そして、このように混練したものを、アルミニウム不織布の正極集電体1aに充填し、乾燥後に、100MPaにてプレスし、正極1の厚みが約1mmとなるように形成される。
一方、負極2においては、アルミニウム製の負極集電体2a上に、負極活物質としての例えば錫を含むSn−Na合金が、メッキにより形成される。
正極1及び負極2の間に介在するセパレータ3は、ガラスの不織布(厚さ200μm)又はポリオレフィンシート(厚さ50μm)に電解質としての溶融塩を含浸させたものである。この溶融塩は、例えば、NaFSA56mol%と、KFSA(カリウム ビスフルオロスルフォニルアミド)44mol%との混合物であり、融点は57℃である。融点以上の温度では、溶融塩は溶融し、高濃度のイオンが溶解した電解液となって、正極1及び負極2に触れている。また、この溶融塩は不燃性である。この溶融塩電池の稼働温度領域は57℃〜190℃である。
なお、上述した各部の材質・成分や数値は好適な一例であるが、これらに限定されるものではない。
例えば、溶融塩としては、上記の他、NaFSAと、LiFSA、KFSA、RbFSA又はCsFSAとの混合物も好適である。また、有機カチオン等よりなる他の塩を混合する場合もあり、一般には、溶融塩は、(a)NaFSAを含む混合物、(b)NaTFSAを含む混合物、(c)NaFTAを含む混合物、が適する。また、(a)〜(c)のうち2以上を混合することも可能である。これらの場合、各混合物の溶融塩は、比較的低融点となるので、少ない加熱で高濃度のイオンが溶解した状態を実現し、溶融塩電池を作動させることができる。
《溶融塩電池の具体的構造》
次に、より具体的な溶融塩電池の発電要素の構成について説明する。図2は、溶融塩電池本体(電池としての本体部分)10の積層構造を簡略に示す斜視図、図3は同様の構造についての横断面図である。
図2及び図3において、複数(図示しているのは6個)の矩形平板状の負極2と、袋状のセパレータ3に各々収容された複数(図示しているのは5個)の矩形平板状の正極1とが、互いに対向して図3における上下方向すなわち積層方向に重ね合わせられ、積層構造を成している。
セパレータ3は、隣り合う正極1と負極2との間に介在しており、言い換えれば、セパレータ3を介して、正極1及び負極2が交互に積層されていることになる。実際に積層する数は、例えば、正極1が20個、負極2が21個、セパレータ3は「袋」としては20袋であるが、正極1・負極2間に介在する個数としては40個である。なお、セパレータ3は、袋状に限定されず、分離した40個であってもよい。
なお、図3では、セパレータ3と負極2とが互いに離れているように描いているが、溶融塩電池の完成時には互いに密着する。正極1も、当然に、セパレータ3に密着している。また、正極1の縦方向及び横方向それぞれの寸法は、デンドライトの発生を防止するために、負極2の縦方向及び横方向の寸法より小さくしてあり、正極1の外縁が、セパレータ3を介して負極2の周縁部に対向するようになっている。
《実用上の素電池としての一形態》
上記のように構成された溶融塩電池本体10は、例えばアルミニウム合金製で直方体状の電池容器に収容され、素電池すなわち、電池としての物理的な一個体を成す。
図4は、このような電池容器11に収容された状態の溶融塩電池Bの外観の概略を示す斜視図である。なお、図2,図3における正極1及び負極2のそれぞれからは、端子(正極1の端子1tのみ図示している。)が電池容器11の外部へ引き出される。図4において、電池容器11の上部には、内部の気圧が過度に上昇したときに放圧するための安全弁12が設けられている。なお、電池容器11の内面には絶縁処理が施されている。電池容器11は、例えば正面・背面に密着させる後述のヒータによって暖められ、その結果、電解質の塩は、溶融塩の電解液となる。
《実用上の組電池としての一形態》
図5は、上記のように構成された素電池としての溶融塩電池Bを、外箱13内に複数個並べて溶融塩電池100を構成した状態の一例を示す斜視図(一部断面を含む。)である。但し、溶融塩電池Bの端子等、細部の図示は省略している。なお、必要に応じて、この並びの方向と直交する方向(奥行き方向)にも複数列に溶融塩電池を並べて、多数の溶融塩電池によって溶融塩電池100を構成することができる。
各溶融塩電池Bは、必要とする出力(電圧、電流)に応じて、互いに直列又は直並列に接続される。これにより、溶融塩電池100は、所望の電圧・電流の定格で使用することができる。各電池容器11間には、面状のヒータ14が装着されている。このヒータ14で加熱することにより、溶融塩電池Bは、溶融塩の融点以上になるように加熱される。実際には、安定的な溶融状態とするため、全体が90℃〜95℃になるように加熱される。これにより、溶融塩が融解して、充電及び放電が可能な状態となる。
なお、このヒータ14の設け方は、一例に過ぎず、一定数(複数)の溶融塩電池Bごとに1枚のヒータ14を挟む構成や、底面又は側面にヒータを当てる構成等、種々変形が可能である。
上記外箱13は例えば、全体としては概ね直方体であり、本体部13aと、蓋部13bとによって構成されている。多数の溶融塩電池を並べて構成された組電池としての溶融塩電池100を収容した後、蓋部13bは、例えばボルトにより、本体部13aに固定される。外箱13は、断熱性に優れた材質や構造のものが好ましく、材質としては例えばセラミックが好適である。また、溶融塩電池100は、ヒータ14と共に、外箱13に収容される。なお、溶融塩電池100からの出力線、ヒータ14への給電線、及び、図示しない温度センサの出力線は、例えば、外箱13に壁貫通のブッシュ等(図示せず。)を設けて引き通される。外箱13は密封状態ではなく、一定の内外通気が可能である。
このようにして、外箱13に収容された溶融塩電池100とすることにより、ヒータ14から発せられる熱が外箱13の外へ逃げにくくなり、外箱13による溶融塩電池100の保温効果が得られる。従って、熱効率が改善され、より少ない電力で、溶融塩を融点以上の温度、特に、好適な90℃〜95℃に維持することができる。
なお、溶融塩電池100は、必ずしも外箱13に収容されなければならない訳ではなく、外箱無しの状態で、単に集合させた状態で使用することも可能である。
《溶融塩電池システムとしての一実施形態》
溶融塩電池100は、制御装置その他の周辺装置と共に、溶融塩電池システムとして活用される。図6は、例えば、溶融塩電池システム200を搭載した電気自動車300を示す略図である。電気自動車300は、車庫400内で、外部電源500からケーブル501を接続することにより、搭載する溶融塩電池システム200に電力を供給することができる。外部電源500とは、例えば一般家庭に引き込まれている商用交流電源であり、AC200V又は100Vである。溶融塩電池システム200は、負荷L(主として駆動用モータ)に対して必要な電力を供給する。
図7は、溶融塩電池システム200の内部構成の一例を示すブロック図である。図において、溶融塩電池システム200は、組電池の形態をなす溶融塩電池100と、充電器110と、補機用のコンバータ120と、加熱用電池130と、加熱装置140(例えば図5におけるヒータ14全体に、スイッチ機能を追加したもの)と、制御装置150と、受電用のコネクタ160とを備え、これらは図示のように接続されている。
充電器110は、外部電源500から入力される交流電圧を、溶融塩電池100の充電に適した直流の高電圧(例えば300V以上)に変換する。コンバータ120は、この高電圧を、例えばDC24V又は12Vの低電圧に変換する。加熱用電池130及び加熱装置140の定格電圧は、この低電圧に適合するものである。加熱用電池130は、例えば鉛蓄電池である。
図7において回路接続を示す実線は、主回路である電源ラインの接続を示し、制御装置150に関する破線(細線)は、制御信号やセンサ出力信号の接続線を示している。コネクタ160には、外部電源500からのケーブル501の先端に設けられたプラグ502を、接続することができる。なお、コンバータ120の出力は、図示の回路接続の他、電気自動車に搭載されている種々の補機(図示せず。)用の電源電圧として提供される。逆の言い方をすれば、電気自動車における補機用のコンバータ120の出力を、加熱装置140への給電にも利用することができるので、加熱装置専用のコンバータを設ける必要が無いという利点がある。
制御装置150は、BSU(バッテリ・スキャン・ユニット)151と、BMS(バッテリ・マネージメント・システム)152とを備えている。BSU151は、溶融塩電池100の温度を検知する温度センサ153のほか、端子間電圧を検出する電圧センサ(図示せず。)等も含む、センサ装置である。温度センサ153は、例えば、組電池を構成する溶融塩電池Bのいずれか一つの電池容器11(図5)に押し当てるように取り付けることができる。また、複数の電池容器11に対して温度センサ153を設け、それらの出力の平均値又は最小値をとるようにしてもよい。さらには、電池容器11の内部に温度センサ153を入れることも可能である。
上記BSU151の出力はBMS152に入力される。BMS152は、CPUを含み、制御の中核をなす装置である。BMS152は、充電器110、コンバータ120及び加熱装置140の動作も制御する。なお、例えば、制御装置150、充電器110、コンバータ120、及び、加熱装置140のスイッチには制御電源電圧(例えばDC5V,12V,24V等)が必要であるが、この電圧は、例えば加熱用電池130の出力から得てもよいし、さらに別の小電源(バッテリ)から得てもよい。制御電源としての消費電力は軽微であり、従って、電源となる電池の負担は少ない。
図8〜11は、図7の派生図であり、溶融塩電池システム200の動作状況に応じて回路接続がどのように切り替わるかを示すブロック図である。図8〜11において、電源ラインの破線部分は、電流が流れていないことを表している。
(固化状態からの充電)
図8は、外部電源500からのプラグ502をコネクタ160に接続して外部から給電可能とした状態のブロック図である。但し、溶融塩電池100は融点の57℃よりも低い温度であるとする。この場合、電解質が固化している。BMS152は、温度センサ153により溶融塩電池100の温度が57℃より低いことを検知している。
この場合において、BMS152は、充電器110、コンバータ120及び加熱装置140を動作させる。従って、充電器110から、コンバータ120に電圧が入力される。コンバータ120は、入力された電圧を降圧して、例えばDC24V又はDC12Vの電圧に変換する。コンバータ120の出力電圧により、加熱装置140は発熱して溶融塩電池100を加熱する。コンバータ120の出力には余裕があり、加熱用電池130の充電も同時に行うことができる。なお、充電器110から溶融塩電池100に至る電路(破線で示す部分)は物理的には繋がっているが、溶融塩電池100の電解質が固化している間は、充電電流が流れない。また、負荷Lは当然ながら、停止の状態である。
加熱装置140により、溶融塩電池100の温度が上昇し、融点の57℃以上になると、電解質は溶融する。図9は、図8の状態から電解質が溶融したときの回路の状態を示す図である。すなわち、充電器110から溶融塩電池100に至る電路(実線で示す部分)には、電流が流れ、溶融塩電池100は充電される。また、コンバータ120を介して加熱装置140への給電も維持される。溶融塩電池100の温度が90℃以上になると、BMS152は、加熱装置140のオン時間・オフ時間を制御して、溶融塩電池100の温度が90℃〜95℃に維持されるよう温度調節する。
BSU151の監視により充電完了が検知されると、BMS152は、充電器110を停止させる。その後、電気自動車を走行させる場合については後述する。
一方、運転者が降車しており、充電完了させた状態で次に使用するまで電気自動車を放置する場合は、BMS152は、充電器110、コンバータ120及び加熱装置140を全て停止させる。これにより、溶融塩電池100の温度は徐々に低下し、やがて融点より低い温度になれば、電解質は固化する。
(溶融状態からの充電)
上記の説明は、最初は溶融塩電池100が固化している状態から説明したが、溶融塩電池100が融点以上の温度であれば、図8の回路で示した加熱は省略することができる。例えば、走行状態から帰宅・駐車してすぐに充電を行う場合であれば、溶融塩電池100はまだ稼働(溶融)状態であるので、直ちに図9の回路で充電が可能である。
BSU151の監視により充電完了が検知されると、BMS152は、充電器110を停止させる。ここで、既に運転者が降車しており、充電完了させた状態で次に使用するまで電気自動車を放置する場合は、BMS152は、加熱装置140を停止させる。これにより、溶融塩電池100の温度は徐々に低下し、やがて融点より低い温度になれば、電解質は固化する。
(走行させる場合)
溶融塩電池100が固化している場合は、図8の回路で示した加熱を経て温度が90℃以上に達したときに、また、溶融塩電池100が既に90℃以上での溶融状態である場合は直ちに、電気自動車を走行させることができる。
図10は、走行させるためにプラグ502を取り外した状態の溶融塩電池システム200を示すブロック図である。図において、BMS152は、充電器110を停止させ、コンバータ120及び加熱装置140を動作させる。
制御装置150は、溶融塩電池100の温度を監視し、90℃〜95℃に維持する。溶融塩電池100の出力電圧はコンバータ120により降圧され、加熱装置140に給電される。また、加熱用電池130は充電される。すなわち、溶融塩電池100は、自己の保有する電力により、稼働に必要な温度を維持することができる。
また、運転者の運転操作に基づき、溶融塩電池100から負荷Lに、必要な電力が供給される。
(走行途上での加熱)
走行途上で長時間駐車すると、溶融塩電池100が固化する場合があり得る。図11は、走行途上での長時間駐車により溶融塩電池100が固化した状態の溶融塩電池システム200を示すブロック図である。この状態では、溶融塩電池100が固化しているので自己の有する電力を取り出すことができない。また、たまたま近くに充電用のプラグがある場合を除き、外部から電力供給を受けることはできない。
そこで、温度センサ153の出力信号から溶融塩電池100が固化していることを把握しているBMS152は、加熱用電池130から電力供給を受けて、加熱装置140を動作させる。加熱装置140の動作により、溶融塩電池100の温度が上昇し、融点の57℃以上になると、電解質は溶融する。電解質が溶融すれば、図10に示す電源ラインが構成され、溶融塩電池100からコンバータ120を介して加熱装置140へ給電することができるようになる。溶融塩電池100の温度が90℃以上になると、BMS152は、加熱装置140のオン時間・オフ時間を制御して、溶融塩電池100の温度が90℃〜95℃に維持されるよう温度調節する。溶融塩電池100が稼働することにより、電気自動車は走行可能となる。
(システム動作の総括)
以上のように、上記の溶融塩電池システム200では、外部電源500により溶融塩電池100を充電する際に、溶融塩電池100の温度が所定値(電解質の融点)より低い場合は、充電器110からコンバータ120を経て加熱装置140を動作させ、溶融塩電池100を加熱する。加熱の結果、所定値より温度が高くなれば、充電器110により溶融塩電池100を充電することができる。また、溶融塩電池100が安定的な稼働状態になれば、電気自動車を走行させることができる。
なお、上記の所定値とは、電解質の溶融により現実に充電が可能となる温度であり、例えば57℃であるが、実際には多少の誤差はあり、必ずしも一定値とは限らない。溶融により充電が可能となり、溶融塩電池100が満充電の状態でなければ、充電器110から溶融塩電池100へ、自然に充電が始まる。但し、溶融塩電池100から負荷Lへの放電は、溶融塩電池100の安定的な稼働のために、温度が90℃〜95℃になるのを待つのが好ましい。これは、温度センサ153の検知する温度が90℃以上になるまで負荷Lを使用せず待機することにより、実現できる。
このようにして、溶融塩電池100に特有の稼働条件である温度の確保を、外部電源500からの充電機能を利用して容易に実現することができる。その結果、溶融塩電池100を稼働させるための予備的な電力を蓄える加熱用電池130は小容量で足りることになる。小容量であれば寸法が小さくなるので、システムのコンパクト化に寄与する。また、加熱用電池130に対する負担が少ないため、加熱用電池130が長期間使用可能となる。さらに、充電機能を利用することにより、外部電源から十分な電源容量が得られるので、電圧降下を抑制しつつ加熱装置140に給電することができる結果、電解質を溶融させるまでの所要時間が短縮される。
なお、前述のように、外部電源が無い状態で溶融塩電池100の加熱が必要な状態となったときにでも、加熱用電池130から加熱装置140に給電して加熱を行うことができる点において、加熱用電池130を搭載することが好ましい。但し、長時間駐車することがない使用形態であれば、加熱用電池130を省略することも可能である。また、将来的に、公共の駐車場等、電気自動車を適法に駐車させ得るあらゆる場所に、充電用のプラグがあるような環境になれば、加熱用電池130は事実上不要となる。
(その他)
なお、上記の実施形態においては、溶融塩電池システムを搭載する対象は電気自動車であるとして説明したが、当該システムは、電気自動車以外の種々の電動車両(例えば産業用車両、二輪車、トロッコ、ゴルフカート、電動車椅子)にも搭載可能である。また、車両以外の電動の移動体(例えば小型の船舶、飛行体)にも搭載可能である。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
100 溶融塩電池
110 充電器
120 コンバータ
130 加熱用電池
140 加熱装置
150 制御装置
153 温度センサ
200 溶融塩電池システム
300 電気自動車
500 外部電源

Claims (4)

  1. 移動体に搭載された溶融塩電池と、
    外部電源から与えられた電圧を、前記溶融塩電池の充電に適した電圧に変換する充電器と、
    前記充電器の出力電圧を所定の電圧に変換するコンバータと、
    前記溶融塩電池を加熱する加熱装置と、
    前記溶融塩電池の温度を検知する温度センサと、
    前記温度センサが検知する温度が所定値より低い場合は、前記充電器から前記コンバータを経て前記加熱装置に給電することにより前記溶融塩電池を加熱する回路を構成可能であり、当該温度が前記所定値より高い場合は、前記充電器により前記溶融塩電池を充電する回路を構成可能である制御装置と
    を備えていることを特徴とする溶融塩電池システム。
  2. 前記移動体の移動中において前記制御装置は、前記溶融塩電池から前記コンバータを経て前記加熱装置に給電する回路を構成可能である請求項1記載の溶融塩電池システム。
  3. 前記コンバータの出力により充電され、前記加熱装置に給電可能な加熱用電池が、前記移動体に搭載されている請求項1又は2に記載の溶融塩電池システム。
  4. 前記移動体とは電気自動車であり、前記コンバータは、補機用のコンバータである請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶融塩電池システム。
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