JP2014008576A - 機械加工方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワーク表面に凸状曲面を形成する際の加工効率及び加工精度を高めること。
【解決手段】工具(32)によって加工されたワーク(30)表面の断面形状が、ワーク(30)の凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部において凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有して略W形となるように、工具(32)の軸線(Os)を凸曲面の法線方向から工具送り方向(Df)前側に傾斜させるリード角(α)を演算し、該リード角(α)を以て工具(32)を傾斜させた状態で、該工具(32)をワーク(30)に対して相対的に移動させて凸曲面を加工するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、フェイスミルやエンドミル、カップ砥石等の底刃を有した回転工具を用いたワークの機械加工方法及び装置に関する。
特許文献1には、フライス工具を用いて比較的大きな面積の加工面を高精度、高効率で加工可能な曲面切削法が開示されている。該方法では、フライス工具を、その回転軸線を各切削点における加工面の法線に対して傾斜させた状態で所定の工具送り方向に移動させることにより、切刃回転軌跡の工具送り方向側領域を通過する切刃によって被加工物の表面を切削加工するようになっている。
特開2001−198718号公報
然しながら特許文献1の発明では、工具にリード角をつけて加工することは開示しているが、最適なリード角の設定方法およびリード角に対する最適なピックフィード量の設定方法が開示又は示唆されておらず、加工されたワーク表面の形状精度や加工精度を一層改善する余地がある。
本発明は、既述した従来技術の問題点を解決することを技術課題としており、フェイスミルやエンドミル、カップ砥石等の底刃を有した回転工具を用いて、ワーク表面に凸状曲面を形成する際の加工効率及び加工精度を高めることを目的としている。
上述の課題を解決するために、本発明によれば、底刃を有する回転工具をワークの凸曲面沿いに前記ワークに対して送り、前記凸曲面を加工する機械加工方法において、前記工具によって加工された加工面が、前記ワークの凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部に前記凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有するように、前記工具の軸線と前記ワークの凸曲面とを相対的に傾けて前記凸曲面を加工するワークの機械加工方法が提供される。
また、本発明によれば、底刃を有する回転工具をワークの凸曲面沿いに前記ワークに対して送り、前記凸曲面を加工する機械加工方法において、前記工具によって加工された表面の断面が、前記ワークの凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部に前記凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有して略W形となるように、前記工具の軸線を前記凸曲面の法線方向から工具送り方向前側に傾斜させるリード角を演算し、該リード角を以て前記工具を相対的に傾斜させた状態で、該工具を前記ワークに対して相対的に移動させて前記凸曲面を加工するワークの機械加工方法が提供される。
更に、本発明によれば、底刃を有する回転工具をワークの凸曲面沿いに前記ワークに対して相対的に送り、前記凸曲面を加工するNC工作機械を備える機械加工装置において、前記工具によって加工された表面の断面が、前記ワークの凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部に前記凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有して略W形となるように、前記工具の軸線を前記凸曲面の法線方向から工具送り方向前側に相対的に傾斜させるリード角を演算するとともに、リード角と形状誤差との関係を予め演算により求め、前記膨出部において前記ワークの凸曲面の半径方向で最も外側の一点にて前記ワークの凸曲面の表面に接し、前記工具の回転中心とワークに形成される凸曲面の曲率中心とを結ぶ直線と前記工具の送り方向の双方に垂直な直線が、加工面と交差する二つの点の間の距離をピックフィード量として演算によって求めるシミュレーション部と、前記シミュレーション部で演算された、各種の工具サイズ、ワークの凸曲面のサイズ、形状誤差に対するリード角とピックフィード量を記憶する記憶部と、工具サイズ、ワークの凸曲面のサイズ、形状誤差が与えられた時、前記記憶部に記憶されているデータから前記NC工作機械に設定されるべきリード角とピックフィード量を決定するリード角、ピックフィード量決定部とを具備する機械加工装置が提供される。
本発明によれば、底刃を有する回転工具をワークの凸曲面沿いに送って該凸曲面を加工するとき、加工されたワーク表面の断面がワークの凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部において凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有するように、具体的には略W形となるように工具のリード角を演算し、該リード角を以てワークを加工するので、形状誤差の少ない凸曲面を加工することができる。そのとき、許容される形状誤差に基づいて求めたリード角を採用すれば、凸曲面を所望の精度で加工することができる。また、ピックフィードを与えて加工する場合は、最適なピックフィード量を演算することができ、加工能率よく、かつ、仕上げ面品位よく凸曲面を加工することができる。
工具を用いてワークに凸曲面を形成する様子をワークの中心軸線方向に見た模式図である。 ワークに形成される加工形状を示す略示断面図である。 工具を用いてワークに凸曲面を形成する様子を工具の中心軸線方向に見た模式図である。 ワークに形成される加工形状を示す略示断面図である。 工具を用いてワークに凸曲面を形成する様子を工具の中心軸線方向に見た模式図である。 ワークに形成される加工形状を示す略示断面図である。 工具を用いてワークに凸曲面を形成する様子を工具の中心軸線方向に見た模式図である。 工具の中心軸線方向に見たワーク表面の模式図である。 図1の一部を拡大して示す、ワークと工具との間の加工領域の幾何学的位置関係を示す図である。 図2A、3A、4Aと同様のワーク30の半径を含む平面で切断したワークの断面を模式的に示す図であり、ζ、η座標を示す図である。 本発明によるシミュレーション結果を示すワークの部分拡大断面図である。 リード角をα=0.716°とした場合の加工形状を示す図8と同様の部分拡大断面図である。 リード角をα=1.3°とした場合の加工形状を示す図8、9と同様の部分拡大断面図である。 リード角、形状誤差およびピックフィード量の関係を一例として示すグラフである。 本発明の実施の形態に係るNC工作機械の側面図である。 図12のNC工作機械の主軸とワークとを示す部分拡大図である。 本発明の機械加工方法で利用可能な工具の一例としてのフェイスミルの側面図である。 本発明の機械加工装置の実施形態の構成を示すブロック図である。 フェイスミルによる切削加工における切削力のX、Y、Z軸方向分力を説明する図である。 フェイスミルによる工具軸方向切込み量と切削力のX、Y、Z軸方向分力との実測値の一例を示すグラフである。
先ず、図12、13を参照して、本発明の機械加工方法を適用可能なNC工作機械を説明する。図12は、本発明の実施の形態に係るNC工作機械の側面図であり、図13は、図12のNC工作機械の主軸とワークとを示す部分拡大図である。
図12を参照すると、本発明の機械加工方法を適用可能なNC工作機械10は、横形マシニングセンタとして構成されており、工場の床面に固定される基台となるベッド12、該ベッド12の後方部分の上面にX軸送り機構を介して左右方向(X軸方向、図12では紙面に垂直な方向)に移動可能に取付けられたコラム14、該コラム14の前面にY軸送り機構(図示せず)を介して上下方向(Y軸方向)に移動可能に取付けられたC軸ベース16、ベッド12の前方部分の上面にZ軸送り機構を介して前後方向(Z軸方向、図12では左右方向)に移動可能に取付けられたテーブル18を具備する。テーブル18には、ワーク30を取付ける鉛直な取付面28aを有したイケール28が固定される。本実施の形態ではワーク30は、概ね円筒形状を有してる。尚、NC工作機械として立形マシニングセンタを採用することもできる。
C軸ベース16には、A軸ベース20がZ軸回りのC軸方向に回転可能に支持されている。A軸ベース20はC軸ベース15の回転軸線を挟んで両側部にブラケット部22を有している。ブラケット部22には、主軸頭24がX軸に平行な回転軸22aによってA軸方向に回転可能に取り付けられている。主軸頭24には、主軸26が長手方向の回転軸線Osを中心に回転可能に支持されており、該主軸26の先端部に工具32が取り付けられている。
なお、X軸送り機構は、ベッド12の上面において左右方向に水平に延設された一対のX軸ガイドレール12a、該X軸ガイドレール12a沿いに摺動可能にコラム14の下面に取付けられたガイドブロック(図示せず)、ベッド12内においてX軸方向に延設されたX軸ボールねじ(図示せず)、コラム14の下端部分に取付けられ前記X軸ボールねじに係合するナット(図示せず)、および、前記X軸ボールねじの一端に連結され該X軸ボールねじを回転駆動するサーボモータ(図示せず)を具備することができる。
同様に、Y軸送り機構は、コラム14内に鉛直に延設された一対のY軸ガイドレール(図示せず)、該Y軸ガイドレール沿いに摺動可能にC軸ベース16に取付けられたガイドブロック(図示せず)、コラム14内においてY軸方向に延設されたY軸ボールねじ(図示せず)、C軸ベース16内に取付けられ前記Y軸ボールねじに係合するナット(図示せず)、および、前記Y軸ボールねじの一端に連結され該Y軸ボールねじを回転駆動するサーボモータ(図示せず)を具備することができる。
同様に、Z軸送り機構は、ベッド12の上面において前後方向に水平かつX軸ガイドレール12b沿いに摺動可能にテーブル18の下面に取付けられたガイドブロック(図示せず)、ベッド12内においてZ軸方向に延設されたZ軸ボールねじ(図示せず)、テーブル18の下面に取付けられ前記Z軸ボールねじに係合するナット(図示せず)、および、前記Z軸ボールねじの一端に連結され該Z軸ボールねじを回転駆動するサーボモータ(図示せず)を具備することができる。
この直線送り軸と回転送り軸を有した5軸のNC工作機械10によってワーク30の円筒外周面を工具32を用いて加工する方法を図13を用いて説明する。円筒形状をしたワーク30はその中心軸Oがイケール28のワーク取付面28aに対して垂直になるようにイケール28に取付けられている。工具32の底刃がワーク30の円筒外周面を向くように、主軸頭24はA軸方向に回転位置決めされる。ワーク30の円筒外周面を工具32の底刃で加工するための工具送りは、X軸、Y軸、C軸の同時3軸動作によって与える。ワーク30の軸線方向へのピックフィードは、Z軸動作によって与える。また、工具32の回転中心軸線Osを工具の送り方向前方に傾けリード角を設ける動作は、C軸によって与える。
次に、図14を参照すると、本発明の機械加工方法で利用可能な回転工具32の一例としてフェイスミルの側面が示されている。該フェイスミル32は、主軸26の工具装着穴(図示せず)に装着されるシャンク36、該シャンク36に結合されたカッターボディ34、該カッターボディ34の周縁部に等角度間隔に取付けられた複数のチップ38を具備している。チップ38はカッターボディ34の外周面および底面から突出しており、フェイスミル32の外周刃はもとより底刃を形成している。このように、本発明の機械加工方法で利用可能な工具は、少なくとも底刃を有していることが必要となる。そうした工具としては、フェイスミルに加えて例えばエンドミルやカップ砥石が含まれる。
以下、図14に示したフェイスミルを用いた場合を例として、図1〜11を参照しつつ本発明の機械加工方法の好ましい実施の形態を説明する。
先ず、工具32を用いてワーク30に凸曲面を形成する様子を模式的に示した図1を参照すると、本例において工具32はフェイスミルであり、ワーク30の表面30aに凸曲面として円筒面が形成されている。図1において、工具32は、リード角αを以て工具32の送り方向Df前方に傾斜している。ここで、リード角αは、工具32のチップ38の切刃先端が描く円の中心(工具中心)Otとワーク30に形成する凸曲面の曲率中心Oとを結ぶ直線Lmと、工具32の回転中心軸線Osとの間の角度である。本実施の形態のように円筒形状のワーク30に凸曲面として円筒外周面を形成する場合には、曲率中心Oは円柱状のワーク30の中心軸線上にある。
フェイスミルは、一般的に工具の外周部分にのみ切刃が設けられているので、リード角α=0で凸曲面を形成すると、図2Bに示すように、切刃は工具32の両側部の接触点Pcsでワーク30に接触し、工具送り方向Dfに関して前縁部では接触することができない。従って、加工形状の断面は、図2Aに示すように中心部が膨出して全体的に凸形となる。工具32の前縁部がワーク30に接触するまで切込むと、図2Aの凸部の頂点が加工しようとする二点鎖線の位置まで下がり、両側部では削り過ぎる問題が生じてしまう。
反対に、リード角αが大き過ぎると、図3Bに示すように、切刃は、工具32の両側部においてワーク30に接触することができず、工具送り方向Dfに関して工具32の前縁部の接触点Pcfでのみ接触することなる。従って、加工形状の断面は、図3Aに示すように中心部が凹んで全体的に凹形となる。工具32の両側部がワーク30に接触するまで切込むと、図3Aの凹部の頂点が加工しようとする二点鎖線の位置より下がり、前縁部では削り過ぎる問題が生じてしまう。
これに対して、リード角αが両者の中間の値となると、図4Bに示すように、切刃は工具32の両側部で2つの接触点Pcsと、工具送り方向Dfに関して工具32の前縁部の接触点Pcfの3点でワーク30に接触し、加工形状の断面は、図4Aに示すように、中心部がワーク30の外側に膨出すると共に、その両側部でワーク30の半径方向内側に凹んだ陥凹部を持ち、全体的にW形となる。
次に、図1および図5〜図7を参照して、加工形状、つまり設計上の形状と実際に加工された形状との差異である形状誤差と、リード角αとの関係を詳細に説明する。図5は、工具32の中心軸線方向に見たワーク30の表面の模式図であり、図6は、図1の一部を拡大して示す、ワーク30と工具32との間の加工領域の幾何学的位置関係を示す図であり、図7は、図2A、3A、4Aと同様のワーク30の半径を含む平面で切断したワーク30の断面を模式的に示す図であり、ζ、η座標を示す図である。
図1、6において、ワーク30の中心Oから線分Pcfcsへ引いた垂線を直線Lnとし、線分Pcfcsと直線Lnとの交点をNとする。また、図5において、Tdは工具の直径、Wは工具32の両側部における切刃とワーク30との接触点Pcs間の距離(加工幅)、Sは工具送り方向Dfに測定した工具32の前縁部の接触点Pcfと一方の側部における接触点Pcs間の距離(接触長さ)である。更に、図7において、ワーク30の中心軸線Oに平行に、つまり工具32の送り方向に垂直な加工幅方向にζ軸を、そしてワーク30の半径方向にη軸が定義されている。
先ず、リード角αを求めるために、工具32としてのフェイスミルとワーク30との間の接触長さSを求める。図1、6において、点Nは、二等辺三角形OPcfcsの頂点Oから底辺Pcfcsへ引いた垂線の足であり、底辺Pcfcsの長さは、上記に定義したように接触長さSである。従って、三角形ONPcfについて、線分ONの長さhは、ワーク30の加工表面の曲率半径をRとして以下の式にて求められる。
h=(R2−(S/2)2)1/2
また、図1から理解されるように、線分ONは工具32の回転軸線Osに平行なので、∠OtONはリード角αの同位角としてリード角αに等しくなる。従って、リード角αは以下の式にて求められる。
tanα=(Td/2−S/2)/h=(Td/2−S/2)/(R2−(S/2)2)1/2 …(1)
また、ワーク30の外側に膨出した中心部分と、ワーク30の内側に凹んだ両側部との間のワーク30の半径方向(η軸方向)の距離である形状誤差δは以下の式にて求められる。
δ=R−h=R−(R2−(S/2)2)1/2 …(2)
図7において、設計上の加工形状、本例では円筒面をη=0とすると、式(1)、(2)から次式が得られる。
η=((Rsinα−ζ)2+R2cos2α)1/2−R …(3)
式(3)においてRは設計上のワーク30の直径であるので既知数であり、αは未知数である。そこで、リード角αをパラメータとして、式(3)に基づいて加工形状をシミュレーションすることができる。図8に、工具の直径(Td)100mm、ワークの加工表面の曲率半径(R)2000mm、接触長さ(S)50mm、加工幅(W)100mmの条件で行ったシミュレーション結果を示す。図8は、工具32の工具中心Otとワーク30に形成する凸曲面の曲率中心Oとを結ぶ直線Lmを含み工具32の工具送り方向Dfに垂直な平面で切断したワーク30の部分断面図である。シミュレーションから、リード角が一定の範囲、図8に一例として示すシミュレーションの例では0°<α≦1.3°の範囲にあるとき、加工形状は全体的にW形となり、α=0.716°のとき工具直径をフルに使う場合に最も加工形状誤差が小さくなることがわかった。
次に、リード角α=0.716°およびα=1.3°の場合の加工形状の図8と同様の拡大図である図9、10を参照して、本発明による加工方法を更に詳細に説明する。リード角が0°<α≦1.3°の範囲にあるとき、加工形状は、図9、10に示すように、中央部分がワーク30の半径方向に膨出し、その両側部で次第に半径方向内側に凹み、更にζ軸に沿って外側の部分で再び半径方向外側に膨らむ全体的にW形となる。つまり、工具32の一回の送りによって、ワーク30の表面は3つの極値点P0、P1、P2、有する形状に加工される。こうして、工具32によって加工されたワーク30の表面は、極値点P0の周囲がワーク30の半径方向外側に凸状の極大部となり、極値点P1、P2の周囲が、該極大点の両側部で半径方向内側に凹んだ極小部となる。この極大部が膨出部であり、極小部が陥凹部である。
本発明では、加工形状の中央部分の膨出した極値点P0を通過し、直線Lmと工具32の工具送り方向Dfの双方に垂直に直線L0を引いて、該直線L0が加工表面と交差する2つの点P3、P4間の距離を、工具32のピックフィード量Fpとして定めることによって、例えば、図10のように、加工後に形成されるカスプ40は、隣接するツールパスに沿った加工の間に、極値点P0よりも外側の部分が除去され、形状誤差δは、ワーク30の外方へ膨出した中央部分の極値点P0と、該極値点P0の両側に形成されるワーク30の内側に凹んだ極値点P1又はP2との間のη軸方向の距離となる。なお、この場合、カスプ40の頂点Pcと極値点P0との間のη軸方向の距離相当分をオフセット量Soとしてツールパスを演算するようにしてもよい。工具32をη軸方向にSoオフセットして加工すると、P3−P4間ではP0を設計上の加工形状からの誤差零の位置にくるようにすることができる。
上述したように、リード角αを与えることによって、加工形状をシミュレーションすることができるので、本発明では、図11に示すように、リード角α、形状誤差δおよびピックフィード量Fpの関係を予め演算して求めることができる。図11において、例えば、形状誤差としてδ=0.05mmが設計要件として与えられているとすると、この形状誤差δ=0.05mmから出発して、リード角がα=1.03が求められ、このリード角α=1.03からピックフィード量Fp=90mmを求めることができる。本発明によれば、この関係を、例えば、テーブル等の形態でCAMのような自動プログラミングシステムや工作機械のNC装置に組込み、形状誤差δからリード角αとピックフィード量Fpとを自動的に生成するようにできる。
次に図15によって本発明の機械加工装置の実施形態を説明する。マシニングセンタ等のNC装置を付属した工作機械10は、CAM装置42から送られる加工プログラムによってワークを加工する。本発明の機械加工装置は、更にNC装置にリード角およびピックフィード量を送出するリード角、ピックフィード量決定部46を有する。リード角、ピックフィード量決定部46は、入力部44と接続され、また、記憶部48を介してシミュレーション部50とも接続されている。シミュレーション部50は、上述したように、リード角αを与えることによって、加工形状をシミュレーションし、リード角α、形状誤差δおよびピックフィード量Fpの関係を予め演算し、その結果を対応付けて記憶部48に記憶する。シミュレーション部50における演算は、各種の工具サイズ、ワークの凸曲面のサイズについて行い、記憶する。記憶する形態は、図11のような関数でもよいし、図示しないテーブルでもよい。そして、実際の加工に際して、入力部44から工具サイズ、ワークの凸曲面のサイズ、形状誤差が入力されると、リード角、ピックフィード量決定部46は記憶部から入力された条件に適合するリード角とピックフィード量を求めて決定し、NC装置に送出する。NC装置は加工プログラムにリード角とピックフィード量を加えてワークの加工を行う。リード角、ピックフィード量決定部46は、決定したリード角およびピックフィード量をCAM装置42に送出し、CAM装置42がそのリード角およびフィードバック量を加えた加工プログラムをNC装置に送出する構成にしてもよい。
このようにして、フェイスミル、エンドミル、カップ砥石等の底刃を有する回転工具を用いてワークに凸曲面を加工する際、最適なリード角を設定したり、ピックフィード量を設定することによって加工能率及び加工精度を高めることができる。
本発明に適するワーク形状は、工具の送り方向には凸曲面で、幅方向は直線又は凸曲線の曲面形状である。
本実施形態では、主軸側にA軸やC軸の回転送り軸のあるNC工作機械で説明したが、テーブル側に回転送り軸があったり、主軸側とテーブル側のそれぞれに回転送り軸を有するNC工作機械でも同様の加工を行うことができる。また、リード角αは、本実施形態では凸曲面の法線に対して工具32の軸線Osを送り方向Df前方に傾斜させる方向について説明したが、送り方向Df後方に傾斜させる方向についても同様の作用、効果を得ることができる。
図16Aは、フェイスミル32によってワーク30を切削加工するときの切削力の3分力の説明図であり、図16Bは、工具軸方向の切込み量を種々変えたときの切削力の3分力の測定結果の一例をグラフに表わしたものである。切削力のX軸方向分力FxとY軸方向分力Fyの絶対値は、工具軸方向(Z軸方向)切込み量が大きくなるに従って大きくなる。切削力のZ軸方向分力Fzは、工具軸方向切込み量が小さい領域ではプラスの値(工具を主軸に押し込む方向に作用)であるが、切込み量が大きい領域ではマイナスの値(工具を主軸から引き抜く方向に作用)になる。つまり、切削力のZ軸方向分力Fzが零になる工具軸方向切込み量が存在するということである。図16Bの例では、工具軸方向切込み量が3mmのときに切削力のZ軸方向分力Fzはほぼ零となっている。そして、切削力のZ軸方向分力Fzが零となる工具軸方向切込み量で切削加工すると、加工面品位が良好となることもわかった。従って、記憶部48には、種々の諸元の工具について、切削力のZ軸方向分力がほぼ零となるときの工具軸方向切込み量の値も記憶されており、リード角、ピックフィード量決定部46でリード角、ピックフィード量を決定するときに、併せて切削力のZ軸方向分力Fzが略零となる工具軸方向切込み量も決定し、NC装置に送出するようにすれば、加工面品位が一層向上する。
10 NC工作機械
12 ベッド
14 コラム
16 C軸ベース
18 テーブル
20 A軸ベース
24 主軸頭
26 主軸
28 イケール
30 ワーク
32 工具
f 工具送り方向
O 加工表面の曲率中心
t 工具中心(切刃先端が描く円の中心)
S 接触長さ
d 工具直径
W 加工幅
α リード角
δ 形状誤差

Claims (6)

  1. 底刃を有する回転工具をワークの凸曲面沿いに前記ワークに対して送り、前記凸曲面を加工する機械加工方法において、
    前記工具によって加工された加工面が、前記ワークの凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部に前記凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有するように、前記工具の軸線と前記ワークの凸曲面とを相対的に傾けて前記凸曲面を加工するワークの機械加工方法。
  2. 底刃を有する回転工具をワークの凸曲面沿いに前記ワークに対して送り、前記凸曲面を加工する機械加工方法において、
    前記工具によって加工された表面の断面が、前記ワークの凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部に前記凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有して略W形となるように、前記工具の軸線を前記凸曲面の法線方向から工具送り方向前側に傾斜させるリード角を演算し、該リード角を以て前記工具を相対的に傾斜させた状態で、該工具を前記ワークに対して相対的に移動させて前記凸曲面を加工するワークの機械加工方法。
  3. リード角と形状誤差との関係を予め演算により求め、該リード角と形状誤差との関係から、許容される形状誤差に基づいて前記リード角を求めるようにした請求項2に記載の機械加工方法。
  4. 前記膨出部において前記ワークの凸曲面の半径方向で最も外側の一点にて前記ワークの凸曲面の表面に接し、前記工具の回転中心とワークに形成される凸曲面の曲率中心とを結ぶ直線と前記工具の送り方向の双方に垂直な直線が、加工表面と交差する2つの点の間の距離を演算によって求め、該距離を前記工具のピックフィード量として定めるようにした請求項1〜3の何れか1項に記載の加工方法。
  5. 前記工具はフェイスミル、エンドミル又はカップ砥石である請求項1〜4の何れか1項に記載の加工方法。
  6. 底刃を有する回転工具をワークの凸曲面沿いに前記ワークに対して相対的に送り、前記凸曲面を加工するNC工作機械を備える機械加工装置において、
    前記工具によって加工された表面の断面が、前記ワークの凸曲面の半径方向に膨出した膨出部と、該膨出部の両側部に前記凸曲面の半径方向に凹んだ陥凹部とを有して略W形となるように、前記工具の軸線を前記凸曲面の法線方向から工具送り方向前側に相対的に傾斜させるリード角を演算するとともに、リード角と形状誤差との関係を予め演算により求め、前記膨出部において前記ワークの凸曲面の半径方向で最も外側の一点にて前記ワークの凸曲面の表面に接し、前記工具の回転中心とワークに形成される凸曲面の曲率中心とを結ぶ直線と前記工具の送り方向の双方に垂直な直線が、加工面と交差する二つの点の間の距離をピックフィード量として演算によって求めるシミュレーション部と、
    前記シミュレーション部で演算された、各種の工具サイズ、ワークの凸曲面のサイズ、形状誤差に対するリード角とピックフィード量を記憶する記憶部と、
    工具サイズ、ワークの凸曲面のサイズ、形状誤差が与えられた時、前記記憶部に記憶されているデータから前記NC工作機械に設定されるべきリード角とピックフィード量を決定するリード角、ピックフィード量決定部と、
    を具備することを特徴とした機械加工装置。
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