JP2014009305A - 樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法 Download PDF

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康史 飯塚
Hiroaki Adachi
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Abstract

【課題】工程の一部に高温での熱処理が必要なフレキシブルデバイスの製造に好適に使用できる樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、(a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤と、を含む。樹脂組成物を無機基板(11)の表面上に展開する。次いで、ポリイミド前駆体を熱処理によりポリイミド化してポリイミド樹脂層(12)を形成して積層体を得る。この積層体はフレキシブルディスプレイの製造に用いられ、ポリイミド樹脂層(12)はフレキシブル基板となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、特にフレキシブルデバイス及びその製造に有用な樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法に関する。
現在、太陽電池モジュール、フラットパネルディスプレイ等のデバイスの基板は主としてガラスからなる基板が使用されているが、軽量化・薄型化のため、樹脂基板の検討が進んでいる。検討されている樹脂基板は、シリコン系半導体を使用したデバイスの製造工程で必要とされる400℃以上の熱処理工程への耐性が必要であり、また、樹脂基板とシリコン系半導体の熱膨張係数の差から生じる熱処理工程の際の寸法差を抑制するため、樹脂基板と無機基板の積層体を使用し、デバイス製造後に樹脂基板を無機基板から剥離する加工が必要とされている。
一般的にシリコン系半導体と熱膨張係数が近く、400℃以上の耐熱性を有するポリイミドは、分子配向させることで低熱膨張化させるため、無機基板への接着性を有しない。このため、無機基板表面に樹脂接着用の無機層、例えば、窒化ケイ素層及び非晶性ケイ素層を形成することが行われている。この場合、無機基板から樹脂基板を剥離するために、デバイス製造後にレーザーにてポリイミドを分解させたり(特許文献1参照)、水素化非晶性ケイ素層からの水素発生により無機基板から樹脂基板を剥離したり(特許文献2参照)、する剥離方法等が取られている。
一方、無機基板への接着層形成を不要とするため、樹脂基板を構成する樹脂組成物にシランカップリング剤を添加して、樹脂基板自らに接着性を付与して無機基板に接着する方法がある(特許文献3参照)。
特表2012−511173号公報 国際公開第2009/037797号パンフレット 特開2000−344940号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の剥離方法では、これらの剥離工程の際に接着層由来の欠陥を生じることがある。また、レーザーにて樹脂基板に欠陥を生じることもある。これらのため、デバイス製造の歩留まりが低下し、コストダウンや生産性向上の面でも大きな障害となっている。
また、特許文献3記載の樹脂組成物は、200℃以上の加熱を必要とする樹脂成形において基材との高い接着性を付与するために、例えばポリイミド前駆体を含む樹脂組成物にシリコン系カップリング剤を配合している。しかし、シリコン系半導体を使用したデバイスの製造工程では、400℃以上の熱処理工程への耐性が求められる。特許文献3に記載の樹脂組成物は、芳香基、イミド基以外の官能基が多量に含まれる高分子を用いており、400℃以上の温度では樹脂が分解しやすく、また、シリコン系カップリング剤に含まれるメチレン基が熱ラジカル分解し揮発しやすいことから接着性が低下してしまう。特に、テバイス形成工程での長時間の熱処理の際、例えば、アモルファスシリコンの結晶化の際に、剥離、変色、斑等の外観異常という欠陥を生じる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、工程の一部に高温での熱処理が必要なフレキシブルデバイス等の製造に好適に使用できる樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、耐熱性を有するポリイミド前駆体と、アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、溶剤とを含む樹脂組成物が、優れた保存安定性、耐熱接着性及び易剥離性を示すことを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
本発明の樹脂組成物は、(a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤と、を含むことを特徴とする。
この構成により、まず、ポリイミド駆動体から得られるポリイミドが、5%熱分解温度が500℃以上であるので、フレキシブルディスプレイ製造で必要な、例えば400℃を超える熱処理工程に耐え得るポリイミド樹脂層を形成できる。
また、ポリイミド前駆体の官能基とアルコキシシラン化合物の保護したアミノ基との水素結合が低くなるので、擬似高分子化が抑制され、保存安定性が向上する。
また、アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物は、保護しないアルコキシシラン化合物と比較して高分子量化し、また保護に使用した化合物の官能基とポリマーの相互作用から、樹脂組成物を加熱した際に揮発しにくく、ポリイミド化の際に有効にポリイミド樹脂層に取り込まれることから無機基板との有効な接着層が厚く保持され、長時間の熱処理の際に良好な耐熱接着性(長期接着性)を発現する。
さらに、ポリイミドを形成する際の熱処理にてアルコキシシラン化合物がポリイミド中に導入されるため、例えば、不活性雰囲気下での400℃を超える耐熱接着性(初期接着性)を発現する。
一方で、酸素存在環境下での熱処理により、酸素ラジカルによるメチレン基切断・揮発の結果、易剥離性を発現する。これにより、デバイス形成の際の熱処理で無機基板から樹脂基板が剥離せず良好にデバイスを形成でき、デバイス形成後に加熱により無機基板から樹脂基板を容易に欠陥無く剥離でき、良好なフレキシブルデバイスが得られるという効果を奏する。
本発明の樹脂組成物においては、前記ポリイミド前駆体が、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、及び、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群の中から選択される少なくとも1種を全テトラカルボン酸二無水物の80mol%以上として、且つ、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、5−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、及び、5−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール6−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾールからなる群の中から選択される少なくとも1種を全ジアミンの80mol%以上として反応させて得られることが好ましい。
また、前記アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物の量は、前記ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
また、無機基板の表面上にポリイミド樹脂層を形成するのに用いられることが好ましい。
また、フレキシブルデバイスの製造に用いられることが好ましい。ここで前記フレキシブルデバイスの製造が、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層からなる積層体が、400℃〜500℃で処理される熱処理工程を含むことがさらに好ましい。さらに、前記熱処理工程が6分〜5時間継続して行われることがより好ましい。また、前記熱処理工程が不活性雰囲気下で行われることが好ましい。
また、前記フレキシブルデバイスが、ポリシリコン半導体駆動型フレキシブルディスプレイであることが好ましい。
この場合、前記フレキシブルデバイスの製造が、無機基板上に前記樹脂組成物を塗工する工程と、前記樹脂組成物を熱処理して前記無機基板上にポリイミド樹脂層を形成する工程と、前記ポリイミド樹脂層及び前記無機基板からなる積層体の上側にアモルファスシリコン層を形成し、当該アモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン層を得る工程と、を具備することが好ましい。
本発明の積層体は、(a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤と、を含む樹脂組成物を無機基板上に展開し、次いで前記ポリイミド前駆体をポリイミド化してポリイミド樹脂層を形成することにより得られることを特徴とする。
この構成により、まず、ポリイミド前駆体をポリイミド化して形成されるポリイミド樹脂層は、5%熱分解温度が500℃以上であるので、フレキシブルディスプレイ製造で必要な、例えば400℃を超える熱処理工程に耐え得るポリイミド樹脂層を形成できる。
また、ポリイミド前駆体の官能基とアルコキシシラン化合物の保護したアミノ基との水素結合が低くなるので、擬似高分子化が抑制され、保存安定性が向上する。
また、アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物は、保護しないアルコキシシラン化合物と比較して高分子量化し、また保護に使用した化合物の官能基とポリマーの相互作用から、樹脂組成物を加熱した際に揮発しにくく、ポリイミド化の際に有効にポリイミド樹脂層に取り込まれることから、無機基板とのシロキサン基、芳香基、イミド基からなる接着層が厚く保持され、長時間の熱処理の際に良好な耐熱接着性(長期接着性)を発現する。
さらに、ポリイミドを形成する際の熱処理にてアルコキシシラン化合物がポリイミド中に導入されるため、例えば、不活性雰囲気下での400℃を超える耐熱接着性(初期接着性)を発現する。
一方で、酸素存在環境下での熱処理により、酸素ラジカルによるメチレン基切断・揮発の結果、易剥離性を発現する。これにより、デバイス形成の際の熱処理で無機基板から樹脂基板が剥離せず良好にデバイスを形成でき、デバイス形成後に加熱により無機基板から樹脂基板を容易に欠陥無く剥離でき、良好なフレキシブルデバイスが得られるという効果を奏する。
本発明の積層体においては、前記ポリイミド前駆体が、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、及び、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群の中から選択される少なくとも1種を全テトラカルボン酸二無水物の80mol%以上として、且つ、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、5−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、及び、5−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール6−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾールからなる群の中から選択される少なくとも1種を全ジアミンの80mol%以上として反応させて得られることが好ましい。
また、前記アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物の量は、前記ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
また、フレキシブルデバイスの製造に用いられることが好ましい。ここで、前記フレキシブルデバイスの製造が、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層からなる積層体が、400℃〜500℃で処理される熱処理工程を含むことがより好ましい。
また、前記熱処理工程が、前記積層体の上側にアモルファスシリコン層を形成し、当該アモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン層を得る工程であることが好ましい。
これらの場合に、前記熱処理工程が6分〜5時間継続して行われることがより好ましい。さらに、前記熱処理工程が不活性雰囲気下で行われることが好ましい。
また、前記フレキシブルデバイスが、ポリシリコン半導体駆動型フレキシブルディスプレイであることが好ましい。
また、本発明の積層体の製造方法は、(a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤と、を含む樹脂組成物を無機基板上に展開する工程と、前記樹脂組成物の前記ポリイミド前駆体をポリイミド化してポリイミド樹脂層を形成し、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層を具備する積層体を得る工程と、を具備することを特徴とする。
この構成により、まず、ポリイミド樹脂層は、5%熱分解温度が500℃以上であるので、フレキシブルディスプレイ製造で必要な、例えば400℃を超える熱処理工程に耐え得るポリイミド樹脂層を形成できる。
また、ポリイミド前駆体の官能基とアルコキシシラン化合物の保護したアミノ基との水素結合が低くなるので、擬似高分子化が抑制され、保存安定性が向上する。
また、アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物は、保護しないアルコキシシラン化合物と比較して高分子量化し、また保護に使用した化合物の官能基とポリマーの相互作用から、樹脂組成物を加熱した際に揮発しにくく、ポリイミド化の際に有効にポリイミド樹脂層に取り込まれることから無機基板との有効な接着層が厚く保持され、長時間の熱処理の際に良好な耐熱接着性(長期接着性)を発現する。
さらに、ポリイミドを形成する際の熱処理にてアルコキシシラン化合物がポリイミド中に導入されるため、例えば、不活性雰囲気下での400℃を超える耐熱接着性(初期接着性)を発現する。
一方で、酸素存在環境下での熱処理により、酸素ラジカルによるメチレン基切断・揮発の結果、易剥離性を発現する。これにより、デバイス形成の際の熱処理で無機基板から樹脂基板が剥離せず良好にデバイスを形成でき、デバイス形成後に加熱により無機基板から樹脂基板を容易に欠陥無く剥離でき、良好なフレキシブルデバイスが得られるという効果を奏する。
本発明の積層体の製造方法において、前記ポリイミド前駆体が、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、及び、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群の中から選択される少なくとも1種を全テトラカルボン酸二無水物の80mol%以上として、且つ、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、5−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、及び、5−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール6−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾールからなる群の中から選択される少なくとも1種を全ジアミンの80mol%以上として反応させて得られることが好ましい。
また、前記アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物の量は、前記ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましい。
また、前記積層体は、フレキシブルデバイスの製造に用いられることが好ましい。この場合、前記フレキシブルデバイスの製造が、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層からなる積層体が、400℃〜500℃で処理される熱処理工程を含むことが好ましい。
また、前記熱処理工程が、前記積層体の上側にアモルファスシリコン層を形成し、当該アモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン層を得る工程であることが好ましい。
これらの場合に、前記熱処理工程が、6分〜5時間継続して行われることがより好ましい。さらに、前記熱処理工程が不活性雰囲気下で行われることがより好ましい。
また、前記フレキシブルデバイスが、ポリシリコン半導体駆動型フレキシブルディスプレイであることが好ましい。
本発明によれば、工程の一部に高温での熱処理が必要なフレキシブルデバイス等の製造に好適に使用できる樹脂組成物、積層体及び積層体の製造方法を提供することができる。
本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。 本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の樹脂組成物は、(a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤とを含む。
このような構成によれば、まず、ポリイミド前駆体をポリイミド化して形成されるポリイミド樹脂層は、5%熱分解温度が500℃以上であるので、フレキシブルディスプレイ製造で必要な、例えば400℃を超える熱処理工程に耐え得るポリイミド樹脂層を形成できる。
また、ポリイミド前駆体の官能基とアルコキシシラン化合物の保護したアミノ基との水素結合が低くなるので、擬似高分子化が抑制され、保存安定性が向上する。
ここで、保存安定性とは、樹脂組成物の粘度及び樹脂組成物をポリイミド化して形成したポリイミド樹脂層の接着性が保存中に安定であることをいう。フレキシブルデバイスの製造において、保存安全性が良いことは、無機基板に安定して樹脂組成物層を形成でき、熱処理の際に外観異常を発生しにくいという利点がある。
また、アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物は、保護しないアルコキシシラン化合物と比較して高分子量化し、また保護に使用した化合物の官能基とポリマーの相互作用から、樹脂組成物を加熱した際に揮発しにくく、350℃以上でのイミド化・配向の際に有効にポリイミド樹脂層に取り込まれることから無機基板との有効な接着層が厚く保持され、長時間の熱処理の際に良好な耐熱接着性(長期接着性)を発現する。
一方、アミノ基を保護しないアルコキシシラン化合物は、イミド化が進行する前の加熱過程で無機基板の表面に付着・結合した化合物以外は揮発し、有効に組成物中に残留しないことから無機基板との接着層が薄く、長時間の熱処理の際の接着性に乏しい。
さらに、ポリイミドを形成する際の熱処理にてアルコキシシラン化合物がポリイミド中に導入されるため、例えば、不活性雰囲気下での400℃を超える耐熱接着性(初期接着性)を発現する。
耐熱接着性には、積層体を取り扱う際の初期接着性と、デバイス形成の際の熱処理の際の長期接着性とが含まれる。初期接着性とは、無機基板上に樹脂組成物を塗工し、次いで、熱処理によりポリイミド化してポリイミド樹脂層を形成した直後のポリイミド樹脂層と無機基板との高温条件下、具体的には、400℃以上での接着性をいう。一方、長期接着性とは、さらに高温条件で長時間、具体的には、例えば、400℃〜500℃で6分〜5時間継続して、基材及びポリイミド樹脂層からなる積層体に熱処理を施した後の接着性をいう。フレキシブルデバイスの製造において、初期接着性及び長期接着性が良いことは、熱処理の際に剥離、膨れ等の外観異常を抑制するという利点がある。
一方で、酸素存在環境下での熱処理により、酸素ラジカルによるメチレン基切断・揮発の結果、易剥離性を発現する。これにより、デバイス形成の際の熱処理で無機基板から樹脂基板が剥離せず良好にデバイスを形成でき、デバイス形成後に加熱により無機基板から樹脂基板を容易に欠陥無く剥離でき、良好なフレキシブルデバイスが得られる。
ここで、易剥離性とは、無機基板からポリイミド樹脂層を容易に剥離できることをいう。易剥離性に優れていることは、フレキシブルデバイスの製造において、最終的に無機基板をポリイミド樹脂層から剥離することが容易にできるという利点がある。
以下、本実施の形態に係る樹脂組成物の各構成要件について詳細に説明する。
(a)ポリイミド前駆体
本実施の形態に係るポリイミド前駆体は、ポリアミド酸とその塩及びポリアミド酸のエステル誘導体等からなり、5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドを形成するものをいう。
ここで、5%熱分解温度を用いるのは、半導体形成時の熱処理の際にかかる温度に対する樹脂層の耐熱性を規定するという理由からである。5%熱分解温度が500℃以上である必要があるのは、半導体形成時の熱処理の際に、樹脂層が分解し、機械強度が低下することを防止するという理由からである。
ポリイミド前駆体は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応することにより得られる。
耐熱性、機械強度の点から、ポリイミド前駆体は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群から選択される少なくとも1種を全テトラカルボン酸二無水物の80mol%以上として、且つ、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、5−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、及び、5−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール6−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾールからなる群から選択される少なくとも1種を全ジアミンの80mol%以上として反応させて得られるポリイミド前駆体であることが好ましい。
他の使用できるテトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独または2種以上を混合しても用いてもよい。
さらに、テトラカルボン酸二無水物としては、本発明の効果を奏する範囲で従来公知の他のテトラカルボン酸二無水物を用いることもできる。
他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノ−フェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、及び、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
他に使用できるジアミンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、1,4−シクロヘキシルジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノ−ナフタレン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルメタン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルスルフォン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルスルフィド、4,4’−ベンゾフェノンジアミン、3,3’−ベンゾフェノンジアミン、4,4’−ジ(4−アミノ−フェノキシ)フェニルスルフォン、4,4’−ビス(4−アミノ−7フェノキシ)ビフェニル、1,4−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノ−フェニル)プロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−フェノキシ)フェニル]プロパン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、4,4’−ジ(3−アミノ−フェノキシ)フェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルスルホン、2,2’−ビス(4−アミノ−フェニル)プロパン、5,5’−メチレン−ビス−(アントラニル酸)、3,5−ジアミノ−安息香酸、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノ−ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル−6,6’−ジスルホン酸等の芳香族ジアミン
2,6−ジアミノ−ピリジン、2,4−ジアミノ−ピリジン、2,4−ジアミノ−s−トリアジン、2,7−ジアミノ−ベンゾフラン、2,7−ジアミノ−カルバゾール、3,7−ジアミノ−フェノチアジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−チアジアゾール、2,4−ジアミノ−6−フェニル−s−トリアジン等の複素環式ジアミン
トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン3,3’−ジアミノ−ビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’−ジアミノ−ビフェニル−4,4’−ジオール、4,3’−ジアミノ−ビフェニル−3,4’−ジオール、4,4’−ジアミノ−ビフェニル−3,3’,5,5’−テトラオール、3,3’−ジアミノ−ビフェニル−4,4’,5,5’−テトラオール、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−2,4−ジヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノ−3,5−ジヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−ベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−ベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−ジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−ジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−アミノ−フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(4−アミノ−フェノキシ)フェニル)エーテル、1,3−ビス(3−(3−アミノ−フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(4−アミノ−フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−(3−アミノ−フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(4−(4−(4−アミノ−フェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、1,3−ビス(3−(3−(3−アミノ−フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−(4−(4−アミノ−フェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノ−フェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(3−アミノ−フェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−フェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノ−フェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−フェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−フェニル)スルフィド、ビス(4−アミノ−フェニル)スルフィド、ビス(3−アミノ−フェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノ−フェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノ−フェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−フェニル)スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノ−フェノキシ)フェニル]ブタン等のジアミン
α,ω−ビス(2−アミノ−エチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノ−プロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノ−ブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノ−フェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノ−プロピル)ポリジフェニルシロキサン等のシリコーンジアミン等
これらのジアミンは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
次に、ポリイミド前駆体の製造方法について述べる。本実施の形態に係るポリイミド前駆体の製造方法は、公知方法を含め、ポリイミド前駆体を製造可能な方法が全て適用できる。中でも、有機溶媒中で反応を行うことが好ましい。
このような反応において用いられる溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、フェノール、クレゾール、安息香酸エチル、及び、安息香酸ブチルが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
この反応における反応原料の濃度としては、通常、2質量%〜80質量%、好ましくは5質量%〜30質量%である。
反応させるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとのモル比としては、0.8〜1.2の範囲内である。この範囲内の場合、分子量を上げることができ、伸度等にも優れる。モル比としては、0.9〜1.1であることが好ましく、0.92〜1.07であることがより好ましい。
ポリイミド前駆体の重量平均分子量は、1000以上1000000以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量とは、既知の数平均分子量のポリスチレンを標準として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される分子量をいう。重量平均分子量は10000以上500000以下がより好ましく、20000以上300000以下が最も好ましい。重量平均分子量が1000以上1000000以下であると樹脂組成物を用いて得られる樹脂層の強伸度が改善され、機械物性に優れる。さらに塗工等の加工の際に所望する膜厚にて滲み無く塗工できる。
ポリイミド前駆体は、以下のような方法で得られる。まず反応原料を室温から80℃で重縮合反応することにより、ポリアミド酸が製造される。
また、ポリイミド前駆体のポリマー主鎖の末端は、モノアミン誘導体又はカルボン酸誘導体からなる末端封止剤で末端封止することも可能である。ポリイミドのポリマー主鎖の末端が封止されることで、末端官能基に由来する貯蔵安定性に優れる。
モノアミン誘導体からなる末端封止剤としては、例えば、アニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,3−キシリジン、2,6−キシリジン、3,4−キシリジン、3,5−キシリジン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、m−ブロモアニリン、p−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、o−アミノ−フェノール、p−アミノ−フェノール、m−アミノ−フェノール,o−アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン,o−フェネチジン、m−フェネチジン、p−フェネチジン、o−アミノ−ベンズアルデヒド、p−アミノ−ベンズアルデヒド、m−アミノ−ベンズアルデヒド、o−アミノ−ベンズニトリル、p−アミノ−ベンズニトリル、m−アミノ−ベンズニトリル,2−アミノ−ビフェニル,3−アミノ−ビフェニル、4−アミノ−ビフェニル、2−アミノ−フェニルフェニルエーテル、3−アミノ−フェニルフェニルエーテル,4−アミノ−フェニルフェニルエーテル、2−アミノ−ベンゾフェノン、3−アミノ−ベンゾフェノン、4−アミノ−ベンゾフェノン、2−アミノ−フェニルフェニルスルフィド、3−アミノ−フェニルフェニルスルフィド、4−アミノ−フェニルフェニルスルフィド、2−アミノ−フェニルフェニルスルホン、3−アミノ−フェニルフェニルスルホン、4−アミノ−フェニルフェニルスルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、1−アミノ−2−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、2−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−2−ナフトール、7−アミノ−2−ナフトール、8−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、1−アミノ−アントラセン、2−アミノ−アントラセン、9−アミノ−アントラセン等の芳香族モノアミンが挙げられる。これらの中でも、アニリンの誘導体を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
カルボン酸誘導体からなる末端封止剤としては、主に無水カルボン酸誘導体が挙げられる。
無水カルボン酸誘導体としては、例えば、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、及び、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物等の芳香族ジカルボン酸無水物が挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸無水物の中でも、無水フタル酸を用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
得られたポリイミド前駆体溶液は、脱溶媒することなく、そのまま用いてもよく、さらに必要な溶剤、添加剤等を配合して本実施の形態に係る樹脂組成物として用いもよい。
(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物
本実施の形態に係るアミノ基を保護したアルコキシシラン化合物は、分子内に少なくとも1個の保護されたアミノ基とアルコキシシラン基を有する化合物である。例えば、アミノ基を有するアルコキシシラン化合物とアミノ基を保護する化合物を反応して得ることができる。
アミノ基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、3−アミノ−プロピルトリメトキシシラン、3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノ−エチル)−3−アミノ−プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノ−エチル)−3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン、3−アミノ−プロピルジエトキシメチルシラン、及び、3−アミノ−プロピルジメチルエトキシシランが挙げられる。
アミノ基を保護する化合物としては、酸無水物、イソシアネート化合物、又は、炭酸エステル誘導体等が挙げられる。保護に使用した化合物の官能基とポリマーの相互作用を良好に発揮させる観点から、使用するポリイミド前駆体と同じ官能基を有する化合物であることが好ましい。特に、高耐熱ポリイミド樹脂に一般的に含まれる官能基である、芳香族基を有する化合物であることが好ましい。
酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、2,3−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4−ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルエーテル無水物、2,3−ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4−ビフェニルジカルボン酸無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルホン無水物、2,3−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、3,4−ジカルボキシフェニルフェニルスルフィド無水物、1,2−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2−アントラセンジカルボン酸無水物、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物、及び、1,9−アントラセンジカルボン酸無水物が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、3−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート、n−オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、m−トリルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、n−プロピルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、エチルイソシアネート、及び、ベンジルイソシアネートが挙げられる。
炭酸エステル誘導体としては、例えば、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸n−ブチル、クロロ炭酸イソブチル、Z−クロリド、クロロ炭酸2−メトキシエチル等のクロロ炭酸エステル化合物、及び、二炭酸ジ−tブチルと言った炭酸エステル二無水物が挙げられる。
このうち二炭酸ジ−tブチルの場合、塩化物を使用しないため、反応後に塩素イオンを除去する等の操作が必要無いため好ましい。またこの場合、得られるt−ブトキシカルボニル基は、200℃程度の熱処理で完全に脱離することから、より低温での熱処理でも優れた接着性を発現することから好ましい。
さらにアミノ基を保護したアルコキシシラン化合物は、この他にイソシアネート基を有するアルコキシシラン化合物とアミノ−化合物を反応させても得ることができる。ここで用いられるイソシアネート基含有ケイ素化合物としては、3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、3−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、3−ジメトキシメチルシリルプロピルイソシアネート等が挙げられ、アミノ−化合物としては、芳香族又は脂肪族モノアミンが挙げられる。
本実施の形態の樹脂組成物に添加されるアミノ基を保護したアルコキシシラン化合物の量は、ポリイミド前駆体100質量部に対し、0.1〜20質量部である。十分な基材との接着性を得る観点から、0.1質量部以上であることが好ましく、良好な機械物性を得る観点から、20質量部以下であることが好ましい。
(c)溶剤
本実施の形態の樹脂組成物は、溶剤に溶解し、ワニス状の樹脂組成物としての形態をとっても良い。ここで用いられる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられ、単独でも混合して用いても良い。この中で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトンが好ましく、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が特に好ましい。
このような溶剤の使用量は、得られる膜厚によって異なり、樹脂100重量部に対し、70〜1900重量部の範囲で用いられる。
次に、本実施の形態の積層体について説明する。本実施の形態の積層体は、上述のワニス状の樹脂組成物を、無機基板上に塗工し、熱処理を施してポリイミド前駆体をポリイミド化してポリイミド樹脂層を形成することにより得られる。
ここで、無機基板としては、デバイス形成工程で位置合わせを行う点から透明であることが好ましく、ガラス基板が特に好ましい。ガラス基板としては、無アルカリガラス基板、ソーダ石灰ガラス基板、石英ガラス基板等が使用されているが、多くの半導体製造工程で無アルカリガラス基板が使用されており、無機基板としては無アルカリガラス基板が好ましい。
また、本実施の形態の積層体を製造する方法は、公知の方法で無機基板の上に本発明の樹脂組成物を展開し、熱処理することで可能となる。
展開方法としては、例えば、スピンコート、スリットコート及びブレードコートの公知の塗工方法が挙げられる。また、熱処理は樹脂組成物を無機基板に展開後に、主として脱溶媒を目的として300℃以下の温度で1分間〜300分間熱処理し、さらに窒素等の不活性雰囲気下で300℃から550℃の温度で1分間〜300分間熱処理しポリイミド前駆体をポリイミド化させる。
本実施の積層体は、本発明の樹脂組成物を熱処理させることにより優れた耐熱性、寸法安定性、無機基板への耐熱接着性を示すので、フレキシブルデバイスのデバイス形成の際の基板として適用できる。特に低温ポリシリコン薄型半導体を形成する際のポリシリコン化に使用される熱エージング工程やエキシマレーザー工程等の不活性雰囲気化における400℃を超える工程、より具体的には、400℃〜500℃においても積層体からポリイミド樹脂層は剥離せず良好にデバイスを形成できる。さらにデバイス形成後にレーザーにて積層体の樹脂接着層を除去する方法や空気下等で熱処理する方法等により積層体から容易にデバイスを形成したポリイミド樹脂層を剥離できる。
本発明の積層体は、ポリイミド樹脂層の厚さが5〜200μmであることが好ましい。特に10から30μmであることが好ましい。5μm以上であれば樹脂層の機械強度に優れ、200μm以下であれば樹脂層の屈曲性、軽量性に優れる。また無機基板の厚さは0.2〜5mmであることが好ましい。
次に、本実施の形態に係る樹脂組成物を、低温ポリシリコンTFT駆動型の有機ELフレキシブルディスプレイの製造に使用した場合について説明する。
図1〜図7は、本実施の形態に係る樹脂組成物を使用したフレキシブルディスプレイの製造工程を示す断面模式図である。
まず、図1Aに示すように、例えば、無アルカリガラス基板からなる第1基板11を用意する。次に、図1Bに示すように、第1基板11の表面上に、上述の本実施の形態の樹脂組成物(ワニス)を塗工し、次いで、熱処理によりポリイミド化して第1ポリイミド樹脂層12を形成する。
次いで、図2に示すように、第1基板11の第1ポリイミド樹脂層12の上部に、第1バリア層101を形成する。
さらに、図2に示すように、第1バリア層101上に、半導体層102、ゲート絶縁膜103、ゲート電極104、層間絶縁膜105、コンタクトホール106、ソース・ドレイン電極107a、107bを順次形成し、薄膜トランジスタ(TFT)108を形成する。
ここで、半導体層102はポリシリコンで形成される。半導体層102は、まず、アモルファスシリコンを形成し、これを結晶化させてポリシリコンに変化させることにより行われる。このような結晶化方法としては、例えば、RTA(Rapid Thermal Annealing)、SPC(Solid Phase Crystallzation)、ELA(Excimer Laser Annealing)、MIC(Metal Induced Crystallization)、MILC(Metal Induced Lateral Crystallization)及びSLS(Sequential Lateral Solidification)が挙げられる。
次いで、TFT108の上部にディスプレイ素子が形成される。図3に示すように、まず、ソース・ドレイン電極107a、107bの上部には、平坦化層109を形成する。次に、TFT108の上部に、有機発光素子(OLED)を形成するために、まず、ソース・ドレイン電極107a、107bの一電極107bにコンタクトホール110を形成して第1電極111と電気的に連結する。第1電極111は、後で有機発光素子に備えられる電極のうち、一電極として機能する。
次いで、図4に示すように、第1電極111上にその少なくとも一部を露出するように絶縁性物質でパターニングされた画素定義膜112を形成する。次いで、第1電極111の露出された部分に発光層を含む中間層113を形成する。この中間層113を中心に、第1電極111に対向する第2電極114を形成する。これにより、有機発光素子(OLED)(図6中210)が得られる。
次いで、上述の有機発光素子を封止する。図5に示す封止部材201を別途に製造し、封止部材201を有機発光素子の上部に結合した後、封止部材201の第2基板202を分離する。
封止部材201は、図5に示すように、例えば無アルカリガラス基板からなる第2基板202の一主面上に、第2ポリイミド樹脂層203を形成し、さらに第2ポリイミド樹脂層203の表面上に、第2バリア層204を形成して得られる。ここで、第2ポリイミド樹脂層203は、本実施の形態の樹脂組成物を用いて形成することができる。次いで、図6に示すように、有機発光素子210の上部に封止部材201を配置した後、これらを貼合する。
最後に、酸素存在下、図6に示す状態で、例えば空気雰囲気下で300℃〜350℃で熱処理を施す。これにより、第1ポリイミド樹脂層12からの第1基板11を剥離すると共に、第2ポリイミド樹脂層203からの第2基板202を剥離することができる。この結果、図7に示すようなフレキシブルディスプレイ100が得られる。
以上説明したフレキシブルディスプレイ100の製造方法において、本実施の形態の樹脂組成物を用いることにより、以下のような効果を奏する。
まず、ポリイミド前駆体をポリイミド化して形成される第1ポリイミド樹脂層12は、5%熱分解温度が500℃以上であるので、フレキシブルディスプレイ100の製造で必要な、例えば400℃を超える熱処理工程に耐え得る。具体的には、上記の半導体層102でのポリシリコン化、等の工程である。
また、アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物は、保護しないアルコキシシラン化合物と比較して高分子量化し、また保護に使用した化合物の官能基とポリマーの相互作用から、樹脂組成物を加熱した際に揮発しにくく、400℃以上でのイミド化・配向の際に有効にポリイミド樹脂層に取り込まれることから無機基板との有効な接着層が厚く保持され、長時間の熱処理の際に良好な耐熱接着性(長期接着性)を発現する。この結果、ポリシリコン層102を形成するときに、アモルファスシリコン層をまず形成し、これを結晶化させるために、上記RTA、SPC、MIC、MIL又はSLS等を採用したときに、第1基板11及び第1ポリイミド樹脂層12からなる積層体の温度が、400℃〜500℃に達し、且つ、ポリシリコン化が完了するまで、6分〜5時間放置される。しかしながら、本実施の形態の樹脂組成物を使用することで、第1ポリイミド樹脂層12は長期接着性に優れているため、ポリシリコン化の最中に第1ポリイミド樹脂層12が第1基板11から剥離する等の不具合が発生するのを抑止できる。
さらに、ポリイミドを形成する際の熱処理にてアルコキシシラン化合物がポリイミド中に導入されるため、例えば、不活性雰囲気下での400℃を超える耐熱接着性(初期接着性)を発現する。これにより、上記フレキシブルディスプレイ100の製造において、外観異常の発生を抑制するという効果がある。
また、酸素存在環境下での熱処理により、酸素ラジカルによるメチレン基切断・揮発の結果、易剥離性を発現する。これにより、第1ポリイミド樹脂層12から第1基板11を容易に剥離することができる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(積層体の作製)
樹脂組成物をバーコーターで無アルカリガラス基板(厚さ1mm)に塗工し、室温で5分間〜10分間レベリングを行い、熱風オーブンにて140℃にて60分間加熱し、さらに窒素雰囲気下で450℃にて60分間加熱し積層体を作製した。積層体の樹脂組成物の膜厚は、20μmとした。
(熱分解温度の評価)
樹脂組成物のうち、ポリイミド前駆体だけで積層体を作製し、積層体からポリイミドを剥離し試料とし、窒素下にて5℃/分の昇温速度で熱重量測定(TGA)を行い、試料が5%減量した温度を5%熱分解温度とした。5%熱分解温度が500℃以上を良(○)とし、500℃未満を不良(×)とした。
(伸度の評価)
樹脂組成物を25℃で96時間放置後に積層体を作製し、積層体を空気下350℃30分加熱し、樹脂層を剥離し測定試料とした。測定はJIS K7113に準じて行った。25℃の伸度が10%以上を良(○)とし、10%未満を不良(×)とした。
(初期接着性と長期接着性の評価)
積層体の樹脂層の初期接着性は、積層体を作製した直後の積層体を測定試料とし、積層体の樹脂層の長期接着性は、積層体を作製した後に窒素雰囲気下で450℃4時間加熱後の積層体を試料として、JIS K5600−5−6(ISO2409)のクロスカット法で評価した。JIS K5600−5−6(ISO2409)の試験結果の分類0から2を良(○)とし、分類3から5を不良(×)とした。
(粘度の保存安定性の評価)
樹脂組成物を作製し、作製直後の粘度をE型粘度計(測定温度23℃)で測定し、25℃で96時間放置後にE型粘度計(測定温度23℃)で測定し、粘度変化が10%以内を良(○)とし、10%を超えた場合を不良(×)とした。
(接着性の保存安定性の評価)
樹脂組成物を作製し、25℃で96時間放置後に積層体を作製し接着性を評価した。JIS K5600−5−6(ISO2409)の試験結果の分類0から2を良(○)とし、分類3から5を不良(×)とした。
[ポリイミド前駆体Aの合成例]
三口セパラブルフラスコに窒素導入管を取り付けた。窒素下、オイルバス32℃で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)492g、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)50gを入れ均一に分散するまで攪拌した。さらに、p−フェニレンジアミン(PDA)18.38g、NMP123gを少しずつ添加した後、オイルバス50℃で、3時間加熱してポリアミド酸Aワニスを得た。重量平均分子量は27万であった。
[ポリイミド前駆体Bの合成例]
三口セパラブルフラスコに窒素導入管を取り付けた。窒素下、オイルバス32℃で、NMP492g、BPDA45g、ピロメリット酸二無水物(PMDA)3.69gを入れ均一に分散するまで攪拌した。さらに、PDA18.38g、NMP123gを少しずつ添加した後、オイルバス50℃で、3時間加熱してポリアミド酸Bワニスを得た。重量平均分子量は4万であった。
[ポリイミド前駆体Cの合成例]
三口セパラブルフラスコに窒素導入管を取り付けた。窒素下、オイルバス32℃で、NMP492g、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)77.83gを入れ均一に分散するまで攪拌した。さらに、PDA18.38g、NMP123gを少しずつ添加した後、オイルバス50℃で、3時間加熱してポリアミド酸Cワニスを得た。重量平均分子量は24万であった。
[ポリイミド前駆体Dの合成例]
三口セパラブルフラスコに窒素導入管を取り付けた。窒素下、オイルバス32℃で、NMP492g、PMDA37.07を入れ均一に分散するまで攪拌した。さらに、4,4’−ジアミノ−ジフェニルエーテル(ODA)44.93g、NMP123gを少しずつ添加した後、オイルバス50℃で、3時間加熱してポリアミド酸Dワニスを得た。重量平均分子量は25万であった。
[ポリイミド前駆体Eの合成例]
三口セパラブルフラスコに窒素導入管を取り付けた。窒素下、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物11.24g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート27.0g、及びγ−ブチロラクトン60mL入れ、氷冷下かき混ぜながらピリジン17.0gを加えた。室温で16時間撹拌した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド41.2gを含むγ−ブチロラクトン40mLの溶液を氷冷下、30分間で加え、続いて4,4’−ビス(4アミノ−フェノキシ)ビフェニル35.0gを70mLのγ−ブチロラクトンに懸濁したものを60分間で加えた。氷冷下、3時間かき混ぜた後、エタノール5mLを加えて、さらに1時間かき混ぜ生じた固形物をろ過により除去した。反応液を10Lの水に滴下し、沈殿したポリマーを濾別した後真空乾燥した。このようにしてポリイミド前駆体Eを得た。
[アルコキシシランAの合成例]
2Lのセパラブルフラスコに、3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン110.7gとNMP845gを入れ、これに室温下でフェニルイソシアネート59.6gとNMP120gを混合させた溶液をゆっくり室温下で滴下した。滴下するに従い、反応液は約40℃まで発熱した。滴下終了後室温で2時間撹拌した後、HPLCにて反応液を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出され、アルコキシシランAワニスを得た。
[アルコキシシランBの合成例]
2Lのセパラブルフラスコに、二炭酸ジ−t−ブチル131.0gとNMP780gを入れ、これに室温下で3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン132.8gとNMP270gを混合させた溶液をゆっくり室温下で滴下した。滴下するに従い、反応液は約40℃まで発熱した。また、反応に伴い、炭酸ガスの発生が確認された。滴下終了後室温で2時間撹拌した後、HPLCにて反応液を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度98%で検出され、アルコキシシランBワニスを得た。
[アルコキシシランCの合成例]
2Lのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物96.63gとNMP780gを入れ、これに室温下で3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン132.8gとNMP270gを混合させた溶液をゆっくり室温下で滴下した。滴下するに従い、反応液は約40℃まで発熱した。また、反応に伴ない、炭酸ガスの発生が確認された。滴下終了後室温で2時間撹拌した後、HPLCにて反応液を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度98%で検出され、アルコキシシランCワニスを得た。
[アルコキシシランDの合成例]
2Lのセパラブルフラスコに、無水フタル酸88.77gとNMP780gを入れ、これに室温下で3−アミノ−プロピルトリエトキシシラン132.8gとNMP270gを混合させた溶液をゆっくり室温下で滴下した。滴下するに従い、反応液は約40℃まで発熱した。また、反応に伴い、炭酸ガスの発生が確認された。滴下終了後室温で2時間撹拌した後、HPLCにて反応液を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度98%で検出され、アルコキシシランDワニスを得た。
[実施例1]
表1に示す組成、つまり、ポリイミド前駆体Aが9.5質量%、アルコキシシランAが0.5質量%、溶剤(NMP)が90質量%になるように樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を用いて積層体を作製し、作製した積層体を評価した。
[実施例2〜実施例6]
実施例1と同様に、表1に示す組成で実施例2〜実施例6の樹脂組成物を調製して積層体を作製し、作製した積層体を評価した。
[比較例1〜比較例3]
実施例1と同様に、表1に示す組成で比較例1〜比較例3の樹脂組成物を調製して積層体を作製し、作製した積層体を評価した。
実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例3の樹脂組成物の組成及び評価結果を下記表1に示す。
Figure 2014009305
表1から分かるように、ポリイミド前駆体A〜ポリイミド前駆体D及びアルコキシシランA〜アルコキシシランDを含む樹脂組成物は、初期接着性、長期接着性、保存安定性が良好となった(実施例1〜実施例6)。これらの結果から、実施例1から実施例6に係る樹脂組成物は、フレキシブルデバイスの基板として、そして積層体はフレキシブルデバイス製造用の基板として好適に利用できることが分かる。
これに対して、3−アミノプロピルトリエトキシシランを含む樹脂組成物は、保存安定性、伸度に劣り、長期接着性も劣る結果となった(比較例2)。またアルコキシシランを添加しない場合、積層体の樹脂層は接着性が低下するため、取り扱いの際に剥離し易い結果となった(比較例1)。また熱分解温度の低いポリイミド前駆体Eを使用した場合、アルコキシシランBを使用しても接着性、伸度、保存安定性が低下した(比較例3)。これらの結果から、比較例1〜比較例3に係る樹脂組成物及び積層体は、フレキシブルデバイスの基板として、そしてフレキシブルデバイス製造用の基板等として十分な性能が得られないことが分かる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
上記の実施の形態では、本実施の形態の樹脂組成物を、フレキシブルディスプレイの基板に用いた例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、太陽電池の基板、フレキシブル配線板、フレキシブルメモリー等、その他のフレキシブルデバイスにも使用することができる。
本発明は、例えば、フレキシブルデバイスの製造に、特に基板として利用することができ、例えば、フレキシブルディスプレイ及び太陽電池の製造に好適に利用することができる。
11 第1基板
12 第1ポリイミド樹脂層
100 フレキシブルディスプレイ
101 第1バリア層
102 半導体層
103 ゲート参加膜
104 ゲート電極
105 層間絶縁膜
106、110 コンタクトホール
107a、107b ソース・ドレイン電極
108 TFT
109 平坦化層
111 第1電極
112 画素定義膜
113 中間層
114 第2電極
201 封止部材
202 第2基板
203 第2ポリイミド樹脂層
204 第2バリア層
210 有機発光素子

Claims (28)

  1. (a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤と、を含むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記ポリイミド前駆体が、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、及び、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群の中から選択される少なくとも1種を全テトラカルボン酸二無水物の80mol%以上として、且つ、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、5−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、及び、5−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール6−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾールからなる群の中から選択される少なくとも1種を全ジアミンの80mol%以上として反応させて得られることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物の量は、前記ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜20質量部であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 無機基板の表面上にポリイミド樹脂層を形成するのに用いられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. フレキシブルデバイスの製造に用いられることを特徴とする請求項4記載の樹脂組成物。
  6. 前記フレキシブルデバイスの製造が、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層からなる積層体が、400℃〜500℃で処理される熱処理工程を含むことを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 前記熱処理工程が6分〜5時間継続して行われることを特徴とする請求項6記載の樹脂組成物。
  8. 前記熱処理工程が不活性雰囲気下で行われることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の樹脂組成物。
  9. 前記フレキシブルデバイスが、ポリシリコン半導体駆動型フレキシブルディスプレイであることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに記載の樹脂組成物。
  10. 前記フレキシブルデバイスの製造が、無機基板上に前記樹脂組成物を塗工する工程と、前記樹脂組成物を熱処理して前記無機基板上にポリイミド樹脂層を形成する工程と、前記ポリイミド樹脂層及び前記無機基板からなる積層体の上側にアモルファスシリコン層を形成し、当該アモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン層を得る工程と、を具備することを特徴とする請求項5から請求項9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. (a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤と、を含む樹脂組成物を無機基板上に展開し、次いで前記ポリイミド前駆体をポリイミド化してポリイミド樹脂層を形成することにより得られることを特徴とする積層体。
  12. 前記ポリイミド前駆体が、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、及び、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群の中から選択される少なくとも1種を全テトラカルボン酸二無水物の80mol%以上として、且つ、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、5−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、及び、5−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール6−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾールからなる群の中から選択される少なくとも1種を全ジアミンの80mol%以上として反応させて得られることを特徴とする請求項11記載の積層体。
  13. 前記アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物の量は、前記ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜20質量部であることを特徴とする請求項11又は請求項12記載の積層体。
  14. フレキシブルデバイスの製造に用いられることを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載の積層体。
  15. 前記フレキシブルデバイスの製造が、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層からなる積層体が、400℃〜500℃で処理される熱処理工程を含むことを特徴とする請求項14記載の積層体。
  16. 前記熱処理工程が、前記積層体の上側にアモルファスシリコン層を形成し、当該アモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン層を得る工程であることを特徴とする請求項15記載の積層体。
  17. 前記熱処理工程が6分〜5時間継続して行われることを特徴とする請求項15又は請求項16記載の積層体。
  18. 前記熱処理工程が不活性雰囲気下で行われることを特徴とする請求項15から請求項17のいずれかに記載の積層体。
  19. 前記フレキシブルデバイスが、ポリシリコン半導体駆動型フレキシブルディスプレイであることを特徴とする請求項14から請求項18のいずれかに記載の積層体。
  20. (a)5%熱分解温度が500℃以上のポリイミドとなるポリイミド前駆体と、(b)アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物と、(c)溶剤と、を含む樹脂組成物を無機基板上に展開する工程と、
    前記樹脂組成物の前記ポリイミド前駆体をポリイミド化してポリイミド樹脂層を形成し、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層を具備する積層体を得る工程と、を具備することを特徴とする積層体の製造方法。
  21. 前記ポリイミド前駆体が、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’−オキシジフタル酸二無水物、及び、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群の中から選択される少なくとも1種を全テトラカルボン酸二無水物の80mol%以上として、且つ、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンジジン、4,4’−(又は3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ジフェニルエーテル、5−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール、及び、5−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾール6−アミノ−2−(m−アミノ−フェニル)ペンゾオキサゾールからなる群の中から選択される少なくとも1種を全ジアミンの80mol%以上として反応させて得られることを特徴とする請求項20記載の積層体の製造方法。
  22. 前記アミノ基を保護したアルコキシシラン化合物の量は、前記ポリイミド前駆体100質量部に対して0.1〜20質量部であることを特徴とする請求項20又は請求項21記載の積層体の製造方法。
  23. 前記積層体は、フレキシブルデバイスの製造に用いられることを特徴とする請求項20から請求項22のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  24. 前記フレキシブルデバイスの製造が、前記無機基板及び前記ポリイミド樹脂層からなる積層体が、400℃〜500℃で処理される熱処理工程を含むことを特徴とする請求項23記載の積層体の製造方法。
  25. 前記熱処理工程が、前記積層体の上側にアモルファスシリコン層を形成し、当該アモルファスシリコン層を結晶化させてポリシリコン層を得る工程であることを特徴とする請求項24記載の積層体の製造方法。
  26. 前記熱処理工程が、6分〜5時間継続して行われることを特徴とする請求項24又は請求項25記載の積層体の製造方法。
  27. 前記熱処理工程が不活性雰囲気下で行われることを特徴とする請求項24から請求項26のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  28. 前記フレキシブルデバイスが、ポリシリコン半導体駆動型フレキシブルディスプレイであることを特徴とする請求項23から請求項27のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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