JP2014009148A - 光ファイバ素線、光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】被覆除去後の光ファイバ裸線の強度及び疲労特性を良好に両立させることができる光ファイバ素線を提供する。
【解決手段】光ファイバ裸線10と、光ファイバ裸線10の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層11と、一次被覆層11の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層12とを備え、一次被覆層11をなす紫外線硬化型樹脂が、当該紫外線硬化型樹脂の骨格に組み込まれない低分子量のシランカップリング剤を0.1質量部〜1.0質量部含み、且つpKb値が6.4〜12であるアミン系物質を0.01質量部〜0.1質量部含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、光信号を伝送する光ファイバ素線、光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブルに関する。
光ファイバケーブルを敷設する際、長距離伝送や、伝送路を分岐するために接続作業が必要となる。光ファイバケーブルに収納される光ファイバとしては、光ファイバテープ心線が一般的に使用されており、光ファイバテープ心線同士を融着することにより接続作業が行われる。
光ファイバテープ心線の接続作業では、被覆除去冶具によりテープ化材及び素線被覆材を剥がして光ファイバ裸線を露出させる。次いで、被覆の残りかすを取り除くため、光ファイバ裸線の表面をクリーニングして、光ファイバ切断冶具により光ファイバ裸線の端面を揃えた後、融着接続器により光ファイバ裸線同士を融着接続して、作業は完了する。この接続作業時に、露出した光ファイバ裸線に傷が付くと、光ファイバ裸線の強度の低下を招く。
これまで、被覆除去後の光ファイバ裸線の強度の低下を防ぐために、被覆除去用の工具や、被覆除去の方法について提案がなされている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
一方、光ファイバの強度劣化に関するパラメータとして疲労特性がある。この疲労特性はケーブル敷設後の破断確率を決める重要な特性であり、より高い疲労特性となることが望ましい。このため、疲労特性を向上させる手法についての提案がなされている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、光ファイバケーブルの接続作業等で光ファイバの被覆を除去し、光ファイバ裸線の表面をクリーニングする過程において、適切な工具や方法を行っても、光ファイバ裸線の強度を低下させてしまうことがあった。
この解決方法として、プライマリ中に樹脂骨格に組み込まれない低分子量のシランカップリング剤を添加することが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。この提案によれば、被覆除去後もガラス表面に有機成分が残るため、ガラス表面が傷つきにくくなり、被覆除去後の光ファイバ裸線の強度の低下を抑えることができる。
また、被覆除去後の光ファイバ裸線の強度に関しては、アミン系物質を添加することにより、光ファイバ裸線の強度をなす石英ガラスとシランカップリング剤の反応(加水分解及び脱水反応)を促進させることで、より良好な特性となることが知られている。
特開平5−181021号公報 特開平6−186434号公報 特開2003−004993号公報 特開2006−215445号公報
しかしながら、光ファイバ裸線の強度をなす石英ガラスとシランカップリング剤の反応を促進させるアミン系物質は疲労特性を低下させるという特徴があり、疲労特性と被覆除去後の光ファイバ裸線の強度は相反する関係となっており、両特性を両立させることが困難という問題があった。
本発明の目的は、被覆除去後の光ファイバ裸線の強度及び疲労特性を良好に両立させることができる光ファイバ素線、光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブルを提供することである。
本発明の一態様によれば、光ファイバ裸線と、光ファイバ裸線の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層と、一次被覆層の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層とを備え、一次被覆層をなす紫外線硬化型樹脂が、その紫外線硬化型樹脂の骨格に組み込まれない低分子量のシランカップリング剤を0.1質量部〜1.0質量部含み、且つpKb値が6.4〜12であるアミン系物質を0.01質量部〜0.1質量部含むことを特徴とする光ファイバ素線が提供される。
本発明の一態様において、低分子量のシランカップリング剤の分子量が、100〜600であっても良い。
本発明の他の一態様によれば、光ファイバ素線を備える光ファイバテープ心線が提供される。
本発明の更に他の一態様によれば、光ファイバ素線を備える光ファイバケーブルが提供される。
本発明によれば、被覆除去後の光ファイバ裸線の強度及び疲労特性を良好に両立させることができる光ファイバ素線、光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブルを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る光ファイバ素線の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施例に係る各サンプルの被覆除去後の光ファイバ裸線の強度と動疲労n値の測定結果を表す表である。 本発明の第2の実施例に係る各サンプルの被覆除去後の光ファイバ裸線の強度と動疲労n値の測定結果を表す表である。 本発明の第3の実施例に係る各サンプルの被覆除去後の光ファイバ裸線の強度と動疲労n値の測定結果を表す表である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施の形態に係る光ファイバ素線は、図1に示すように、光ファイバ裸線10と、光ファイバ裸線10の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層11と、一次被覆層11の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層12とを備える。
本発明の実施の形態に係る光ファイバ素線の外径は例えば250μmである。光ファイバ裸線10は、石英ガラスを主成分とするコア及びクラッドからなり、例えば125μmの外径を有する。
一次被覆層11及び二次被覆層12の材料としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂が使用可能である。
一次被覆層11をなす紫外線硬化型樹脂は、その紫外線硬化型樹脂の骨格に組み込まれない(ラジカル重合基を有さない)低分子量のシランカップリング剤を0.1質量部〜1.0質量部含む。低分子量のシランカップリング剤を0.1質量部〜1.0質量部含むことにより、シランカップリング剤と光ファイバ裸線10をなす石英ガラスとが反応(加水分解及び脱水反応)するため、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去し、露出した光ファイバ裸線10の表面をクリーニングする過程において、光ファイバ裸線10の強度が低下するのを防止することができる。また、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後も時間の経過にともなって、光ファイバ裸線10の表面に残存しているシランカップリング剤と光ファイバ裸線10をなす石英ガラスとの反応が進行して、光ファイバ裸線10の強度の低下が小さくなる。よって、製造してから時間が経過した光ファイバ素線は、製造直後の光ファイバ素線と比較すると、一次被覆層11及び二次被覆層12の除去作業における光ファイバ裸線10の強度の低下が小さい。
このように、光ファイバ素線の一次被覆層11及び二次被覆層12を除去して露出した光ファイバ裸線10の強度の低下を小さくすることにより、光ファイバ素線の接続作業時の作業性向上、光ファイバ素線の再接続作業増加による欠尺の防止、接続部の破断の危険性の低下などを実現することができる。
更に、一次被覆層11をなす紫外線硬化型樹脂に含まれる低分子量のシランカップリング剤の分子量は100〜600であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。一次被覆層11をなす紫外線硬化型樹脂に含まれる低分子量のシランカップリング剤の分子量が上記範囲内であれば、露出した光ファイバ裸線10の表面をクリーニングする過程において、光ファイバ裸線10の強度が低下するのを防止することができる。また、製造してから時間が経過した光ファイバ素線は、製造直後の光ファイバ素線と比較すると、一次被覆層11及び二次被覆層12の除去作業における光ファイバ裸線10の強度の低下が小さい。
このような一次被覆層11をなす紫外線硬化型樹脂に含まれる低分子量のシランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチリシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシ−n−プロピルシランなどが挙げられる。
また、一次被覆層11をなす紫外線硬化型樹脂は、アミン系物質を0.01質量部〜0.1質量部含む。アミン系物質を0.01質量部〜0.1質量部含むことにより、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10において、シランカップリング剤と光ファイバ裸線10をなす石英ガラスとの反応する時間を短縮することができる。具体的には、被覆を除去した後、アミン系物質が含まれない場合には3ヶ月以上であった光ファイバ裸線10の強度の低下を小さくするのに要する時間を、アミン系物資が含まれる場合には1週間程度に短縮することができる。
アミン系物質としては、特に限定されないが、例えば、R−NHで示される1級モノアミン、NH−R−NHで示される1級ジアミン、及びR−NHで示される2級アミン、R−Nで示される3級アミン、ヒンダードアミン系光安定化剤(HALS)などが挙げられる。1級モノアミンは、Rがエチル基やプロピル基等のアルキル基である脂肪族アルキルアミンで、例えばエチルアミン、プロピルアミンであり、Rがベンゼン環等の芳香族アミンではアニリン、アミノベンゾフェノンなどである。1級ジアミンでは、Rがアルキル基である脂肪族アミン、例えばエチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミンなどであり、Rがベンゼン環などよりなる芳香族アミンでは、トルエンジアミン、キシレンジアミン、メタフェニレンジアミンなどである。2級アミンでは、例えばジブチルアミン、ジプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、N−メチルアニリン、N−メチルベンジルアミンなどである。3級アミンとしては、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N,N−ジメチルアニリンなどである。
ここで、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度は、光ファイバ裸線10とシランカップリング剤の反応速度に依存する。光ファイバ裸線10とシランカップリング剤の反応速度は系の酸性度に依存し、ある酸性度の時に反応速度がピークをとる関係である。
一方、光ファイバ裸線10の疲労特性は、光ファイバ裸線10と直接接している一次被覆層11の酸性度に依存し、一次被覆層11の酸性度が大きいほど疲労特性は高くなる傾向がある。
そこで、本発明の実施の形態に係る光ファイバ素線は、光ファイバ素線の一次被覆層11をなす紫外線硬化型樹脂が、その紫外線硬化型樹脂の骨格に組み込まれない低分子量のシランカップリング剤を0.1質量部〜1.0質量部含み、且つ塩基性解離定数の値(pKb値)が6.4〜12であるアミン系物質を0.01質量部〜0.1質量部含むものとする。pKb値は、アミン系物質の塩基性度を表す指標である。なお、pKb値が分かり、分子式が分かれば、酸解離定数の値(pKa値)が算出できる。このpKb値を6.4〜12の範囲に規定することにより、アミン系物質により光ファイバ裸線10とシランカップリング剤の反応を促進させつつ、酸性度を一定の範囲に保つことで良好な疲労特性を得ることができる。よって、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度と疲労特性とを良好に両立させることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に係る光ファイバ素線の製造方法の一例を説明する。
(イ)まず、石英系ガラスを主成分とする光ファイバ母材を、紡糸炉内に軸方向に移動可能に取り付けて、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等の不活性ガス雰囲気中で、その下端部分を約2000℃に高温加熱し、溶融紡糸して、光ファイバ裸線10とする。
(ロ)続いて、光ファイバ裸線10を冷却筒内に送り込むか、または、自然冷却により、光ファイバ裸線10を次工程の一次被覆層11の形成に好適な温度まで急冷する。
(ハ)続いて、冷却された光ファイバ裸線10は、一次被覆層11形成用の第1の被覆層塗布装置において、その外周を覆うように紫外線硬化型樹脂が塗布される。この紫外線硬化型樹脂として、その紫外線硬化型樹脂の骨格に組み込まれない低分子量のシランカップリング剤を0.1質量部〜1.0質量部含み、且つpKb値が6.4〜12であるアミン系物質を0.01質量部〜0.1質量部含むものを使用する。引き続き、この紫外線硬化型樹脂が第1の架橋筒に設けられたUVランプなどからなる架橋灯から照射される紫外線等の光により硬化されて、一次被覆層11が形成される。
(ニ)更に、二次被覆層12形成用の第2の被覆層塗布装置において、一次被覆層11の外周を覆うように紫外線硬化型樹脂が塗布され、引き続き、この紫外線硬化型樹脂が第2の架橋筒に設けられたUVランプなどからなる架橋灯から照射される紫外線等の光により硬化されて、二次被覆層12が形成され、光ファイバ素線となる。
(ホ)更に、この光ファイバ素線は、ターンプーリによって別方向に向きを変えられ、引取機、ダンサーロールを経て、巻取ドラムに巻き取られる。
本発明の実施の形態に係る光ファイバ素線の製造方法によれば、次被覆層11及び二次被覆層を除去した後の光ファイバ裸線10の強度と疲労特性とを、良好に両立させることが可能な光ファイバ素線を実現可能となる。
(第1の実施例)
第1の実施例として、一次被覆層11をなす材料として、骨格に組み込まれない(ラジカル重合基を有さない)シランカップリング剤として、テトラエトキシシラン(TEOS)を0.1質量部含むウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂に、アミン系物質として、pKb値がそれぞれ異なる、ジメチルアミン(pKb値3.3)、サノール(登録商標)LS−775(三共(株)製、pKb値5.5)、アデカスタブ(登録商標)LA−52((株)ADEKA製、pKb値5.8)、アデカスタブ(登録商標)LA−62((株)ADEKA製、pKb値6.4)、サノール(登録商標)LS−765(三共(株)製、pKb値7.0)、サノール(登録商標)LS−770(三共(株)製、pKb値7.5)、サノール(登録商標)LS−440(三共(株)製、pKb値12)、サノール(登録商標)LS−2626(三共(株)製、pKb値14)を、それぞれ0.01質量部添加した。この樹脂を用いて一次被覆層11を形成し、光ファイバ素線を作製した。
なお、光ファイバ素線の疲労特性はアミン系物質だけで決まるものではなく、アミン系物質を含まないベースとなる樹脂の特性にも依存する。よって、ベースの樹脂を固定して調査を行った。ベースの樹脂には、樹脂液状態でのpHが6.8、硬化後のpHが4.0であるものを用いた。pHの測定方法は別途後述する。
作製した光ファイバ素線について、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度と、動疲労n値の測定を行った。
一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度の測定の手順は、被覆除去工具(株式会社フジクラ製のプライマリジャケットストリッパ、型名PS−02)を用いて、光ファイバ素線の中間部の被覆を一部(2cm程度)除去する。エタノールを浸したキムワイプにより、このガラスが剥き出しになった部分を掃除した(拭いた)ものをサンプルとする。このサンプルについて、引張試験機を用いて光ファイバ裸線10の強度の測定を行った。引張試験の方法はIEC60793−1−31に記載されている方法に従い、光ファイバ裸線10のスパンは500mmとし、引張速度は100mm/minにて実施した。試験は各サンプルn=20回実施し、そのF50値を一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度とした。
一方、動疲労n値の測定は2点曲げ法にて行い、IEC60793−1−33に記載されている方法に従った。一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度、動疲労n値はいずれも紡糸後、23℃、湿度50%の環境に1週間放置した後に測定を行った。
これらの測定結果を図2に示す。一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度については、添加したアミン系物質のpKb値が6.4〜12であれば、良好な特性となっているのが分かる。一方、pKb値が14では除去強度が低下しており、pKb値が12を超えて大きくなると除去強度が低くなることが分かる。
また、pKb値が6.4〜12の場合、動疲労n値についても、ベースのみの樹脂と比較して、特性が大きく劣化している傾向は見られないことが分かる。一方、pKb値が3.0〜5.8では動疲労n値がベースのみの樹脂と比較して特性が大きく劣化していることが分かる。
上述した第1の実施例におけるpHの測定は以下の手順により行った。
<使用機器及び試薬>
pH計は堀場製作所製pHメーターD21を使用した。校正液はpH4,7,9を使用し、pH調整液は0.01Nの水酸化カリウム(KOH)又は0.01Nの水酸化ナトリウム(NaOH)と0.01Nの塩酸(HCl)を使用し、純水は超純水を使用した。
<硬化フィルムの作製条件>
サンプルを膜厚200μm、窒素雰囲気下、300mJ/cmで硬化させる。
<母液の調整>
超純水を母液とした。ただし、そのpHが7.00になるまでマグネチックスターラーで攪拌しながら、0.01NのKOH又は0.01NのHClを加える。
<試料の調整>
30mlのスクリュー管に硬化フィルム(あるいは樹脂液)を0.5〜1.0gと硬化フィルム(あるいは樹脂液)の10倍量の母液を加える。その後、80℃で18時間抽出を行う。
<pHの測定>
pH計をpH4,7,9の標準液で校正する。試料にpH計の電極をセットし、pHを読み取る。この操作を3回繰り返し、小数点以下2桁まで同一の値を示せばその値を記録し、次の試料測定に進む。同じ値を示さない場合には、更に3回測定を繰り返す。全ての試料測定が終了した後、上述の操作を3回繰り返し、平均値をその樹脂液のpHとした。
(第2の実施例)
第2の実施例として、アデカスタブ(登録商標)LA−62((株)ADEKA製、pKb値6.4)とサノール(登録商標)LS−440(三共(株)製、pKb値12)をそれぞれ添加し、いずれもラジカル重合性の反応基を有さないシランカップリング剤として、テトラエトキシシランを0.1質量部添加した一次被覆層11でそれぞれ被覆して2本の光ファイバ素線を作製した。
この光ファイバ素線を用いて、アミン系物質の添加量と、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度及び動疲労n値の関係について、第1の実施例と同様に測定を行った。
これらの測定結果を図3に示す。アミン系物質の添加量0.01質量部〜0.1質量部の範囲において、一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度、動疲労n値のいずれも良好な特性となることが確認できる。一方、アミン系物質の添加量が0.005質量部では除去強度が低くなり、アミン系物質の添加量を0.01質量部未満に減らすと除去強度が低下することが分かる。また、アミン系物質の添加量が0.3質量部では動疲労n値が低くなり、アミン系物質の添加量を0.1質量部を超えて増やすと動疲労n値が低下することが分かる。
(第3の実施例)
第3の実施例として、アミン系物質として、アデカスタブ(登録商標)LA−62((株)ADEKA製、pKb値6.4)とサノール(登録商標)LS−440(三共(株)製、pKb値12)を0.01質量部添加した一次被覆層11でそれぞれ被覆して2本の光ファイバ素線を作製した。
この2本の光ファイバ素線を用いて、テトラエトキシシラン(TEOS)の添加量と一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度と、動疲労n値の関係について、第1及び第2の実施例と同様に評価を行った。更に、TEOSの添加量を変えて被覆除去性の評価を行った。TEOSの添加量が多いと被覆除去後のガラスに被覆のカスが多く残る現象が見られる。この被覆のカスは接続作業がやりにくくなるため好ましくない。
これらの評価結果を図4に示す。図4の被覆除去性の評価では、被覆除去時にガラス上に被覆のカスがほとんど残らない場合を「○」、被覆のカスが多く残る場合を「×」とした。図4から、TEOSの添加量0.1〜1質量部の範囲において一次被覆層11及び二次被覆層12を除去した後の光ファイバ裸線10の強度、動疲労n値、被覆除去性のいずれも良好な特性となることが確認できる。一方、TEOSの添加量が0.05質量部では除去強度が低くなり、TEOSの添加量を0.1未満に減らすと除去強度が低下することが分かる。また、TEOSの添加量が3質量部では被覆除去性が悪く、TEOSの添加量が1質量部を超えて増やすとカスが残り易くなることが分かる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、光ファイバ素線の外周に、着色層を設けて、着色素線としてもよい。
また、複数の光ファイバ素線を、等しいピッチにて一列に配列し、これらを被覆材によって一括に被覆してテープ状とした光ファイバテープ心線としてもよい。
更に、光ファイバ素線の外周を、ジェリー、ヤーン等の緩衝材で包囲し、この緩衝材とともに光ファイバ素線を被覆層で一括に被覆して、光ファイバケーブルとしてもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の光ファイバ素線、並びに、これを用いた光ファイバテープ心線及び光ファイバケーブルは、情報通信に用いられ、シングルモードファイバ、分散シフトファイバなど、あらゆる種類の光ファイバにも適用できる。また、本発明の光ファイバ素線、並びに、これを用いた光ファイバ着色心線、光ファイバテープ心線は、光部品としても適用できる。
10…光ファイバ裸線
11…一次被覆層
12…二次被覆層

Claims (4)

  1. 光ファイバ裸線と、
    前記光ファイバ裸線の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層と、
    前記一次被覆層の外周に設けられた紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層
    とを備え、
    前記一次被覆層をなす紫外線硬化型樹脂が、当該紫外線硬化型樹脂の骨格に組み込まれない低分子量のシランカップリング剤を0.1質量部〜1.0質量部含み、且つpKb値が6.4〜12であるアミン系物質を0.01質量部〜0.1質量部含むことを特徴とする光ファイバ素線。
  2. 前記低分子量のシランカップリング剤の分子量が、100〜600であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ素線。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバ素線を備えることを特徴とする光ファイバテープ心線。
  4. 請求項1又は2に記載の光ファイバ素線を備えることを特徴とする光ファイバケーブル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006215445A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Fujikura Ltd 光ファイバ素線、並びに、これを用いた光ファイバテープ心線および光ファイバケーブル
JP2006249264A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Jsr Corp 液状硬化性樹脂組成物

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