JP2014008631A - パターン構造体の製造方法およびパターン形成用基材 - Google Patents

パターン構造体の製造方法およびパターン形成用基材 Download PDF

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Abstract

【課題】微細なパターンを有するパターン構造体を高い精度で製造するための製造方法と、このような製造方法に使用できるパターン形成用基材を提供する。
【解決手段】インプリントモールド用の基材の所望の面に画定したパターン形成領域にハードマスク材料層を形成し、非パターン形成領域にエッチング安定化層を形成する工程と、ハードマスク材料層にレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンを介してハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成する工程と、形成したハードマスクを介して基材をエッチングしてパターン形成領域に凹凸構造を形成する工程と、を備えるようにした。
【選択図】 図6

Description

本発明は、ハードマスクを用いたドライエッチングにより、所望のパターン(線、模様等の図形であり、平坦面も含む)を有するパターン構造体の製造方法と、これに用いるパターン形成用基材に関する。
従来から基材上に配設した感光性レジストをフォトリソグラフィー法でパターニングしてレジストパターン形成し、このレジストパターンをマスクとして基板をエッチングしてパターン構造体を製造する方法が用いられている。しかし、nmオーダーの微細なレジストパターンを形成するためには、感光性レジストの露光に使用するエネルギー線を、例えば、波長200nm以下のエネルギー線とする必要があるが、このような短波長に感光域を有する感光性レジストのドライエッチング耐性が劣るため、nmオーダーの微細な凹凸構造の形成には限界があった。このため、基材の表面にハードマスク用の材料層を配設しておき、この上に形成したレジストパターンをマスクとして材料層をドライエッチングしてハードマスクを形成し、このハードマスクを介して基材をドライエッチングし、ハードマスクと基材のエッチング選択性を利用して微細な凹凸構造を形成することが行われている。
また、近年、微細加工技術としてインプリント方法が用いられている。このインプリント方法は、凹凸構造を主面に備えたモールド(型部材)を用いて、基板上の樹脂層に凹凸構造を等倍転写してパターンを形成する技術である。このようなインプリント方法では、一般に、電子線描画等を用いて作製されたマスターモールドの凹凸構造を転写して作製したインプリントモールド(レプリカモールド)が使用される。
このインプリントモールドは、例えば、基材上に配設した感光性レジストにマスターモールドを押し付け、凹凸構造を転写したレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして基材をドライエッチングすることにより作製される。しかし、nmオーダーの凹凸構造を有するナノインプリントモールドの製造では、上記と同様に、レジストパターンをマスクとしたドライエッチングに限界があり、ハードマスクと基材のエッチング選択性を利用した微細な凹凸構造の形成が必要であった(特許文献1)。
特開2011−207163号公報
しかし、ハードマスクを用いたドライエッチングによる凹凸構造の形成であっても、例えば、石英等の電気絶縁性を具備する基材の主面の内、凹凸構造を形成する領域(パターン領域)にのみレジストパターンを形成してハードマスクを作製する場合、高精度でのパターン構造体の製造が難しいという問題があった。いわゆるメサ構造のモールドを形成するための凸構造部を備えたインプリント用の基材を使用する場合を例にとると、この基材では、パターン形成領域である凸構造部の主面と、その周囲に一段低い状態で位置する基部の主面とにハードマスク材料層が形成される。そして、凸構造部に位置するハードマスク材料層上に液滴として供給された感光性レジストにマスターモールドを押し付けて形成されるレジストパターンは、凸構造部に位置するハードマスク材料層上にのみ形成される。このため、凸構造部の周囲の領域は、ハードマスク材料層が露出した状態となる。この状態でドライエッチングを開始した場合、エッチング開始当初は、基材全体がハードマスク材料層で被覆されているため、反応性原子(ラジカル)が電極側(基材側)に引き寄せられ、エッチングが効率的に進行する。しかし、レジストパターンの開口面積や開口率が小さくなるほどエッチング速度が低下するというマイクロローディング効果により、凸構造部に位置しレジストパターンが形成されているハードマスク材料層のエッチング速度が、基材の基部に位置するハードマスク材料層のエッチング速度よりも小さくなり、凸構造部におけるハードマスク材料層のパターニングが完了する前に、基材の基部に位置するハードマスク材料層が消失することになる。特に、マイクロローディング効果の影響を強く受けるハードマスク材料を使用した場合、この傾向が顕著となる。このように、基材の基部に位置するハードマスク材料層が消失すると基材の導電性が低下し、反応性原子(ラジカル)を効率的に電極側(基材側)に引き寄せることができなくなり、凸構造部におけるハードマスク材料層のエッチング速度が更に低下する。このようなエッチングプロセス中でのエッチング速度の低下により、ハードマスク材料層のパターニング時間の算出が難しくなり、加工の制御性が低下し、特にnmオーダーのパターンの形成部位ではマイクロローディング効果の影響によるエッチング速度の低下が顕著となり、ハードマスクの加工が更に難しくなるという問題が生じる。このような問題を解消するために、エッチング時間を従来の想定され得るエッチング時間よりも長く設定することが考えられるが、凸構造部におけるハードマスク材料層のパターニングが完了する前に、レジストパターンが消失することが懸念される。特に、nmオーダーのパターンを有するレジストパターンは、倒れや滑りを防止するために、厚みが数十nm以下の薄膜であり、エッチング時間が長くなることにより消失が生じ易い。このようなレジストパターンの消失が生じると、ハードマスクの加工精度が大幅に低下し、基材への精度の高い凹凸構造の形成が困難となる。このような問題は、メサ構造の基材に限られるものではなく、平坦面を有する基材の一主面に形成されたハードマスク材料層の一部領域にレジストパターンが形成され、他の領域のハードマスク材料層が露出した状態で行われるドライエッチングでも、同様に発生する問題である。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、微細なパターンを有するパターン構造体を高い精度で製造するための製造方法と、このような製造方法に使用できるパターン形成用基材を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のパターン構造体の製造方法は、基材の電気絶縁性を具備する面にパターン形成領域と非パターン形成領域を画定し、パターン形成領域にハードマスク材料層を形成し、非パターン形成領域にエッチング安定化層を形成する工程と、前記ハードマスク材料層にレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンを介して前記ハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成する工程と、前記ハードマスクを介して前記基材をエッチングして前記パターン形成領域に凹凸構造を形成する工程と、を備え、少なくとも前記ハードマスクの形成が完了するまで前記基材の前記非パターン形成領域が露出しないような厚みで前記エッチング安定化層を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するようにハードマスク材料層を形成した後、前記非パターン形成領域に位置する前記ハードマスク材料層を被覆するように耐エッチング層を形成するものであり、前記非パターン形成領域におけるハードマスク材料層と耐エッチング層との積層をエッチング安定化層とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するように耐エッチング層を形成した後、前記パターン形成領域に位置する前記耐エッチング層を除去し、その後、パターン形成領域および非パターン形成領域を被覆するようにハードマスク材料層を形成するものであり、前記非パターン形成領域における耐エッチング層とハードマスク材料層との積層をエッチング安定化層とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するようにハードマスク材料層を形成した後、前記非パターン形成領域に位置する前記ハードマスク材料層を除去し、その後、前記非パターン形成領域にエッチング安定化層を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するようにエッチング安定化層を形成した後、前記パターン形成領域に位置する前記エッチング安定化層を除去し、その後、前記パターン形成領域にハードマスク材料層を形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層と、前記耐エッチング層とを、同一の金属あるいは金属化合物を含む層として形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層と、前記エッチング安定化層とを、同一の金属あるいは金属化合物を含み、かつ、前記エッチング安定化層が前記ハードマスク材料層よりも厚くなるように形成するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記エッチング安定化層を、前記ハードマスク材料層の材料よりもエッチング耐性の高い材料で形成するような構成とした。
本発明のパターン形成用基材は、電気絶縁性を具備する面を少なくとも1つ有する基材と、前記基材の電気絶縁性を具備する所望の面に画定したパターン形成領域および非パターン形成領域と、前記パターン形成領域を被覆するハードマスク材料層と、前記非パターン形成領域を被覆するエッチング安定化層とを備え、該エッチング安定化層は、前記ハードマスク材料層よりも厚い層、または、前記ハードマスク材料層のエッチングにおける前記エッチング安定化層のエッチング速度が前記ハードマスク材料層のエッチング速度よりも遅い層であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記エッチング安定化層は、少なくとも前記ハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成するまで前記基材の前記非パターン形成領域を被覆した状態が維持できるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記ハードマスク材料層と、前記エッチング安定化層は、同一の金属あるいは金属化合物を含み、前記エッチング安定化層は前記ハードマスク材料層よりも厚いような構成とした。
本発明の他の態様として、前記エッチング安定化層は、前記ハードマスク材料層の材料よりもエッチング耐性の高い材料で構成され、かつ、前記エッチング安定化層は前記ハードマスク材料層よりも薄いような構成とした。
本発明のパターン構造体の製造方法では、非パターン形成領域に位置するエッチング安定化層により、ハードマスク材料層のエッチング速度の変化が抑制され、エッチングが安定するので、ハードマスクパターンを高い精度で形成することができ、これにより、精度の高いパターン構造体の製造が可能となる。
また、本発明のパターン形成用基材は、非パターン形成領域にエッチング安定化層を備えており、これにより、パターン形成領域のハードマスク材料層のみにレジストパターンを形成したエッチングにおいても、ハードマスク材料層のエッチング速度の変化が抑制され、高い精度でハードマスクパターンが形成され、基材への高精度のパターン形成が可能となる。
図1は、本発明のパターン形成用基材の一実施形態を示す概略断面図である。 図2は、本発明のパターン形成用基材の他の実施形態を示す概略断面図である。 図3は、本発明のパターン形成用基材を構成する基材の他の例を示す概略断面図である。 図4は、本発明のパターン形成用基材におけるパターン形成領域と非パターン形成領域の他の画定例を示す図である。 図5は、ハードマスク材料層のエッチング、および、基材のエッチングにおけるエッチング速度を説明するための図である。 図6は、本発明のパターン構造体の製造方法の一実施形態を説明するための工程図である。 図7は、本発明のパターン構造体の製造方法の第1の実施形態を説明するための工程図である。 図8は、本発明のパターン構造体の製造方法の他の実施形態を説明するための工程図である。 図9は、本発明のパターン構造体の製造方法の第2の実施形態を説明するための工程図である。 図10は、本発明のパターン構造体の製造方法の第3の実施形態を説明するための工程図である。 図11は、本発明のパターン構造体の製造方法の第4の実施形態を説明するための工程図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明において、図示される層構造の各層の厚み比率、凹凸構造の形状、寸法等は便宜的に記載したものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
[パターン形成用基材]
図1は、本発明のパターン形成用基材の一実施形態を示す概略断面図である。図1において、パターン形成用基材11は、基部13の一方の主面13aに凸構造部14を備えた、いわゆるメサ構造の基材12を備えている。この基材12は、凸構造部14の主面14aがパターン形成領域Aとして画定され、凸構造部14の周囲に位置する基部13の主面13aが非パターン形成領域Bとして画定されている。さらに、パターン形成領域Aに位置するハードマスク材料層15と、非パターン形成領域B上に位置するエッチング安定化層16とを備えている。このエッチング安定化層16は、ハードマスク材料層15よりも厚い層、または、ハードマスク材料層15のエッチングにおけるエッチング安定化層16のエッチング速度がハードマスク材料層15のエッチング速度よりも遅いような層であり、図示例では、エッチング安定化層16はハードマスク材料層15よりも厚いものである。尚、図示例のメサ構造は、基部13から1段突出した凸構造部14を有するものであるが、2段以上の突出からなる凸構造部を有するメサ構造であってもよい。
また、図2は、本発明のパターン形成用基材の他の実施形態を示す概略断面図である。図2において、パターン形成用基材21は、平板形状の基材22を備え、この基材22の一主面22aの一部にパターン形成領域Aが画定され、パターン形成領域Aの周囲に非パターン形成領域Bが画定されている。さらに、パターン形成領域Aに位置するハードマスク材料層25と、非パターン形成領域B上に位置するエッチング安定化層26と、を備えている。このエッチング安定化層26は、ハードマスク材料層25よりも厚い層、または、ハードマスク材料層25のエッチングにおけるエッチング安定化層26のエッチング速度がハードマスク材料層25のエッチング速度よりも遅いような層であり、図示例では、エッチング安定化層26はハードマスク材料層25よりも厚いものである。
本発明のパターン形成用基材を構成する基材は、電気絶縁性を具備する面を少なくとも1つ有するものであり、パターン形成領域および非パターン形成領域は、このような基材の電気絶縁性を具備する面に画定されている。図1に示される基材12は、電気絶縁性の材料からなっており、したがって、パターン形成領域Aが画定されている凸構造部14の主面14a、および、非パターン形成領域Bが画定されている基部13の主面13aは、電気絶縁性を具備する面である。また、図2に示される基材22も、電気絶縁性の材料からなっており、したがって、パターン形成領域A、および、非パターン形成領域Bが画定されている基材22の一主面22aは、電気絶縁性を具備する面である。このような電気絶縁性を具備した基材12,22としては、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。これらの基材は、光透過性を有しており、パターン形成後の基材に光透過性が要求される場合には好適である。尚、基材が光透過性を具備することが要求されない場合には、パターン形成後の基材に使用目的等に応じて、従来公知の電気絶縁性の材料から適宜選択して使用することができる。
また、基材12として、例えば、図3(A)に示されるように、導電性の基材12aに電気絶縁性の基材12bが積層され、基材12bに基部13と凸構造部14が設けられているもの、図3(B)に示されるように、導電性の材料からなるメサ構造の基材12の表面に電気絶縁層17を備えるもの等であってもよい。一方、基材22として、例えば、図3(C)に示されるように、導電性の基材22aに電気絶縁性の基材22bが積層され、基材22b側にパターン形成領域Aおよび非パターン形成領域Bが画定されているもの等であってもよい。このような電気絶縁性部位と導電性部位とを有する複合基材では、電気絶縁性の材料として、上記のような材料を挙げることができる。また、導電性の材料としては、シリコンやニッケル、チタン、アルミニウム等の金属およびこれらの合金等が挙げられるが、これらは光透過性を具備していないので、パターン形成後の基材に光透過性が要求される場合には、上記のような光透過性を有する電気絶縁性の材料からなる基材が好ましい。
基材12,22に画定されているパターン形成領域Aと非パターン形成領域Bは、図示の実施形態では、パターン形成領域Aの周囲に非パターン形成領域Bが位置しているが、これに限定されるものではない。例えば、図4に示されるように、基材の電気絶縁性を具備する面に複数のパターン形成領域Aを画定し、これらを囲むように非パターン形成領域Bを画定してもよい。
パターン形成領域Aに位置するハードマスク材料層15,25、および、非パターン形成領域B上に位置するエッチング安定化層16,26は、例えば、クロム、タンタル、アルミニウム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等の1種、あるいは、2種以上の組み合わせからなるものであってよい。さらに、エッチング安定化層16,26を構成する材料として、フェノール系、ノボラック系、アクリル系等の一般的な樹脂材料、レジスト材料を挙げることができる。ハードマスク材料層15,25を構成する材料と、エッチング安定化層16,26を構成する材料は、同一、異なるもの、いずれであってもよい。また、エッチング安定化層16,26は、異種材料からなる多層構造であってもよく、その場合、エッチング安定化層16,26を構成する異種材料は、その全てがハードマスク材料層15,25を構成する材料と異なるものでもよく、また、エッチング安定化層16,26を構成する異種材料の中に、ハードマスク材料層15,25を構成する材料と同種のものが含まれてもよい。後者の場合、エッチング安定化層16,26の構成層のうち基材12,22側に位置する構成層は、ハードマスク材料層15,25と同じ材料からなるものとしてもよく、この場合、基材12,22に対するエッチング安定化層16,26の密着性が、基材12,22に対するハードマスク材料層15,25の密着性と同じものとなり、パターン形成時の加工性が向上するので好ましい。
非パターン形成領域B上に位置するエッチング安定化層16,26は、上述のように、パターン形成領域Aに位置するハードマスク材料層15,25よりも厚い層、または、ハードマスク材料層15,25のエッチングにおけるエッチング安定化層16,26のエッチング速度がハードマスク材料層15,25のエッチング速度よりも遅いような層とされる。したがって、例えば、ハードマスク材料層15,25の構成材料がクロムであり、ハードマスク材料層15,25のエッチングがCl2ガスとO2ガスを用いたドライエッチングである場合、エッチング安定化層16,26の構成材料を、クロムよりエッチング耐性が高いタンタルすることができ、この場合、エッチング安定化層16,26をハードマスク材料層15,25よりも厚い層としてもよく、また、エッチング安定化層16,26の厚みをハードマスク材料層15,25の厚み以下としてもよい。
このようなエッチング安定化層16,26の厚みは、少なくともハードマスク材料層15,25をエッチングしてハードマスクを形成するまで、基材12,22の非パターン形成領域Bをエッチング安定化層16,26により被覆できるように設定する。
パターン形成領域Aに位置するハードマスク材料層15,25の厚みは、レジストパターンを介したハードマスク材料層15,25のドライエッチング時のエッチング選択比(ハードマスク材料層のエッチング速度/レジストのエッチング速度)、ハードマスクを介した基材12,22のドライエッチング時のエッチング選択比(基材のエッチング速度/ハードマスク(ハードマスク材料層)のエッチング速度)、レジストパターンの開口面積や開口率によるエッチング速度の相違等を考慮して設定することができ、一概に厚み範囲を設定することはできないが、例えば、1〜1000nm、好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜50nmの範囲で適宜設定することができる。ハードマスク材料層15,25の厚みが1nm未満であると、ピンホール等の欠陥の発生確率が高くなり、特にエッチングによる基材12,22への彫り込みが深くなると、加工に支障をきたすおそれがある。一方、ハードマスク材料層15,25の厚みが1000nmを超えると、レジストパターンを介したハードマスク材料層15,25のエッチングによるハードマスク形成や、基材12,22の加工が困難になる場合がある。すなわち、ハードマスク材料層15,25をエッチング加工するためのレジストパターンの厚みは、レジストのエッチング耐性に左右されるが、ハードマスク材料層15,25の厚みと同程度、あるいは、それ以上となる場合がある。しかし、このような場合、ハードマスク材料層15,25に対する数十nmオーダーの微細なパターンの形成では、レジストパターンのアスペクト比(レジスト厚/凸部幅)が大きくなり、レジストパターンに倒れ、滑り等による欠陥が生じやすくなり、ハードマスク材料層の加工、その後の基材の加工が困難となる。このような問題は、例えば、ナノインプリントモールド製造において、寸法が数十nmオーダー、具体的には50nm以下の微細なパターンを形成する場合において顕著にみられる。
また、非パターン形成領域B上に位置するエッチング安定化層16,26の厚みは、少なくともハードマスク材料層15,25におけるハードマスク形成のためのドライエッチングが完了するまで残存可能となるように設定される。したがって、エッチング安定化層16,26の厚みは、ハードマスク材料層15,25に対するエッチング条件でのエッチング安定化層16,26を構成する材料のエッチング速度、パターン形成領域Aにおけるハードマスク形成に要する時間等を考慮して設定することができ、ハードマスク材料層15,25におけるハードマスク形成のためのドライエッチングが完了した後においても、エッチング安定化層16,26が残存していてもよい。
例えば、図5(A)に示すようなレジストパターン(鎖線で示している)を介したハードマスク材料層15におけるハードマスク形成において、ハードマスク材料層15のエッチング速度がRa、エッチング安定化層16のエッチング速度がRb、厚みdのレジストパターンのエッチング速度がRrであり、図5(B)に示すようなハードマスクを介した基材12のエッチングにおいて、ハードマスク(ハードマスク材料層15)のエッチング速度がRa′、基材12のエッチング速度がRs、基材12へのエッチングの設定深さがDである場合、下記の関係式が成立するように、ハードマスク材料層15の厚みTa、エッチング安定化層16の厚みTbを設定することができる。尚、図5(B)では、ハードマスク材料層15が残存している場合を想像線(二点鎖線)で記載している。
・ Ta/Ra < Tb/Rb
・ Ta/Ra ≦ d/Rr
(ハードマスク形成が完了するまでレジストが残存する条件)
・ Ta/Ra′ ≧ D/Rs
(基材へのパターン形成が完了するまでハードマスクが残存する条件)
また、エッチング安定化層16,26が多層構造である場合、各層について、ハードマスク形成のエッチングにおける当該層のエッチング速度を考慮して、少なくともハードマスク材料層15,25のドライエッチングが完了するまでエッチング安定化層16,26が残存可能となるように、エッチング安定化層16,26の各層の厚みを設定することができる。
上述のような本発明のパターン形成用基材は、非パターン形成領域Bにエッチング安定化層を備えており、これにより、パターン形成領域のハードマスク材料層のみにレジストパターンを形成したエッチングにおいても、ハードマスク材料層のエッチング速度の変化が抑制され、高い精度でハードマスクパターンが形成され、基材への高精度のパターン形成が可能となる。このような本発明のパターン形成用基材は、特にラインやピラー等のパターンの凸部幅が50nm以下であるような微細なパターンの形成により好適に用いることができる。
上述の実施形態は例示であり、本発明のパターン成形用基材はこれらに限定されるものではない。したがって、例えば、基材の形状は、メサ構造、平板形状に限定されるものではない。
[パターン構造体の製造方法]
(第1の実施形態)
図6および図7は、インプリントモールドの製造方法を例として本発明のパターン構造体の製造方法の第1の実施形態を説明するための工程図である。尚、このパターン構造体の製造方法は、上述の本発明のパターン形成用基材の製造の一例を含むものである。
本実施形態では、基材として、インプリントモールド用の基材32を準備する(図6(A))。この例では、基材32は、基部33の一方の主面33aに凸構造部34を備えた、いわゆるメサ構造であり、凸構造部34の主面34aがパターン形成領域Aとして画定され、凸構造部34の周囲に位置する基部33の主面33aが非パターン形成領域Bとして画定されている。尚、図示例のメサ構造は、基部33から1段突出した凸構造部34を有するものであるが、2段以上の突出からなる凸構造部を有するメサ構造であってもよい。
基材32は、少なくとも上記のパターン形成領域Aと非パターン形成領域Bが画定されている面が、電気絶縁性を具備している。このように電気絶縁性を具備する面を備える基材32としては、基材全体が電気絶縁性を具備するものを使用することができ、例えば、インプリントにおいて使用する転写材料(レジスト材料)が光硬化性である場合には、これらを硬化させるための照射光が透過可能な材料を用いて形成することができる。具体的には、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等のガラス類の他、サファイアや窒化ガリウム、更にはポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン等の樹脂、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、インプリントにおいて使用する転写材料が光硬化性ではない場合や、転写材料側から転写材料を硬化させるための光を照射可能である場合には、基材32は転写材料を硬化させるための光が透過可能な材料でなくてもよく、上記の材料以外に、従来公知の電気絶縁性の材料、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料等を用いることができる。また、上述の本発明のパターン形成用基材の例として図3(A)、図3(B)に挙げたように、パターン形成領域Aと非パターン形成領域Bを画定する面が電気絶縁性を具備するような基材も使用することができる。
次に、基材32のパターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aと、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに、ハードマスク材料層35を形成する(図6(B))。次いで、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34a上に形成されたハードマスク材料層35を被覆するように保護膜38を形成し(図6(C))、この保護膜38上と、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに形成されたハードマスク材料層35上に、耐エッチング層37を形成し、その後、保護膜38を除去するとともに、この保護層38上に位置する耐エッチング層37をリフトオフする(図6(D))。これにより、基材32のパターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aにはハードマスク材料層35が位置する。また、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aにはハードマスク材料層35と耐エッチング層37との積層であるエッチング安定化層36が位置することになる。上記の工程から明らかなように、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに位置するハードマスク材料層35の厚みよりも、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置するハードマスク材料層35と耐エッチング層37との積層であるエッチング安定化層36の厚みが大きいものとなる。これにより、本発明のパターン形成用基材であるパターン形成用基材31が得られる。
ハードマスク材料層35、耐エッチング層37の形成は、基材32とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な金属、金属化合物を用いて、スパッタリング法等の真空成膜法により行うことができる。また、耐エッチング層37の形成は、ハードマスク材料層35に対するエッチングにおいて、エッチング安定化層36による非パターン形成領域Bの被覆が維持されるような金属、金属化合物を含有した樹脂組成物を用いて、スピンコート法等の塗布方法により行うこともできる。さらに、耐エッチング層37の形成は、ハードマスク材料層35に対するエッチングにおいて、エッチング安定化層36による非パターン形成領域Bの被覆が維持されるような樹脂組成物を用いて、スピンコート法等の塗布方法により行うことができる。
上記の金属、金属化合物としては、例えば、クロム、タンタル、アルミニウム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等を挙げることができる。
ハードマスク材料層35と耐エッチング層37は、同一の金属あるいは金属化合物を含む材料からなるものであってよく、この場合、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置するハードマスク材料層35と耐エッチング層37との積層であるエッチング安定化層36は、実質的に単層のエッチング安定化層36となる。
また、ハードマスク材料層35と耐エッチング層37を異種材料で形成して、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置するエッチング安定化層36を2層構造としてもよい。さらに、異種材料を用いて耐エッチング層37の形成を複数回行い、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置するエッチング安定化層36を3層以上の構造としてもよい。このような場合であっても、基材32に固着するのは、共通のハードマスク材料層35であるため、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aと、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aとにおいて、同等の密着性が担保される。これにより、耐エッチング層37の材料選択では、基材32との密着性を考慮する必要がなく、したがって選択の自由度は高いものとなる。
上記のようなハードマスク材料層35の厚みは、後述するレジストパターンを介したハードマスク材料層35のドライエッチング時のエッチング選択比(ハードマスク材料層35のエッチング速度/レジストのエッチング速度)、後述するハードマスクを介した基材32のドライエッチング時のエッチング選択比(基材のエッチング速度/ハードマスク(ハードマスク材料層35)のエッチング速度)、レジストパターンの開口面積や開口率によるエッチング速度の相違等を考慮して設定することができ、一概に厚み範囲を設定することはできないが、例えば、1〜1000nm、好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜50nmの範囲で適宜設定することができる。ハードマスク材料層35の厚みが1nm未満であると、ピンホール等の欠陥の発生確率が高くなり、特に後工程で形成するハードマスクを用いた基材32への彫り込みが深くなると、加工に支障をきたすおそれがある。一方、ハードマスク材料層35の厚みが1000nmを超えると、後工程におけるレジストパターンを介したハードマスク材料層35のエッチングによるハードマスク形成や、基材32の加工が困難になる場合がある。すなわち、ハードマスク材料層35をエッチング加工するためのレジストパターンの厚みは、レジストのエッチング耐性に左右されるが、ハードマスク材料層35の厚みと同程度、あるいは、それ以上となる場合がある。しかし、このような場合、ハードマスク材料層35に対する数十nmオーダーの微細なパターンの形成では、レジストパターンのアスペクト比(レジスト厚/凸部幅)が大きくなり、レジストパターンに倒れ、滑り等による欠陥が生じやすくなり、ハードマスク材料層の加工、その後の基材の加工が困難となる。このような問題は、寸法が数十nmオーダー、具体的には50nm以下の微細なパターンを形成する場合において顕著にみられる。
また、耐エッチング層37の厚みは、後述する工程において、少なくともレジストパターンを介したハードマスク材料層35のエッチングによりハードマスクが形成されるまで、非パターン形成領域である基部33に位置するエッチング安定化層36が消失することなく存在するように設定される。したがって、ハードマスク材料層35におけるハードマスク形成のためのドライエッチングが完了した際に、エッチング安定化層36が残存してもよい。このような耐エッチング層37の厚みは、後述するハードマスク材料層35のドライエッチング条件における耐エッチング層37のエッチング速度およびハードマスク材料層35のエッチング速度、パターン形成領域Aにおけるハードマスク形成に要する時間等を考慮して適宜設定することができる。例えば、数nm〜数十nmの微細な凹凸構造を有するパターン構造体を作製する場合、ハードマスク材料層35をクロムで形成し、その厚みを1〜10nmの範囲内で設定したときに、耐エッチング層37をクロムで形成し、厚みを10〜100nmの範囲内で設定することができる。
上記の保護膜38は、例えば、ネガ型あるいはポジ型の感光性レジスト等の材料を用いて、スピンコート、インクジェット等により塗膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法等によりパターニングして形成することができるが、特に限定されるものではない。このような保護膜38の厚みは、保護膜38の剥離除去とともに、保護層38上に位置する耐エッチング層37をリフトオフすることが可能なように適宜設定することができる。
次いで、パターン形成領域Aである凸構造部34に位置するハードマスク材料層35にレジストパターン39を形成する(図7(A))。このレジストパターン39の形成は、例えば、マスターモールドを用いて行うことができる。この場合、凸構造部34の主面34aに光硬化性、熱硬化性、あるいは、熱可塑性のレジスト材料の液滴をインクジェット法等により滴下し、凸構造部34の主面34aにマスターモールドを近接させて液滴を展開してレジスト層を形成し、このレジスト層を硬化させた後にマスターモールドを引き離すことにより、レジストパターン39が得られる。また、レジストパターン39は、凸構造部34の主面34aに感光性レジスト材料の液滴をインクジェット法等によりを滴下し、感光性レジスト材料に対する離型性を有する平坦化部材を接触させて液滴を展開してレジスト層を形成し、平坦化部材を離間させた後、レジスト層に電子線描画装置、レーザ描画装置、ステッパー、スキャナー等の装置を用いて電子線等を照射し、所望のパターン潜像を形成し、その後、レジスト層を現像することにより形成することもできる。尚、レジスト材料の供給は、上記のインクジェット法に限られるものではないが、インクジェット法では、滴下量等を調整することでレジストパターン39の薄膜化が可能であること、凸構造部34上に選択的にレジスト材料を配設することが可能であることから、微細加工性や省液性の観点から好ましい方法といえる。
このようなレジストパターン39の厚みは、後工程におけるハードマスク材料層35のエッチング条件、ハードマスク材料層35の厚み、レジストのエッチング耐性を考慮して設定することができ、一概に厚み範囲を設定することはできないが、例えば、1〜1000nm、好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜50nmの範囲で適宜設定することができる。レジストパターン39の厚みが1nm未満であると、レジストパターン39を介したハードマスク材料層35のドライエッチングにおいて、エッチングが完了する前にレジストパターン39が消失するおそれがある。一方、レジストパターン39の厚みが1000nmを超えると、例えば、数十nmオーダーの微細なパターンの形成では、レジストパターンのアスペクト比(レジスト厚/凸部幅)が大きくなり、レジストパターンに倒れ、滑り等による欠陥が生じやすくなる。このため、レジストパターン39の厚みは、レジストパターンのアスペクト比を考慮して設定してもよく、例えば、アスペクト比が0.5〜2の範囲となるようにレジストパターンの厚みを設定してもよい。アスペクト比が0.5未満であると、上述のようにレジストパターンの消失のおそれがあり、一方、アスペクト比が2を超えると、レジストパターンに倒れ、滑り等による欠陥が生じやすくなる。
次に、レジストパターン39を介してハードマスク材料層35をドライエッチングして、ハードマスク35Aを形成する(図7(B))。このドライエッチングでは、レジストパターン39が、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに位置するハードマスク材料層35上にのみ設けられているので、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置するエッチング安定化層36は、全域が同様のドライエッチングを受けることになる。しかし、ハードマスク材料層35と耐エッチング層37との積層であるエッチング安定化層36は、少なくともハードマスク35Aの形成が完了するまで残存して非パターン形成領域Bを被覆する。
次に、ハードマスク35Aを介して基材32をドライエッチングし、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに凹凸構造2を形成し、その後、ハードマスク35Aを剥離除去して、インプリントモールド1を得る(図7(C))。この基材32のドライエッチングでは、エッチング選択比(基材32のエッチング速度/ハードマスク35Aのエッチング速度)を考慮して、例えば、フッ素系ガス、塩素系ガス等を使用することができる。
このような本発明のパターン構造体の製造方法では、非パターン形成領域Bに位置するエッチング安定化層36により、ハードマスク材料層35のエッチング速度の変化が抑制され、エッチングが安定するので、ハードマスクを高い精度で形成することができ、これにより、精度の高いパターン構造体の製造が可能となる。
上述のパターン構造体の製造方法の実施形態は例示であり、例えば、基材として平板形状の基材を使用することもできる。図8は、このような基材を使用したパターン構造体の製造方法の実施形態を説明するための工程図である。この実施形態では、平板形状の基材42は、その一主面42aの中央部がパターン形成領域Aとして画定され、周囲の領域が非パターン形成領域Bとして画定されている。そして、パターン形成領域Aと非パターン形成領域Bが画定されている基材42の主面42aに、ハードマスク材料層45を形成し、次いで、パターン形成領域A上に形成されたハードマスク材料層45を被覆するように保護膜48を形成する(図8(A))。
基材42は、少なくともパターン形成領域Aと非パターン形成領域Bが画定されている主面42aが電気絶縁性を具備するものであり、例えば、基材42が電気絶縁性の材料からなるものを使用することができ、また、上述の本発明のパターン形成用基材の例として図3(C)に挙げたような構成の基材も使用することができる。また、基材42がインプリントモールドとして使用される場合には、上述の実施形態における基材32と同様の材料からなる基材を使用することができる。
また、ハードマスク材料層45の形成、保護膜48の形成は、上述の実施形態におけるハードマスク材料層35の形成、保護膜38の形成と同様とすることができる。
次に、保護膜48上と、非パターン形成領域Bに位置するハードマスク材料層45上に、耐エッチング層47を形成し、その後、保護膜48を除去するとともに、この保護層48上に位置する耐エッチング層47をリフトオフすることにより(図8(B))、基材42のパターン形成領域Aにはハードマスク材料層45が位置する。また、非パターン形成領域Bにはハードマスク材料層45と耐エッチング層47との積層であるエッチング安定化層46が位置し、これは、パターン形成領域Aに位置するハードマスク材料層45よりも厚いものとなる。これにより、本発明のパターン形成用基材であるパターン形成用基材41が得られる。尚、耐エッチング層47の形成は、上述の実施形態における耐エッチング層37の形成と同様とすることができる。
次いで、パターン形成領域Aに位置するハードマスク材料層45にレジストパターン49を形成し(図8(C))、このレジストパターン49を介してハードマスク材料層45をドライエッチングして、パターン形成領域Aにハードマスク45Aを形成する(図8(D))。レジストパターン49の形成、および、ハードマスク45Aの形成は、上述の実施形態におけるレジストパターン39の形成、ハードマスク35Aの形成と同様とすることができる。
次に、ハードマスク45Aを介して基材42をドライエッチングし、パターン形成領域Aに凹凸構造2′を形成し、その後、ハードマスク45Aを剥離除去して、パターン構造体1′を得る(図8(E))。
(第2の実施形態)
図9は、インプリントモールドの製造方法を例として本発明のパターン構造体の製造方法の第2の実施形態を説明するための工程図である。尚、このパターン構造体の製造方法も、上述の本発明のパターン形成用基材の製造の一例を含むものである。
本実施形態では、まず、基材32のパターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aと、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに、耐エッチング層57を形成する(図9(A))。使用する基材32は、上述の第1の実施形態で使用したインプリントモールド用の基材32と同様であり、同じ部材番号を使用するとともに、ここでの基材32の説明は省略する。
耐エッチング層57の形成は、上述の第1の実施形態における耐エッチング層37と同様とすることができ、基材32とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な金属、金属化合物を用いて、スパッタリング法等の真空成膜法により行うことができる。また、耐エッチング層57の形成は、後工程で形成されるハードマスク材料層55に対するエッチングにおいて、後工程で形成されるエッチング安定化層56による非パターン形成領域Bの被覆が維持されるような金属、金属化合物を含有した樹脂組成物を用いて、スピンコート法等の塗布方法により行うこともできる。さらに、耐エッチング層57の形成は、ハードマスク材料層55に対するエッチングにおいて、エッチング安定化層56による非パターン形成領域Bの被覆が維持されるような樹脂組成物を用いて、スピンコート法等の塗布方法により行うことができる。
次いで、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに形成された耐エッチング層57を被覆するようにレジストパターン58を形成する(図9(B))。レジストパターン58は、例えば、ネガ型あるいはポジ型の感光性レジスト等の材料を用いて、スピンコート、インクジェット等により塗膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法等によりパターニングして形成することができるが、特に限定されるものではない。
次に、レジストパターン58をマスクとして、凸構造部34の主面34a上に形成された耐エッチング層57をエッチングにより除去し、主面34aを露出させ、その後、レジストパターン58を剥離除去する(図9(C))。
次いで、基材32のパターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aと、非パターン形成領域Bに形成されている耐エッチング層57上とに、ハードマスク材料層55を形成する(図9(D))。ハードマスク材料層55の形成は、上述の第1の実施形態におけるハードマスク材料層35と同様とすることができ、基材32とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な金属、金属化合物を用いて、スパッタリング法等の真空成膜法により行うことができる。
これにより、基材32のパターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aにはハードマスク材料層55が位置する。また、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aには耐エッチング層57とハードマスク材料層55との積層であるエッチング安定化層56が位置することになる。上記の工程から明らかなように、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに位置するハードマスク材料層55の厚みよりも、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置する耐エッチング層57とハードマスク材料層55との積層であるエッチング安定化層56の厚みが大きいものとなる。これにより、本発明のパターン形成用基材であるパターン形成用基材51が得られる。
耐エッチング層57とハードマスク材料層55は、同一の金属あるいは金属化合物を含む材料からなるものであってよい。この場合、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置する耐エッチング層57とハードマスク材料層55との積層であるエッチング安定化層56は、実質的に単層のエッチング安定化層56となる。
また、耐エッチング層57とハードマスク材料層55を異種材料で形成して、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置するエッチング安定化層56を2層構造としてもよい。さらに、異種材料を用いて耐エッチング層57の形成を複数回行い、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに位置するエッチング安定化層56を3層以上の構造としてもよい。
また、ハードマスク材料層55の厚みは、上述の第1の実施形態におけるハードマスク材料層35と同様に、レジストパターンを介したハードマスク材料層55のドライエッチング時のエッチング選択比(ハードマスク材料層55のエッチング速度/レジストのエッチング速度)、ハードマスクを介した基材32のドライエッチング時のエッチング選択比(基材のエッチング速度/ハードマスク(ハードマスク材料層55)のエッチング速度)、レジストパターンの開口面積や開口率によるエッチング速度の相違等を考慮して設定することができる。
また、耐エッチング層57の厚みは、上述の第1の実施形態における耐エッチング層37と同様に、少なくともレジストパターンを介したハードマスク材料層55のエッチングによりハードマスクが形成されるまで、非パターン形成領域である基部33に位置するエッチング安定化層56が消失することなく存在するように設定される。したがって、ハードマスク材料層55におけるハードマスク形成のためのドライエッチングが完了した際に、エッチング安定化層56が残存してもよい。このような耐エッチング層57の厚み設定では、ハードマスク材料層55のドライエッチング条件における耐エッチング層57のエッチング速度およびハードマスク材料層55のエッチング速度、ハードマスク形成に要する時間等を考慮して適宜設定することができる。例えば、数nm〜数十nmの微細な凹凸構造を有するパターン構造体を作製する場合、耐エッチング層57をクロムで形成し、厚みを10〜100nmの範囲内で設定したときに、ハードマスク材料層55もクロムで形成し、その厚みを1〜10nmの範囲内で設定することができる。
次いで、パターン形成領域Aである凸構造部34に位置するハードマスク材料層55にレジストパターン59を形成する(図9(E))。このレジストパターン59は、上述の第1の実施形態におけるレジストパターン39と同様に形成することができる。
次に、上述の第1の実施形態と同様(図7(B)、図7(C)参照)に、レジストパターン59を介してハードマスク材料層55をドライエッチングしてハードマスクを形成し、このハードマスクを介して基材32をドライエッチングし、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに凹凸構造2を形成して、インプリントモールド1を得ることができる。
尚、このパターン構造体の製造方法の実施形態においても、基材として平板形状の基材を使用することができる。
このような本発明のパターン構造体の製造方法では、非パターン形成領域Bに位置するエッチング安定化層56により、ハードマスク材料層55のエッチング速度の変化が抑制され、エッチングが安定するので、ハードマスクを高い精度で形成することができ、これにより、精度の高いパターン構造体の製造が可能となる。
(第3の実施形態)
図10は、インプリントモールドの製造方法を例として本発明のパターン構造体の製造方法の第3の実施形態を説明するための工程図である。尚、このパターン構造体の製造方法も、上述の本発明のパターン形成用基材の製造の一例を含むものである。
本実施形態では、まず、基材32のパターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aと、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに、ハードマスク材料層65を形成する(図10(A))。使用する基材32は、上述の第1の実施形態で使用したインプリントモールド用の基材32と同様であり、同じ部材番号を使用するとともに、ここでの基材32の説明は省略する。
ハードマスク材料層65の形成は、上述の第1の実施形態におけるハードマスク材料層35の形成と同様とすることができ、基材32とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な金属、金属化合物を用いて、スパッタリング法等の真空成膜法により行うことができる。
次いで、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに形成されたハードマスク材料層65を被覆するようにレジストパターン68を形成し、このレジストパターン68をマスクとして、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに形成されたハードマスク材料層65をエッチングにより除去し、主面33aを露出させる(図10(B))。レジストパターン68は、例えば、ネガ型あるいはポジ型の感光性レジスト等の材料を用いて、スピンコート、インクジェット等により塗膜を形成し、これをフォトリソグラフィー法等によりパターニングして形成することができるが、特に限定されるものではない。
次に、レジストパターン68上と、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに、エッチング安定化層66を形成する(図10(C))。その後、レジストパターン68を除去するとともに、このレジストパターン68上に位置するエッチング安定化層66をリフトオフして、非パターン形成領域Bである基部33の主面33a上に選択的にエッチング安定化層66を形成する(図10(D))。これにより、本発明のパターン形成用基材であるパターン形成用基材61が得られる。
エッチング安定化層66の形成は、ハードマスク材料層65に対するエッチングにおいて、エッチング安定化層66による非パターン形成領域Bの被覆が維持されるような金属、金属化合物を含有した樹脂組成物を用いて、スピンコート法等の塗布方法により行うこともできる。さらに、エッチング安定化層66の形成は、ハードマスク材料層65に対するエッチングにおいて、エッチング安定化層66による非パターン形成領域Bの被覆が維持されるような樹脂組成物を用いて、スピンコート法等の塗布方法により行うことができる。
上記の金属、金属化合物としては、例えば、クロム、タンタル、アルミニウム、モリブデン、チタン、ジルコニウム、タングステン等の金属、これらの金属の合金、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、窒化クロム、窒化チタン等の金属窒化物、ガリウム砒素等の金属間化合物等を挙げることができる。
ハードマスク材料層65とエッチング安定化層66は、同一の金属あるいは金属化合物を含む材料からなるものであってよく、この場合、エッチング安定化層66は、ハードマスク材料層65よりも厚くなるように形成する。また、エッチング安定化層66を、ハードマスク材料層65の材料よりもエッチング耐性の高い材料で形成してもよく、この場合、エッチング安定化層66は、ハードマスク材料層65よりも薄く形成することができる。いずれの場合においても、ハードマスクの形成が完了するまで基材32の非パターン形成領域Bが露出しないような厚みでエッチング安定化層66を形成する。例えば、数nm〜数十nmの微細な凹凸構造を有するパターン構造体を作製する場合、ハードマスク材料層65をクロムで形成し、その厚みを1〜10nmの範囲内で設定したときに、エッチング安定化層66もクロムで形成し、厚みを10〜100nmの範囲内で設定することができる。また、ハードマスク材料層65をクロムで形成し、その厚みを1〜10nmの範囲内で設定したときに、エッチング安定化層66をクロムよりエッチング耐性の高いタンタルで形成し、厚みを1〜5nmの範囲内で設定することができる。
次いで、パターン形成領域Aである凸構造部34に位置するハードマスク材料層65にレジストパターン69を形成する(図10(E))。このレジストパターン69は、上述の第1の実施形態におけるレジストパターン39と同様に形成することができる。
次に、上述の第1の実施形態と同様(図7(B)、図7(C)参照)に、レジストパターン69を介してハードマスク材料層65をドライエッチングしてハードマスクを形成し、このハードマスクを介して基材32をドライエッチングし、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに凹凸構造2を形成して、インプリントモールド1を得ることができる。
尚、このパターン構造体の製造方法の実施形態においても、基材として平板形状の基材を使用することができる。
このような本発明のパターン構造体の製造方法では、非パターン形成領域Bに位置するエッチング安定化層66により、ハードマスク材料層65のエッチング速度の変化が抑制され、エッチングが安定するので、ハードマスクを高い精度で形成することができ、これにより、精度の高いパターン構造体の製造が可能となる。
(第4の実施形態)
図11は、インプリントモールドの製造方法を例として本発明のパターン構造体の製造方法の第4の実施形態を説明するための工程図である。尚、このパターン構造体の製造方法も、上述の本発明のパターン形成用基材の製造の一例を含むものである。
本実施形態では、まず、基材32のパターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aと、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに、エッチング安定化層76を形成する(図11(A))。使用する基材32は、上述の第1の実施形態で使用したインプリントモールド用の基材32と同様であり、同じ部材番号を使用するとともに、ここでの基材32の説明は省略する。
エッチング安定化層76の形成は、上述の第3の実施形態におけるエッチング安定化層66の形成と同様とすることができる。
次いで、非パターン形成領域Bである基部33の主面33aに形成されたエッチング安定化層76を被覆するようにレジストパターン78を形成し、このレジストパターン78をマスクとして、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに形成されたエッチング安定化層76をエッチングにより除去し、主面34aを露出させる(図11(B))。レジストパターン78は、上述の第3の実施形態におけるレジストパターン68と同様に形成することができる。
次に、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34a上と、レジストパターン78上に、ハードマスク材料層75を形成する(図11(C))。その後、レジストパターン78を除去するとともに、このレジストパターン78上に位置するハードマスク材料層75をリフトオフして、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34a上に選択的にハードマスク材料層75を形成する(図11(D))。これにより、本発明のパターン形成用基材であるパターン形成用基材71が得られる。
ハードマスク材料層75の形成は、上述の第1の実施形態におけるハードマスク材料層35の形成と同様とすることができ、基材32とのエッチング選択性を利用したドライエッチングが可能な金属、金属化合物を用いて、スパッタリング法等の真空成膜法により行うことができる。
次いで、パターン形成領域Aである凸構造部34に位置するハードマスク材料層75にレジストパターン79を形成する(図11(E))。このレジストパターン79は、上述の第1の実施形態におけるレジストパターン39と同様に形成することができる。
次に、上述の第1の実施形態と同様(図7(B)、図7(C)参照)に、レジストパターン79を介してハードマスク材料層75をドライエッチングしてハードマスクを形成し、このハードマスクを介して基材32をドライエッチングし、パターン形成領域Aである凸構造部34の主面34aに凹凸構造2を形成して、インプリントモールド1を得ることができる。
尚、このパターン構造体の製造方法の実施形態においても、基材として平板形状の基材を使用することができる。
このような本発明のパターン構造体の製造方法では、非パターン形成領域Bに位置するエッチング安定化層76により、ハードマスク材料層75のエッチング速度の変化が抑制され、エッチングが安定するので、ハードマスクを高い精度で形成することができ、これにより、精度の高いパターン構造体の製造が可能となる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
平板形状の基材として、石英ガラス基板(直径6インチ、厚み0.25インチ)を準備し、この基材の一主面の中央に、直径10mmの円形のパターン形成領域を画定し、その周囲を非パターン領域として画定した。
次に、この基材の上記の主面上にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚みTaが約10nm)を成膜してハードマスク材料層とした。次に、このハードマスク材料層上にレジスト材料の塗膜を設け、フォトリソグラフィー法によりパターニングして、パターン形成領域をレジスト(保護層)で被覆し、非パターン形成領域のハードマスク材料層を露出させた状態とした。
次いで、この保護膜上と、非パターン形成領域に位置するハードマスク材料層上に、スパッタリング法によりクロム(厚み約100nm)を成膜して耐エッチング層を形成した。その後、保護膜を剥離するとともに、保護膜上の耐エッチング層をリフトオフした。これにより、パターン形成領域にはクロム薄膜からなるハードマスク材料層(厚みTaが約10nm)を備え、非パターン形成領域にはハードマスク材料層と耐エッチング層の積層であるクロム厚膜からなるエッチング判定化層(厚みTbが約110nm)を備えた、図2、図8(B)に示されるようなパターン形成用基材を得た。
次に、このパターン形成用基材のハードマスク材料層上に、スピンコート法により、電子線感応ネガ型レジスト(住友化学(株)製 NEB)を塗布(塗布厚み50nm)した。この塗膜を電子線露光、現像して、パターン形成領域内のハードマスク材料層上に、パターンの開口形状がライン&スペースであり、パターン幅が100〜400nmの範囲であるレジストパターン(厚みdが約50nm)、および、レジストのエッチングレート計測用のレジストパターンを形成した。尚、このように形成したレジストパターンは、走査型電子顕微鏡で観察し、寸法を計測した。
次いで、下記の条件でレジストパターンを介してクロム薄膜からなるハードマスク材料層(厚みTaが約10nm)をエッチングしてハードマスクを形成した。
(クロムのドライエッチング条件)
・Cl2ガス流量 : 150sccm
・O2ガス流量 : 50sccm
・ICPパワー : 400W
・RIEパワー : 100W
・圧力 : 1.0Pa
尚、このドライエッチング条件でのクロムのエッチング速度(Ra=Rb)は38.6nm/分であり、レジストのエッチング速度(Rr)は34.2nm/分であった。したがって、下記の関係式が成立することが確認された。(上記の層厚みTa,Tb,d、および、エッチング速度Ra,Rb,Rrは、図5(A)を参照。)
・ Ta/Ra < Tb/Rb
・ Ta/Ra ≦ d/Rr
次に、上記のように形成したハードマスクを介して基材(石英ガラス)に対し、下記の条件でエッチングを実施して加工した。
(石英ガラスのドライエッチング条件)
・Cl2ガス流量 : 40sccm
・ICPパワー : 400W
・RIEパワー : 200W
・圧力 : 1.5Pa
基材の加工後、基材に形成したパターンの寸法(エッチングで形成された凹部の開口寸法)を、走査型電子顕微鏡を用いて計測した。その結果、下記の表1に示されるように、設計寸法が200nm以下のパターンにおいてもアンダーエッチングがなく、設計通りの寸法でパターンが形成されていることが確認できた。尚、パターン寸法は、1.5μm角の視野内でライン&スペースのスペース部を5点測定した平均値である。
Figure 2014008631
[比較例]
耐エッチング層の形成を行わない他は、実施例と同様にして、パターン形成用基材を作製した。このパターン形成用基材は、パターン形成領域にクロム薄膜からなるハードマスク材料層(厚みTaが約10nm)を備え、また、非パターン形成領域にも、クロム薄膜からなるエッチング安定化層(厚みTb(=Ta)が約10nm)を備えるものであった。
次に、実施例と同様にして、パターン形成領域内のハードマスク材料層上にレジストパターン、および、レジストのエッチングレート計測用のレジストパターンを形成した。尚、この比較例では、Ta=Tbであり、かつ、Ra=Rbであるため、下記の関係式が不成立であった。(層厚みTa,Tb、および、エッチング速度Ra,Rbは、図5(A)を参照。)
・ Ta/Ra < Tb/Rb
次いで、実施例と同様の条件で、レジストパターンを介してクロム薄膜からなるハードマスク材料層(厚みTaが約10nm)をエッチングしてハードマスクを形成した。
次に、上記のように形成したハードマスクを介して基材(石英ガラス)に対し、実施例と同様の条件でエッチングを実施して加工した。
基材の加工後、基材に形成したパターンの寸法(エッチングで形成された凹部の開口寸法)を、実施例と同様に計測した。その結果、下記の表2に示されるように、設計寸法が200nm以下のパターンでは、アンダーエッチングとなり、仕上がり寸法が設計寸法より小さいものであった。例えば、設計寸法200nmに対する仕上がり寸法の差は−16nmであるが、設計寸法100nmに対する仕上がり寸法の差は−30nmであり、設計寸法200nmから100nmに微細化が進に従って、精度が更に14nmも低下した。また、上述の実施例では、100nmにおける設計寸法と仕上がり寸法との差(+3nm)と、400nmにおける設計寸法と仕上がり寸法との差(+41nm)との相違が38nmであったが、比較例では45nmまで拡大していた。したがって、比較例は、実施例に比べて微細なパターン加工性が劣ることが確認された。
Figure 2014008631
インプリント法に使用するレプリカモールド等、微細な凹凸構造を有するパターン構造体の形成を必要とする種々の加工に利用可能である。
1…インプリントモールド
2…凹凸構造
11,21…パターン形成用基材
12,22…基材
14…凸構造部
15,25…ハードマスク材料層
16,26…エッチング安定化層
32,42…基材
35,45,55…ハードマスク材料層
36,46,56…エッチング安定化層
37,47,57…耐エッチング層
39,49,59…レジストパターン
35A,45A…ハードマスク
A…パターン形成領域
B…非パターン形成領域

Claims (12)

  1. 基材の電気絶縁性を具備する面にパターン形成領域と非パターン形成領域を画定し、パターン形成領域にハードマスク材料層を形成し、非パターン形成領域にエッチング安定化層を形成する工程と、
    前記ハードマスク材料層にレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンを介して前記ハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成する工程と、
    前記ハードマスクを介して前記基材をエッチングして前記パターン形成領域に凹凸構造を形成する工程と、を備え、
    少なくとも前記ハードマスクの形成が完了するまで前記基材の前記非パターン形成領域が露出しないような厚みで前記エッチング安定化層を形成することを特徴とするパターン構造体の製造方法。
  2. 前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するようにハードマスク材料層を形成した後、前記非パターン形成領域に位置する前記ハードマスク材料層を被覆するように耐エッチング層を形成するものであり、前記非パターン形成領域におけるハードマスク材料層と耐エッチング層との積層をエッチング安定化層とすることを特徴とする請求項1に記載のパターン構造体の製造方法。
  3. 前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するように耐エッチング層を形成した後、前記パターン形成領域に位置する前記耐エッチング層を除去し、その後、パターン形成領域および非パターン形成領域を被覆するようにハードマスク材料層を形成するものであり、前記非パターン形成領域における耐エッチング層とハードマスク材料層との積層をエッチング安定化層とすることを特徴とする請求項1に記載のパターン構造体の製造方法。
  4. 前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するようにハードマスク材料層を形成した後、前記非パターン形成領域に位置する前記ハードマスク材料層を除去し、その後、前記非パターン形成領域にエッチング安定化層を形成することを特徴とする請求項1に記載のパターン構造体の製造方法。
  5. 前記ハードマスク材料層と前記エッチング安定化層を形成する工程は、前記パターン形成領域および前記非パターン形成領域を被覆するようにエッチング安定化層を形成した後、前記パターン形成領域に位置する前記エッチング安定化層を除去し、その後、前記パターン形成領域にハードマスク材料層を形成することを特徴とする請求項1に記載のパターン構造体の製造方法。
  6. 前記ハードマスク材料層と、前記耐エッチング層とを、同一の金属あるいは金属化合物を含む層として形成することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のパターン構造体の製造方法。
  7. 前記ハードマスク材料層と、前記エッチング安定化層とを、同一の金属あるいは金属化合物を含み、かつ、前記エッチング安定化層が前記ハードマスク材料層よりも厚くなるように形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のパターン構造体の製造方法。
  8. 前記エッチング安定化層を、前記ハードマスク材料層の材料よりもエッチング耐性の高い材料で形成することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のパターン構造体の製造方法。
  9. 電気絶縁性を具備する面を少なくとも1つ有する基材と、前記基材の電気絶縁性を具備する所望の面に画定したパターン形成領域および非パターン形成領域と、前記パターン形成領域を被覆するハードマスク材料層と、前記非パターン形成領域を被覆するエッチング安定化層とを備え、該エッチング安定化層は、前記ハードマスク材料層よりも厚い層、または、前記ハードマスク材料層のエッチングにおける前記エッチング安定化層のエッチング速度が前記ハードマスク材料層のエッチング速度よりも遅い層であることを特徴とするパターン形成用基材。
  10. 前記エッチング安定化層は、少なくとも前記ハードマスク材料層をエッチングしてハードマスクを形成するまで前記基材の前記非パターン形成領域を被覆した状態が維持できることを特徴とする請求項9に記載のパターン形成用基材。
  11. 前記ハードマスク材料層と、前記エッチング安定化層は、同一の金属あるいは金属化合物を含み、前記エッチング安定化層は前記ハードマスク材料層よりも厚いことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のパターン形成用基材。
  12. 前記エッチング安定化層は、前記ハードマスク材料層の材料よりもエッチング耐性の高い材料で構成され、かつ、前記エッチング安定化層は前記ハードマスク材料層よりも薄いことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のパターン形成用基材。
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