JP2014007060A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで構成しつつ目標燃料ガスの流量を良好に可変可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】アノード流路12を有し、アノード流路12に水素が供給されることで発電する燃料電池スタック10と、アノード流路12に向けて燃料ガスを供給する水素タンク21と、水素タンク21からアノード流路12に向かう水素が通流する燃料ガス供給流路と、燃料ガス供給流路に設けられ、二次側圧力を調整するレギュレータ23と、レギュレータ23とアノード流路12との間の燃料ガス供給流路に設けられ、アノード流路12に向けて水素を噴射する電子制御式のインジェクタ24と、レギュレータ23の二次側圧力であってインジェクタ24の一次側圧力に対応して、インジェクタ24の開時間が関連付けられた制御マップと、レギュレータの二次側圧力と、制御マップとに基づいて、インジェクタ24を制御するECU70と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池車等の電源として、水素(燃料ガス)及び酸素を含む空気(酸化剤ガス)が供給されることで発電する燃料電池が注目されている。そして、アノードの上流に噴射流量の異なる2つのインジェクタを並列に設け、目標水素流量に対応して、インジェクタを切り替えて作動させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
国際公開第2011/086603号
ところが、特許文献1の燃料電池システムは、複数のインジェクタを備える構成であるので、部品点数が増加して高コストになるうえ、システムの小型化の観点から好ましいものでない。
そこで、本発明は、低コストで構成しつつ目標燃料ガスの流量を良好に可変可能な燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、燃料ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが供給されることで発電する燃料電池と、前記燃料ガス流路に向けて燃料ガスを供給する燃料ガス供給源と、前記燃料ガス供給源から前記燃料ガス流路に向かう燃料ガスが通流する燃料ガス供給流路と、前記燃料ガス供給流路に設けられ、二次側圧力を調整する圧力調整手段と、前記圧力調整手段と前記燃料ガス流路との間の前記燃料ガス供給流路に設けられ、前記燃料ガス流路に向けて燃料ガスを噴射する電子制御式のインジェクタと、前記圧力調整手段の二次側圧力であって前記インジェクタの一次側圧力に対応して、前記インジェクタの開時間が関連付けられた制御マップと、前記圧力調整手段の二次側圧力と、前記制御マップとに基づいて、前記インジェクタを制御する制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
このような構成によれば、制御マップにおいて、インジェクタの一次側圧力(圧力調整手段の二次側圧力)に対応して、インジェクタの開時間が関連付けられている。そして、制御手段が、圧力調整手段の二次側圧力と前記制御マップとに基づいて、インジェクタを制御することにより、つまり、圧力調整手段の二次側圧力に対応して関連付けられたインジェクタの開時間を参照してインジェクタを制御することにより、1つのインジェクタによって、目標燃料ガス流量の全範囲において可変できる。また、1つのインジェクタを備える構成でよいので、燃料電池システムを低コストで構成できる。
前記燃料電池システムにおいて、前記圧力調整手段は、要求発電量が小さくなるにつれて、二次側圧力が低くなるように調整し、前記制御マップは、要求発電量が所定値以下である場合に参照される低負荷マップと、要求発電量が所定値以下でない場合に参照される高負荷マップと、を含み、前記高負荷マップにおける前記開時間は、要求発電量が前記所定値である場合に0でない時間であって、要求発電量が大きくなるにつれて長くなり、前記低負荷マップにおける前記開時間は、前記高負荷マップを前記所定値以下に延長した場合における開時間よりも長いことが好ましい。
このような構成によれば、圧力調整手段は要求発電量が小さくなるにつれて二次側圧力が低くなるように調整する。そして、低負荷マップにおけるインジェクタの開時間は、高負荷マップを所定値以下に延長した場合におけるインジェクタの開時間よりも長い。
これにより、要求発電量が所定値以下であり、制御手段がインジェクタの制御用として低負荷マップを参照する場合、圧力調整手段が二次側圧力を低くなるように調整したうえで、制御手段がインジェクタの開時間を、高負荷マップを参照するよりも長くする。
ここで、インジェクタにおける単位時間あたりの噴射量(L/s)は、インジェクタの前後差圧と燃料ガスを噴射する噴射口面積とに関係する。そして、圧力調整手段の二次側圧力(インジェクタの一次側圧力)が低くしたうえで、インジェクタを開弁することで、インジェクタにおける単位時間あたりの噴射量(L/s)が小さくなる。
したがって、インジェクタの二次側圧力が目標燃料ガス圧力をオーバーシュートし難くなり、インジェクタから燃料ガスが連続的に噴射され易くなる。ここで、インジェクタの二次側圧力が目標燃料ガス圧力を超えてオーバーシュートしてしまうと、つまり、インジェクタの前後差圧が小さくなり過ぎてしまうと、インジェクタから燃料ガスが噴射され難くなり、燃料ガスが一時的に停止してしまい、燃料電池において燃料ガス不足となる虞がある。
前記燃料電池システムにおいて、前記燃料ガス流路の水の外部への排水が必要か否か判定する排水要否判定手段を備え、前記制御マップは、前記排水要否判定手段が排水は不要と判定した場合に参照される通常マップと、前記排水要否判定手段が排水は必要と判定した場合に参照されると共に前記通常マップよりも前記インジェクタの開時間の短い排水マップと、を含むことが好ましい。
このような構成によれば、排水マップは通常マップよりも噴射時間が短くなるように設定されているので、排水要否判定手段が排水は必要と判定した場合において、制御手段が前記排水マップを参照してインジェクタを制御すると、噴射時間が通常マップを参照する通常時よりも短くなる。
すなわち、同一総供給量の燃料ガスを噴射する場合、噴射時間が短くなっているので、インジェクタによる燃料ガスの噴射/停止の繰り返し数が多くなる。そうすると、噴射/停止の繰り返しによる燃料ガスの脈動時間が長くなり、このように脈動する燃料ガスによって、燃料ガスの総供給量を増加させずに、燃料ガス流路の水を良好に排出できる。
前記燃料電池システムにおいて、燃料ガスのストイキ比が不足する可能性があるか否か判定するストイキ比判定手段を備え、前記制御マップは、前記ストイキ比判定手段がストイキ比は不足しないと判定した場合に参照される通常マップと、前記ストイキ比判定手段がストイキ比は不足すると判定した場合に参照されると共に前記通常マップよりも前記インジェクタの開時間の長いストイキ比不足用マップと、を含むことが好ましい。
ここで、燃料ガスのストイキ比とは、燃料ガス(水素等)の余剰率を意味し、カソードに供給されている酸化剤ガス(酸素等)と過不足なく反応するのに必要な燃料ガス(必要燃料ガス)に対して、実際の燃料ガス(実際燃料ガス)がどの程度余剰であるかを示す比(実際燃料ガス/必要燃料ガス)である。
このような構成によれば、ストイキ比不足用マップは通常マップよりも噴射時間が長く設定されているので、ストイキ比判定手段がストイキ比は不足すると判定した場合において、制御手段が前記ストイキ比不足用マップを参照してインジェクタを制御すると、噴射時間が通常マップを参照する通常時よりも長くなる。このように噴射時間が長くなるので、ストイキ比不足を早期に解消できる。
本発明によれば、低コストで構成しつつ目標燃料ガスの流量を良好に可変可能な燃料電池システムを提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 本実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 指令電流と、レギュレータの二次側圧力(インジェクタの一次側圧力)との関係を示すマップである。 指令電流(インジェクタの噴射量(L/回))と、インジェクタの開時間との関係を示すマップである。
本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す燃料電池システム1は、図示しない燃料電池車(車両、移動体)に搭載されている。燃料電池車は、例えば、四輪車、三輪車、二輪車、一輪車、列車等である。ただし、その他の移動体、例えば、船舶、航空機に搭載された構成でもよい。
燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、セル電圧モニタ15と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック10の発電を制御する電力制御系と、これらを電子制御するECU70(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セル11が積層して構成されたスタックであり、複数の単セル11は電気的に直列で接続されている。単セル11は、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソード(電極)とを備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体と、これに担持され、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)と、を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全単セルに水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路12(燃料ガス流路)、カソード流路13(酸化剤ガス流路)として機能している。
そして、アノード流路12を介して各アノードに水素が供給されると、式(1)の電極反応が起こり、カソード流路13を介して各カソードに空気が供給されると、式(2)の電極反応が起こり、各単セルで電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。次いで、燃料電池スタック10とモータ51等の外部回路とが電気的に接続され、電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
2H→4H+4e …(1)
+4H+4e→2HO …(2)
<セル電圧モニタ>
セル電圧モニタ15は、燃料電池スタック10を構成する複数の単セル11毎のセル電圧を検出する機器であり、モニタ本体と、モニタ本体と各単セルとを接続するワイヤハーネスとを備えている。
モニタ本体は、所定周期で全ての単セル11をスキャニングし、各単セル11のセル電圧を検出し、平均セル電圧、最低セル電圧を算出するようになっている。そして、モニタ本体(セル電圧モニタ15)は、平均セル電圧、最低セル電圧をECU70に出力するようになっている。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク21(燃料ガス供給源)と、常閉型の遮断弁22と、レギュレータ23(圧力調整手段)と、インジェクタ24と、エゼクタ25と、常閉型のパージ弁27と、を備えている。
水素タンク21は、配管21a、遮断弁22、配管22a、レギュレータ23、インジェクタ24、配管24a、エゼクタ25、配管25aを介して、アノード流路12の入口に接続されている。そして、遮断弁22が開いた状態で、インジェクタ24が水素を噴射すると、水素タンク21の水素が配管21a等を通って、アノード流路12に供給されるようになっている。
ここで、アノード流路12の入口に接続され、アノード流路12に供給される水素が通流する燃料ガス供給流路は、配管21aと、配管22aと、配管23aと、配管24aと、配管25aとを備えて構成されている。そして、この燃料ガス供給流路にインジェクタ24が設けられている。
水素タンク21は、水素が高圧で貯蔵された容器である。
遮断弁22は、常閉型の電磁弁であって、ECU70の指令に従って開/閉することで、水素を供給/遮断する弁である。
<レギュレータ>
レギュレータ23は、その内部に、弁体と、弁体が離座/着座する弁座と、弁体を弁座に対して往復運動させる駆動装置と、を備えている。弁座には、一次側(上流側)と二次側(下流側)とを連通する弁座ポートが形成されており、弁体が弁座に離座/着座することで、前記弁座ポートが開/閉し、レギュレータ23の二次側圧力が調整されるようになっている。
前記駆動装置は、例えば、前記弁体を着座方向(閉方向)に付勢する圧縮コイルばねと、ECU70からの指令(ON信号)に従って作動し、前記弁体を離座方向(開方向)に移動させる吸引力を生成するソレノイド装置と、を備えている。そして、ECU70は、後記する圧力センサ32を介して検出される実測INJ上流圧力P11が、目標INJ上流圧力P1となるように、前記ソレノイド装置をON/OFF制御するようになっている。
インジェクタ24は、ECU70に電子制御されることで、水素を間欠的(断続的)に噴射する噴射装置である。よって、目標電流(要求発電量)に対応して燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段は、インジェクタ24と、インジェクタ24を制御するECU70と、を備えて構成されている。なお、インジェクタ24、遮断弁22、水素循環ポンプ28や、後記するコンプレッサ41等は、燃料電池スタック10及び/又は後記するバッテリ55を電源としている。
また、インジェクタ24は、水素の噴射/停止を繰り返すことで、その二次側圧力を調整する調圧手段(レギュレータ)としての機能も備えている。
エゼクタ25は、インジェクタ24からの新規水素を噴射することで負圧を発生させるノズル25bと、新規水素と前記負圧で吸引された配管26b(燃料オフガス循環流路)のアノードオフガスとを混合し、配管25a(アノード流路12)に向けて供給するディフューザ25cと、を備えている。
アノード流路12の出口は、配管26a、逆止弁26、配管26bを介して、エゼクタ25の吸気口に接続されている。そして、アノード流路12から排出された未消費の水素を含むアノードオフガス(燃料オフガス)が、エゼクタ25(燃料ガス供給流路)に戻されるようになっている。よって、アノード流路12から排出されたアノードオフガスをエゼクタ25に戻すことで水素を循環させる燃料ガス循環流路は、配管26aと配管26bとを備えて構成されている。
逆止弁26は、アノードオフガスの逆流を防止する弁である。なお、配管26aには、アノードオフガスに同伴する液状の水分を分離する気液分離器(図示しない)が設けられている。
配管26aの途中は、配管27a、パージ弁27、配管27bを介して、後記する希釈器44に接続されている。すなわち、アノード流路12から車外(外部)に向かうアノードオフガスが通流する燃料オフガス排出流路は、配管26aの一部と、配管27aと、配管27bと、配管44aとを備えて構成され、この燃料オフガス排出流路にパージ弁27が設けられている。パージ弁27は、開/閉することで、アノードオフガスを排出/遮断する常閉型の電磁弁である。
具体的には、パージ弁27は、燃料電池スタック10の発電時に、配管26aを循環するアノードオフガスに含まれる不純物(水蒸気、窒素等)を排出(パージ)する場合や、システム起動時にアノード流路12を水素に置換する場合、ECU70によって開かれる。なお、ECU70は、例えば、セル電圧モニタ15を介して検出される最低セル電圧が不純物を排出すべき所定電圧以下である場合、パージ弁27を開くようになっている。
配管26aの途中は、配管28a、水素循環ポンプ28、配管28bを介して、配管25aに接続されている。水素循環ポンプ28は、駆動することで、配管28b、配管25a、アノード流路12、配管26a、配管28aで構成される循環回路にガス流れを生じさせ、アノードにおけるフラッディングを防止するものである。
圧力センサ31は、インジェクタ24の下流であってアノード流路12の上流の配管25aに取り付けられている。そして、圧力センサ31は、配管25a内の圧力(実測アノード圧力P12)を検出し、ECU70に出力するようになっている。
圧力センサ32は、レギュレータ23とインジェクタ24との間の配管23aに取り付けられている。そして、圧力センサ32は、配管23a内の圧力(実測INJ上流圧力P11)を検出し、ECU70に出力するようになっている。
流量センサ33は、配管25a(燃料ガス供給ライン)に取り付けられている。そして、流量センサ33は、アノード流路12に向かう水素を含むガスの流量(実測流量)を検出し、ECU70に出力するようになっている。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ41と、加湿器42と、常開型の背圧弁43と、希釈器44と、を備えている。
コンプレッサ41の吐出口は、配管41a、加湿器42、配管42aを介して、カソード流路13の入口に接続されている。そして、コンプレッサ41は、ECU70の指令に従って作動すると、酸素を含む空気を取り込み、配管41a等を介して、カソード流路13に供給するようになっている。
加湿器42は、水分が透過可能な中空糸膜42dを備えている。そして、加湿器42は、中空糸膜42dを介して、カソード流路13に向かう新規空気と多湿のカソードオフガスとの間で水分交換させ、新規空気を加湿する。
カソード流路13の出口には、配管42b、加湿器42、配管43a、背圧弁43、配管43b、希釈器44、配管44aが順に接続されている。そして、カソード流路13からのカソードオフガス(酸化剤オフガス)は、配管42b等を通って、車外に排出されるようになっている。
背圧弁43は、例えばバタフライ弁で構成される。そして、背圧弁43の開度がECU70の指令に従って制御されることで、その背圧(カソード流路13の圧力)が制御されるようになっている。
希釈器44は、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合し、アノードオフガス中の水素を、カソードオフガス(希釈用ガス)で希釈する容器であり、その内部に希釈空間を備えている。
<電力制御系>
電力制御系は、モータ51(外部負荷)と、PDU52(Power Drive Unit)と、電力制御器53と、出力検出器54と、バッテリ55(蓄電手段)と、を備えている。モータ51は、PDU52、電力制御器53、出力検出器54を介して、燃料電池スタック10の出力端子(図示しない)に接続されており、バッテリ55は、電力制御器53に接続されている。すなわち、モータ51に対して、バッテリ55と燃料電池スタック10とは、電気的に並列で接続されている。
モータ51は、燃料電池車を走行させるための駆動力を発生する電動機である。
PDU52は、ECU70の指令に従って、電力制御器53からの直流電力を三相交流電力に変換し、モータ51に供給するインバータである。
電力制御器53は、ECU70の指令に従って、(1)燃料電池スタック10の出力(発電電力、電流値、電圧値)を制御する機能と、(2)バッテリ55の充放電を制御する機能と、を備えている。このような電力制御器53は、DC−DCチョッパ回路等の各種電子回路を備えて構成される。
出力検出器54は、燃料電池スタック10の負荷である実際の出力(実測電流値、実測電圧値)を検出する機器であり、電流センサと、電圧センサとを備えている。そして、出力検出器54は、検出した実測電流値及び実測電圧値をECU70に出力するようになっている。
バッテリ55は、電力を充電(蓄電)/放電する蓄電装置であり、例えば、リチウムイオン型の単電池が複数組み合わせてなる組電池で構成される。
<その他機器>
IG61は、燃料電池システム1(燃料電池車)の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。また、IG61はECU70と接続されており、ECU70はIG61のON信号(システム起動信号)、OFF信号(システム停止信号)を検知するようになっている。
アクセル開度センサ62は、アクセルペダル(図示しない)の踏み込み量であるアクセル開度を検出するセンサである。そして、アクセル開度センサ62は、アクセル開度をECU70に出力するようになっている。
<ECU>
ECU70は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を制御し、各種処理を実行するようになっている。
<ECU−INJ上流圧力制御機能>
ECU70は、レギュレータ23の前記ソレノイド装置をON/OFF制御し、レギュレータ23の二次側圧力、つまり、インジェクタ24の一次側(上流)圧力を制御する機能を備えている。
<ECU−インジェクタ制御機能>
ECU70は、インジェクタ24を開閉制御(PWM制御)し、指令電流(要求発電量)に対応して、アノード流路12に向けて水素を供給する機能を備えている。すなわち、ECU70は、インジェクタ24について、所定周期における開時間と閉時間との比(デューティ比)を可変して、インジェクタ24による水素の噴射量を、0を含めて可変する機能を備えている。
これにより、アノード流路12を通流する水素の流量(L/min)が0を含めて可変されるようになっている。また、このようにインジェクタ24による水素の噴射量を可変することで、その二次側圧力、つまり、アノード流路12を含み、インジェクタ24とパージ弁27との間の流路におけるガス(水素を含む)の圧力が制御(調整)されるようになっている。
なお、インジェクタ24の噴射する水素の流量は、インジェクタ24の前後差圧と開時間とに基づいて算出される。インジェクタ24の前後差圧は、圧力センサ32の検出する実測INJ上流圧力P11と、圧力センサ31の検出する実測アノード圧力P12との差で与えられる。そして、ECU70には、インジェクタ24の前後差圧と、開時間と、噴射量とが関連付けられたマップが予め記憶されており、ECU70は、このマップを参照してインジェクタ24を制御するようになっている。
<ECU−排水要否判定機能>
ECU70(排水要否判定手段)は、アノード流路12の水を、アノード流路12の外部に排水する必要があるか否か判定する機能を備えている。具体的な判定方法は後で説明する。
<ECU−ストイキ比判定手段>
ECU70(ストイキ比判定手段)は、燃料電池スタック10において、水素のストイキ比が不足する可能性があるか否か判定する機能を備えている。具体的な判定方法は後で説明する。
≪燃料電池システムの動作・効果≫
次に、燃料電池システム1の動作・効果について、図2を主に参照して説明する。
初期状態として、IG61はONされ、燃料電池スタック10に水素及び空気が供給されており、燃料電池スタック10は発電している。
具体的には、ECU70は、アクセル開度に基づいて燃料電池スタック10に出力させるべき目標電流を算出している。アクセル開度が大きくなるにつれて、目標電流は大きくなる関係となっている。なお、目標電流は、ECU70が電力制御器53に指令する指令電流である。
そして、ECU70は、指令電流(目標電流)と、図3のREGマップ(制御マップ)とに基づいて、レギュレータ23の目標二次側圧力(目標INJ上流圧力P1)を算出し、圧力センサ32を介して実測INJ上流圧力P11を監視しながら、レギュレータ23を制御している。
図3を詳細に説明する。
REGマップは、低負荷マップMと、高負荷マップNとを含んでいる。低負荷マップMは、主に指令電流が第1所定値以下である低負荷時に参照されるマップである。高負荷マップNは、主に指令電流が第2所定値以上である高負荷時に参照されるマップであり、低負荷マップMよりも目標二次側圧力(目標INJ上流圧力P1)は高く設定されている。また、低負荷マップM、高負荷マップNにおいて、指令電流が大きくなると、レギュレータ23の目標二次側圧力(目標INJ上流圧力P1)が高くなる関係となっている。つまり、指令電流とレギュレータ23の二次側圧力(目標INJ上流圧力P1)とは関連付けられている。さらに、低負荷マップMの下限目標二次側圧力は、低負荷状態における目標アノード圧力(インジェクタ24の最低目標二次側圧力)よりも高く設定されている。これにより、低負荷マップMの参照時おいて目標発電量(指令電流)が極小であっても(例えばアイドリング時)、インジェクタ24が開くと水素が噴射されるようになっている。
また、ECU70は、指令電流と、図4のINJマップ(制御マップ)とに基づいて、インジェクタ24の所定周期における開時間(ON時間、オンデューティ(%))を算出し、これに従ってインジェクタ24を制御している。
図4を詳細に説明する。
INJマップは、指令電流とインジェクタ24の開時間とが関連付けられた低負荷マップA、低負荷マップB、高負荷マップC、高負荷マップD及び排水マップEを含んでいる。したがって、指令電流を介して、レギュレータ23の二次側圧力(目標INJ上流圧力P1)と、インジェクタ24の開時間と、が間接的に関連付けられていることになる。
低負荷マップA及び低負荷マップBは、指令電流が所定値以下である場合の低負荷時に参照されるマップである。高負荷マップC及び高負荷マップDは、指令電流が所定値よりも大きい場合の高負荷時に参照されるマップである。所定値は、インジェクタ24の制御に関して、低負荷時及び高負荷時を便宜的に分けるための値であり、事前試験等により求められている。
高負荷マップC又は高負荷マップDにおいて、指令電流が所定値である場合のインジェクタ24の所定周期における開時間は、0でない時間に設定されており、指令電流が大きくなるにつれて、長くなる関係となっている。
高負荷マップCは、水素のストイキ比は不足しない(十分である)と判定される場合に参照される通常マップである。高負荷マップDは、水素のストイキ比は不足すると判定される場合に参照されるストイキ比不足用マップであり、高負荷マップCよりも開時間が長くなっている。
低負荷マップA又は低負荷マップBにおいて、インジェクタ24の開時間は、高負荷マップC又は高負荷マップDを所定値以下に延長した場合における開時間よりも長い時間に設定されている。これにより、低負荷マップA又は低負荷マップBを参照する場合、インジェクタ24の開時間は長くなる傾向となる。
また、低負荷マップA及び低負荷マップBにおいて、指令電流が0である場合にインジェクタ24の開時間は0に設定され、指令電流が大きくなるにつれて、長くなる関係となっている。
さらに、低負荷マップAは、水素のストイキ比は不足しない(十分である)と判定される場合に参照される通常マップである。低負荷マップBは、水素のストイキ比は不足すると判定される場合に参照されるストイキ比不足用マップであり、低負荷マップAよりも開時間が長くなっている。
ここで、水素のストイキ比が不足するか否かについての一判定方法を説明する。
ECU70は、流量センサ33を介して検出される実測ガス流量が、目標ガス流量(ストイキ比不足判断閾値)未満である場合、水素のストイキ比が不足する、と判定するよういに設定されている。ストイキ比が不足するか否かの判断基準となる目標ガス流量は、目標発電量(アクセル開度等)が多くなるにつれて、大きくなる関係を有している。目標発電量と目標ガス流量との関係は、事前試験等により求められてマップ化され、このマップはECU70に予め記憶されている。そして、ECU70は、目標発電量(アクセル開度等)と前記マップとに基づいて目標ガス流量を算出し、この目標ガス流量と実測ガス流量とに基づいてストイキ比不足か否かについて判定する。
なお、流量センサ33を介して検出される実測ガス流量は、水素の他に、水蒸気、窒素等を含むものであるから、目標ガス流量はやや多めに設定される。ただし、配管25aに水素濃度を検出する水素センサを取り付け、この水素センサの検出する実測水素濃度と実測ガス流量とに基づいて実測水素流量を算出し、実測水素流量と目標水素流量とを比較してストイキ比不足か否か判定する構成としてもよい。
その他、セル電圧モニタ15を介して検出されるセル電圧がストイキ比不足か否かの判断基準となる所定セル電圧未満に低下した場合、ECU70はストイキ比不足であると判定する構成とすることもできる。所定セル電圧は、燃料電池スタック10(単セル11)が正常であると判断される正常セル電圧範囲の下限閾値に対応する。
また、ECU70は、燃料電池車の加速時等、その後にインジェクタ24における水素の噴射量が不足すると予想される場合、その後にストイキ比不足になると予想(判断)し、参照するマップをストイキ比不足用の高負荷マップD又は低負荷マップBに切り替える(持ち替える)構成としてもよい。
なお、水素の噴射量の不足は、前記したように燃料電池車の加速等によりECU70から電力制御器53への指令電流値の急増した場合において、水素供給の応答が遅れるときに生じる。
また、(1)指令電流値が所定指令電流値(判定閾値)よりも大きい場合、(2)目標アノード圧力(アノード流路12における目標圧力)の変化量(変化幅)が所定変化量(判定閾値)よりも大きい場合、(3)インジェクタ24における目標噴射量が所定噴射量(判定閾値)よりも大きい場合、の少なくとも1つの場合、燃料電池車は加速中であると判定することもできる。
排水マップEは、アノード流路12の排水が必要である場合に参照されるマップである。排水マップEは、低負荷マップA又は低負荷マップBに対して、同一指令電流において、インジェクタ24の開時間は短くなっており、高負荷マップC又は高負荷マップDに対して、インジェクタ24の開時間は短くなっている。
また、ECU70は、指令電流で燃料電池スタック10を発電させた場合において、燃料電池スタック10に過不足なく酸素が供給されるように、コンプレッサ41の回転速度、背圧弁43の開度を制御している。なお、指令電流が大きくなるにつれて、コンプレッサ41の回転速度が高くなり、背圧弁43の開度が小さくなる関係となっている。
ステップS101において、ECU70は、レギュレータ23を制御する際、現在、低負荷マップM(図3参照)を参照しているか否か判定する。なお、IG61のON直後は、低負荷マップMを参照するように設定されている。
低負荷マップMを参照していると判定した場合(S101・Yes)、ECU70の処理はステップS102に進む。低負荷マップMを参照していないと判定した場合(S101・No)、ECU70の処理はステップS111に進む。このようにステップS111に進む場合、ECU70は、高負荷マップN(図3参照)を参照している。
ステップS103において、ECU70は、指令電流が第2所定値以下であるか否か判定する。
指令電流は第2所定値以下であると判定した場合(S102・Yes)、ECU70の処理はステップS103に進む。指令電流は第2所定値以下でないと判定した場合(S102・No)、ECU70の処理はステップS112に進む。
ステップS103において、ECU70は、燃料電池スタック10の発電が不安定の虞があるためアノード流路12の水の排水が必要であるか否か判定する。
例えば、(1)セル電圧モニタ15から入力される平均セル電圧と最低セル電圧との差が所定電圧以上である場合、アノード流路12に水が多量に存在し、燃料電池スタック10の発電安定性が低下し、排水が必要であると判定される。
その他、(2)前回の排水処理の完了(ステップS123・Yes)から所定時間(例えば1分〜5分)経過した場合、(3)所定電流以下で発電した総時間が所定時間以上となった場合、排水が必要であると判定される。
排水は必要であると判定した場合(S103・Yes)、ECU70の処理はステップS121に進む。排水は必要でないと判定した場合(S103・No)、ECU70の処理はステップS104に進む。
ステップS104において、ECU70は、図3の低負荷マップMを参照して、レギュレータ23を制御する。
具体的には、ECU70は、アクセル開度に基づいて、燃料電池スタック10に出力させるべき電流値であって、電力制御器53に指令する指令電流を算出する。そして、ECU70は、指令電流と図3の低負荷マップMとに基づいて、レギュレータ23の目標二次側圧力(目標INJ上流圧力P1)を算出し、圧力センサ32を介して検出される実測INJ上流圧力P11が目標INJ上流圧力P1となるようにレギュレータ23を制御する。
ステップS105において、ECU70は、燃料電池スタック10において、水素のストイキ比が不足(例えば、1.0以下)する可能性があるか否か判定する。
具体的には、ECU70は、指令電流に対応して空気(酸素)を供給した場合において、図4の低負荷マップAを参照してインジェクタ24を制御したときにおける水素のストイキ比に基づいて、不足する可能性があるか否か判定する。
ストイキ比が不足する可能性はあると判定した場合(S105・Yes)、ECU70の処理はステップS106に進む。ストイキ比が不足する可能性はないと判定した場合(S105・No)、ECU70の処理はステップS107に進む。
ステップS106において、ECU70は、図4の低負荷マップBを参照してインジェクタ24を制御する。
具体的には、ECU70は、指令電流と図4の低負荷マップBとに基づいて、インジェクタ24の所定周期における開時間を算出し、これに従ってインジェクタ24を制御する。低負荷マップBの開時間は、同一の指令電流において、ストイキ比は十分である通常時に参照される低負荷マップAの開時間よりも長く設定されている、つまり、開時間は上乗せされている。これにより、低負荷マップBに基づいてインジェクタ24を制御することにより、アノード流路12に向かう水素の流量が増加し、水素のストイキ比不足を早期に解消できる。
ただし、レギュレータ23の制御用の参照マップを、低負荷マップMから高負荷マップNに一時的に持ち替える構成としてもよい。このように構成すれば、レギュレータ23の二次側圧力(インジェクタ24の一次側圧力)が高くなるので、インジェクタ24における水素の噴射量が多くなり、水素のストイキ比不足をさらに早期に解消できる。
その後、ECU70の処理はリターンを通ってスタートに戻る。
ステップS107において、ECU70は、指令電流と図4の低負荷マップAとに基づいて、ステップS106と同様に、インジェクタ24を制御する。
すなわち、インジェクタ24の一次側圧力(レギュレータ23の二次側圧力)は、図3の低負荷マップMを参照することで、高負荷マップNの参照時に対して低くなっている。これにより、図4の高負荷マップC、D参照時に対して、低負荷マップAを参照することでインジェクタ24の開時間を長くしても、インジェクタ24の二次側圧力(実測アノード圧力P12)が目標アノード圧力P2をオーバーシュートし難くなり、水素噴射が停止し難くなる。
これに対して、レギュレータ23の制御用としてマップを持ち替えず高負荷マップNを参照した場合、インジェクタ24の二次側圧力は高くなり易い。そして、インジェクタ24の二次側圧力は高くなり易い状態で、インジェクタ24を制御する場合、インジェクタ24の最短開時間は無効時間よりも若干長めの時間に設定することになるが、レギュレータ23の制御用として高負荷マップNを参照しているので、インジェクタ24の一次側圧力が高く、単位時間あたりの噴射量(L/m)が多くなり、インジェクタ24の実際の二次側圧力が目標アノード圧力をオーバーシュートする可能性が高くなる。
なお、無効時間とは、インジェクタ24の二次側圧力が高すぎるため、インジェクタ24を開閉しても水素が噴射されない時間である。そして、このように無効時間内にインジェクタ24を開閉しても水素が噴射されない状態が多くなると、目標発電量に対して水素の噴射の応答性が低下し、目標噴射量から外れ易くなり、例えば、燃料電池車の加速遅れが生じることになる。
その後、ECU70の処理はリターンを通ってスタートに戻る。
次に、ステップS101・Noの場合に進むステップS111を説明する。
ステップS111において、ECU70は、指令電流が第1所定値(図3参照)以下であるか否か判定する。
指令電流は第1所定値以下であると判定した場合(S111・Yes)、ECU70の処理はステップS103に進む。指令電流は第1所定値以下でないと判定した場合(S111・No)、ECU70の処理はステップS112に進む。
ここで、第1所定値は、第2所定値よりも小さい値に設定されているので(第1所定値<第2所定値)、レギュレータ23を制御するに際して参照する低負荷マップMと高負荷マップNとの間における切り替え頻度が抑えられている。
ステップS112において、ECU70は、ステップS103と同様に、アノード流路12の水の排水が必要であるか否か判定する。
排水は必要であると判定した場合(S112・Yes)、ECU70の処理はステップS121に進む。排水は必要でないと判定した場合(S112・No)、ECU70の処理はステップS113に進む。
ステップS113において、ECU70は、図3の高負荷マップNを参照して、レギュレータ23を制御する。
ステップS114において、ECU70は、ステップS105と同様に、燃料電池スタック10において、水素のストイキ比が不足(例えば、1.0以下)する可能性があるか否か判定する。
ストイキ比が不足する可能性はあると判定した場合(S114・Yes)、ECU70の処理はステップS115に進む。ストイキ比が不足する可能性はないと判定した場合(S114・No)、ECU70の処理はステップS116に進む。
ステップS115において、ECU70は、図4の高負荷マップDを参照してインジェクタ24を制御する。
具体的には、ECU70は、指令電流と図4の高負荷マップDとに基づいて、インジェクタ24の所定周期における開時間を算出し、これに従ってインジェクタ24を制御する。高負荷マップDの開時間は、同一の指令電流において、ストイキ比は十分である通常時に参照される高負荷マップCの開時間よりも長く設定されている、つまり、開時間は上乗せされている。これにより、高負荷マップDに基づいてインジェクタ24を制御することにより、アノード流路12に向かう水素の流量が増加し、水素のストイキ比不足を早期に解消できる。
その後、ECU70の処理はリターンを通ってスタートに戻る。
ステップS116において、ECU70は、指令電流と図4の高負荷マップCとに基づいて、ステップS115と同様に、インジェクタ24を制御する。
その後、ECU70の処理はリターンを通ってスタートに戻る。
次に、ステップS103・Yes、ステップS112・Yesの場合に進むステップS121を説明する。
ステップS121において、ECU70は、図3の高負荷マップNを参照して、レギュレータ23を制御する。
ステップS122において、ECU70は、図4の排水マップEを参照してインジェクタ24を制御する。
<REG:低負荷マップ→排水実行>
これにより、ステップS103・Yesとなって、ステップS121、S122の処理を実行した場合、レギュレータ23を制御する際に参照するマップを図3の高負荷マップNに切り替えたうえ、インジェクタ24の所定周期における開時間が短くなるので、インジェクタ24の開/閉に伴って噴射される水素の圧力・流れの脈動(幅)が大きくなる。
そうすると、このように脈動する水素によって、アノード流路12に滞留する水が外部に押し出され、排水処理が進む。そして、燃料電池スタック10の発電安定性が回復していく。
なお、このように排水処理を実行する場合、インジェクタ24の開/閉に連動させて、水素循環ポンプ28を間欠的(断続的)にON/OFFし、水素の脈動幅を大きくしてもよい。
<REG:高負荷マップ→排水実行>
また、ステップS112・Yesとなって、ステップS121、S122の処理を実行した場合、レギュレータ23を制御する際に参照するマップは図3の高負荷マップNで維持したまま、インジェクタ24の所定周期における開時間が短くなる。この場合において、指令電流及び指令電流に対応した目標水素流量も維持される。
そうすると、インジェクタ24の所定周期における開時間が短くなることに対応して、インジェクタ24の開閉時間(作動時間)が延長することになり、インジェクタ24から噴射される水素が脈動する脈動時間が延長される。このように水素の脈動時間が長くなるので、アノード流路12に滞留する水が良好に外部に押し出され、排水処理が進む。そして、燃料電池スタック10の発電安定性が回復していく。
ステップS123において、ECU70は、排水が完了したか否か判定する。例えば、ステップS122から所定時間経過した場合、排水が完了したと判定される。所定時間は、事前試験等により求められ、排水が完了したと判断される時間に設定される。
排水は完了したと判定した場合(S123・Yes)、ECU70の処理はステップS124に進む。排水は完了していないと判定した場合(S123・No)、ECU70はステップS123の判定を繰り返す。
ステップS124において、ECU70は、ステップS103・Yesの後、排水処理(S121、S122)を実行した場合、レギュレータ23の制御用の参照マップとして図3の低負荷マップMを設定し、インジェクタ24の制御用の参照マップとして図4の低負荷マップAを設定する。
一方、ECU70は、ステップS112・Yesの後、排水処理(S121、S122)を実行した場合、レギュレータ23の制御用の参照マップとして図3の高負荷マップNを設定し、インジェクタ24の制御用の参照マップとして図4の高負荷マップCを設定する。
その後、ECU70の処理はリターンを通ってスタートに戻る。
このような燃料電池システム1によれば、図3のREGマップ及び図4のINJマップ(制御マップ)において、インジェクタ24の一次側圧力に対応して、インジェクタ24の開時間が関連付けられており、ECU70が、インジェクタ24の一次側圧力(レギュレータ23の二次側圧力)と、図3のREGマップ及び図4のINJマップとに基づいて、インジェクタ24の開時間を制御することにより、1つのインジェクタ24によって、目標燃料ガス流量の全範囲において可変できる。また、1つのインジェクタ24を備える構成でよいので、燃料電池システム1を低コストで構成できる。
≪変形例≫
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更できる。
前記した実施形態では、レギュレータ23が弁体を駆動するソレノイド装置を備える構成を例示したが、その他に例えば、入力されるパイロット圧に基づいて二次側圧力を調整するレギュレータであって、パイロット圧を制御することでレギュレータの二次側圧力を調整する構成としてもよい。
前記した実施形態では、燃料電池車に搭載された燃料電池システム1を例示したが、適用箇所はこれに限定されず、例えば、定置型の燃料電池システムに組み込まれた構成でもよい。
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック(燃料電池)
11 単セル(燃料電池)
12 アノード流路(燃料ガス流路)
13 カソード流路(酸化剤ガス流路)
21 水素タンク(燃料ガス供給源)
21a、22a、23a、24a、25a 配管(燃料ガス供給流路)
23 レギュレータ(圧力調整手段)
24 インジェクタ
31、32 圧力センサ
70 ECU(制御手段)
A インジェクタ制御用の低負荷マップ(通常マップ)
B インジェクタ制御用の低負荷マップ(開時間上乗せ、ストイキ比不足用マップ)
C インジェクタ制御用の高負荷マップ(通常マップ)
D インジェクタ制御用の高負荷マップ(開時間上乗せ、ストイキ比不足用マップ)
E インジェクタ制御用の排水マップ
M レギュレータ制御用の低負荷マップ
N レギュレータ制御用の高負荷マップ
P1 目標インジェクタ上流圧力
P11 実測インジェクタ上流圧力
P12 実測アノード圧力

Claims (4)

  1. 燃料ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    前記燃料ガス流路に向けて燃料ガスを供給する燃料ガス供給源と、
    前記燃料ガス供給源から前記燃料ガス流路に向かう燃料ガスが通流する燃料ガス供給流路と、
    前記燃料ガス供給流路に設けられ、二次側圧力を調整する圧力調整手段と、
    前記圧力調整手段と前記燃料ガス流路との間の前記燃料ガス供給流路に設けられ、前記燃料ガス流路に向けて燃料ガスを噴射する電子制御式のインジェクタと、
    前記圧力調整手段の二次側圧力であって前記インジェクタの一次側圧力に対応して、前記インジェクタの開時間が関連付けられた制御マップと、
    前記圧力調整手段の二次側圧力と、前記制御マップとに基づいて、前記インジェクタを制御する制御手段と、
    を備える
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記圧力調整手段は、要求発電量が小さくなるにつれて、二次側圧力が低くなるように調整し、
    前記制御マップは、要求発電量が所定値以下である場合に参照される低負荷マップと、要求発電量が所定値以下でない場合に参照される高負荷マップと、を含み、
    前記高負荷マップにおける前記開時間は、要求発電量が前記所定値である場合に0でない時間であって、要求発電量が大きくなるにつれて長くなり、
    前記低負荷マップにおける前記開時間は、前記高負荷マップを前記所定値以下に延長した場合における開時間よりも長い
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料ガス流路の水の外部への排水が必要か否か判定する排水要否判定手段を備え、
    前記制御マップは、前記排水要否判定手段が排水は不要と判定した場合に参照される通常マップと、前記排水要否判定手段が排水は必要と判定した場合に参照されると共に前記通常マップよりも前記インジェクタの開時間の短い排水マップと、を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 燃料ガスのストイキ比が不足する可能性があるか否か判定するストイキ比判定手段を備え、
    前記制御マップは、前記ストイキ比判定手段がストイキ比は不足しないと判定した場合に参照される通常マップと、前記ストイキ比判定手段がストイキ比は不足すると判定した場合に参照されると共に前記通常マップよりも前記インジェクタの開時間の長いストイキ比不足用マップと、を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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