JP2014006086A - イオンセンサおよびイオンセンサの製造方法 - Google Patents

イオンセンサおよびイオンセンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易に製造することができ、高い反応効率を有する小型のイオンセンサを提供する。
【解決手段】第1電極1および第2電極2と、第1流路3および第2流路4と、第1イオン選択膜5および第2イオン選択膜6と、第3流路7および第4流路8と、を備えており、上記第3流路7と上記第4流路8とが電気的に導通しているイオンセンサ100を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液中の特定のイオン濃度を測定するためのイオンセンサおよびイオンセンサの製造方法に関する。
血液、尿等の体液を対象とした生化学分析、および水道水、河川水、工業排水等を対象とした環境モニタリング等の分野において、液中に含まれる特定のイオンの濃度を測定するために、イオンセンサが用いられている。
イオンセンサには、内部電極、内部液(電解質)およびイオン選択膜を備えたイオン選択性電極が利用されている。上記イオン選択膜は特定のイオンと応答する膜である。上記イオン選択性電極は作用電極と参照電極とからなり、当該電極を被験液に浸漬し、両電極間に生じる電位差を測定する。測定した電位差と特定のイオンに関する検量線とを比較することにより、被検液に含まれている特定のイオンの濃度を測定することができる。
上記イオン選択膜を備えたイオンセンサを用いた測定方法としては、湿式法と乾式法とが知られている。
湿式法に基づくイオンセンサとしては、例えば特許文献1に示されるバレル型電極が知られている。バレル型電極は、内部に標準液を有する棒状の電極であり、電極容器の一端にイオン選択膜を備えている。上記バレル型電極を用いた測定方法では、棒状の電極2本を一対として被検液に浸漬し、当該電極間の電位差を測定する。
乾式法に基づくイオンセンサとして、例えば特許文献2及び3には、支持体、電極層、電解質層、およびイオン選択層が一体化されてなるイオン選択電極が開示されている。当該イオン選択電極では、内部液の代わりに電解質結晶を用いることが特徴である。また、当該イオン選択電極は、微小なチップとして構成されている。2個が一対となった上記イオン選択電極に被験液および参照液をそれぞれ付与し、電位差を測定する。
特開2011−17659号公報(2011年 1月27日公開) 特開昭60−237352号公報(1985年11月26日公開) 特開2002−39990号公報(2002年 2月 6日公開)
しかしながら、上記従来の技術は、イオンセンサを簡易に製造することができず、しかも、作製されるイオンセンサが大型であるとともに、反応効率が低いという問題点を有している。
具体的には、特許文献1に記載のイオン選択性電極は比較的大型の電極であり、さらに当該電極を少なくとも一対必要とする。また、電極が大型であることから、必要な被検液および内部液の量も多くなる。従って、病院等において簡便かつ迅速な臨床検査を行うために利用するには不便である。また、バレル型電極の場合、電極容器内に内部液が封入されている。このため、電極の保守、洗浄等の管理も煩雑となる。
特許文献2および3に記載のイオン選択電極は微小なチップ型の電極であるため、取扱いが容易である。しかしながら、内部液の代わりに電解質結晶、すなわち粉末状の電解質を用いる構成であるため、当該電解質がイオン化しにくいという問題点を有する。そのため、内部液を用いる場合と比べて電極の反応効率が悪くなり、測定時間も長くなるという問題点を有している。また上記イオン選択電極を製造する場合には、電解質を粉末化する工程が必要となり、製造工程が複雑となる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は簡易に製造することができ、かつ小型であるとともに、高い反応効率を有するイオンセンサおよびその製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係るイオンセンサは、対をなす第1電極および第2電極と、上記第1電極の上部に第1溶液を供給するための第1流路、および上記第2電極の上部に第2溶液を供給するための第2流路と、上記第1流路の少なくとも一部の上に配置されている第1イオン選択膜、および上記第2流路の少なくとも一部の上に配置されている第2イオン選択膜と、上記第1イオン選択膜上に第3溶液を供給するための第3流路、および上記第2イオン選択膜上に第4溶液を供給するための第4流路と、を備えており、上記第3流路と上記第4流路とは電気的に導通しており、上記第1イオン選択膜は上記第1溶液と上記第3溶液とに含まれる特定のイオンに選択的に応答する膜であり、上記第2イオン選択膜は上記第2溶液と上記第4溶液とに含まれる特定のイオンに選択的に応答する膜であることを特徴としている。
上記構成によれば、第1電極、第1流路、第1イオン選択膜および第3流路の組み合わせ、ならびに第2電極、第2流路、第2イオン選択膜および第4流路の組み合わせが、それぞれ1つのバレル型電極に相当する。すなわち、本発明に係るイオンセンサは2つのバレル型電極(作用電極および参照電極)に相当する構成を一体的に備えているため、イオンセンサを小型化することができる。
また、上記構成によれば、内部液として第1溶液および第2溶液を用いるため、電解質結晶を用いる場合と比べ、電極の反応効率を向上させることができる。さらに電解質を粉末化する工程も不要であるため、簡易に製造することが可能である。
本発明に係るイオンセンサは、非導電性支持体、上記非導電性支持体上に配置されている上記第1電極および上記第2電極、ならびに上記第1流路および上記第2流路を有しており、上記第1流路と上記第2流路とが第1非導電性部材によって隔てられている第1層と、上記第1層の上に配置されている第2層であって、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜を有しており、上記第1イオン選択膜と上記第2イオン選択膜とが第2非導電性部材によって隔てられている第2層と、上記第2層の上に配置されている第3層であって、上記第3流路および上記第4流路、ならびに上記第3流路と上記第4流路とを電気的に導通している部材を有する第3層と、を備えていることが好ましい。
上記構成によれば、2つのバレル型電極に相当する構成が層状の構成として一体的に形成されるので、イオンセンサを小型化することができ、かつ簡易に製造することができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第1電極および上記第2電極は、金属層とハロゲン化金属層とからなる電極であることが好ましい。
上記構成によれば、電極が簡易かつ取扱いが容易な構成であるので、簡易な構成のイオンセンサを提供することができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第3溶液は被検液であり、上記第4溶液は参照液であることが好ましい。
上記構成によれば、第1電極を作用電極とし、第2電極を参照電極とすることができ、上記作用電極と上記参照電極との間の電位差を測定することによって、被検液に含まれているイオンの濃度を測定することができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第1溶液および上記第2溶液は同一の溶液であることが好ましい。
上記構成によれば、第1電極および第2電極の周囲の環境条件を同一のものとすることができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができ、イオン濃度の測定をより正確に行うことができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第1流路の一端および上記第2流路の一端が、共に、上記同一の溶液が導入される第1導入部に連通していることが好ましい。
上記構成によれば、第1導入部を介して、同一の溶液である第1溶液および第2溶液を第1電極および第2電極に対して同時に供給することができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第3流路の一端が、上記第1導入部とは異なるとともに、上記被検液が導入される第2導入部に連通していることが好ましい。
上記構成によれば、被検液が、第1溶液および第2溶液と混ざることを確実に防ぐことができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができ、その結果、イオン濃度の測定をより正確に行うことができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第1溶液および上記第2溶液は参照液であることが好ましい。
上記構成によれば、第1溶液、第2溶液および第4溶液として、同一の溶液を用いることができるので、必要な溶液の種類を減らすことができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第4流路の一端が、上記第1導入部に連通していることが好ましい。
上記構成によれば、第1溶液、第2溶液および第4溶液を共通の第1導入部から導入することができるので、第1流路、第2流路および第4流路に対して同時に溶液を供給することができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第1流路および上記第2流路は、共通の接続部を介して上記第1導入部と連通しており、上記接続部の断面積は、上記第4流路と上記第1導入部とが接続する部分の断面積と比べて小さいことが好ましい。
上記構成によれば、接続部の断面積が異なるため、接続部の断面で溶液がつながることを防ぐことができる。従って、第1流路内および第2流路内の溶液と、第4流路内の溶液とが混ざることを防ぐことができるとともに、電気的に導通することを防ぐことができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができ、その結果、イオン濃度の測定をより正確に行うことができる。
本発明に係るイオンセンサでは、上記第1流路および上記第2流路は、各々、異なる接続部を介して上記第1導入部と連通しており、上記第1流路と上記第1導入部との接続部の断面積、および、上記第2流路と上記第1導入部との接続部の断面積は、各々、上記第4流路と第1導入部とが接続する部分の断面積と比べて小さいことが好ましい。
上記構成によれば、接続部の断面積が異なるため、接続部の断面で溶液がつながることを防ぐことができる。従って、第1流路内および第2流路内の溶液と、第4流路内の溶液との電気的な導通を防ぐことができる。さらに本実施形態では、第1流路内の溶液と第2流路内の溶液との導通も防ぐことができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができ、その結果、イオン濃度の測定をより正確に行うことができる。
本発明に係るイオンセンサの製造方法は、非導電性支持体と、上記非導電性支持体上に配置されているとともに対をなしている第1電極および第2電極と、上記第1電極の上部に第1溶液を供給するための第1流路および上記第2電極の上部に第2溶液を供給するための第2流路と、を備えており、上記第1流路と上記第2流路とが第1非導電性部材によって隔てられている第1層を形成する工程と、上記第1層の上に配置される第2層であって、第1イオン選択膜と第2イオン選択膜とを備えており、上記第1イオン選択膜と上記第2イオン選択膜とが第2非導電性部材によって隔てられている第2層、を形成する工程であって、上記第2層を上記第1層の上に貼り合せる工程と、上記第2層の上に配置される第3層であって、上記第1イオン選択膜の上部に第3溶液を供給するための第3流路と、上記第2イオン選択膜の上部に第4溶液を供給するための第4流路とを備えており、上記第3流路と上記第4流路とを電気的に導通している部材を備えている第3層、を形成する工程であって、上記第3層を上記第2層の上に貼り合せる工程と、を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、2つのバレル型電極に相当する構成を一体的に備えているイオンセンサを、第1層、第2層および第3層を貼り合せることで簡易に製造することができる。
本発明に係るイオンセンサの製造方法では、上記第2非導電性部材は、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜と密着性を有する材料によって形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、第2非導電性部材を含む第2層中に第1イオン選択膜および第2イオン選択膜を保持することができる。よって、第1層とは独立した、構造的に安定な第2層を形成できる。その後、当該第2層と第1層とを貼り合せることによって、簡便に、本発明に係るイオンセンサを製造することができる。
本発明に係るイオンセンサの製造方法では、上記第2非導電性部材の厚みは、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜の厚みと等しいことが好ましい。
上記構成によれば、第2非導電性部材を含む第2層に第1イオン選択膜および第2イオン選択膜を形成した場合に、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜が凹型となることを防ぎ、より確実にイオン選択膜の平坦性を得ることができる。よって、より正確な測定を行うことが可能なイオンセンサを提供することができる。
本発明のイオンセンサは、第1電極および第2電極と、第1流路および第2流路と、第1イオン選択膜および第2イオン選択膜と、第3流路および第4流路を備えている。すなわち、2つのバレル型電極に相当する構成を一体的に備えているため、イオンセンサを小型化することができるという効果を奏する。
また本発明のイオンセンサは、電解質として第1溶液および第2溶液を用いるため、電極の反応効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るイオンセンサの断面図である。 本発明の一実施形態に係るイオンセンサの平面図である。 本発明の一実施形態に係るイオンセンサの断面図である。 本発明の一実施形態に係るイオンセンサを示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。 本発明の別の実施形態に係るイオンセンサの断面図である。 本発明の別の実施形態に係るイオンセンサにおける第1層、第2層および第3層の断面図である。 本発明の別の実施形態に係るイオンセンサにおける第1層を示し、(a)は複数の部材から形成された第1層、(b)は一体的に形成された第1層である。 本発明のさらに別の実施形態に係るイオンセンサの平面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係るイオンセンサの平面図である。 本発明の一実施形態に係るイオンセンサにおける第2層の製造方法を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
〔1.イオンセンサ〕
〔第1の実施形態〕
本実施形態に係るイオンセンサ100について図1〜4を用いて説明する。
図1は、イオンセンサ100の概略構成を示す断面図である。図1に示すように、イオンセンサ100は、第1電極1および第2電極2と、第1流路3および第2流路4と、第1イオン選択膜5および第2イオン選択膜6と、第3流路7および第4流路8とを備えている。ここで第3流路7と第4流路8とは、液絡部9を介して電気的に導通している。なお、以下では説明の便宜上、第1流路3および第2流路4側を下方、第3流路7および第4流路8側を上方とする。
図2はイオンセンサ100の平面図である。なお、図2中の点線A−A’で示した箇所における断面図が図1となる。
図2中の破線で示された第1流路3は、第3流路7よりも下方に位置している。第1流路3は、第1導入部11と空気穴13とを接続している流路であるが、上方から見て第3流路7と重なる部分は図示されていない。また、第2流路4は、第4流路8よりも下方に位置し、第1導入部11と空気穴13’とを接続している流路であるが、上方から見ると第3流路7と重なるため、図2中には第2流路4と第4流路8とを同じ実線として図示している。
<第1電極1および第2電極2>
第1電極1および第2電極2は対になっており、第1電極1は第1流路3内に、第2電極2は第2流路4内に配置されている。
第1電極1および第2電極2は図2に示すように引き出し線(導線)10および10’を備えていることが好ましい。引き出し線10および10’を電位差計(図示せず)に接続すれば、第1電極1および第2電極2の間の電位差を測定することができる。引き出し線10および10’は導電性材料であれば特に限定されないが、例えば銅、アルミニウム、金、または銀などが用いられる。
第1電極1および第2電極2には公知の電極を用いることができるが、図3に示すように、金属層14とハロゲン化金属層15とからなる電極であることが好ましい。上記構成によれば電極を簡易に製造することができ、取扱いも容易である。更に具体的には、第1電極1および第2電極2には、例えば銀塩化銀電極(金属層14が銀に対応し、ハロゲン化金属層15が塩化銀に対応する)を用いることも可能である。銀塩化銀電極は取扱いが容易であり、安全であるため好ましい。
<第1流路3および第2流路4>
第1流路3は第1電極1の上部に第1溶液を供給するための流路である。一方、第2流路4は第2電極2の上部に第2溶液を供給するための流路である。
第1流路3および第2流路4は、非導電性部材を掘削して形成されたものであってもよいし、複数の非導電性部材を組み合わせて流路としたものであってもよい。複数の部材を組み合わせて形成した場合であって、層状の構成とした場合は、第2の実施形態として後述する。
上記非導電性部材には、例えばガラス、プラスチック、レジストが用いられるが、これらに限定されない。
第1溶液および第2溶液は、バレル型電極における内部液に相当する。ここで、「内部液」とは、電極と平衡反応を示す液である。内部液は、電解質液であり、例えば上記電極におけるハロゲン化金属層が塩素である場合、例えば塩化カリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液等の塩化物水溶液が用いられる。また、上記第1溶液および上記第2溶液は同一の溶液であることが好ましい。上記構成によれば、第1電極および第2電極の周囲の環境条件を同一のものとすることができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができ、イオン濃度の測定をより正確に行うことができる。
第1流路3および第2流路4はそれぞれ、一方の端部に導入部を備え、もう一方の端部に空気穴を備えていることが好ましい。上記構成によれば、導入部から導入された液体(第1溶液および第2溶液)は毛管力により、流路内を進行する。また、内部液を容器内に封入する構成ではないため、管理が容易である。ここで、第1流路3および第2流路4はそれぞれ異なる導入部を備えていてもよいが、図2に示すように共通の第1導入部11に連通していることが好ましい。上記構成によれば、第1導入部11を介して第1流路3および第2流路4に同時に溶液を流すことができる。
図1および図2中では、上方から見ると第1流路3は、第3流路7と重なるように示されているが、第1電極1上に第1溶液を供給できるものであれば第1流路3の配置は特に限定されるものではない。また同様に第2流路4は、第4流路8と重なるように示されているが、第2電極2上に第2溶液を供給できるものであれば第2流路4の配置は特に限定されるものではない。
<第3流路7および第4流路8>
第3流路7は第1イオン選択膜5の上部に第3溶液を供給するための流路である。一方、第4流路8は第2イオン選択膜6の上部に第4溶液を供給するための流路である。第1流路3および第2流路4と同様に、第3流路7および第4流路8は、非導電性部材を掘削して形成されたものであってもよいし、複数の部材を組み合わせて流路としたものであってもよい。
第3流路7と第4流路8とは電気的に導通している。第3流路7と第4流路8とを電気的に導通するための構成はイオンが透過できる構成であれば特に限定されず、図1および図2では、液絡部9(電気的に導通している部材)として示されている。液絡部9に利用できる部材としては、例えば、ゲル、不織布、糸、メンブレン、素焼ガラス、およびセラミック等が挙げられる。
ここで、第3溶液は被検液であり、第4溶液は参照液であることが好ましい。上記構成によれば、第1電極1、第1流路3、第1イオン選択膜5および第3流路7の組み合わせを作用電極、第2電極2、第2流路4、第2イオン選択膜6および第4流路8の組み合わせを参照電極とすることができ、参照電極に対する作用電極の電位を測定することで、電位差を測定することができる。
本明細書において「被検液」とは、特定のイオン濃度の測定の対象となる液体である。被検液には例えば、血液、尿等の体液、水道水、河川水、工業排水等が挙げられる。
また本明細書において「参照液」とは、参照電極に供給される液であり、参照電極に参照液を付与することにより、作用電極に対して基準となる電位を測定することができる。参照液には例えば、塩化カリウム水溶液等が挙げられる。
本明細書において「作用電極」とは、被験液に含まれる特定のイオンに対応した電位を生じる電極である。
また本明細書において「参照電極」とは、電位差を測定する際に、作用電極に対して基準となる電位を生じる電極である。
第3流路7および第4流路8はそれぞれ、第1流路3および第2流路4と同様に、一方の端部に導入部を備え、もう一方の端部に空気穴を備えていることが好ましい。上記構成によれば、導入部から導入された液体(第3溶液および第4溶液)は毛管力により、流路内を進行する。
ここで、第3流路7の一端が、第1導入部11とは異なるとともに被検液が導入される第2導入部12に連通していることが好ましい。すなわち図4(a)中の点線B−B’で示される箇所で切断した場合に、図4(b)のような断面になればよい。第3流路7は第1導入部11とは連通していないため、図4(b)の紙面左上部には流路が存在しない。上記構成によれば、被検液が他の溶液(第1溶液および第2溶液)と混ざることを防ぐことができる。
図2では、第3流路7はもう一方の端部で第1流路3と共通の空気穴13に連通している。上記構成によれば、2つの流路に対し共通の空気穴を用いるため、簡易な構成のイオンセンサを提供することができる。この場合、第1流路3および第3流路7のそれぞれの空気穴13側の端部(すなわち第1流路3および第3流路7のそれぞれが空気穴13と連通する部分)が非親水性であることが好ましい。上記構成によれば、空気穴13側で第1溶液と第3溶液とが混ざることを防ぐことができるとともに、電位差を測定する際に第1溶液と第3溶液とが電気的に導通することを防ぐこともできる。
また、第3流路7および第1流路3はそれぞれ独立した空気穴を備えていてもよい。すなわち第3流路7は空気穴13とは異なる空気穴(図示せず)を備えていてもよい。上記構成によれば、第1溶液と第3溶液とが混ざることを防ぐことができるとともに、電位差を測定する際に第1溶液と第3溶液とが電気的に導通することを防ぐこともできる。同様に、第2流路4と第4流路8とは共通の空気穴13’に連通していてもよいし、それぞれ独立した空気穴に連通していてもよい。第2流路4と第4流路8とが共通の空気穴13’に連通する場合は、第1流路3および第3流路7と同様に第2流路4および第4流路8のそれぞれの空気穴13’側の端部(すなわち第2流路4および第4流路8のそれぞれが空気穴13’と連通する部分)が非親水性であることが好ましい。
また、溶液同士の導通を防ぐ方法として溶液の量を調節してもよい。すなわち、流路に供給する溶液の量を、流路をちょうど満たす量(導入部および空気穴に余分にあふれ出ない量)とすれば、溶液同士の導通を防ぐことができる。
また、上記第1溶液および上記第2溶液は参照液であることが好ましい。上記構成によれば第1溶液、第2溶液および第4溶液として同一の溶液を用いるため、イオン濃度を測定するために使用する溶液の種類の数を減らすことができる。
さらに、第4流路8の一端が、第1導入部11に連通していることが好ましい。上記構成によれば、第1流路3、第2流路4および第4流路8に対して同時に溶液を導入することができる。
<第1イオン選択膜5および第2イオン選択膜6>
図2に示されているように第1イオン選択膜5は第1流路3の少なくとも一部の上に配置されており、第2イオン選択膜6は第2流路4の少なくとも一部の上に配置されている。
第1イオン選択膜5は第1溶液と第3溶液とに含まれる特定のイオンに選択的に応答する膜であり、第2イオン選択膜6は第2溶液と第4溶液とに含まれる特定のイオンに選択的に応答する膜である。測定対象となる特定のイオンには、例えば水素イオン、アンモニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、塩素イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、シアンイオン、鉛イオン、銅イオン、臭素イオン、カドミウムイオン等が挙げられるがこれらに限定されない。
第1イオン選択膜5および第2イオン選択膜6には、公知のイオン選択膜を用いることができ、例えば特定のイオンと選択的に応答するニュートラルキャリアを高分子物質からなる膜に含ませたものが挙げられる。上記ニュートラルキャリアは測定対象となるイオンに応じて適宜選択すればよいが、例えばクラウンエーテル等の環状ポリエーテル、テトララクトン、マクロリドアクチン、エンニナチン、バリノマイシン、メチルモネンシン、モネンシンナトリウム、ナトリウムテトラフェニルボレート、カリウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。また上記高分子物質としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル/ポリ塩化ビニリデンコポリマー、ポリ塩化ビニル/ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロースエステル、シリコンエラストマー等が挙げられる。
第1イオン選択膜5と第2イオン選択膜6とは、材質、表面状態、厚さ、面積等において互いに同じ構成であることが好ましい。上記構成によれば、第1イオン選択膜5および第2イオン選択膜6の条件を同一のものとすることができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができ、その結果、イオン濃度の測定をより正確に行うことができる。
<イオンセンサを用いた測定方法>
本実施形態に係るイオンセンサを用いた測定方法の例を以下に示す。
(1)溶液の導入
参照液を第1導入部に導入し、被検液を第2導入部に導入する。参照液は毛管力によって第1流路、第2流路および第4流路中を移動する。被検液は毛管力によって第2流路中を移動する。ここで、第1流路および第2流路中の参照液は、それぞれ、第1電極上でありかつ第1イオン選択膜下、および、第2電極上でありかつ第2イオン選択膜下にとどまるように調節されている。また、第3流路中の被検液および第4流路中の参照液はそれぞれ第1イオン選択膜上および第2イオン選択膜上にとどまるように調節されている。上記のように調節するためには、それぞれの流路の長さを調節する方法、それぞれの流路内に疎水性領域を作る方法、および溶液の量を調節する方法等が挙げられる。
(2)電位差の測定
第1流路内の参照液と第1電極との間、ならびに第2流路内の参照液と第2電極との間において、それぞれ平衡反応が起こる。第1流路内の参照液と第3流路内の被検液との間では第1イオン選択膜を介してイオンの移動が起こる。すなわち、第1イオン選択膜は当該第1イオン選択膜の両側で測定対象となるイオンと応答する。なお、このとき移動するイオンの種類は、第1イオン選択膜の種類に応じて決定される。また第2流路内の参照液と第4流路内の参照液との間では第2イオン選択膜を介してイオンの移動が起こる。すなわち、第2イオン選択膜は当該第2イオン選択膜の両側で測定対象となるイオンと応答する。なお、このとき移動するイオンの種類は、第2イオン選択膜の種類に応じて決定される。さらに第3流路内の被検液と第4流路内の参照液は電気的に導通する。以上のようにして、第1電極と第2電極との間に電位差が生じる。当該電位差は第1電極および第2電極の引き出し線に接続された電位差計によって測定することができる。
当該電位差と、測定対象である特定のイオンに関して予め作成された検量線とを比較することで特定のイオンの濃度を測定することができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について、図5および6を用いて説明する。図5は本実施形態に係るイオンセンサ100の概略構成を示す断面図である。図6は本実施形態に係るイオンセンサにおける第1層20、第2層21および第3層22の断面図である。
本実施形態のイオンセンサ100は層状の構成となっている。具体的には、第1電極1および第2電極2、ならびに第1流路3および第2流路4を有している第1層20と、第1イオン選択膜5および第2イオン選択膜6を有している第2層21と、第3流路7および第4流路8、ならびに第3流路7と第4流路8とを電気的に導通している部材9を備えている第3層22と、を備えている。上記構成によれば、イオンセンサが2つのバレル型電極に相当する構成を層状の構成として一体的に備えているため、イオンセンサを小型化することができ、かつ簡易に製造することができる。その他の構成については、第1の実施形態に係るイオンセンサと同様であって、これらの構成に関する説明は省略する。以下では、さらに第1層20、第2層21および第3層22について具体的に説明する。
<第1層20>
第1層20は、非導電性支持体16上に設けられている第1電極および第2電極を有している。また図示しないが、第1の実施形態と同様に、第1電極1および第2電極2は引き出し線を備えていることが好ましい。
また、第1層20は第1流路3および第2流路4を有している。ここで、第1流路3および第2流路4は、図7(a)に示されるように複数の部材によって囲まれることで形成されていてもよいし、図7(b)に示されるように単一の部材によって形成されていてもよい。
第1流路3と第2流路4とは、第1非導電性部材17によって隔てられている。上記構成によれば、第1流路3と第2流路4とが直接的に導通することを防ぐことができる。第1非導電性部材17と非導電性支持体16とは、射出形成等によって一体的に形成されていてもよいし、別々の部材として形成された後、貼り合わせられたものであってもよい。非導電性支持体16および第1非導電性部材17の材料は、例えばガラス、プラスチック、レジスト等が用いられる。
<第2層21>
第2層21は、上記第1層20の上に配置されている層であって、第1イオン選択膜5と第2イオン選択膜6を有している。ここで上記第1イオン選択膜5と上記第2イオン選択膜6とは第2非導電性部材18によって隔てられている。上記構成によれば第1イオン選択膜と上記第2イオン選択膜とが直接的に導通することを防ぐことができる。
第2非導電性部材18の材料は、例えばガラス、プラスチック、レジスト等が用いられる。
<第3層22>
第3層22は、上記第2層21の上に配置されている層であって、第3流路7および第4流路8を有している。ここで、第3流路7および第4流路8は、第3非導電性部材19および部材9によって形成されている。第3非導電性部材19は、単一の部材であってもよいし、複数の部材によって構成されていてもよい。第3非導電性部材の材料には、第1層における非導電性支持体および第1非導電性部材の材料と同様のものを用いることができる。
第3流路7と第4流路8とは、電気的に導通している部材9によって隔てられている。電気的に導通している部材9は、第3非導電性部材19の下方に貼り付けられている。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態について、図8を用いて説明する。図8は本実施形態に係るイオンセンサ100の平面図である。図8中には第2流路4が示されており、第4流路8は示されていない。
本実施形態のイオンセンサ100では、第1流路3および第2流路4は、共通の接続部23を介して第1導入部11と連通しており、上記接続部23の断面積は、第4流路8と第1導入部11とが接続する部分の断面積と比べて小さいことを特徴とする。その他の構成については、第1の実施形態に係るイオンセンサと同様である。
ここで接続部23の構成は特に限定されないが、接続部23は例えば管状の部材であり、第1流路3および第2流路4は共通の管状の部材に連通しており、さらに当該管状の部材が第1導入部に連通していてもよい。この場合、「接続部23の断面積」とは、上記管状の部材と第1導入部との連結面の面積を意図している。連結面とはすなわち、管状の部材と第1導入部とが接する面である。
上記構成によれば、第1溶液および第2溶液と、第4溶液との導通を防ぐことができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができる。
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態について、図9を用いて説明する。図9は本実施形態に係るイオンセンサ100の平面図である。図9においても図8と同様に、第2流路4が示されており、第4流路8は示されていない。
本実施形態のイオンセンサでは、第1流路3および第2流路4は、各々、異なる接続部(接続部24および25)を介して第1導入部11と連通しており、上記第1流路3と上記第1導入部11との接続部24の断面積、および、上記第2流路4と上記第1導入部11との接続部25の断面積は、各々、第4流路8と第1導入部11とが接続する部分の断面積と比べて小さいことを特徴とする。その他の構成については、第1の実施形態に係るイオンセンサと同様である。
ここで接続部24および25の構成は特に限定されない。接続部24および25は例えば管状の部材であり、第1流路3は管状の接続部24を介して第1導入部に連通しており、第2流路4は管状の接続部25に連通していてもよい。さらに接続部24および接続部25が第1導入部に連通している。この場合、「接続部24の断面積」とは、上記管状の接続部24と第1導入部との連結面の面積を意図している。ここで、連結面とは管状の接続部24と第1導入部とが接する面である。同様に「接続部25の断面積」とは、上記管状の接続部25と第1導入部との連結面の面積を意図している。ここでの連結面とは、管状の接続部25と第1導入部とが接する面である。
上記構成によれば、第3の実施形態と同様に、第1溶液および第2溶液と、第4溶液との導通を防ぐことができる。さらに本実施形態では、第1溶液と第2溶液との導通も防ぐことができる。よって、第1電極と第2電極との間の電位差をより正確に測定することができる。
〔2.イオンセンサの製造方法〕
本実施の形態のイオンセンサの製造方法は、上述した本発明のイオンセンサを製造するための方法である。本実施の形態のイオンセンサの製造方法であれば、小型のイオンセンサを簡便に製造することができる。
本実施の形態のイオンセンサの製造方法は少なくとも第1工程、第2工程および第3工程を包含する。以下、これらの工程について説明する。なお、〔1.イオンセンサ〕にて既に説明した事項については、ここではその説明を省略する。
<第1工程>
第1工程は、非導電性支持体と、第1電極および第2電極と、第1流路および第2流路とが備えられており、第1流路と第2流路とが第1非導電性部材によって隔てられている第1層を形成する工程である。
非導電性支持体と第1非導電性部材とは、上述の図7に示したように、一体的に形成されてもよいし、別々の部材によって形成されてもよい。一体的に形成する場合は、非導電性支持体を掘削することによって第1流路および第2流路を形成してもよいし、金型を用いた射出成形によって、第1流路および第2流路を形成してもよい。別々の部材によって形成する場合は、非導電性支持体上に、第1非導電性部材ならびに第1流路および第2流路の流路壁(換言すれば、流路の外側を規定する壁)となる部材を貼り合せて形成してもよい。
第1電極および第2電極は、例えば、非導電性支持体上に金属層を形成した後、塩化処理を行ってハロゲン化金属層を形成することによって作製すればよい。または、第1電極および第2電極は、金属層とハロゲン化金属層とからなる電極をスクリーン印刷することによって作製してもよい。
また第1層は上記電極間の電位差を検出するための引き出し線を備えていてもよい。引き出し線は、例えばスパッタ、めっき、スクリーン印刷等の方法で作成することができる。
<第2工程>
第2工程は、第1イオン選択膜と第2イオン選択膜とを備えており、上記第1イオン選択膜と上記第2イオン選択膜とが第2非導電性部材によって隔てられている第2層を形成する工程であって、上記第2層を上記第1層の上に貼り合せる工程である。
第2非導電性部材を含む第2層には、イオン選択膜のサイズに応じた穴を作製する。調整したイオン選択膜溶液を上記穴へ所定量添加し、イオン選択膜溶液中の溶剤を気化させることで、イオン選択膜を作製する。この場合、図10に示すように作製用支持体26上に第2層21を配置することで、当該工程を効率的に進めることができる。
上記イオン選択膜溶液としては、例えばニュートラルキャリア、ポリ塩化ビニル、可塑剤、その他イオン選択性を高める排除剤などを溶剤に溶解したものを用いることができる。
上記第2非導電性部材には、イオン選択膜と密着性の高いものを選択することが好ましい。上記構成によれば、第2非導電性部材を含む第2層に第1イオン選択膜および第2イオン選択膜を保持することができる。よって、第1層とは独立した、構造的に安定な第2層を形成できる。その後、当該第2層と第1層とを貼り合せることによって、簡便に、本発明に係るイオンセンサを製造することができる。
第2非導電性部材がイオン選択膜と密着性をもつためには、アンカー効果を利用する方法、密着性のある材料を用いる方法等が挙げられる。例えば、上記イオン選択膜では、クラウンエーテル等のニュートラルキャリアを膜内の所定の場所に保持するために、例えばポリ塩化ビニルにニュートラルキャリアを混合して、当該混合物を膜状にしたりする。この保持される材料と同等の材料を第2非導電性部材に用いれば、第2非導電性部材がイオン選択膜に対して密着性をもつ。例えば、ニュートラルキャリアを保持するためにポリ塩化ビニルを用いれば、第2非導電性部材には、例えばポリ塩化ビニルから成るフィルム等を用いることができる。
また、第2非導電性部材の厚みは、第1イオン選択膜および第2イオン選択膜の厚みと等しいことが好ましい。上記構成によれば、第2非導電性部材を含む第2層に第1イオン選択膜および第2イオン選択膜を形成した場合に、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜が凹型となることを防ぐことができ、より確実にイオン選択膜の平坦性を得ることができる。よって、より正確な測定を行うことが可能なイオンセンサを提供することができる。上記第2非導電性部材の厚み、ならびに第1イオン選択膜および第2イオン選択膜の厚みは特に限定されるものではないが、1μm〜10mmであることが好ましく、10μm〜1mmであることが更に好ましい。
以上のようにして形成された第2層は、上記第1層上に貼り合わせられる。貼り合せるための具体的な方法は特に限定されないが、貼り合わせを容易にするために第1層と第2層との間に両面テープを用いることもできる。
<第3工程>
第3工程は、第3流路および第4流路を備えており、上記第3流路と上記第4流路とを電気的に導通している部材を備えている第3層、を形成する工程であって、上記第3層を上記第2層の上に貼り合せる工程である。
第3流路および第4流路は、第1層における第1流路および第2流路と同様に、非導電性部材を掘削することによって形成してもよいし、射出成形によって形成してもよい。別々の部材によって形成する場合は、非導電性部材上に、第3流路および第4流路の流路壁(換言すれば、流路の外側を規定する壁)となる部材、および、第3流路と第4流路とを電気的に導通している部材を貼り合せて形成してもよい。
上記非導電性部材には、第1層で用いられる非導電性支持体および第1非導電性部材と同一の材料を用いることができる。また、上記非導電性部材には第3流路と第4流路とを電気的に導通している部材が貼り合わせられる。
以上のように形成された第3層を上記第2層上に貼り合わせることにより、本発明に係るイオンセンサを製造することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば血液、尿等の体液を対象とした生化学分析、および水道水、河川水、工業排水等を対象とした環境モニタリング等の分野において、液中に含まれる特定のイオンの濃度を測定するために好適に利用することができる。
1 第1電極
2 第2電極
3 第1流路
4 第2流路
5 第1イオン選択膜
6 第2イオン選択膜
7 第3流路
8 第4流路
9 電気的に導通している部材
11 第1導入部
12 第2導入部
14 金属層
15 ハロゲン化金属層
16 非導電性支持体
17 第1非導電性部材
18 第2非導電性部材
20 第1層
21 第2層
22 第3層
23、24、25 接続部

Claims (14)

  1. 対をなす第1電極および第2電極と、
    上記第1電極の上部に第1溶液を供給するための第1流路、および上記第2電極の上部に第2溶液を供給するための第2流路と、
    上記第1流路の少なくとも一部の上に配置されている第1イオン選択膜、および上記第2流路の少なくとも一部の上に配置されている第2イオン選択膜と、
    上記第1イオン選択膜上に第3溶液を供給するための第3流路、および上記第2イオン選択膜上に第4溶液を供給するための第4流路と、を備えており、
    上記第3流路と上記第4流路とは電気的に導通しており、
    上記第1イオン選択膜は上記第1溶液と上記第3溶液とに含まれる特定のイオンに選択的に応答する膜であり、上記第2イオン選択膜は上記第2溶液と上記第4溶液とに含まれる特定のイオンに選択的に応答する膜であることを特徴とするイオンセンサ。
  2. 非導電性支持体、上記非導電性支持体上に配置されている上記第1電極および上記第2電極、ならびに上記第1流路および上記第2流路を有しており、上記第1流路と上記第2流路とが第1非導電性部材によって隔てられている第1層と、
    上記第1層の上に配置されている第2層であって、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜を有しており、上記第1イオン選択膜と上記第2イオン選択膜とが第2非導電性部材によって隔てられている第2層と、
    上記第2層の上に配置されている第3層であって、上記第3流路および上記第4流路、ならびに上記第3流路と上記第4流路とを電気的に導通している部材を有する第3層と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のイオンセンサ。
  3. 上記第1電極および上記第2電極は、金属層とハロゲン化金属層とからなる電極であることを特徴とする請求項1または2に記載のイオンセンサ。
  4. 上記第3溶液は被検液であり、上記第4溶液は参照液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオンセンサ。
  5. 上記第1溶液および上記第2溶液は同一の溶液であることを特徴とする請求項4に記載のイオンセンサ。
  6. 上記第1流路の一端および上記第2流路の一端が、共に、上記同一の溶液が導入される第1導入部に連通していることを特徴とする請求項5に記載のイオンセンサ。
  7. 上記第3流路の一端が、上記第1導入部とは異なるとともに、上記被検液が導入される第2導入部に連通していることを特徴とする請求項6に記載のイオンセンサ。
  8. 上記第1溶液および上記第2溶液は参照液であることを特徴とする請求項7に記載のイオンセンサ。
  9. 上記第4流路の一端が、上記第1導入部に連通していることを特徴とする請求項8に記載のイオンセンサ。
  10. 上記第1流路および上記第2流路は、共通の接続部を介して上記第1導入部と連通しており、
    上記接続部の断面積は、上記第4流路と上記第1導入部とが接続する部分の断面積と比べて小さいことを特徴とする請求項9に記載のイオンセンサ。
  11. 上記第1流路および上記第2流路は、各々、異なる接続部を介して上記第1導入部と連通しており、
    上記第1流路と上記第1導入部との接続部の断面積、および、上記第2流路と上記第1導入部との接続部の断面積は、各々、上記第4流路と第1導入部とが接続する部分の断面積と比べて小さいことを特徴とする請求項9に記載のイオンセンサ。
  12. 非導電性支持体と、上記非導電性支持体上に配置されているとともに対をなしている第1電極および第2電極と、上記第1電極の上部に第1溶液を供給するための第1流路および上記第2電極の上部に第2溶液を供給するための第2流路と、を備えており、上記第1流路と上記第2流路とが第1非導電性部材によって隔てられている第1層を形成する工程と、
    上記第1層の上に配置される第2層であって、第1イオン選択膜と第2イオン選択膜とを備えており、上記第1イオン選択膜と上記第2イオン選択膜とが第2非導電性部材によって隔てられている第2層、を形成する工程であって、上記第2層を上記第1層の上に貼り合せる工程と、
    上記第2層の上に配置される第3層であって、上記第1イオン選択膜の上部に第3溶液を供給するための第3流路と、上記第2イオン選択膜の上部に第4溶液を供給するための第4流路とを備えており、上記第3流路と上記第4流路とを電気的に導通している部材を備えている第3層、を形成する工程であって、上記第3層を上記第2層の上に貼り合せる工程と、を含むことを特徴とするイオンセンサの製造方法。
  13. 上記第2非導電性部材は、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜と密着性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項12に記載のイオンセンサの製造方法。
  14. 上記第2非導電性部材の厚みは、上記第1イオン選択膜および上記第2イオン選択膜の厚みと等しいことを特徴とする請求項13に記載のイオンセンサの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015523582A (ja) * 2012-07-30 2015-08-13 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 生体分子検出試験ストリップ設計
WO2023054092A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 キヤノン株式会社 マイクロ分析チップ
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